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ウルトラ八兄弟サーガ

No.9 18/02/12 06:27
作家
あ+あ-

怪我をしたダンは咲子により肩を治されていた。
「いたっ」
「軽い打撲でよかったけど骨が折れてたら大変よ」
「ごめんなさい。僕のために」
謝るトオルにダンは苦笑いした。次郎が聞く。
「トオルくんはここの子なのかい」
「ううん」
トオルは自分のむかし話をした。かつては父がいたが父は通り魔のような星人に殺されその後はゲンと百子お姉さんたちのもとに身を寄せていたが、百子や妹はあの円盤生物に殺されたという。
呟く次郎。
「俺とおなじだな」
次郎もまたかつてのナックル星人の策略により兄と姉を失い兄代わりであった郷秀樹、隣に住むルミ子が家族代わりとなった。郷はいないが。
「お兄ちゃんもか」
はい、これでいいわと咲子に肩を治されたダンは肩を動かす。
「無理しない」
「へっちゃらさ」
「ほどほどにしないとな」
健一の言葉にみな笑い合う。咲子は次郎たちにお茶菓子を振る舞った。
「みんなご家族を亡くされているのね」
「はい」
「姉さんがいるからな。俺には」
「ダンの姉さん好きも変わらすだよ」
そこへ美山家に帰ってきたのはあゆみといずみだ。
「トオルくん。あらお友だち?」
「トオル兄ちゃん。またケンカしたでしょう」
次郎や健一はいずみの大人っぽさに見とれるが、ダンも香代子とはちがう歳上の異性に少し惹かれた。
「うるさいな。相手は中学生なんだぜ。ゲンさんだって許してくれるさ」
ゲンと彼にも兄のように慕う者がいるらしい。
時計を見て次郎が気づく。
「しまった。待ち合わせがあったんだ。トオルくんまたな」
いくぞ、と次郎たちは慌てながら玄関に向かい駆けていく。その姿に咲子は微笑む。
「気をつけてね。またいらっしゃい」
「はい!ごちそうさまでした」
ごちそうさまでした!と声が重なり三人の姿は去っていく。
「またね!お兄ちゃんたち」
「男の子てバカね」
「あゆみ、男の子は元気なくらいがいいのよ」
トオルの目には次郎たちがウルトラ兄弟に重なり見えさらにかつてウルトラマンレオとして正体を明かしたゲンの姿が見えるようだった。
「ゲンさん。地球のどこかにいるよね」
「いるよ!」
あゆみの微笑ましい顔に元気づけられた。
しかしジェダによる侵略の魔の手はすでに地球に来ていた。
邪悪な輝きと共に。

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