注目の話題: 連れ子が嫌いと言われた; 子ありと子なしはどちらが老後安泰？; 箱入り妹について

雨が降っていた

No.2　16/07/22 23:46
パンダっ子 ( UUqVnb ) あ+あ-

「もう一度言って」
声がかすれている。それだけを言うのが精一杯だった。顔が火照っているのが分かる。
友香は少し微笑んでゆっくり言った。
「琴乃が好き。付き合って欲しい。」
それは私がさっき友香にした告白そのままだった。
「琴乃に先越されちゃった。嫌われるかもって思ったら勇気出なくて。」
嬉しすぎて涙が出た。

「泣かないでよ。」
友香はそう言って私の頬に触れた。親指で涙を拭う。
「だって、う、嬉しいんだもん。」
私は号泣していた。止めたくても涙が後から後から出てくる。子供みたいに泣く私を友香は抱きしめた。友香の香りがする。泣きながらもその香りにクラクラした。

少し時間が経つと私も落ち着いてきた。
恥ずかしくなって照れ笑いをする。喉がカラカラに乾いていて何か飲みたいと強烈に思った。
「もう大丈夫だから」
本当はもっともっと友香に抱きついていたかったのだけど、さすがに恥ずかしい。
彼女の肩に手を置いて体を離そうとした時、目と目が合った。

友香が私をじっと見つめた後、ゆっくり目を閉じた。心臓がバクバクしているのが分かる。友香に聞こえているんじゃないかと思った。
ツヤツヤの柔らかそうな唇に私の唇が重なった時、友香がビクッとしたのが分かった。

柔らかい。ずーっとこうしていたい。
友香との始めてのキスは幸せ過ぎてこのまま死んでしまっても良いと本気で思った。

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