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No.84 19/10/27 19:25
チキン ( 30代 ♂ BMsZnb )
あ+あ-

≫83

『──オリオン座流星群の活動がピークを向かえます。
今夜未明から明け方にかけてが見ごろでしょう。しかしこの時間帯には下弦の月が夜空を照らしているので、条件は良いとはいえないでしょう──』



何気ないラジオからの情報が耳に入る。


流星群か
見たことがない。

いくつもの流れ星が駆け巡って
それはとても神秘的なんだろうな


人の手には届かない世界
それは魔法のようでいて
魔法という言い方が違うのなら神秘という言い方になるだろう
神秘的なものは特別な光を放っている


俺の走ってる車も流星の一つで
誰かの願いを叶えたりできるのかねぇ…
アマゾンの宅配便とかなら、

「ふっ」

何を考えているんだと自分のことが可笑しくなり気の緩んだ息が漏れる。
入院してる間考える時間がありすぎて
そんな考え方も身についてしまったのだろうか。



ちょっとあそこのセブンでコーヒーでも買って小休憩にしようか。




車内に漂うコーヒーの香りを堪能しながら啜っていると、
ふと頭にある映像が浮かんできた。


目先のフロントガラスに雨粒が貼りつきワイパーが目の前をかすめてゆく。
粒が溜まってきては掃き溜まってきては掃きを決まったテンポで繰り返す。


その心地よいテンポに見とれているところへ左側のドアが開いて誰かが乗り込んできた。

誰かと問うまでもなくそれは高橋だろう。
そう直感する。

だろうと思っていても顔から下しか捉えてなくて表情までは読み取ることができない。

高橋の顔のはず、
はずの顔が浮かんでこない。


なぜだろう。


映像はそこまで。



この場所に来ていたのかもしれない。

その日は雨が降っていたんだろうおそらく。


もう一口コーヒーを啜って車を発進し始めようと思っていた矢先
左側のドアの窓をコンコンとノックする音が聞こえた。

咄嗟に高橋?と音の方を向く。

つい先ほどまで頭の中に浮かんでいた映像と現実に境界を引く間がなかったので気持ちが延長していた。


窓の向こうに見えるのはスーツの衣装。
なんとなく高橋ぽさに欠けるような

ガチャっとドアが開きその人物が顔を覗かせるのと口を開くのは同時で開口一番


「こんにちは足原さん
わたくしドッペルゲンガーです」と

全く見覚えのない男が
全くとはいえない身に覚えのあるワードを口にしていた──

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