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闇の中の天使

No.69 13/02/19 20:43
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫68


矢島さんは、私を見た。私は首を傾けて‘さあ?’というジェスチャーを示した。
「もう用はない。帰ったら、真由加お嬢様にこれ以上の手出しは無用だと伝えろ」と、言うと、矢島さんはやっと男の手を離した。
よろけながらも、男は一目散に逃げて行った。
矢島さんは「由香里さん、真由加って人をご存知ないんですか?」私を見て聞いた。
「ええ。クラスの友達ってまだ七人しか名前を知らないし…、それにみんな名字で呼び合うから、下の名前を知っているのは一人だけなんです。それより、矢島さん、‘ファンミングァン’って、何ですか?」
「ああ…」矢島さんは笑って、「有名な台湾マフィアの名前です。ですが、電話をするふりをしただけです。私は台湾マフィアとの繋がりなどありませんから」と言った。
「それよりも、由香里さん、お怪我はありませんでしたか?」「私は大丈夫です。佐伯さんは大丈夫ですか?」「突き飛ばされた時に、左の手首を捻ったみたいです。大したことはありませんが」「ダメですよ、ちゃんと病院に行ってください!」「分かりました。ありがとうございます」
「矢島さん、佐伯さんを病院に送り迎えしてください」「由香里さん、私はタクシーで行けますから…」「いいえ。私を守ってくださって怪我をされたのですから、矢島さん、お願いしますね」「かしこまりました」

「と、いうわけで佐伯さんは矢島さんの運転で病院に行きましたから、朝食は私が作ります」
「まあ、楽しみだわ」
「あまり、期待なさらないでくださいね」と言うと、おば様は笑った。

少し焦げ目の付いたフレンチトーストと、サラダ、無糖ヨーグルトにキウイなどのフルーツを入れたものと、オレンジジュースをテーブルに運んだ。
フォークとナイフを使って、小さく切ったフレンチトーストをおば様が口に運ぶのをじっと見た。
「あら、おいしいわ」と、言ってくれた。
「ああ、良かった」
「ゆかりちゃんは、何でも上手ですね。子供のころからちっとも変わりませんね」
「そんなことないです。子供のころ、自分から両親にお願いして始めたピアノもすぐにやめてしまいました。私は中途半端なんです」
「いいえ。あなたはきっと目的さえ持てば、最後までやり遂げる子だとわたしは思いますよ」
「そうでしょうか…。あ、おば様、矢島さんって毎朝ジョギングに付いて来ていたんですか?」
「ええ、そうでしょうね。矢島さんにはゆかりちゃんの警護もお任せしていますから」
「そうだったんですか」
今朝、あの男達に襲われそうになった時に、すぐに矢島さんが駆け付けた理由が分かった。
「おば様、園田さんってご存知ですか?」
「わたしが存じている園田さんは、園田研究所の所長さんだけです。その研究所が開発した最新医療機器が大変注目されて、話題になりました。その後すぐに研究所を大きくされた時に、パーティーに招待されたことがありました。あなたと同じくらいのお嬢さんがいらっしゃいましたよ」

「園田…佳奈美さん?」


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