出会い系中毒
明るくて
いつも笑顔
悩みがなさそうなのが
オモテの顔。
寂しくて
いつも心の拠り所を
探していたのが
ウラの顔。
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「…ぶっちゃけ
スゲー興味あるんだけどね」
由之は
何か吹っ切れたように
いきなり明るい口調になった
「れいなのこと
スゲー好きだし…」
うつむきながら聞く私
「れいなはしたことあるなら
教えてほしいっつーか…」
言葉からは
緊張が伝わってきたが
私を好きと言うより
やりたい!経験したい!
それが先に伝わってきた
正直、複雑…
減るもんじゃないし的な
諦めに似た気持ち
由之とは
どこかピュアな付き合いで
いたかった的な
少し寂しいような気持ち
こんなマイナスな思考で
由之とのセックスに
踏み切るか悩んでいる自分に
ガッカリもした
いつか習った
保健体育の授業で
セックスについて
先生が話したときのことを
ふと思い出した
「色々興味がわく時期だけど
相手のことが本当に大切なら
我慢したり、
踏み切れずもがくのが
本物なんじゃないかな」
先生の言葉が頭の中で響く
大切…か…
由之にとって私は
そういう存在じゃないんだ
大切にしたいとか
我慢しようとか
それよりもとにかくやりたいんだ
ピュアな関係なんて
期待しちゃってばかみたい
やっちゃえばいいんだ
そうすれば
気が済むんだろう
長い沈黙…
私の言葉を待つ由之を
まっすぐ見つめた
「いいよ、しよ…」
私は由之に
軽くキスをした
由之は私の肩に手を回した
私が舌を絡めたら
由之もぎこちなく絡めてきた
肩に置いて固まっていた手が
少しずつ胸元に降りてきた
「やわらけぇ…」
由之が吐息混じりに言う
しばらく服の上から
触れていたが
ためらいながら
服を捲りあげてきた
何だか危なっかしいセックスになりそうだった
ノリさんのような
荒々しさもない
梅島さんのような
ドキドキ感もない
でも
由之は興奮しているようだった
ブラのホックを外しにかかったが
なかなかうまくいかない
私が手を添えて外し
ブラがパサッと床に落ちた
その瞬間に
由之が耐えきれない様子で
胸に強く吸い付いた
「…いっ、痛いよ」
「ごめん!
止まんなくて…
どうやるのが気持ちいいの?」
気持ちいいやり方を
口に出すのか!?
恥ずかしい
恥ずかしすぎる
そう思っていたら
陰部がじわっと
濡れてくるのを感じた
やだ…
私って
こういうことに感じるんだ
「…ここを…
優しく舐めて…」
「…こう?」
「そう…
それでここを
舐めたり吸ったりして…」
「…うん…」
口に出すと
余計に感じる
由之が私の顔を伺う目線に
また更に感じる
「…んっ…
それで…優しく…噛んで」
「…ん…」
「…あっ!いぃ…」
気持ちいい
ぎこちなく
テクニックなどないけど
私が口にしたやり方を
忠実に成し遂げる由之
触れなくても
十分すぎるくらいに
濡れているのがわかった
「れいな…
どうするのが
気持ちいいの?」
由之はきっと
何も知らない訳じゃないのだろう
あれだけ興味津々だったのだから
本なりDVDなりから
ある程度の知識は得ていたはず
なら
こんなに色々聞いてくるのは
私の反応を楽しんでるの?
「…ここを…こうして…」
「…ここって?」
やっぱり…
私が悶えてるのわかってるみたい…
恥ずかしい言葉を
口にしようとするだけで
膣の奥が疼く気がした
「…ク○を…
指の先でいじって…」
「…こう?」
触られている様が
直接目に入ってくる
それがまた
興奮を増させる
>> 206
部屋じゅうに
いやらしい音が響く
「…あっ…
もう…舐めて…お願い」
「…わかった…」
由之は恐る恐る
舌を近づけてきた
触れるか触れないか
舌の近づくもどかしさ
それにまた感じる
私って焦らされ好きだったんだ
「…こう?」
優しく舌を上下しながら
私の顔を覗き込んでいる由之
私は開脚して座りながら
上から由之を眺めた
「…もっと…激しくして…」
由之は
指示どおりに激しく舌を動かす
初めてと思えないくらい
手慣れているように思える
「あぁ…
それで…吸って…」
また指示どおりに
チューッと吸い上げた
既にイキそうになっていた私は
吸い上げられた快感に
背中を反らせ
声にならない声で、イッた
早くいれてほしい…
でも由之は
まだフ○ラを続けてほしそうな顔をしていた
というか
既にもうイキそうだった
一度イカせてあげよう
そう思って
激しく吸い上げた
由之は声にならない声をあげて
私の口の中に射精した
2人で
そのまま後ろのベッドに
倒れ込んだ
由之は何もしゃべらない
私も何も言わずに
天井を見つめていた
何分くらい
そのままでいただろう
なんだか
睡魔が襲ってきた
気がついたら
2人して眠っていた
起きてから
また少しイチャイチャして
今度は挿入した
でも
由之は
あまり盛り上がっていない様子だった
それが少し気になったけど
何故か聞けずに
由之がイクのを待って
私たちの初セックスは終わった
帰り道
由之はバス停まで送ってくれた
2人でバスが来るのを待っていた
由之はさっきのセックスから
急に口数が少なくなった
「どうしたの?
元気ないね…」
私は遠くを見ながら聞いた
「…そう?」
由之は放心状態という感じだった
「想像してたのと違った?」
私は少し笑ってそう聞いた
「…うーん
フ○ラが気持ちよすぎて
ヤバかった…
それが最高すぎて
入れたときの良さがわからんかった」
由之は
少し申し訳なさそうに言った
これが元気なかった理由?
私って緩いのかなぁ…
少しだけショックだった
過ぎ行く車を見つめていた私の目に
こちらに向かうバスが映った
「…じゃあ、またね」
私は
フ○ラのほうが感じたという由之に
何も言えなかった
由之も
それ以上はセックスについて語らず
「またメールするね」と
少し笑って言った
バスに乗り込み
一番後ろの座席から
由之を見た
由之は
もう家の方向に歩きだしていて
私には気付かなかった
私は彼氏と
好きな人と
セックスをしたはずなのに
どうしてこんな気持ちになるのだろう
それは
言い様のない寂しさだった
バスに揺られながら
気付くとメールを打っていた
今、私のこの虚しさを
埋めてくれるような相手は
1人しか浮かばなかった
それはノリさん
情けないけど
援交相手に頼るしかない
1人で虚しく過ごしたくない
ノリさんに
今から会えないかと
メールした
少し経ってから
電話がかかってきた
「どうしたの?
今日は彼氏と会うんじゃ…」
「…会ってきたよ
でもノリさんに会いたい」
「…そっか…
全然ひまだし行けるけど
悪いけど今日は
持ち合わせがないんだ…」
「そんなのいいから!
早く会いたい…」
「…わかった
今日のぶんは
また後日払うよ
とりあえず向かう」
自分は
なぜこんなに
セックスに執着してしまうのだろう
嫌なことは
すべてセックスで誤魔化す
高校生にして
そんなやり方が
当たり前になっていた
待ち合わせた場所に
ノリさんの車が現れた
ノリさんは
片道1時間半かかる距離を
飛ばしてきてくれた
「どーしたの!?急に…
俺は嬉しいけどさぁ…」
ホテルに向かう車の中、
今日の出来事を詳しく話した
「ごめんね
気づいたらノリさんに連絡してた…
あたしなんて
何の取り柄もなくて
Hぐらいしか
拠り所がないのに
それも否定されたら終わりだなぁって…」
ノリさんは黙って聞いていた
その横顔は
少し険しいようにも見えた
ノリさん…怒ってる?
車がホテルの駐車場に入る
停め終わっても
ノリさんは降りようとする気配がない
「ノリさん…?
降りないの?」
ノリさんは
タバコに火をつけて
窓の外を眺めた
「れいなちゃん…
今日は帰ろうか…」
その声は
とても弱々しかった
「なんで?
何か怒らせちゃった?」
ノリさんの顔を覗くが
遠くを見つめたまま
しばらく
車内に沈黙が続いた
やっぱり帰ろう
そう切り出そうとしたとき
ノリさんが口を開いた
「…今まで
れいなちゃんから
彼氏の話聞いても
若いなぁとか
うまく行けばいーなとしか
思わなかった
つまり
れいなちゃんの客として
応援出来てるつもりだったんだけど…
今日
さっき、まさに
彼氏とやってきましたって話聞いたら
スゲーむかついてきて…
なんつーか
嫉妬なのかな
れいなちゃんが
俺のもんみたいな感覚っていうか
ごめん…
こんなん迷惑だよね」
>> 214
私はうつむいたまま
黙って話を聞いていた
正直気持ちは複雑だった
誰かにヤキモチを妬かれることは
決して嫌なことじゃない
ノリさんは申し訳ないと言ったが
別に謝ることもないと思った
でも
待ちわびてた言葉でもなかった
つまり
私はノリさんと
これ以上の関係を
期待してなかったって事だ
ノリさんとは
Hの相性抜群だし
話も合うし
一緒にいて心地いい
けど
梅島さんみたいに
心がキューッと苦しくなったり
愛しく思うことがない
女の子のほうが
体を重ねると
感情移入しやすいのかもしれないと
思い続けてきたけど
私は違うみたいだ
HはH
恋は恋
そんな自分が
なんだかとても冷たい人間に思えた
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