良太ごめんね
良太早く起きて！
ママ今から仕事探すんだから。
さっさとご飯食べよう。
ママ眠いよ～(-_-;)
分かった。
分かった。
笑い。
私 美咲 ３２歳
良太 ４歳
私は今流行りのシングルママさん。
14/08/20 00:18 追記
アクセス頂き有り難う御座います。
素人で文章力、誤字脱字、お許しください。
是非ご覧頂ける事に感謝です。
中尾美咲。
14/08/21 17:46 追記
いきがり感想頂ければ、また私の力になります。
感想スレ立ち上げました。
宜しくお願い致します。
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＊作品講評＊
シングルマザーの恋を描く「良太ごめんね」である。
この作品の刊はタイトルになっている良太が美咲の産んだ子でないということ。
彼女が好きになる海翔の謎めいた雰囲気も陰影をもたらしている。
最初、美咲はずるずる関係が続く海翔を疎ましく思い、逃げようとしていた。
良太にとって海翔はどんな存在なのか。
笑顔を見せ、喜ぶようなそぶりを見せる良太は海翔を嫌がってはいないようだ。
亡くなった姉の子である良太を女手一つで育てる美咲と、懸命に生きる二人を実は愛おしく大切に思っていた海翔。
美咲には不動産屋の前田や美容室の店長・竹野内らから言い寄られていたのだが、良太は彼らに印象を持っていなかった。
美咲の前ではいい人を演じる彼らではあるが、良太はその本性を見抜いてのだ。
美咲の知らないところで良太と海翔は美咲を守ろうと必死だった。
そんな美咲を病魔が襲う。
海翔の子を、身ごもった矢先に末期ガンと宣告されたのだ。
新しい命をそして良太のためにも自分の命を諦めることなく闘おうとする美咲と、それを懸命に応援する海翔。
それまで絶縁状態だった美咲の両親とも引きあわせ、美咲とは籍を入れ、良太を自分の後継者として育てる海翔は美咲の親子にとって救世主だ。
懸命に美咲を守ろうと海翔と良太。
そんな二人に囲まれ、美咲はやっと幸せを手に入れことができたのではないか。
幸せな最期を送ることができたのは二人のおかげ。
海翔の美咲と良太を思うひたむきな思いや、小さな体で必死に美咲を助けようとする良太の健気な思いが静かな感動を呼ぶ一作た。
反省問題。
言葉少ない良太の良太の胸中や海翔との関係などをもう少し丁寧に描いていけると読者の感動移入が容易なる。
結果良太ごめんも全国出版までに超えなくてはいけないハードルがある。
いずれも書き直すことも手だが、まったく新しい作品を一から書くというのでも良いだろう。
専門出版社から「良太ごめん」回答でした。
温かい出版社会社の＊作品講評＊
感謝を最後に記載させて頂きました。
この作品講評は私の財産と大切な書き手の初作品の出版社会社から頂いた内容を大切にしたいです。
良太ごめんね。
愛読頂き有り難う御座います。
ナルシストがこよなく愛している、１作目でもっと細かく内容お届け出来なかった未熟作品です。
ただ本当にストーリー性が大好きな作品です。
良太ごめんねがいなければナルシストの存在すらなかった貴重な作品です。
良太です。
今は成長し、歌舞界を背負います、俳優業にも力を入れて頑張っています。
良太の産みの親「自由人」が「ナルシスト」に成長して。
まだ先のお話ですが。
ナルシスト作。
「エラーベイビ」 「文芸社より」
９月に単行本を皆様にお届けさせて頂く運びになりました。
部数や書店名、ネット販売名は、これからの次回発表になりますが、お取り寄せも可能で御座います。
増刷も可能で御座いますので、皆様温かい目で見守って頂けると共に「うん、分かった」しか言えなかった幼少期から成長させて頂きました、良太もこれから頑張る所存で御座います。
荒い内容からの良太ごめんね。
ナルシストと共に一歩前進させて頂きます。
良太ごめんねもこれからも宜しくお願いします。
良太。 (^ー^)
観覧頂き、有り難う御座いました。
如何でしたでしょうか。
私の夢に出て来た事を小説第１号です。
私自身、大病中で、走り書きに、なりました。
現実なら素晴らしい人生かと思います。
また頑張ります。
感想スレ。
良かったら書き込みお願い致します。
では現実の世界に戻りたいと思います。
有り難う御座いました。(^^)/(^^)/
知らない(^0^;)
私はあの世でモテまくりだよ。
てか。
こんなおじいちゃん嫌だよ。
美咲。
待ってよ。
美咲。
また海翔と一緒なんて、ごめんだわ。
待ってよ。
美咲。
美咲。
美咲。
………………………完………………………………
毎日綺麗なお花畑で、静かにお茶を頂く私。
ｵ~ｲ。
オ～イ。
誰だ？
美咲。
美咲。
海翔。
笑うわ。
おじいちゃんじゃん。
笑うな。
お前は若くして亡くなったから、俺は寿命でここに来たんだよ。
お前に待ってろよ。
言ってたよなぁ。
俺。
良太は中◯家の息子として、立派に跡継ぎとして、歌舞伎かいを負う、有名な歌舞伎役者になる。
義理の父親、同様。
俳優業も成功した。
海翔こと。中◯◯之助は、生涯美咲と言う、女性以外の良いご縁を探す事は、しなかった。
海翔は亡くなるまで、結婚指輪を外す事は、なかった。
今日は私が旅立つ日。
相変わらず海翔はピィピィ子供みたいに泣いてる。
情けないなぁ。
良太は小さいながらも、来客に対応してる。
良太の義理のおじい様、おばあ様は、海翔より、良太をかってくれてる。
海翔。
良太の事お願いね。
良太の初舞台楽しみにしてるから。
空の上から、良太のお母さんと、見守ってるね。
海翔。
もう泣き虫は辞めなよ。
そして嘘つき。
下手なんだから。
海翔は私を抱く事も出来なかった。
海翔は美咲に付けられていた、装置を全て外してあげ。
美咲。
こんなに沢山装置付けられて、ごめんな。
美咲。
良太と俺で、美咲の事、守ろうって、男同士の約束してたんだよ。
だから、不動産屋の野郎も、美容室の野郎も、良太から、聞いていたんだよ。
美咲は知らないだろうな。
良太。
俺が泣くと、ﾎｯﾍﾟ叩くんだよ。
俺は泣き虫だなんて、言われてたんだよ。
美咲。
良太はずーっと、美咲の事。
守ってたんだよ。
良太はな。
良太は。
俺より美咲を愛してたんだよ。
美咲。
愛してる。
忘れない。
赤ちゃん、
また。
産めばいい。
美咲。
美咲。
良太の事は。
任せろ。
カード。
そうだな。
分かった。
美咲？
先に行って。
待ってろ。
俺を。
待ってろ。
大好きだ。
美咲。
美咲。
海翔。
オウ
待たせたな……
海翔。
泣かないでね。
海翔は。
また奥さん貰ってね。
私の事、
忘れてね。
赤ちゃん。
産めなくて。
ごめん。
海翔。
大好き。
愛してる。
良太の事。
頼むね。
カード。。
あまり。
買わないで。
良太に。
守れなくて。
ごめん。
私。
幸せ。
うるせんだよ！!!
あの美咲が望んでる最後のお願いなんだよ！!!
お前ら。
良く聞け!!
美咲は俺のかみさんなんだよ！!!
美咲に何かあっても俺が美咲を守るんだよ！!!
つべこべ言わず!!
黙ってろ！
わかったな!!
海翔は。
今から、病室に、誰も、近づかない、事を言った。
すぐに主治医がやってきて。
何を考えているのですか？
奥様の病態は、そんな状態では、ないのです。
それに、そんな状態で、命を縮める事、分かりますか!!!!!!
主治医は凄い剣幕で、海翔に喰ってかかった。
先生!!
周りは先生が飛びかかる行動を必死で止めた。
先生の身体が震えていた。
肩で息をしていた。
良太は元気に新しい幼稚園に通ってた。
パパは良太にメロメロだ。
妖怪カードそんなに与えちゃ駄目だよ！
甘えかさないで！
はい。
お疲れ様。
良太。
メロン食べる？
うん。
おばあ様。
しっかり姑さんの心まで、キャッチした、良太。
さすが、私の息子。
中◯家として舞台に立てる為の稽古。
良太は頑張って。
稽古に励んでる。
良太。
手が違う。
はい。
もう一度。
だから。
違う!!
良太。
見てろよ。
ここで、手を斜め。
分かったか!!
パパ。
頑張る。
パパ？
良太は海翔にパパと呼んでる。
笑うわ。
パパなんて。
海翔に？
ｷｼｮｲ。
海翔は。
私のベットに喰らい付いて寝ていた。
海翔………
美咲。
ｵｯｽ
海翔。
ｵｯｽ。
体調どうだ？
うん。
あのね。
赤ちゃん。
駄目だった……………
美咲。
赤ちゃん。
腹に居るよ。
海翔は。
嘘つき。
嘘が下手。
私は点滴に安定剤が入って入るのか？
眠っていた。
海翔………
美咲。
大丈夫だぞ!!
美咲。
食いたい物ないか？
お前の
好きな物
買って来てやる。
北極の氷か？
南極か？
何でもいいから、声聞きたい。
海翔は。
泣いてた。
弱虫。
私はまだ死ねない。
私はストレッチャーに乗せられ、処置室に運ばれた。
赤ちゃん………
私の赤ちゃん…………
海翔と私の赤ちゃん…………
抵抗すら出来ない。
美咲！
美咲!!
聞いてるか？
美咲!!
赤ちゃん大丈夫だぞ!!
海翔…………
もう。
いいよ。
嘘付きは。
もういいよ………
美咲。
大丈夫だぞ!!
美咲。
美咲！
美咲！
将太さんの声？
先生頼むから美咲助けて下さい！
お願いだから。
なぁ。
お金ならいくらでも払う、だから、先生！
頼むよ。
将太さん………
先生の足にしがみつき、嗚咽しながら、先生に頼んでくれてる。
先生は………
もう。
お腹の子供さんも、残念です。
これだけの出血、止めれません。
分かって下さい!!
まずは、お腹の子供さんを、美咲さんから、離します。
ﾊｱｱ。
赤ちゃん無理だったんだ。
赤ちゃんごめん。
私の意識はモウロウとしていた。
もう私は点滴状態。
勘弁してよ。
良太と将太さんは、時間があれば、覗いてくれた。
私は将太さんのご両親に、良太の事お願いした、
私は良太を守れなかった。
良太ごめん。
ママもう少し頑張るから。
良太もお稽古頑張ってね。
看護師さんが、美咲さん。
美咲さん。
返事して。
美咲さん。
すぐ先生呼ぶから、美咲さん。
看護師さんは、走って部屋を出た。
私が知らない間に、沢山の人達の、人生を変えていた。
私の今の生きがい。
将太さんとの結婚指輪。
彼は仕事以外は必ず左手の薬指に、私とお揃いの、指輪をしていた。
マスコミが見逃すはずがない。
女優のSさんなのか？
共演したＭなのか？
本業以外でも、海翔の俳優業は、認められた。
いったい相手が誰なのか？
女優さんでもない。
今ベットで寝ている。
私なんだから。
良太は、隠し子発覚なんて。
マスコミや雑誌は、良太の母親探ししてる。
見つかる訳ないよ。
私なんだから。(笑)
将太さんは私の父親に、土下座し、良太を息子として、迎えたい。
ご両親も頭を下げて下さった。
お父さんは、良太に、聞いたらしい。
良太は歌舞伎の舞台に立ちたいと言ったらしい。
良太も考えたのだろう。
小さな頭で、一生懸命に。
お父さんは、泣く泣く、良太を将太さんに、預けた。
良太は、将太さんの家に、引き取られ、お稽古をする事になった。
何も知らない実家は、お祭り騒ぎになっていた。
両親は朝からばたばた………
仕出し屋さんが、朝からばたばた。
近所中有名で、野次馬が、家の周りに、沢山いた。
村の村長や、議員さんなど、沢山の人が、家に入っていた。
カメラ片手に持ってる人。
サイン色紙持ってる人。
将太さんの親御さんが、着くなり、激しい拍手。
家の中では、良太含め、将太さんの親御さん、全て、どんちゃん騒ぎだったらしい。
将太さんのご両親が、良太を将太さんの息子として、迎えたい旨を、話した。
お父さんは、戸惑っていたらしい。
もう私の指は、骨にただ皮が、オマケに、付いているだけ。
私は本当に、これでいいのか？
これで、良太も海翔も、幸せなのか？
私迷惑掛けてないかなぁ。
皆んなに。
でも良太残して死ねない。
海翔残して死ねない。
激しい吐き気と、頭痛が、私の体力を、段々吸い取って行った。
私の指のsizeなんですが………
とても綺麗な指ですね。
今計らせて頂きます。
えっーと。
沢山のsizeがある輪っか。
美咲様のsizeは ４ ですね。
私の薬指は８のはず。
そんなにやせでしまったのか………
相手の人はプロ。
顔色１つ変えない。
病院にまで訪問する理由。
分かっているだろうに………
では。
これを将太さんにお伝え下さい。
結婚指輪はまた後日に見せて下さいね。
はい。
了解致しました。
美咲様のその旨お伝えし、お揃いの指輪、発注させて頂きます。
本日はお忙しい中私くしともに、お付き合い頂き、有り難う御座いました。
結婚の際は私くし共一同お力にならせて、頂きますので、ご縁を大切にさせて、頂きます。
何もそつなく、動じない、完璧な、営業マンさん。
気持ち良かった。
二谷さん。
有り難う。
値札は付いていない。
多分高価な宝石なんだろう。
あの……………
私はどれが良いですか？
大体お勧めする宝石が一番高い事くらい、私でも検討付いている。
二谷さんは、美咲様には、これなんか、良いと、私は思います。
ダイヤモンドの固まりに細かなダイヤが散りばめた指輪だった。
はい。
私はこちらが良いかと……
美咲様には、こちらも良いと、思われます。
如何でしょうか？
白い肌に輝きが益し、美咲様を華やかにしてくれます。
はい。
あの………
私、宝石より２人の結婚指輪が欲しいのです。
結婚指輪は後程で、結婚指輪見せて貰えますか？
はい。
では、こちらが結婚指輪になります。
一生なので、大切な、商品、お探しくださいませ。
う～～～ん。
これが良いと思います。
これお願い出来ますか？
失礼致します。
中尾美咲様でいらっゃいますか？
ｱｯ失礼致しました。
中◯美咲様でした。
私くし。
◯◯宝石。銀座本店より参りました。
二谷と申します。
本日はお忙しいお時間頂きまして。
中◯将太様より、ご依頼頂き、ご訪問させて、頂きました。
ﾏｧなんて上品な言葉遣い。
はい。
私も聞いています。
宜しくお願い致します。
さて。
本日お持ちさせて頂きました。
こちらが宝石で御座います。
美咲様がお気に召しましたら、宜しくお願い致します。
アタッシュケースに並ぶ指輪の数々。
二谷さんは、白い手袋をはめていた。
今まで沢山のお客様に頂いた、宝石より高価な数々。
私には本当に必要ないのに。
はい。
苦笑いをする私。
私も指輪だった。
どうしょう………
私は薄い化粧をした。
いつ来るのか？
佐々木さんが来られた。
おはようございます。
美咲さん。
体調如何ですか？
今から、打ち合わせですが、大丈夫ですか？
はい。
大丈夫です。
連絡いれます。
待っていて下さいね。
私は親の事が気になっていた。
お父さん、お母さん、大丈夫かなぁ？
良太…………
良太…………
ママが良太守るから。
ドアの叩く音。
はい。
どうぞ。
すずめがチュンチュン。(*≧m≦*)
私は目が覚めた。
そうだ！
良太に報告だった！
お母さん？
美咲？
体調どう？
良太は元気だよ。
美咲、ごめん。
今から海翔さんのご両親が来てくださるの。
もう町内凄いの、お父さんは、散髪だし。
忙しくなければ、明日にして。
ごめん。
プー、ﾌﾟｰﾌﾟｰ
はい？
海翔が親に会いに？
海翔昨日言ってなかったよ。
事がどんどん運んで行く。
海翔の良いご縁とはこの事なのか？
しかし海翔は行動的な人。(*≧m≦*)
私は病院に帰って来た。
さっきまで海翔と一緒だったのに……
ああぁ虚しさだけが私の胸を痛めた。
記者会見。
ご縁かぁ……………
私達は決して公の場に出る事はない。
海翔。
どうするの？
あんなにマスコミに良いご縁がありましたら。
なんて。
ハァ。
どうするの？
私はベットに入り考えていた。
ゆっくり目が閉じて行く……………
気持ち少しブルー⇩⇩⇩⇩⇩
私は元気になってきた。
海翔との営み……
奥さんなんだから。
佐藤さんと佐々木さんが笑顔で迎えてくれた。
佐藤さんが。
将太様、楽しそうでしたよ。
良かったりです。
私くし。
クビにならず……………
将太様には美咲さんがお似合いです。
ここだけのお話し合いですが………
佐々木さんが言ってくれた。
私は帰り先が病院である現実に帰って行く。
美咲。
気をつけて。
俺仕事に行くよ。
私達はシャワーを浴び。
海翔は私の身体を全て洗ってくれた。
うん。
じゃあ。
美咲。
明日病院に指輪持たせるから、適当に好きな物チョイスしとけよ。
美咲と俺の結婚指輪も。
海翔………………
あんがと。
私は将太の腕枕で眠っていた。
将太＝海翔。
やはり私には海翔がいい。
海翔………
あのさぁ………
女優と寝た？
寝てません。
俺は美咲以外の女性は知らん。
↑
まずこれが嘘発言。
私は海翔の息子を握った。
ｲﾀｲｲﾀｲ。
(;^_^A(;^_^A
２人の時間がすぐに過ぎて行く。
将太……ｽｺﾞｲ…
ｽｺﾞｲ……ｶﾀｲ……
ｷﾓﾁｲｲ…ｶﾀｲ……
ﾜﾀｼ…ｲｸ…ｱｧ…ｱｧｱｧｱｧ
将太……ｲｸ…ｲｸｱｧ。
美咲…ｲｹ…ｲｹ…
俺も…ｲｸｲｸｲｸ…ｱｧｱｧｱｧ…
美咲！…ｲｸｱｧｱｧｱｧｱｧｱｧｱｧ
私達はお互いに何度も何度も身体を重ね合い、愛情確認した。
美咲！
将太また？
うん。
我慢できん。
……美咲…ｱｧｱｧｱｧｱｧｱｧ
強くて…ｲﾀｲ…ｲﾀｲ。
美咲…ｱｧｱｧｱｧｱｧ…ｷﾓﾁｲｲ
胸は将太の唾液だらけ。
もう吸われる胸もない。
でも将太は関係なく…ｱｧｷﾓﾁｲｲ
美咲ｱｧｱｧｱｧ………美咲……ｩｩｩｩｩｩ
俺ｲｸ…ｱｧ美咲ｩｩｩｩｩｩｩｩ
私は将太の物をくわえた……美咲ｩｩｱｧ……
ｷﾓﾁｲｲ…美咲ｱｧｷﾓﾁｲｲ美咲
美咲！
俺美咲が一番落ち着くんだ。
美咲といる時が。
美咲。
可愛いよ。
美咲。
海翔
アァ、ﾊｧﾊｧ
将太気持ちいいよっ
ﾊｧﾊｧ
ﾊｧﾊｧ
ｲｸ………ｲｸ……ｲｸｲｸ
美咲……
美咲………ｩｩ…ｩｩ……ｩｩｩｩ
ガキ大丈夫か？
ソッとするから……
美咲……ｩｩｩｩ…ｩｩｩｩ
美咲……ｷﾓﾁ……ｲｲ…ｷﾓﾁｲｲ
将太…ﾜﾀｼﾓ…ｷﾓﾁｲｲ…
将太……ｲｸｲｸ…ﾊｧﾊｧ…ﾊｧﾊｧ
美咲…ｺﾞﾒﾝ…ｷﾓﾁｲｲ…ｺﾞﾒﾝ
俺…ｲｸ…ｲｸ…ｱ。
駄目…ｶﾞﾏﾝ……ｼﾃ…
美咲…ﾑﾘ…ﾑﾘ
あのさぁ。
一体どっちが本当の海翔なの？
う～ん。
どっちも俺。
ヽ(´▽`*)ゝあ～ぃ!
馬鹿みたいに。
お前、馬鹿みたい？
失礼な奴、断言しろよな！
私は海翔にお願いした。
海翔。
私、奥さんなんだよね？
リサイクルだけど。
奥さんだよね。
私……抱いて。
……………………
……………………
お前。
体調大丈夫なのか。
うん。
大丈夫。
２人は見つめ合う。
美咲。
俺。
溜まってる。
我慢出来んよ。
海翔は私の身体にむしゃぶりついた。
ドアを開けてくれた。
海翔…………………
私は海翔の胸にうずくまった。
ドアは自然に閉まってくれた………
馬鹿！
痛い。(*≧m≦*)
行って来た？
オォでかした～。
私は海翔に戸籍謄本と母子手帳を見せた。
笑うね。
お前が配偶者だって。
リサイクル行きが残念……
私達は母子手帳に父親の欄。
母親の欄に名前を記載した。
なかなかやるじゃん！
父親かぁ。
悪くないかも～～
海翔はまた鼻くそほじってる。
あのさぁ～
何なの？
あの記者会見。
鼻くそほじってよ。
私と居る時みたいに。
今日の天気は快晴、青空がこんなに、綺麗だと車中私は、この天気を忘れないと。
高級なホテル……
VIP専用の入り口に車は止まった。
私は佐藤さんと佐々木さんに、自分の足で歩いて、海翔が待ってくれてる部屋まで行くと告げた。
私は強い足で部屋にたどり着いた。
このドアの向こうに海翔がいる。
軽くノックした。
はい。
どうぞ～。
てか。(*^▽^*)
私は佐々木さんに車椅子を押して貰い。
佐藤さんが待っていてくれた車に乗る。
佐藤さんは。
美咲さんお疲れありませんか？
私は。
無言………………
佐藤さん。
体調如何ですか？
体調壊されては困ります。
将太様がお待ちの所まで、元気にお届けする約束なんですから。
ご機嫌お悪いですか？
ご機嫌直されないと、私が叱られてしまいます。
えっ…？
海翔と会えるんですか？
はい。
お待ちですよ。
私はお連れするまで私の責任ですから。
ご機嫌直して下さいね。
佐々木さん。
そうですよ。
美咲さんが一番理解してあげないと。
将太様も悲しくなりますよ。
将太様の奥様なんだから。
奥様の最初のお仕事ですよ。
佐々木さんの笑顔に私は救われた。
車は海翔が待つホテルに向かった。
佐々木さんが私の肩に手を置いた。
美咲さん。
心配ないですよ。
気にしない。
美咲さん。
戸籍謄本。
母子手帳。
これが中◯◯之助さんの素顔なんですよ。
私はハッとした。
戸籍謄本。
母子手帳。
この後、海翔は私にサプライズを考えてくれていた。
役所の待合室では、特に年輩者の女性は。
あんなに噂ある役者。
本当にSさんやＭさんと、出来てるのかね？
俳優なんて皆そうじやないの！
でもいい演技するよね！
あの◯之助は……………………
そうなんだ。
そんなに有名な役者なんだ。
自分が惨めで恥ずかしい。
◯之助さん。
以前から噂の女優のSさんとの交際発展は？
はい。先ほどもお話しさせて頂きましたが、Sさんとも、まだご縁もなく、可も不可も御座いません。
本当に良いお知らせが出来る時は、皆様に１早くお知らせさせて、頂きます。
では私くし、この後お稽古が控えておりまして、失礼させて頂きます。
レポーターが。
◯之助さんは、今はドラマでも活躍され、映画での共演予定の女優Ｍさんとの、恋の発展など、期待しています。
最後に何かコメントを。
はい。
有り難くお仕事充実させて頂いております。
これからも浮き名を流しながら、良い舞台と、より一層俳優として、磨きを掛けていく所存で御座います。
皆様本日はお忙しい中お集まり頂き有り難う御座いました。
海翔は沢山のフラッシュにたかれ、マスコミから沢山意見の嵐の中、関係者と姿を消して行った。
レポーターが。
◯◯記念病院に良く通われていますが。
◯之助さんが、病に伏すていると、言う疑惑に？
全く御座いません。
冒頭でもお話しさせて頂きました様に、私ではなく、知人のお見舞いで御座います。
大変お世話になった知人が、検査入院で、あちらの病院に、足を運んだ次第で、御座います。
◯之助さんの結婚やお付き合い相手では？
いえ、いえ。
私くし共はこんな仕事柄、沢山浮きなを流して来ましたが、その様な立派なご縁に、まだ出逢う事は、御座いません。
良いご縁が有りましたら、御紹介頂ければ、嬉しく存じます。
私はスクリーンの海翔のあっぱれな嘘発言と、見た事ない、彼の違う姿に、涙がこぼれ落ちた。
私は役所を廻ってた。
待合室で、大きなスクリーンに、海翔が出てた。
記者会見みたい。
今回お騒がせ致しまして、皆様にお集まり頂き、誠に感謝いたす次第で御座います。
私くし。
歌舞伎役者。
中◯◯之助は。
病気疑惑があり、大変ご心配頂きましたが、全て誤解で御座います。
両親の健康の問題も、全く誤報で、元気で御座います。
私は食い入る様に、記者会見を眺めていた。
すいません。
戸籍謄本。
下さい。
役所の人って。
事務的だ。
はい。
戸籍謄本です。
どれどれ(._.)
筆頭主。
将太。
配偶者。
美咲。
(*≧m≦*)プッ。
夫婦になっちょる。
美咲さん。
おめでとうございます。
佐々木さん。
有り難う。
私は佐々木さんに、押して貰いながら、母子手帳申請に行った。
病院の証明書があったので、必要な書類に記載、捺印した。
すぐに母子手帳を貰えた。
実感した。
私は。
母親になる事。
役所で、突き刺す。
周りの視線。
車椅子で。
如何にも。
病人の私。
最初に車で来てくれた。
佐藤さんだった。
隣には、帰国女子の佐々木さん。
今日１日美咲さんを、サポートさせて頂きます。
２人は笑顔で迎えてくれた。
はい。
宜しくお願い致します。
海翔とは別行動。
役所に行く。
私は佐々木さんに押されながら。
佐藤さんの車に乗り、役所に向かった。
うん。
何回。
ブス。
むかつく。
本当だ。
私。
結婚するんだ。
うわ～。
将太。
プッ。(*≧m≦*)
ありきたりな名前。
私は引き出しから、ボールペンと、印鑑を押した。
久しぶりの化粧。
久しぶりの洋服。
籍入れに行こうか。
何せ。
俺達。
出来婚だし。
ガキの母子手帳も。
先生に頼んだから。
貰えるよ。
ただし最悪なんだよ。
俺がこの病院に出入りしてる事、マスコミが嗅ぎつけて、張ってるらしい。
全て別行動だから、覚悟しとけよ。
本当に有名人は辛いわ。
お前みたいな、ブス、貰ってやるわ。
あー俺が拾わなかったら、お前なんか、リサイクル行きだよ。
感謝しろよ。
ブス。
ホレ。
婚姻届。
先に書いてあるから。
お前。
隣に書かせてやる。
ホレ。
私は全て上手く行っている事に感謝した。
ここまで来る道のり長かったなぁ？
美紀姉が一番喜んでいるかなぁ？
あのお父さんが？
妖怪カードで遊んでる？
私達すら仕事、仕事、だと遊んで貰った記憶さえない。
あのお父さんが、カード遊び？
何だか見たいな…お父さんと良太の遊んでる風景。
あれもこれも海翔のおかげ。
彼と知り合って、不思議な事だらけ。
これって………
夢なの？
私まだ生きてるよね……………
海翔………………
良太………………
私はパッと………………
目が覚めた………………
２日体調良く、１日は最悪なリズムになる。
最悪の時は、食事すら出来ない。
１日ベットの中。
良太どうしてるかなあ？
お父さん、お母さん、手を焼いていないか？私は実家に連絡した。
お母さん？
美咲。
元気にしてる？
良太の事なんだけと、どうしてる？
それが今お父さんと出掛けてる。
あの２人仲良しだよ。
良太が持っ来たカードで、今は良太と対決出来るまで、進歩したよ。
あっ。
近々海翔さんが、挨拶に来てくれるらしい。
海翔さんから連絡会ったよ。
海翔さんのお母様も連れてくれるって。
今から緊張してるの。
町内の噂広がっていて、こっちはいつ来て下さるか？
大変なんだよ。
美咲身分違いな方にみそめられ、お父さんはどうしょうか？
悩んでるよ。
良太元気なら心配要らないね。
少しだけ、改善に向かってる。
良太とお父さんが？
良かった。
お父さんは良太が可愛くては、仕方ないらしい。
海翔は笑顔は美咲のまえだけ。
扉を出ると、涙顔の事は、私は全く知らなかった。
海翔はスーツ姿で待機していた、車で仕事に行った。
何も知らない私は。
お母様の煎じて下さった、漢方薬を、有り難く頂いた。
少しだけ、病室を歩く。
体力付けないと、食欲もわかない。
私は食欲重視で、体力作りを心がけた。
私はお母様が煎じて下さった、漢方薬を飲んだ。
うわ～。
苦い。
ほぇ～。
苦い薬ほど、効くんだよ。
頑張って飲めよ。
近々美咲の実家に行ってくるわ。
お父さんもお母さんも心配してるだろうし、良太に会いたい。
またレアカードgetしたからよ。
良く喋るね。
これが俺の仕事。(笑)
また時間空いたら覗くよ。
しっかり食べて、まずは免疫作りだぞ。
あっ。
お母様に有り難う御座います。
って伝えてね。
必ず海翔は忘れるから。
お馬鹿ちゃんだから。
うるさい。
俺は良太以下か。
良太以上だと思ってるの？
………………………
忘れないで、伝えるよ。
じぁ行くわ。
海翔は元気に帰っていった。
美咲。
お袋が会いたいって。
どうする？
嫌なら断るけど。
お母様が？
…………………
少し待って。
だって海翔の彼女が挨拶に、病室はいやだなぁ。
なら病院の食堂か？
そうだ特別室頼んでおくよ。
会議室なら、大丈夫だろ？
外は禁物だよ。
お袋も楽しみにしてるよ。
私の病気の話や病状話してる？
話してるよ。
ブスな女だから、俺しか、貰うしかないって。
最低、ブスはないよ。
緊張するなぁ？
いつお見えになるの？
本来は私から足運ばないと、行けないのに。
申し訳けないよ。
美咲。
お袋の漢方薬飲んでみろよ。
美咲の為にお袋煎じたんだから。
2、３日、海翔は来てくれない。
突然。
海翔が。
オェツス！
美咲様。
大丈夫か？
あれれ美咲姫が少し太った？
うん。
体調いいんだ。
ご飯も沢山食べてるよ。
あのやぶ医者。
誤診だったかも？
美咲は絶対大丈夫だ。
あの時は、ごめん。
俺俳優の仕事に、役にたったわ。
あの名演技は、素晴らしかっただろ？
さすが役者の息子だと、自分でも、でかした、演技力。
海翔。
仕事忙しいんでしょう？
私は大丈夫だから、仕事して。
次会うとき、ブスでデブなんて、嫌だからね。
おう。
今日は癌に効く漢方薬、お袋が煎じてくれた。
飲むか？
うん。
お母様が？
そう、ネット検索したら、あるわ、あるわ、癌に効く、漢方薬。
海翔は顔を出さない。
私に会えないのかなぁ？
仕事かも知れたいし。
まずは、しっかり、食べる。
美味しかった。
今はあっさりの食事にお願いしてる。
全て完食。
胸焼けもない。
不思議直るかも？
私は良太が心配だ。
良太誰と寝たのかなぁ？
私以外と寝ない良太。
お父さんとお母さんは、美紀姉を地元の、お墓に入れてくれた。
美紀姉、良かったね。
やっと認めて貰い、念願のいえが出来て。
私は少しづつ、食事取れてる。
癌に必ず勝ってやる。
見てろよ。
私は今日から闘病日記つけよう。
少し部屋をあるいた。
つぎの目標は、病院の外に散歩する事。
毎日綴っていれば、先生の参考になるかも。
久しぶりに気持ちよい朝が来た。
何日ぶりかなぁ！
看護師さんが。
中尾さん。
おはようございます。
ご気分はいかがですか？
お陰さまで。
久しぶりに快適です。
朝食美味しそう。
私頑張って生きます。
だって先生を有名人にしたいの。
末期癌患者を生還させる。
これだけで、先生は今より名医になりますから。
彼があんな事先生にした、お返ししたいんです。
看護師さんは。
先生お喜びになります。
中尾さん、病は気持ちです。
末期なんて気にしない事。
免疫力は癌を消す事だって、今は不可能じゃない。
頑張らず、コツコツと、直しましょうね。
中尾さん、強いから。
子供さん、産んで下さい。
お手伝いしますから。
ただ無理は禁物ですよ。
食べれないのに、食べると、後が辛いです。
あっ。
ご主人様から、花が届いていましす。
後て花瓶に飾りますね。
優しいご主人様ですね。
では。
お父さんとお母さんは、一旦良太を連れて帰った。
お姉ちゃんの骨を持って、良太と帰った。
私諦めない。
子供産む。
だってまだ生きているんだし、死ぬなんて、誰が決めるの？
人間には奇跡って事、あるじゃん。
叶わない事なんてない。
良太残して死ねない。
お姉ちゃんに言えない。
良太置いてきたなんて。
私は言えない。
良太。
ママね。
当分病院なの。
お爺ちゃん。
お婆ちゃん。
家に居れる？
えっ。
ママお家に帰ろうよ。
僕、幼稚園に行きたい。
ごめん。
少しだけ、我慢して。
必ず帰ろうね。
妖怪カード遊ぼうね。
良太は、うん。
分かった。
海翔。
ごめん。
逃げないよ。
もう。
海翔。
花団は。
つくし。
死なないよね。
でも私は。
海翔は。
パッと立ち。
俺帰るわ。
また来るわ。
待って。
海翔は帰って行った。
怒ってるのか？
ごめん。
私はベットのシーツ握り締め。
枕に当たった。
何で。
私だけ。
涙が止まらない。
私は。
海翔に。
後悔しか。
ない。
私達は、診察室から出る。
海翔は先生3人に抱えられ。
病室に戻った。
海翔。
ごめん。
私。
やっぱ。
馬鹿だね。
子供。
産めなくて。
ごめん。
海翔は。
病室の床に座り込んで、動かない。
ずーっと。
ずーっと。
子供だけでも無理ですか？
私はどうなっても。
子供だけ。
先生。
子供だけ。
海翔は。
床を見てるだけ。
ただ。
ただ。
多分。
体力も。
もたない。
少しでも治療したとしても、抗癌剤は、効かないと、思います。
子供さんは。
自然に。
流れる。
残念ですが。
海翔は。
ピクリと。
しない。
真っ赤な目で。
………………
………………
私は事の重大さを、確認し、時間がない。
私には、時間がない。
中尾さん。
はっきり言います。
かなり癌は進行してます。
もう手術も無理………です。
良く持って。
半年。
多分後４ヵ月…………
子供さんは諦めて下さい。
かなり進行して、もう…
先生の目から。
涙がこぼれてた。
先生も必死に。
唇が震えてた………
疲れくらい簡単に思ってました。
最近引っ越しした疲れだと。
後何年ですか？
私 どれだけ？
私もう１人子供いるんです。
今死ねないんです。
私
子供産みたいんです。
先生……………
私が悪いんです。
もっと早く気づいていたら。
だから。
先生のせいじゃ無いんです。
私が悪いんです。
私が……
私が………
すいません。
…………
……………
もう怖くない。
でもこの世に神様なんていない事。
私は初めて知った。
海翔は椅子に座り、肩が落ち、ずーっと床を眺めていた。
ずーっと。
ずーっと。
私は。
後、どれ位ですか？
赤ちゃんはどうなりますか？
私は………
わたしは…………
先生は。
中尾さん。
体調に変化ありませんでしたか？
身体のだるさ………
疲れ易いとか………
熱ありませんでしたか？
沢山の先生に囲まれ、私達は、先生の質問に答えた。
海翔は。
ずーっと床を見ている。
まばたきもせず。
ずーっと。
ずーっと。
どれだけの時間がかかったか？
海翔は少し大人しくなった。
沢山の先生に囲まれ。
私の今の病状の話しとなった。
海翔は無状態になった。
気がおかしくなっていた。
黙って、赤い目をして。
壁を睨んでた。
私も海翔も鼓膜が破れたのか？
うっすらしか聞こえなかった。
海翔。
ごめん。
ごめん。
それから診察室には、続々と白い診察服を着た、先生方が入って来た。
海翔はお構い無しだ。
もう診察室は滅茶苦茶な散乱ぶりだ。
後は先生方が海翔を止めに入った。
海翔を止めに入るのに、沢山の先生が、必要だった。
海翔は固められながら、足はバタバタしていた。
私は必死に止めた。
私は他人事になっていた。
海翔が興奮してるのを。
私は必死で宥めた。
海翔の怒りは収まらない。
机の上の物全て投げ出した。
お前、ふざけるな！
誰に言ってるのか。
おい、分かってるよな!!
海翔は口が裂ける位の勢いだ。
助手の先生方が海翔を掴む。
海翔の手は離れない。
引きずり回される先生。
助手の先生が海翔を掴む。
先生は助手に良いから。
先生は海翔に引きずられ。
海翔は興奮しまくった。
海翔。
止めて。
私が叫んだ。
一瞬。
診察室は静かになり。
……………………
……………………
海翔は先生の胸元を鷲掴みし、舐めるなよ。
このやぶ医者!!
お前クビになりたいのか？
はぁ？
誰が胃癌だと。
何が末期だと？
おい。
院長や病院の中の偉いさん。
呼んでこい！
ふざけるな!!
病院中聞こえる海翔の声。
舞台の仕事してるだけあって。
普通の人より。
声も高く。
鳴り響く。
先生は海翔に掴まれたまま。
先生の顔色も変わっていた。
先生は海翔に担当医だと話し。
深々挨拶している。
海翔も深々と挨拶。
私は元気ないが、挨拶はした。
担当医から。
思わぬ告知宣言された。
…………………………
…………………………
中尾さんですが………
…………………………
末期の胃癌。
宣言。
検査、検査。
もうふらふら。
海翔が来てくれた。
美咲。
大丈夫か？
うん。
来てくれたの？
ごめん。
忙しいのに。
先生が海翔にも話があるって。
変だね。
妊娠ごときに。
美咲。
食事してる？
また痩せてるよ。
ちゃんと栄養取らないと、赤ちゃん、腹減るぞ。
うん。
頑張ってるけど。
吐くの。
ごめん。
昨日はしゃぎ過ぎたのか？
体調が悪い。
朝から吐き気と胃痛。
ナースコールした。
すぐ看護師さんが来てくれた。
どうしよもなく、吐くが、全て胃液。
これが、つわり、
こんなに苦しいのか？
世の中の妊婦さんて。
私は乗り越えれる。
だって２人の母親なんだから。
食事も豪華な和洋折衷だ。
頑張って食べないとね。
私は幸せに満ち溢れていた。
地獄の入口に立っているなんて………
朝の回診で目が覚めた。
大丈夫ですか？
妊娠おめでとうございます。
もう４ヵ月に入ってます。
これがエコーの赤ちゃんです。
ヘェ～。
これが私のお腹の中の赤ちゃん。
先生、私、いつ退院ですか？
先生は。
そう焦らずに、ゆっくり経過見ましょう。
いくつか検査ありますから。
もう少しゆっくり休めて下さい。
妊娠ごときに、大層な病院だ。
美咲。
今日は疲れただろう。
ゆっくり休みなさい。
良太はお母さんがホテルに連れて帰るから。
ゆっくり休んで。
すぐ帰れるだから。
そして重い口のお父さんが。
美咲。
すまん。
美紀の事全てお前に任せて……
姉ちゃん、連れて帰るわ。
良太の事も考えてる。
今までありがとうな。
今から美咲は幸せ掴むんだから。
今日はゆっくり休め。
何年ぶりかなぁ！
お父さんのなんな言葉。
海翔のお陰だよね。
私はゆっくり休めた。
退院後の事も考えなきゃ。
もう１人の身体ではないんだから。
良太が両親と入って来た。
ママ大丈夫なの？
もう怖くないよ。
僕、いい子にしてる。
朝も起きるから、早く帰ろうね。
良太。
分かった。
良太お兄ちゃんになるんだよ。
だから、良太が赤ちゃん守ってね。
良太は目を丸くし、状況が把握出来てない。
おい。
良太。
またカードしような。
俺、行くわ。
お父さん、お母さん、ゆっくりしていて下さい。
美咲、赤ちゃんの写真貰ってるから。
俺、お袋に話するわ。
んじゃあ。
海翔は帰って行った。
ねぇ。海翔。
私との出逢いなんだけど。
何故私を選んでくれたの？
お前も知ってるだろぅ。
この世界の金の汚さ。
お前はそんな事考える女じゃない。
良太の話も聞いて、お前なら、大丈夫だと、思った。
何故 既婚者だったの？
既婚者が一番逃げやすいのさ。
既婚者だったら、後腐れないから。
本当の遊び人は、皆既婚者なんだよ。
それにまんまと騙されていたのが私？
そう。
こっちも既婚者の方が動き易いんだよ。
お前の事は、ずっと見てた。
まぁロクな男掴まない女だよ。
お前は。
だから良太もお前を心配してる。
良太が？
良太凄いぞ、俺は、あいつに負けるよ。
お前の事、ずーっと見守ってる。
大した男だよ。
良太は。
良太が…………
私の事を…………
母親らしい事何も出来ていないのに。
美咲。
お前立派な母親してるよ。
病室のカーテンから、夕焼けが部屋の明かりを、照らしてくれる。
海翔？
俺様とかブスなんて、花団みたい。
あんたどう転んでも道明寺とはかけ離れてるけどね。(笑)
お前こそ、つくし、みたいに綺麗じゃないぞ！
何よ段々腹立って来た。
子供産むのは辞めようかなぁ？
ごめん。
産んで。
俺は、カッコ良くないけど、なの団体グループに入るより確率高い、嫁にしてやるんだぞ！
絶対に男の子産まれるまで、つついてやる！
覚悟しとくんだな！
分かった。
海翔 ありがとう。涙。
海翔が……
将太。…………
笑うわ………ハハハハハﾊﾊﾊﾊ
笑うわハハハハハﾊﾊﾊﾊ
馬鹿にするな！
お前こそ、源氏名前。
しずか。
しずか。ってドラえもんから貰ったんだろう。
単純 しずか。
わかりやすい名前。
あんたこそ。
将太だなんて、ダサいわ。
将太君～
将太君～
馬鹿にしやがって
惚れてた癖に。
嫌、嫌。
逃げたくて、逃げたんだよ、鼻くそ男。
笑い、ハハハハハﾊﾊﾊﾊ
部屋中２人の笑い声が充満した。
お前。
ブー。
はい。
失格、お前あの仕事何年してたの？
沢山新聞読んでるだろうが。
俺、これでも有名人。
お前。
俺様のWikipedia知らない？
はぁ？
話にならん。
辞めて正解。
ピンポーン
卓球と違うよ。
海翔は機関銃のごとく喋り出した。
美咲。
ごめん。
俺は、俺は、
あのさぁ。
美咲いつも家庭の心配させて。
お前俺から居なくなって。
俺の事諦める為に。
でも俺。
お前を見つけて。
またお前を苦しめて。
俺は、俺は、
早く言ってよ。
子供下ろせって事！
私養育費要らない。
あなたの前から消える。
それでいいんでしょう？
分かった。
海翔が部屋に入って来た。
よう。
私も。
よう。
両親は私達の姿を見て、部屋から出て行った。
海翔。
ありがとう。
美咲。
ありがとう。
俺様。
パパになるよ。
駄目だなぁ・俺様パパだなんて。
海翔。
ごめん。
海翔の家庭私壊したよ。
でも私は産みたい。
海翔の子供……………
産みたい。
私は声をあげ海翔に抱きつき、声を出して泣いた。
海翔。
ごめん。
気持ちが少し軽くなった。
海翔がそこまで考えてくれたなんて。
でも私達は結婚は無理なのに、何故？両親は私を心配してくれるのか？
お母さんの話は続く。
お父さんもお姉さんの事は許していた。
ただきっかけもなく、私が良太を連れて帰ってくるのを待っていたらしい。
海翔が真ん中に入る事で、お父さんと良太の改善を図っていたらしい。
今回私の入院をキッカケに、父親と良太の顔合わせを提案してくれた。
両親は海翔の段取りで、当分ホテル暮らしになる。
良太と両親に取って何よりも大切な時間にしたいらしい。
本当の狙い目はそれだった。
私が入院する事で現実になった。
美咲。
大丈夫か？
両親の話を聞いている。
海翔が挨拶に来たらしい。
今後の私と良太の事を。
父親は初め浮かない顔で出迎えていたらしい。
海翔が何度も、しつこい位、私達に、会いに来て、父親は根負けしたらしい。
お姉さんの事も、良太の事も、全て許してあげて欲しいと。
お姉さんの骨を預けてあるお寺に行き、父親の先祖の墓に入れてあげて欲しい。
何度も、何度も、海翔は足を運んだらしい。
そして私の勤めるお店に、良太を見に来て欲しいと。
その時、母親が良太に。
母親は良太に告げ口したのではなかった。
良太を抱きしめ、美紀の子供なんだ。
良太君は。
良太はそれを聞いて、覚えていただけで、良太の事心配していたんだ。
私は凄い勘違いをしていた事、全て今日理解出来た。
私はこの病院の特別室に入って行った。
ホテルの一室みたい。
薄く流れている、クラッシック音楽。
花瓶に花が飾られている、
全て生花。
そこに一際目立つベッド。
決してここは病院の病室なんて感じさせない。
私の両親は遅れながら、病室に入って来た。
２人は心配そうに、私に話し掛けて来た。
もう私は自分の赤ちゃんの事しか考えていない。
車椅子に乗り私は涙が止まらなかった。
海翔………………………………………
どういう事なの…………………………
私 海翔に。 はめられた の？
私は血液検査や尿検査、まず初歩的な検査から始まった。
検査が終わり、扉が開と、長椅子に、私の両親が座っていた。
お母さんが。
美咲。
大丈夫か？
そしてお父さんも、あの時のお父さんではなく、
美咲。
すまん。
大丈夫か？
２人は別人みたいだ。
これも海翔の策略なのか？
私はもっと早く産婦人科に行っていれば良かったと、後悔していた。
私と良太は場違いな所に来ている。
佐藤さんの車から降りて一礼した。
帰国女子みたいな若い女性が。
中尾様でいらっしゃいますね。
私くし、海翔様から御依頼受けましては、全ての担当をさせて頂きます。
佐々木加代子と申します。
美咲様と良太様の御世話担当です。
美咲様の体調が改善されるまで、全て私サポートさせて頂きます。
名刺を出された。
あっ。
すいません。
大した事でもないのに、皆さんにお世話になります。
良太。
ご挨拶は。
こんにちは。
良太と頭を下げた。
美咲様。
良太様はこちらでお預かり致します。
まずは健康診断から初めさせて頂きます。
それから、美咲様のご両親も、駆けつけてくださってます。
えっ？
お父さん？
お母さん？
後ほど健康診断終始しましたら、お会い出来るかと思います。
私は立って居られなくなり、床に座り込んだ。
大丈夫ですか？
すぐ車椅子用意します。
佐々木加代子さんは、慌てず冷静な面持ちで、車椅子を用意してくれた。
何故？
私の両親なの？
駄目じゃん。
私の妊娠バレるじゃん。
お姉ちゃんみたいになるの？
私子供産めないの？
海翔 何考えてるの？
お願い、私の赤ちゃん
……………………………………………………
奪わないで………………………………………
お願い……………………………………………
私は嗚咽していた。
黒塗りの車が止まった。
私は内心どきどきしていた。
インターホンが鳴った。
おはようございます。
私くし、海翔様から御依頼受けました、佐藤と申します。
美咲様、良太様、お迎えに参りました。
私は、どうも。
今日は宜しくお願い致します。
頭を下げ、良太と車に乗った。
タクシーとは全然違う広い車の中。
佐藤さんは、終始無言。
黙っていた。
大きく聳える病院は、正に◯◯記念病院だ。
こんな病院なら必ず紹介状がいる筈。
私なんて、町の産婦人科に、行くよ予定だった。
良太が。
ママ凄い！
遊園地みたい。
凄く大きい！
ママ大丈夫なの？
私も驚いてる。
たかが妊娠だけなのに。
反対に恥ずかしい。
もう分かってるのに………
海翔……………
私は後を引けない事に、戸惑っていた。
ダルい身体を起こす事が日に日に増してきた。
私はお迎えがこない内に、化粧をし、相変わらず、髪を束ねた。
本当だ。
こんなに痩せている。
ヤバ。(-o-;)
私どうしたのかなぁ？
ため息(；-_-)=3
体重計に乗ると針が止まった。
えっ。
８キロ痩せてる。
元々細い体質の私には８キロはやばすぎる。
良太、
起きて………
ママ病院なの。
良太の朝は機嫌が悪い。
でも今日は病院だと言うと、パッと起きてくれた。
毎日枕元には海翔が買ってくれた、妖怪カードが置いてある。
私は幼稚園と美容院に休みの連絡入れ、お迎えを待っていた。
良太。
海翔好き？
僕、大好き！
おばあちゃんと会わせてくれたのも……
………………………………………………
良太？
何？
おばあちゃんと会わせてくれたの海翔なの？
あのさぁ～。
良太は海翔に何を話してるの？
ママ叱らないから、教えて欲しいなぁ？
良太は人と喋る事は苦手な筈。
何故？
良太は海翔に話すのか？
不思議だった。
良太。
前田さんの事好き？
………………
わ か ら な い。
ママの事いっぱい、いっぱい、聞いて来た。
ちょっと怖いおじさん。
そう。
じゃあ。
ママの働いてる竹野内さんは？
良太好き？
あのおじさん。
僕、嫌い。
えっ。
何故？
嫌いなの？
叱らないから。
あのおじさん、僕に、嫌いだから。
ウザイって言われた。
だから、僕………
あのおじさん…………
嫌い…………
そうだったの。
良太知らずにごめん。
良太教えてくれて、ありがとう。
私は良太を知らず知らず、傷付けていた。
私は全て男性の事を信じてた。
良太は沢山、小さな胸に、納めてた。
ごめん。
良太。
私は心の整理が出来た、海翔が全て私を守ってくれている。
良太と海翔が……………
良太。
教えて。
良太は海翔に不発弾の話しした？
前田さんの話しした？
ママブス？(;^_^A
これは、余計か？
おじさんとママが怖いロケット、下にあるって言ったよ。
そのおじさん、誰って聞かれた？
お家探してくれた、おじさん。
僕、誉められたら。
僕と海翔で(^0^;)(^0^;)
なんでもない。焦り……
海翔がママ元気かって聞いたから。
ｹﾞﾛｹﾞﾛしてる。
ご飯食べない。
たがら明日病院に行こうね。
ママ大丈夫だから。
良太は満面の笑みで私を見た。
やっと謎は解けた。
社長が知らない筈だ。
でも、病院に行けば……
妊娠してる事………
海翔にバレる………
止めようか？
リビングを見ると、不発弾より酷い、不発弾おにぎりがあった。
リビングがおにぎりと獲得し、グチャグチャだった。
もう良いか！
妊娠していてもお腹の子供は私が産んで育てる。
決心した。
何だか美紀姉ちゃんの気持ち少し分かる気がした。
その姉ちゃんの子供が良太。
私のお腹の子供と一緒。
お腹を触り呟いた。
ママ大丈夫？
良太が来た。
手には沢山の妖怪カード。
良太。
これ海翔が。
うん。
あの男何物？
不発弾撤去したり。
良太に高い買い物したり。
そして店では私が専属。
不発弾。
不発弾。
アッ、前田さん……
えっ前田さん……
こんな、ブス？
良太の笑い声で目が覚めた。
良太ごめん。
アッ
海翔。
オウ！
今日はごめん。
びっくりしただろぅ？
俺もびっくり 照れ笑い。
海翔って何物なの？
人を漬け物でも思ってるの？
一応人間。(笑)
化け物？
果物？
アハ…………
美咲。
明日迎えの者来させるから、病院行こう。
お前痩せすぎ。
良太も幼稚園休ます。
分かったな。
良太。
またカード無くすなよ。
んじやな。
待って！
海翔、何故病院なの？
私が具合悪いの知ってるの？
それと私美容院の…………
はい、はい。
体調良くなったら聞いてやる。
言っとくが、お前みたいな、ブス、誰も相手にしないから。
俺様以外な。
明日言う事聞け。
良太。
お休みリンコ。
海翔は黒塗りで、スーツ姿の、男性にドアを開けて貰い、帰って行った。
私はただひたすら、ベランダから、眺めていた。
今日ほど海翔の事を思った事はない。
海翔が不発弾撤去してくれた。
海翔。
海翔。
私は竹野内さんの事すら忘れていた。
明日病院に行こう。
良太に兄弟かぁ？
あっ竹野内さんだ。
どうしよう。
私の人生。
良太の人生。
どうすれば………
少し眠ってしまった。
布団を引いたが寝れない。
夜の仕事辞めてから避妊してなかった。
海翔は何故私が仕事辞めても、私生活まで私達と会っていたのか？
確かに海翔だけだ。
お客様は。
もし、妊娠していたら……………
海翔の子供…………………………
海翔は既婚者。
産めないよね。
でも産めるなら。
産みたい。
…………………
…………………
私達は安心しマンションに帰って行った。
良太。
海翔と約束したの？
うん。
約束したよ。
約束守ってくれた。
じぁ後何か約束？
内緒。
男同士の内緒。
ふぅーん。
良太ごめん。
ママ少し寝るね。
やばい(-o-;)
まさしく私の体調は何かある。
もしかして…………
もしかして…………
吐き気や貧血。
…………………
…………………
私は良太の手を握りしめ、人混みをすり抜け、海翔の近くまで行った。
海翔の近くまで行ったが、周りの護衛に囲まれて、海翔と会う事は出来ない。
政治家と念密に話をしてそう。
良太が、ありがとう、叫んだ。
海翔が私達を見た！
海翔は良太にＶサインした。
そこから海翔とは会えなくなった。
海翔は私達の事を分かってくれたが、近付いてくれる事はなく、帰って行った。
海翔…………
私は今昔の海翔に会いたい。
あの鼻くそ男。
海翔がどんどん私から離れて行く。
体育館から続々と人が出て行く。
安堵と疲れからか？
皆さんわいわい話しながら不発弾の空き地に集まり始めた。
勿論私と良太も人間違いなのか？
私はこの目で見たかった。
本当あれは海翔なのか？
良太行くよ。
うん。
竹野内さんには、知り合いかも？とごまかし、私達は空き地に行った。
良太は興奮していた。
空き地には凄い人だかりで中の様子が見れない。
私は必死で海翔を探した。
ゆっくり、ゆっくり、処理される不発弾。
ゆっくりトラックに乗せられ、この町から姿を消した不発弾。
テレビ中継が続く、ニュースでは、不発弾撤去の事を、アナウンサーが説明している。
防衛省のお偉いさんが、海翔とはなしている。
私はぼう然と見ていた。
海翔って。
何物なの？
あの鼻くそほじる海翔が全く別物。
海翔はただの人ではないんだ。
私は複雑な気持ちだった。
良太はやったー。
約束守ってくれたんだ！
格好いいよ。
凄く興奮していた。
約束？
良太が約束？
あの夜の日を私は思い出した。
男の約束を………………
海翔…………………………
何故なの？
私は周りの雑音も聞こえない。
無の息でずっと、テレビを見ていた。
竹野内さんが美咲ちゃんの知り合い？
その言葉すら聞こえない。
ずっと、ずっと、テレビを見ていた。
中継から不発弾が出て来た。
体育館の中は、ワァーと言う歓声。
拍手する人も居れば、泣いとる人もいる。
体育館の中は立派なライブ会場の様だった。
不発弾が徐々に、土の中から、出て来た。
不発弾ってこれ？
私は背中に寒さを感じた。
この上に歩いていたのだと。
その時初めて事の重大さを味わった。
そして脳天気野郎の海翔が遠く感じた。
私が知らない海翔の顔。
体育館にテレビが置かれた。
不発弾処理の中継である。
自衛隊員が土を掘る姿がテレビから映る。
私達は食い入って見ていた。
自衛隊員の他カッターにワーク服を着て、黄色いヘルメット姿の人も映っている。
あれ？
あれは？
海翔？
間違いだろう。
良太が海翔だ！
嘘だ。
海翔が何故居るの？
私は何回も見た。
海翔だ！
竹野内さん。
私もお話ししたい事があります。
実は………………
……………………
今私と両親の関係。
良太は私の子供ではない事。
姉の話しやら。
昔夜の世界にいた事。
全て話した。
だって初めて、人生初めて、プロポーズしてくれた人。
そして結婚なんて出来ないと思ってた。
私を受け入れてくれる人に初めて出逢った。
竹野内さんは真剣に聞いてくれた。
そうだったんだ。
美咲ちゃん、良く頑張って来たね。
僕、美咲ちゃんと良太君
大切にするから…………
……………………………
竹野内さんも沢山女遊びして来た事。
自分の親や兄弟の話し。
全て話してくれた。
お互いにまずは良太の事を優先しようと話し合った。
良太は友達と妖怪カード遊びしてる。
結婚となれば全て話しするしかない。
こんな気持ちになるのは、初めての事である。
私は竹野内さんと歩んで行きたいと強く思った。
良太がどう思うか？
それが一番大切な事。
嬉しい反面怖かった。
私は良太が友達と楽しく遊んでる姿を、ずっと、ずっと、見守っていた。
良太の父親って………
…………………………
本当に、本気にして良いのですか？
マジの話しですか？
本当に、本当に。
何度も繰り返していた。
竹野内さんは。
ごめん。
今日こんな場所で話す予定ではなかったんだよね。
本当はお店終わって、ゆっくり話したかった。
無理だったら。
構わないから……………
……………………………
もし、もし、美咲ちゃんがパートナーになってくれるなら、ご両親に会いたいんだ。
良太君の事もあるし。
良太君には頑張って、良太君のパパになりたい。
まずはご両親に会わせて、欲しい。
僕の本気……………………
………………………………
ちょっと待って下さい。
私は竹野内さんのプロポーズに度肝だった。
あの…………
……………………
周りは不発弾の話しでざわついている中、私達はお互い顔が赤くなり、この体育館の雰囲気とは、かけ離れていた。
美容師？
私はそんな事考えも付かなかった。
美容師って大変なんですかね？
私に出来ますか？
学校だって通わないと行けないし、余裕もないし、良太もいるし。
竹野内さんが。
美咲ちゃん、今から真剣に聞いて欲しい。
美咲ちゃんのサポートは僕がする。
だからお金や良太君の事は心配しないで。
その代わり………
なんて言うか……
僕が美咲ちゃんのサポートするから……
美咲ちゃんは、僕の………
なんて言うか……………
人生のサポートしてくれない？
アハアハ…………
こんな場所で……………
ごめん。(^^;)
ちょっと………
人生のサポートですか？
それって？
私に一生働けってこと？
違うよ！
………………………
………………………
だから………………
良太君のパパになりたいなぁなんてね。
…………………
２人は体育館のざわつきの中で、見つめ合い、違うムードになっていた。
良太を後ろに乗せ私達は体育館に行った。
美咲ちゃん、美咲ちゃん。
ここだよ！
竹野内さんだ。
美咲ちゃん、良太君。おはよう。
おはようございます。
連絡有り難う御座いました。
大変みたいですね。
そうなんだ。
自衛隊の海上自衛隊員が作業してるらしい。
昼過ぎに不発弾あるか？
わかるらしいよ。
そうなんですか？
大変ですね？
良太は幼稚園の友達が沢山居るのに、ビックリして、テンション高くなり、カード遊びに夢中になっていた。
私は竹野内さんと話をしていた。
美咲ちゃん、少し疲れてる？
顔色良くないよ。
大丈夫？
はぃ。
大丈夫です。
最近暑くなったりで、疲れているのかも？(^0^;)
案外デリケートなんですかね？
私って。
美咲ちゃん、前々から考えていたんだけど、美咲ちゃんは手先が器用なんだよ。
美容院の専門学校に通い、美容師目指さない？
僕がサポートするし、美容師になれば、一緒に仕事助けてくれない？
助かるんだけど。
良太、今日幼稚園休みだって。
えーー！
嫌だ。
良太、今日は大変な事が幼稚園の近くであるの、だから幼稚園もお休みだし、ママもお休み、ママと小学生の体育館に行くよ。
お弁当は体育館で食べようね。
お友達沢山体育館に居るよ。
えー。
うん。
分かった。
小さな良太には不発弾なんて理解出来ないだろうし、私だってピンとこない。
長期戦になるのかなぁ？
お水や食料持って行った方が良いのかなぁ？
毎日続いていた、不発弾処理の作業が。
私と良太は体育館へと向かう。
またスマホに美容院から連絡があった。
美咲ちゃん。
竹野内さん、おはようございます。
突然で悪いけど、今日あの不発弾処理だろう？
店休もうと思ってるだよね。
急でわるいけど、美咲ちゃんも、良太君も、離れた方が良いよ。
一応体育館に行くから、美咲ちゃんも、良太君と来ない。
話したい事もあるし。
どう？
そうですね。
良太も休みだし、私も竹野内さんに、相談あるので。
体育館に行きます。
ありがとうございます。
そんなに大変な事なんだ。
不発弾処理って。
朝からざわざわ、ざわついている。
そりゃあ何十年もの恐怖が解決するんだから。
非難地区ではない。
非難地区の人は昼から、小学生の体育館に、集まるらしい。
大変だ。
今日小学生も午前中までらしい。
私にはピンとこない。
不発弾の怖さがどれだけの事なのか？
今日１日大変みたいだ。
私のスマホに幼稚園から連絡が来た。
そうですか。
分かりました。
ありがとうございます。
良太、今日幼稚園休みだって。
マジかよ！
早く連絡網回してよ。
やはり大変な事になってるらしい。
今日竹野内さんに今後の話さないと。
私は自分の体調より、今後の事で頭がいっぱい。
さぁ良太！
行こうか。
キャラ弁なんて、作る時間かかるんだよね。
食べるのは一瞬なのに。
面倒くさいけど、出来れば、私も中々のシェフかも？(^ー^)
今日はいよいよ、不発弾処理の日。
毎日沢山の近所の人や野次馬が毎日覗きに来てる。
私の勤務してる美容院も、今日の話で持ち切りだ。
凄い作業らしい。
本当に不発弾あるのかなぁ？
良太！
早くた………うっ………
気分悪い……………
ダー………………………
オェ…………………………
ｹﾞﾛ…………………………
食べていないから、胃液だけ。
オェ……………………………
ママ大丈夫？
うん。
ありがとう。
ママ少し疲れてるのかなぁ？
アハ( ^o^)( ^o^)
良太、おはよう。(^0^;)
良太と私の生活リズムが固定して来た。
今のお給料では、食べて行けない。
一度オーナーの竹野内さんに相談しょう。
良太早く食べてね。
うん。分かった。
ママ今日はどんなお弁当作ろうかなぁ？
最近のお弁当は、キャラ弁がやたら多い。
マジ毎日キャラ弁の本と格闘しながら、お弁当作り。
ダルい、身体がダルい。
最近食欲もなく、野菜ジュースだけ。
最近胸焼けも酷い。
毎日溜め息も……
生活も安定してきたのに……
そう言えば海翔は私達の前から姿を消している。
元々チャラい脳天気野郎。
私が逃げたかった相手。
相手は既婚者。
さほど気にする相手でもない。
最近は凄く進んでいる不発弾処理現場。
不発弾が埋もれているのか？
お客様の話題も多くなった。
私は今の仕事にも慣れ、毎日任される仕事も、増えて来た。
良太がお店でお世話になる時は、時間待ちのお客様に、雑誌を渡す係り。
子供でも、仕事を与えると、一生懸命頑張る。
良太の顔を見に来て下さる、お客様も増えて来た。
いつもお客様から、オーナーの奥さんと、間違えられる事も多い。
実はオーナーの竹野内さんは、独身である。
竹野内さんは、良太を可愛がってくれる。
私も昼の仕事と良太との生活に慣れて来た。
良太は本当に私の子供になった。
たまにお友達連れて帰って来る。
相手の親御さんに、お預かりする連絡。
家から連れて帰る連絡など。
新しい人間作り。
良太がお邪魔する時は、良太にクッキーなど、持たせた。
朝から昼まで、美容院で働き、良太のお迎えして、また美容院に、良太を連れて行く。
スタッフの皆さん、良太を可愛がってくれる。
オーナーの竹野内さんも、資格ない仕事を与えてくれる。
そんな目まぐるしい毎日。
竹野内さんは本当に親切。
仕事が楽しくて、毎日時間がたつのが、早い。
今からとんとん拍子に事が運ばれて来た。
後日真央ちゃんからの連絡あり、今日は店長さんと会う予定。
最近時間があれば、横になってる。
子供中心のお母さんは、本当に大変だ。
私は髪を１つに束ね。
木造作りの可愛いお店の中に入った。
すいません。
中尾と申します。
店長さんお願い致します。
真央ちゃんからの紹介の中尾です。
はい。
聞いています。
店長………
店長………
奥から背の高い、イケメン店長が現れた。
お互いに目が合った。
すいません。
僕が店長、オーナーの竹野内です。
私は中尾美咲です。
全く資格もなく、素人なので、お役に立てるか？
反対に足引っ張るかも知れませんが。
中尾さんは資格ない事も聞いています。
雑用だけでも助かるんです。
何回か仕事して頂いて、続けそうか、良く考えて下さい。
元々人の髪の毛をアップしたり、まきまきしたり、好きな性格だから。
若い後輩の髪のセットは、私がしていた。
でもお金貰う美容院は、そんな訳ではない。
まず、前田さんに連絡しよう。
スマホを取り出し、前田さんのアドレスから、電話をした。
どきどき。
この電話は現在使われていません………
あれ？
番号間違えたのか？
同じガイダンス。
メールやline全て変えていた。
もう前田さんに会いに行くまでもないか！
気持ちは少し複雑。
美咲さんの連絡待っています。
あの言葉は、彼の本音なのか？
一応の建て前だけだったのか？
私は今日は時間の予定が空いてしまった。
スマホが鳴った。
前田さんかも？
もし。
もし。
お久しぶりです。
私分かります？
しすがさんですよね。
真央です。
お久しぶりです。
今良いですか？
わぁー真央ちゃん。
お久しぶり。
仕事頑張ってる。
どうしたの？
実はしずかさん、◯◯市でしたよね。
私の連れの先輩が、しずかさんの、近くで美容院してるんです。
もし、しずかさんが、手を空いていたら、その美容院紹介しますよ。
家庭的だし、良太君、皆で見てもらえそうなので。
うわー。
今職探ししてるの！(^^)/
助かるわ！
また詳しい事連絡しますね。
しずかさんは、手が器用だったから。
見習いからかも知れませんが、やる気あれば、いつかお店持てますよ。
最近はすぐ疲れて、すぐ眠りにつく。
朝のお弁当作りに、起きれないダルさ。
疲れが全く取れていない。
朝から不発弾処理の準備の為、工事の音が凄い。
本当に不発弾埋もれているのか？
単なる噂だけなのか？
何故もっと早く処理しなかったのか？
前田さんの事も。
いったい誰が動いているのか？
私はその事に関わる事が怖くなっていた。
私は１人じゃない。
良太は私が守って行かないと。
ママー！
今日もタコさん、ウインナー？
タコさんか、カニさんか、どっちがいい？
今日はカニさん。
オーケイ。
じゃあ支度して行くよ。
うん。分かった。
黄色の帽子をかぶり、良太は逞しくなった。
お友達とも仲良く遊んでるみたい。
良太。
今日先生にお手紙書くから、お迎え出来なかったら、１人で帰れる？
うん。分かった。
良太ごめん。(^^;)
ママ遅いよ。
ママのお迎えなかったら、僕１人でお家に帰るよ。
ごめん。
ごめん。
良太、今日のお弁当美味しかった？
ママの玉子焼き、全然美味しいよ。
おい。
おい。
ただ、美味しいよ、だけで良いのに。
私達は夕焼け空に向かって家路を急いだ。
今日はカレーにしたから。
残さず食べてね。
ママ人参入ってる？
大丈夫、良太嫌いだから、人参さんは、今日は無し。
やったー！
本当は人参をミキサーで砕いている。
何も知らない良太は、沢山食べてくれた。
社長の話しぶりからして、まんざら嘘は付いていない。
誰なんだろう？
その黒幕って？
あっ。(-o-;)ヤバい。
良太に叱られる。
私は幼稚園に向かう為、自転車に乗った。
身体がふらつき。
パタン。
痛い(^0^;)
早く迎えに行こう。
やはり体調が悪い。
身体がダルい。
全く検討すら付かない。
実に変な話しだよ。
うちも地元密着型だから。
生活掛かってるし、前田君も喜んでたよ。
悪い話ではないから、こちらも話しただけ。
しずかちゃんが考えても、悪い話しじゃないよね。
まぁ上手い話には裏はあると言うがね。
社長さん。
有り難う御座いました。
私は良太との生活や、今の現状の話をした。
あっ社長さん。
今日から空き地の不発弾処理の工事に、関わっているんですか？
前田さんが不発弾の話をしていたので。
今回初めて、行政が動いたんですね。
そうそう。
実は地元の私でも知らなかった話なんだよ。
誰も噂だけで。
動かなかったんだから。
しかし不発弾が埋もれてるか埋もれてないかも知れないのに。
今日商工会で話題持ち切りだよ。
不発弾出て来なかったら、その費用誰が負担するのか。
勝負師だよね。
正直前田君がそんな力のある、人材だとは、知らなかったよ。
君と前田君の事は、言われるまま、彼に話した。ただそれだけ。
社長、その大物って、誰なんですか？
それはこっちが聞きたいよ。
こちらも正直参ってるんだよ。
前田君に辞められて。
ただ本当にあの大企業に就職出来たんだから。
前田君は大した男性だよ。
反対にしずかちゃん、前田君と何かあった？
何もありません。
だから社長さんに、会いに来たんです。
その大物は、社長は知らないの？
誰がそれを言って来たんですか？
しずかちゃんは、◯◯商事の◯◯副社長知ってる？
…………◯◯商事？
えェェ…………。
全く存じません。
話を持って来たのは、その人物だよ。
あー。
君は奥で書類整理していて。
はい。
分かりました。
ごゆっくり。 <(_ _)>
ありがとうございます。
社長話してくれますよね？
分かったから。(^^;)(;^_^A
暑くなってきたね。
実はある力から、前田君の話があって。
呼び出された。
こっちも仕事してるから。
前田君を辞めて貰いたい。
条件は１部上場企業に就職させる。
もし条件が呑めないなら、大手不動産のチェーン店を、近くに作ると。
家は先祖代々からの不動産屋だから、チェーン店なんかに物件持って行かれるもんなら、タチマチ潰れるよ。
まず前田君を建設会社に就職させる。
その段取りは、その実業家が、用意する。
後、前田君には、君と会わせない事。
(^^;)(^^;)(^^;)
早く帰って来ないかなぁ？
良太もすぐにお迎えだし。
ｱｱｱ………………
そろそろ時間の限界だ。
社長がドアを開けた。
し、し、しずかちゃん。
元気だった？
目を合わそうとしない。
社長さん、分かりますよね？
私が何故来たのか？
全て話して下さい。
社長は観念したのか？
話してくれた。
最近身体の調子が悪い。
少し貧血気味だ。
すいません。
座らせて貰えますか？
大丈夫ですか？
お顔の色が悪いですよ。
お茶入れて来ますね。
中々優しい女の子。
社長に会うまで動悸が止まらない。
すいません。
頂きます。
美味しいです。
貴女の入れて下さったお茶。
ありがとうございます。
社長さんに、連絡しました。
何度も、しずかちゃん、しずかちゃん、て言ってましたよ。
帰って来られます。
貴女は最近入社されたのですか？
はい。
最近です。
外回りの男性も募集しているんです。
やはり何かある。
社長何考えてるの？
怒りがまたマックスに。
社長がいる会社の前。
思いっきり扉を開ける。
いらっしゃいませ。
可愛い女の子がいた。
すいません。
社長さんいらっしゃいますか？
社長さんなら今お出かけです。
分かりました。
しずか、が来て居ると、携帯に連絡して貰えますか？
失礼ですが、社長さんとは？
はい。
以前から、物件などでお世話になり、近くまで来ましたので、ご挨拶に。
とにかく社長に会う。
今日中に絶対に社長に会う。
あの……
美咲さんと会わない事。
え？
私と前田さんが会わない事？
それ誰に？
社長です。
…………………
…………………
確かに社長と何もないとは言わないけど。
前田さんと私の事で。
内心色々と考えていた。
わかりました。
再度社長に確認して、前田さんに連絡します。
お会い出来ますか？
会えるなら、僕は美咲さんに会いたいです。
美咲さん無理しないで下さい。
正直親も喜んでいるんです。
大企業だけに。
また連絡待ってます。
では。
連絡します。
頑張って下さいね。
お父さん、お母さん、お喜びなのは、何よりです。
失礼致します。
私の行く先は１つ、社長の所だ。
中々言葉を濁す前田さん。
会わない事を前提で話してくれた。
始まりは私達が最後に会ったあの日。
会社に帰ったら、社長から呼び出された。
社長は経営難に陥り、◯◯建設会社に行けと、言われたらしい。
◯◯建設とは、東証１部企業だ。
何故？
社長は経営難なのに、１部上場企業に彼を送れたのか？
経営難なの？
まだ不動産は存在してるよね？
そして、前田さんは、今の不動産屋さんより、大手企業に、就職してるの？
僕もはっきりは、分かりませんが、経営難なんて嘘だと思います。
それと…………………
え？
何？
そうだ。
前田さん。
コロッと忘れてた。
この不発弾も前田さんから聞いたんだ。
前田さんに連絡しよう。
私はポケットからスマホを出し。
前田さん。
前田さん。
あった！
相手に呼び出している。
電話に出るまで、どきどき。
前田です。
前田さん？
私、中尾です。
中尾さん。
こんにちは。
実は僕も連絡しょうと思っていました。
すいません。
良太の事でw=(ﾟoﾟ)=wバタバタしていて。
今不発弾の事聞いて。
あの………
僕、会社辞めたんですよ。
お会いしたかったんですが……
あれ？
そんな事言ってませんでしたよね？
どこかでお会い出来ますか？
嫌、仕事が立て続けで。
本当に中尾さんとお会いしたかった。
でも無理なんです。
良太君、幼稚園行ってますか？
ええ。
お陰様で。
何故？
会えないのですか？
先日はお会いする話しでしたよね？
私はこの後私の裏で分からない何かが動いている事を知る。
今日は朝から凄く外が賑やか。
カーテンを開けると、凄い人盛り
何かお祭りなの？
私は外に出た。
何があるのですか？
実はあそこの空き地に、昔から噂の、不発弾処理、してくれるらしいの。
昔から怖かったから、本当に安心だわ。
でも本当に不発弾あるのか？
分からないんですよね？
誰かが市会議員さんに頼んでくれ、市長自ら動いてくれたの。
もう何十年も放置して、やっと動いてもくれたのよ。
ありがたい。
ありがたい。
そうなんだ。
誰かが動いてくれたんだ。
了解も安心して遊ばせる。
私は一緒に野次馬みたいに見ていた。
ママ、触っちゃ駄目！
何故？
指紋付くもん。
はぁ。
わかりやした。
了解の助。
シーン……………………………………………
漂う滑ったギャグ。汗、汗だく。
良太はカードで機嫌が良い。
海翔は私を抱き機嫌が良い。
でもたまに鋭い尖った目になる海翔。
その海翔の鋭く、実力がある事を、この後知る。
良太は海翔に妖怪カードを頼んでいたみたい。
今大人気で。
カード自体入手困難らしい。
良太は興奮していた。
これ全部レアカードばっかじゃん！
当たり前だ。
海翔様が持って来るカードだぞ。
糞カードなんて1枚もあるか！
良太、絶対に友達にカード見せるなよ。
絶対にこのレアカードは、誰も持っていないから、お前さん、苛められたり、取られたりするから。
友達にはお前さんの糞カードで遊べ。
分かったか？
うん。
分かった。
良太は最近 うん。以外に 分かった。も言える様になった。
ヘェーこんなカードレアカードなの？
ただのトランプじゃん！
ドアを開け。
海翔が良太に。
おっす！
約束大丈夫だった？
と聞く良太は。
ばっちりだよ。
と答える海翔。
うーん。
何２人で約束したの～。
ママも仲間に入れてよ。
２人は、無理～!!
これは男の約束だからね。
なんだか羨ましい光景。
マンションの下に着いた。
前田さん、またゆっくりと。
はい。
良い日お時間下さい。
前もって言って下さったら、休み取りますから。
では、良太君
またね。
ばいばい。
私は前田さんに会釈した。
良太、今日楽しかった？
うん。
僕お友達出来たよ。
カードの話も沢山したよ。
今度お家に呼んでもいいかなぁ？
良太の子供らしい姿に、私は安堵感に、満たされた。
良太。
海翔いるよ。
ほんとうに？
やったー約束してたの、守ってくれたんだ！
良太は転ぶ位駆け足で、マンションに入って行った。
何が約束なのか？
良太。
お帰りー。
良太は走りながら、私に飛び付いて来た。
ママーただいまー。
２人で抱き合ってる側に前田さんもいる。
カーテンが鋭い音をたて、閉まった。
そこには鋭い目をした海翔が立っていた。
私はそんな事も知らず、3人で歩いて、マンションまで、帰って来た。
良太が待っている、幼稚園。
中尾さん。
うん。
前田さん。
お元気ですか？
良太君のお迎えですよね。
実は僕美咲さんを待っていたと。
すいません。
また時間作ります。
ごめんなさい。
この２人のやり取りを、ベランダから見ていた。
そう海翔の鋭い目が。
私はそんな事も知らずに、前田さんと話していた。
海翔は。
ハハァ………
海翔の上下運動は何回したのか！
海翔はイッテしまった。
美咲。
最高！
我に返った私。
海翔。
ごめんね。
昨日も………
大丈夫だよ。
ちと心配になって。
ｱｧ美咲、良太のお迎えは？
ｱｱｱそうだった。
すぐシャワー浴び、髪を束ね、お迎えに向かった。
海翔に留守番頼み。
良太待っていてね。
海翔………
海翔………
アァ………
ハァ………
海翔………
もっと…………
もっと…………
ハァ(´ヘ｀;)
ハァ(´ヘ｀;)
き、き、気持ちいいよ！
アァ…………
海翔は汗だくになりなから、私の上で腰を振った。
最高にマックスな気持ちになった。
ドアを開けると、海翔だった。
おう。
抱きしめてくれた。
背中をトントン叩いてくれた。
私は海翔の胸に深くうずくまった。
海翔は何も言わない。
今日は私だけの海翔でいて。
家庭なんて帰らないで！
私は海翔が嫌いで離れたのに、今海翔に抱かれたい。
海翔は優しく唇を重ねて来た。
私の耳、首すじ、そして胸、頭の先から、足の先まで、愛撫してくれた。
美紀姉さんのお墓は、お寺に預けてる事。
美紀姉さんの彼氏とは交流ない事。
良太は私の子供として、育てる事。
全てお母さんに話した。
もう私の良太を虐めないで。
お父さんに伝えておくわ。
美咲は大丈夫なの？
お父さんに話すから、一度良太を連れて、帰って来て。
と言われた。
一応考えて又返事するから。
もう絶対に良太に何も言わないで。
お母さんは嗚咽しながら、分かったと、答えてくれた。
私は全身の力が抜けた。
そこにインターホンが鳴った。
あのさぁー。
勝手に私達の生活かき乱すのは止めてくれない？
あんな小さな子に残酷だよ！
聞いてる？
おぉお父さんが………
…………………………
…………………………
お姉ちゃん亡くなった事も知らなかった。
だから美紀だと思って…………
あなた達何もお父さんやお母さんに言わないの？
何故、美紀が亡くなったのか？
調べたの。
あなたこそ、親不孝だわ。
母親は半狂乱に、叫んでいた。
あのさぁー。
お父さん、お母さんが、美紀姉さんを、追い出したんでしょう？
お父さんの最後の言葉覚えてる？
………………………
………………………
もう他人だからって、美紀姉さんを、追い詰めたのは、誰なの？
私も感情が押さえられず、叫びまくった。
今日は良太の幼稚園の体験入園。
良太はカード持って行きたいと言ったが、お友達が欲しくなるからと、諦めさせた。
幼稚園まで送って行き、すぐマンションに帰った。
私はどうしても確認する事があり。
母親に何年ぶりに会話する。
プルルン…………………
プルルン…………………
はい。
中尾で御座います。
もしもし。
お母さん？
私、美咲。
お久しぶりです。
…………………………
…………………………
聞いてる？
聞いてるよ。
分かるよね。
私が電話した意味？
…………………
…………………
台所に行くと、不器用な、男性のおにぎり。
これ海翔と良太で作ってくれたの？
良太は。
元気に。
うん。
海翔は家庭で家事してるのかなぁ？
どう見ても、おにぎり、とは言えない。
土ダンゴ？
私は思わず微笑んだ。
海翔が家事するなんて、想像もしなかった。
気持ち、少し疲れが取れたかも？
今日は２人に感謝だね。
明日から又ママ頑張るね。
ハッと目が覚めた。
どれ位寝ていたのか？
２人の笑い声。
海翔が良太と。
笑いながら話してる。
カードの話を？
海翔は真剣に。
良太がカードを教える。
私はドアを開けた。
海翔が。
どう？
楽になった？
ありがとう。
海翔は早く帰って。
家族が心配してるよ。
海翔は家庭の話をすれば、顔が曇り顔。
さぁ行くわ。
良太。
またな！
うん。
バイバイ。
美味しかった。
う？
食事忘れてた。
アチャァー。
今日は深く話す気分ではない。
母親と会っていた良太。
何故？
良太は俺が見ているから、少し横になれよ。
大丈夫だから。
なぁ良太。
うん。
ごめんね。
少し横にならせて。
最近体調が良くない。
引っ越しの疲れが出てるのだ。
少し目を閉じ。
眠ってしまった。
何年も音信不通の母親が………
私はその真実に真っ白状態。
美咲、
美咲、
大丈夫か？
美咲。
海翔が私を支え抱きかかえてくれた。
海翔。
ごめんなさい。
海翔。
大丈夫だ。
大丈夫だ。
うん。
大丈夫。
頭を撫でてくれる海翔。
良太は。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
泣いていた。
良太が私が母親ではない事。
誰から聞いたのか？
良太は私の想像していない人から聞いていた。
それは。
……………
……………
僕のおばあちゃん。
え？
何故？
良太と、お母さんが？
なんで？
会ったの？
私は頭の中がグチャグチャになり、倒れそうであった。
良太は静かに部屋から出て来た。
良太。
聞いていい？
………
………
良太は黙っていた。
良太。
聞いていい？
良太。
海翔が。
よせよ！
何があったのか？
もう良いじゃんか？
黙っていて。
私は強い口調になった。
良太！！
ママに話す事ない？
良太は泣きそうに。
…………………
…………………
ママ、ごめんなさい。
はい。
どうぞ。
良太少しの間、良太は部屋に居て。
分かった？
分かったら返事は？
うん。
(；-_-)=3ため息。
海翔に話があるの。
海翔、良太に何か話した？
海翔は鼻くそほじりながら。
何故？
良太と話を？
良太、うん。しか言わないだろぅ？
話す事もないよ。
どうしたの？
海翔じゃない？
良太ちょっと来て。
私は直接良太に聞こうとした。
凄く勇気が言った。
良太があんな事言わなければ……
知ってる現実を聞こうと。
美咲。
だろう？
だから俺はお前をどこに行っても、探せるの。
確かに………
金の力がどれ程強いか……
私は分かってる筈なのに……
海翔。(笑)
家庭どうなの？
上手く行ってる？
何故そこまで私達に付きまとうの？
美咲、家に入れて。
さぁ早く～。
全てはお家の中で。
私はこの脳天気な笑い方が嫌い。
自分では何も出来ない男が。
偉そうな余裕なあの笑顔が。
社長！
話が違いますが。
私の口調がキツかったのか？
しずかちゃん。
どうしたの？
何かあったの？
社長。
私の引っ越し先。
お店の人に言いました？
嫌……
最近店も行ってないし。
誰にも話してないが……
何かあったか？
前田行かそうか？
いえ。
すいません。
有り難う御座います。
では。
もう私の気持ちは、マックスになる。
海翔は。
？？？
しらばっくれるな！
どこまで私をコケにして。
マンションも極秘に引っ越しし。
携帯も新しくして。
人生やり直す為に。
また海翔が私達の前に。
私は正気ではなかった。
田中不動産に電話した。
社長。
しずか、です。
海翔を前に。
私は海翔に近づき。
バチっと頬を殴る。
海翔は。
痛いよー。
親にも殴られた事ないのに。
あのさぁー
迷惑なんだけど。
私はもう、しずか、でもないし。
あんたの機嫌取る必要もない。
あんたから離れたいから、引っ越したの。
あんたの家庭壊す事位、私にも出来るんだから。
壊してやろうか？
あんたの家庭を？
良太が。
ママ止めて！
お願い。
ママ止めて。
良太が海翔を庇った。
良太が。
マンションまで良太とは何も話さなかった。
良太は何故？
知ってるのか？
海翔の名前を聞くのが嫌だった。
マンションの入口。
美咲。
美咲。
美咲ちゃん！
海翔の声だ！
何故？
海翔が居るの？
完璧なはずなのに………
私の気持ちはバキバキ折れる音がした。
笑顔いっぱいの海翔。
オレンジ色のクーペ。
俺探したよ。
美咲、金があれば、お前は
逃げれない。
そして笑顔。
それにしても海翔はなんて残酷な事をするのか？
最低だ！
連絡して文句言いたい。
奥さんに全てバラしてやる！
私の怒りは収まらない。
心の中が煮えたぎっている。
良太は何もなかった様に１人遊びしてる。
前田さんは聞いてはいけない事聞いてしまった。みたいな感じだった。
美咲さん。
全て抱え込ます、僕に頼って下さい。
出来る限りのサポートしたいです。
前田さん。
有り難う御座います。
今日はこれにて失礼させて頂きます。
良太行くよ。
私は良太の腕が抜ける位引っ張り、家路を急いだ。
それから私は良太の母親になり、夜の世界に足を踏み込んだ。
良太を育てるには、この世界しかない。
私は良太の理想の母親にはなれないけど、良太と一生歩んで行くと誓った。
でも何故？
良太が。
前田さんに……
いつも、うん。しか言わない良太が。
そう、良太の母親は私の実の姉。
姉は当時付き合ってた既婚者との間に出来た子供。
親は猛反対、でも姉は子供を下ろさなかった。
私も姉に付いて、田舎の実家から、今の都会に住んでいた。
姉と私はひっそり暮らしていた。
それ以来実家に帰る事もなく、姉妹で良太の誕生を、楽しみにしていた。
良太を産んで姉は、乳癌を患い、あっさりあの世に逝ってしまった。
良太は知っていた。
良太の母親が私じゃない事。
そう私は良太を産んでいない。
子供すら産んだ事などない。
何故？
良太が………
もしかして。
海翔？
怒りが込み上げて来た。
最低最悪な野蛮人。
脳天気野郎ではなく、人間として、最低なクズ。
良太はいきなり。
僕本当はママの子供じゃないんだよ。
ええ…@∞～＆…
良太？
何言ってるの？
良太はママの子供だよ。
僕知ってるよ、ほ、ほ、僕はママの子供じゃない事。
良太良く聞いて、何がなんだか？
一番ビックリしたのは私。
前田さんも言葉を失っていた。
一瞬時間が止まった。
二度と忘れられない瞬間。
そんな事聞いていなかったし、幼稚園の近所だよ。
誰も何も出来ないのか？
お金掛かるからかなぁ？
掘って不発弾無ければ無駄だから？
でも怖いよ。
前田さんは、噂だけだと、私に嘘、噂。
笑っていた。
変な所に越して来たかなぁ？
前田さんと２人見つめ合う。
何か話したいのか？
前田さんからは、それ以上の話はなかった。
良太が私が思いもよらない、不発弾より衝撃な事を口にした。
次の日私達は良太が通う幼稚園に足を運んだ。
鉄のアーチがある幼稚園。
良太行けるかなぁ？
良太と歩いていると、前田さんがスーツ姿で、こちらにやってきた。
美咲さん。
やっぱりそこでしたか！
多分そうかなぁって思って。
あらら。
すいません。
留守だったでしょう。(^^ )
今時間大丈夫ですか？
美咲さんと話したくて………
前田さんは笑顔で話してきた。
たわいもない会話。
時間はあっという間に過ぎていた。
大きな空き地で良太は遊んでいた。
前田さんが「この空き地売れないんです。」
どうしてなんですか？
前田「地元の噂だけなんですが、この下、不発弾が埋まってる、って噂なんです、噂だけなんで、掘る事もなく」(笑)
私は思わず良太を抱き上げた。
前田さんは、すいません。
ビックリしましたよ。
やはり引っ越しで疲れたのか？
身体がダルい。
良太ママ今日携帯買いに行くから、１人でお留守番出来る？
うん。
良太は１人でお留守番してる事も多かった。
良太はカードで１人遊んでいる。
チャリで駅前までダッシュ⇨⇨⇨⇨⇨
駅前の携帯ショップに駆け込み、電話番号やアドレス全て変えた。
良太の好きなハンバーグ久々に作るか！
私は良太の待つマンションに帰った。
ピンポン！
ガチャン。
良太知らない人だったらどうするの？
ママだったから良いけど、ちゃんとカメラ見てよ。
うん。
今日は良太の好きなハンバーグ作るね。
何年ぶりかなぁ？
こんな穏やかな雰囲気は。
良太は誰が好きなのか？
良太は、うん。しか言わない。
私が悪いのか？
良太。
良太と買い物に行き、チンして食べよう。
さすがに私も疲れていた。
夕焼け空がとても新鮮だった。
良太の好きなキャラクターのお布団に、良太は喜んですぐ寝てしまった。
私は洗い立ての髪を束ね、缶ビールを飲んでいた。
スマホが鳴った。
海翔だ。
あちゃースマホも解約しないと。
全て海翔からの連絡も絶ちたかった。
明日解約に行こう。
鳴り続けるスマホ。
電話に出る事もなく、何度も鳴るスマホを、私は布団の中に隠して、電気を消した。
良太疲れたね？
うん。
良太は少し綺麗なマンションに、嬉しいのか？
少し走り回っている。
良太。
外に行こうか？
うん。
近所見てスーパー探し探検どう？
うん。
私達は久しぶりに手を繋ぎ、スキップして楽しかった。
ここに前田さんが居てくれたら……
案外近くにスーパーもあるし。
住みやすいかも。(笑)
いつ前田さん訪ねてくれるかなぁ？
良太と仲良くしてくれるかなぁ？
ねぇ良太？
新しいお家気に入ったかなぁ？
うん。
良太？
前田さんは？
……………………
良太？
……………………
荷物も同時期に到着していた。
荷物を運ぶのも早いが、荷物を入れるのも早い。
新しく買った家具も届き、一服。
良太もずっと幼稚園見えるベランダにいる。
良太。
もうすぐ幼稚園いけるからね。
うん。
良太はカードを持ちながら。
ベランダにいる。
前田さん、今日は有り難う御座いました。
美咲さんも良太君もお疲れ様。
今日は疲れたでしょう？
今日はゆっくり休んで下さい。
美咲さん。
また来ていいですか？
はい。
今度は家でご馳走させて下さい。
嬉しいなぁ。
絶対に。
凄く楽しみです。
ｱﾊﾊ
前田さんは良太の頭を撫でて帰って行った。
さぁ出発だよ。
良太君、新しい家に行くよ。
出発進行！
前田さんは良太に笑いながら車のアクセルを踏んだ。
私はボロアパートに、沢山の思い出と、海翔に、さようなら、と御礼を目でいっていた。
さぁ新しい生活のスタート。
良太幼稚園も新しいお家も気に入ってくれるかなぁ？
そして前田さんの事も………
前田さんはあのお気に入りのあの曲。
このまま君を奪い去りたい。
鼻歌まじりで運転している。
良太は下を向いて。
何故か？
悲しそうだ。
良太……………
今日は緊張しているのか、２人共早く起きた。
前田さんが私達の引っ越しの為、有給を取ってくれ、前田の車で、引っ越し先まで、乗せて行ってくれる事に。
引っ越しも隣り近所にも分からない様に、引っ越し業者さんには、念を押してある。
前田さんから連絡があり、引っ越し業者がやってきた。
ビックリする程テキパキと短時間で、荷物はトラックに運ばれた。
元々荷物は少ないほうだが、見事な腕前に拍手してしまった。
良太は妖怪カードを大切に持っている。
私と前田さんは、顔を見合わせ、笑顔で良太を見ていた。
前田さんは頻繁に連絡くれる。
明日はいよいよ、引っ越しだ。
良太には、大切な荷物だけ、自分で持つんだよ。
私もその日に荷造り引っ越しなので、部屋の整理だけで１日が終わった。
前田さんは私達の引っ越しの日に、有給取ってくれ、前田さんの車で、私達の家に連れて行ってくれる。
これからは前田さんを支えに生きて行こうと考えていた。
良太は妖怪カードを大切に持っていた。
さぁ明日は私達のスタート。
良太と抱き合いながら、眠りについた。
海翔起きて。
早く起きて。
ウーン。
海翔家に帰らないと。
海翔には家庭があるのよ。
私達の仕事は気分良くお客様に家庭に帰って貰うのが私達の仕事である。
家庭を壊したり、家庭に不安を持たせる事は、あの世界では、タブーである。
海翔。
お願い起きて。
海翔が家に帰らないと、私、海翔と別れるよ。
海翔はそんな事、私が出来ない事、知ってるよね？
海翔は無言で家から出て行った。
何かあったのか？
もしかしたら、私達の事、バレたのか？
海翔の様子が少し違った。
でももう後戻りはしない。
海翔今日どうしたの？
何もありましぇんよーだ。
完全にいかれてる。
元々そんな感じの人だから、気にする事もない。
明後日嫌、明日で私達は、この男と別れるだから。
海翔は事を済ませると、薄くイビキをかいていた。
少し疲れているみたいだ。
海翔はヘロヘロ。
良太をサッとお風呂に入れて、寝かしつけた。
海翔は少し酔いが冷めたのか？
美咲ちゃん！
ねぇ美咲。
嫌だ！
早く帰らないと、ね。
嫌だ帰らない、美咲ちゃんと、ネンネする。
駄目！
良太起きてるかも？
嫌だって！
嫌………………………
アァ………海翔…………
アァアァ…アァ…アァ。
天上に吊り下げている、照明が揺れている。
私は海翔の力強さに負けた。
海翔今日どうしたの？
いつもより凄い。
アァ…アァ…
私と良太がご飯を食べてる間も、脳天気野郎の海翔は、自分の話しばっか。
良太はモクモク黙って食べてる。
海翔は仕事の事や、政治経済の、訳分からない話しをしている。
ほとんど何を話しているか、呂律すら回っていない。
良太お前早く寝ろ！
俺様の言う事聞け！
サッサと食え！
酒臭い。
(´ヘ｀;)ハァ
前田さんとの思いがサッと冷めた。
はい。
はい。
ドアを開けた瞬間海翔は抱きついて来た。
美咲！
会いたかった！
美咲だろ？
良太お前もな！
はい。
はい。
海翔は私を押し倒し、熱いkissして来た。
キモイ！
本当なら飛び上がる位の嬉しさ。
舞い上がる位気持ち。
私も普通の人と結婚し、新たな家庭を持ちたい。
私の小さな頃からの夢。
それがやっと私にも巡ってきた。
今日は疲れたので、夕食はコンビニ。
良太はオムライス。
チンして食べよう。
いただきまーす。
ドアを叩く音。
美咲！
美咲！
海翔の声(-_-;)
それもお酒入って。
美咲ちゃん！
み さ き ！
近所迷惑……
いえ。
私こそ。
子供いるので……
それは分かっての事です。
その事は気にしないで下さい。
僕は気にしてませんから。
ただ美咲さんがどうか……
………………
………………
こちらこそ有り難いお話しです。
すぐではなく。
私達を見て考えて下さいますか？
あぁぁ先走りですね！
あぁぁ分かりました。
ゆっくり歩きましょうか！
そうですね。
私達は何とも言えない雰囲気で別れた。
前田さんは私達の引っ越しの詳細も知っていてくれ、沢山相談に乗ってくれた。
引っ越しは明後日。
荷物はその日に短時間で済ます。
夜逃げに近い状態。
新しい家具は新しい家に、良太の幼稚園の手続きも済ませ。
地元の政治家さんに頼んで貰い。
明後日の引っ越しが楽しみだ。
落ち着いたら仕事探し。
全て過去から、そして海翔から、逃げたくて。
私の未来は夢の階段を上がっている。
良太は疲れたのか？
前田さんの背中におんぶされ、すやすや眠ってる。
良太君疲れたみたいだね。
小さいのに、大変だよね。
美咲さん……
突然なんだけど……
良太君も含めて……
あぁの………
真剣に、なんと言うか……
僕との今後考えてくれない？
駄目ならハッキリ言って………
良太君の事大切にしたいし………
美咲さんが良ければ………
駄目だよね？
ごめん。
突然な話で………汗(^^;)
私達は周りから見れば親子に見えるだろうか？
色々な家具や色々な雑貨屋さんを３人で回った。
荷物はさり気なく持ってくれる前田さん。
私は完全に２人の世界に浸っていた。
良太が小さな身体で後ろから、必死で歩いているなんで、考えもしないで。
良太は必死に歩いていた。
前田さんが察してくれ、良太を肩車や、手を繋いでくれた。
良太の顔はずっと曇っていた。
私はおかまいもしていない。
前田さんに吸い込まれて、周りが見えていない。
お互いに話が尽きる事もなかった。
お昼ご飯は良太の好きなハンバーグに決定。
美味しそうに食べる良太の顔を見て、微笑む前田さん。
私はこの関係を壊したくなかった。
そして新しい生活のスタートを前田さんと過ごしたい夢を見ていた。
前田さんの車は、白い車だった。
良太を後ろに乗せ、私は助手席に座った。
前田さんは今も独身で、田舎にお母さんがいて、お母さんとお父さんは離婚していて、妹さんがお母さんの近くにいて……
恋人もいなくて……
恋人もいなくて……
恋人もいなくて……
彼が好きな曲DEENの このまま君を奪い去りたい
。
素敵な曲。
前田さんの冗談混じりの私生活の話を気持ち良く聞いていた。
年代が同じせいか？
話題のみならず、２人の距離は短時間で埋めてくれた。
私は自分の事ばかりで、良太が後ろにいる事なんて忘れていた。
仕事のスーツ姿とは全く別人。
スーツ姿も格好良いが、私服の前田さんは、もっとステキ(o^^o)
おはようございます。
美咲さん、突然ですいません。
おはよう良太君。
今日は僕と付き合ってね。
良太の頭を良太の目線に合わせて撫でてくれた。
良太君は下を向いている。
私は前田さんに１日お願いしますと、お礼を言いながら、満面の笑みを見せる。
私の場合見せるではなく、魅せるだろう。
この縁を大切にしたいから。
前田さんとのこれからの縁を……
美咲さん………
あの………
今日は僕休みで、仕事ではないので……
本当にプライベートで……
だから社長には今日の事関係ないと言うか………
内緒にして欲しいのです。
その言葉に私はまた前田さんに恋をした。
こんな誠実な男性がまだこの世にいたなんて！
身長は高く、細めで、目が透き通る位の、大きな目。
どうして社長は彼をお店に連れて来てくれなかったのか？
私は前田さんに吸い込まれていた。
凄く時間が待ちどおしい。
前田さんと会える。
仕事以外でこんな気持ち初めて。
良太が居なければもっと嬉しかったりだろう。
スマホを片手に、トイレまで、持って行った。
前田さん……
会いたい……
スマホの音が鳴り。
すぐ出たかったが、少し間を置いた。
私のプライドの高さなのか？
良太はすぐに出掛けられる準備オーケイ。(^^ )
良太は相変わらず下を向いている。
今の私は良太の事すら考えていない。
母親から女になっている。
髪をポニーテールに束ね。
夜の仕事していた女なんて見えない。
前田さんはアパートの前に来ていた。
私達親子は階段を降りて行った。
おはようございます。
爽やかな笑顔の前田さんの声。
良太！早く用意して！
私は良太に合わす事なく、自分のペースで、準備しだした。
良太！
早くして！
少しイラつきながら。
良太！
良太！
連発していた。
これほど子供がウザいと感じた事はない。
良太早くして！
ママ先行くよ。
良太がモタモタしていたら、良太置いて行くよ。
良太早く！
早くして！
良太は口いっぱいに、パンを口にしていた。
私は焦ってる。
間違いなく。
良太早くしたら、妖怪のカード買ってあげる。
ママ本当に？
良太を物で釣っている。
良太は必死になっていた。
少し地味で前田さんに、釣り合う服装を、タンスから、選んだ。
良太はトレーナーと、ズボンをはかせ。
前田さんの連絡を心待ちにしていた。
美咲さんの住まい知らないから、住所教えて貰えますか？
カーナビで探します。
近くまで居ったら、また連絡します。
大丈夫です。はい！
本当に甘えて良いのですか？
はい！
全然大丈夫です。
反対に歓迎です。
私は良太の返事を聞く事もなく、じゃあお願いします。
前田さんは、すぐ行きます。
楽しみだなぁ！！
住所教えて下さい。
私はこのボロアパートの住所を言い始めた。
前田さんはすぐメモ出来る準備していたのか？
用意万端なのか？
メモしだした。
職業柄なのか、ご丁寧に、復習してくれた。
気持ちは一気にパラダイス。
久しぶりに私は恋する乙女になっていた。
さぁ良太、不動産屋さんのお兄ちゃん、今日付いて来てくれるよ。
早く用意するよ。
良太の顔色は曇っていた。
下を向き、うん。
私は良太が何を考えて居るなんて、どうでも良かった。
今日は少しお洒落しょう。
あ、そうだ！
もう香水は止めよう。
私は一般ピープルなんだから。
あの……
今日休みなんです。
そうですか？
あの……
美咲さん、今日空いてますか？
時間………
シャイな前田さん。
今日は良太と買い物に行きます。
美咲さん、今日僕もご一緒は無理ですか？
ぼ、僕…車あるし、便利だと思いますが…
子供も一緒だし。
ご迷惑では？
もう全く迷惑なんて全然です。
良太君でしたよね。
僕子供大好きだから。
良太君とも仲良くしたいし。(^-^)
彼の弾む声。
私はどれだけ運のある女なんだ！
前田さんがご迷惑ではなかったら。
喜んで、運転手します。
聖母マリア様はこの世にいる。
私達親子に降りて下さった。
私達親子は前田さんに甘える事にした。
良太おはよう(*^O^*)
良太は眠いのか？
なかなか起きない。(笑)
良太今日買い物に行くよ。
良太の好きな布団買いに行こう。
良太の欲しいタンス買いに行こうね。
ママお金あるの？
４歳児が心配する言葉に。
ママお金持ちだから。
うん。
布団から飛び起きた。
髪の毛は跳ねていた。
本当に子供は寝相が悪い。
何回良太のキックや目に星が舞うか！
良太と２人で買い物に行こう。
朝からばたばたw=(ﾟoﾟ)=w
突然私のスマホが鳴った。
海翔かも？
嫌な予感。
見ると前田さんだった。
少し動悸がした。
もしもし中尾です。
あの……
前田です。
美咲さんですか？
はい。
突然すいません。
いいえ。
嬉しいです……前田さんからの電話。
まだ性格が営業なのか？
素直なのか？
前田さんの声を聞き、明るい私になる。
優しく、控えめ目で、(^_^)顔が素敵な前田さん。
私は心の中で彼に恋している事は、本当の気持ちだ。
今唯一私の支えに間違いない。
さぁ寝るか。
今日も１日早く感じた。
良太はすやすや眠ってる。
前からなんだけど、睡眠薬飲まないと、眠れない毎日。
昼夜逆転生活だから。
案外この世界は睡眠薬服用おおいよね。
陽が当たる時に寝れないよ。
お酒も冷めて。
お医者さんのお客さんが、こっそり。
今は無理だと思うけど。
ビール飲みながら、睡眠薬を飲む。
さぁ寝るか！
おやすみ、良太。
そして私は明かりを消した。
海翔がいつ気付くか分からない。
海翔に気付かれない様に、事は運びたい。
その日に荷物纏めてくれ、早ければ、一時間位で引っ越し出来る業者まで、前田さんにお世話になった。
後は知らぬ顔で海翔と普通にしてよう。
海翔から珍しく連絡があった。
いつもなら突然やってくるのに。
美咲、今居る？
居るよ。
どうしたの？
嫌、今日も仕事でさ。
美咲の顔、俺見れないんだよなぁ！
美咲も寂しいと思って。
……………………………
……………………………
あんたが嫌だから引っ越しするなんて言えない。
海翔仕事頑張ってね。
また来てね。
思ってもいない言葉に、罪悪感すら、感じない。
どるだけ沈黙が続いたか？
覚えていない。
本当に前田さんが思ってくれてるなら、願ったり叶ったりだ。
ダテにお水で鍛えただけの値打ちはある。
前田さんは、お水を何回も、おかわりしていた。
純粋な前田さんに惹かれる私。
時間下さい。
良太の事もあるので………
私は何が何でも、即決はしない。
これが安売りの女ではない私の鉄則だ。
男性は焦らせば、焦らす程、相手にのめり込む事知ってる。
あーやだ！
身体に染み込んでる。
良太はミックスジュースを、少しずつ、勿体ない程に、飲んでいる。
また下を向いて。
物件決まり、契約の為、良太を連れて、社長の会社に行く。
ガラガラ開けたら社長が、決まったんだって？
はい。
御陰様で。
保証人や審査はこちらが上手くやるから。
子供さんも幼稚園楽しみだね。
しずかちゃん、嫌、美咲さん。
昼の世界で働けるご褒美だよ。
いつでも相談してよ。
但し過去の話はNGだよ。
分かってますよ。(笑)
誰があんたなんかと、関係ある事言うか！
私が恥ずかしいよ！
前田さんがこちらに来てくれた。
前田さん先日はお世話になりました。
ペコリm(_ _)m
今時間ありますか？
少しなら。
前田さんは私と良太を外に連れて、カフェに入った。
まだ真新しい雰囲気のカフェ。
前田さんは、恥ずかしそうに私に話してきた。
実は僕も片親で育ち、母親の大変さ、見て来ました。
これは仕事ではなく、個人的に、何かお役に立ちたい。
社長も彼女は良い女性だと言ってくれて。
はぁ。
でもまだそんなにお互いの事知らないし。
私、子供付きですよ。(笑)
からかうなら止めて下さいよ。
彼の顔や目すら見れなかった。
心の中で、メタボ親父もデカシタ！
海翔に見つけられない様に、事はとんとん拍子に、運んでいた。
あの家の物件探しから、家を探してくれた、前田さんから頻繁に連絡が来る。
社長さんから頼まれたのか？
とても親切。
私の心の中で、前田さんの存在が、強くなり、良太の父親になってくれないか？
なんて、勝手な妄想だけ。
誰が夜の世界の女で、子持ちだと、条件悪過ぎ。
缶ビール飲みながら、テレビのドラマ化にはまっていた。
とにかく売れるブランドや宝石類は、質屋に持って行った。
さすがに高額なブランドは型が変わらないから、ビックリする位高値だった。
宝石類も、貢いでくれた人が、隠れ家で、宝石屋さんを呼び出しただけある。
ケタが半端じゃない。
このブランドや宝石類の為に、どれだけの男と、夜を共にしてきたか。
私への唯一のご褒美。
海翔は私にプレゼントなどない。
でも、とてつもない、サプライズをしてくれる。
私の誕生日に、自家用ジェット機で、美しい夜景を、見せてくれ、２人で、シャンパンの(^-^)人(^-^)乾杯サプライズ。
こんな別世界の私は当たり前だと思っていた。
私はあの世界は夢だと思い生きて行くよ。
良太ご飯食べようか。
うん。
海翔は？
嫌、帰りどこかで食べるよ。(笑)
２人の雰囲気が悪くても、海翔は明るい。
空気読めよな！
でも笑ってくれるから、助かった面もある。
そして海翔は、良太に、またな！
と言って帰って行った。
そう海翔は帰る家があるんだから、帰るべき所に帰る、それが普通なんだよ。
もう海翔と合うのは、何回位かなぁ？
引っ越しも夜逃げみたいな状況で、新しい家に行く。
海翔今まで、ありがとう。
引っ越しまで、優しく接しよう。
海翔来てたんだ？
美咲どこに行ってたの？
嫌、良太とブラブラかなぁ！
良太楽しかった？
うん。
海翔ご飯は？
食べてないけど、どこかに行く？
嫌、海翔の食事、中途半端じゃないから。
ごめん。
しし仕事は？
ぱっと終わらせたよ。
あっそう。
夕焼けのオレンジ色が私達の最悪な雰囲気を包んで暮れる。
良太は相変わらず、足で砂に円を書いている。
良太助けてよ。(^^;)
良太はずーっと下を向いたまま。
社長に前田さんから説明してもらい、契約する事になった。
これで良太も幼稚園に通え、私も昼の仕事探せそう。
良太と電車で帰り、スーパーにより、帰宅した。
もうすぐこのアパートと別れられる。
原則撤去１ヶ月前に撤去の申請が必要。
2重払いなっても良い。
私はこのアパートから早く引っ越したい。
気持ちがウキウキする。
あれ？
……………………………………………………
……………………………………………………
オレンジ色のクーペ
海翔だ。
(-_-;)(-_-;)
何故？
今日は用事のはず…………………………
美咲！美咲！
海翔のテンション高い声。
海翔………………………
……………………………
美咲！
溜め息(；-_-)=3
良太は帰りの車の中で、足をブラブラさせて、嬉しいのか？
何だか私まで嬉しくなった。
本当にこれで全てリセットし、良太と２人で、ゆっくり過ごせる。
私は車中でブランドの鞄、宝石類、全て処分する計算をしていた。
全て男からの、貢ぎ物。
惜しくも何ともなかった。
かなりの量になるので、お金の心配はしなかった。
何百万のバックやら、カラットの指輪。
こんな時夜の仕事は、邪魔にならない。
ニヤニヤしていたらしく、前田さんに、何か良い事ありました？
見られていた。
いえ、良太の幼稚園が決まりそうなので、嘘ばっか。
さぁこれから、忙しくなるよ。
今日は家も決まり、前田さんと会え、ラッキーな１日だった。
一軒目で気に入ってしまった。
良太の幼稚園も近くにあり、何より海翔から離れられる。
もう良太に海翔と一緒の時、外に出す事はない。
良太に、幼稚園も近くにあるよ。
良太が気に入ったなら、さっきのおじさんに、ママが頼むけど。
良太はどう？
良太は幼稚園に興味あるのか？
ママあの乗り物乗りたいよ。
意外な展開良太が喜んだ。
前田さん、ここに決めたいのですが……
この物件は悪くないですよ。
社長と相談しましょう。
もう一軒見なくて良いですか？
はい。
家賃と折り合うなら、ここに決めます。
こちらの方が幼稚園近いのですかね？
こちらの物件の方が断然近いですよ。
前田さんは、優しい声と、笑顔で、答えてくれた。
優しい前田さん。
少しハードですが、頑張って廻りましょう。
なるべく早く引っ越したいので、宜しくお願いしますと頼んだ。
目がクッキリした、笑顔が素敵な男性だった。
昔なら、彼女居るんですか？
自分をよりいかにアピールしたが、今は良太の母親だから。
前田さんは、反対に、積極的に、沢山話してくれた。
何故？良太の父親がいないのか？
反対に質問攻めに合い、少し困った。
良太の幼稚園と環境を重視したい。
あのプレハブみたいなアパートから、あの過去から、忘れられる、物件探しをした。
社長は今帰って来た、従業員の、前田君に、私達を案内してあげてと、頼んでいた。
前田さんはスーツ姿で、爽やかな男性だった。
前田さんと言います。
名刺を貰い、中尾美咲です。
息子の良太です。
前田さんは良太の目線まで、座ってくれて、よろしくね。
良太は私の後ろに隠れた。
良太ったら。
お兄さんに挨拶は？
すいません、おとなしくて。
いえいえ、恥ずかしいよね。
今からお兄ちゃんと、お母さんと、僕のお家探そうか？
良太は隠れていたのに、うん、言った。
こんな爽やかな男性が、良太の父親だったらなぁ？
叶いもしない妄想をしている、恥ずかしい私がいた。
社長さんは、痛いと言えなく、腰すら抜かす位だった。
しずかちゃん、絶対に内緒だよ。
頼むよ。
その変わり、私達の事は、誰にも言わない事。
人に聞かれても、絶対に居場所教えない事。
お互いにオーケーを暗黙の了解。
やはり寝た男は、私の事、分かってる。
良太は何も分からない状態。
良太良かったね。
うん。
本当に良太は、うん、が好きな子供だ。
今日なら２件見れるが見る？
助かります。
はい。
見せて下さい。
しずかちゃん、あのさ、本命はなんて言うの？
私は昔は、しずかでしたが……
分かった、分かった。冷や汗
だから、名前は？
中尾美咲です。
本当に普通の名前でしょー。
はい、はい。
しずかちゃん、止めてくれよ。
社長さんに１つお願いがあるんですが……
うん、うん、何でも聞くよ。
実は私達保証人が居なくて……
絶対に迷惑掛けませんから。
大丈夫？
社長さんと私は無二の戦友じゃないですか！
中年太りの社長さんの肩を思いっきり叩いた！
じゃあ見に行くか？
助かります、ね、良太。
良太が笑顔で、ママ、と言ってくれた。
じゃあ今から家主さんに、連絡するから、そこに座って待っていて。
しずかちゃん、もうお互いに他人だからね。
このおっさん、とっくに、私達は、他人なのに。
はい。
良太お利口さんに、待っていようね。
うん。
私達２人は社長の返事待ちをしていた。
途中社長は、混乱しているのか？
田中不動産です、＆@∞③なんですよ。
おいおい、余計怪しいだろう。
私は余裕のしずかちゃんだった。
少し吹いてしまった。
男なんて、所詮馬鹿な生き物。
バレバレじゃん！
今日は家探しに来ました。
この子は私の子供です。
良太ご挨拶は？
良太は、小さな声で、こんにちは。
ああぁぁぁこんにちは。
物件探してるの？
そうです。
心の中で、あんたの子供なんて、誰が産むか！
叫びながら、物件を探している事、幼稚園が近くにある事、頑張って、家賃オマケして欲しい事。
全て打ち明けた。
社長は全て条件を聞いてくれた。
一応物件あるが、急ぐの？
はい。
出来れば早く。
社長も早く契約済ませたかったのか？
私の顔を見るのが、嫌なのか？(笑)
2件あるから、見に行く？
助かります。
社長さん。(^ー^*)
止めてよ、しずかちゃん。
いらっしゃい！
どこの物件おさがしですか？
まさしく社長の声だ！
こんにちは……
あの～
私の事分かります？
可笑しな人だね。
初めて会った人の顔覚えてる…………………
……………………～…～～……………………
………………………………～～…～～～…………
社長の顔色が変わった。
ラッキー！
分かったのよね！
……………………………
……………………………
ちちちちょっと……………
何か…………なぁ…………
子供？
悪い冗談止めてくれよなぁ 汗、汗
嫌違うの、私、分かります？
知らないけど…………
わ た し 芸名 しずかです。
やっぱり、しずかちゃん。
どうしたの？
悪い冗談は止めてくれよな～～
最近お店行ってないから…………
………………………………………ドテ！
店頭には沢山賃貸物件のチラシが張り付いている。
沢山あるなぁ！
まずは、一番怖い事。
そう、社長さんが、私だと、分かって貰う事。
だって夜顔の私が顔も変わり、子供を連れてるなんて。
普通なら考えられないよね。(笑)
まずは深呼吸。
よし！
良太行くよ。
ガラガラ。
事務所の奥から男性の声がした。
深呼吸。
長い髪を１つに束ね。
化粧も薄くし、口紅も薄いピンク色に。
夜の顔から見たら、誰だか分からない、今の私。
アイランやら、つけまつげ、真っ赤な口紅、唇の近くに、ホクロまで付け。
たまに泣きホクロまで付けたり。
それが今では、それなりになってる。汗。
そして良太を連れ不動産屋さんの前に立っていた。
夜の世界を辞めた時に、良太の面倒を、良く見てくれた、若い新人さんに、沢山洋服譲ってあげた。
ある意味これが夜の世界では常識。
だから昼の洋服にはあまりお金は掛けていない。
夜お客さんと、同伴し、私が時間空けてから、お客さんと、接客にもなる。
勿論そのままお持ち帰りもされる。
沢山のお持ち帰りされたが、海翔が店に現れる様に、なりだしてから、海翔だけになっていた。
海翔はそう思うと、常連さんで、私に沢山お金捨ててくれた男性。
その海翔から私は、今離れたい。
良太は新人ちゃんが、家に連れて帰ってくれた。
有り難い存在だ。
良太とパンにジャムをぬり。
良太はミルク。
私はコーヒー。
良太昨日ご飯美味しかったね。
うん。
………
いつもの親子の会話。
良太今日はママの知り合いのおじさんに会うから、いい子でいれるかなぁ？
うん。
良太絶対に海翔には内緒だからね。
うん。
良太には絶対内緒の話しをしなくても、黙ってる子供。
良太はある意味一番信頼出来る人かなぁ？
朝が来た。
昨日ゆっくり眠れたのか？
良太は朝機嫌良く起きてくれた。
ママおはよう(^0^)
良太おはよう。
今日はママとお出かけだよ。
新しいお家探そうか？
今より綺麗なお家だよ。
普通子供なら、わーい、と喜ぶんだが。
良太は下を見ている。
嫌なの？
………………
良太あのね、海翔には、内緒のお家だよ。
分かった？
…………
なんの反応もない。
良太？
大丈夫？
うん。
さぁご飯食べよう。
良太パン焼いてくれる？
うん。
私は良太の寝顔を見て、夜の世界から、足を洗う事を誓った。
ただ夜の世界でも、プライド高い私が……
昼の世界に耐えれるのか？
良太の預け先も考えないと……
明日から良太を連れて知り合いの不動産屋さんに足を運ぼう。
知り合いと言ってもお客さん。
私を断る事出来ないよ。(笑)
その社長も私の身体の上で、腰を振った男。
こういう時には、全く困らない。
沢山の断れない客、私は持っている。
髪をかきあげ、また缶ビールを一気に飲み干した。
こんな生活いつまで続くのか？
早くこのアパートを出よう。
今思えば、缶ビール片手につかんで、考えもしなかった。
お客様に気に入って貰う為に。
高級な化粧品や毎日の美容院代、そして何よりも、高級ドレス。
海翔だけじゃない。
寝た男なんて、数え切れない。
政治家はスケベーが多い。
お医者さんは、変態が多い。
タレントは見栄張りが多い。
全ての男性に合わせながら、私はこの世界に生き残った。
自分では良太の為だと、思っていたが、全く良太の為ではない。
あまりの怒りに、缶ビールを、壁に投げつけた！
早く職探して、良太とこの家から出よう！
そして何より海翔と別れたい。
溜め息(；-_-)=3ばかり。
良太は沢山食べたのか？
寝てしまった。
海翔はまた私に言い寄って来たが、「今日は海翔のお陰で、良太も喜んで、有り難うね」
海翔は少し困った顔で、いや～。
海翔は明日用事あるんでしょ。
早く帰らないと……
あのさ、奥さん待ってるよ。
海翔の顔色が変わった。
うん。
また来るね。
海翔はまた満面の笑みと、テンション高く、鼻歌まじりに階段を、トントン、降りて帰った。
私は自分でもびっくりする位の溜め息(；-_-)=3
海翔と放れられた。
サッサとシャワーを浴び。
冷蔵庫のドアを開け、缶ビールを取り、飲みだした。
今日の疲れが一気に飛び出した。
良太は何も話さない、笑顔でモクモク。
海翔は相変わらず、テンション高く、どこまで脳天気野郎だ。
海翔と良太の関係は、子供と大人が、反対だ。
良太みたいな男性なら、私は幸せになれたかも？
ドアが開く度に、胸がドキドキする。
だって決して正装ではなく、子供まで貧弱だから。
サッサと食べて、あのボロアパートに戻りたい。
海翔が、旨いか？
聞いて来た。
うん。
とても美味しいよ。
この笑顔に騙されないよ。
早くこの男から私は離れたい。
作り笑いをしながら、少し顔が引きづってる。
楽しく複雑な時間は、確実に時計の針が、刻んでくれた。
しかし海翔様とは。
何度もそんな光景目にしてきたが、今回は私も度肝抜く位の雰囲気。
通された部屋に運ばれる料理は、全て最高級な食事。
良太は楽しげに食事をしている、何年ぶりかなぁ？
良太の笑顔。
良太が口一杯に頬ばる姿。
今思えば、夜の仕事では、若い新人さんが、代わる代わる、良太を見てくれ、良太はいつも、チャーハンの出前で。
良太沢山食べなよ。
うん！
子供らしい姿。
海翔に感謝かもね。
駄目、駄目、海翔は既婚者。
チャラチャラ男。
食事位で、勘違いしては駄目。
タダで抱かせてあげてるんだから、これくらい当然の事だよね。
自分に言い聞かせながら、私も食事を、口にした。
高級な料亭や階級が桁違いな場所は、口も堅くて誰にもバレない、出口がある。
これは私が仕事していて、学んだ事。
お忍び場所。
海翔様。
ご来店有り難う御座います。
白い調理服を着て、高い帽子の、ロマンスグレー野男性。
お店のオーナーみたいな人だと、私は分かった。
たかがラーメンされどラーメン。
とはこの事だ。
しかし連れられた場所は、こんな所に部屋が？
完全に個室になっている。
政治家の接待での、用意された部屋と、同じ扱い。
もう少し早く言ってよ。
それなりの服装して来たのに。
ワーク服でも良いなら、大丈夫だろう。
良太！
何食べたい？
海翔が良太に聞く。
良太は。
……………………………
良太何食べよう？
私が尋ねる。
えっと………
ラーメン。
よし、ラーメン食いに行こう、な。
車は私達が知らない場所へと走り出した。
こんな所にラーメン屋さん？
ビルの中には看板すらない、高級ビル。
全く想像もしない、真新しい重いドアを開けた海翔。
いらっしゃいませ。
定員が海翔と顔を見て、顔色が変わった。
それなりの服装より、かけ離れ過ぎた、私達の装いに。
定員さんは察知したのか？
警察など呼ばれないか？
定員さんは、店の奥に入り、中々出て来ない。
私は早くこの場所から逃げ出したかった。
海翔は鼻歌まじりに、テンションが高い。
よっ！
てな感じで。
摘み出される事すら感じない。
ワーク服だよ。
あなたは……♪
良太は終始無言。
海翔との関係や海翔の事情を分かって居るのか？
良太は大人。
私は何故か悲しくなり、走る車から見える、景色を見ながら、海翔と離れる事だけ、考えていた。
綺麗な街路樹が見える。
どれだけの人が、幸せに生活しているのかなぁ？
何故この車に２人は乗っているのか？
海翔はまだまだテンション高く、鼻歌と、CDがやけに私の気持ちを、イライラさせた。
海翔と真逆で、良太は下を向いている。
はぁーい！
凄くテンション高く、罪悪感全くなし。
歌いながら、会話してる。
相手は奥さんではなく、母親みたいだ。
分かったよ！
今忙しいから、また顔出すよ。
分かった、明日は稽古行くから。
んじゃね～♪♪♪
私はもういいから、みたいな、手で真似てみた。
海翔は私を見ない。
アハハハ～♪♪♪
海翔はある意味凄く根性の持ち主なのか？
私達は海翔のオレンジ色のクーペに乗る。
良太は相変わらず、無口で私の隣りにいる。
海翔は相変わらず、鼻歌がテンション高く、歌ってる。
海翔のスマホが鳴りだした。
私はドッキリした。
良太の口を私は手でふさぐ。
海翔は中々電話に出ない。
海翔………
海翔………
海翔は、分かってるよ！
ちと待ってろよ。
笑いがマックスな海翔。
この人馬鹿じゃない？
普通なら焦るよね。
だって不倫女とその子供乗せてるんだから。
海翔は相変わらず、脳天気野郎。
良太は４歳にして、大人の世界が分かるのか？
口数は少なく、大人しい性格。
全く叱る事もなく、手を焼いた事もない。
海翔と良太は海翔だけ、一方的に話す関係。
どちらが大人か？
本当に大人らしい４歳児だ。
良太はいつも下を向いている。
それを頭を撫でる海翔。
私は海翔とから逃れたかった。
早く海翔から離れて、良太と１から、やり直したかった。
もう夜の世界から、足を洗いたい。
良太にも沢山お友達作ってあげたい。
海翔から、あ～～美咲、どうたった？
海翔が口走った。
うん。
としか言いようがない私。
よし！
良太連れて飯でも行くか！！
ベランダから、お～い。良太！
海翔が良太を呼んだ。
私は母親だし、女のワタシを良太に、見られたくない。
すぐさま洋服を着た。
いつもの事なんだけど。
良太は棒を持ち、砂に絵を書いていた。
これもいつも通り。
良太は事が済むのを、待つかの様に、ゆっくり鉄の階段を、上がって来る。
離婚する訳でもなく。
御曹司だと言っても、遊び呆けてる、馬鹿息子。
親も奥さんも何考えてるのか…………
私も人の事など、言えた立場じゃない。
良太もいて、ろくな生活送っていない。
この古ぼけた二階建てのアパートに、今日もミシミシ壁に響く。
何故？
こんな貧乏くじ引いたのか？
色々な事を考えてる私の気持ちすら、分からず愛してると、連発する海翔。
私の勤めてた高級クラブは、大物政治家やタレント、スポーツ選手なんてザラ。
よりにもよってこんな男に関わるなんて思って居なかった。
何故？
海翔は私を見つけ、今も私と居るのか？
こうみえても、政治家さんや、お偉いさんとの、食事会まで、誘って貰ったのに。
何故？
海翔なの……………
海翔の愛撫。
最近気持ち悪い。
海翔は目が大きい。
私の身体中舐めまくり、沢山愛撫する。
海翔の、美咲、もう聞き飽きた。
彼の言われるまま、私は海翔の身体に埋もれる。
天上を見上げ、いつまで海翔と、関わるのか？
そんな冷静さも持っていた。
ハァ…ハァ…ﾊｧ…
海翔の男臭い息。
寒くもなく暑くもない季節。
でも海翔の身体がやけに私の身体を蒸し暑くする。
私は一応高級クラブで働いてた。
新鮮で清楚なイメージで指名は多かった。
たまに海翔が私を専属にしてくれた。
多分他の女の子も食いまくりだと思う。
全く地位や名誉ある、御曹司には見えない。
でも毎日通うだけのお金持ちには間違いない。
今日はワーク服にいつも首にタオルをかけている。
海翔の定番の服装。
海翔いい加減にしてよね。
もう私達関係ないんだから。
美咲。
そんな事言うなよ。
美咲ちゃん～
美咲ちゃん～
美咲……
天上の照明がゆらゆら揺れている。
か…か…かい…海翔…
海翔は私の上に乗り、腰を得意げに、動かして…
美咲…
美咲…
愛してるとは言わない。
どうして言わないのかも？
気にならない。
美咲！
良太どこか預けて、気持ちいい事しようよ。
美咲ちゃん～。
馬鹿じゃない？
子供のいる前で。
良太少しの間美咲とおじちゃん話しあるから、外で待ってろ！
ほい！
これ持って行け…
海翔は良太にお札渡して。
良太も、うん、と言いながら、外に出て行く。
海翔は名門大学出身で、歌舞伎役者の、御曹司。
おまけに既婚者。
もちろん私とも身体の関係はあり。
何考えてるのか？
奥さん何も言わないのか？
夫婦仲のはなしなど、全くしない。
脳天気野郎。
そんな金持ちの由緒ある御曹司には見えない風貌。
おはよう！
ときかく元気良く。
脳天気な男。
よう！
海翔！
おはよう！
元気か！
昨日も一昨日も毎日来てるだろうが。
この海翔に振り回される毎日。
私は海翔が何を考えて居るのか？
分からなくなる。
良太とひっそり住んでどれ位たつだろうか？
あまり喋らない無口な子供。
暗いと言うか？
大人の顔色みていると言うか？
とにかく私にはやりやすい息子。
勤めていたギャバクラから、足を洗い。
今は良太にも良い環境作りしたくて……
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