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糸使いと異能マンションの住民たち

No.8 17/03/24 03:06
小説大好き5
あ+あ-

しばらくして――――
一同は赤いカーペットの敷かれた床に、円になって座っていた。(ただし、大蛇は別だ。円に入りきらないし、樹を追いかけまわし疲れ、寝ていた。)糸乃、シルヴィア、イラル、ゴブリン、騎士、樹。その中心には漆黒の手紙が置いてある。
「で、結局その手紙には何が書いてあるの?」
糸乃は置いてある漆黒の手紙を指さしながらイルラに尋ねた。イルラは気まずそうな顔をし、なかなか答えようとしない。それにしびれを切らしたシルヴィアが苛立たしそうに口を開いた。
「漆黒の手紙なんてそうそうお目にかかれないわ。魔界から届いたものよ。」
「ふーん?じゃあシルヴィアは何に対して怒ってたの?その手紙が原因なんでしょ?」
その言葉を聞いて、シルヴィアの目が燃え上がった。隣に座っていた糸乃が驚いて身を引くくらいに。
「だって!」
と、叫んだシルヴィアの次の言葉を、糸乃達は身構えて待ち―――
「まな板でじゃじゃ馬、欠陥だらけの時の魔女よりも、美しくて女らしい上等な女悪魔の方がいいだろうってかいてあったんだもの!」
脱力した。糸乃は軽くショックを受け、呟いた。
「ま、まな板・・・・・」
どんよりとした糸乃を見て、樹は真面目な顔をして糸乃の頭を撫でた。
「お前は大丈夫だ。まだ救いようがある。」
「どこ見て言ってんのよ!」
糸乃が言い返し、チラッとシルヴィアの胸を見る。
・・・・・・・・・・・・
失礼ながら、ちょっと立ち直れたかもしれない。
「何よ!」
糸乃と樹から憐みの目を向けられたシルヴィアが顔を赤く染めて睨みつける。
「ですが、私は貴女のような美しい女性にお目にかかったことはない。貴女は十分美しい。」
突然、それまで黙って話を聞いていた騎士が口を開いた。その表情は銀色の甲冑に阻まれて見えない。この騎士は謎なのだ。甲冑を外したところを見た者はいなく、名前すら不明。何か事情があるのかもしれないが、謎の騎士だ。
その騎士がシルヴィアをほめたのは、糸乃にとって予想外であった。
「ただの脳筋かと思ってたら案外タラシだった・・・」
樹が糸乃の隣で呟く。でも確かに、騎士の言う事はもっともでもある。シルヴィアの容姿は美しい。銀髪に緑の瞳。小柄で、細い。美女とまではいかないが、誰もが美少女だとは言うだろう。

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