恋愛人生

レス116 HIT数 7863 あ+ あ-

★匿名希望☆( mxeFh )
08/05/25 13:07(更新日時)

彼と知り合った当時、侑香には“恋人”と呼ぶべき相手が存在した。


知り合いの紹介で付き合い始めて、三ヶ月足らず。

世間で言う所の『ラブラブ』な期間であるべき相手。


しかし、侑香の中で疑問が消えなかった。



(本当にこの人を好きなのだろうか?)


元々、相手の熱烈なアプローチから始った関係だ。


付き合っていく内に、相手を本当に好きになれるだろうと考えていた。


侑香はその外見から、お高く留まっていると誤解を受ける事が少なくなかった。

ハーフの様な顔立ち。透き通る様な白い肌。整ったプロポーション。長い手足。


本人には至って悪気は無いのだが、思った事をハッキリ言う性格と外見から、彼女を遠巻きにする男性が殆どだった。


加えて仕事以外では、人見知りをするものだから、一向に恋愛の“れ”の字も無い生活を送ってきた。


そんな彼女を見兼ねた友人が紹介してくれた男性が
『柏木 尚之』だった。


大人な男性だ。


それが彼の第一印象だった。


侑香はその恋愛経験の薄さから、こんな人が自分を相手にするわけが無いと思っていた。

彼から初めてのデートに誘われるまでは。

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No.925670 08/02/14 12:54(スレ作成日時)

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No.101 08/03/04 13:13
詩人知らず ( mxeFh )

――――side story――――


    【Shiori】




人を好きになる事が



こんなに苦しいなんて



知らなかったんだ。



あなたと 出会うまでは――…



ねぇ。



大好きだよ。



一緒に居ようね。



居られるよね?



この手をずっと



離さないで ね。

No.102 08/03/04 20:05
詩人知らず ( mxeFh )

>> 101 あなたに出会ってから


幸せの意味を知った。


同時に失う事の恐怖も。



それは、幸福だと思えば思う程強くなって



気持ちの深さに比例していく



深く早いスピードで



どこにいても



誰といても



逃げ出す事の出来ない感情。







涼に呼ばれた気がして振り返る。



空耳だったのだろうか?



最近そういう事が、増えた気がする。



余程 彼の事ばかり考えているのね。と母さんが笑う。



あながち否定 出来ない。



涼の自分を呼ぶ 声が好き。



触れられる手が好き。


彼を創る細胞の一つ一つが愛しい。






――――――――――――――




『詩織。』


前の席に座っている 平山 咲希が振り向いていた。


入学して三ヶ月程 出席番号順の席だ。


咲希とよく話す様になっていた。


『詩織はさぁ。


合コンとか行かないの?』



えっ? 合 コ ン?


聞き慣れ無い単語を 耳にしたかの様に、聞き返す。



『行った事 無いなぁ…。』



今時の女子高生なら 「当然」とでも言いた気に驚く。



『珍しいね。詩織ってお嬢?』

No.103 08/03/05 14:44
詩人知らず ( mxeFh )

>> 102 中学の時に 両親が離婚した。



父は 厳しい人だった。



思春期 真っ盛りの詩織は、父親に反発し 母に非が、あると知りながらも母と一緒に家を出た。


最後まで父親は首を縦に振らず、出て行くなら この先 妹や弟に会う事は 許さないと言い渡された。


母親の気持ちも理解できる部分があり、


苦渋の決断を迫られた。


やはり放っておけず 母親を取ってしまった事に 妹達には罪悪感を感じている。





合コン どころの心境では無かったのだ。


そもそも 初めて会った相手同士で、何を話すというのだろうか?


イマイチよく 判らない。

楽しいとも思えない。

よって 合コンに行った事は無いのである。






『え~~。詩織 絶対カワイイんだから モテるよぉ~。』


と 咲希は 残念そうに言う。



『今度 4:4ぐらいで合コン…――っていうか 遊び行こっか?って話してんだ 詩織も行こうよ。 ね。』



曖昧な笑みを浮かべる詩織。



半ば強引に



その 集まりに参加する事となった―――…

No.104 08/03/06 05:49
詩人知らず ( mxeFh )

>> 103 ―小田 詩織― 母方の姓を 名乗っている。



もうすぐ 再婚して【橘】になる予定だ。



親の状況で こうも振り回される名前に 少し 滑稽な思いに駆られる。










――――――――――――――




その日は 快晴だった―――


まさに 雲一つ無い青空。梅雨の中休み。


初夏の清々しい空気。


朝の凜とした まだ少し涼しい 時間帯に目を覚ます。


何故だろう?


その日は朝から 特別な何かが起こる―――… そんな予感がしていた。





待ち合わせ場所に 15分前に着く。




昔から 時間に 遅れた事は無い。




それも 父親の影響かと思うと ほんの少し憂鬱になる。



勿論 時間に遅れ無いに越した事はない。


その正当性に反発して 遅刻するのは 詩織の性質が許さない。それだけである。



つまり DNA上に持って生まれた 切っても切れない血を感じさせる。



今は 父を嫌いではない。決して元々嫌いな訳では ない。




しかし 思春期の詩織にとって


彼の独善性は、耐え難い苦痛を伴っていたのだ。




携帯のメール受信音が鳴る。



現実に引き戻された。


『―――えっ…?…』

No.105 08/03/07 11:57
詩人知らず ( mxeFh )

>> 104 『来れなくなった て―…そんなぁ…』



咲希から 急用が出来た事を 知らせるメールだ。



いっそ帰ってしまおうか?と考える。



咲希以外 知っている人は、来ないのだから。






『 あ あの ッ 』


振り返ると 少し困った顔をした男の子。



見覚えがある気が する。



『 小田 さんですよね?』



いきなり 名前を当てられて 知り合いかとアタフタしてしまう。



『 オレ あのっ「♪~♪♪………♪」



言葉を遮って 携帯の着信音が鳴り響く。



『えっ??  ちょっ   お前ら まさか ッ!?』



意味不明な単語を発っして彼は、携帯を切った。



先程よりも 数段 困った顔をしている。



『 ……どうか されまし たか?』



『やら れ た…――――~』



ますます「?」顔の詩織。



『あっ!オレ河崎  河崎 涼って言いますっ。』



『 は ぁ 。』



曖昧な返事。


『今日 一緒に出掛ける約束してた んだけど……。』



困った様な 笑顔に見覚えがあった。

  • << 108 目立つ人だった。 私服姿を 見る機会など 無かったのでピンと来なかった。 いつも【太陽の笑顔】が困り果てた顔。 加えて クラスが遠く 校舎が違う為 その人物と、結び付くのが遅れた。 『… ぁ の 』 咲希が、来れなくなった旨を告げようとする。 『 小田さんッ ごめん!!』 いきなり 90度姿勢のお辞儀。 面食らってしまう。 『 えっ。? ぇッ    あッ ぁ の ?』 待ち合わせ場所に いる人々の視線が集中する。 『ゃ やめて下さ ぃッ。』 大慌て で、言う。 『あいつら 多分  グルなんです。』 『 は ? グ …ル?? 』 「グル」という単語が 頭の中をグルグル回る。 『 来ない です。』 『 は ぃ 』 確かに、咲希は来られない。 ぁ れ? あたし伝えた? 『 あいつら 最初から来ない    つもり だったんです。』 言葉の意味を 理解するのに 数秒要する。 『  ど うして?   あたし… 咲希に からか  われたんでしょうか?』 どこか ズレた反応に 『 小田さんが   好きなんです。』 突然の告白―――…。

No.106 08/03/07 23:47
澪 ( ♀ ZnPK )

>> 105 ☆今晩わー!なかなか、レス出来ずにいましたが 全作読ませて頂いてますよ💕
生前の詩織ちゃん秘話も面白そうですねー✨

背徳は、ドキドキしてしまいます❤👙💦
キミの手‥やっぱり切ない🍂

それぞれの展開を、いつも楽しみにしていますよ(^^)

No.107 08/03/08 07:50
詩人知らず ( mxeFh )

>> 106 ありがとうございます(´∀`)


最近かなりペースが遅いのですが…υ


ゆっくり書き進めたいと思っております。


澪さんの作品 読ませて頂いてます💖


幼さの中に潜む 狂気にドキドキ💓ヒヤヒヤものです🙈💦使用人も巻込んで、この先の展開が…気になるぅ🙀です💡

No.108 08/03/08 08:38
詩人知らず ( mxeFh )

>> 105 『来れなくなった て―…そんなぁ…』 咲希から 急用が出来た事を 知らせるメールだ。 いっそ帰ってしまおうか?と考える。 … 目立つ人だった。


私服姿を
見る機会など 無かったのでピンと来なかった。


いつも【太陽の笑顔】が困り果てた顔。


加えて クラスが遠く 校舎が違う為


その人物と、結び付くのが遅れた。





『… ぁ の 』


咲希が、来れなくなった旨を告げようとする。


『 小田さんッ ごめん!!』


いきなり 90度姿勢のお辞儀。


面食らってしまう。


『 えっ。? ぇッ 

  あッ ぁ の ?』


待ち合わせ場所に いる人々の視線が集中する。


『ゃ やめて下さ ぃッ。』


大慌て で、言う。


『あいつら 多分

 グルなんです。』


『 は ? グ …ル?? 』


「グル」という単語が 頭の中をグルグル回る。


『 来ない です。』

『 は ぃ 』


確かに、咲希は来られない。

ぁ れ?

あたし伝えた?


『 あいつら 最初から来ない 

  つもり だったんです。』





言葉の意味を 理解するのに 数秒要する。



『  ど うして?


  あたし… 咲希に からか  われたんでしょうか?』


どこか ズレた反応に

『 小田さんが


  好きなんです。』


突然の告白―――…。

No.109 08/03/08 18:36
詩人知らず ( mxeFh )

>> 108 『 咲希が あ たし を で すか??』


全く持って チンプンカンプンな回答。


肩を落とす。河崎クン。



しかし 詩織の その見事な ボケッぷりに、少しだけホッとする。


『……小田 さんって 天然さ んだったんだ…。』


『天然か 養殖かと 言われた ら 天然かと。』


大真面目に答える。


笑ってはイケナイ…と思いつつも 肩の震えは止まらない。



『あ~っ はっはっはっ…』



堪え切れずに爆笑。



『 ??? 』



相手の爆笑の意味が掴めない。



『~~ご ごめッ 苦し…笑い過ぎてーー…』


一通り落ち着くと


『お 小田さんさっ お腹 空いてない?』


『あいつらは来れないけど 昼飯一緒に 食べて貰えませんか?』 


時刻は12:00に近い。


心なしか お腹が空いてきた様な 気すらしてくる。


会ったばっかりの人と?


しかも 二人で?



そう思うのに 首を縦に動かしていた。


彼の笑顔の引力に


負けていた。

No.110 08/03/09 06:26
詩人知らず ( mxeFh )

>> 109 二人で 公園の



ベンチに腰掛けて



ファースト フードを頬張る。



晴天 初夏の心地良い風が吹


く中での 昼食は



ファースト フードをご馳走に変えていく。






小さな 犬が涼の足下によって来た。


首輪をしているところを 見ると飼い犬のようだ。


茶色くて 丸くて コロコロしている。
何とも可愛らしい瞳で、涼を見上げ 短い尻尾をフリフリ。



ハンバーガーを少し千切って差し出す。



嬉しそうに食べる。



『 ケンーーー』



遠くから男の子が走ってくる。
子犬の名前らしい。



呼ばれて 男の子の元へと走って行く。



こちらにペコリと頭を下げて 犬を抱えて手を振ってくれる。



詩織と 涼も振り返す。


涼の嬉しそうな笑顔。


この人が 周りに人を引き付ける理由が



理解出来た。



『 好きなんですね。 』



詩織に突然言われて



手にした ポテトを落としそうになってしまう。



『 子犬 』



ニッコリ 微笑む。



『 あっ あぁ。

  好きですね。

  犬も猫も 子供も。』



春の陽射しの 笑顔。

No.111 08/03/13 10:57
詩人知らず ( mxeFh )

>> 110 その 笑顔は誰に対しても平等に 注がれているのだと 感じ



ふと 胸の奥が 苦しくなった



太陽は 誰に対しても平等な様に。






    ザァ――――





突然の スコールも 誰の上にも 平等に降るらしい




さっきまで あんなに晴れて いたのに。




雨やどり出来る 屋根の下まで慌てて移動する。



涼に 握られた手。




雨音に交ざって 鼓動が 伝線してしまうんじゃないかと 思う程 うるさい―――…








遠くで轟きが 響く。



雷だ。



確実に近くなっている。



同時に 二人の距離も。




――――――ピカッ――――――




突然の 閃光に




涼にしがみつく。




地響きに 近い 音。



『 大丈夫?』




心底 心配そうな瞳。



口には出さなくても 隣にいるだけで 安心を与えてくれる。




『 雷  苦  手で

  キャッ…』



再び 光る。




次の瞬間 彼の 胸に 優しい腕に 包まれていた。




  『こうすれば 眩しく


   ない か な? と


   お 思って…』



少し 緊張の 込もった 声。

  • << 115 教室に入ると 咲希に謝られた。 『ねぇ?昨日どうだった?』 興味津津の様子で尋ねられて、思わず困惑しながらも 少し省略して話す。 咲希が涼の親友と付き合っていると知るのは、少し後の事。 詰まり二人が協力して詩織と涼を引き合わせたのだ。 『 ね ね? どう思う?河崎 涼。良い奴でしょ?』 かなり判り易過ぎるプッシュだ。 『優しい人だね。』 曖昧な笑みを浮かべる詩織の姿に不安を覚える咲希。 涼は何かマズい事でもやらかしたのかと―――? 『河崎くんがね。グルって言ってたの‥‥』 ふむふむ。と話しを聞いている。 『あたし咲希に嫌われてるのかな?って‥・・・』 悲しそうに言う。思わず 頭を机に打ち付けそうになった。 ソコかよッ!?!? 河崎 涼の気持ちが、この鈍い少女に伝わる日が、程遠い事を不憫に思わずにいられなかった。

No.112 08/03/16 01:34
澪 ( ♀ ZnPK )

☆お久し振りです。お元気ですか?

お仕事の忙しさ(疲れ)や、季節の変わり目などから、体調不良に気をつけて下さいね😊

No.113 08/03/16 21:17
詩人知らず ( mxeFh )

>> 112 お久し振りです
(´∀`)


そうですね。季節の変わり目は風邪に気を付けたいです。澪さんも気を付けて下さい✨


最近 他サイトの小説に熱中し過ぎて なかなか 更新出来ず、すいません🙇💦



ゆっくり更新したいとは思っています
(*´ω`)

No.114 08/03/16 21:59
澪 ( ♀ ZnPK )

>> 113 ☆有り難うございます😊気を付けます👮
📖詩人さんのペースで、構わないですよ(^^)💕


私の方は、3パターン位の展開を考えてますが、どれにして行こうか考えてます。

詩人さんの時間がある時にでも、また遊びに来て下さいね😊

☆明日から仕事が忙しくなり、残業がぁぁ😱💦💦頑張らねば~。

No.115 08/04/04 14:23
詩人知らず ( mxeFh )

>> 111 その 笑顔は誰に対しても平等に 注がれているのだと 感じ ふと 胸の奥が 苦しくなった 太陽は 誰に対しても平等な様に。 … 教室に入ると 咲希に謝られた。



『ねぇ?昨日どうだった?』



興味津津の様子で尋ねられて、思わず困惑しながらも 少し省略して話す。



咲希が涼の親友と付き合っていると知るのは、少し後の事。



詰まり二人が協力して詩織と涼を引き合わせたのだ。



『 ね ね? どう思う?河崎 涼。良い奴でしょ?』



かなり判り易過ぎるプッシュだ。



『優しい人だね。』



曖昧な笑みを浮かべる詩織の姿に不安を覚える咲希。



涼は何かマズい事でもやらかしたのかと―――?



『河崎くんがね。グルって言ってたの‥‥』


ふむふむ。と話しを聞いている。



『あたし咲希に嫌われてるのかな?って‥・・・』



悲しそうに言う。思わず 頭を机に打ち付けそうになった。



ソコかよッ!?!?



河崎 涼の気持ちが、この鈍い少女に伝わる日が、程遠い事を不憫に思わずにいられなかった。

No.116 08/05/25 13:07
ちゃー ( 20代 ♀ 3nhIh )

携帯小説初めて読みました!
ぃゃ~おもろかった☺💕
本編がぃぃとこで終わって、ぁん😚って感じですが、詩織さんストーリーもぉもろぃなぁとハマってます🎯
続きを楽しみに待ってま~す✨🙌✨

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