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闇の中の天使

No.67 13/02/19 20:39
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫66


おば様は、私の部屋に入り、テーブルの上の切り刻まれた教科書と、涙目の佐伯さんを見て、全てを察した様子で私の前に座った。矢島さんから、私がずぶ濡れで校舎から出てきたことも聞いているのだろう。
佐伯さんは「失礼いたします」と言って、席をはずした。

「どうしますか?転校しますか?」と訊ねた。
「いいえ」
と、私は答えた。「私は、逃げません」と、はっきりと言って、佐伯さんの話を思い出し「自殺もしません」と付け加えた。
「何か、考えがあるのですか?」
「私は、あの学校で起こっていることを明らかにします」
「あの高校の生徒の家庭はそれなりに由緒あり、いろいろな繋がりを持っています。圧力に潰されることになるかも知れませんよ」とおば様が言った。
「そのような圧力に曽根崎は屈するのですか?」
「うふふふっ…」おば様が笑った。「すっかり、ゆかりちゃんは曽根崎の者ですね。分かりました。では、あなたがこれからしようとすることをわたしは黙ってみています」
そう言って、おば様は部屋を出た。

「奥様!それでは由香里さんに危険が…」
リビングのソファーに座っているおば様の横に立ち、佐伯さんがそう訴えた。
「佐伯さん、あなたのお気持ちもわかります。ですが、ゆかりちゃんは強い子です。それに何が起きてもわたくし達で、この子を守ってみせましょう」
「奥様…」
おば様は次に私を見ると「ゆかりちゃん、一つだけ約束してください。この問題が解決したら、その時には転校すること」
「どうしてですか?」
「それは、自ずと分かってくることです。さあ、佐伯さん、そろそろお腹が空いたわ」

「はい、奥様」佐伯さんは返事をすると、私の手を一度ぎゅっと握るとゆっくり離してキッチンへと入っていった。

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