ろくでなし
はじめに
この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、出来事などとは一切関係ありません。
ろくでなしの男の話。
皆様からの中傷、暴言、罵声、全て甘んじてお受けいたします。
過去の女性達へ罪を償う意味で。
かなり、ゆっくりのペースで行きますが、ご愛読くださいますようお願い申し上げます。
新しいレスの受付は終了しました
No.135
幸助が佳奈との結婚に向けて付き合いを進める一方、恭子との関係を上手く位置づけようと模索している頃、いよいよ携帯電話が一般人の手の届く範囲に値がこなれてきた。
佳奈から携帯電話を持つよう促されていたのだが、自由奔放を大切に考える幸助は「首輪をつけられた犬」のように管理されるのが嫌で頑なに拒んでいた。
しかし、恭子との連絡のことを考える時、その必要性が身に沁みて分かってきたのだ。
~俺が急に携帯電話を買ったら、佳奈の奴が不信に思うかも知れねーな…~
そんな時、「IDO」が「cdMA1」をリリースし、「織田裕二」が看板となった。
幸助はこの機を逃さず、即座に「cdMA1」を購入した。
佳奈に隠しとくわけにもいかないので、携帯電話を購入したことを告げると、案の定、「急にどうしたの?」と言われた。
それに対して幸助は「cdMA1」の電波の強さや、織田裕二のキャラクターに惹かれたことを言い、自分には相変わらず携帯電話は必要ないように見せかけた。
恭子とは、あの会議室の情事から何回か逢い、カラダの関係だけの付き合いが続いていた。
恭子の会社が円満に仕事を落札したので、その方面もうまく行った。
No.136
それから3年が過ぎ、幸助は26歳になっていた。
恭子とカラダだけの関係が続く一方で、佳奈との結婚が秒読みとなってきた。
その頃から幸助は地元の仲間達と付き合うようになってきた。
皆、気心が知れた中学生の頃の同級生なのだが、幸助の性質上、やはり悪友ばかりだった。
大概、7、8人で集まることが多かった仲間達は大体彼女持ちなのだが、26歳の彼らの話す内容は「風俗店」についてが多かった。
風俗店は、女性との付き合いに不自由がなかった幸助にとってはある意味、一番遠い存在だったが、悪友達に誘われて初めて利用することになる。
幸助の実家は繁華街から少し外れた所にあるので、「デリヘル」が主体となってくる。
殿方には説明する必要のないことだが、単身でホテルで待つこと2、30分で見知らぬ女性が戸を叩く。
会計を済ませてからエッチをするわけなのだが、幸助の興味は「女性を待つ時間」にあった。
逢ったこともない女性を待つトキメキを覚えてしまったのだ。
元来、女好きの幸助にとって金銭のやり取りだけで即、女が抱けるのも有り難かった。
それから暫くの間、幸助は「デリヘル」にドップリハマることになる。
No.137
「何事もやるからには徹底的にやる」というのが身上というか癖なので、次に興味を惹かれる物が見つかるまで頻繁に利用した。
結婚を間に挟むことになるが、3年間で50人程の女性と事に及ぶ。
そう、幸助は「飲む、打つ、買う」と3拍子全てを楽しむ最低の男に成り下がったのだ。
とうとう、佳奈との結婚の準備が始まった。
式場の予約も済み、新婚旅行の手配も終わった。
あとは当日を待つばかりなのだが、「ホントにこれでいいのだろうか?」という迷いが幸助の脳裏に常駐するようになる。
その思いはやがてマリッジブルーのように幸助にのし掛かってきた。
佳奈と結婚すれば、金の心配はなくなるのだが…。
佳奈の家柄がプレッシャーとなっているのだろうか。
金の苦労は絶対にしたくない幸助にとって後戻りする道はなかったので、結婚式前後は複数の女のカラダで迷いを払拭していた。
結婚式当日までに気持ちの整理がつくのか判らなかったが、その区間は有り得ない程のペースで見知らぬ女の肌に溺れていた。
幸助が「デリヘル」を利用しているのを佳奈は咎めることもなく、黙認した。
やがて、その年の幸助の誕生日が過ぎ、結婚式当日が訪れた。
No.138
幸助を悩ませていたマリッジブルーにも似た憂鬱は抜けるような青空のように消え去っていた。
開き直りかも知れないが、幸助にかつての自信が戻っていた。
披露宴会場を見渡すと見知らぬ顔が多く、招待客の比率は佳奈方が7割近くを占めていた。
二人が教会式にと話し合っていたものを佳奈の父親の希望で神前式に替えられてしまった。
本来はプライドが高く、そういう形を好まない幸助だったが、今日ばかりは我慢しなくてはならないと自分に言い聞かせた。
今日さえ過ぎ去ってしまえば、全ては幸助の思惑通りに事が運ぶはずなのだ。
佳奈のウエディングドレス姿に微笑みかけている時も、幸助の奥歯は歯ぎしりしていた程だ。
~今日さえ過ぎれば…~
幸助の計算通りならば、既に幸助の言いなりの佳奈は勿論、娘に甘い父親さえも幸助の有利になるように仕向ける自信もあるのだ。
披露宴は女性司会者の仕切り通りに約3時間のペースで進んでいた。
~このまま滞りなく終わってしまえば…~
幸助は祈るような気持ちで高砂から招待客を見渡していた。
入口付近に目を向けた瞬間、幸助は凍りついた。
ドア前に立っているのは、紛れもなく恭子だった。
No.139
恭子はキチンと黒系でドレスアップしていた為、不信に思う招待客はいないようだ。
食事タイムに入っていたのが幸いし、ビールなどを注ぎに出歩いている人達も多く、恭子は完全に披露宴会場の風景に溶け込んでいた。
それにしても幸助が笑っていられる状況ではなかったのは確かだが…。
恭子は入口付近から移動せず、ジッと高砂を眺めていた。
狼狽の表情を出すまいと必死に隠そうと笑顔を作るのだが、引きつったものになってしまう。
胸の辺りを嫌な汗が流れ落ち、膝に置いた両の手はワナワナ震えていた。
幸助は恭子の姿を視界の隅に捉えていたが、友人達が高砂へビールを注ぎに来たのを境に見失ってしまった。
友人達の酌を受け、再度、恭子の姿を見つけた幸助は目の球が飛び出てしまう程の驚きに襲われ、手元のグラスのビールをこぼしてしまった。
すかさずホテルマンが処理しに来たので、衣装は汚さずに済んだ。
幸助は額に浮かぶ汗を感じながら、恭子の動きに注目した。
確かに佳奈の両親にビールを注いでいるのだ。
~な、何してんだ!?あのアマは!~
「さっきから変よ!」
佳奈が小声で言った。
「何でもないよ。」
幸助は目を閉じた。
No.140
目を閉じているからだろうか、披露宴会場のざわめきが目眩のように頭の中で揺らめいていた。
「ホントにどうしちゃったのよ!?」
佳奈の声で幸助は目を開いた。
「別に。」
幸助はすぐには恭子の姿を確認せずに天井の巨大なシャンデリアを眺めた。
「ここで新郎新婦、お色直しの為、中座をさせていただきます。」
司会者の声を合図に二人は席を立った。
ビデオ撮影用のスポットライトが向けられ、うまく周囲の様子が把握できないが、佳奈の両親の席付近に恭子の姿はないようだった。
新郎新婦は出入り口隣の大きな屏風の前で招待客に一礼する。
~いやがった!~
幸助は幸せ一杯の新郎の笑顔を作りながら恭子の姿を見つけ出し、再び愕然とした。
今度は幸助の両親に酌をしているのだ。
恭子は幸助の視線に気づいたかのように幸助に向かってウインクし、再び幸助の両親に何か話しかけた。
幸助の上半身は気持ち悪い冷や汗で濡れ、額には脂汗が滲んでいた。
幸助は退場した後も恭子の意図が解らず、気になって仕方なかった。
~バラすつもりか?…それにしては酌なんかしてるし…ったく!~
幸助は苛つきの中、心底、恭子の影に怯えていた。
No.141
新郎新婦と言えど当然のように控え室は別である。
女性スタッフと美容師など数人がいて「髪がお綺麗ですね!」などの声で華々しい新婦の控え室に比べ、新郎の控え室は置かれてる衣装にただ黙々と着替えるだけだ。
幸助が袴を手にした時だけ介添え人が手伝ってくれたが。
先に着替え終えた幸助は控え室を出て、近くの小ロビーで煙草に火をつけた。
~ったく…あのバカアマのお陰で…~
幸助は煙草をくわえたまま、ソファに寄りかかって色々と思考を巡らせていた。
煙草の先から温かみのある光を放つシャンデリアへと白い煙が立ち上っている。
「わっ!」
幸助の目の前に恭子の顔が飛び込んできた。
ビックリした幸助は上向きだった煙草の灰を鼻の下に受けた。
「あっちーっ!!」
幸助は飛び上がり、顔の灰を叩いた。
「あれ~?何かビックリさせちゃった?」
恭子はニヤニヤ笑いながら高い声を出した。
「ど、どういうつもりだ?」
幸助は普段の余裕が感じられない。
「何か、らしくなく慌ててない?」
恭子は首を傾げながら言った。
「バカたれ。あの状況見りゃ誰だって慌てんだろ。」
幸助は恭子から目を逸らしながら、小さな声で言った。
No.142
「お前さ、普通ああいうことしねーだろ…」
幸助は灰皿にタバコを押し潰し、すぐ新しいタバコを取り出した。
「やっぱ見てたんだ?」
恭子は意地悪そうに笑った。
「頭に虫でもわいてんじゃねーの?」
幸助はニコリともせずに言った。
「あはははは!」
恭子は大笑いした。
「け」
幸助は半分も吸い残したタバコを揉み消して立ち上がり、少し離れた所にある赤い絨毯を敷いた階段をスタスタ下りて行ってしまった。
「どこ行くのよ?!」
恭子も当然のように幸助の後を追った。
一つ下のフロアも宴会場になっているが、何の催しもないせいか人の気配がなかった。
幸助は階段の近くの死角になっている場所で立ち止まった。
すぐ後ろにいる恭子の肩を乱暴に掴むと柱に押し付けた。
幸助は恭子の目前に顔を近づけると、「どういうつもりだ?」と再び訊いた。
「痛い!」
恭子はそう言いながらも、色気づいた表情になった。
「どういうつもりか知らねーけど、俺を怒らせたくなかったらそれくらいにしとけよ…」
幸助は全く笑っていなかった。
「もう帰るわよ。ちょっと覗いてみたかっただけ。」
恭子は幸助の唇に自分の唇を重ねた。
No.143
「あのね、私1205に泊まってるからさ。」
恭子はそう言い残し、姿を消した。
~世の中、浮気がバレる時ってのは案外こんなもんなのかも知れねーな…~
幸助は会場のフロアへ戻る為、階段を上りながら考えていた。
~ま、仮に浮気がバレたとしても、佳奈はガタガタ文句言う奴じゃねーけどな…~
幸助の顔にようやく赤みが戻ってきた。
「そろそろ時間になります。」
ホテルのスタッフが幸助に伝えた。
有名女優がデザインしたスカイブルーの衣装を身につけた佳奈とキャンドルサービスへ向かった。
ライトオフの会場だったが、補助的なライトでうっすら周囲が見える程度の明るさになっている。
撮影用のスポットライトがやたら眩しく感じた。
この後、披露宴は滞りなく行われ、無事終了した。
全てが済んだ後、幸助は1205室を訪ねた。
新婦は着替えるのも時間がかかるので、新郎は何かと時間ができるのだ。
恭子はドアを開けて、嬉しそうに幸助を中へ通すとすかさず抱きついた。
「あんまり時間ないけど…」
幸助はそう言いながら、恭子をベッドに押し倒し、激しく抱いた。
初夜に他の女も抱けることが幸助を異常に興奮させた。
No.144
結婚式を無事に終え、ハワイへの新婚旅行から帰国し、いよいよ佳奈との生活が始まった。
佳奈の両親や祖父母とは別宅なので、幸助にとっては有り難かった。
幸助たちの食事時間と佳奈の家族との食事時間が合わないことから、食事も別になっている。
実のところ、味にウルサい幸助に佳奈の母親の味付けがシックリ来ないのだ。
佳奈も幸助に、より美味い物を食べて貰おうと色々料理研究をしたり、幸助の母親に教わりに通ったりしていた。
幸助は佳奈の頑張りに感心しながらも、女遊びは留まるところを知らなかった。
何せ、結婚したとはいえ、婿入りした幸助は稼いだ金をびた一文家庭には入れなくても良いことになっていた。
幸助の友人達でも、既婚者は小遣い制になっている者が殆どで、女遊びにも四苦八苦していた。
生活費は佳奈の父親から佳奈へ援助されているようだが、幸助は詳細は知らなかった。
つまり、幸助は結婚した後も独身の頃と何ら変わらない生活が許されていたので、佳奈が長男を出産するまでは、好きな時にスロットに興じ、好きな時に女遊びを楽しんでいた。
そんな天国のような幸助の生活を友人達は羨み、佳奈をできた妻だと賞賛した。
No.145
そんなある日、佳奈が幸助に言った。
「あのさ……」
「何だよ?…」
幸助は寝起きのせいもあり、不機嫌そうな声を出し、タバコに火をつけた。
「用あんなら早く言えよな。」
幸助はカー雑誌をペラペラ捲りながら催促した。
「うん…あのね、赤ちゃんできたみたい…」
佳奈は小さな声で申し訳なさそうに呟いた。
「あっそ。で?病院は行ったの?」
「まだ…。…最初だけ一緒に行ってくれない?」
「何で俺が…。忙しいからお前一人で行って来いよ。」
幸助はより不機嫌そうな声で言った。
「ごめん。そうする。…」
佳奈は下を向いてしまった。
その晩、幸助は近くの公園の小さな展望台の上でボーっと考え事をしていた。
繁華街から離れてるせいで、無数の星がくっきり輝いていた。
冷たい風が幸助の頬を剃刀のようにかすめて行く。
~追いかけて追いかけて色んなものを手に入れて、途端に色褪せての繰り返しだ…~
口にくわえたままのタバコの灰は下へしなると風に飛ばされて行く。
~俺は何がしたいんだろ?~
~大学の頃とか楽しかったよな…~
幸助は自分の人生が結婚というものを境に解らなくなってしまった。
No.146
~俺はまだ何も満足できてねーんだろ?…~
~俺の深層心理で、結婚したからって佳奈に気を遣ってんじゃねーのか?…~
~満足できねーなら、もっと遊ぶしかねーだろ…~
結局、遊び足りないという風に結論づけて展望台を後にしようとした時、どこからともなく女のかん高い声が聞こえてきた。
階段の下り口から見晴らしの良い場所に戻って下を見ると、カップルがバカ騒ぎしていた。
人がいないせいもあるが、かと思えば抱き合ってはキスしている。
幸助が階段を下りて行き、近くを通っても変わらず騒いだり、抱き合ったりしていた。
~はー……馬鹿そうな女連れてると思えば、男も頭悪そうな顔してるな…~
この日を境に幸助は帰宅時間が極端に遅くなった。
とにかく、用があるなしに関わらず、深夜まで帰らないのだ。
仕事が終わった時の気分にもよるが、「酒、スロット、女遊び」が激しくなったのだ。
閉店時間までパチンコ店にいることもあれば、浴びる程の酒で悪酔いして帰宅することもあった。
あの展望台で、幸助は徹底的に遊んでみることに決めたのだ。
その頃の幸助には、その程度の次元でしか物事が考えられなかった。
No.147
その日も業務を終え、会社を出た幸助は近くの牛丼店で早夕飯をとりながら考えていた。
~今日はどうすっかな…~
考え始めて、すぐに下半身に毒が溜まっていることに気づいた。
~恭子とも最近ヤってねーけどなぁ…~
実のところ、恭子にも飽きがきていた。
~不倫なんかするもんじゃねーな…。トキメキなんか最初だけだからな…。~
~近くのホテルでデリヘルでも呼ぶかな。~
幸助は車からデリヘル店に電話をかけた。
「もしもし…」
丁寧な感じの話し方の男性が出た。
「これからすぐ呼びたいんですけど」
「どんな娘がお好みですか?」
「ん~…おっぱい大きい娘がいいね。」
「それならいい娘がいますよ。」
「何歳?太ってないでしょうね?」
「大丈夫ですよ。スリムな娘で21歳です。」
「何カップですか?」
「Fカップです。」
「じゃ、呼ぼうかな。じゃ、県道沿いのホテル逢い引きね。」
「お部屋が決まりましたらご連絡ください。すぐ向かいますので。」
幸助は単身、「ホテル逢い引き」の110号室に入り、部屋ナンバーを連絡した。
ベッドに仰向けに寝た。
この待ち時間がたまらなく興奮させる。
No.148
~どんな女が来っかな…~
ベッドから起き上がるとソファーのところへ行き、タバコに火をつけた。
いつもながら、この待ち時間はトキメキにも似た感情が味わえるが、同時にソワソワ落ち着かない時間でもあった。
幸助はタバコをもみ消すと洗面所へ行き、備え付けの歯ブラシで歯磨きを済ませた。
約20分ほど経っただろうか、ドアを叩く音が聞こえた。
扉を開くとやや背の高いスラッとした女性が立っていた。
~すげーいい女じゃねーか!~
「大丈夫でしょうか?チェンジもできますけど…」
女性はにこやかな表情だった。
「お願いするよ。」
幸助は部屋に招き入れた。
「何かカッコいいですね。」
「はは!ありがと。君も可愛いよ。」
「ありがとうございます。それで、あの…」
「ああ、時間ね。ロングの100分で。」
女性はユイと名乗り、店に時間の連絡をすると幸助をシャワーに誘った。
脱衣所へ行くとユイは既に下着姿だった。
幸助はあまりにも素晴らしいユイのカラダを見て絶句した。
「すげー!いいカラダしてんな!」
幸助はいきなりユイの背後から豊満な乳を鷲掴みにした。
幸助のイチモツは完全に上向きだった。
No.149
~さすがに21歳ってだけあんな…~
幸助の両の手の平に伝わってくる弾力がユイのはちきれんばかりの若さを物語っていた。
更にシャワーを浴びた時のカラダを滑る水滴は凄まじい水弾きを見せつけている。
一通り洗い終わったところで二人は風呂場を後にし、ベッドに飛び込んだ。
幸助は話す間もなくユイに襲いかかり、その若いカラダにむしゃぶりついた。
~すげー乳だ!たまんねえ!~
幸助はユイの巨乳に顔を埋めると、狂ったように吸ったり舐めたりを繰り返した。
「んぁ…」
ユイの小さめの口から吐息と共に妖艶な声がもれた。
幸助もユイの蜜壺の燃えるような熱さに比例して、硬さを増していた。
「どうでした?」
息を乱したまま、ユイが訊いた。
「良かったね…」
幸助も汗まみれの身体のままだった。
幸助はフラフラとソファーの所まで行き、タバコに火をつけた。
出す物出してしまうと男はキリスト並みに美しく澄んだ心の持ち主になる。
「ありがとうございました。」
ユイが駐車場の隅で言った。
「お疲れさん。」
幸助は明るく返し、帰るにはまだ早いと考えていた。
No.150
幸助は車を自宅近くの市営野球場の駐車場へ入れた。
野球の予定はないようで、駐車場にはカップルらしい車が所々にいるだけだった。
街灯の寂しげな明かりが余計にその場を閑散とさせていた。
幸助は野球場のバックネット裏のスタンドへの階段を上って行った。
駐車場の灯火にさえ背を向けてるその場所は文字通り闇だった。
幸助はそこで頭を冷やしながら、闇に抱き締められる錯覚に陥っていた。
~はー……~
最近、遊べば遊ぶ程楽しくないのだ。
虚しささえ感じることさえある。
~何やってんだろうな、俺は…~
幸助はタバコに火をつけた。
闇の中にポツンと橙色の光が浮いているようだ。
~俺、どうしたいんだろ…~
自分に嫌気が差してきた幸助は、このまま自分の体が闇に同化して吸収されてしまえばいいとさえ考えていた。
~遊んでも虚しいってのは何なんだろ…~
今度という今度は、自分で自分の現状を把握できなくなってしまったようだ。
~情けない…~
幸助は目頭が熱くなるのを感じるとタバコを踏み消し、星空に顔を向けた。
長男の誕生を間近に控えたこの冬の夜、幸助は完全に自分を見失ってしまった。
No.151
佳奈の腹は日に日にに硬さを増して、いつ産気づいてもおかしくない。
そんなある日のことだった。
全く唐突に幸助は異変を感じた。
自宅で、ただ立っていた幸助は自分がよろめくのが分かった。
その場に膝までついてしまった幸助は、周囲の風景が歪むような錯覚に捕らわれた。
次に冷や汗と吐き気が襲ってきた。
~な…何だ、これは?…~
真っ直ぐなはずの柱が斜めに曲がって見えるようだ。
「どうしたの?!」
佳奈が身重の身体で幸助に歩み寄って来た。
「何でもない。」
幸助は立ち上がった。
~これが目眩ってやつか?…~
~俺の身体はどうなってんだろ?…~
~出産も近いけど、ちょっと病院にでも行ってみっかな…~
男である幸助には正直、自分の子供が生まれてくるなんて自覚は毛頭無かったが、自分にも少しだけ責任があるような気もあったのかも知れない。
それに自分の身体がどんな状態にあるのか、不安に思ったのだ。
この時まで幸助は、自分の身体に不安を感じたことなど無かった。
~今まで好きやってきた罰なのか…~
翌朝、幸助は仕事を休み、佳奈には内緒で総合病院を訪れた。
No.152
市民病院とは違い、総合病院は朝から駐車場も満車に近く、患者数も半端ではなかった。
~世の中、病気や怪我に苦しんでる人がこんなにいるのか…~
駐車場の片隅でポツンと立ち、幸助は考えていた。
~大病院に見せる為にエキストラを雇ってる訳ないしな…~
信じられないような患者数を目の当たりにして、そして今、自分も患者側になっているのである。
それだけの患者数を一日中保った上に、それが一週間、いや、ずっと続くのである。
幸助は初めて訪れる総合病院の総合受付の入口で、一体どこの科にかかったら良いのかと思案していた。
少し入った所に「初診受付」とあり、キャップに青い3本線が入った看護婦が立っていた。
様子を見ていると、次々来る初診患者の簡単な症状を聞き、どこの科へ…と案内している。
幸助もまず、その看護婦に症状を話しに行った。
「どういう症状ですか?」
看護婦は業務的に言った。
「目眩がして、その後冷や汗と吐き気がありました。」
幸助も簡単に説明した。
「脳外科へどうぞ。」
~ど――んっ!!~
幸助が一生のうちで一番関わりたくない場所だった。
フラフラと幸助は案内された方向へ歩き出した。
No.153
案内表示に従って脳外科の外来入口まで来た幸助は「脳外科」と記されたくもりガラスを見て、帰りたい衝動に駆られていた。
~とりあえず簡単な頭の検査くらいしないと不安だしな…~
意を決して、幸助は自動扉のボタンを押して入った。
意外にも他の科の外来より明るく感じた。
午前の陽がサンサンと降り注ぎ、ピンク色を基調とした壁や受付周辺のカラフルな飾り付けを引き立てている。
受付で若い看護婦に初診である旨を告げると問診票を渡された。
人間の簡単な図があり、痛む部位にマーキングするようだ。
幸助は後頭部に印をつけ、痛まないが重怠く感じると記入した。
~ち…俺としたことがビビってやがる…~
幸助は自分の身体に寒気を感じていた。
手は氷のように冷え、身体がやたらと重く感じる。
やがて、年増の看護婦がやって来て「血圧を測ります。」と言った。
驚くことに、普段、上が120くらいの幸助の血圧は上が155にも達していて、全身の血管の収縮を証明していた。
~やっぱり、ビビってんな…~
幸助は自分が臆病者だと再認識していた。
ついに脳外科の診察室に通され、幸助の心臓は激しく鼓動し始めていた。
No.154
診察室に入ると少しだけ、腹が出た50歳手前程の医師がデスクに向かい書き物をしていたが、ペンを置くと幸助の方に椅子を回した。
「どうぞ。」
黒髪の艶やかな医師はにこやかにしていたが、目は眼光鋭く笑っていないように見える。
「う~ん…目眩に吐き気に冷や汗か…。」
医師は問診票を見ながら自分の髭を撫でていた。
「脳外科的な所見とは違う気がするな~…。一応写真だけ取っておきますか。」
医師は「CT室案内図」が記載された用紙に「頭部のみ」と記入し、幸助に渡した。
診察室を出て待合室の扉を開くと、全ての待っている患者が幸助の様子をマジマジと見ている。
~どこが具合悪いのか、医師にどんな話をされたのか探るような目だな…~
脳外科の待合室には、驚くべきことに学生服を着た子供達もいて、左頭部に耳を囲むように半月状の手術痕がある男の子を見た時には幸助は「明日は我が身かも知れない」と思ったりもしていた。
「第二CT室」とプレートに表示された窓口に用紙を提出すると、幸助は長椅子に腰を下ろした。
待つこと30分程で、幸助は呼び出された。
足取りも重く、ヨロヨロと室内に入った。
No.155
CT室に入ると、幸助が生まれて初めて目にするドーナツ状の機械が待ち構えている。
氏名確認の後、寝台に横たわる。
幸助は何か注射されるのかと思っていたが、ただ横になり目を閉じるように言われただけだった。
撮影が開始されると宇宙船にでもいるような「ヒューン」という音が断続的に鳴っている。
閉じた視界に光の帯が往復していた。
脳外科の待合室に戻った幸助は次の診察に呼ばれる間、覚悟を決めていた。
~これで、悪い病気でも発見されれば闘病生活の始まりか…~
幸助はただ静かに目を閉じているだけだった。
2回目の診察に呼ばれ、医師の前に座る。
医師はマウスのクリックを繰り返し、画面に表示された頭部画像を確認していたが、暫くして話し始めた。
「これが眼球です。従ってこちら側が前になります。」
「ここが脳幹になりますが…」
~位置説明から入ったってことは何かあったのか?…~
幸助は自分の顔がみるみる青ざめていくのを感じた。
医師は再び沈黙しながら、マウスのクリックを繰り返し、画像を切り替えている。
幸助は冷や汗で滲んだ両の手を握り締めながら医師の次の言葉を待った。
No.156
医師が次の言葉を発するまでの時間は実際には数秒なのだろうが、幸助には数分にも感じられた。
「ま、写真で見る限り、特に異常はなかったんですがね。」
医師は幸助の反応を楽しむかのようにニヤリと笑った。
「そうですかぁ!…」
幸助は安堵の色を示し、ため息を吐き出しながら言った。
「ええ、脳外科的には何も問題はありません。もし、どうしてもご心配ならMRIもございますが…」
「いえ!結構です!」
医師の言葉に若干重なる程の返事の速さだった。
診察室を出た幸助は自分の体から重りが外されたような錯覚に陥る程、身軽になった気分だった。
会計を済ませ、病院の外に出ると青空が眩しかった。
幸助は駐車場の車輪止めに腰を掛けるとタバコに火をつけてから医師とのやり取りを思い返した。
~あの医者……くそっ!~
幸助は冷静になり、初めて医師が幸助の反応を楽しんでいたことに気づいたのだ。
~患者の為を思うなら俺が椅子に腰掛けるや否や「大丈夫でした」とか「何もありませんでしたよ」とか言うはずだ~
「位置説明なんかしやがって…眼球の位置なんかバカでも分かるっつーの」
幸助の口元は笑っていた。
No.157
自宅に戻ると佳奈に脳外科を訪れたことを話した。
「何もなくて良かったね。安心できるね。」
佳奈も安堵の色を示しながら優しい声で言った。
~直に子供が生まれるというのに病になどなれないからな…~
脳外科的に問題なしという事実を受けて、いつになく父親らしい温かい気持ちになっていた。
しかし、幸助はその後も時折、目眩に悩まされることになる。
いくら「頭には異常がないんだ」と言い聞かせても治まらなかったのだ。
それから耳鼻科や内科も訪れたが異常なしは同じだった。
幸助は完全に打つ手をなくしてしまい、予告なく感じる目眩と戦っているだけだった。
~俺はどうしたらいいんだ…これでは本当に天罰じゃないか!~
幸助が段々、出不精になってしまったある日、佳奈がとうとう破水してしまった。
深夜、寝ようとソファから立ち上がった瞬間のことだった。
予想外に難産だったが、佳奈は無事男の子を産み落とした。
初めて我が子を抱いた幸助は目頭を熱くしながら、ただ一言だけ口にした。
「俺が守ってやる。」
その男の子はやがて成長と共に幸助を変えてくれることになる。
No.158
一週間の入院生活の後、佳奈と長男は退院した。
佳奈がいない一週間、幸助とあろう者が一切、女遊びをしなかった。
それだけ幸助が弱ってしまっている状態だったことを示すものである。
目眩を感じた頃から、幸助はただ会社と自宅の往復をするだけの生活を続けていた。
長男への想いは最初こそ自分の子供という感じがしないというものだったが、日々生活を共にする中で少しずつ我が子なのだ、という気持ちが芽生えてきた。
早く帰宅するので、幸助は長男の入浴だけは率先して買って出た。
我が子に色々話しかけ、入浴させながらも幸助は嘗てと真逆の生活をしている自分に戸惑いを感じていた。
~本当にこれでいいんだろうか?…~
~子供は確かに可愛いけど、丸く収まるにはまだ早いんじゃないか?…~
そう思いながらも、時折感じる目眩のせいで、暗い気持ちになってしまい「どこかで倒れてしまったら…」と考え、出歩くことが少なくなってしまう。
そんなある日、内科の医師から「あなたは全く体に異常がないわけですから、目眩を感じても気にしないことです。」
と言われた。
抗うつ剤が処方され、幸助はショックを受けた。
No.159
幸助は自分が「鬱病」だとは認めず、抗うつ剤も服用しなかった。
薬に頼るのは、本当にどうしようもなくなった時で良いと考えたのだ。
目眩を感じて嫌な気分になっても、気にせず無視する姿勢を取った。
長男はスクスク成長し、やがて「あーあー」声を出したり、幸助に笑いかけたりするようになった。
子供に癒されるとよく言われるが、長男との時間が幸助にとって安らぎになっていた。
そして長男の成長に合わせて、幸助の目眩の数も段々と減っていった。
未だ以て、幸助の目眩の原因が何だったのか解っていない。
~神は俺を許したのか?~
目眩を感じる回数も少なくなり、度合いも軽くなってきたのだ。
幸助は本当に懲りたと見えて、生活を改めようと決心した。
~まず、規則正しい生活をすることだ。~
~女遊びはなるべく控えること。次に恭子との決別、これだけで随分気楽になる。~
子供が生まれてから恭子とも会っていなかった。
正直、目眩でそれどころではなかったし、面倒に思えてきたのも事実だった。
本妻、実子を超える愛人など存在しないのだ。
幸助は恭子に会って別れを告げることに決めた。
No.160
ある週末の夜、幸助は恭子を車に乗せ、高速道路を走っていた。
「何か最近全然会ってないじゃん。」
恭子がムスッとした顔で言った。
「……………」
幸助は無言で前方を見たまま、タバコに火をつけようとして止めた。
血液ドロドロの要因の一つであるタバコもなるべく控える方向で行こうと思ったのだ。
佳奈の家の財産も自分が倒れてしまってはどうしようもなくなる。
幸助は車をパーキングエリアへ入れ、駐車場の隅の方へ停めた。
「どうしたの?こんなとこ来て。」
恭子は不信げな顔で幸助の反応を待った。
「話がある。」
幸助は売店の明るさに眩しそうに目を細めた。
平日のせいもあるが、夜の9時を過ぎ、パーキングエリアには人はまばらだった。
「何?」
恭子は話の内容が予測出来てるかのように見えた。
「俺も色々忙しくなっちまったし、そろそろ別れないか?」
幸助はいつもより、少し小さめの声で言った。
自分で声がかすれそうなのが分かった。
「そろそろって何?って言うか嫌なんですけど?」
恭子は全く動じる気配すら見せなかった。
~ちっ。図太い女だ。~
幸助は目を閉じた。
No.161
「んな事言ったって色々忙しくなっちまったんだからよ」
幸助は恭子とは目も合わせずに言った。
「前だって忙しかったでしょ!?それでも無理矢理暇作ってたじゃん!?」
恭子は一際大きな声を出した。
「!…………」
幸助は心の中で舌打ちした。
「私の存在が鬱陶しくなってきたんでしょ!?だったらハッキリ言えばいいのに!」
恭子は更に大きな声になった。
~解ってんじゃねーか…~
幸助は面倒臭そうに窓を開けて外気を入れた。
「ね…そんな事言わないでよ。」
恭子は幸助に抱きつくようにして甘えた声を出した。
恭子の香水の薫りが近づき、柔らかい体の感触が伝わってきた。
~コイツとも随分とご無沙汰だからな…~
よりによって、こんな話の最中だというのに幸助のイチモツは反応してしまった。
「おい、抱きつくなよ。」
幸助は一応抵抗してみた。
「いいじゃん。」
恭子は離れるどころか、幸助の血液が流れ込み始めた股間を撫で出した。
~!うおおっ!~
恭子の手の刺激がとてつもない快感の波になって幸助に襲いかかってきた。
~最後に一発もありか…~
男の弱い部分が露出した瞬間だった。
No.162
まだ迷いを残している幸助だったが、恭子の次の一言で完全に「最後に一発モード」に突入してしまった。
それまで何回も肌を合わせてきたというのに、恭子が頑なに拒んできたことだった。
「ね…ホテル行こうよ。ゴムしなくていいからさ。」
恭子は幸助の耳元で囁いた。
~どーーんっ!~
幸助のイチモツは更に硬さを増し、先端を濡らしてしまった。
こうなってしまった以上、既に幸助に理性は少なかった。
二人を乗せた車は再び高速道路を走り、一番近い下り口で一般道へ出た。
~もう止まれねーかな…しょうがねーよな…~
幸助の残り少ない理性が再び迷いの気持ちを大きくし始めた。
そんな幸助の思いを察したかのように恭子は幸助のジーンズの前を開け、手を入れ、直に刺激を加え出した。
~たまらねー!ここでヤらなかったら男じゃねーよな!~
幸助の股間は最大の硬さを保ったまま、ホテル「黒蝶」へ入った。
~もう、どうしようもない!~
幸助はホテルに入るなり、恭子に襲いかかった。
幸助は「生」という餌に食いついてしまった。
部屋の温かみあるスポットライトが二人の情事を照らしていた。
No.163
~何でかな?…何回も抱いた身体なのに、「生」でヤレるってだけで全部が新鮮に思えてくる…~
恭子とはご無沙汰というのもあるのかも知れないが、幸助はいつもより大分興奮していた。
恭子がどういう意図で突然「生」を許したのかは気になるところだったが、幸助は敢えて考えないようにしてしまった。
この時点で幸助の理性は欲望に押し潰されている形となっている。
そして遂にその瞬間が訪れた。
「じゃ、行くぜ。」
幸助は一言声をかけてから正常位の形でゆっくり腰を沈めた。
~くおぉおっ!たまらん!~
イチモツに直に伝わる熱と柔らかさが幸助を狂わせようとしていた。
激しく動きながら、幸助は恭子の髪を鷲掴みにして言った。
「そんなに俺と別れたくねーのか!?」
恭子は言葉は出なかったが、強く頷きながら幸助の突き上げに耐えていた。
そして更に幸助を迷わす瞬間が迫ってきた。
幸助が絶頂に達するその時、恭子は囁くように言った。
「中に出していいよ…」
男の本能か、「中出し」には更なる魅力を感じてしまう。
~やっちまうか!?…やべーか!?~
No.164
幸助のモノはまさにはちきれんばかりの状態だったが、迷いの中、一瞬躊躇した時、恭子の開いた両の脚が背後からのし掛かってきた。
~やば!に…逃げ…!!~
恭子の両脚の力が強く、幸助は身動きが取れず、敢えなく深みで果ててしまった。
幸助のジュニアの素は見事に恭子に吸収されてしまった。
中出しの快感も一瞬で、すぐに幸助は青ざめた。
「お前!何てことしやがる!」
幸助はベッドから片足を床につける形で強い口調で言った。
「だってさ、中に出すんだか何だかハッキリしないから。」
恭子はベッドで起き上がりながら返した。
「出すわきゃねーだろ!」
幸助は更にまくし立てた。
「子供でも出来れば幸助が別れるとか言わないかと思って…」
恭子は眉をひそめながら言った。
「………!」
~デンジャー!!~
幸助は全身から冷や汗が吹き出す嫌な感覚に陥った。
そして目眩を感じた。
笑う恭子を尻目に幸助はやんわり揺れる視界と吐き気に耐えていた。
「どうしたの?」
恭子が訊いた。
「何でもねーよ。」
二人は程なくホテルを後にしたが、幸助はずっと不機嫌だった。
No.165
恭子を送り、帰宅した時も幸助の頭には恭子に中出ししてしまったという後悔の念があった。
それはやがて不安に変わり、よく眠れないまま翌朝を迎えた。
その日は休日だった為、佳奈と顔を合わせているのが辛いのもあり、幸助は出かける支度を始めた。
「どこかへ行くの?」
佳奈が尋ねた。
「………」
「大丈夫?聞こえてる?」
佳奈が少し大きな声を出した。
「ん?ああ、聞こえてるよ。」
幸助は佳奈の顔は見ずに返事をした。
「何か心配事でもあるの?昨夜も変だったし。」
佳奈は心配そうな顔で訊いた。
「別に。」
佳奈に話せるはずもなく、幸助は平然を装おうと必死だった。
~くそ!あのバカアマのせいで…~
「やっぱり聞こえてなかったんじゃん。どっか行くの?」
佳奈が重ねて訊いた。
「ああ、休みだからスロットでも行こうかと思ってたんだけど。」
幸助は力のない言い方をした。
「えー。昨夜言ったのに。ウチのおじいちゃんが今日遊びに来いってさ。」
佳奈は怪訝そうな表情をした。
「そうだっけ?」
幸助はやはり上の空だった。
心配事がある時は家族との外出は苦痛なのだ。
No.166
~面倒くせーな…~
幸助は露骨に嫌な顔をした。
「何、その嫌そうな顔!」
佳奈は眉を寄せて、軽蔑にも似た表情を作った。
「うるせー!俺がどんな顔しようがお前の知ったこっちゃねーんだよ!」
幸助は声を張り上げた。
「もういい。私一人で行ってくる。」
佳奈は幸助を睨みつけながら言った。
「行かねーって言ってねーだろ。」
幸助は補足するような言い方をした。
「だって、スゴく嫌そうだし。」
佳奈は手を払うような仕草をした。
「は?何言ってんの?俺がお前の爺様んとこに喜んで行くと思ってんの?笑わせんな!」
幸助は恭子のことでの不安を払拭するように最後は強く叫んだ。
「だから好きにすればいいじゃん。」
佳奈は部屋を出て行った。
「け。」
幸助はサッサと支度を終わらせ、車に乗り込んだ。
平常心ではなかったとは言え、何時になく怒りが爆発してしまった形だった。
幸助は原因は自分だと知りながらも佳奈と一緒にいるのが辛く、ただスロットを打ちながらボーっとしたかったのだ。
そして、その日は恭子の生理が来ることを祈りつつ、スロットも身に入らず、5万円も負けてしまった。
No.167
幸助と佳奈との間に生まれた長男、名をタケシといい、幸助と佳奈の良いとこ取りで玉のような子供だった。
佳奈に似て色が白く、幸助から受け継いだ凛々しい顔立ちを際立たせていた。
「蛍光灯のように光って見える」とよく他人様から褒められる。
幸助もタケシを溺愛し、目に入れても痛くないという程の可愛がりようだった。
それがここに来て、タケシを抱こうともしなくなってしまったのである。
幸助の気持ちとしては、恭子に中出ししてしまったことで自分の身が汚れてしまったように思えたのだ。
その汚れた自分が汚れなきタケシを抱くのは気が引けてしょうがなかったのである。
最近ではタケシも幸助に「あーあー」言い、笑いかけるというのに、幸助には笑い返すゆとりすらなかった。
~恭子の次の生理まで身が持たねーな…~
~ガキが出来てたらたまんねーな…~
幸助はベランダに出てタバコに火をつけた。
夜風が心地よくタバコの煙を横に流してくれる。
~あれから佳奈とも話してねーな…~
~こんな思いするくれーなら不倫なんかしなきゃ良かったぜ…~
改めて恭子と別れる気持ちが固まった。
No.168
翌日の昼休み、幸助は会社の屋上で恭子に電話をした。
突き抜けるような青空をちぎれ雲が速い。
「ああ、俺だ。お前次の生理は何時なんだ?」
幸助はいきなり訊いた。
「何?突然…」
恭子は訊き返した。
「何?突然…じゃねーんだよ。お前のお陰でコッチは生きた心地がしねーんだよ!」
幸助が大きな声で言った時、3人の女性社員が屋上に出て来た。
幸助は彼女たちから距離を取り、背中を向けると改めて小声になった。
「だから、何時なんだよ?」
「あと10日くらいかな?意外と気が小さいね~。」
恭子はからかうような言い方をした。
「ああ、そうかい。じゃ、その日でお別れだな!」
幸助は小声だが、重い口調で言った。
「何でよ?また中に出していいから、そんなこと言わないでよ。」
恭子は笑いながら言った。
こんな状況だというのに、また中に出していいから…というセリフに下半身がムクッと反応してしまうのが男の哀しいところだ。
「お前みてーな危ねー女と二度とヤるか!」
幸助は電話を切った。
~くそったれ!マジで妊娠なんて事態になったらどうすっか…~
No.169
その日、幸助は疲れのせいからか風邪をひいてしまい、会社から自宅方面の内科へ向かった。
その内科は町医者という感じなので、午後6時までに滑り込めば診察してもらえるのだ。
受付で激しい喉の痛みと熱っぽい旨を伝えると体温計を渡された。
脇を締め、静かに目を閉じた。
時折、看護婦の声が聞こえると目を開け、顔を確認していた。
そういうつもりはないのだが、若く可愛らしい看護婦だと暫く観察し、年増の看護婦だと一瞬で目を閉じる。
電子音が耳に届き、数字を確認すると38度2分だが、寒気が治まらないところを見るとまだ熱は上がるようだ。
診断は予想通り風邪だった。
~ったく、ロクなことがねーな…~
診察を終えた後辺りから症状に頭痛が加わった。
~薬も貰ったこったし、とっとと家帰って寝ちまうしかねーな…~
幸助は自宅へ車を走らせた。
到着した途端に体が重くなり、辛くなってきた。
玄関に入ると来客か、女性物の靴があった。
誰だろ…と思いながらリビングへ入った瞬間、幸助は凍りついた。
リビングにいた客は恭子だった。
No.170
風邪のせいもあるのかも知れないが、我が家に絶対にいるはずのない恭子の存在を確認した瞬間、驚きの余り、金鎚で頭を叩かれたような衝撃と視界からカラーが奪われ、モノクロに見える錯覚に陥った。
そして何も言わないまま、フラッとよろめき、柱にもたれかかった。
「おかえりなさい。どうしたの?」
佳奈が笑顔で言った。
「あ…ああ…ちょっと風邪ひ…ひいたみたいで医者寄って来た…」
幸助は言ってから恭子の方をチラッと見た。
「お邪魔してます。風邪大丈夫ですか?」
恭子も笑顔で幸助に言った。
~な…何なんだ、このアマは…~
幸助は何も口にせず、二人の状況を把握しようと努めた。
「こちら、あなたの会社の手帳届けて下さったのよ。」
佳奈は恭子の方を見ながら説明した。
佳奈の言葉を受け、幸助はスーツの胸ポケットを探った。
~くそったれ!この前、抜き取りやがったか!~
毎日使う物ではなかったとはいえ、手帳が消えていたことに気がつかなかった自分に呆れた。
「ごめんなさいね。この人、あなたがあまり美人だから緊張してるみたい。」
佳奈は呆然としている幸助と恭子の間を繋いだ。
No.171
「ふふふ…そんなことありませんよ。」
恭子が機嫌良さげに返した。
~何がふふふ…だ!カッパ女(特に意味はない)が!~
幸助は恭子の言葉に合わせて引きつった笑顔になった。
この時点でも幸助には恭子の意図が全く読めなかった。
それだけに、これから何が起こるのか予測できず、幸助を心底怯えさせた。
「この人、いつもはもっとよく喋るんですよ。」
佳奈が笑いながら言った。
「知ってます。」
恭子が言った時、幸助は「ギョッ!」とした。
「は?…」
佳奈は恭子の変な反応に首を傾げた。
「あ…分かります。何となくご主人の顔立ちで…」
恭子はニヤリと笑いながら言い直した。
「はあ…」
佳奈はポカンとした表情で呟いた。
~クソ女、ふざけきった奴だぜ…!~
時を追う毎に強くなる緊張感に耐えられなくなった幸助はその場から逃げることにした。
「具合が良くないもので、これで失礼いたします。」
幸助が背を向けた時、再び恭子が口を開いた。
「あ…私もそろそろ失礼いたしますので…」
「まあ、何もお出しできませんで。」
佳奈が言った。
恭子はすっと立ち上がった。
No.172
~恭子のアマ、やっと帰りやがるのか…~
幸助はうつむき加減で、ふうっと息を吐いた。
恭子は「お邪魔しました。」と佳奈に一礼した。
「わざわざありがとうございました。」
佳奈も一礼した。
恭子は出口の所に立っている幸助の前まで行くと立ち止まった。
ギクッとする幸助に恭子は言った。
「ご主人もくれぐれも奥様を悲しませないように、ご病気お大事になさってくださいね。」
佳奈に背を向けた状態で恭子は幸助にウインクした。
「はあ…」
自然と幸助の眉間にはシワが寄っていた。
「ねえ、ちょっと!」
恭子が帰った後、階段を上がろうとした幸助を佳奈が呼び止めた。
「何だよ?」
幸助は気怠そうに訊き返した。
「今の人、知り合い?」
佳奈が言った。
「な…何で?」
幸助はドキッとした。
「んーん、何となく…」
佳奈は浮かない顔をした。
「全然知らねーよ。」
幸助は狼狽えの表情を必死で隠した。
「変ね~。この手帳には、あなたの名前だけで住所も電話も書いてないのに…。」
佳奈は眉を寄せて言った。
~しまったぁ!~
幸助の脇の下は冷や汗でビッチョリ湿っていた。
No.173
幸助は返答もせず、階段を上ろうとした。
「待ってよ!何でだと思う?」
佳奈は背を向けた幸助を再度呼び止めた。
「うるせーな…んな事知らねーよ!」
幸助は階段の3段目で頭だけで振り返った。
「だって変じゃない!?」
佳奈は腕組みをしながら言った。
「電話帳で調べたのかも知れねーし、会社に問い合わせたのかも知れねーだろ?」
幸助はとりあえず思いついたことを並べてみた。
「電話帳なんかで一々調べるくらいなら警察に届けた方が早いし、会社は社員の個人情報なんか教えないと思うわ。」
佳奈はすかさず痛い所を突いてきた。
「だから俺には分からねーって言ってんだろ?!人を詮索するようなこと言ってんな!」
幸助は声を張り上げた。
大声を出したせいか、激しく脈を打つような頭痛が酷くなってきた。
「もう寝るぜ…」
幸助は2階へ上がってしまった。
恭子に電話して怒鳴りつけてやりたいところだが、具合が悪く持ち越すことにした。
その晩、幸助は夢を見た。
高校の屋上は青空が眩しい。
はしゃぐ幸助の傍らには、佐々木と蕪木、なぜかミズキもいる。
No.174
「今週の飲み会何時だっけ?」
幸助は佐々木に訊いた。
「バカだなぁ!6時って言ったべ?」
佐々木が笑いながら言った。
「コイツはもう女のことしか頭にねーからよ。」
蕪木は親指で幸助を指しながら言った。
「あはははは!」
幸助はバカ笑いしながらミズキを見た。
ミズキは黙ったまま、全くの無表情で幸助を真っ直ぐ見ているだけだった。
そう、まるで蝋人形のような表情で。
~そんな顔すんな!そんな目で俺を見るな!~
気がつくと屋上から見える空は、どす黒い雲が一面を覆い、辺りは急に暗くなった。
幸助が空から3人に視線を戻すと、佐々木と蕪木もミズキと同じ無表情に変わり、ただ黙っているだけだった。
「おい、お前ら!何だよ!?」
幸助は急激な辺りの変化に戸惑い、怯えた。
「お・ま・え・は・ふ・ざ・け・た・に・ん・げ・ん・だ・な」
3人は口を揃えて言った。
「うわぁあぁあ!」
幸助は目を覚ました。
部屋の天井がうっすら明るい。
寝ていても体が鉛のようなのが分かった。
~何て夢だ…。~
~俺はもうダメだな…~
幸助の目から涙が両耳へ流れた。
No.175
現在、自分が置かれている状況と温かく明るい高校の屋上とのギャップが幸助に涙を流させたのだろうか。
いずれにしても涙など、いつ以来だったか幸助自身覚えていないほどである。
幸助は涙で揺らぐ天井を見つめつつ、初めて自分を見つめ始めた。
~俺は何なんだろうか…。何をしたいんだろうか。~
~高校ん時に戻りてーな…~
今の幸助には立ち上がって前に進む力は既に残されてなかった。
それから風邪が治っても、幸助は会社へ出勤どころか外出さえしなくなってしまった。
笑顔も全く見られなくなった。
ただ、最近片言を話すようになってきたタケシと遊んでいる時だけは笑顔が見られた。
佳奈も幸助のくたびれた姿が辛かったのか、毎日ダラケる亭主に何の小言も言わなかった。
佳奈は幸助の会社に出向き、体調不良を理由に長期休暇の手続きだけは済ませた。
幸助は現実から逃避した形でタケシと一緒にいることで、自分を浄化できるような気持ちになっていたのかも知れない。
幸助の視野に未来は映っていなかった。
No.176
3年半が過ぎた。
「幸助早くしなさい!」
幸助の母親、初枝が階下で叫んだ。
初枝の足下にはタケシがニッコリ笑って立っている。
更に初枝は1歳半になる長女まるえを抱いていた。
「あー!分かってるよ!」
幸助は慌ただしくジャケットを羽織ると階段を乱暴に下りて来た。
「佳奈さん、もう我慢できないよ!」
初枝は既に玄関先に立っている。
「やべーな…もう生まれちゃうかな?」
幸助は素早く真新しいカジュアルシューズを履いた。
今日は幸助の家に次女が誕生するのだ。
3回目だというのに、出産には少しも慣れない。
何回経験しても不安は尽きない。
女性は命がけなので、男の幸助が不安になるのも当然なのだが。
あれから幸助は、それまでの自分を悔い改め、少しずつ社会復帰すべく努力してきた。
女遊びは勿論、夜遅くまでスロットに興じることさえなくなった。
恭子とも、キッチリ別れた。
今後は時間の許す限り妻や子供たちと過ごしたいと考えている。
かつて女好きでどうしようもなかった男は、時間をかけて、やっと大人になったのかも知れない。
完 ろくでなし
あとがきへ続く
~あとがき~
本作品は基になっている原作(ノンフィクション版)を閉鎖した辺りから構想を練り始めて、温めてきたものでした。
結果的に半分にフィクションを織り交ぜるつもりが、6割5分程にまでなってしまいました。
大の女好きな私でしたが、原作ではもっと女性に優しかったものです。
自分の甘さが主人公に移らないように、心を鬼にして書きました。
何度も胸が傷みました。
途中に「性感染症」の部分を挿入したのが一番大変でした。
性に乱れた日本への警告と考えてましたが、私自身「性感染症」の経験がなく、医学書の内容と某友人の経験談を思い出しながら作成しました。
リアリティに欠けていたかも知れませんが、どうしても書きたくて、主人公を「性感染症」にしてしまおうと考えていました。
結果、主人公は随分悪いイメージになってしまいました。
余談ですが、私は現在、妻と3人の子供達と幸せに暮らしております。
長男は私の2作目(ノンフィクション、破棄済み)のモデルになりました。
最後にご愛読くださいました皆様に御礼申し上げます。
謹言 ろくでなし
- << 206 主さま 長い間ご苦労様でした❤ とても楽しく読ませていただいてました。私の中では他の作品に比べ一番よくできた小説だと思います♪赤川次郎風な、ポンポン頭に入ってくる、疲れない、頭使わない(笑)時間かからない、あっ💦これはほめ言葉です。誤解しないでくださいね⤴ とにかく😄とても楽しかったです。 終わってしまってさびしいですが…ご苦労様😌 お風邪早く治りますように⤴ ホントにありがとうございました😌 また書く予定はないのですか💦
新しいレスの受付は終了しました
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
依田桃の印象7レス 144HIT 依田桃の旦那 (50代 ♂)
-
ゲゲゲの謎 二次創作12レス 131HIT 小説好きさん
-
私の煌めきに魅せられて33レス 326HIT 瑠璃姫
-
✴️子供革命記!✴️13レス 93HIT 読者さん
-
猫さんタヌキさんさくら祭り1レス 56HIT なかお (60代 ♂)
-
神社仏閣珍道中・改
【正五九参り】 忌中ですっかり頭がまわりませんでしたが、昨日から…(旅人さん0)
232レス 7869HIT 旅人さん -
北進
わからないのか?この厨二病は、おまいらの超劣悪カス零細、と、まともなこ…(作家志望さん0)
14レス 295HIT 作家志望さん -
依田桃の印象
バトル系なら 清楚系で弱々しく見えるけど、実は強そう。 恋愛系…(常連さん7)
7レス 144HIT 依田桃の旦那 (50代 ♂) -
西内威張ってセクハラ 北進
特定なんか出来ないし、しないだろう。実際しようともしてないだろう。意味…(自由なパンダさん1)
82レス 2851HIT 小説好きさん -
仮名 轟新吾へ(これは小説です)
彼女は 🌸とても素直で🌸とても純粋で 自分の事より先ず! 🌸家族…(匿名さん72)
182レス 2793HIT 恋愛博士さん (50代 ♀)
-
-
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②4レス 124HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?11レス 128HIT 永遠の3歳
-
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令1レス 134HIT 小説家さん
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 512HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 955HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 124HIT 小説好きさん -
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 128HIT 永遠の3歳 -
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 134HIT 小説家さん -
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1393HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 512HIT 旅人さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
ゴールデンウィークって大事な行事ですか?
兼業主婦です ゴールデンウィーク休みが1日しかない事に旦那がブチ切れです バイトごときが店に…
46レス 1406HIT 相談したいさん -
離婚した人と友達以上恋人未満。
私36歳、彼女(便宜上)40歳、彼女の娘16歳です。 彼女は数年前に離婚し、半年ほど前に知り合…
18レス 440HIT 匿名さん (30代 男性 ) -
スパゲティの分け与え
あなたは彼氏の家にアポ無しで遊びに行ったとします。 ちょうどお昼時で彼氏はナポリタンスパゲティを食…
21レス 578HIT 恋愛中さん (20代 女性 ) -
家を綺麗にしたいんです。
私 30代会社員 妻 30代扶養内パート 子ども 年中女児と2歳男児 自宅が凄まじい有り様…
8レス 276HIT 聞いてほしいさん -
元旦那とディズニー旅行に行くシングルマザーの彼女
自分には1年4ヶ月付き合っている小6と中2の女の子2人の子供がいる彼女がいます。 元旦那とは5年前…
10レス 337HIT 匿名さん (30代 男性 ) -
この食生活を30年続けたらどうなりますか
朝 安い菓子パンと野菜ジュース 昼 カップ焼きそばまたはカップ麺 夕食 白米+刻みネギと…
7レス 213HIT 教えてほしいさん - もっと見る