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ジャイアントロボ 地球が静止する日 外伝 〜鉄人と少年探偵〜

No.6 16/11/02 20:37
作家
あ+あ-

大怪球フォーグラーつまりはアンチシズマドライブの影響が少ないとはいえ東京は朝にも関わらず静かだった。
まるで高度成長期による団地開拓建設などが始まる前の田舎の様相を残した東京の郊外くらいに音がないのだ。ひとや車はいるが、フォーグラーに怯えているのが会社員やOL、学生や子どもたちに青い顔があった。
正太郎は車と鉄人を同時に操り警視庁の駐車場に車と鉄人を止めた。
警視庁の側に鋼鉄の巨人鉄人28号が着地し立つ姿は人々に偉容と希望を照らす象徴に見えた。
「鉄人だ!」「金田正太郎くん!」「かわいい!」と人々の声が明るくなる。
照れながらも正太郎は警視庁の玄関に立つ警官にちいさく頭を下げ入る。若い警官はつかれはあったが笑みを正太郎の背中に見せた。

「おお、正太郎くん。おはよう早いね」

「昨夜の事件の銀行強盗はどうです?」

「昨日見たとおりじゃ。彼らはBF団とのつながりはないらしい。彼らも知らないの一点張りだ」

大塚署長は昨夜のつかれをものともしないのは敷島博士とは対照的である。が、肝心のBF団は姿を見せない。
見せるのは小悪党ばかりだ。もちろん彼らは犯罪者である。
しかし、アンチシズマドライブの影響が少ないとはいえフォーグラーがなければ平穏と細々ながら小市民として暮らしていたかもしれない者たちだ。

「罪は償ってもらわんと世間さまにも悪いからな」

はい、と正太郎は答える。埼玉の事件も怪ロボットを使った強盗事件だった。刑務所行きの護送車に乗せられる昨夜の銀行強盗は一様にふてくされながら反省の色はわずかにあったらしい。
正太郎の顔に気づくと、顔をそむけた。悪びれながらも後悔が少しはあるようだ。

「敷島くんはどうした」

「少し眠ってから大学の講義に向かうとおっしゃってました。昨夜は鉄人の修理でかかりきりなのに」

「敷島くんはまじめ実直だからのう」

警視庁の窓から見える巨人たる鉄人の姿に大塚署長はつぶやく。
そこへ警視庁に通報が入る。
銀座の宝石店に強盗が入ったという。

「やれやれ貧乏ヒマなしじゃ。正太郎くん」

「わかってます。ロボットに犯罪をさせたくありません」

正太郎のまっすぐな瞳には少年らしい輝きがあった。操縦器を鞄から出して動かす。
ガオーッと咆哮が広がった!

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