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私と母と…

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はる( NUCJh )
10/06/06 12:58(更新日時)

私と母との関係が親子でなくなってから二年がたとうとしている。

母は私を愛せないと言う…。

実の娘に本気でそんな事を言うのだ。

(私と母との事を書こうと思います。初めて書くので誹謗中傷はご遠慮下さい。)

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No.1160201 09/05/20 17:25(スレ作成日時)

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No.1 09/05/20 17:35
はる ( NUCJh )

私が子供の頃の記憶
私はいつもヒステリックな母におびえながら暮らしていた。
母は家事が大嫌いな人で食事は毎日出来合いの物…
掃除もしないので家の中はとても汚く、ひどかったのを覚えています。

でも、まだ小さい私は母が憎めず母に愛されるように必死でした。

No.2 09/05/20 17:46
はる ( NUCJh )

私の家族は父と母
そして、二才違いの妹と八才違いの弟。
私は中学の始めくらいまでは父は家事をしない母に愚痴をこぼしていたけど、家族仲は良かったように記憶している。

でも、私が中学三年の頃から母は私にだけ辛くあたるようになった。

きっかけは ささいな事だ。

私が中学の頃、私の家の門限は5時だった
学校が終わるのが4時半。

急いで帰って5時ギリギリ…。

ある日友達と話し込んでいて6時になってしまった。

No.3 09/05/20 18:04
はる ( NUCJh )

6時に家に帰るとびっくりした。

警察がいる…。

なぜ?

私はまさか自分のせいだとは思わず
「何かあったんですか?」警察の人に問いかけた。

「ひょっとして、美咲ちゃん?」
警察の人が私に問いかける…。

「そうですけど…」
「奥さ-ん、娘さん帰ってきましたよ」
??ひょっとして、私の帰りが遅れたせい!?

「あんた、今まで何しよったんよ!!」

母は凄い形相で私を睨みつけ私の髪をつかみ壁に頭をぶつける。そして、ビンタ
警察の人があわてて止めに入った。

母は警察に止められようやく私を離した。

「…ごめんなさい」私はそう言うしかできなかった…。

しばらくして私と母とで警察の人に謝って警察の人は帰っていった…。

「あんた、最近調子にのっとるんやないの!?門限破るなんて」

はぁ?私は門限破ったのはこれが初めてだったし、調子にのってる?意味がわからなかった…。

No.4 09/05/20 19:12
はる ( NUCJh )

「調子にのってなんてないよ…」

消え入りそうな声でやっと言葉を発した
今日の母がいつもと違う事だけは分かっていたから。

多分威勢よく言い返していたら何倍にもなって返ってくる。
母の性格は良く分かっていた。

「あんた最近お母さんの変わりに家事やってるんだって?誰がそんなこと頼んだ?お母さんが近所と人や親戚に変に言われてもえいの?」


なるほど…。

私の門限に怒ってるのではなく、私が母のプライドを傷つけたのが気に入らないのだ…。

門限はきっかけだ。
怒るためのきっかけ

No.5 09/05/21 00:52
はる ( NUCJh )

前にも書いた通り、母は家事はしない。
食事は毎日出来合いだし、掃除洗濯は父が休みの日に見かねてするのだ…。

私はそんな我が家が嫌で自分なりに改善しようとしていた。
近くに住むおばあちゃんに料理を教わり自分でも本等を見て覚えた。

しばらくすると父から食費を預かるようになった。

学校帰りには門限があるので買い物には行けない。

休みの日にまとめて買いだめする。  
父の仕事は不規則で休みは土日とは限らない。

買い物には弟を連れて二人で行く事が多かった。

当然、子供の足で遠くのスーパーに買い物は行けない。

近くにあるスーパーに行くのだが、何回か通っていると自然と隣近所のおばさん達と話しをするようになった。

おばさんは皆話し好きだ。

色々聞かれた。

「いつも二人やねぇ。お母さんとお父さんは?」

何気に聞いたのだろう…。

「父は仕事で、母は料理とか家事が好きではないので私がするんです」

言わなければ良かった…。

No.6 09/05/21 01:14
はる ( NUCJh )

今思えば私の一言が余計だったのだ…。

もっと母を庇うように言っていれば母の機嫌を損ねる事もなかったのかもしれない…。


私が言った一言がきっかけで、おせっかいにも近所の吉田さんは私が可哀想だと、もうすぐ受験もあるのに…あんた母親やろ?と母に説教をしたらしいのだ…


全く大きなお世話だ

そのおかげで私はとばっちりだ。


母は当然面白くないわけだ…。

何とか自分の評判を上げようと必死で知恵を絞った。

そうだ…、美咲を悪者にしてしまえばいいんじゃないか。

そんな事を考えていたのだろう…。

母は機会を待った。

近所に私が悪者になるべく種をまいて…

母はいつしか近所の人に私の不出来を話すようになった…。

私は悪い友達と付き合っていてシンナー等悪い事をしている

母は娘が荒れてるから疲れて家事ができない…。


こんな事を言っていた。

No.7 09/05/21 19:17
はる ( NUCJh )

急にそんな話しを広めてみても信じる人は少なく母は余計に孤立していった…

頭がおかしい…。

母に対するそんな噂も聞くようになった
確かに、近所の人も馬鹿ではない。

私が真面目な事は知られていたし、子供が同級生の親もいた
嘘はすぐばれた…

母は悔しかったのだろう…

近所の人を信じこませようと、一芝居うった。

警察を呼び、野次馬で見に来ていた人達に

「美咲が悪い友達と付き合っていて、薬やってるみたいなの。今日も帰りが遅いし…。」

そんな事を言っていたのだそうだ。

全く、呆れてしまう
警察は帰りが一時間遅いくらいで来てはくれない。

母は私が朝から様子がおかしく、自殺の恐れがある。

そう言って警察を呼んだのだ。

警察には自殺、近所の人には薬物。

嘘はすぐばれる。

警察の人に母はこっぴどく怒られた。

近所の人は

「美咲ちゃんも大変やね…」

と、皆私のかたを持ち同情していた。

No.9 09/05/22 11:54
はる ( NUCJh )

まみこさん😃

ありがとうございます🙇
初めてなので文章下手ですが頑張って更新しますね🙇🙇

No.10 09/05/22 16:44
はる ( NUCJh )

この一件以来母と私との間には溝ができた…

母は昔から自分が気に入らない事があると無視をする

私はもうなれっこだった

この日から私はいない人間として扱われるようになった

無視は当たり前

目も合わそうとしない

挙げ句の果てには妹や弟と会話するのを禁止された

妹や弟が話しかけようとすると

「何話ししよるん。そこには何もおらんやろ。幽霊でもおるんか」

このような事を言っていた。

私はそんなに悪い事をしたのだろうか…
もう分からなくなっていた…

いつもなら二週間くらいで自然と機嫌が直るのだが、今回は違った。

2ヶ月たっても私は無視され続けた…

2ヶ月が半年になろうとしていた              もう精神的にきつかった…

その頃父は仕事が忙しく夜遅くに帰り朝早くに出掛けていく
家族の異変に気がついていなかった…

無理に父に伝えようとすれば出来たのかもしれないが、私がおかれている今の状況を知られたくなかった…

可哀想な子…

そう思われたくなかったのだ…

No.11 09/05/22 20:18
はる ( NUCJh )

でも、私にも限界がある

近くに住む祖母に相談に行った

おばあちゃんなら何とかしてくれるかも
「おばあちゃん、私家で無視されよる…」

涙が出た…

やっと今の状況を話す事ができる

安堵感

それと同時に自分が惨めに思えて

涙は次々と流れた

「もっと早く言ってくれたら良かったのに。つらかったな…」

祖母も私と一緒に泣いていた

「お母さんはあの性格やからな…。こうなったんは、おばあちゃんの責任もあるな…」

そう言うと祖母は私に母の生い立ちを話してくれた

「お母さんは、おばあちゃんが育てたんやないんよ。おばあちゃんのお姉さんが子供がない人で、養子に出してたんよ」

びっくりした…

No.12 09/05/22 20:42
はる ( NUCJh )

「お母さんはそこで我がまま放題に育ってね。欲しい物は何でも買ってもらって、何不自由なく暮らしてたんやけど、お姉さん夫婦がお母さんが17才の時に事故で亡くなってね。それから、おばあちゃんと一緒に暮らすようになったんやけど」

一緒に暮らすようになってから母が少し他の人とズレてる…
そう思うようになったのだそうだ

協調性もない

欲しい物は必ず手に入れないと気がすまない

自分が一番でなくてはならない

母は自分の育ての親の死を悲しんでる素振りもなく、祖母の家をかき乱していったのだそうだ…

No.13 09/05/22 22:07
はる ( NUCJh )

母には三人兄弟がいて皆母の事を嫌っていた

「お姉さんは意地悪やから」

叔母や叔父はいつもそんな事を言っていた

常識がない

そんな事も言われていた。

確かに、思い当たる節は多々ある。

いくつか言うと、

母は弟を連れて買い物に行くと

「騒ぐとうるさいから」

と、まだレジを通していないお菓子やパンの袋をあけ弟にあげていた。

「お母さん、レジすんでないやん」

私が言うと

「後から払うから」
そう言って悪びれる素振りもない。

No.14 09/05/22 22:34
はる ( NUCJh )

私は子供ながらに母が恥ずかしく消えてなくなりたい気持ちでいっぱいだった

母と買い物に行くと毎回こんな調子だった。

ある時、近所の人達と花見に行った

母達は

「お弁当は持ち寄りで、担当を決めて作ってこよう」

そんな話しになった
「私はお茶を用意するから後はよろしく」

母はそう言った。

「えっ!?お茶だけ!?」

そんな事を他の人に言われても悪びれる素振りもない。

気まずい花見になった…。

母はマンガが大好きで幼い私達を車に残して本屋に入ったきり二時間も三時間も出てこない…。

冬ならまだ良いが真夏はたまったものじゃない。

私は我慢が限界に近づくと本屋に母を呼びに行った。

「勝手に車から出るな言うたやろ!!」

毎回しかられた…

呼びに行っただけでビンタされた事もある。

きりがない…。

母は変わってる…

子供心にそう思っていた。

No.15 09/05/22 22:47
はる ( NUCJh )

でも、子供の頃は母に何を言われても母が他人に変に思われていても、私は母が好きだった。

でも、今は…

私は母に愛情を感じているのだろうか…
良く分からなくなっていた。


祖母と二人で日が暮れるまで話しをしていた。

母の事を色々聞いて同情もした。

しかし、今の状態で母に従い暮らしていくのは限界があった
「おばあちゃんがお母さんに言うてみるから」

祖母と母に話しをする事になった。

No.16 09/05/23 01:21
はる ( NUCJh )

外に出ると、日はすっかり暮れていた。
街灯も少ない田舎町では薄暗いを通り越して真っ暗だった。
年老いた祖母の手を引き家に向かう。           しばらく歩くと家の灯りが見えてきた。
デレビでも見ているのだろう、内からは母と妹と弟の笑い声が聞こえてきた…。
その中に私はいない
悲しくて

哀しくて…涙があふれた…。

祖母にばれないように暗闇にまぎれて、そっと涙を拭った。
玄関の前まで来ると
「心配せんでもえぇ、おばあちゃんは美咲ちゃんの味方やから」

おばあちゃんは私を見て笑った。

さっきの涙に気づいていたのだろうか…

祖母の言葉に元気づけられ、ドアを引いた。


ガラガラ…

「ただいま…」

小さな声で帰りを告げた。

案の定返事は無い…

No.17 09/05/23 01:49
はる ( NUCJh )

靴を脱ぎ家に上がり、母のいる居間に行った。


「美咲ちゃんの事て話しがあるんやけど」


祖母が言ってもデレビを消そうともしない…。


「話しがある言うたやろ!?デレビ消し!」


母はようやくデレビを消し祖母と向き合った。


私とは視線を合わそうとしないが…。


「話しって何?忙しから早くして」


面倒くさそうに言った。


「あんた、何で美咲ちゃん無視するん?自分の娘やろ…。もう半年になるそうやない…。」


祖母が言うと、母は信じられない事を口にした。


「あの子はもう私の子供やないから。いるんやったら、お母さんにあげるわ」


えっ!? 嘘やろ…。


私も、まさかここまで嫌われてるとは思わなかった…。


涙がボロボロあふれてきて止まらない。

No.18 09/05/23 01:58
はる ( NUCJh )

私は泣き崩れた…。

少しは話しになると思っていた…。


全く話しにならない

母は私の母である事を放棄した…。


祖母は、泣き崩れる私を抱きしめ


「あんた、自分の子供に何てことを…!!あんたは親やないんか!!」


泣きながら母を殴った。


「最初に悪い事をしたんは美咲や!!」


母は悪びれる様子もなく、そう言った。

「美咲ちゃん、おばあちゃんの家に帰ろう」


泣き続ける私に、そう言うと必死で立たせようとした…。

No.19 09/05/23 02:08
はる ( NUCJh )

祖母に立つように促され、立ち上がろうとするが立てない…

私はかなりのショックを受けていた…。

祖母は何とか立たせようとする…。


無理だよ、おばあちゃん…。


私は泣くばかりで、しばらく立てずにいた…。


私は母に捨てられた

私はいらない…


その言葉だけが私の心に児玉していた…

祖母は私を立たすのを諦め、何とか泣き止むよう背中をさする。


私はようやく落ち着きを取り戻し立ち上がった。


「おばあちゃんの家行こ」


祖母は泣きながら私に向かったて笑った

No.20 09/05/23 02:18
はる ( NUCJh )

「荷物取ってくるから待ってて」


これ以上この家にいたくない…。


早く、早く、早く


出ていきたい…。


母の姿が見えない場所に行きたい…。


私は急いで荷物を用意した…。


荷物を用意していると小さな弟が涙目で近寄ってきた。


「美咲ちゃん、おばあちゃんちの子供になるん?もう僕のお姉ちゃんやないん?」


そう言うと大泣きした…。


「うるさい!!」


隣の部屋から母の怒鳴り声が聞こえた…

ビクッ!


弟は恐々隣の部屋に目をむけた。


弟も被害者だ…。


私は弟の目線に視線を落とし、

「お姉ちゃんは、おばあちゃんの家に行くだけや。いつまでたっても瞬のお姉ちゃんや」


頑張って笑顔をつくった。

No.21 09/05/23 02:27
はる ( NUCJh )

部屋の奥に目をやると妹がいた…。


何とも言えない複雑な顔をしている。


そっと妹に近づき、

「わかってるから」

そう、一言だけ言った。


妹は私の手を少しだけ握り、そっと離した…。


妹も辛い立場だ…。

私がいなくなる今、次の被害者は妹かもしれない…。


私も妹もわかっていた…。


私は荷物をまとめ終わると祖母の待つ玄関に向かった。


バイバイ…。


お母さん…。


「おばあちゃん、行こ」


頑張って笑った。

No.22 09/05/23 02:47
はる ( NUCJh )

結局、母とは一言も会話をせず家を出た

来た時より、もっともっと暗い夜道が悲しかった。


「お腹すいたねぇ」

祖母に話しかけると

「そうだね。今日は出前とろうか」


祖母が笑って答えたような気がした。


実際、この暗さでは顔は分からないのだが…。


「はぁ…、疲れた」

祖母は家に着くなり玄関に座りこんだ。

もう年だし、無理もない…。


「おばあちゃん、ごめんね…」


また泣きそうになって我慢した。


「美咲ちゃんが何で謝るん?おばあちゃんは美咲ちゃんと暮らせるんが嬉しいんよ」


笑って私を見た。


ありがとう


本当にありがとう


おばあちゃんがいなかったら私は自殺していたかもしれない

その夜は祖母と二人で出前を取り一緒に寝た。


布団に入ってから寝付けなく、天井を見上げていた…。


「美咲ちゃん…」


視線は上を向けたまま


「ん?」


祖母に返事をした。

「お母さん、あんな事言うてたけど本心やないやろうから、気にしなさんな」


「…うん。今日はもう寝るね」


本当には眠くなんかなかったのだが、これ以上話しをしていると涙が出そうだったので、話しをやめた…。

No.23 09/05/23 03:04
はる ( NUCJh )

次の日、夜遅く父が来た。


「美咲、どういう事や。説明して」


私は泣かないように頑張って説明した。

父に話すのは初めてだった。


母は私のせいで自分の評判が悪くなったって思っている事


長くなったけど何とか説明をした。


父は涙を浮かべていた…。


「お父さんに言うてくれたら良かったのに…」


声が震えていた…。

悲しみ、怒り、色々あったのだろう…。

「美咲を助けてくれてありがとう」


父は、祖母に深々と頭を下げた。


「美咲、お母さんと話しをしてくるから。美咲は心配せんでもえぇから…」


そう言うと私の頭にポンポンと手を置き、母の待つ家に帰っていった。


父が話しをしたところで母は変わらない…。


私は確信していた…

No.24 09/05/23 03:15
はる ( NUCJh )

祖母との暮らしは快適だった。


もう無視される事もない。


学校から帰ったら祖母と買い物に行き一緒に台所に立った。

寝る前にはきちんと勉強もしたし、充実していた。


でも、気掛かりな事があった。


祖母はあまり裕福ではない。


私が居候しているとお金もかかる…。


「おばあちゃん、お金大丈夫なん?」


私が聞くと


「子供がお金の心配せんでもえぇ」


同じ返事が毎回返ってくる。


後、半年したら高校生だからバイトしよう




私は心に決めた。


必ず恩返しをしよう

大好きな、大好きなおばあちゃん。


ありがとう…。

No.25 09/05/23 03:26
はる ( NUCJh )

数日後、父が無理やり母を連れて祖母の家に来た。


「美咲と仲直りせぇ」


…仲直り?


無理だ…。


仲直りも何も私は悪い事はしていないし

父は母に私との会話を促すが私と話しはおろか目も合わさない。


お父さん、無理だよ

父は何も分かっていなかった。


「美咲は悪くないよ。」


祖母が私を庇って言ってくれた。


そうだよね…。


私 悪くないよね…。

自分に問い掛けた。

「みんな、美咲の味方ばかりして!!」


母が声を上げて泣きだした…。

No.26 09/05/23 20:19
はる ( NUCJh )

「美咲がお母さんを悪く言うのが悪いんや!!」


母は泣きわめきながら叫んだ。


「どう考えても、お前が悪い」


父に言われる。


ますます、叫びだす

しばらく、その繰り返しだった。


私は父と母のやり取りを冷静に少し冷めた感情を持ちながら見ていた…。


もう、母て関わるのが嫌だったし、


祖母の家で喧嘩してほしくなかった。


(やるなら他でやってや…)


自分の事が原因ながら、母の態度に呆れていた。


祖母と二人で目を合わせ


ため息をついた…。

「お父さん、もういいよ。私はおばあちゃんと暮らすし…」

早く終わってほしくて父に言った。

No.27 09/05/23 20:33
はる ( NUCJh )

「美咲の家はここやない。お母さんと仲直りできたら前みたいに戻れる」


父は自信たっぷりに言った。


何も分かってないなぁ…。


「美咲ちゃんは、おばあちゃんの家でおるべきやと思う。そんな母親と一緒におったらダメになる」


おばあちゃんは私を分かってくれてる。

それだけで嬉しかった。


「お母さんが最初に私を捨てたんよ…。だから、私はおばあちゃんと暮らす」


父の目を見て自分の意見を伝えた。


「お父さんは納得できん…。でも、美咲が、ここにいたいんやったら…。」


父は渋々納得したようだ…。


「お母さん連れてまた話しに来るから」

父はそう言うと、泣いている母を連れて家に帰った。

No.28 09/05/23 20:41
はる ( NUCJh )

グゥ…


私のお腹がなった。

笑えた…。


こんな時でもお腹はすくんだ…。


深く考えるのがバカバカしく思えた。


「おばあちゃん、ご飯にしようか」


祖母を見て笑った。

祖母も私を見て笑った。


「そうやね、お腹すいた、ご飯ご飯」


まるで何事もなかったみたいに私達はご飯を食べた。


食事の間、私も祖母も母の事には触れなかった。


これでいいのかも…

母の事は考えないようにしよう。


そう、決めた。

No.30 09/05/23 21:03
はる ( NUCJh )

私は母の話しをしなくなった。


祖母も母との事に触れない。


父は数日置きに訪ねてきていたが、最初ほど家に帰るようにとは言わなくなっていた。


私の母はいない…。

そう思うようにしていた。


祖母の家で暮らし始めてから数カ月後、私は志望校に合格し高校生になった。


分かりきった事だったのだが、母は卒業式にも入学式にも来なかった。

でも、私には祖母がいた…。

No.33 09/05/24 02:04
はる ( NUCJh )

華憐さん😃


読んで下さってありがとうございます🙇

書いてある事は全て実話です…。悲しい事ですが…。


頑張って書きますので良かった最後まで読んで下さい🙇🙇

  • << 43 はぃ読ませて頂きます。

No.34 09/05/24 02:08
はる ( NUCJh )

Ren☆さん😃


読んで頂きありがとうございます🙇

悲しみ事ですが全て実話です…。


頑張って更新しますので最後まで読んで下さい🙇🙇

No.35 09/05/24 02:12
はる ( NUCJh )

まみこさん😃


再ですね😊
読んでいてもらえて嬉しいです✨


頑張って最後まで書きますので、良かったら読んで下さい🙇

No.36 09/05/24 03:24
はる ( NUCJh )

高校生になってからも、私と母の関係に変化はなかった。


相変わらず父は数日置きに祖母の家に訪ねてきていた。


帰ってこい…。


そう言うのは止めたみたいだ。


その変わり、毎回


「何か困っている事は無いか?」


そう言うようになった。


「大丈夫だよ」


私は毎回そう答えた

本当は言いたい事が山ほどあった。


お父さん…


本当は修学旅行費用の積み立ているんだ…


修学旅行に持って行くお小遣いも…


資格を取るためのテストのお金も…



言えない…


父は私と母との間に挟まれて、やつれていた…。


「お父さん…、円形脱毛症ができとった…」


ある日、祖母が言った…。


「私のせいかな…」

久しぶりに泣いた…

祖母も泣いた…。

No.37 09/05/24 03:54
はる ( NUCJh )

「お父さんも間に挟まれて辛いんやろ…。でも、美咲ちゃんのせいやないよ」


祖母はそう言ってくれたのだが


責任を感じずには、いられなかった…。


お父さん、ごめんなさい…。


何度も、何度も謝った…。

No.39 09/05/24 04:23
はる ( NUCJh )

私の高校入試の時、父と母は入学費用の事でもめていた。


母は私にお金は出せない。


そう言っていたのだそうだ。


やっぱり…。


私はそう思っただけ

不思議じゃなかった

母なら言うだろう。

父が説得し、渋々費用を払った。


その他かかる費用は父のお金から出す。

そう決まった。


しかし、生活費を入れると父の自由になるお金は僅かしか残らない…。


私は知っていた。


母は多額の借金をしている…。


しかも、母は父の名義で借金をしていた…。


自分の名前で借り入れが出来なくなったから。


それが理由らしい。

No.41 09/05/24 08:15
はる ( NUCJh )

>> 38 ふざけるな❗主さんは何一つ悪くないのだからお父さんに修学旅行積み立て等のお金は工面してもらおう。その主さんの元母親をいますぐにでもひっぱたき… 浅草さん😃

読んで頂きありがとうございます🙇

当時、父の経済状況、心境、等を考えると頼れませんでした…。でも、私には幸いにもアルバイトがありました。その収入で全て何とかしていました。

今は、それで良かったと思っています😃
心配して頂きありがとうございます🙇

頑張って更新しますので、よろしくお願いします🙇🙇

No.42 09/05/24 11:35
はる ( NUCJh )

>> 40 皆さん、なぜまだ途中なのにレスするんですか⁉ はるさん初めまして🙇 別スレで[感想スレ]を建てたらいかがでしょうか⁉ … ☆リォタン☆さん😃
貴重なご意見ありがとうございます🙇


感想スレ建ててみました😃

つたない文章ですが最後までお付き合いお願いします🙇🙇

No.44 09/05/24 21:07
はる ( NUCJh )

祖母と暮らすようになってから母の事を色々聞いた。


母は自己破産をしていた…。


父には秘密で…。


後々ばれる事になるのだが…。


自分の名前を使えない…


自己破産のせい。


昔から母の浪費癖はひどかった。


何にそんなに使っていたのかは分からない。


子供の為にお金を使う


そんな事は全くなかった。


母は自分以外にお金を使う事を嫌っていた…。


学校の集金や給食費でさえ出すのを嫌った。


自分の洋服や化粧品等は買っていたのだから、お金が無い訳ではなかった。


私は学校でいつも恥ずかしい思いをしていた。

No.45 09/05/24 21:12
はる ( NUCJh )

感想スレを建てたのですが、タイトルを間違えていたようです😭


明日新しく立ち上げようと思います💦
ご迷惑お掛けします🙇🙇


ホロロさん😃
ご指摘ありがとうございます✨

No.46 09/05/25 00:42
はる ( NUCJh )

恥ずかしい


惨め


そんな思いをしていたのは妹も弟も一緒だった…。


子供がそんな思いをしていても母は全く気にしていなかった

気にする方がおかしい…。


むしろ、そんな考えだったのかもしれない。


私は、自分の家庭の経済状況を知っていた…。


父が払っても払っても借金は無くならない。


父は相当苦労していたようだ。


私は、父が苦労しているのを知っていた

だから、尚更負担をかけたくなかった。

幸い、私の高校はアルバイトを許可していた。


アルバイトを頑張れば何とかなる…。


私は頑張った。

No.47 09/05/25 01:20
はる ( NUCJh )

私は授業料以外出してもらう事は無かった。


最初の方こそ父に頼りたい。


そんな甘えたい気持ちがあったのだが…

何とかなるものだ…

母と毎日顔を合わさなくていい。


その事が気持ちを穏やかにしていた。


でも、高校三年の夏頃から状況は変わった。


ある日、いつものようにバイトから帰ると弟が祖母の家の玄関の前でうずくまっていた…。


「瞬?どうしたん…」


心細かったのだろう…


私を見上げると目に涙が滲んでいる。


その頃、祖母は他県にいる叔母の具合が悪く、私は祖母の家に一人で暮らしていた。


「いつから待ちよったん?」


鍵を開け、弟の手を取り家に入った。


私は直感で母の事だと分かった。


「何かあったんやろ?大丈夫やから話してみぃ」


弟は小さな声で言った…。


「お姉ちゃん、僕って臭い…?」


そう私に聞くと涙をポロポロ流した。

No.48 09/05/25 01:47
はる ( NUCJh )

いじめだ…。


絶対にいじめだ…。

とっさにそう思った。


当時、周りには母の本性は知られていたし、その事でいじめられたのだろう…


私はそう思った。


でも、違った。


弟の口から信じられない事を聞かされる…。


「お母さんが僕の事臭いって言う。僕は臭いんや…」


唖然とした…。


「どういう事!?」

意味が分からなくて弟に聞いた。


弟は泣きながら必死に訴えた。


「お母さんが僕の事臭い臭いって…。友達のおる前で…」


弟は友達にいじめられていたんじゃなかった。


母にいじめられていたのだ…。


母は暇さえあれば弟を臭い臭いと鼻をつまんで言っていたのだそうだ。


「全然臭い事なんてないが!!」


私は泣きながら弟に言っていた。


何回も。


何回も…。

No.49 09/05/25 08:14
はる ( NUCJh )

…許せない…


怒りが込み上げ、私は玄関を飛び出た。

走って母がいる家まで行き乱暴に玄関をあけた。


ガラッ!


母は何事かと驚いたようで私を見たが、すぐ目を背けた。


私は三年間母と口を聞いていない。


でも、そんな事どうでも良かった。


「あんた瞬に何て事言うたんや!あんたなんて母親やない!!」

怒りで我を忘れて、そこらへんにあった物を次々と投げつけた。


死んでしまえばいい…。


そんな感情もあった…。


自分の母親を あんた呼ばわり…。


私は今まで母親の事を あんた なんて呼んだ事はなかった。

理性なんて吹き飛んでいた。


「何するんや!人殺し!!」


母は物を投げ返してきた。


「自分の息子に臭いやなんて、良く言えたな!!最低や!!」


母は私の怒りの理由が分かったらしく、顔を真っ赤にしながら


「冗談で言うただけや!!」


そう言った。


「冗談で言うてえい事と、いかん事の区別もつかんのか!!」

私の家庭は冗談でそんな事を笑って言いあえる家庭ではなかった。


たとえ、母が冗談で言ったのだとしても弟が傷ついているのは確かだ。


私は隣の部屋に入り、そこらへんにあった袋に弟の荷物を放り込み、家を出た。

No.50 09/05/25 08:46
はる ( NUCJh )

「勝手な事せんといて!!」


母はそう言っていたが私は無視した。


とにかく、弟をこの鬼のいる場所から連れ出さなければ…。

そう思った。


私は弟の荷物を持ち家を出た。


走って、


走って…、弟が待つ祖母の(私の家)に向かった。


家に着き玄関のドアをあけた。


弟は薄暗い玄関で小さくなりながら私を待っていた。


ヒック、ヒック…


可哀相に泣きながら

私の持って来た荷物を見て察したようで

「僕、こっちで暮らすん?」


そう訪ねた。


「そうや、姉ちゃんと暮らそう」


弟の顔を覗き込み、そう言った。


私は自分のした事が正しかったのか不安だった。


ひょっとしたら、弟は母といたかったのかも…。


そんな事も思っていた。


その当時、弟はまだ九才。


母親にまだ甘えたい年頃だろう。


でも、あんな母親といるよりは…。


その不安はすぐ消えた。


こっちで暮らす。


そう言ってから弟が泣き止んだ。


そして、私を見て言った。


「お姉ちゃんありがとう」

私は間違ってなかったのだ。

No.51 09/05/25 23:55
はる ( NUCJh )

自分の判断が正しかった事を確信して、私は安堵した。


よかった…。


心底、そう思った。

「お腹すいたやろ?」


泣き止んだ弟に聞いた。


「うん!」


母と疎遠になる前はよく弟にご飯を作っていた。


「オムライス食べる?」


弟は私が作るオムライスが好きだった。

「やったぁ!チーズ入ったやつがいい!」


弟は嬉しそうに言った。


そうだった…。


トロトロ卵にチーズ入りのオムライスが好きだった。


「わかった。待っててや」


私は笑って答えた。

その夜は久しぶりに弟とご飯を食べた。

美味しそうにオムライスを食べる弟を見て、


良かった


これで良かったのだ

心から、そう思った。


その夜は弟と色々話しをした。


私は、あえて母の事を聞かなかった。


弟が話したい時に話しをすればいい…


そう思った。


学校の事、友達の事、弟は喋りまくった。


そのうち、疲れていたのだろう、いつの間にか弟は寝てしまった。


これからは私が弟を守っていくんだ。


そう決心した夜だった。

No.53 09/05/26 19:36
はる ( NUCJh )

>> 52 シロ子さん😃


読んで頂いて、ありがとうございます🙇

感想スレ分かりにくかったですね💦
すいません🙏🙏


私と母と…感想スレというタイトルです😃

これからも、頑張って書きますので、よろしくお願いします🙇🙇

No.54 09/05/26 19:48
はる ( NUCJh )

次の日、父と祖母に弟と暮らす事を伝えた。


最初こそ子供達だけで…


と、心配していたが事情を説明すると反対はしなかった。


その頃、祖母は叔母の看病で他県にいたので、私と弟は二人きりだった。


「美咲…、ごめんよ…」


父は何回も私に謝った。


謝らんといてよ…


謝らんといてよ…


お父さん…。


謝られると切なくなった…。


弟と二人で暮らすようになってから、私は変わった。


もう、母の思い通りにはさせない。


私は母と戦う。


そう決心した。

No.55 09/05/26 20:19
はる ( NUCJh )

>> 54 死んでくれたらいいのに…。


そんな事も思っていた。


自分の母親に死んでほしいなんて思う自分が悲しかった…。

私は父に母との離婚を提案するようになった。


でも、今はまず弟の事だ…。


二人で暮らすようになってから、私は弟の異変に気がついた。


1日に何回もお風呂に入る…。


私が使っている、制汗スプレーが無くなっている…。


学校から持って帰ってくる体操着が全く汚れていない。


私が知る弟はワンパクで外で遊ぶ事も大好きだった。


洗濯は毎日私がするのだが、普段学校に着ていってる洋服も全く汚れてなかった。


どうしよう…。


絶対に母の暴言のせいだ…。


私はどうしたら良いのだろう…。


私はパニックになった。


心臓が異常なくらいバクバクしている。

これから先、弟の心が病んでしまったらどいしよう…。


その事ばかり考えた。


父に相談しても、毎日仕事が忙しく、ろくに話しをする暇もない。


私は、弟の担任の先生に話しをする事にした。

No.56 09/05/26 20:39
はる ( NUCJh )

>> 55 次の日、私は弟の学校に電話をし、担任の先生に会って話しがしたい事を伝えた。


担任の先生はすぐにでも会って話しがしたいと言ってくれた。


「私も、お姉さんにお話しをしたい事がありますので、良ければ今からお宅に伺います」


そう、言ってくれた。


「来て頂けると有り難いです」


私が、そう言うと先生は、


「では、今から伺います」


私と、担任の先生はその日のうちに会う事になった。


小学校から祖母の家までは歩いて20分ほどだ。


30分ほど待つとチャイムがなった。


見ると30代くらいの女の人が玄関に立っていた。


弟の担任の先生だ。

「初めてまして、瞬君の担任の森といいます」


優しそうな感じの小綺麗な先生だった。

「わざわざ、すいません」


私は先生を家に招き入れた。


その日、時間は夕方の6時くらい。


弟は帰ってきていた。


弟は、何故先生が?と不思議そうな顔をしていた。


弟に聞かれたくない話しもある。


私は、弟に二階の部屋に行くように言った。

No.57 09/05/26 21:41
はる ( NUCJh )

先生を居間に通し、お茶を出し、挨拶をした。


「はじめまして、瞬の姉の美咲といいます。」


私が言うと、先生は微笑みながら言った。


「お姉さんの事は瞬君からよく聞いてます。お姉さんの事を自慢気に話すんですよ」


弟は私の事を話していたようだ。


「今日は弟の事でどうしても聞いて頂きたい事があるんです…」


そう言うと、先生の顔から笑みが消えた…。


「私もお姉さんに最近の瞬君について話しがあるんです」


先生も感づいていたようだ。


まず最初に母の事を話さなければ…。


「先生、私達の母の事は知っていますか?」


私は先生に聞いた。

「お母さんに問題があるんですね…?」

先生は薄々気がついていたようだ。

No.58 09/05/26 22:06
はる ( NUCJh )

「少し長くなりますが、聞いて頂けますか?」


私が言うと先生は快く了解してくれた。

私は先生に母と私がどいして別々に暮らすようになったのか隠さず話した。


母の異常な行動…。

家でいる母がどんな母親か…。


家事もせず、子供の世話もしない…。


自分が一番の母…。

全て話した。


私が話し終えるまで先生は静かに


時々相づちをうちながら聞いていた。


「そうだったんですね…。私もお母さんの事は薄々気がついてましたが、まさかここまで酷いなんて…」


先生はかなりショックを受けていた。


「お母さんに問題があるのは学校でも知られているんです。行事事もほとんど参加されてませんし…。」


先生の話しによると、母は参観日や父母会に来た事がないし、お弁当が必要な時もコンビニの弁当。

家庭訪問でも忙しいからと早々に切り上げる…。


私は先生から話しを聞いても驚く事は無かった。


あの母だ…。


全然あり得る…。

No.59 09/05/27 13:42
はる ( NUCJh )

そろそろ本題に入らなければ…。


弟の事を言わないと…。


「瞬がどうして母と暮らさなくなったか聞いてますか?」


私が聞くと、先生は静かに首を横に振り、


「瞬君は、ただお姉さんと暮らすとしか言わないものですから…。近いうちに、家庭訪問をしようと思っていたところなんです。」


弟は自分が言われた暴言を隠したかったのだろうか…。


「瞬は、母に汚い臭いと言われていたようなんです。母は冗談だったと言っていますが…。たとえ、冗談でも許される言葉ではないと思うんです。現に弟は予想以上に傷ついています。」


先生は驚いた様子で目を丸くして、


「それは本当ですか?私も冗談で許される事ではないと思います…。」


先生の目には涙が滲んでいた…。


「お姉さん、正直に私の気持ちを言います。お母さんのしている事は虐待だと思います。育児放棄に言葉の暴言…。立派な虐待です。」


先生は私の目を見て、しっかりした口調で言った。


確かにそうだ…。


暴力こそないものの…。


母のしている事は虐待だろう…。

No.60 09/05/27 14:00
はる ( NUCJh )

「場合によっては児童相談所に連絡すべき事かもしれません。しかし、瞬君の場合は衣食住に困っている訳ではないので…。今はお母さんと離れて暮らしているわけですし…。近いうちに、おばあちゃんも戻ってくるんですよね?」


児童相談所に言ったところで…。


母が変わるわけがない。


「私は父に母と離婚するよう説得しています。父も理解を示してますし、近いうちに離婚すると思うんです。母さえ居なくなったら何とかなります。」


現に、私が父に離婚の話しを持ち掛けた時、父もその方向で話しを進めていると言っていた。


離婚は時間の問題だろう…。


「私も生徒の親の離婚を進めれる立場ではないのですが…。できる事ならお母さんとは離れて暮らした方がいいと思います。」


そう先生は言った。

No.61 09/05/27 14:23
はる ( NUCJh )

「先生、弟は最近おかしくないですか?」


ついに私は一番聞きたかった事を聞いた。


「私も最近の瞬君の様子がおかしいので、気になってました。」


やっぱり…。


「先生、弟は自分が臭いと思っているのではないでしょうか…」


私は先生に弟の異変を話した。


お風呂の事


制汗スプレーの事


汚れ物の事


体操着の事


私がおかしいと思った事を全て話した。

「瞬君は以前はよく友達と運動場で遊んでいたのですが、最近は全く見なくなってしまったんです。体育の時は具合が悪いからと休んでいます。」


先生はそう言った後

「瞬君は多分汗をかくのを嫌ってるんじゃないでしょうか。自分の匂いを気にしているようです…」

悲しそうに言った。

先生が見た弟の異変はそれだけじゃなかった。


人が近くに来る事を異常に嫌う。


休み時間の度に石鹸で手や足を洗う。


弟の心の傷は予想以上に深刻だった…

No.62 09/05/27 18:48
はる ( NUCJh )

「先生、私は弟に元の元気な弟に戻ってもらいたいんです。」


いつの間にか私は泣いていた…。


こんなに傷ついている弟…。


どうか…


どうか……


神様………


弟を助けて下さい…

私は必死だった。


「私の知り合いで専門の方がいます。カウンセリングを受けてみてはどうですか?」


カウンセリング?


精神科だろうか…


こんな小さな子供が精神科なんて…


「その方はお医者様ですか?あの、その…、精神科の方ですか?」


私は不安になった…

私が知る精神科は鉄格子の中に患者がいて、奇声を上げている…。


そんな、イメージだった…。


絶対にダメだ…。


そんな場所に弟は入れない!


私は凄く不安だった。


もしかしたら弟と引き離されてしまうのだろうか…。


緊張しながら先生の言葉を待った。

No.63 09/05/27 19:14
はる ( NUCJh )

「精神科とかそんな大げさなものでは無いですよ」


先生は私の不安が伝わったのだろう…


にっこり笑って


「大丈夫ですよ」


と、言った。


「カウンセリングの先生です。学校にもたまに瞬君のように心に傷をおった子供がいるんです。その先生はボランティアで学校に来てくれるんです。だから、瞬君も。ねっ!」


私は心底ホッとした…。


あぁ、良かった…。

今思えば精神科の先生だったのだろうけど、私を安心させる為に先生は言ってくれたのだろう…。


相談して良かった…

気がつくともう9時が近かった。


すっかり遅くなってしまった。


「すいません、こんな遅くまで」


私が頭を下げると、先生は首を横にふって、


「いえいえ、私もお話しできて良かったです。カウンセリングの日取りが決まったら連絡しますね。瞬君の事は学校でも気をつけます。何かあれば連絡しますから。お姉さんも何かあれば連絡して下さい。」


そう言って立ち上がった。


私は先生を外まで見送ると深々と頭を下げた。


「本当にありがとうございました。」


先生を見送り家に戻った。

No.64 09/05/27 20:39
はる ( NUCJh )

お腹をすかしているだろう…。


弟の事を思い二階に上がった。


待ち疲れたのだろう弟は寝てしまっていた。


いつの間にか、お風呂に入った形跡がある。


起きてからも入るのだろうか…。


私は弟の体をそっとゆすった。


「ごめんよ、先生帰ったよ。お腹すいたやろ?」


弟は眠そうに目をこすり


「僕、お風呂入ってくるから。後でご飯食べる。」


やっぱり入るんだ…

多分、寝る前にも入るのだろう…。


弟の傷は癒えるのだろうか…。


弟は下に降りて行きお風呂に向かった。

ふと、弟の手提げバックが目についた。

私の制汗スプレーが少し見えていた…。

弟の体からは小学生の男の子からは想像がつかないムスクの香りがしていた。


私は下に降りて行き、簡単な料理を作った。


しばらく待つと弟がお風呂から出てきて一緒にご飯を食べた。


弟は先生と何を話していたのか聞いてきたが、本当にの事は言わず、


「これから、お姉ちゃんと暮らすようになりましたって報告したんよ。」


弟は納得したようで、


「そっか」


それだけ言った。


早々にご飯を終え、弟は再びお風呂に行った。


私は、何も言えなかった…。

No.65 09/05/27 20:49
はる ( NUCJh )

次の日、私は洗面台に新しい制汗スプレーを置いた。


前のとは違う、ミントの香り。


小学生には馴染みのないムスクの香り…。


嫌がる友達もいるかもしれない。


そろそろ前のスプレーは無くなる。


お小遣いをあまり渡していない弟は私のスプレーを使うだろう。


これなら、小学生の子供でも嫌がる事はないだろう…。


私が出来る事は他に無いだろうか…。


とりあえず、カウンセリングを待とう。

父にも話しをしないと…。


私は父の職場に電話をして弟の事を話した。


その頃、父は携帯を持っていなかった。

連絡先は緊急用にと職場の番号を教えられていた。


父の職場に連絡するのは初めてだった。

No.66 09/05/27 21:04
はる ( NUCJh )

「お父さん、瞬が大変な事になってるんや。お願いやから時間作って」


職場に電話がくる時点で悪い予感がしていたのだろう…


「わかった。何とかして夕方帰るから」

その頃、私はテスト期間中でバイトも休みだった。


学校が終わると父を待った。


夕方の5時にもならない内に父は帰ってきた。


そんな早い時間に帰ってきた父を見るのは初めてだった。


「美咲、帰ってきたよ」


父が祖母の家に上がってきた。


私は父に昨日の先生との話しをした。


父は黙って私が話し終わるまで俯き、下を向いていた。


「お父さんは情けないな…」


話し終えると、そう一言言って涙を流した。


父が泣いている…。

私の中の父親像は泣いている父はいなかった…。


父は静かに…


静かに…


泣いた…。


私も泣いた…。


二人で泣いた…。


「ごめんな…。ごめんな…。ごめんな…。」


何回も謝った。

No.67 09/05/29 00:39
はる ( NUCJh )

父は自分の責任だと自分を責めた…。


「瞬がこんなになるまで気がつかなかった…。父親失格や…。」


深い…深い…ため息をついた。


「お父さんの責任やないよ。原因はお母さんやん…」


私が言っても落ち込み様はひどかった。

「お父さん、今は落ち込んでても仕方ないやん。瞬の事を考えんと…。」


私がそう言うと、ようやく納得したようで、


「そうやな…。」


そう言って私を見た。


父が落ち込むのも無理はない…。


同じ家にいて全く気が付かなかったのだから。


「お父さん、しばらく仕事の量減らすわ。」


父はそう言った。


父が早い時間に家にいるのは嬉しい。


しかし、母が作った借金がある…。


「お父さんは無理せんといて。私もついてるし。その変わり何かあった時の為に携帯を持ってくれん?」


私は父にそう提案した。


父とすぐ連絡が取れる…。


それだけでも充分心強い。


「美咲、無理してないか?辛くないか?美咲がそれでえい言うんやったら、お父さんはえいけど…」

父は父なりに私の事を心配していた。

No.68 09/05/29 01:15
はる ( NUCJh )

父と話している途中で弟が帰ってきた。

いつもより帰りが遅い…。


「たたいまぁ。お父さんおるん?」


玄関の父の靴を見つけると嬉しそうに部屋に入ってきた。


「お父さん、お風呂から出るまで待っててや」


弟は忙しそうに浴室まで走っていった。

父がいて嬉しいはずなのに、先にお風呂に入る弟…。


「お風呂入る以外は普通やのにな…」


お風呂に向かう弟を見て父が言った。


確かに…。


お風呂に入る以外は普通なのにな…。


プルルル…


電話が鳴った。


「はい、〇〇です。」


電話の相手は弟の担任の先生だった。


内容は弟のカウンセリングの件。


明日の4時に学校でという事。


父がいる事を伝えると、先生は父と話しがしたいと言ったので父と電話を変わった。


父と先生が話しをしている最中だった


「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!」


弟が浴室から私を呼ぶ声が聞こえた。


呼び声が尋常ではない…。

No.69 09/05/29 01:29
はる ( NUCJh )

私はビックリして浴室に走った。


「瞬、どうしたん!?」


お風呂のドアを叩きながら言った。


「お姉ちゃん!石鹸!!お姉ちゃん!石鹸が無い!」


弟はパニックになっているようで同じ事を繰り返し言っていた。


私は慌てて石鹸を取り、


「瞬、ごめんな。石鹸おいとくで。」


「………」


泣き声とシャワーの音はするが返事が無い。


「開けるで!」


ドアを開けた。


弟はシャワーは出しっ放しで椅子に座り体を前後に揺すって泣いていた…。


私はショックで何も言えずシャワーを止め弟にバスタオルをかけた。


やっと私に気づいようで


「ダメや!!まだ石鹸で洗ってないから!僕は臭いから…」

そう言ってまた泣いていた…。


私は必死で弟の体を拭き、


「瞬、大丈夫や!!お姉ちゃんがおる!!瞬はえい匂いやで…」


私は泣きながら弟を抱き締めた。

No.70 09/05/29 01:50
はる ( NUCJh )

ショックだった…。

ただ…


ただ…ショックだった…。


私はその日初めて弟の心の傷に触れた気がする。


私と弟がお風呂場でビショビショに濡れながら泣いている後ろで、父が呆然と立ち尽くしていた…。

「お父さん、手伝って」


私が父に言うと


「嫌や!!お姉ちゃんしか来んといて!!」


弟は父を拒絶した…

父は何も言わずお風呂場を出ていった。

仕方ない…。


私はやっとの思いでお風呂から弟を連れ出した。


そんな弟を見るのは初めてだった…。


弟は父に会わず部屋に籠もった。


帰ってきた時は普通だったのに…。


これが心の病なのだろうか…。


私は父と二人居間でテレビもつけず座っていた…。


二人ともショックを隠しきれないでいた…。

No.71 09/05/29 02:16
はる ( NUCJh )

「瞬、お腹すいてないやろうか…」


私は、おにぎりを作って部屋の前まで持って行った。


「瞬、お腹すいてない?おにぎり作ってきたよ。」


「………」


返事はなかった。


仕方なく部屋の前におにぎりを置き居間に戻った。


「さっきみたいな事よくあるんか…?」

居間に戻ると父が聞いてきた。


「無い…。あんなん初めてや…。」


今まで異変は感じていても…、ここまでひどいのは初めてだった。


その日、結局弟は部屋から出て来ず、私と父は弟を待ちながら、いつの間にか寝てしまっていた。


朝になっても弟は部屋から出てこなかった…。


「お父さん、仕事休んだ方がえいか?」

父が聞いてきた。


「大丈夫。何かあったら連絡するから。」


私が言うと父はなるべく早く帰って来るからと言い仕事に行った。


その日、弟は学校に行かなかった。


私は弟の学校に電話をして担任の先生に話しをした。


先生も父との電話の最中に昨日の騒動があったので気にしていた。


私が昨日の出来事を話すと、


「今日、学校が終わってからカウンセリングの先生とお宅に伺います」


そう言ってくれた。

No.73 09/05/29 10:55
はる ( NUCJh )

>> 72 ペコさん😃


読んで頂けて光栄です✨

兄弟には優しくですね😉


誤字脱字も多く読みにくいと思いますが、頑張って最後まで書きますね😊


追伸 私は全然えらくないですよ💦当時は現実に向かい合うしかなかったんです💦

No.74 09/05/29 11:13
はる ( NUCJh )

先生との電話が終わると、もう一度弟の部屋に行った。


「瞬、お姉ちゃんテストあるから学校休めんけど、大丈夫?」


「………」


返事はない…。


「朝ご飯はおにぎり作ってるから。行ってくるね。お昼には帰ってくるから。」

そう言って家を出た。


弟は昨日ご飯を食べなかった。


食べてくれたらいいな…。


そう思いながら学校に向かい走った。


夕方には担任の先生とカウンセリングの先生が来る。


テストが終わったら急いで帰ろう。


そう思った。


テストが終わり慌てて家に帰った。


弟の部屋の前には空になったお皿があった。


良かった…。


ご飯食べてくれたんだ…。


今はそれだけで良かった。


「瞬、お姉ちゃん帰ったよ。」


「………」


相変わらず返事はなかった。

No.75 09/05/29 11:28
はる ( NUCJh )

本来、弟が使っている部屋に鍵はついていない。


そもそも、ここは祖母の家で弟が使っている部屋は祖母が寝室に使っていた部屋。


和室の狭い部屋だ。

弟は何かを使って部屋に入れないようにしていた。


昨日の夜も父がいた訳だし、無理に開けようとしたら開いたのかもしれない。


でも、無理に開けようとはしなかった。

弟の意志に任せよう…。


そう思っていた。


私は台所でオムライスを作り、トレイに乗せて弟の部屋の前に置いた。


「お昼ご飯置いとくね。」


「………」


やっぱり返事はない…。


「お姉ちゃん、一人でご飯食べるの淋しいなぁ…。」


そう言ってみた。


案の定、返事は無いのだが…。


泣きたくなるのをグッ…と我慢しながら、私は一人でご飯を食べた。


とりあえず、先生が来るのを待たないと…。

No.76 09/05/29 12:41
はる ( NUCJh )

明日もテストがある。


勉強しなくてはいけないのだが、手につかない…。


でも、不幸中の幸いで私は友達に恵まれていた。


我が家の事情を知っている友達が助けてくれる。


テスト範囲のノートを交代で作り、渡してくれる。


私はノートを覚えるだけでいい。


本当に、ありがたい事だ…。


感謝、感謝だ…。


私は部屋の簡単な掃除をし、先生を待った。


昨日の夜もほとんど寝ていない。


その前の夜も先生と話し込んで、その後家の事をしていたので、睡眠時間は少なかった。


正直、疲れていたし、眠くて仕方なかった…。


眠い目をこすりながら先生を待った。


「ただいまぁ…」


先生が来る前に父が帰ってきた。


2日続けて早く帰ってくる父を見るのは初めてだった。


とても、心強かった。

No.77 09/05/29 12:52
はる ( NUCJh )

「瞬は?」


父の問いに私は首を横に振って答えた。

「出てこない…」


二人でため息をついた…。


父は二階に上がり、弟の部屋の前で声をかけていた。


「瞬、お父さん帰ってきたよ。」


「………」


やっぱり返事はなかった。


うなだれて階段を降りて来る父…。


「とりあえず、先生来るまで待つしかないね…」


父には先生が来る事を連絡していた。


「そうやね…」


そう言って疲れたように居間で横になった。


「瞬、元に戻るかなぁ…」


小さい声で私に聞いた。


「大丈夫。」


そう言うしかなかった。


本当は大丈夫なんて思ってもなかったし、不安だった…。


このまま引きこもりになるのではないか…。


そんな不安が頭の中を巡っていた。

No.78 09/05/30 14:32
はる ( NUCJh )

ピンポーン


先生だ…


玄関を開けると担任の先生とカウンセリングの先生が二人で立っていた。


カウンセリングの先生…


良かった。


優しそうな方だ…。

私達は挨拶もそこそこに本題に入った。

先生はまず一人で弟の部屋の前まで行き声をかけた。


「瞬君、出て来てくれんかなぁ」


案の定返事は無いのだが…。


「あまり、無理強いしてもダメですから。」


先生は早々に二階から降りて来た。


「今日は瞬君抜きでお話しましょう」


そう言って4人で話しをする事になった。


結局その日は瞬抜きで話しただけだった。


カウンセリングの先生が来てくれても、瞬が部屋から出てこないと…。


何も進まない…。


カウンセリングの先生は、


「とりあえず、今は瞬君が部屋から出てこないと…。無理強いでは余計に心を閉ざしてしまう恐れがありますから…」


そんな事を言っていた。

No.80 09/05/30 18:45
はる ( NUCJh )

結局、その日は何の打開策も出ないまま話し合いは終わった。


ただ、疲れただけだった…。


その日の夕食は父と二人の静かな夕食になった。


弟は一度も部屋から出てこなかった。




あれだけ、お風呂に入っていた弟がお風呂にも入らず勉強に籠もっている…。


あまりの変わりように戸惑った。


こんなにまで変わるものだろうか…。



次の日も、次の日も弟は引きこもった。

唯一、良い事…


後、2日で夏休みだ。


学校を休んでも勉強が遅れる事はない。

何とか、夏休みの間に弟の凍りつい心が溶けないだろうか…

そんな事を考えていた…。

No.81 09/05/30 23:59
はる ( NUCJh )

しばらくたっても弟は相変わらず部屋から出てこなかった。

学校に行かない弟の為に同級生が毎日プリントを届けてくれる。


一応、弟に友達が来た事を伝えるのだが、案の定返事はなかった。


私の方もテスト期間が終わりバイトが始まる。


弟が心配でそばにいたいがバイトは休めない。


私は私と弟の食費をバイト代から出していた。


修学旅行も終わり、高校三年になって高校生活で必要なお金は微々たる物だった。


自分のバイト代で、私達の食費はまかなえる。


父は会う度に、


「お金が必要なんやないか?」


と、聞いてくれていた。


でも、借金の事を考えると言えなかった。


私がバイト代で全部出している…。


そんな事を父に言えば、無理にでもお金を渡してくるだろう…。


私は父に嘘をついていた。


「スーパーで働いてる友達が売れ残ってる食品をくれるから。大丈夫。」


そんな事を言っていた。


毎日電話がかかってくる祖母にも同じ事を言った。


私のついた嘘は良い嘘だと信じたい…。

No.82 09/05/31 00:49
はる ( NUCJh )

…夏休み…


弟は遊びにも行かず部屋に籠もったままだ…。


毎日、毎日、弟に声をかけた…。


弟の声を聞きたい…

元気な姿を見たい…

毎日願っていた。


時には、あまりに反応がないので、生きているのか不安になり、


「瞬、生きとるよね!?せめて返事してや…」


部屋の前で泣き崩れた事もあった。


部屋の前に置いた食事が無くなっているのを見て、弟が生きているのを確信していた。


弟の友達も先生も来てくれるのだが、全く弟が部屋から出てくる気配はなかった。


夏休みも半分過ぎた頃、私は体調を崩した。


夏休みという事でバイトの時間も長く、家に帰れば家事をしなければいけない…。


家事といっでも簡単な家事だし、共働きの主婦の人に比べれば楽な方だろう…。

でも、色々ありすぎた…。


私は精神的にも肉体的にも疲れていた…

毎月きていた生理が止まった。


気がつくと、体重も減りガリガリだった…。


ある日、トイレに行くと血尿が出ていた。


おしっこがグレープみたいな色…


熱は9度を越えていた…。


激しい頭痛と吐き気で気が変になりそうだった。

No.83 09/05/31 01:07
はる ( NUCJh )

バタン…!!


立っていられなかった…。


何とか立ち上がろうとするのだが…


立てない…。


「瞬、助けて…」


消え入りそうな声で助けを求めた。


誰か…


助けて…、助けて…

心の中で何回も願った。


「お姉ちゃん…!!」

幻覚だろうか…


弟の声が聞こえた。

私はそのまま意識を失った。


………


次、目が覚めた時には救急車の中だった。


ベッドに寝かされて職員の人が呼び掛けていた。


「○○さん、分かりますか?」


私はゆっくりと頷いた。


まだ吐き気と頭痛はひどい…。


吐きそう…


ジェスチャーで伝た…。


入れ物をもらうと吐いた…。


ふと、足元を見ると弟がいた…。


何日ぶりに弟の顔を見るだろう…。


弟は泣いていた…。

私と目が合うと、


「お姉ちゃん…!!」

そう言って余計に泣きだした。

No.84 09/05/31 01:54
はる ( NUCJh )

私が手を伸ばすと弟が近寄って来て


「お姉ちゃん、ごめん…」


泣いてばかりの弟に私は首を振った。


私の近くに瞬がいる…


気がつくと涙が頬を伝っていた…。


もしかすると、弟を部屋から出す為に神様が病気にしたのかも…


そんな事を考えていた…。


それから私は2日間入院した。

過労と心労に風邪が重なったのだろう…

病院の先生が言っていた。


病院で久しぶりに弟と話しをした。


「お姉ちゃん、本当にごめんなさい…」

泣いて謝る弟に、


「大丈夫や。瞬が助けてくれたんやろ?ありがとうな…」


私は泣きながら弟に礼を言った。


それから、二人で色々話しをした。


私は弟から衝撃的な事実を聞かされる…。


弟が部屋に籠もった理由…。


「僕、いじめられとる…」


小さな声でそう言った…。

No.85 09/05/31 02:09
はる ( NUCJh )

いじめられとる…


そう言う弟の声はかすかに震えていた…

学校で


お前は臭い…


お母さんにも臭いって言われとるし…


そう言って、いじめてくる友達がいる。

弟は必死で私に訴えた。


引きこもりになった日…


帰りが遅かったのはいじめられてたから…。


あの日、張り詰めていた心の糸が切れたのだろう…。


確かに、弟は友達のいる前で母に臭いと言われた…


そう言っていたのを思いだした。

No.86 09/06/01 14:58
はる ( NUCJh )

「お姉ちゃん、何も気がつかんかったな…。ごめんな…」


弟の目を見て謝った

小学校だもの…


臭い…


その言葉がいじめの原因になりうる事に何で気がつかなかったのか…。


もっと気をつけてあげれば良かった。


「僕、学校行きたくない…」


弟は小さな声で行った。


そうだろうなぁ…。

「無理せんでえいよ。お姉ちゃんは何があっても瞬の味方やから」


夏休みの間に解決するのは難しいかもしれない…。


学校に行かなくてもいい…。


今は弟が隣にいるじゃないか。


無理はよそう…。


ゆっくりでいい…。

そう思った。


ふと、気がつくと


隣のベッドの人が怪訝な顔で私達を見ていた。


そうだ、ここは病室だった。


二人で泣きながら話しをしていたら、誰だって驚く。


「お姉ちゃん、退院したらゆっくり話しをしようか…」


弟にそう言った。

No.87 09/06/01 15:13
はる ( NUCJh )

その日の夕方


父が慌てて病院に駆けつけてきた…。


「美咲…、大丈夫なんか?病院から電話もらってビックリした…」


私の顔を見てほっとしたのだろう…。


深いため息をつきながら言った。


「お父さん、瞬が助けてくれたんよ」


私が言うと目を丸くして


「瞬が!?」


とてもビックリしていた。


私が目線を足元にやると…


弟が私の布団の足元に入って小さくなって寝ていた。


父と二人でクスクス笑った。


弟が目を覚まさないように気をつけながら小さい声でしゃべった。


「瞬、出てきたんやね…」


そう言う父は涙目だった。


笑ったのは久しぶりだ…。


あぁ、病気になって良かった…。


神様ありがとう…。

まだまだ問題は山積みだが…。


今はいい…。

No.88 09/06/01 16:25
はる ( NUCJh )

その日、父と弟は面会時間ギリギリまで病室にいた。


病院に泊まると駄々をこねる弟を無理やり連れ、父は帰って行った。


前に戻ったみたい…

前みたいに戻れるのかなぁ…


多分、弟はいじめを打ち明けた心の軽さと、


夏休みという事で学校に行かなくても責められる事はない…

そんな事から安心しているのだろう…。


そんな事を考えた。

その夜、私は久しぶりに熟睡した。


次の日、弟は朝から病院に来た。


「瞬が行くってきかんから。具合悪いのに、ダメや言うたんやけど…。」


父は、申し訳なさそうに言った。


弟を見ると、昨日まで部屋に籠もっていたなんて、信じられないくらい、はしゃいでいた。


「僕がお姉ちゃんの看病するから、お父さんは仕事行って」

どうやら、私の看病をする為に来たらしい。

No.92 09/06/02 13:22
はる ( NUCJh )

>> 89 ❓ご質問です😃妹さんはどうされてるのでしょうか❓ やもりさん😃


読んで頂けて嬉しいです🙇


質問の答えは秘密という事にしておきますね🙅🙅


良かったら最後までお付き合い下さいね🙇🙇

No.93 09/06/02 13:26
はる ( NUCJh )

>> 91 同感✋完結してからそぅゅぅ質問ゎしてもらぃたぃ。。 読者さん😃 トモさん😃


一括で返信すいません🙏🙏


妹の事は秘密という事にしておきます🙇

引き続き、最後までお付き合い頂けると嬉しいです✨✨✨

No.94 09/06/02 13:40
はる ( NUCJh )

看護婦さんもいるんやけどなぁ


私は内心苦笑いしつつ


甲斐甲斐しく私の世話をやきたがる弟を見て、微笑ましい気持ちになった。


こんなに明るい弟を見るのは本当に久しぶりだ…。


永遠に続けばいいのに…。


でも、幸せは永遠には続かない…。


………


翌日には私はすっかり元気を取り戻し、退院した。


夏休みの間ゆっくり話しをしよう…。


先生にも電話しないと…。


私は家に着き、一息つくと受話器を取った。


先生に電話し、弟のいじめを伝えないといけない…。


電話でいじめの件を伝えると、


「詳しい話しをしたいので、今日伺ってもいいですか?」


夜、先生が来る事になった。

No.95 09/06/03 00:32
はる ( NUCJh )

「今日、先生来るよ。ちゃんと話しをしようね。」


弟を見て、そう言うと


「うん…‥。」


下を向いたまま小さく頷いた。


さっきまでの元気な弟とは別人のように

無口で表情は暗かった。


弟の不安が伝わってきた…。


「大丈夫。何があっても味方やから」


弟の肩を叩いて言った。


家に帰ってきてから弟は部屋に籠もる事は無かったし、


あまり心配いらないのかなぁ…


なんて、思っていた。


………


夕方になり先生が来た。


居間に通し、弟と三人で話しをする事になった。


その日、父は仕事の都合で帰りは遅くなる。


私がしっかりしないと…。


「瞬君、久しぶりやね」


先生は弟に向かって笑顔で言った。


「うん…」


弟は下を向いて小さく頷くだけ…。


「誰が、いじめてきたのか言ってくれる?」


先生の質問に弟は三人の名前を挙げた。

「たけし君、とおる君、りく君の三人」

驚いた…。


弟が保育園の頃からの仲の良い友達だった。


私も、もちろん知っていた。

No.96 09/06/03 20:09
はる ( NUCJh )

「今まで言えんかったんやね…。辛かったね…。先生気がつかんかって、ごめんね…。」


先生の言葉に弟は下を向いたまま、涙をボロボロこぼして泣いた…。


その日の話し合いでは全て解決はしなかったが、弟は何か吹っ切れたような、すがすがしい顔をしていた。


先生は弟が


「僕が名前言った事言わないで…」


そう言っていたのを配慮して、


登校日を利用してクラス全員に話しをする事を提案してくれた。


もちろん、特定の名前は出さずに。


登校日までに変わった事があれば連絡する事を約束して


その日、先生は帰っていった。


私は弟を見て、


「また前みたいに友達と遊べるようになるよ。」


そう言った。


弟は少し笑っただけだったが。


その夜、父が来ると今日の話し合いの全てを話した。


「相手の親に話しに行く」


そう言ってきかない父を必死に説得した。

No.97 09/06/03 20:29
はる ( NUCJh )

「お父さんが行ったら瞬が嫌がる」


そう言って必死に止めた。


とりあえず、登校日まで待とう。


そう言って聞かせ、やっと納得した。


………


その夜は、父ともう一つ大事な話しをするようになっていた。


離婚…。


退院したら話す事になっていた。


「お父さん、離婚の話しはどうなった?」


私は思い切って父に聞いた。


弟のいじめの事も、もちろん大事だが、

原因を作ったのは母だ…。


私はどうしても母が許せなかった。


今は母とは話しもしないし、顔を合わす事もない。


離婚しても全く困らなかった。


「離婚の話しはしてるんやけど、美紀を連れて行くって言うとる…。」


美紀…私の二歳違いの妹…。


どういう訳だか、母は美紀を可愛がっていた。


今では母の周りには母の理解者はいない…。


母は孤立していた。

妹だけでも味方にしたかったのだろう。

「そんなんダメや。お母さんの性格知ってるやろ?美紀も昔は嫌な思いをしてたやん。絶対に反対や。」


私は断固反対した。

No.98 09/06/03 20:57
はる ( NUCJh )

「でも、美紀もお母さんと一緒に行くって言うとるし…」


私は妹とは、暫く話しをしていなかった。


学校も違うし、帰ってくる家も違う。


「私が話してみる」

私は妹が通っている高校に行く事にした。


翌日は運良くバイトも休みだった。


学校が終わり、妹の高校の校門で妹を待った。


今日会えなかったら明日来よう…。


妹に会うまでは毎日来よう…。


そう思っていた。


しばらく待っていると、妹が一人で歩いてきた。


私に気がつくと、


「お姉ちゃん、どうしたん?」


驚いて駆け寄ってきた。


妹に会うのは本当に久しぶりだった。


「久しぶりやね。一緒に帰ろう。」


私と妹は一緒に歩き出した。


……


「…美紀、お母さんと一緒に行くん?」

私は妹に聞いた。


行かない…


そんな答えを期待しながら…。


「だって、私が一緒やないと、お母さん離婚せんって言うてるし…。」


妹は俯き答えた。


「美紀はどうしたいん?お母さんと暮らしてると大変やろ?私は美紀も一緒やないと嫌や。」


私は妹を母から取り戻したかった。

No.99 09/06/03 21:19
はる ( NUCJh )

「お姉ちゃんは勝手や!!瞬まで連れて行ってしもうて…。私は一人やったんやで!!」


妹は人目も気にせず泣きわめいた。


私は近くの公園に連れて行き、妹をベンチに座らせた。


「今日だって何で来たん?今まで何もしてくれんかったやん!?」


私は何も言えなかった…。


私と弟が出ていったせいで妹は一人ぼっちだった。


私は責任を感じた。

今日だって学校は夏休み。


私の学校は補習授業が午前中あり、午後から妹に会いに行った。


妹が休みだったら会えなかった。


運良く部活を終えた妹が出てきたから良かったものの…。


そうでもしないと会えないなんて…。


弟を連れて出た時に妹も連れて出るべきだった…。

No.101 09/06/04 20:20
はる ( NUCJh )

>> 100 チョコランチさん😃

読んで頂き、ありがとうございます🙇🙇
最後まで頑張りますので、よろしくお願いします🙇🙇

追伸…大変な人生でしたが、振り返ると反省する事が多々あります。これから、まだ色々出てきますので、よろしくお願いします🍀

No.102 09/06/04 20:50
はる ( NUCJh )

「美紀、本当にごめん…。本当にごめん…。」


泣きながら謝った。


「何よ、今さら!!私がどんな思いをしとったか…。」


妹の怒りは収まらない…。


私は、自分の不甲斐なさに腹が立ち、何も言えずにいた…。

………


しばらく待つと妹の興奮は少し収まり、すすり泣きながら話してきた。


「あまり遅くなるとお母さんが怖いから…。明日部活って言って出てくるから、校門で待っててくれる?」


私は、分かったと言い、その日は妹と別れた。


妹と別れてからも、私は妹の事で頭がいっぱいだった…。


頭の中を巡るのは


後悔…


後悔……


ただ、それだけだった…。

No.103 09/06/04 21:13
はる ( NUCJh )

妹は母に可愛がられているものだと思っていた。


でも、そうではなかったのかも…。


私は愚かだ…。


愚かな自分を責めた…。


妹を一人にするべきでは無かった…。


弟を連れて出た時に何で妹の事まで頭が回らなかったのだろう…。


………


その日の夜は一睡もできなかった。


三人でいた昔を思い出し、涙を流した。


母の機嫌を伺いながらではあったが…


妹と弟が側にいた…

昔が懐かしく思えた…

No.104 09/06/05 20:36
はる ( NUCJh )

…翌日…


私は自分の過ちを再確認する事になる…

校門で待ち合わせをし、妹と帰りながら話しをしていた。


母との暮らしはどうか


母は可愛がってくれているのか


学校の授業料や必要なお金は…


聞きたい事は沢山あった。


私が質問をして、妹が答える。


しばらく、その繰り返しだった。


………


「……お母さん不倫してるで…」


妹は少し戸惑いながら言った。


「………」


私は耳を疑った。


「不倫!?本当に!?」

母の不倫…


そっか…


お母さん不倫してたんや…。


私は最初こそ驚きはしたものの


冷静だった。


私の母への愛情は全く無くなった…。


この時、そう確信した。


父には申し訳ないが、正直、母が不倫しようがどうでもいい…。


あの人はお母さんやないもの…。


この時から私は母の事を¨あの人¨そう呼ぶようになった。

………


しかし、妹の告白はそれだけでは無かった…。

No.105 09/06/05 20:53
はる ( NUCJh )

「お母さん、不倫相手と会う時、私も連れて行くんよ…」


妹の言っている事の意味が分からなかった。


「連れて行くって?」


母が不倫相手と会う現場に妹を連れて行く


どういうこと…?


ここから、私は更に驚く事になる…


妹の話しでは、母は不倫相手と会う時、妹も連れ、不倫相手の事を¨お父さん¨そう呼ばしていたのだ…。


この事だけでも信じられないが、妹の告白はまだ続く…。


「その人、私にいやらしい事する…」


そう言った妹は泣き出した。


性的虐待…


妹は母の不倫相手に性的虐待を受けていた…。


………


怒りで体が震える…

私が受けた衝撃は計り知れない物だった

No.106 09/06/06 17:26
はる ( NUCJh )

私は妹の話しの最中にも関わらず


ズンズンと


歩き出した。


「……お姉ちゃん」

妹が止めるのも聞かず、近くの駅に向かった。


駅に着くと、妹が止めるのも聞かず、タクシーに乗り込んだ(田舎なので、タクシー乗り場まで行かないとタクシーが無い…)


電車で行くよりタクシーの方が速い…。

私はなけなしのお金でタクシーに乗った

妹の泣き声が聞こえるが


「〇〇まで行って下さい…」


「かまわないんで、早く出して下さい!!!」


怪訝な顔をする運転手さんを急かした。

…………


………


殺してやる…


殺してやる………


私は本気だった…

No.107 09/06/06 17:43
はる ( NUCJh )

あんな奴…


死んでしまえばいい……


タクシーの中でそればかり考えていた…

…………


家に着くと乱暴に玄関のドアを開けた。

鍵はかかっていない…


台所に行き


包丁を手にした…。

…………


殺してやる…


母がいつもいる居間に行った…


………………


……………


母は居なかった…


不倫相手に逢いに行っているのだろうか

…………


私の怒りは収まらず

力任せにタンスを倒し


母のベッドを包丁でメチャクチャに突き刺した…。


私は我を忘れていた…。


いつの間にか泣きわめきながら


母の服を切り裂いていた…。

No.108 09/06/07 14:51
はる ( NUCJh )

どれくらい時間がたっただろう…。


部屋はメチャクチャだった…。


ふと、玄関の方へ目をやると妹が呆然と立ち尽くしていた…

「…いつからいたん?」


…………


妹は泣いていた。


「お姉ちゃん…。もうやめて…。」


妹は泣き崩れた…。

我に返った私は持っていた包丁を置き、床にへたり込んだ。

暴れるのを止めた私を見て、妹は駆け寄ってきた。


「…。美紀ごめん…。ごめん…。」


私は泣きながら妹に抱きついた。


「お姉ちゃん…。」

私と妹は抱き合いながら大泣きした…。

No.109 09/06/07 18:23
はる ( NUCJh )

しばらく妹と二人で泣いていた…


どれくらい時間がたっていたのだろう…

窓から外を見た。


空は薄暗く今にも雨が降りそうだ…。


時計を見ると五時半

多分もうすぐ母も帰ってくるだろう…


私は立ち上がり


散らかった部屋の中から妹の荷物を探した。


妹の机も私のせいでグチャグチャになっていた…。


服、教科書、とりあえず目についた物を鞄に入れた。


「美紀、大丈夫やから。お姉ちゃんと一緒に行こう。」


「………」


妹は無言で頷いた。

私は玄関に、


゛美紀は連れて行くから゛


そう書き置きを残し

家を出た。

No.110 09/06/08 01:35
はる ( NUCJh )

「……。あんなお姉ちゃん初めて見た…。」


妹が言った。


確かに…。


あんな自分…。


私も初めて知った。

「美紀の物までメチャクチャにしてしもうて…。ごめん…。」


「いいよ。私の為にやったんやろ?私、嬉しかった…。」


まだ涙目の妹は私を見て笑った。

「自分にも味方がいるって嬉しい」


そう言ってまた笑った…。


「ごめん…。」

「いいよ…。」

「ごめん…。」

「いいよ…。」


その言葉を繰り返しながら祖母の家まで帰った。


瞬、喜ぶかなぁ…。

弟が喜ぶ顔を想像する…。


これからは妹も弟も一緒


やっと、兄弟三人で暮らせるんだなぁ…

そう思うと嬉しかった。

No.111 09/06/08 02:02
はる ( NUCJh )

「ただいま~。」


バタバタバタ…


弟が二階から降りて来る音がする。


「お姉ちゃん、お腹すいた!」


「美紀ちゃん!!」


弟は妹を見て嬉しそうに騒いだ。


そして、涙目の私達を交互に見て


「どうしたん…?」

心配そうに言った。

「何でもないよ。お姉ちゃん、美紀を取り返してきたで!!!。」


弟を見て ニカって笑った。


「美咲ちゃん、正義の味方やな!!!」


弟は嬉しそうに私を見て言った。


正義の味方?


妹が大変な時、気がついてやれなかった…。


正義の味方やないんやけどなぁ…。


…………


ま、いいか。


「瞬は男の子やろ?美紀を守ってあげてな。」


「任せといてや。」

そんな、私と弟のやり取りを見て妹は嬉しそうに笑っている。


…………


母が怒鳴り込んで来るのは時間の問題だろう。


今日は早めの夕飯にしよう。


「美紀も瞬も今日はオムライスでいい?」


そう聞くと、


「僕、チーズ入り」
「私はグリンピース入れて」


全く…。


勝手だなぁ。


「もぅ、面倒なんやでー」


私はプリプリ怒ったふりをしながら台所に向かった。


面倒だけど


嬉しくもあった。

No.113 09/06/08 02:15
はる ( NUCJh )

>> 112 匿名さん😊


レスありがとうございます🍀


こんな、素人の文章を見て頂いてありがとうございます🙇🙇

頑張って最後まで書きますので、よろしくお願いします🍀

No.115 09/06/08 20:36
はる ( NUCJh )

>> 114 NANAさん😊


レスありがとうございます🍀


ごめんなさい、私の説明不足でしたね💦

これから少し更新します。
良ければ又暇な時にでも覗いて見て下さい🙇

No.116 09/06/08 20:55
はる ( NUCJh )

慌ただしく台所で料理をしていると妹が来た。


「お姉ちゃん…、私の事、瞬やお父さんに知られたくないんやけど…。黙っててくれん………?」


………………


私は悩んだ…。


私と妹


二人だけの秘密…。

荷が重い気がした…

……………


でも、私が妹の立場だったら…。


誰にも知られたくないのかも…。


お願い…お願い…


何度も繰り返す妹…

「わかった…。」


そう言うしかなかった…。


………………


「ありがとう…。」

「私も手伝う。」


安心したように妹は私を手伝いだした。

No.117 09/06/08 22:03
はる ( NUCJh )

ドンドン!!


ドンドン!!!


母だ…。


「美紀は瞬を連れて二階に行っとき。」

妹と弟を二階に非難させると


玄関のドアを開けた

「ふざけんな!!」

母は興奮しながら叫んでいた。


ふざけんな!?


こっちの台詞だ…。

「あんた、浮気してるらしいな…。」


私は母を見下ろして言った。


今では、私の方が背が高い。


小さな頃は母に怯えていた…。


今は…


ただ…


憎い……


それだけ………。

No.118 09/06/09 21:26
はる ( NUCJh )

浮気してる…


秘密を知られた母は急に黙り込んだ…。

「あんた…、美紀に何て事したんや!!!」

母は黙ったまま…。

「全部聞いたし。離婚してな!!。3日以内に家出て行って!!」


私が言うと母はようやく喋った。


「あんたに関係ないやん…」


はらわたが煮えくり返る


まさに今の感情だろうか…。


「関係ないわけないやろ!!ふざけんな!」


謝りもしない母に


腹が立って


腹が立って、仕方なかった…。


「出て行け!!!」


「出て行け!!!」


母を突き飛ばしながら怒鳴った。


消えてほしい…。


「私達の前から消えてや!!」


「あんたらが美紀にした事も聞いたし!!!。出て行かんかったら警察や!!!」


警察…


その言葉に驚いたようで、母はブツブツ言いながら帰って行った。


いつもなら二言三言返ってくるのに…


母は言い返せなかったようだ。

No.120 09/06/10 13:41
はる ( NUCJh )

>> 119 華憐さん😃


ごめんなさい🙏💦


私の説明が足らなかったのかもです。。

申し訳ないです。。

これから、少し更新します😃


良かったら読んで下さいね🙇🙇🙇

  • << 157 こんばんは🌙 「次はどうなる?」とハラハラしながら読んでいます。弟、妹と三人揃っての食事はどんなに豪華なディナーより美味しかったでしょう? 母親が憎いことは判りますが絶対!殺さないで下さい。妹や弟の為、何より貴女の為に鬼母の身代わりに刑務所に入らないで下さい。

No.121 09/06/10 13:56
はる ( NUCJh )

何も言い返せない母が帰ったのを確認すると


台所に行き、塩の入った瓶を手に取った

玄関に戻ると、


「二度と来るな!」

そう言いながら、塩を思いきりまいた。

自分の母親にひどいと思うかもしれない…



それでも、私はかなり我慢した。


一時は¨殺したい¨そう思っていたのだもの……。


我慢した方だ…。


……………


気を取り直して夕飯の準備の続きを始めた。


弟と妹はまだ二階に上がったままだ。


「ご飯にするでぇー」


一階から声を掛けると二人揃って降りてきた。


「美紀、心配ないからな。あの人、3日以内に出て行くから。」


「うん。聞こえた…。二階の窓から見てたもん。」


「そっか…。」


……………


それから久しぶりの兄弟揃っての夕食を食べた。

No.122 09/06/10 14:14
はる ( NUCJh )

久しぶりの三人揃っての夕食…。


なのに、三人共無言……


理由は私のせいだ…

母が帰ってからも気持ちは収まらず、無言でオムライスを口に放り込んでいた。

「瞬、お姉ちゃん怖いな…。」


「うん。。。」


今日の夕飯時の最初の会話…。


………


いけない…。


ピリピリした雰囲気でご飯を食べるのは止めよう…。


「ごめんな。楽しく食べんとな。。」


私は二人を見て笑った。


とたん、二人はホッとした顔をし、次々と話しを始めた。


学校の事、友達の事、色々な話しをしていた。


いつの間にか、私も話しに加わり、ピリピリした空気は無くなっていた。


やっぱり……


兄弟っていい…。

No.123 09/06/12 17:41
はる ( NUCJh )

夕食を終え、妹と二人で洗い物をしていた。


「美咲!!三人とも無事なんか!?」


父だ…。


父には美紀と会って来るとだけ言って、他の事は一切言ってなかった。


家が荒れてるのを見て驚いたのだろう。

「あの部屋、何があった!?」


「あれ…、私がやった。」


私が言うと、父は何があったかしつこく聞いてきた。


「あの人、浮気してたで。っていうか、気がつかんかったん!?」


私は少し苛立ちながら答えた。


一緒に暮らしていたのに、何も気がつかなかったのか…。


父がもっと早く気がついていれば…。


「お父さんがもっと早く気がついていれば…。」


早く離婚できていたのに…。


妹はあんな目に合わずに済んだのに…。

そう言いたいのを、グッと我慢した。


「全然気がつかんかった…」


私はこの時、初めて父に腹が立った…。

仕事で遅くなるのも分かる…。


離婚してほしい…


私が言い出す前に何故もっと早く離婚してくれなかったのか…


美紀を連れて行く


そう言ってても説得しようと思えば、説得できたのではないか…


そう思い、苛立っていた…。


自分の事は棚に上げて…だが…。

No.124 09/06/12 18:04
はる ( NUCJh )

今思えば、一度は愛し合って結婚したのだもの…


あんな母でも愛情が残っていたのだろう…。


……………


その日、父は祖母の家で夕飯を食べて帰った。


私の機嫌が悪かったせいで私との会話はあまりなかった…。

夜中になり父は家に帰り、私達は三人で布団を並べて寝る事にした。


弟がずっと喋って私と妹が相づちをうつ

そんな感じだった。

やがて、弟の口数が少なくなって眠りについたのを確認すると


妹と二人で話しをした。


「もっと早くお姉ちゃんに言ってれば良かったのかなぁ…」

「瞬を連れて来る時に美紀も連れてくるべきやったな…。本当にごめんな…。」

「もういいよ。今は一緒にいるんやし」

「そっか…」


「うん…」


そんな話しをしながら眠りについた。


妹がその男にどんな事をされたのか…


すごく気になった…

でも、言いたくないのかもしれない…


妹が自分から話してくるまで待つ事にした…。

No.125 09/06/12 18:30
はる ( NUCJh )

次の日、妹が


「部活に行ってくる」


そう言ったのを聞いて急に不安になった…。


その男が学校の帰り道で待ち伏せしていたら………?


「美紀、今日は部活休み。家にいた方がいい…。」


私が言うと妹は


「わかった…。先生に連絡しとく…。」

そう言い、電話をかけに行った。


私も今日はバイトを休もう…


私は高校の近くのパンとケーキの店でアルバイトをしていた。


社長、奥さん、従業員、本当にみんな良い人で私の家の事情も分かってくれていた。


電話をすると心よく休みがもらえた。


私は今まで本当に周りの人達に助けられてきた。


本当に感謝している

……………


妹も休みが貰えたらしく、


「今日は家にいるよ」


そう言ってきた。


今日中に何か考えないと……

No.126 09/06/13 20:41
はる ( NUCJh )

父の話しによると、昨日家に帰ったら母は居なかったそうだ。


不倫相手と出て行ったのだろう…。


正直、母がどこに行こうが関心はなかった。


でも、不倫相手と一緒じゃないとしたら?


妹に執着するかも…

万が一の事を考えて行動しないといけない。


それも、夏休みの間に。


「美紀、その男の連絡先知ってる?」


「今は分からないけど、家にメモがあるかもしれん…。」


妹は、その男に連絡先を書いたメモを貰った事がある


そう言ってきた。


いつでも連絡してきて


そう言われて貰ったのだが洋服のポケットに入れたまま、そのままにしていたそうだ。


あの母が洗濯なんてするはずないし…


私はメモを取りに家に行った。


無くなってませんように…。


そう、祈りながら…

No.127 09/06/13 21:01
はる ( NUCJh )

家に帰ると、部屋は凄い荒れようだった。


私がやったのだから仕方ないか…。


そう思いながら服を探した。


少し探すと妹が言っていた服が見つかった。


ポケットを弄ってみる…。


あった!?


指先に紙が触れる感覚があった。


慌ててメモを掴み、祖母の家に帰った。

「美紀、あったよ!」


メモを見せながら家に入っていった。


「お姉ちゃん、その人に会うの?」


妹が心配そうに聞いてきた。


私は母の不倫相手と話しをするつもりだった。


でも、妹の協力がいる…。


妹は¨嫌だ¨と言うだろう…。


私が妹の立場なら嫌だし…。


でも、妹の為にも今後の私達の為にも私は妹を説得した。

No.128 09/06/14 07:35
はる ( NUCJh )

その日のうちに妹は男に電話をかけた。

うまく会う段取りをつけたようだ。


次の日


私はファミレスの中にいた。


妹は別のテーブルに座って男を待っていた。


昨日、妹に電話をさせた時、


人目の多いファミレスで会う事を提案させた。


決して二人きりにならないように


………………


しばらく待つと、背の小さい無精ひげの中年男が入ってきた。


妹の前に座る。


母の不倫相手、妹を辱めた男の登場だ。

身なりは、決して良いとは言えない。


小汚い作業着を着ていた。


こんな人が母の好みなの………?


まぁ、母の好みなんて、どうでもいい。

私はツカツカと歩いて行き、男の隣に座った。


「初めまして。姉の美咲です。」


この時の男の顔…


面食らって、しばらく無言だった。

No.129 09/06/14 08:01
はる ( NUCJh )

「どんな理由で私が来たか、分かりますよね!?」


私は男の前に一枚の紙を突きつけた。


私○○は○○美紀さんに淫らな行為をした事を認めます。

今後、○○は二度と美紀さんに近づきません。

破った場合は警察に行き、罪を償います。

○月○日

住所

氏名 印


「サインしてください!!」


私は男を睨みつけながら言った。


「そんな事、した覚えは無い!!」


案の定、否定した。

秘密を知られた動揺

怒り


男の表情から、そんな感情が溢れていた

母は家を出た時に、私にバレた事を男に言ってなかったのか……?


「否定しても無駄です。妹は出来事を全て日記に記してあります。知ってますか?日記でも立派な証拠になるんです。」

男がすぐ認めないのは目に見えていた。

「認めないのなら、その日記を警察に持って行きます。それには、あなたとホテルに入った日時がかかれてます。ホテルの防犯カメラを見れば一目瞭然ですよ。」


「……。同意の上だった…。」


そうきたか…。

No.130 09/06/14 08:25
はる ( NUCJh )

「たとえ、同意の上だとしても、妹は未成年です。犯罪ですよ。まぁ、同意なんて有り得ないですけど。」


私が言い放つと


「援交だったんや…」


男はそう言った。


「………。あなた、援交が許されると思ってるんですか?援交だったとしても、あなたは捕まります。」


「いいかげんサインしてください!!」

私は男にもう一度詰め寄った。


……………


男はようやくサインをした。


「名前、住所を確認できる物を出して下さい。」


「そんな物持って来てない…」


「車で来てるのに、免許証無いんですか?」


今度は男は素直に免許証を出した。


案の定


偽名…


私はすかさずカバンの中から新しい用紙を出した。


「何枚でもありますから。」


男は観念したように氏名と住所を嘘偽り無く書いた。


書き終わるのを確認すると、私は朱肉を突き出した。


「拇印で結構です。」


男は逆らう事なく用紙に拇印を押し、


「帰ってもいいですか?」


そう言ったきた。


「どうぞ」


私は席を立ち、男が通れるスペースをあけた。


妹をこんな目に合わせて…


殴ってやりたい気持ちをグッと我慢した

妹は他に知られるのを望んでない…。

No.131 09/06/15 21:20
はる ( NUCJh )

ファミレスの窓から男の車が出て行くのを確認すると


私は深い…


深い…ため息をついた…。


良かった…。


本当に良かった…。

正直、私はこの計画が上手くいくか自信がなかった。


日記…


そんな物、無かった

見せてみろ!


そう言われたら嘘はバレていただろう…

でも、とりあえず上手くいって良かった。


…………


その日は


「せっかく来たんだし」


妹にそう言って、ファミレスで食事をして帰った。

No.132 09/06/15 21:30
はる ( NUCJh )

とりあえず、これで妹は学校に行けるだろう。


まだ、全然解決なんてしてないし、妹の心の傷も癒えていない…。


でも、我が家では問題は他にもあった。

後、数日で弟の学校の登校日…。


あれから弟は部屋に籠もる事は無かったし


潔癖症は相変わらずだが…。


話し合いが上手くいきますように…。


私は祈るような気持ちだった。


妹の事


弟の事


私は毎日神様に祈った…。


早く、兄弟三人


笑って暮らしたい。

No.133 09/06/17 17:49
はる ( NUCJh )

「明日から部活行けるかなぁ。」


「大丈夫やと思うけど、気をつけて、一人で行動しない方がいいよ。。」


「わかった。今日はありがとうね。」


私はまだ心配だったし、不安だった…。

でも、いつまでも部活を休ますのもかわいそうだし…。


大丈夫…


大丈夫…


そう思う事にした。

…………


夜になり、夕食の準備をしていると


「お姉ちゃん達、僕を除け者にして、レストラン行ったんやろ?」


弟がすねていた。


私達の会話からファミレスで食事をしたんだと知ったのだろう。


事情を知らない弟がすねるのも無理はない。


妹と二人で顔を見合わせ


苦笑いした。


………


「じゃぁ、今日は三人でご飯食べに行こうか。。」


私の言葉に弟は


飛び上がり


めちゃくちゃ喜んだ

No.134 09/06/17 18:12
はる ( NUCJh )

私達は子供の頃から外食なんて、した事がなかった。


普通の家族の微笑ましい光景…。


「他人は他人!!ウチはウチ!!」


いつも、母の一言で一瞥された。


………


本当は外食する余裕なんてなかったけど…。


弟が喜ぶ顔を見たくて…


頑張った……。


「一応、お父さんにも電話してみようか。」


父も一緒に行けたら

きっと楽しい。


そう思い、電話をかけた。


「今日な、ファミレスにご飯行く事にした。五千くらいやったら、どうにかなるし…。帰ってこれる?」


「お父さん、ちょっと無理やなぁ。。三人で行っておいでや。お金はお父さんが後から渡してあげるから。」


「いいの?」


「大丈夫。楽しんでおいでや。」


「わかった。」


父も一緒に


それは無理だったが、お金を出してもらえる。


正直、助かった。


バイトを頑張って来月は四人で外食をしよう。


私がお父さんに奢ってあげよう。


そう思い、その日は三人で出かける事にした。

No.135 09/06/17 20:14
はる ( NUCJh )

「せっかくだから」

そう言い、最近できたばかりのファミレスに行く事にした。

当然、車は無いから電車での移動になる。


時間はまだ6時前


明日は三人とも休みだし


少しくらい遅くなってもいいか。。


そう思い


「瞬、電話で行くよ」


弟に伝えた。


「本当に!?やったぁー!!」


弟の喜び様は凄かった。


それを見て私も本当に嬉しくなった。


ファミレスに行くだけなのに


三人とも精一杯のオシャレをして出かけた。


電車乗り場まで自転車で行き


電車に乗った。


「僕、初めて電車乗る!!」


「そうやったっけ?」


家族での外食


初めての電車


今日は弟が二つの初体験をした記念日だ

弟は初めての電車に興奮し


前へ、前へ


車掌さんの真後ろを陣取った。


「美咲ちゃんも美紀ちゃんも早く!!」

私達を手招きで呼び自分の隣のシートを叩いて、隣に座るように促した。

No.136 09/06/19 01:25
はる ( NUCJh )

しばらくすると電車が動きだした。


「僕、将来電車の運転手さんになりたい!」


「そうなんや。そしたら勉強頑張らんとな。。」


初めて聞いた弟の夢

私は嬉しくなって妹と二人


顔を見合わせ笑った

15分くらい電車に揺られて目的地まで着いた。


ファミレスまでは少し歩かないといけない。


弟が真ん中


私と妹が両端


自然と誰からともなく手を繋いで歩いた

「美咲ちゃん、あそこ?」


弟がファミレスを指差し言った。


オープンしたばかりで車がたくさんある

店も忙しそうだ


「座れるかなぁ。」

沢山の人を見て弟は不安そうに言った


「きっと大丈夫。」

私が言うと弟は私を見上げて


ニッコリ笑った


………


自動ドアを通り


店の中に入った。


「いらっしゃいませ。現在満席となってますので少しお待ち頂くようになりますけど、よろしいですか?」


やっぱり満席…。


「僕、待つ!」


せっかく来たんだし

待つ事にした。

No.137 09/06/19 01:46
はる ( NUCJh )

用紙に名前と人数を書いて、呼ばれるまで待つ事になった。

私達の前にも何組か待っている人がいた

…………


その中に一人


見覚えのある顔があった。


確か……


アッ!!


弟と同じ学校の…。

弟が言ってたイジメっ子とは違う。


「瞬、あの子友達やない?」


私が弟に言うと


さっきまでの元気が嘘のように顔を下げ喋らなくなった。


ひょっとしたら、あの子もイジメっ子…?


弟を見ると……


涙目だ…。


「美紀、店変えてもいい?」


小さな声で妹に聞いた。


「いいよ。。」


弟の同級生は私達に全く気がついていない…。


逃げるみたいで嫌だったが


今日は楽しく食事をする


そう決めていた。


「すいません、やっぱり出ます。」


店員さんに伝え


弟の手を引き外に出た。


「瞬、お姉ちゃんやっぱり、お好み焼き食べたいからお好み焼き食べに行こう」

「……うん」


弟は同級生を見てから元気がなくなっていた。

No.138 09/06/19 02:10
はる ( NUCJh )

「勝手にファミレス出てきてごめんな」

「ううん…。僕、あの子嫌やねん…。」

「わかってるから。瞬は悪くない。今日は美味しいお好み焼き食べて帰ろう。」

「うん!」


ようやく弟が元気になってきた


「私も実はお好み焼きが食べたかってん」


すかさず妹がフォローを入れてくれた


ファミレスを出て


また少し歩き


お好み焼きの店に着いた。


「いらっしゃいませ」


さっきのファミレスと違って暇そうだ。

入った事の無い店だったし


ひょっとしたらマズい!?


かなり不安になった

「三人?」


気の良さそうな女の人が案内してくれた

従業員はおじさんとおばさんの二人だけみたいだ


客は私達以外には夫婦らしき人が二人いるだけ


大丈夫だろうか…?

妹も同じ気持ちだったようで


目で訴えてきた。


でも


弟はと言うと・・・

「僕、外にご飯食べに行くの初めてやねん」


「あらぁ~、そうなん?最初がおばあちゃんの店で嬉しいわぁ!」


店の人と話しをしていた。


味は分からないが、店の人は良い人みたいだ。


とりあえず、一安心

No.139 09/06/20 01:07
はる ( NUCJh )

予想に反して…


メチャクチャ美味しかった!


おまけに


食後にクリームソーダをサービスしてくれた


この店は私達三人の

父を含めて四人の行きつけの店になった

………


来た時と同じように三人並んで駅まで歩いた


電車に乗り揺られていると


お腹も一杯になって心地よくなったのだろう


小さな弟は寝てしまった


「困ったねぇ。。」

妹と顔を見合わせ苦笑い・・・


一向に起きる気配は無い


降りる時になっても起きない


仕方なく自転車を駅に置き


妹と交代で


弟をおぶって家まで帰った

No.140 09/06/20 01:23
はる ( NUCJh )

歩いて30分ほどの道のりを妹と歩いた


背中の弟の重みが心地よかった


…………


家に着き


弟を布団に寝かせていると


父が帰ってきた


「今日は楽しかった?」


「楽しかったよ。でも、ファミレスに瞬の同級生がおって、ファミレスは止めてお好み焼き食べに行ってた」


「イジメっ子か?」

「多分な…」


「悪い事してないのに逃げんでも…」


「そう思ったけど、楽しく過ごしたかったし…」


「そっか…。楽しかったら良かったわ」

今日は逃げた訳じゃない


せっかくの弟の初めての外食


これで良かった

No.141 09/06/21 07:13
はる ( NUCJh )

「そういえばな、お母さん出て行ったけど、離婚届け書いてないねん。」


ため息まじりに父は言った


そっか…


まだ離婚してないんだ…


「やっぱり一度連絡とらんといかんなぁ」


「お母さん浮気相手と一緒かなぁ。浮気相手に連絡とる方法探すしかないか…」

「もう少し連絡来るまで待ってみたら?」


私は正直


父に母の浮気相手と会ってほしくなかった


会ってしまったら美紀の事がバレるんじゃないか…


そう思うと連絡先を教える事ができなかった


「しばらく待ってみるか…」


父の言葉に安心した

誰にも知られたくない…


そう言う妹を


これ以上悲しませたくなかった…


しばらく待って母から連絡が無ければ私が浮気相手に連絡をとってみよう

No.142 09/06/21 07:23
はる ( NUCJh )

その夜


「もう、遅いし帰る必要もないんやし、泊まっていったら?」


そう言う私に


父は苦笑いしつつ答えた


「あの部屋も何とかせんといかんやろ?」


そっかぁ


確かに


部屋は凄い状態だった


「夏休みの間に片付けるから。」


申し訳なさそうに父に言った


「ハハハ、えいねん。お父さんが少しずつ片付けるから。あの部屋は美咲の心の痛みやからな。お父さんが片付けたいねん…」


何度も私が片付けると言ったが父は全く譲らなかった


「ごめんな。お父さん」


家に帰って行く父に何度も謝った


手を横に振り


いいよ


そう言って父は帰って行った

No.143 09/06/21 07:39
はる ( NUCJh )

はぁ…


今日は疲れたなぁ…

布団に入り


ウトウトしていたら隣で寝てる妹が話しかけてきた


「お姉ちゃん、私、お姉ちゃんに言っておかなあかん事があんねん…」


「私な…、あいつにお小遣い貰った事があんねん…。私がしてた事…、援交かもしれん…」


一気に目が覚めた…

援交って…


まさか…


美紀に限って…


「………」


少しの間


沈黙がながれた…


「美紀、もし美紀が援交やってたとしても私は絶対に美紀の味方やから。」


「………」


妹のすすり泣きが聞こえる…


「話せるようになったら話したらいいし、いつでも聞くから」


「わかった…。手紙に書くから読んでくれる?」


「わかった。何があっても私達は姉妹やし、絶対に嫌いにならんから。信じてや…」


「うん…、ありがとう」


その夜


すすり泣く妹と


手を繋いで寝た…

No.144 09/06/22 07:34
はる ( NUCJh )

次の日の夜


「お姉ちゃんこれ」

妹から手紙をもらった


…………


《妹の手紙から》


『お姉ちゃんへ


私があの男と会ったのは一年くらい前です。

最初、お母さんが会わせたい人がいるからと言って、お母さんと三人で食事をした事がきっかけ。

まさか、お母さんの不倫相手なんて思いもしなかったし…。
焼肉店に三人で行きました。

気持ち悪い男だったけど、お母さんを怒らせたくなくって、私はニコニコしていました。

男は機嫌が良くなり、「さくらんぼの茎を口の中で結べたら一万やる」と言ってきました。

私は今まで小遣いなんてまともに貰った事がなかったし、一万円に惹かれて一生懸命やりました。

男はそんな私を楽しそうに見ていました。

「できた」私が言うて男は信じられない事を言いました。

「美紀は舌が器用だから、フェラチオが上手そうだ」と。

私は気持ち悪くなって泣きそうになりました。

そんな言葉を言われた事なんてなかったし。

男はどんどん卑猥な言葉を喋りました。
助けてほしくて、お母さんを見たけど、目を合わせてくれませんでした。

私は耐えきれなくなって

「お母さんトイレついてきて」と言いました。

帰りたかったのです。

No.145 09/06/22 07:54
はる ( NUCJh )

トイレで私はお母さんに「あの人何!?気持ち悪い」と言いました。

でも、お母さんは「機嫌とったらお金もらえるよ。我慢して。」そう言いました。

私は何度も帰りたいと訴えたのですが、聞いてもらえませんでした。

だんだん、お母さんの機嫌が悪くなってきたので、私は諦めて席に戻りました。
男は酒を飲みながら卑猥な事を言い続けました。

そして、帰る時、約束通り一万くれました。

家に帰ってからお母さんに二度と行きたくないと言ったのですが、私の意見は通りませんでした。

一万はいつもなら取り上げられるのに、私にくれました。

それから、頻繁に男に会いました。

男は会う度に小遣いをくれました。

だんだんと私の感覚は麻痺してきました。

二、三時間我慢したら小遣いが貰える。
お母さんの機嫌も良くなる。

私はお母さんに嫌われたくなかったのです。

私はお母さんが好きでした。

ある日、いつものように食事をしていたら、「生理痛にきくツボを押してやる。」と言ってきました。

それには、下着姿にならないといけないと言われました。

私は絶対嫌だったので、お母さんに助けを求めました。

No.146 09/06/22 08:13
はる ( NUCJh )

でも、お母さんは「今までお金いっぱいもらったやろ?恩返ししなさい。」そう言いました。

嫌だと言ったけど、全く聞いてもらえませんでした。

「下着姿になれる場所に行かんとな。」男は言いました。

ラブホテルに行くと言うのです。

そんな男を見てもお母さんは笑っていました。

「ツボを押すだけやからいいやない。美紀も生理痛が楽になるよ。」と言っていました。

ラブホテルは絶対に嫌だと言い張ったので、男は車ですると言ってきました。

男の車は大きく、後ろは見えないようになっています。

私は仕方なく車に乗りました。

男は私のスカートを取り、ツボを押すと言って触ってきました。

男の鼻息が荒くなっていって、男の股関を見ると勃起してました。

男は私の手を自分の股関に持っていきました。

私は嫌だと言ったのですが、「今まで、散々小遣いやったやろ!!」そう言われ、従うしかありませんでした。

その日は男に体を触られ、男の股関を触りました。

家に帰って、お母さんは「あんた、お金もらってエッチな事したんやから援交やな。バレたら少年院やな。」と言ってきました。

No.147 09/06/22 08:24
はる ( NUCJh )

少年院に入りたくなかったら、誰にも言わないようにと口止めされました。

その日から、男の要求はエスカレートしていきました。

最後までされた事はなかったのですが、フェラチオも強制されました。

ラブホテルに行く事もありました。

お母さんは二時間くらい近くで待っていました。

私は誰にも言えませんでした。

お姉ちゃん…

私は汚れていますか?

私を軽蔑しますか?

美紀 』

私は震えながら手紙を読んだ


悲しみによる震え…

怒りによる震え…

No.148 09/06/24 01:56
はる ( NUCJh )

私は泣いた…


手紙を握りしめ


肩を震わし


声を殺して


泣いた…


許さない


絶対に許さない


こんな事があっていいわけない…


母がどんな目的があって男の妹に対する仕打ちを黙認したのか


最初から妹が目的だったのかもしれない…


…………


「美紀、美紀は汚れてなんかない。美紀は全然悪くないやん!」


私は妹の元に行き


興奮しながら言った

「でも、私はお金貰った。私は卑怯な人間やもん…。」


「大丈夫。美紀…。美紀は卑怯やないし、汚れてもない。」

「お姉ちゃん…、本当にそう思う?」


「当たり前やん!」

それでも妹は


「私は汚い…。私は汚い…。私は汚い…。」


そう言いながら泣いていた…

No.149 09/06/24 02:08
はる ( NUCJh )

神様…


この世に神様はいるのですか…?


いるのなら何故妹をこんな目に合わせるのです…


唯一最後まで母を信じていた妹…


それなのに…


どんなに助けてほしかっただろう…


どんなに逃げたかっただろう…


どんなに怖かっただろう…


私は汚いと言い続ける妹を抱きしめ


号泣した…


……………


母と男を見つけ出して殺してやる…


本気で思った…


絶対に許さない…


絶対に…

No.150 09/06/26 00:32
はる ( NUCJh )

「美紀、私に何してほしい?復讐してほしい?美紀が望む事やったら何でもしてあげる。」


「………」


妹は首を振るばかりで何も言わない…


妹に、ここまでの事をしておいて


母と男が罪も償わず

生きているのが納得できなかった


妹が他人に知られるのが嫌なら…


私が二人に罪を償わしてやる……


…………


次の日の朝


「バイトに行ってくる」


そう言って私は家を出た


鞄の中には以前男に書かせた誓約書が入っていた


バイトは夕方から…

私は電車を乗り継ぎ記されてある住所へと向かった

No.151 09/06/26 00:47
はる ( NUCJh )

私は妹から男の情報をある程度聞いていた…


男は奥さんと二人暮らし


三年前から奥さんは腎臓を患い、男は現在一人で暮らしているらしい…


(病気の奥さんもいるのに…信じられない…)


母はあの男のどこに惹かれたのか…


電車の窓から景色を見ながら思った


…………


私達が住む田舎よりも数段上の田舎…


男の住む町に着いた

少しバスで移動して男の家に着いた


小高い丘の上に


何の手入れもされていない古い民家…


それが男の家だった…


(イメージとはだいぶ違う…)


お金をちらつかせていた男の住む家のイメージでは無かった…

No.152 09/06/27 22:58
はる ( NUCJh )

読んで下さっている皆様へ🙇


実は現在体調を崩し入院しております。

体調が回復ししだい再開させて頂きますので、宜しくお願いします🙇🙇

No.159 09/07/10 17:38
はる ( NUCJh )

レモンさん😃
子手鞠さん😃
Hmixさん😃
のすけさん😃
博多さん😃
アユママさん😃


レスありがとうございます🙇🙇


やっと退院してきました💦


ご心配おかけしました🙇💦


一括の返信をお許し下さい。。


今日から更新を再開させて頂きます🍀

ぜひ、最後までお付き合い下さい🙇


尚、感想スレもご用意しております。

そちらの方にも遊びにいらして下さいね😃


私と母と…感想スレです。


宜しくお願いします🙇🙇

No.160 09/07/10 18:34
はる ( NUCJh )

重い足取りで家の前まで行った


奥さんと二人の名前が書かれた郵便受け

確かに男はこの家で生活している…


私は少し戸惑いながらもチャイムを押した


…………


返事はない…


仕事柄ほとんど家に居ないらしいと妹が言っていた


正直、少しほっとした…


私は今日、男を殺すつもりで家を出た


しかし


電車に乗って冷静になるにつれ


怖くなった…


でも、何かしなくては…


そんな思いに駆られて家まで来たのだ


家を出る前までは


男を殺し


母を探し出して殺し

復讐をしなければ…

そんな事しか頭になかった


…………


私は男の家の前で、しばらく立ち尽くしていた…

No.161 09/07/10 18:52
はる ( NUCJh )

「〇〇さんのお知り合いの方?」


ふいに話しかけられて驚きながら声の主を見た


「ごめんなさいね、奥さんが入院されてるのに、ご主人と連絡とれなくて。奥さんが困ってるみたいやから。お知り合いかと思って。」


…………


「いえ、知り合いではないです。失礼します」


私はとっさに走って逃げた…


何故か、自分のしている事が無性に恐ろしくなったのだ


(鞄の中の包丁を見られたら…)


多分、近所の人であろう女の人が後ろで何か言っているのも無視して


ただ、走った…


もし、あの人が警察を呼んだら…?


この包丁を見られたら私は捕まるのではないか…


怖くて


怖くて、仕方なかった

No.162 09/07/10 19:52
はる ( NUCJh )

息を切らして電車乗り場まで行き


ソワソワしながら電車を待った


(何してるんだろう…私…)


私が殺人犯になったら美紀も瞬もきっと苦しむ


どうかしていた…


あんな人達の為に殺人犯になる事ないじゃないか…


やっと来た電車に乗り込みながら


そう思った


…………


気がつくとかなりの時間がたっていた


夕方からはバイトがある


バイトの時間には少し早いがバイトに行く事にした


バイトで嫌な事を忘れてしまいたかった…

No.163 09/07/14 23:17
はる ( NUCJh )

バイトを終え


急いで帰宅した


家では妹と弟がお腹をすかせて待っている


昼間の事は忘れよう…


人殺しなんて…


考えるのはやめよう…


…………


「ただいまぁ~」


「お帰り~。美咲ちゃん、今日美紀ちゃんがご飯作った!!でも、なんか凄い事になってる…」


弟が複雑そうな顔をして話してきた


どれどれ


台所を覗いてみる


「お姉ちゃん、サバの味噌煮とキノコのうどん作ってみた。これからは、お姉ちゃんがバイトの時は私が作るね!」


妹が満面の笑みで言ってきた


「凄いやん!」


私は期待して鍋の蓋を開けた


・・・


そこには、どうみても味噌汁にしか見えないサバの味噌煮と

キノコが胡麻のように細かく刻まれたうどん


隣にはニコニコ笑う妹


私は思わず弟と顔を見合わせ


大笑いした


「やっぱり~?(笑)」


妹と弟と私と三人


声を上げて笑った


その日の夕食はお世辞にも美味しいとは言えなかったが


妹の笑っている姿を見て少し安心した


「美紀ちゃん、もう作らんといてな」


弟の一言に爆笑して食事を終えた

No.164 09/07/14 23:31
はる ( NUCJh )

昼間の事なんて忘れて良い気分で片付けをしていた


「お姉ちゃん、今日男の家に行った?」

ふいに妹が話しかけてきた


「……。行った…」

「やっぱり。男に書かせた誓約書無くなってたし、朝からバイトって出たやろ?バイト先に電話したら夕方からやって…。私のせいやな…」

「違う、美紀のせいやない。私の気が収まらんかってん…。」


「お姉ちゃん、私の為に警察に捕まる事はせんといて…。あの事は、私は忘れるから…。」


「わかった。心配かけてごめんな…」


「指切りしよ」


絶対に人殺しはしない


妹の秘密は守る


そう言って


妹と指切りをした


「指切りげんまん嘘ついたら針千本の~ます!指切った!」

私と妹の約束だ

No.165 09/07/15 23:37
はる ( NUCJh )

「お姉ちゃん、心配かけてごめん」


妹は最後にそう言って台所から立ち去った


男と母が妹にした事は忘れる事はできない


でも、妹の為に普通にしていよう…


男の奥さんに話す事もできた…


が…、病人を苦しめる事はできなかった…


私は卑怯だろうか…

もっと妹の為にできる事があったのかもしれない


でも、私は秘密を守る事にした


妹がそう望むなら…

………


次の日の朝早く


弟の担任の先生から電話があった


そう…


翌日は登校日だ…


「前もって他の生徒には大事な話しがあるから登校するようにと、連絡してますから。一応、自由登校になるので、全員集まるか不安ですが…。瞬君も登校できそうだったら来て下さい。でも、無理はさせないで下さいね。」


「わかりました。弟に話しておきます。」


そう言って電話を切った

No.166 09/07/15 23:55
はる ( NUCJh )

ふぅ…


少しため息をつき


弟が寝ている二階まで行って


弟を起こした


「瞬、おはよう。」

「……おはよう…」

「瞬、明日登校日やろ?学校行ける?」

「……。絶対行かなダメ?」


「先生から電話があって、無理しなくていいって。」


「………。明日は行きたくない…。」


「そっか…。」


私は弟の頭を撫でながら言った


無理はしなくていい…


無理をして前みたいになったら…


「行きたくないんやったら無理しなくていい。でも、宿題と勉強はきちんとせんといかんよ。」


「わかった。」


布団から少しだけ顔を覗かして頷きながら言った


世間の母親はこんな時どんな対応をするのだろう…


私の判断は間違っているのだろうか…


でも、いい…


私達は私達のやり方でやろう


弟には甘える母親がいない…


その分、私が甘えさせてあげよう

No.167 09/07/16 00:07
はる ( NUCJh )

コチョコチョコチョ


「美咲ちゃん、やめて~」


くすぐりながら弟を起こした


「朝ご飯食べよ!美紀起こしてきて!」

「わかった~!」


まだ笑いながら弟は妹を起こしに行った

「美紀ちゃん、おはよう~。コチョコチョコチョ」

「キャハハハ‥。わかった起きる!」


隣の部屋から弟と妹の声が聞こる


私はクスクス笑いながら一階に降りて行った


弟がこの先不登校になっても


焦らず


長い目で見よう‥


心にそう誓った

No.168 09/07/17 19:41
はる ( NUCJh )

登校日


どうか今日の話し合いが上手くいきますように…


その日は一日中祈るような気持ちで過ごした


新学期から弟が学校に行けますように…

でも、現実は甘くはなかった…


『ガシャーン!!』

ガラスの割れる音に驚き


夕飯の準備をしていた私は慌てて玄関に向かった


………


玄関前に置いてあった鉢植えが全て倒され


壊されていた…


絶対にいじめっ子だ

とっさに私は靴も履かず


家を飛び出した


表の角を曲がったところで小学生の男の子が逃げて行くのが見えた


でも、顔までは確認できなかった


………


恐れていた最悪な事態が起きてしまったのかもしれない…


先生に弟が話したのがバレたのだろう


私はどいしたらいいのだろう…


私は去って行くいじめっ子を見ながら


呆然としていた…

No.169 09/07/17 19:50
はる ( NUCJh )

追いかける事をあきらめ


私は家に帰った


………


玄関の前で弟が壊れた鉢植えを片付けていた…


私は弟に声をかける事ができなかった…

二人共無言で鉢植えを片付けた


片付けを終えた弟は無言で二階に上がり

布団の中に潜り込んだ


私は何も言わず


ただ、弟を布団の上から撫でていた…

No.170 09/07/19 07:44
はる ( NUCJh )

こんな時


普通の母親はどんな言葉をかけ


我が子を慰めるのだろう…


あんな母親の元に産まれた自分…


そして弟と妹…


夜の中は不公平だらけだ…


目の前の布団に潜り込んでいる弟を見ていると


次第に涙が溢れていた…


可哀想に…


可哀想に…


気のきいた言葉をかけてあげれなくて、ごめん…


守ってあげれなくてごめん…


私は静かに


静かに…


泣いた………

No.174 09/09/20 20:56
はる ( NUCJh )

皆様へ


ご無沙汰しております。
全く更新できず、申し訳ありませんでした。

実は、7月末に仕事中に大怪我をし、ずっと入院してました。生きていられたのが不思議なくらいの事故でした…。


手が不自由だったのと
正直、メールをする事もできませんでした。なので、小説を書く事はとてもできませんでした。


本当に申し訳ありませんでした。


これから、本当にゆっくりですが、リハビリがてら更新していきます。


追伸ーレスを下さった皆様。一括のお詫びとさせて下さい。

本当に申し訳ありませんでした。

  • << 178 大変な事故だったのですね…体も心もゆっくり休めて下さい。 ずっと待ってます! 頑張って下さいね。応援してます!

No.179 09/09/21 08:02
はる ( NUCJh )

優さん😊
ゆうママさん😊
かなこさん😊
ななみさん😊


レスありがとうございます🙇


一括のお礼になってしまい申し訳ありません。

これから、頑張って更新していきます。かなり、ゆっくりですが、よろしくお願いします。

No.180 09/09/23 15:59
はる ( NUCJh )

それからの弟はすっかり変わってしまった



冗談が好きで毎日笑っていた弟はどこかに行ってしまった


毎日毎日、部屋に籠もり


用事がある時以外


部屋から出ようとはしなくなった


私は毎日毎日


弟の部屋の前に座り

何時間も話しをした

例え


弟からの返事がなくても…

No.182 09/12/13 14:00
はる ( NUCJh )

夏休みも残り僅か


登校日以来、弟はひたすら部屋に籠もる日々が続いている


毎日食事を部屋の前まで持って行き


ドアをノックする


コンコン‥


「瞬、今日は肉じゃが作ったんよ。瞬好きやったやろ?」


「……」


返事が返ってくる事はなくても


私は毎日毎日話しかけた



読者の皆様へ
長期間に渡り放置してしまいました事をお詫びします。

本当にすいません。色々と事情がありまして、後々この事情の事を書いていけたらと思います。

レスを下さった皆様
一括のお礼、お詫びをお許し下さい。

No.183 09/12/13 14:24
はる ( NUCJh )

私は弟の事が心配で仕方なかった


「そうだ!」


私はある事を思いついた


私達の町には8月の最後の日曜日に盛大なお祭りがある


母がいた時は小遣いもないし


いつも浴衣姿で出掛けて行く友達を羨ましく眺めているだけだった


でも、今年は母はいない


私のバイト代で弟と妹の小遣いくらいは出してあげれる


私は妹に相談する事にした


「ねぇ、今年のお祭り、三人で行けたらいいと思わん?」


私が提案すると妹は凄く嬉しそうに


「そうやね、瞬はお祭り毎年行きたいって言うてたもんね!部屋から出てくるんやない!?……、でも、お祭りっていじめっ子も来るんやない?瞬、嫌がるかも…」


「……、そっかぁ、そうやね、せっかく名案やと思ったんやけどな…。」


「お姉ちゃん!私達だけでお祭りしようよ!この家で!瞬の部屋からは花火が見えるやろ?夜店も作ればいいやん!」


私は妹の素晴らしい提案に心が躍った


「よっし!やろう!」


私達はその日からお祭り当日にむけて準備を始めた

No.184 09/12/13 14:42
はる ( NUCJh )

いよいよお祭り当日

廊下にはお祭りらしく提灯を飾り


精一杯の飾り付けをした


私の友達と妹の友達も準備を手伝ってくれ


「これ、お母さんが持って行きって。」

友達の手には二つの浴衣とじんべがあった


「いいの?ありがとう」


「ええよ、美咲ちゃんは一番の親友やし、美咲ちゃんの妹と弟は私にも妹と弟やから」


「本当にありがとう!」


その浴衣は素人でも着られるように帯も最初から結んであって、私達でも簡単に着られた


「よし、最後の仕上げやね!」


私と妹、そして友達は浴衣の上にエプロンをして、最後の準備を始めた


台所で焼きそば、イカ焼き、たこ焼き、ウインナー、を作り庭に出したテーブルに並べた


クーラーボックスにジュースを入れて


かき氷をセット


後は弟が部屋から出てくれれば…

No.185 09/12/13 14:57
はる ( NUCJh )

「よし!呼びに行こう!」


私達は全員で弟の部屋の前まで行き


それぞれ呼びかけた

まずは私から


「瞬、今日はねお祭りなんよ。お姉ちゃん達頑張ってこの家でお祭りできるようにしたんよ。出て来てくれん?」


「………」


返事はなし


次に妹


「瞬、美味しそうな匂いすれやろ?イカ焼きに瞬の好きな焼きそばもあるで」


「………」


またまた返事はない

次に私の友達、愛ちゃん


愛ちゃんは小さい頃から私達三人を良く知っている


弟も懐いていた


「瞬君、愛やけど分かる?久しぶりに瞬君とお話ししたいなぁ」


そこに面識はないが妹の友達が加わる


「瞬君、かき氷もあるでぇ」


「………」


それでも返事は無かった


「もう少し待とうか…」


私が他の三人に言うと


「そうやね」


私達四人は弟の部屋の前に座り


弟が出てくるのを待った

No.186 09/12/13 20:35
はる ( NUCJh )

一時間がたち


二時間が過ぎようとしていた頃


部屋の中から小さな声を聞こえた


「美咲ちゃんだけ入って」


約、二週間ぶりに聞く弟の声…


思わず目頭が熱くなった


「わかった」


私は部屋のドアをゆっくり引いた


中を見ると、弟は部屋の隅っこで膝をかかえて小さくなり、震えていた


部屋の中に入ってきた私と弟の目が合った


弟は私の顔を見ると

大きな目に涙を溜めて


「ごめんなさい…、ごめんなさい…」


何回も謝ってきた

No.187 09/12/14 15:16
はる ( NUCJh )

そんな弟を抱きしめ

ただ


「大丈夫。大丈夫…」


そう言い聞かし落ち着くのを待った


「皆、待ってるから行こうか?」


私が言うと


「僕な、二週間お風呂入ってないから…。」


あぁ、そうか…


部屋に籠もってからというもの、弟がお風呂に入った形跡は全く無かった


トイレは私達がいない時にしていたのかもしれないが…


「お風呂入る?」


私の問いに弟は小さく頷いた


そして、弟を連れて部屋を出て


弟をお風呂に入れた

さっぱりした弟は何事も無かったかのように、私達に普通に話しかけてきた


あまりの変わりように私達の方が戸惑いを隠せなかった


それから、手作りのお祭りを精一杯楽しんだ


私はその日見た花火を一生忘れない…

No.188 09/12/14 15:32
はる ( NUCJh )

次の日


朝、弟は何事も無かったかのように普通に起きてきた


あの二週間は何だったのか…


私は弟の心の傷が完全に癒えたのだと勘違いしていた


翌日


夏休みも終わり二学期が始まる


私も妹も、もちろん弟も今日から学校だ

…………


弟が起きてこない…

いくら呼んでも


いくら呼んでも…


お祭りの日に弟は元に戻ったのではないの…?


私は多少の予感はしていたが、大丈夫だろうと…


きっと、学校に行ける…


そう思っていた…


まだ、だめか…


私はひどく落ち込んだ


仕方ない…


私は小学校に電話を入れると慌てて弟の昼食の準備をした


「お姉ちゃん達行ってくるから。今日はバイトあるし、美紀は部活って言うてたから一人でご飯食べてな。用意してるから。それと、帰ったら話ししような。」

そう言って家を出た

No.189 09/12/23 20:33
はる ( NUCJh )

ある程度の覚悟はしていた…


大丈夫…


大丈夫……


私は自分に言い聞かせていた


夜、弟に伝える事は心に決めていた


無理しなくていい…

ゆっくりでいい…


いつか、いつの日か

元気な弟に戻り、学校に行けるようになるはずだ


甘やかしているだけ…


そう、言われるかもしれない…


でも、いい…


私が弟を信じなかったら誰が信じてあげるのだろう…


その夜、弟と約束をした


・学校が授業中の時は勉強をする事


・家事を手伝う事


・後、一番大切な約束。泣かない事…

No.190 09/12/23 20:46
はる ( NUCJh )

私は次の日から弟に学校に行くように言わなくなった


それから小学校を卒業するまでの二年弱、弟は学校に行かなかった


先生も何回も家に来たし、学校に通うよう説得もあった


甘い…


そんな事も言われた…


その度に私は


「いいんです…、私は待つって決めたんです。甘えててもいいんです。私は無理に学校に通わして、弟の心が壊れるのが怖いんです…」


そう言った


父も妹も私の気持ちをわかってくれた


この頃、父は母が残していった借金の為ほとんど休みなく働いていた


実質、家には私達兄弟三人だけのようなものだった


私がしっかりしないと…


いつも、そんな事を考えていた

No.191 09/12/23 21:03
はる ( NUCJh )

弟は結局、卒業式にも出席しなかった…

弟が小学校を卒業する頃、私は高校を卒業し、社会人として働きだしていた


職場は高校の時にバイトでお世話になっていた店にそのまま正社員として就職をした


何より、私は接客という仕事が凄く好きだったし、自分を必要とし、


「美咲ちゃんには卒業しても店で働いてほしい」


そう言ってくれた社長夫婦、従業員の皆

その気持ちがとても嬉しく思え、就職を決めた


……………


弟が小学校を卒業して数日たったある日

不思議な男の子が私達の前に現れた


名前は健吾君


健吾君はこの春、他県から引っ越しをしてきた弟と同じ年の子だった


私達が知り合ったきっかけは


健吾君は毎日、お兄さんと朝晩新聞配達をしていた


本当に人見知りをしない子で、不思議と私達の間に入ってきた


本当に偉い子で中学生になったら自分も新聞配達をするんだ、その為に今はお兄さんの手伝いをしている、そう言っていた


健吾君の家庭はお母さんしかいなかった

お母さんの助けになれば…


そう思い、新聞配達をするのだと話していた

No.192 09/12/28 17:53
はる ( NUCJh )

健吾君は毎日新聞配達の間に私達と話しをするようになった

私がいない時には弟と遊んで帰って行く

今は春休みだし、健吾君は弟が学校に行ってなかった事も知らない


「中学校同じクラスやったらえいなぁ」

そんな事を弟に言っていた


「うん、そうやね」

何のためらいもなく返事をする弟を見て驚いた


4月から学校行くの??


私は嬉しくて嬉しくて仕方なかった


それと同時に不安もあった


また直前になって行かないって言うかも…


そんな事を思っていた


そしていよいよ4月

今日は弟の中学校の入学式だ


必要な物は全てそろえた


後は弟か…


今日は父が仕事を休めないので私が保護者として一緒に学校に行くようにしている


「瞬、行ける?」


弟に聞いてみた


無理だったらやめよう…


「行ってみる。健吾と約束したから」


そう言うと新しい学生服を来て部屋から出てきた

No.193 09/12/28 20:13
はる ( NUCJh )

目頭があつくなる


目を潤ませて弟の晴れ姿を見ていた


「行こうか」


そう言うと二人で中学校に向かった


中学校までの道のりを二人で歩く


桜並木が本当に綺麗だった


中学校に着くと広い校庭には新入生が溢れていた


どうやらクラス表を見て自分のクラスを探し教室に向かうらしい


「健吾と同じがいいなぁ」


そう言いながら自分の名前を探す弟に遠くの方で手を振る人が見える


「瞬、お姉ちゃん、瞬は俺と同じクラス!!」


嬉しそうに言う健吾君に


「やったぁ!!」


そう言って弟も凄く喜んでいる


二人でニコニコ笑い本当に微笑ましかった


その時初めて健吾君のお母さんともお話しをした


本当に暖かい人で安心した

  • << 198 身体、大丈夫ですか? 感動しました。久しぶりに泣けました。 更新 心待ちにしてます😊
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