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ジャイアントロボ 地球が静止する日 外伝 〜鉄人と少年探偵〜

No.14 16/12/17 10:48
作家
あ+あ-

大怪球フォーグラーの内部操縦室にいる幻夜は部下から日本のことを知った。

「なに?鉄人が封印。日本という国はどこまで臆病なのだ。だが、大怪球フォーグラーが止まることはありえない」

彼は口許に笑みを浮かべながら操縦室内にある二本のアンチシズマドライブを見つめる。
そうだ、私は父が正しかったことを示すのだ。
その瞳にはわずかに少年のような輝きと哀しい明かりが内にある。だが気づく者はいない。
フォーグラーはゆっくりゆっくりとだが大平洋上を不気味に静かに進んでいた。日本を壊滅させるために……。
その頃、鉄人は敷島邸の地下で封印作業に入っていた。
その様子は神話に出てくる巨人やゴーレムが封印されるのに似ていた。手足は金属製のアームで拘束され首や背中のジェット、脚にいたるまでまるで闇に葬ろうとせんばかりだ。
だが、鉄人はもの言わぬひとのつくりし巨人。
ただ正太郎は敷島博士および彼にしたがう部下を頑なに見つめている。その瞳には鉄人にごめんなさいと言っているかのようでもあった。
大塚は鉄人の封印作業を正太郎と共に見守りまた敷島邸を警護する指揮にあたっていた。
彼もまたやりきれない思いはあった。
御前たちの意図するところはわからない。かつて日本は敗戦の痛みや重さを堪え高度成長期を経ていまにいたる明るさ希望がある。
それを今度は得体の知れない大怪球フォーグラーに再びこわされんとしてるのに唯一の守護神鉄人は封印されていく。
大塚は一言正太郎に謝る。謝ってもどうしようもないかも知れないが。

「すまん正太郎くん。わしは大人として恥ずかしい。君の活躍を知りながら君に悲しい思いをさせてしまう。悪い大人じゃ……」

「大塚署長……」

正太郎は大塚がなにか複雑な思いを抱えていることを少しだが察した。
彼が鉄人の活躍ひいては自分と鉄人こそが日本の治安を守っている理解者でもあった。
だが思う。いま自分は守っていると思ったが、傲りになって慢心があったのかもしれない。
大塚の気持ちは自分の気持ちと離れてはいないかもしれないが、拘束される鉄人は慢心した自分かもしれないとどこか自分と鉄人を重ね合わせた。

「封印は完了したか」

はい、と作業員たちは敷島博士に答える。
鉄人、と正太郎はひとり呟いた。
鉄人はこれから地下の闇で眠るのだ。

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