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母親( eoesnb )
13/05/21 14:05(更新日時)

貴方ならどうしますか?
我が子が何か得体のしれないウイルスに感染し
我が子が感染源となり
我が子の意志とは裏腹に我が子に触れた人が感染し
死に至るとしたら

我が子を監禁しますか?

まわりに殺せと非難されたら殺せますか?

我が子と共に逃げますか?

貴方なら


どうしますか?

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No.1567596 11/04/05 01:31(スレ作成日時)

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No.151 11/08/05 20:21
ランラン ( ♀ XFnSh )

更新楽しみにしてます❤


どうなるのか気になります

  • << 154 レスありがとうございます お返事遅くなり申し訳ありません これからがんばって行きたいとおもいます ありがとうございました

No.152 11/08/11 16:23
読み手 ( ♂ NaqMh )

もう5週間も続きを待っていますが、主さんどうされましたか?

体を壊されたりしていませんか?

みんな続きを読みたいと望んでいると思います。

もし体調不良なら続きを書くのは延期せざる得ないので仕方ないのですが、その旨をお伝え頂ければ…と思います。

横レス失礼しました。

No.153 11/08/20 02:02
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

>> 152 更新がかなり滞ってしまい申し訳ありません

私事ですが母親が入院したりとバタバタしていて
こちらにくる時間がとれずにいました

更新を待っていて下さっていた皆様
には申し訳ない気持ちで一杯です

これからまた休み休みになってしまうことも
あるかもしれませんが
できうる限り頑張って更新させていきたいと
思っていますので宜しくお願いします

No.154 11/08/20 02:04
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

>> 151 更新楽しみにしてます❤ どうなるのか気になります レスありがとうございます
お返事遅くなり申し訳ありません

これからがんばって行きたいとおもいます

ありがとうございました

No.155 11/08/20 02:33
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

うわ言のようにごめんなさいと呟きながら
少しずつ指先に力を込める

巧の首に私の指が少しずつ食い込んでゆく

巧は苦しそうに体をよじりながらうっすらと
目を開けた

そしてかすれるような声で私を呼んだ

「ま…ま…」


「ごめん…ごめんね…」

謝りながら尚も指先に力を込めようとしたときだった

No.156 11/08/20 02:48
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「僕…悪い…こだから…?」

一瞬手の力がゆるむ

「悪いこだった…から…まま…泣いてるんだよね…

ごめんね…まま…いいこになるから…そしたら…
おうち…帰れるから…泣かないで…まま…」

No.157 11/08/20 03:05
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「巧…」

「僕…知ってるよ…僕がいるから…
パパ死んじゃったんでしょ…?」

「!!」

「えりなちゃんも…由美ちゃんも…隼人くんも…」

「巧!どうして?どうして知って…」

「ままがいないとき…上から知らないおじさんが話しかけてきて
教えてくれた…」

「嘘…」

「僕が…悪いこだからそうなったって…」

No.158 11/08/21 01:30
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「ごめんね…まま…悪いこでごめんね…」

「巧…」

「僕…悪いこだけど…嫌いに…ならないで…いいこになるから…」

「たくみ…」

思わず巧を抱きしめる

「ここにいたら…いいこになれるって…おじさんが言ってたから…
僕頑張るから…」

「大丈夫!巧はいいこだよ!悪いこなんかじゃないよ!」

「でも…」

「嫌いになんかならないよ!!ままは巧の事絶対嫌いになんか
ならないよ!」

「ほんと…?」

「大好きだから!ママは巧の事一番大好きだから!」

「良かった…」

巧は安心したように私の胸に顔をうずめた


No.159 11/08/22 00:25
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

巧を抱き締めながら私は必死に涙をこらえた

出来ない…!

やっぱり出来ない…!

この子を殺す事なんて…出来ないよ!

「落ち着かれましたか?」

突然の声にわたしは声のした方に視線を向けた

そこにはマスクをした男が立っていた

「誰…?」

私の問いに男は答える気がないようだ

男は無言で近づいてくる

「なんなの…!」

いいようのない恐怖を
感じ私は巧を抱き締めたま思わずあとさずる

No.160 11/08/23 02:00
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「来ないで!」

私の叫びも空しく男はゆっくりと近づいてくる

私は巧を抱き抱え立ち上がろうとした

が立ち上がれない

「なん…で…?」

足に…力が…はいら…ない…

脚の感覚が…おかしい…

何で?何で?何で!

あせる私のすぐ目の前にもう男がいた

男はたちあがれないでいる私を見下ろすとゆっくりと

私と目線を合わせる為かしゃがみこんだ

そしてゆっくりと口をひらいた

No.161 11/09/05 14:37
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「あなたは…今…何をしようとしていたんですか?」

「…なに!」

「巧くんを…自分の息子を…殺そうと…?」

「あ…あなたに…関係…」

「ありますよ?」

「…!」

No.162 11/09/26 15:04
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「今…巧くんを殺されると…困るんですよ?」

男の言葉に私は耳を疑う

「なに言って…」

「まあ無理もないですがね…自分の我が子が殺人犯なんて…
手をかけたくなる気持ちもわかりますがね…」

男は独り言のように呟く

「あなたは…」

私の言葉には興味がないように男は立ち上がり
巧を見てニヤリと笑った

その笑顔はなんとも言えず私の背筋に悪寒が走った

No.163 11/10/01 09:46
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「巧くんは大事な研究材料なんですよ?勝手に殺されたら困るんですよ」

男の笑いが混じった言葉に私は体が震えだした

『大事な…モルモットなんだから』

そう言われた気がした

「感染を広めない…ウイルスの解明のために…
ここにいるって…」

No.164 11/10/02 03:04
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

私のやっとの思いで絞り出した言葉に
男は小さくさもおかしそうに笑う

「そう…ですよ?ウイルス解明のために…感染を広げない
為ですよ?ただ…」

「?」

「巧くんは治りませんがね」

「!?」

「というか…万が一治療法が見つかったとしても巧くんは
今のままの保菌者でいて貰うでしょうけどね」

「なっ!」

「当たり前じゃないですか!」

No.166 11/10/05 00:59
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「わかりませんかね?巧くんは唯一の感染源なんですよ?
巧くんは…貴重なサンプルなんですよ?」

サン…プル?

「巧くんは…」

「サンプルって!なんなの!巧は…巧は!人間なのよ?!
そんな…もの扱い…しないで!」

「もの扱いなんてしてませんよ?」

私の叫び声に男は両手をあげおどけたように薄ら笑いを浮かべる

「私はただ…あなたに勝手な行動をしてもらいたくなくて
分かりやすく説明しているだけですから
あなたはまだわかっていないようなので…ね」

「何をわかっていないって…」

No.167 11/11/12 01:09
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「あなたは…本当に偶然で…自分の子ともが感染源になったと
思っているんですか?」

男がニヤリと笑う

「は…?」

「これは…ごく一部の人間しか知らないことなんですが…
巧君は選ばれたんですよ…ウィルスに…」

えら…ばれた…?ウィルス…に?

No.168 12/06/26 01:09
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「今…世界でどれぐらいの子供が治療不可能と言われる難病と戦ってると思いますか?」

「…?」

いきなり…なんの話…?

「想像つかないでしょう?」

「何を……」

「その数えきれない子供を救うために…何が必要だと思いますか?」

「なにって…」

「金ですよ!金!」

「…!」

「いいですか!病気を研究するにも!
治療薬を作るにも!金がかかるんです!莫大な金が!」

「お…お金?…巧と…なんの関係も…」

「巧君は…お金になるんですよ」

「!」

「殺人ツールとしてね…」

「!」

殺人…ツール…?

「巧くんは…素晴らし
い!」

No.169 12/06/26 01:25
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「見事にウイルスを自分の物にした!」

「ちょっと…!待ってよ…!殺人ツールって…金になるって!選ばれたって!なんなの!なんなの!何が…わかんない!意味がわかんないよ!」

なに…!
なんなの…!

撰ばれた…?
金に…なる…?
殺人…ツール…?
ウイルスを…自分の…物に…?


No.170 12/06/27 01:27
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「もう少し…分かりやすく言うとですね…」

男は私の耳元迄顔を近付け
囁いた

「今の巧くんは私達によって作られたんですよ」

「…?…!?」

「巧くんの身体にいるウイルスは
私達が作り出したものなんですよ」

「!」

「ん~違うなあ…偶然発見したウィルスを強化させたって言うのが正しいかなあ?」

え…
あ…

男のいっている事が理解できない

私達が…作った?

今の…巧を…?

は?

何を…

No.171 12/09/14 10:11
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「あなたの息子は…ある意味…選ばれたんですよ!」

男の声がたからかにひびいた

「いつの時代も…犠牲から新たな進歩や発見がある!巧くんは我々人類の進歩に貢献出来るんですよ!どんな形であれ…名誉な事なんです!」

犠牲…?
進歩…?

めいよ…?

「な…」

言い返そうとしたとき
私は意識を失った

No.172 12/09/14 10:28
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

小林 正人 (43歳)

俺はいきなり目の前で倒れた鈴木仁美に駆け寄った

「話しすぎだよ…センセ」

みみにつけていた無線機から
声が聞こえる

「何を…したんだ…!」

俺は鈴木仁美を抱えあげた

「何も…?センセが…余計なこと言いそうだったから…ね」

「何も…いってないだろう?!お前らに言われた通り…」

「あれ?もしかして…心配してる?そのおんなのこと?」

「…」

「さっきあれだけその女虐めてたくせに?」

No.173 12/09/14 17:54
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「そう言えと言ったのはお前らだろう!」

「そうだっけ?」

「っつ!」

「まあいいや」

「その女と子供別々に監視しといて
また子供殺されそうになったら困るでしょ?センセイが」

あざ笑うかのような声

「あれ?返事は?」

「…」

「別に俺らはいいんだよ?その子供が死んでも…だけどねえ?」

微かに笑いのこもった声で無線機から声が流れる

「センセのカワイイカワイイ茉奈ちゃんがねえ?」

No.174 12/09/14 18:26
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「…はい…」

「そうだよねえ?センセイは茉奈ちゃんの為にこの親子がどうしても必要だもんねえ?」

「…」

「俺らはどっちでもいいんだけどねえ?茉奈ちゃんでもそのえっと…巧?だっけ?巧君でもどっちでも…ねえ?でもセンセイが嫌だもんねえ?」

「…」

「わかってる?」

突然の突き放したような厳しい声に
背筋が寒くなる

ちょうど五年前の光景が頭をよぎる

「わかってる…わかっている!」

自分に言い聞かせるように大声で
叫んだ

「わかってるならいいんだよ?
じゃあよろしくねえ!」

無線機から声がとぎれ俺は
鈴木仁美を見下ろした

「すまない…なんて言葉じゃすまないが…」

それ以上は言葉にできない

俺は…自分の為に…茉奈のために…

もうよそう…

俺は…決めたんだ

茉奈の為に…茉奈を守るために…

鬼になろうと…

No.175 12/09/15 00:37
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

~五年前~
小林正人 (38歳)

「遂に…やった!やったぞ!」

俺の叫び声にその場にいた研究員たちが
一斉に俺のそばに詰め寄り
顕微鏡を我先にとのぞきこむ

「おめでとうございます!」

「おめでとうございます!」

「やりましたね!」

沸き上がる拍手

皆歓喜の声をあげる

当たり前だ

この研究には十年の長い年月を
費やしてきたのだから

やっと…

ようやっと…
実を結んだ…

俺達の…
イや俺の…研究が!

俺は一生忘れないだろう…

この日を…

Itsウイルスが生まれた日を…!

No.176 12/09/15 02:14
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )


俺は舞い上がりそうな気持ちを押さえ
研究室のドアをあけ長い廊下を
小走りにぎみに歩く

研究室の廊下の両脇には
いくつものドアがありその一番奥の
扉をいきおいよく開ける

「パパ!」

「茉奈!いい子にしてるかい?」

俺にいつも屈託のない笑顔を見せてくれる茉奈

俺の大事なカワイイ茉奈

「ねえ!茉奈もう退院できる?」

「ん~?どうかなあ?」

俺は茉奈を膝にのせた

「早く退院しないと!明後日茉奈の誕生日ナンだよ!」

「そうだなあ~何歳になるんだっけ?」

「五歳!」

「正解~!」

No.177 12/09/15 02:25
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「パパ嬉しそうだね♪茉奈が五歳になるの嬉しい?」

「それも嬉しいけど…パパのお仕事がねうまくいったんだ」

「?」

「パパのお仕事はなあんだ?」

「んっとね…お医者さん!」

「惜しい!パパはね…難しい病気の子供を直す新しい薬を作るお仕事をしているんだよ
その新しいお薬がもうすぐ出来上がりそうなんだ
そのお薬ができたら…い~ぱいの病気の子供を治すことができるんだよ」

「ふ~ん
じゃあ茉奈の病気もそのお薬で治すの?」

No.178 12/09/16 02:43
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「ははっ茉奈の病気は難しい病気じゃないだろう?」

「そうなの?」

「そうだよ茉奈の病気は食中毒っていってね悪いバイ菌がついている食べ物を食べちゃったからお腹痛くなったりしたんだよ
でももうお腹痛くないだろう?」

「うん」

「ならもう大丈夫!明後日の茉奈の誕生日迄にはおうちにかえれる!」

「ほんと?」

「ほんとっ!プレゼントはなにがいい?」

「んっとね!茉奈はね…」

茉奈のウキウキした笑顔

幸せな時間

No.179 12/09/16 03:08
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「茉奈ちゃん」

病室のドアを開け看護師が入ってくる

「あ~パパ来てくれてたんだね♪」

「うん!あのね!茉奈ね明後日迄には退院できるって!それでね!おうちでね!お誕生日やるんだ!プレゼントもあるんだよ!」

「よかったね!茉奈ちゃん」

看護師は茉奈のベッドの脇にたち
点滴を見つめる

「じゃあ…そろそろパパお仕事に戻るかな」

俺は茉奈を膝からおろし茉奈のあたまをなでる

「パパいってらっしゃい!」

看護師に軽く会釈をし
俺は病室を出て研究室に戻る

明日何もなければ明日退院できるだろう

明日 明後日は仕事休もう

など考えながら…

No.180 12/09/16 03:33
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )


茉奈の母親は
茉奈が一歳の誕生日を迎える前に
死んでしまった

死因は
ビルからの飛び降り自殺

自殺の原因は育児ノイローゼだった

遺書には
ごめんなさいと一言だけ

葬儀の最中
何も判らずに自分の母親を必死に探し
母親を泣きながら呼ぶ茉奈を
俺は抱き締めながら
茉奈に謝るしかなかった

不甲斐ない俺のせいで
茉奈の母親を奪ってしまった

「茉奈…ごめんな…
でも茉奈のことは…パパ…何があっても…パパが守るから…ごめんな…」

No.181 12/09/16 03:52
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

研究室に戻った俺を待ち構えていたかのように俺のデスクの内線電話がけたましく鳴り出した

「小林です」

「あ…萩野だけど」

「ああ萩野か
どうした?」

萩野は医学部時代の同期で今は同じ大学病院で小児科医として勤務していて今回茉奈の食中毒を治療してくれていた

「話があるんだが…お前今これないか?」

「なんだよ…茉奈の退院のことか?」

「ああ…」

「あ~今日中にレポートまとめたいんだよなあ…明日と明後日休みとるから…
ほら明後日茉奈誕生日だろ?だからなあ…今電話じゃあダメか?」

「今すぐ話があるんだ」

萩野の有無を言わさぬ口調に俺は嫌な予感がした

「なんか問題…か?」

「こっちに来てくれ…」

「わかった
すぐいく」

俺は研究室を飛び出した

No.182 12/09/18 00:10
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

萩野の診察室の勢いよく開けると
萩野が難しい顔をして
俺を手招きした

「なんだ…?」

俺は恐る恐る萩野に近づき声をかける

「これなんだが…」

萩野が一枚の紙を手渡す

「これは…」

「入院したとき…血液検査しただろ?
それの結果なんだが…」

「どういうことだ?…白血球が異常な数値だ…なんでなんだ…?」

「いや…わからん…」

萩野が首を左右にふる

「食中毒の影響か…?」

「いや…そんな症例は聞いたことがない…」

No.183 12/09/18 01:10
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「じゃあ…なんでこんな数値が?」

「わからん…こんな数値なら茉奈ちゃんの身体になんら変化があってもいいもんなんだが…」

「このほかに異常は見つからないのか?」

「ああ…全て正常だ…白血病も疑ってみたが…違う…」

「ならなぜ…」




「」

No.184 12/10/24 01:53
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

その時だった

萩野の机の電話がけたましくなりだした

「はい」

電話を取った萩野の顔色がみるみる変わっていく

「すぐ行く!」

「おい どうした?」

「いいからお前も来い!」

俺は急ぐ荻野の背中をおう

「どうしたって言うんだよ?!」

「茉奈ちゃんが急変した!」

「!!」

「いいから来い!」

俺と萩野は茉奈の病室に急いだ

No.185 12/10/24 02:33
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「茉奈!!」

勢いよく開けたドアの先に見えた茉奈は

小さなカラダを激しく痙攣させていた

「茉奈!」

俺は茉奈に駆け寄る

「どうしたんだ!?」

「わかりません…!急に…!」

萩野の問いに看護師は悲鳴に近い声で答える

茉奈の痙攣は徐々に激しくなる

「茉奈!」

茉奈は大きく跳ね上がりそのまま動かなくなった

「まな…?」

「AEDだ!あとモニターもだ!」

萩野が茉奈の小さな体を懸命に押し始める

「まな…?」

「邪魔だ!」

萩野に突き飛ばされ俺は床に座り込み
茉奈をぼんやり眺めた

動かない茉奈

「まな…?」

「下がって!」

大きな音がして茉奈の体が一度大きく動く

「くそっ!ダメか!!電圧上げて!」

「まな…?」

もう一度大きな音がして茉奈は一瞬だけ大きく跳ね上がる

「まな…まな…」

なんでだ…?

どうしてなんだ?

なんでこうなったんだ?





No.186 12/10/24 03:11
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「ダメか!もう一度!茉奈ちゃん!戻ってこい!」

大きく動く茉奈

そうだ…戻ってくるんだ…!

行くな…ママのところには行かないでくれ…

俺と…パパと…

約束しただろう…?

明後日の…五歳の誕生日やるって…

約束しただろう?

「まな…まな…」

「戻ってこい!」

ピー…

心電図モニターの無情とも言える音

「ダメだ…!茉奈!行ったら…ダメだ!」

「くそ!もう一度…」

「まな…!行くな!行かないでくれ!やめてくれ!」

嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!!

いきなりなんでだ!

嫌だ!いやだ!いやだ!いやだ!

「まな…茉奈ー!!」























No.187 12/10/27 05:54
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「落ち着いたか?」

萩野の声に俺は我にかえった

「茉奈は…?」

「ああ…大丈夫だ…今は…な」

ああ…そうだ…

茉奈は蘇生したんだ…

よかった…

本当に…

よかった…

茉奈がこの世からいなくなってしまうかもというあの感覚…

あの言葉に出来ない怖さ…

この怖さは同じ体験をした人でないと
わからないだろう

「だが…疑問だらけだ…」

「…」

「今回の茉奈ちゃんの件…もしかしたら…」

「もしかしたら…?」

「今まで症例のないケースかもしれない…」

No.188 12/10/27 06:03
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「…」

「もしそうだとしたら…」

「…」

「これはとんでもない発見かもしれないぞ!」

「萩野…」

「詳しく調べてみてからだが…」

「萩野…」

「俺に任せてくれるよな?」

「萩野!」

「な…なんだよ」

「それは…茉奈を…」

No.189 12/10/27 06:14
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「研究対象にしたい…と言うことか?」

「誤解するなよ…お前だって茉奈ちゃんになにが起こってるか知りたいだろ?」

「もし…茉奈が特殊なケースだとして…そしたらどうする?」

「なあ…とにかく原因を調べないといけないだろ?それを調べるって言ってるだけだよ」

「…」

「もし特殊なケースだとしたら研究対象にはなるだろうな
当たり前だろう」

「それはダメだ」

「なんでだ?」

「茉奈をモルモットにさせる気はない」

「…」

「俺が調べて対処する」

「お前がそんなこと言えるのか?」

No.190 12/11/14 09:53
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

萩野は鼻で笑う

「お前の今の仕事は…どうなんだよ?」

「…」

「お前と同じことしようとしてるだけだぞ?お前だって何人もサンプル扱いしてきただろ?」

「…」

「お前はよくて俺はダメっておかしいだろ?」

「俺は…結果を出した…」

「結果出せばいいのかよ?」

「俺は…保護者から許可を取ってる…わかってくれよ!萩野!俺は…」

「お前いい加減にしろよ」

「萩野…」

「お前の研究しているItsウィルス…誰の犠牲もなしに完成したわけじゃないだろ?サンプル扱いする患者の保護者にお前は今まで何て言ってた?」

「…」

No.191 12/11/14 10:10
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

深いためいきをついて萩野は俺をなだめるかのように私の肩に手をおく

「なあ…冷静になってよく考えろよ」

「…」

「何もバラバラに解体するって訳じゃない
お前じゃ専門外だろ?
俺は小児専門だ
お前じゃわからないこともたくさんある」

俺は萩野の顔をマジマジと見つめた

萩野は笑顔を浮かべていた

萩野は俺に真意を悟られまいと必死で隠しているいるようだが俺は知っている…

この笑顔の意味を…

俺もよくこの笑顔を浮かべてサンプル達と話していた

『大丈夫…心配いらない…任せてくれ…


その言葉を発しながら…

No.192 13/01/10 02:56
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「なあ…小林…」

「…」

「今のまま…原因もわからずじゃ…困るだろ?」

「…」

「お前も…研究者なら…わかるだろ?」

「…」

萩野の言葉に俺は力なくうなずくしかなかった

No.193 13/01/10 03:16
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

研究者と名前につく人間は研究対象を人間なんて思ってはいない

自分の研究の成果をあげる道具としかおもっていない

それは当然だと思っていた

相手を人間だと思ってしまえば
どうしても躊躇してしまう部分が出てくる

それではキチンとしたデータが取れず
研究そのものがダメになる

それではダメなのだ

結果を出さなければ…

それをやる意味がなくなる…

それどころか
助けてやるんだ
その為に頑張ってやっているんだ
道具扱いされても文句ないだろう…

そう思っていた…

今までは…

だが立場が代わってみると
ただの言い訳にしか聞こえない

No.194 13/01/17 05:37
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

毎日のように繰り返される検査

正体のわからない症状に悩まされながら
怯える日々

自由に動くことさえ許されない茉奈

そんな日々が一ヶ月も過ぎた頃
萩野の口から信じがたい言葉が告げられた

「落ち着いて…聞いてくれ…」

萩野は言いにくそうに言葉を濁す

「なんだよ…はっきり答えてくれよ!」

「…信じられないが…」

「なんだよ…!」

「茉奈ちゃんの細胞が…」

「細胞が…?」

「何かに侵食されている…」

「!」

「侵食といか…溶けてるんだ…」

「溶けて…いる…?」

「侵食されている部分が…溶けているんだよ!」

No.195 13/01/17 06:01
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「溶けて…いる…?」

「そうだ…しかも…急速にそれが進んできている…」

「進行を止めることはっ?」

「原因を突き止めないことには…」

「原因って…なんだよ…」

「わからない…」

「わからないってなんだよ!」

俺は萩野につかみかかった

「もう少し時間をくれよ…そうしたら…」

「もう少しってあとどれくらいだ!?
茉奈は…細胞が…溶けてきてるんだろ?
間に合うのか?!」

「…」

「医者じゃなくてもわかるよな!?
細胞が溶けてるのをとめないと最終的にどうなるか…わかるよな!?」

「…」

「それまでに間に合うのか?!」

「落ち着けよ」

「落ち着け?落ち着けるか!」

俺は萩野を突き飛ばす

No.196 13/05/20 03:15
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「俺も最大限の努力はする!お前も冷静になれ!」

萩野の怒号に俺はうなだれる

「どうして…こんなことに…」

うなだれている俺の肩に萩野がてをおく

k

No.197 13/05/20 03:27
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「なあ…
俺は茉奈ちゃんのナニかは新種のウイルスか何かだとおもうんだ」

「…」

「これは過程の話だが…」

「…」

「もし茉奈ちゃんがなんらかのウイルスにしらずに感染していたとして…そのウィルスがまだ発見されていないウィルスだとしたら…」

「…」

「説明がつかないか?」

No.198 13/05/20 03:42
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

「ウィルスの突然変異によって…考えられる…だろ?」

「そんな.…まさか…」

「そのまさか…なんだよ!!」

「…」

「まだ俺の過程の段階の話だが…」


No.199 13/05/20 13:05
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

萩野のうかれたような様子

それはそうろう

おれも萩野の立場なら喜んでいるはず

世界初のウイルス発見となれば…

俺もそうだった

Itsウィルスの元にな抗体を見つけた時は.…


「Itsウィルス.…」

その瞬間なにかが俺の頭をかけめぐった

「.…」

まてよ.…

落ち着け.…




No.200 13/05/21 13:40
母親 ( 30代 ♀ A9nHnb )

Itsウィルスは…

癌対策用に俺が研究し産み出したウイルスだ

異常増殖をする細胞の増殖をとめることができる

このウイルスの特徴は

学習能力がたかいことだ

通常ウイルスは変異と増殖を繰り返し
常に変異をしているが

Itsウィルスは変異のスピードがとてつもなく早い









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