アラサー・バツイチ女のリアルな物語
「いらっしゃいませ!」
「おっ!彩乃ちゃん!今日も元気いいね!」
私、伊藤彩乃。30歳。
バツイチの出戻り。
子供なし。
離婚して以来彼氏もなし。
昼間は旅行代理店でアルバイト。
夜は両親が営む小さな居酒屋を手伝っている。
声をかけてくれたのは常連客の中嶋さん。
父の古くからの友人でもある。
「いつものやつよろしく!」
「毎度どうも😄」
中嶋さんはいつも、焼酎の烏龍茶割りを頼む。
いつもは一人で来るが、今日はお連れ様も一緒だ。
会社の部下になるという中村さん。
「お飲み物は?」
「俺は生中で」
「かしこまりました!」
今日のお通しは、母特製の切り干し大根の煮物。
常連客には、なかなか評判が良い。
カウンター席に座る2人の元にお通しと焼酎、生中を運ぶ。
「お待たせしました~」
これが、中村さんとの出会いになった。
*人生初めての小説です。至らないところもありますが、読んで下さると嬉しいです😄
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父がこの居酒屋をかまえたのは、私が高校生の時だ。
それまで勤務していた会社を辞め、退職金を全て注ぎ込んで自宅の一階を改装してこの居酒屋をかまえた。
当初、猛反対をしていた母も今は楽しそうに店に入る。
父は元々料理人。
調理師免許も取得していた。
最初は経営も苦しかったが、今では常連客も増えそれなりにやっている。
カウンター10席、小上がり席が4人席×4という小さな居酒屋だが、土曜日や祝日前日には満席になる。
私は、レジとホール全般を手伝っている。
この年で一応「看板娘」
常連客も年配の方々が多いから、一応「娘」になるらしい(笑)
昼間の仕事が忙しい時は店に出れない時もある。
そんな時は常連客の方々に「今日は彩乃ちゃんいないのかい!寂しいなぁ」と言ってくれるみたい。
なので、私はこの居酒屋が大好きだ。
昼間の仕事で嫌な事があっても、この居酒屋でのお客さんの笑顔や何気無い会話でとても和む。
特に中嶋さんは、私の事を心配してくれる。
離婚して戻って来た時も「俺がご馳走してやるから飲め!飲め!コップ持って来い!」と焼酎をご馳走してくれた。
結婚してすぐに元旦那が浮気。
浮気相手は私の中学時代から親友だと思っていた理奈。
きっかけは、私達が結婚してすぐ理奈がお祝いを持って来てくれた時…らしい。
理奈はスタイルも良く、顔も小さくてとても可愛い。
しかもおしゃれで、誰に対しても愛想が良く頭も良い「才色兼備」な人。
私はというと至って普通。
顔も能面みたいにペロンとしているし、スタイルも良くない。
その時元旦那と理奈は初対面。
理奈の可愛さに元旦那が一目惚れをしたらしく、何を思ったのか理奈に猛アタック。
理奈もその時は彼氏と別れてすぐで寂しかった時。
私の旦那と知りながらも、「密会」をしていたらしい💧
元旦那とは丸2年付き合って結婚した。
結婚するまでは、本当に優しくて嘘をつく人ではなかった。
セックスもゆっくり愛を確かめ合う感じで優しかった。
メールも電話もほぼ毎日していたし、私が事故って入院した時も毎日お見舞いに来てくれた。
何に対しても真面目で喧嘩をする事もほとんどなかった。
そんな元旦那に惚れ結婚したのに、結婚してすぐ理奈に惚れた辺りから元旦那の態度が一転した。
仕事は普通のサラリーマン。
だいたい定時で仕事が終わる。
残業がある時は、お昼過ぎに「今日は残業」と必ずメールが来ていた。
それが毎日「残業」になった。
セックスも今までは週2回はしていたのに、一切なくなった。
たまに私からお願いしても「疲れてる」「うるさいな💢」と拒否される。
ごくたまにしてくれても、前の優しいものではなくただ入れて終わり。
5分で終わった💧
子供が欲しかったけど、これじゃ…むなしすぎる😫
それから良く「彩乃と結婚したのは間違いだった」と言う様になる。
私は、自分が至らないから直哉を怒らせているんだと思い、当時勤めていたカフェのパートを辞めて主婦業に専念をする。
この時はまだ、元旦那の事を愛していたから。
今思えば、この時点で普通なら浮気を疑うんだろうけど、そんな考えは一切なかった。
朝、元旦那は6時半に起きて軽くシャワーを浴びる。
それから支度をして、朝御飯を食べて8時ちょっと前に出勤する。
私は5時半に起きる。
朝が弱い私は、まず起きてボーっとする時間が必要なので少し早く起きる。
目が覚めて来たら、直哉のお弁当と朝御飯作り。
直哉を起こし、シャワーから上がったらすぐご飯が食べられる様に朝御飯を用意。
そして送り出してからは洗濯に掃除。
お昼はゆっくり食べて、買い物に行って夕飯作り。
完璧ではないけど、直哉にとって心地よい部屋にしようと思っていた。
また前の優しい直哉に戻ってくれる事を願って…。
でも…直哉の言動は更に酷くなる一方だった。
帰って来ても頑張って作ったお弁当は、一口も手をつけず持ち帰り、私の目の前で無言で捨てられる。
そして「お前のくそまずい弁当なんか食えるか💢」と怒鳴られた。
前は「彩乃のお弁当は美味しいよ😄」と、全て食べてきてくれたのに😢
今までは無理して食べていたんだろうか?
晩御飯を作って待っていても、何の連絡もなく夜中に帰って来る事も増えた。
「ご飯は?」
「いらない、寝る」
帰宅後は真っ直ぐ寝室に向かう様になった。
ずっと遅い日が続いたため、晩御飯は作らなくなり、お弁当も作らなくなった。
今日もどうせ遅いんだろうと作らないでいたら早く帰り「主婦のくせに晩飯も作らないのか💢」と怒鳴られた。
「早く帰るなら連絡して欲しいんだ」
この一言言っただけでも「面倒くせぇな💢」とキレられて出て行ってしまった。
私の何が気に入らないの⁉
結婚して男の人って変わるとか言われてるけど、人間ってこんなに変われるの⁉
あの優しかった直哉の面影は全くなくなった。
それでも、浮気とは思わなかった私。
どんだけ鈍いんだろ😅
私は誰かに話を聞いて欲しくて、理奈に電話をした。
理奈の携帯に電話をする。
すると、ほとんど呼び出し音がならないですぐに出た。
「もしもし⁉」
「理奈~、今時間ある?」
「どうしたの?」
ちょっとびっくりした様子の理奈。
「ちょっと直哉の事で相談があって、聞いて欲しくてさ」
「あっ…ごめん、今ちょっと…友達が来てて💧」
「あっ、ごめんね💦また時間ある時に」
そう言って電話を切った。
そう、この時に直哉は理奈のアパートにいた。
理奈の隣にいて、理奈は私からの「直哉の愚痴」を聞かされるところだった。
今思えば、おかしな話し。
知らなかったとは言え「本妻」が「浮気相手」に旦那の愚痴を言う(笑)
それを聞かされる「浮気相手」ってどんな心理なんだろう😅
直哉は余り帰って来なくなった。
私から連絡をしても一切繋がらない。
メールも返事がない。
この時にやっと「浮気じゃないだろうか?」と気づく。
ある日、中学時代からの友人で理奈とも仲が良い由佳から電話が来た。
「もしもし!由佳!久し振り~😄」
「彩乃~大丈夫⁉」
「ん?何が⁉私は元気だよ?」
「あのさ…理奈の事でちょっと話しがあるんだけど…」
「うん…」
ここ最近、理奈が私への態度がよそよそしかった。
余り連絡もくれなくなった。
前は良く一緒に出掛けていたが、最近は一切なくなった。
今思えば、そりゃ私に連絡はしにくいだろうし、よそよそしくもなるだろう。
でも、まだ知らなかった私は本気で理奈の心配をしていた。
「今日の夜って時間ある?」
「あるよ~!今日は実家の居酒屋定休日だし」
「じゃあさ、私仕事終わったら彩乃んちに行ってもいい?」
「全然OK!待ってる!」
そう言って、由佳との電話を切った。
由佳は中学時代から、リーダー的存在だった。
頼りにされる姉御肌。
しっかり者で同じ年とは思えない落ち着きがある。
由佳には色んな話を聞いてもらったが、口が鋼の様に固いためペラペラ人に話す事もなかった。
そして色んなアドバイスをくれる。
だから皆、由佳を頼る。
夜7時過ぎに由佳から「これから行くね!」と連絡があった。
由佳はチーズケーキが大好き。
由佳が来るからと、駅前の有名なケーキ屋さんでチーズケーキを購入していた。
15分後、インターホンが鳴る。
由佳がビール一箱抱えて来た。
「そんなにどうしたの⁉」
「今日は飲むよ!重たいから早く入れて~💦」
由佳はリビングに入って来て、冷蔵庫の横にビールを「よっこいしょ!あ~重かった」と言いながら置いた。
由佳も私もお酒は好き。
私は「いくらかかった?お金出すよ」と財布を取りに行こうとしたら「いらない!私が飲みたかったから彩乃にも付き合ってもらうから!」
そう言って、早速由佳はビールの箱を開けた。
「十分冷えてる!」
そう言って、ビールを2本取り出し私に一本くれた。
「つまみ、何かいるよね💦」
「ううん、私はこれで大丈夫😁」
由佳はビールと一緒に持って来たさきいかとサラミ、チータラの袋を開けた。
「彩乃も好きでしょ?」
良くご存知で😅
「あっ!そうだ!昨日、お母さんがくれたお通しあるよ!」
冷蔵庫からタッパーに入ったふきと油揚げの煮物を出して来た。
「彩乃んちの居酒屋メニュー、美味しいから大好き!」
由佳は早速、煮物を食べる。
由佳はたまに居酒屋に来てくれる。
「ん~やっぱりうまいっ!」
由佳はそう言いながらビールを飲む。
私も、一緒にビールを飲む。
由佳と飲むビールは美味しい🎵
あっという間に空の缶がテーブルの上に並ぶ。
結構、ほろ酔いになって来た。
直哉の事もこの時ばかりは忘れて楽しむ。
由佳が「ごめん!トイレ貸して!」とトイレに立つ。
帰って来てから、由佳は「彩乃。理奈の事なんだけど…」と急に真面目な顔になった。
「理奈、どうかしたの?」
「彩乃、最近理奈に連絡している?」
「全然」
「直哉さんは帰って来ている?」
急に元旦那の名前を言われてびっくりした。
「えっ?直哉?」
「うん…言いにくいんだけどさ、理奈と直哉さん…そういう関係みたいだよ」
「えっ⁉まさかぁ~理奈に限って、それはないでしょ」
「実は、理奈から相談を受けたの」
由佳がこうして相談された事を他言するのはまずない。
由佳の真剣な表情を見ていたら、嘘だとは思えない。
由佳の話しは、まだ続いた。
「実は…理奈から…」
由佳がそう言いかけた時に由佳の携帯が鳴る。
由佳が慌ててカバンから携帯を取り出すと、パカッと開いた。
メールらしい。
由佳は「理奈からだ!」と言うので思わず由佳を見た。
由佳は眉間にしわを寄せて難しい顔をしてメールを見ている。
そして一言。
「理奈…最低」
そう言いながら由佳は私にメールを見せてくれた。
私は、理奈からのメールを見て驚いた。
信じられない内容だった。
彩乃の存在が邪魔😠
早く離婚してくれる様に由佳からも彩乃に言って!
「直哉さんが愛しているのは彩乃じゃなく理奈だって」伝えて!
こんな内容だった。
理奈…
こんな人間だと思わなかったよ。
不倫って、性格まで変えちゃうの?
あの明るくて優しかった理奈はどこにいってしまったの?
この間まで、由佳と理奈と3人で飲みに行ったり食事したりしてたのは何⁉
中学からの長い付き合いだったよね。
高校はみんな違ったけど、週末は必ず3人で遊びに行ったり誰かんちに泊まったりしてたよね。
何でも話せる本当の親友だと思ってた。
でももう…終わりだね。
そこまで言わせてしまう私が悪いんだよね。
わかったよ理奈。
直哉と離婚するよ。
由佳が「彩乃、私理奈が許せない💢何なの⁉親友の旦那と不倫しといて、別れてくれる様に協力してくれ⁉ふざけんな😠」
そう言って、ビールを一気に飲み干した。
私は、突然の事でまだ気持ちがついていかない。
「彩乃、このままでいいの⁉」
「いや…良くないけど…」
「もう友達でも何でもない!旦那の事を悪く言うのもなんだけど、直哉さんも直哉さん!頭おかしいんじゃないの⁉」
由佳は早口で一気にしゃべる。
よほど頭にきているみたい。
「彩乃、何かゴメンね」
「えっ⁉何が⁉⁉」
「私、理奈と直哉さんとの事彩乃に話そうかどうしようかすごく悩んだんだ。
でも…余計な事しちゃった…ゴメンね…ゴメン…」
今度は泣いてしまった😢
「由佳~泣かないでよ💦こっちこそゴメンね…ありがとう」
私も涙が出て来た。
いいだけ泣いたら、ちょっとすっきりした。
気分を変えようと冷蔵庫から買って来たチーズケーキを出した。
由佳はチーズケーキに目の色が変わる。
「頂きます😆」
チーズケーキも完食し、由佳は「何かあったらすぐ連絡してよ!じゃあね!」と言って夜中2時過ぎに帰って行った。
由佳が帰ってから、空になった缶を片付けながら私は直哉さんとの事を思い出していた。
こういう時って、楽しかった事ばかりを思い出してしまう。
そして泣く。
あんなに優しかった直哉さん。
プロポーズしてくれた時、俺が彩乃を一生守ってく!と言ってくれた。
付き合い始めた日に一緒に婚姻届けを出しに行った。
このマンションのカーテンやラグマットも一緒に買いに行き、趣味が別れてすごく悩んだ。
挙式は挙げてないけど、ウェディングドレスを着て写真を撮った。
いずれは挙式したいと話していた。
あの時までは幸せだったな。
でも、今の直哉は私が愛した直哉じゃない。
離婚しかないのかな。
考えては泣いてを繰り返しているうちに、カーテンから光が入っていた。
ふと時計を見ると6時半になっていた。
「もう朝か」
結局、一睡もしないで朝を迎えた。
食欲もない。
片付けも中途半端。
気力だけで動く。
抜け殻みたいな私。
その時に私の携帯が鳴る。
その音で我に返った。
「こんな朝早くに誰だろ⁉」
慌てて携帯を手に取り画面を見る。
由佳だった。
「もしもし!」
「おはよう彩乃!朝早くからゴメンね💦少しは眠れた⁉」
「う~ん…」
「そうだよね💧うちに帰って来てから彩乃の事が気になってさ」
「ありがとう!大丈夫だよ😄」
「今日も仕事なんだけど、何かあったら絶対連絡してよ!じゃあね!」
そう言って由佳は電話を切った。
心配してくれているんだな。
由佳、ありがとう!
その時、直哉が帰って来た。
着替えに来たんだな。
直哉は部屋の様子を見るなり「はぁ~」と深いため息をついて「汚い部屋だな、片付けくらいしろよ。まるで豚小屋だな」と吐き捨てる様に言った。
私は無表情で「理奈の部屋は綺麗なんだろうね」と言うと、直哉はびっくりした表情を見せたがそのまま無言で寝室に入り着替えを持ってシャワーを浴びに向かった。
その隙に直哉のカバンから携帯を取り上げてメールを見る。
直哉の携帯を見るのは初めて。
私と機種は同じなので、使い方は良く知っている。
理奈とのやりとりメールがそのまま残されていた。
「今日は直哉さんが好きな唐揚げだよ~❤
だから早く帰って来てね❤」
「私も愛してる❤」
「早く直哉さんのお嫁さんになりたいな😄早く彩乃と離婚してよ😫」
「着いたよ✌待ってるから早く来てね❤」
そして理奈と一緒に写した写メも見つけた。
私は、直哉の携帯を音をサイレントに切り替えて隠した。
その時に直哉はシャワーからあがった。
直哉は無言のままスーツに着替えて、足早に家を出た。
その隙に、理奈とのやりとりのメールや写メを私の携帯に送り、履歴は消す。
その時に直哉の携帯が鳴る。
画面を見ると「理奈❤」と出た。
何が「理奈❤」だよ💢
私は携帯をそのままの状態で切れるのを待つ。
その後すぐ「まだ~⁉彩乃と何か話してるの😱」とメールが来た。
今日は仕事じゃないのか💢
私は怒りがピークに達し、メールや写メの転送が終わった直哉の携帯を壁に投げつけた。
その後、直哉の携帯をサイレントから元に戻し、さっきまで着ていたスーツの胸ポケットにしまいこんだ。
私は一切携帯見てません、知りません!
そのためのアリバイ工作💧
私は、転送したメールを改めて見直す。
直哉も歯がうく様なメールを送っている。
直哉も理奈も周りが見えなくなっているんだろう。
恋は盲目って言うしな。
私の怒りは少し落ち着き、携帯を閉じて片付けを始める。
そこに直哉が戻って来た。
携帯を取りに帰ってきたのだろう。
携帯を見付けると、無言のまままた出て行った。
バレてなきゃいいけど😅
私はまた再び、直哉と理奈のメールを見る。
見れば見るほど、怒りが込み上げてくる。
なら見なきゃいいんじゃない?と突っ込まれそうだけど、どうしても見てしまう💧
そのうちに眠ってしまった私。
起きると、居酒屋がオープンする時間になっていた。
親からも着信があったが気付かなかった。
慌てて支度をして店に向かう。
お母さんが忙しそうに開店前の準備をしていた。
いつもは私の仕事だ。
お父さんが「寝坊か」と笑っている。
まだ両親には直哉と理奈の事は言えない。
理奈の事も良く知っている。
私は、いつもの私を装い「看板娘」をこなした。
今日は平日。
お客さんも少ない。
暇な時間に厨房で晩御飯。
とは言っても合間をみてなので、ゆっくりもしていられない。
お客さんに声を掛けられればすぐ出て行く。
晩御飯を食べながら携帯を開く。
「着信3件」
履歴を見る。
由佳と知らない番号と直哉のお義母さん。
由佳は「実家の店番かぁ~?また電話するね!」と留守電が入っていたが、知らない番号とお義母さんはただ履歴だけが残っていた。
明日の日中にお義母さんに電話しよう。
閉店時間になり、のれんを下げて閉店準備。
私は一生懸命洗い物をしていたら、お母さんが「彩乃、直哉さんと喧嘩でもしたの?何かあったでしょ」と言って来た。
母、鋭し💧
「いやぁ、何でもないよ💦」
「夫婦喧嘩もほどほどにするんだよ😄」
そう言って、レジのドロワーごと持って2階の部屋に行った。
親には全てバレてしまうな💧
今日の仕事は終わり、自分の部屋に帰った。
部屋に帰って来ても、やっぱり直哉はいない。
帰った形跡もない。
今日も理奈のとこか。
「ふぅ…」深いため息が出る。
だんだん虚しくなって来た。
直哉も理奈も、絶対私をなめてるな💢
今に見てろよ!
そう思うけど、何をどうしたらいいのかわからない。
離婚はする。
このまま夫婦関係を続けていても、もう戻れないのは目に見えている。
でも、ただ離婚するんじゃなく懲らしめてやりたい!
…今日は頭が働かないからまた明日考えよ。
どうせ直哉は帰って来ないから、時間はたっぷりあるしね。
その日は爆睡した。
起きたら朝9時を過ぎていた。
寝すぎた💦
慌てて起きる。
直哉は今日は帰って来た形跡はない。
「着替えにも帰って来てないのか」
そう呟きながら、目覚めのコーヒーをいれて飲む。
そこに私の携帯が鳴る。
画面を見ると直哉のお義母さん。
「はい!もしもし!おはようございます!」
「彩乃さん、おはよう」
「昨日も電話頂いたみたいで…すみません💦」
「いいのよ、ねぇ彩乃さん。昨日、直哉から連絡があって…彩乃さんと離婚したいと言って来たのよ😞」
「えっ…」
「何があったの⁉正直に話してもらえる?」
「はぁ…」
「彩乃さんからも話を聞きたいと思って電話したの。今日、これからって時間ある?」
「ありますけど…」
「じゃ、お昼頃伺うわね」
「わかりました」
お義母さんとの電話を切ると、私は慌てて部屋を片付け始めた。
最近、怠けて片付けをしていない💧
そして軽くシャワーを浴びて化粧して、何とか人を呼べる状態にした。
一気に動いたから疲れちゃった😅
その時「ピンポーン」とインターホンが鳴った。
お義母さんが来た。
手にはいっぱい袋を持っている。
「彩乃さんと一緒に食べようと思って😄」
お弁当とかお菓子とか、いっぱいあった。
「お義母さん、こんなにいっぱい…いくらかかりましたか?払いますよ💦」
「いらないわよ、私が勝手に買って来たんだから…お昼まだでしょ?」
そう言って、袋をテーブルの上に置いた。
「あ…でも…」
「いいのいいの!早速開けましょ!」
買い物袋からお弁当とペットボトルのお茶を出した。
「作りたてだから今のうちに食べましょ」
「すみません…頂きます」
幕の内弁当を頂きながら、お義母さんは話し出す。
「彩乃さん、直哉と何があったの?」
早速切り出された💧
悩んだけど正直に言った方がいいのかな。
そう思って「あの…直哉さん…浮気していて、家に帰らなくなりました」
「やっぱりね…はぁ~」
とお義母さんはため息をついた。
「私にも原因があると思うんです。でも、まだ籍を入れて一年経ってないので…」
「バカな息子で申し訳ない…こんなにいいお嫁さんをもらっていながら、何をやっているんだか💢」
そう言ってくれたのが嬉しかった。
ずっと至らない嫁だと思っていたから…涙が出てきた。
「彩乃さん、泣かないで😞まずはお弁当食べましょ」
お義母さんの優しさが嬉しかった。
それからは一旦話を変えて談笑しながらのお昼になった。
お弁当も食べ終わり、食後のデザートでプリンがあった。
それからも、かりんとうやポテトチップスや饅頭などたくさんのおやつがテーブルの上に並ぶ。
お義母さん、嬉しいけど…こんなに食べられないよ😫
落ち着いたところで、お義母さんがまた直哉の事を話して来た。
「直哉は一人っ子でしょ?厳しくしてきたつもりだったんだけど、やっぱり甘やかせてしまったのかしら。」
「いえ、そんなこと…」
「彩乃さん、ごめんなさいね」
更にお義母さんは続く。
「私は、彩乃さんの事を本当の娘だと思ってるの。
浮気をしているバカ息子が100%悪いし、彩乃さんから離婚を言われても仕方がないと思っている。
でも、浮気相手との結婚は絶対に認めないし会う気もない」
お義母さんはお茶を飲み、更に続ける。
「彩乃さん、もしまだ少しでも直哉を思っている気持ちがあるなら、直哉をまた受け入れてもらえないだろうか?」
えっ?
それって、浮気を容認するって事⁉
「直哉は今、頭がめでたくなっている状態だから、近いうちに頭を冷やす様に私からも言います。
彩乃さん、私からのお願いです。もうしばらく直哉に時間を下さる?」
その時はまだ直哉の事は嫌いではなかった。
だからこそ、理奈との浮気が辛かった。
「ちょっと考えさせて下さい」
「彩乃さんには本当に申し訳なく思ってます」
そう言ってお義母さんは頭を下げた。
「頭を上げて下さい💦」
私はお義母さんに駆け寄り肩に手を置く。
お義母さんは泣いていた。
お義母さん…。
お義母さんのその姿を見て胸が締め付けられる思いがした。
お義母さんをこんなに悲しませるなんて😠
私は、もう一度だけ直哉を待ってみる事にした。
でも、直哉は相変わらず理奈のアパートに入り浸りで帰って来る事がなくなった。
そのうちにお給料の振り込みが途絶えた。
その事で直哉に連絡をするが、一切連絡がつかない。
しまいには着信拒否され、アドレスも変えられた。
ここまでされて、我慢されなきゃならないの⁉
私は理奈に連絡をした。
しかし「おかけになった電話番号は現在使われておりません」のガイダンスが流れた。
もちろんメールアドレスも変わり、送る事が出来ない。
怒りが込み上げて来た。
バカにして💢
思わず携帯を投げ付けた。
その時に携帯が鳴った。
慌てて拾い画面を見るとお義母さんだった。
「あっ、はい!もしもし!」
「今、忙しかったかしら?」
携帯投げ付けて、拾いに行くのに時間がかかったとは言えず「いえ💦ちょっと携帯から離れてまして」と誤魔化した。
「いきなりで悪いんだけど、今日の夜って時間あるかしら?」
実家の居酒屋に行く予定だけど、今日は平日だし休ませてもらおう。
心理的にそれどころじゃないし😞
「はい、大丈夫ですけど…」
「実は今日、直哉が彼女を連れて来るって言ってるのよ…」
「え~⁉わかりました…」
直哉や理奈に聞きたい事もあるし、私は時間まで戦闘準備を始めた。
私はノートを出して来て、箇条書きにして色々書いてみた。
直哉に聞きたい事、理奈に聞きたい事。
でも、書いては破ってクチャクチャに丸める。
ため息ばかり。
時間だけが経って行く。
気分を替えてみようとシャワーに入る。
少しすっきりしたところでまたノートとにらめっこ。
直哉と理奈に対する嫉妬心が邪魔をしてなかなか書けない😞
結局、何にも書けず⤵
「彩乃、頑張れ!」
自分に言い聞かせる。
そして、いよいよ行く時間になる。
直哉の実家に着いた。
大きく深呼吸をして、インターホンを押す。
お義母さんが出て来た。
「彩乃さん、大丈夫!私もお父さんも彩乃さんの味方だから!」
そう言われて、ちょっと落ち着いた私。
リビングに通された。
お義父さんが「彩乃さん、わざわざ申し訳ない」と軽く頭を下げた。
「いえ、とんでもない」
私は緊張の余り、出されたお茶も喉を通らない。
お義父さんもお義母さんも無言だ。
静かな時間を遮る様にインターホンが鳴った。
直哉が来た!
お義母さんが玄関に行く。
緊張が高まる。
どうしよう…😱
勢いで来たのはいいけど、気持ちがまだ整理出来ていないよ💧
でも、私は直哉の妻だ。
悪い事は何一つしていない!
堂々としていていい人間だ。
それよりも、理奈のやつよく直哉の実家に来れたな😅
その時「彩乃⁉何でお前がいるんだ⁉」
直哉が私を見て驚いている。
その後ろにいた理奈も、驚いた表情で私を見ている。
「こんばんは」
「何がこんばんはだよ💢帰れよ!お前は関係ないだろ💢」
その時、お義父さんが「直哉!彩乃さんは私達が呼んだんだ!いいから座れ!」と一喝、直哉はおとなしくなった。
テーブルを挟み、お義父さん、お義母さん、私。
反対側に直哉と理奈が座る。
理奈は私をチラチラ見る。
そして理奈が「よろしければ召し上がって下さい。直哉さんから和菓子が好きだと伺っていたので…」とお菓子の折をお義母さんに差し出したが、お義母さんは「結構です」と受け取らなかった。
まず、話を切り出したのは直哉だった。
「俺、彩乃と別れて隣にいる理奈と一緒になりたいと思っている。俺の理想の女性なんだ」
そう言って理奈を見る。
そして「はっきり言うと彩乃に対して何の気持ちもないし、このまま夫婦を続けていく自信がない。少し結婚を早まった。もう少し早く理奈に会っていたら…」
「直哉!いい加減にしなさい!」
お義母さんが口を開いた。
「今回、その人をうちに呼んだのは、目を覚ましてもらうためよ!」
そう言ってお義母さんは理奈を睨んだ。
「あなたね、直哉に嫁がいる事を知ってて付き合ってるんでしょ⁉呼んだとはいえ、よく堂々と来れたわね!」
理奈は私を睨む。
睨まれても私悪くないもん。
「直哉!お前もバカな事を言ってないで、目を覚ましなさい!」
お義母さんは怒りが込み上げて来たみたいで、声が段々大きくなり口調も強くなる。
お義父さんは黙ったまま。
直哉は「俺は目は覚めてる!彩乃、頼むから離婚してくれ!言っちゃ悪いが彩乃よりも理奈といた方が何倍も居心地がいいんだよ。お前との結婚生活はもう破綻してるし、これからも彩乃とやってく自信はない」
理奈は勝ち誇った顔で私を見ている。
そして更に「彩乃が離婚してくれないから、理奈はいつも悩んでいたんだよ💢だから頼むから離婚してくれないか?親父もお袋も、きっと彩乃より素晴らしいお嫁さんだと気に入るはずだから!」
その時、お義父さんが初めて口を開いた。
「直哉!お前は何を言っているのかわかっているのか⁉もし、彩乃さんと離婚してこの女と一緒になりたいと言うならお前とは縁を切る!二度とうちに来るな💢この女との結婚は一切認めない!」
お義母さんが「そうよ!あんた人として恥ずかしい事をして…情けない」と呆れた口調で言い放った。
直哉は私を睨み「お前、俺の両親に何を吹き込んだ?お前最低だな💢」
それまで黙って聞いていた私。
でもそこで、何かが私の中ではじけた。
私は無言で直哉のところへ行き、「ふざけんな💢」と言ってグーで顔を殴った。
そして「離婚してやるよ💢家にも帰って来ない、給料も入れてくれない女に狂ったバカは好きにすれば?」と怒鳴った。
人生でこんなにぶちギレたのは初めて。
みんな黙っていた。
「黙って聞いていたら、まぁ~好き勝手な事ばっか言っちゃってさ💢何が理奈を愛してるだよ💢私とは破綻⁉お前がそうしたんだろ⁉」
「直哉にも理奈にもがっかりだよ。そんな人間だとは思わなかった。最低💢」
直哉は「最低で結構!彩乃に最低と思われても何とも思わないし。もう言う事はないか?気が済んだか?じゃあ~離婚決定という事で」
そこまで言う?
お義母さんが「直哉!」そう言ってお義母さんも直哉を叩いた。
直哉は「叩きたきゃ叩けばいいよ。何をされても理奈と一緒になりたい気持ちにはかわりないから」
私は涙が溢れて来た。
それを見て直哉は「泣いたって同情はしない」と冷たく言い放った。
もう本当に終わりだね。
「明日、離婚届けを彩乃のところに持って行くから。離婚が決まれば、彩乃に用はない。なっ!」
そう言って直哉は理奈を見た。
理奈は嬉しそうな表情をしている。
お義父さんが、怒りを押しころした様な低い声でゆっくりとした口調で「直哉、二度とうちには来るな!お前の顔もその女の顔も見たくない」
「入籍する時に、婚姻届けの保証人の覧に名前は書いてよ」
「何を言ってるんだ💢」
「親父とお袋が書いてくれないなら、誰かに頼むからいいよ」
「直哉!」
「別に親子の縁、切られても構わないよ。理奈さえいてくれたら。じゃあ~俺達は帰るから。彩乃、明日頼むね」
そう言って帰って行った。
直哉がもうかけらも私に気持ちがない事は良くわかった。
「お義父さん、お義母さん、短い間でしたがお世話になりました」
そう言ってお辞儀をした。
「彩乃さん…」
お義母さんは涙を浮かべている。
お義父さんは難しい顔をしている。
「直哉さんにあそこまで言われたら、もう自信なくしちゃいました。離婚します。今までありがとうございました」
そう言って私は直哉の実家を後にした。
私は由佳に電話する。
「もしもし?彩乃⁉」
「由佳~」
由佳の声を聞いた瞬間、我慢していた感情が爆発、泣いてしまった。
「彩乃⁉どうしたの⁉今どこにいるの⁉」
私は泣きながら由佳に簡単に事情を説明、由佳は「今すぐそこに行くから待ってて!」と言って電話を切った。
少し経ってから、由佳は軽自動車で迎えに来てくれた。
由佳は運転席の窓を開けて「彩乃!車に乗って!」と叫んだ。
私は由佳の車の助手席に乗り込んだ。
由佳の顔を見たら、また涙が出て来た。
由佳は「泣きたい時は泣くのが一番だよ」
その言葉に更に号泣。
由佳は私の泣き声をBGMに車を運転。
コンビニに着いた。
「何か飲むでしょ?」
そう言って由佳は降りて行った。
程なくして袋いっぱいに飲み物を持って来た。
その中からお茶のペットボトルを2本取り出し「飲みな~」と1本くれた。
「ありがとう」
お茶を飲んだら、少し落ち着いた。
由佳の車は私のアパートに着いた。
良く見たら、由佳は部屋着のスウェット姿のまま。
急いで来てくれたんだ。
「由佳、ごめんなさい」
「ん?何が?」
「急いで来てくれたんだね」
「あはは(笑)ちょうどお風呂上がりでね😄このまま来ちゃった」
「ごめん…」
「気にしない気にしない!せっかくだから彩乃の部屋でお茶くらい飲ませてよ😁車だから飲めないけど😞」
残念そうに言うと、由佳は買って来たコンビニの袋とカバンを持って車を降りた。
部屋に入ると、由佳は早速袋から飲み物を並べる。
「好きなの飲んで~」
そう言いながらも由佳は私に栄養ドリンクをくれた。
「少しは元気になるかな」
そう言って笑っている由佳。
由佳には甘えてばかり。
由佳の優しさにまた涙が出る。
由佳は「彩乃、頑張ったね!」と言って抱き締めてくれた。
私はまた号泣。
旦那と親友を一気になくした夜だった。
泣くだけ泣いたら落ち着いた私。
由佳は「彩乃の両親は知ってるの?」
「多分知らない」
「離婚する理由とか、これからどうするとかまずは親に知らせないと」
「うん…」
「ていうかさ、直哉さんと離婚したら彩乃どうするつもりだったの?」
言われるまで考えもしなかった💧
「ここのアパートだって引き払うだろうし、仕事も見つけないと…」
「うん…」
「大丈夫⁉しっかりしないと!」
やっぱり由佳は頼りになる。
普通ならわかる事でも、この時は視野も狭いし思考回路もぐちゃぐちゃ。
由佳はそんな私を見抜いた様に、色んなアドバイスをくれる。
私は、由佳のアドバイスをノートに記録する。
最後に「今日、このまま彩乃んちに泊まりたい気分だけど、私がいるとやらなきゃいけない事も考えなきゃいけない事も出来ないでしょ?彩乃なら大丈夫!でも、切羽詰まったらいつでも連絡する様に!」
「はい!わかりました!」
「よろしい😁じゃ~ね!」
そう言って、由佳は帰って行った。
それから、由佳に言われた通りこれから私がやらなきゃいけない事をまとめてみた。
でも、直哉と理奈への嫉妬心でおかしくなりそう😱
今頃は「やっと彩乃も離婚に応じてくれたから、ずっと一緒にいれるね❤」なんて話しているんだろうか💢
…ムカつく💢💢💢
頭には来るけど、現実を受け入れるしかない。
その時に電話が鳴る。
携帯を見る。
直哉だ!
出たい気持ちをぐっとこらえて切れるのを待つ。
すぐ切れて、また掛かって来た。
また出ないで切れるのを待つ。
私からは拒否してんのに、直哉から都合良い時だけ電話してきて💢
どうせ、離婚の話しでしょ。
すると今度はショートメールで連絡が来た。
そんなにアドレス教えたくないんかい💢
「明日の昼に離婚届け持って行くから」
明日は書かないよ~😜
こっちにだって、やらなきゃいけない事もたくさんあるんだから。
全て終わったら離婚してあげるから!
何故かわからないけど、直哉からの電話が私のやる気を奮い起たせた。
まず、これからしなきゃいけない事。
・引っ越し、荷造り
・職探し
・親に言う
この3つを書き出す。
親はまだ仕事の時間。
連絡は明日にしよう。
引っ越し…実家に帰るかな💦
でも、直哉がお給料入れてくれなくなって家賃や光熱費払ったから引っ越し代ないや😱
家電は直哉の両親が買ってくれた。
返すか😞
仕事かぁ。
引っ越し先が決まらなかったら仕事は無理かな。
離婚って…思っていた以上に大変だな。
結局、ほとんど眠る事なく朝を迎えた。
テレビをつけると、朝の情報番組が始まっていた。
今日は直哉が来る前に家を出るか。
まだ早いけど、支度を始める。
伊藤家の朝は遅い。
いつも朝9時過ぎに起きる。
その頃に合わせて実家に行こう。
午後からは買い物や仕込みとかで忙しくなるから、午前中しか時間がない。
ていうか、お腹すいた😅
考えてみたら昨日の夜から何にも食べていない💦
こんな時でもお腹はすくんだな(笑)
買っておいた食パン2枚と賞味期限が今日までのヨーグルトも食べた。
お腹も落ち着き、時計を見ると8時半を過ぎていた。
これから実家に行けばちょうどいいかな?
私は、自転車に乗り実家に向かった。
今日の天気は快晴☀
雲一つない、気持ちがいい青空が広がる。
風も爽やかで気持ちがいい。
実家に到着。
店は閉まっているため、裏の出入口に回る。
郵便受けを見る。
新聞がないという事は、もう起きてるな。
インターホンを鳴らすとお母さんが出てきた。
「あら彩乃⁉どうしたの、こんな時間に」
「ちょっと話があってね。お父さんは?」
「今、新聞見てる」
私は、リビングに行くとお父さんが「おう、どうした」と私を見た。
「うん…今日は話があって」
何だか言い出しにくい💧
お母さんは店の烏龍茶を持って来て、私にくれた。
「直哉さんと何かあったの?」
お母さんが言う。
「うん…実は直哉…ねぇ、理奈って覚えてる?」
「理奈ちゃん?覚えてるわよ!可愛い子でしょ?」
「そう、実は直哉、理奈と浮気してて理奈と一緒になりたいから私と離婚してくれって言われた」
「え~⁉」
お母さんは驚き、お父さんは読んでいた新聞を畳んだ。
「何だってまた…彩乃、あんたも何か浮気される心当たりはないのかい?」
「あるんだろうけど、自分じゃわかんない」
「困ったねぇ…」
お母さんはそう言ってお父さんを見る。
お父さんは黙っている。
そして、昨日あった事も全て話した。
するとお父さんが「彩乃、直哉さんを連れて来い!連れて来ないなら、俺から行く!」
と口を開いた。
「来いったって…きっと来ないよ」
「今すぐ電話しろ!」
私は直哉に電話をする。
拒否を解除したのか繋がった。
「もしもし」
直哉が出た。
「ちょっと話があるんだけど…」
「離婚の話し以外なら切るぞ」
その時、お父さんが私から携帯を奪うといきなり怒鳴った。
「おい!お前ふざけんなよ💢娘と離婚したかったら、うちに来てきちんと説明しろ!来なかったら俺から行く💢」
「あっ?💢聞こえない!はっきりしゃべろ!」
「おい!バカにしてんのか?黙ってないで何かしゃべろ!コノヤロ💢」
「…おう、わかった」
私に変わった時には既に電話は切れていた。
「これから来るみたいだから、帰ったら塩まいとけ」
そう言って着替えに部屋に行った。
お母さんも慌てて着替えに行く。
それから程なくして、本当に直哉が来た。
お父さんの激怒ぶりにびびったのかもしれない。
直哉は恐縮した姿で玄関にいた。
今回は直哉一人だけだった。
お母さんが烏龍茶を出す。
直哉は「すみません」とは言うが口はつけない。
額に汗がびっしょりだ。
昨日までのあの直哉はどこに行った?
すっかり借りてきた猫。
仮面かぶりまくりの真面目な直哉だった。
お父さんが早速「さぁ、きちんと説明してもらおうか」と直哉に言う。
直哉は下を向いたまま黙っている。
「黙ってたらわからないな💢説明出来ないなら何しに来たんだ?あっ?💢」
お父さんは直哉に怒鳴った。
「あの…原因は彩乃にもあるんです」
「だからと言って浮気していいのか?お前、言ったよな?彩乃を幸せにしますからってな!それなのに一年もしないでこれか💢」
「すみません…」
「すみませんじゃねーよ💢」
私もお母さんも、2人のやり取りを黙って聞いていた。
「俺は、お前を信用して彩乃を嫁にやった。孫も楽しみにしていた。お前の真面目さをかったつもりでいたが、どうやら俺の目は節穴だった様だ」
直哉は相変わらず下を向いて黙っている。
「確かに彩乃は親から見てもだらしないところはある。でも、彩乃は彩乃なりにお前のために一生懸命やっていたはずだ」
「あの…」
「何だ」
「離婚届けを今日彩乃さんが書いてくれるという話しでしたが…」
「そんなのは知らん!離婚する前に言う事はないのか?」
「ありがとうございました」
「…今日は離婚届けは書かせない」
「話が違います!」
直哉は叫ぶ。
「順序があるだろ。まず離婚する前に彩乃に対して謝罪しろ。そしてけじめとして女とお前に慰謝料を請求する。全額払ってもらうまでは離婚はなしだ」
「慰謝料?そんなお金ありません…」
「正式な書類を揃えたら法律上有効な証書を送るから。不満や言いたい事は裁判所で聞こうじゃないか。」
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