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[アスペルガの少年と汚い僕]の続き

レス46 HIT数 34678 あ+ あ-

草賀( ♂ G857nb )
11/05/12 01:24(更新日時)

2009年 10月9日

この日は康太君にとっても僕にとっても残らなくてもいい記憶を頭の中に植え付けらざる得ない最悪の一日となりました



※お願い※
これは前回の
スペルガの少年と汚い僕
URL:
http://mikle.jp/thread/1292898/
の携帯機種変更の為にこのスレを前回からの続きになっています

感想やご意見は
【アスペルガの少年と汚い僕】の交流スレ
URL:
http://mikle.jp/thread/1313587/
と設けていますのでどうかそちらにてお願い致します🙇

前スレでは僕の配慮のなさで感想スレたてるのが遅くなり不愉快な思いされたかた大変申し訳ありません🙇

No.1431327 10/09/29 01:20(スレ作成日時)

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No.1 10/09/29 01:43
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

僕はその夜に康太君のおばあちゃんに連絡を取るまいか考えていました
なぜなら野口さんは戸籍でも母親であり僕はただの整骨院の先生にしかすぎない。
野口さんがただ戻ってきたからであって今の段階ではそれが悪いことと言いきれない………そう思ったからです
一瞬希望すら持ちました
「野口さん改心して戻ってきたんだ!!!」とさえ
それが次の電話でその希望が大きな間違いと気づいたのです

No.2 10/09/29 01:54
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 1 プルプル………
プルプル………

電話が鳴りました

康太君のおばあちゃんからです

「もしもし草賀です」
「あっ先生すみません、こんなこと先生に頼むなんて筋違いと承知しているのですが」
「はい?」
「孫を新大阪まで迎えに行って頂くことできないでしょうか?」

最初意味がわかりませんでしたがよくよく話しを聞くとこういうことです

野口さんは枚方市役所に転出届けを貰いに来ために大阪に戻ってきただけ
そして翌日金曜日にまた神奈川に戻る

康太君はなるべく野口さんと一緒にいたいと新大阪駅まで着いて行くが野口さんと別れた後、康太君一人では帰られない

そこで僕に迎えに来てほしいとのことでした

おばあちゃんいるだろう??と思いましたがその疑問は後にすぐにわかりました

No.3 10/09/29 02:05
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 2 僕は早朝より滋賀県大津より新大阪駅に向かいました

とりあえず京都で新幹線に乗り換え朝の8時40分くらいに新大阪に着きました

でも冷静に考えた時僕はどんな対応したらいいのだろう

野口さんに最後まで康太君の母親でいてあげてくれと言うべきなのか

野口さんはどんな顔して康太君にさよならするのか

考えただけで気が重くなりました

新大阪に着きました
名前は今思い出せませんが新大阪駅の改札周辺の喫茶店で待ち合わせしました

そして中に入りました

座席には

これから一般的には起こることがない生活の変化をせざるえない康太君が少し笑顔気味にミックスジュ-スを頬をすぼめて飲んでいました

その向かいに久しぶりに見る野口さん

そして横には目良が座っていたのです

No.4 10/09/29 02:16
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 3 僕は康太君の隣に座る前に

「康太君ちょっとおじちゃん[目良]と外で待ってくれる?」

「僕も………な、なんでもないです」

「……………」

僕は目で目良に合図をしたつもりでした
でも目良は腕組みし膝股広げ座ったまま動こうともしません

そして目良は
「先生康太は人の話し理解できないから大丈夫やで」

僕は目良を睨みつけ
「黙ってろよ!!」

康太君は僕に
「先生~そんな言葉使いだめでしょ、ふぅ、くぃッ」

No.5 10/09/29 02:23
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 4 とりあえず僕は康太君の隣に座りました

会話が断片的でした

康太君が横にいるから何か話しを作るだけで精一杯でした

野口さんを見ると野口さんは笑顔で康太君を見つめていました
その笑顔が
母親としての笑顔なのか
それとも
これから想定している自分の中で抱く未来なのか

少なくても前者でないのは明らかのような気がしました

そして康太君は

「あの~トイレ借りてもいいでしょうか?」

そして定員さん呼んで康太君をトイレに案内してもらいました

そして僕は康太君がトイレ言っている間に野口さんに言いました

No.6 10/09/29 02:38
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 5 「野口さん!改めて考え直してもらえないですか!康太君はどうなるんです!?大阪には戻らないんですか?」

「先生、私は康太が小さいころから何回も放棄して全て手放してこの人と二人で生活したいと思ったことありました。先生と初めて会った場所覚えてます?」

「確か占いでしたか…」

「そうですね。私占いの先生にも将来的なこと見てもらっていたんです」

「そんな康太君の将来的なことまで左右される問題を占いなんて…」

「それだけ私も切羽詰まれていたんです」

「でも戸籍は変えてしまうのですか?」

「野口のままで戸籍は変えません。遺族年金も馬鹿にならないんで」

そうだった…野口さんは未亡人だった……

No.7 10/09/29 02:48
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 6 「遺族年金ということは康太君の養育費はちゃんと考えてるんですか?」

目良がその時

「先生先生、そんなん関係ない話しやないか。それとも先生が康太の生活みるちゅうんか」

「お前はなぁ…」と言いかけたとき康太君が戻ってきました
康太君は座るなりこういいました

「お、お、おかあさん僕と一緒に暮らすんやろ」

僕はその一言で血圧が上がったような気がしました

「康太はおばあちゃんがいるやろ、この前はおばあちゃんのほうが優しいからママより好きって言ったやん」

「ごご、ごめんなさい、僕が悪かったです、だ、から出ていかんといて」

No.8 10/09/29 03:02
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 7 「さあ新幹線時間やしそろそろ出ようか」

「ヤッタ僕も新幹線乗れるの」

「康太は乗れないよ」
と淡々と野口さんは言います

「どうして~ですか?どうして、ぼく、康太は新幹線に乗れないのですか?康太はきちがいだからですか?」

喫茶店出て改札に向かっ野口さんは歩きます
横に目良が着いて歩いてます

康太君は野口さんのスカート引っ張り続けています

僕はただその後ろを歩いていました

No.9 10/09/29 03:18
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 8 一歩一歩改札に近づいていきます

それでも康太君は野口さんのスカートを離そうとしません

(もう康太君手を話して諦めてくれ)
と思ってしまうくらいスカートを引っ張り続ける康太君を見るに耐えないものがありました

「お母さん、ま、ママ、お母さん!」
「ぼ、僕普通になりますから!」
「いじめられても学校にがっ学校に行くから」
「いっ一生懸命お勉強頑張りますから!」
「い、家のお手伝い、もっともっとたくさんたくさんするからーー!」
「僕のどこがいけないか教えて下さい僕は僕のことわからないです!!」
「お願いやから!!お願いやかは普通にしますから!」

そして改札の前で振り向き野口さんは康太君に言いました

No.10 10/09/29 03:29
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 9 「あんたはいつもいつも普通ちゃうやないか!!だからお母さんもおじちゃんも苛々して康太を叩いたんやんか!あんた覚えてないんか!この頭は全く記憶できない頭なんか!!!」

と言っていきなり康太君の髪の毛を引っ張るんです

僕はすざましい形相に立ちすくみましたがハッとして野口さんの手首を掴みました

野口さんは鬼のような形相で康太君の髪の毛を離そうとしません

「ごめんなさいご~めんなさいぃ~~絶対いい子になりますから~」

「もう遅いんやぁー!あんたはきちがいなんや~!!」

僕はやもえず自分の手を大きく振り上げ野口さんの手首と肘の間をおもいっきり叩き下ろしやっと野口さんの手が康太君の髪の毛より離れました

No.11 10/09/29 03:37
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 10 「いたいよぅいたいよぅ」
康太君はしゃがみ込み自分の頭を撫でています
「ハァハァハァハァ」
野口さんはそんな康太君を見ながら息をきらしていました

「先生もうこれが最後やから私も黙っていたけどこんなことほんま最後にしてや、こいつ今妊娠しとるねん」

今更驚きもしません

「こんなことこっちも願い下げだ、こちらこそ言わして貰うけど二度とこんなことあったら、お前は殺すぞ」

と言いました

No.12 10/09/29 03:46
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 11 野口さんは徐々に呼吸の乱れを取り戻し康太君に
「歳からいって康太よりお母さんが先に死ぬんや。だからこれからはお母さんの好きにさせて」

康太君は誰も予測しない返答をしました





「じゃあぁ、もし、もし~~お母さんが死んだらまっすぐに僕を迎えに来てな、僕は一人では生きられないから、か、必ずだよ」

と言って小指を野口さんに立てました

そして康太君は呟いたような小声て
「ゆびきりげんまんうそついたらはりせんぼんの~ます、フゥ……」

No.13 10/10/01 01:03
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 12 改札で別れる際まで

最後の最後まで

康太君は野口さんの歩く後ろで小走りについていきながら

母親に引っ張られた髪の毛や頭を自分でさすりながら

「いたいよぅお、いたいよぅ~」

その姿はまるで

(お母さん振り向いてよ!!)

と言っているように見えました


そして野口さんは立ち止まることなく改札を通り抜けエスカレーターで上がっていったのです

No.14 10/10/06 02:19
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 13 野口さんは僕が思った以上にあっさりと康太君に背中を向けたまま大阪を後にしました

僕はその日新大阪の件がなければ昼過ぎに職場に戻り2時から数人の予約されている患者さんを診る予定でしたが力が抜けたというか気力を使いきった感じがしてしまいました

本当ならすぐに地下鉄に乗らないといけなかったのですが地下鉄に乗る以前に新大阪駅内にいることに息苦しさを感じて康太君の手を握りしめとりあえず新大阪駅から出ました

No.15 10/10/06 02:28
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 14 新大阪駅出るとちょっとした小さな公園がありました

そこにある椅子に腰掛け

「康太君…」

「はい」
と低い声

名前を呼んだあとの言葉が思いつきません

「暑いからジュース飲もうか」

「いいえ~いいですよぉ」

………

とりあえず自動販売機で飲み物を買いました

「大丈夫?今痛い」

と髪の毛を引っ張られたことに対して体を気遣いしました

返事はありません
しゃがんで返事せずに足元の砂道に絵を描いてました

一分くらいして

「大丈夫ですよぉ」

…………

No.16 10/10/06 02:39
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 15 僕の携帯には患者さんの連絡先を登録してましたのでこの日予定されていた患者さんにお休みの知らせとお詫びの電話をし1時間くらいでしたが公園に座り込んでました

そしてこれからのことを考えていました

お母さんもいなくなって僕は今後康太君に対してどこまでやっていけばいいのだろう
というより
どこまでしなくてはいけないんだろうと

心のどこかで逃げることを考えていました

No.17 10/10/06 02:53
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 16 僕はこの頃忙しいピーク時期に比べ一週間単位で約二割から三割の患者さんを減らしていました

康太君に接する時間や職種であった発達障害の研修や講演などの時間を優先していたからです

ですから飛び入りの患者さんは一時期全て断ってきました
当然自営ですから収入は減ります

でもそれは母親である野口さんがいることを前提に康太君に対してできることはしようと思っいたことであって野口さんはがいなくなっては…と

投げ出したい気持ちが優先してしまったのです

もうかなり新大阪でいろんな意味で疲れてしまい
今日帰りに康太君のおばあちゃんに話しして本来の仕事をこれからは優先しようと決め、康太君連れて帰りました

No.18 10/10/06 08:41
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 17 [訂正]

前レスの

「康太君に接する時間や職種であった発達障害の研修や講演などの時間を優先していたからです」

ではなく

康太君に接する時間や本来の職種とは異なる発達障害の研修や講演などの時間を優先していたからです

です珵

すみません

No.19 10/10/07 00:49
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 18 その日、時間は記憶が確かではありませんが4時くらいは過ぎていたと思います

康太君を家まで送っていきました

家につき玄関先でおばあちゃんが出てきました
事が事でしたのでおばあちゃんに少し話ししておこうと
おばあちゃんに家の中によばれたとき、それに応じ家にあがらせてもらいました

No.20 10/10/07 00:55
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 19 康太君はすぐに2階に上がりました

一階の部屋によばれ

「先生、今日は本当にありがとうございました」

僕は「ありがとうございました」の言葉に違和感がありましたが聞き流しました

康太君と野口さんの新大阪での出来事は言いませんでした

言いませんでしたと言うよりどう話ししていいかわからなかったのが本音でした

おばあちゃんが僕に話しをした内容は何故か野口さんが子供だった頃の話しでした

初めて聞いた意外な内容でした

No.21 10/10/07 01:07
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 20 それは
野口さん自身も実のお父さんとの記憶がないこと
それは野口さんの旦那さん同様、野口さんが物心ついたくらいにお父さんが病死されたこと

野口さんは子供の頃勉強が苦手で成績は芳しくなかったこと

おばあちゃんが自宅で子供だった頃に勉強を含め何かしら質問をすると答える前に質問を小声で復唱していて、それがおばあちゃんにとって[自信のない不安気があるおうむ返し]と感じ苛々してよく怒っていたこと

それを聞いた時、率直な感想は今の康太君に似ている
と思ったことでした

そして野口さんは小学校、中学校と虐めにあっていたことでした

No.22 10/10/07 01:16
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 21 僕は

カエルの子はカエル

という誰が作ったかわからない言葉が脳裏をよぎりました

それは康太君親子のことではなく自分自身の事でした

(ならばあんな親に育てられた俺は…)と

そう思うとこの場が居づらくなり
「とりあえず仕事のことがありますので今日はこれで失礼します」

と腰をあげました

帰り間際、おばあちゃんは
「今日は娘何時頃に帰ってくるか先生、聞いてませんか?」

No.23 10/10/20 13:47
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 22 「あの、野口さんは…帰ってこないと…話しされてませんでしたか?」

「あ~そうでしたそうでした」

正直、(大丈夫かな)って思いとそれ以上に仕事をしばらく優先しないといけない…

と言う思いが先立っていました

No.24 10/10/26 00:41
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 23 その日以降僕は康太君としばらく会うことはありませんでした

特に意識的に避けていたわけではないつもりでした

仕事も新規の問い合わせの患者さんを康太君との時間の為に断っていた事実もあり来院する人が少なくなっても増えることはありませんでしたから仕事が息詰まり手前までいってしまってました

しばらくは自分自身の生活もあるので仕事に没頭していました

と言えば聞こえは良いのですが仕事場に電話が鳴り出てみると康太君でなかったりするとホッとしてしまう自分がいました

No.25 10/10/26 00:47
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 24 11月に入り中頃に職場テナントの持ち主よりこんなことを言われました

「先生、このテナントを土地の持ち主にやもえない事情で返すんです。すぐにとは言いません、一年はまだありますので…」

またまた移転を余儀なくされることになります

結果的には今年の8月移転したのがそれでした

No.26 10/10/26 15:52
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

僕は昔から土壇場にならないと動けなくて
[移転まで一年あるしまだいけるな]
くらいにしか思ってませんでした

そのくせ自分のプライベートで一つ心境の変化がありました

それは僕の職場の斜め向かいに喫茶店がありそこに不定期でアルバイトしていた女性に好感を持ちはじめていたのでした

No.27 10/10/31 19:46
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

僕は喫茶店で働いている彼女をいきなり一目惚れしたわけではありませんでした

最初はたわいない会話が続いていたのでした

「もうすぐクリスマスですけどバイトなんですよ」

「まあクリスマスの日が無理でも前後に彼氏と祝ったっていいじゃない煜」

「いたらいいんですけどね」

「えっ昉そうなの?可愛らしい顔しているんだからあっという間にできるよ」

「私うんと年上のほうがいいんですよ」

という会話から気がつけば毎日150円のコーヒーを飲むのが楽しみになっていたんです

No.28 10/10/31 19:52
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 27 ある日を境にほぼ毎日のように彼女と会うようになりました

理由は喫茶店で彼女と話ししているうちにわかったのですが彼女はバイトを掛け持ちで働いていてたまには「息抜きにご飯でも」

それから二人で食事をするようになりました

もう完全に康太君の問題に背を向けていました

そして12月に入りました

No.29 11/01/13 23:59
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 28 12月になり二週目に差し掛かり、少しずつクリスマスの気分が高まってきたころ、彼女から
「今度治療お願いしていいですか?」

「いつでもいいから、時間つけれたらおいで。あっ!せっかく来てくれたのに予約の人とかちあったらいけないから」

と名刺を渡したのです

彼女は笑顔で受け取ってくれました

それから数日後、彼女から電話がありました

そして彼女が初めて仕事場に来ました

腰痛でした

No.30 11/01/14 00:07
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

それからというもの、前よりまして僕は彼女が勤めている喫茶店に通い、毎日さりげない会話をするのが習慣になっていました。

とても幸せな気持ちになっていました。

そしてクリスマス

彼女から
「クリスマス何か予定はあるんですか?」

「プライベートでは何もないけど、多分仕事だよ」

「もうすぐ私誕生日なんです。クリスマスですし時間作ってもらえたら」

「そっかぁ、もし休めたらご飯食べに行こうか」


と、そんなやりとりをしました

でも結局は仕事でした

No.31 11/01/14 00:13
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 30 その時期の僕の職場には近くに放送スピーカーが設置されており、通常なら有線で歌謡曲、
12月入るとクリスマスソング
クリスマスが過ぎるとお正月の歌

が放送されます

お正月の歌を聞きながらふと思いました


康太君は今何をしているのだろう…

No.32 11/01/14 00:18
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 31 康太君のことが気になる反面、今の康太君がどうしているのか知るのが怖かったのです

そして何より僕は来年には仕事場所を移動するかも知れない
時間に余裕がない

とそっちのほうも優先していたのです

No.33 11/01/14 00:37
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 32 そしてお正月が来ました。

僕はお正月にやっておきたいことがありました。
つまらないことなんですが、和歌山県にマリーナシティというのがありまして、そのすぐ側に[黒潮市場]というのがあります。そこで食事がしたかったのです。

理由は僕が派遣時代に一度だけ黒潮市場に行きましたがお金がなく、美味しそうなマグロを素通りし何も口にしないまま、黒潮市場を去ったことがありましたのでリベンジではないのですが黒潮市場でマグロを食べたかったのです。

美味しく
たった七百円ですが
マグロを口にした時
感無量でした溿

No.34 11/01/14 00:44
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 33 お正月が過ぎ、成人式くらいだったと思います。

治療に来る患者さんで
初めて僕に康太君を見て「アスペルガーかも」と(前スレの174番)言った患者さんから思わぬことを聞いたのです。

「先生、あの子は最近来ているんですか?」

「いえ…家もいろいろとあるようで最近は…」

「私、あの子を香里園駅で見ました」

「あっ…どのような様子でした?元気そうでした?」

No.35 11/01/14 00:46
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 34 「知らない人にでもすれ違う時に(お金ちょうだい)と言ってましたよ。すれ違う全ての人に」

No.36 11/05/06 01:56
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 35 しばらく見ないうちに康太君の全体像に変化が少し見られました。

歩き方が外股になり
歩く時の手の振り方がやけに大きくなったかのようでした

近くまで行き康太君であるかを確認しました

間違いなく康太君でした

歩く人、歩く人に何やら言葉を投げかけていました。

ですが聞き取れませんでした。

教えてくれた人の話しが本当なら金を打診しているのか……

声をかけようか…
それともこのまま引き返すか…

No.37 11/05/07 01:29
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 36 結局は声をかけず僕は遠目で康太君を見て20~30分…そしてその場を後にしました。

その時の心境は、ただ自分自身の自分の為の時間を仕事している時間以外はすべて費やしたかったのです。

それはただ、
彼女との時間を作りたい

それだけでした。

そして数ヶ月が経ち5月の連休、ちょうど今くらいの時期でした。

一本の電話がありました。

交番からでした。

「野口康太君と言う子が万引きをしまして、自宅に電話しても繋がらないですし、彼がそちらの連絡先を教えてくれたものですから……[中略]………身元引き受け人として来ていただけますか?」

というものでした。

No.38 11/05/07 01:45
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 37 とりあえず断りにくいのもありましたし、身元引き受け人を断る言葉も思いつかず、渋々という心境で交番に向かいました。

行きしな、今の自分を見つめた時
(康太君の母親がいた時、あれだけ熱心にまるで決意したように康太君のことを考えていたつもりが…とんだ茶番劇みたいだ)

と考えたりもしていました。

そして交番につきました。

「失礼します、草賀です」

「あ~すみませんすみません」

と警察官は腰の低い人でした。

そして内容を聞くと
稲妻イレブンと言うアニメを掲載された本を万引きしたとのことで、既に本屋さんの謝罪と許しを得ているとのことでした。

とりあえず交番は居心地が僕にとっても悪いので速やかにサインをしました。

そして康太君が奥の部屋から出てきました。

久しぶりに会話をしました。

「先生どうもすみませんでした」

No.39 11/05/10 00:18
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 38 久しぶりに彼を間近で見た時、前に遠目から見た彼とかなり印象が、いや、最初の頃から比べると風貌がかなり変化していました。

どのようにと言われると…

康太君のお母さん、野口さんは人間性はともかく美形な人でした。
康太君はあきらかにお母さん似でした。

色白で目は歌舞伎役者顔負けなくらいキリッとした感じでした。

ですが

身長は少し見ない間、かなり伸びたのですが、それ以上に肥えてしまい、顎下にはニキビを潰したような跡がたんまり…

そして猫背で以前より更にニヤつく顔つきになっていました。

そうか康太君はもう中学生か…

No.40 11/05/10 01:12
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 39 交番を出て二人でしばらく歩き少し会話をしました。僕も子供相手に多少の緊張はありました。

万引きの話しは一切ふれず

「久しぶりだな~」
「はい」
「おばあちゃん元気にしてる?」
「はい」
「この前のことだけど駅で康太君を見かけたんだけど何してたの」
「別に…なんでもないです」
そんなやり取りが続いた後、別れて康太君が家に帰ろうとした時、
「先生インターネットしていますか?」
「いや、パソコンはあるけどインターネットはあまり、することはないかな」
「出来るんですか?」
「出来るよ」
「じゃあ、見てほしいサイトがあるんで見てくれますか?」
「いいよ」

といい、僕からメモとペンを借り見てほしいというサイトを書いて僕に渡しました。

インターネットにあまり関心がない僕にとっては驚くサイト名でした。

それは……


【ここまで酷い日本人女性】

というサイトでした

No.41 11/05/12 00:43
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 40 僕は帰ってから携帯で
【ここまで酷い日本人女性】
というサイトを検索し見てみることにしました。

パソコンのほうが適していたのか携帯で見ると凄く見にくい表記でした。

ですが僕にとっては見にくいくらいが丁度よかった内容でした。

一部を取り上げると

日本人女性は※※※している

という類いの内容的には
ホラーや残酷的な行為を記されたものでした。

こういうサイトに投稿する連中らの人格どうこうより、あの康太君がそういうサイトに興味を抱いていることにショッキングでした

No.42 11/05/12 00:45
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 41 だからといって康太君に真意を確かめる行為までにはいきませんでした。

それはずるいかも知れませんが、新たにお付き合いすることになった彼女を優先したい気持ちがあったからです。

No.43 11/05/12 00:56
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 42 僕は今でこそ言えますが

結婚願望がありました。

というより、いつもいつも
仕事から帰り、
電気のついてない部屋に入り
米を炊き、
風呂を沸かし
米が炊き終わる間に仕事の帳面とにらめっこ
炊き終わるとすかさず卵がけにして夕飯
すぐに風呂
上がれば布団に直行

その毎日に孤独となんとも言えない不甲斐なさに心苦しく
女性には失礼を承知の上でたんに一人は嫌だったのです

No.44 11/05/12 01:00
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 43 だから僕は彼女との時間と仕事の時間をメインに考え、彼女との結婚も想定していたこともありました。

たまに会う弟夫婦やまわりの話しを聞いて焦っていたのです。

彼女とは歳は離れていたものの人並みのお付き合いしていました。
でもそれは最初の時期だけでした

No.45 11/05/12 01:12
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 44 世間一般的にどうかはわかりませんが彼女が僕に対して抱いていた年収と現実の年収とはかなりの開きがありました。

彼女の抱いていた年収は700万

ですが現実の僕の年収はその半分より少し上澄みされたものでした。

ですが僕は前スレにお話ししたように今日食べるご飯もどうしたらいいのかわからない、という経験をしたせいか、僕はささやかかも知れませんが、それでも有り難いという思いがありました。

その思いは今も持ち続けています

No.46 11/05/12 01:24
草賀 ( 30代 ♂ G857nb )

>> 45 さて、僕のことは横に置いといて

ある朝目を覚ますと携帯電話に着信記録がかなりの数がありました。

康太君からでした。

リダイアルして見ました。

「先生、おばあちゃんが」
「どうした?」

「ロウソクに火を何本もつけてます」

「???」


正直、康太君は既に説明しにくい独特の口調がありましたので、おばあちゃんより康太君が変に…と思ってしまいました。

「おばあちゃん今近くにいるの?」
「うん、いえ、はい」
「代わって」
「はい」
「もしもし?」

おばあちゃんとは久しぶりの会話になります。ですがいきなり

「嫌がらせをされているからロウソクに火をつけて悪いものを取り除いているんです!!!」

そこまできたら気掛かりにならないはずもなく、僕は康太君の自宅に行きました。

久しぶりに…

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