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自由人( 20代 ♀ )
13/08/08 01:27(更新日時)

DV。
家庭内暴力。

モラハラ。
モラルハラスメント。


それらがもたらすものは何か。



これは、私の数年前のお話。


※暴力など含まれます。


********

私…真琴、当時24歳。駆け出し者の一応専門職。

義姉…雪奈、当時25歳。兄の恋人、後に奥さん。

兄…正直、当時27歳、工事作業員。

弟…一輝、弟。当時22歳、フリーター。


他、我が家の両親など登場します。
思い出しながら書いていくので、更新は基本的にノロノロです。

頑張ります。


No.1985309 13/08/07 23:42(スレ作成日時)

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No.1 13/08/08 00:05
自由人0 ( 20代 ♀ )


私の家庭は両親二人と、子供三人。

兄の正直(まさなお)
妹の私、真琴(まこと)
その弟の一輝(かずき)

※仮名です。

小さい頃から私は、弟と仲が良く、精神的に気難しい兄にいじめられ泣かされてばかりの一輝のナイト様だった。



「お姉ちゃん、かっこいい」

「嬉しくないわ」

「なんでや!」


そんな会話が日常茶飯事だった。
弟の一輝は、小さい頃は悪戯っ子だったけれど、成長するにつれ、しっかり者の人気者へと育っていった。
成績こそ並だったが、運動神経抜群、友達も多く、素直で女子生徒からの人気もある。「恋とか恥ずかしいわ、オレ姉ちゃんで充分(笑)」と言って彼女を作ったりはしないシャイボーイだけれど。

兄の正直は、小さい頃から頭が良く礼儀正しい。初孫と言う事で誰よりも親戚から可愛がられて育った。
一輝や私と違って運動神経は最悪だったけれど、これもやっぱり私と違って賢い。地元で有名な高校、大学を余裕で合格し、そして卒業した。
ただ、性格に難がありすぎて、友達は出来たと思ったらすぐに去っていった。



「兄さん」

「うるさい」

「なんで一輝をいじめるの?」

「死ね」


昔から、兄とは会話にならなかった。
自分を持ち上げ、チヤホヤしてくれる者以外には満足に言葉を掛ける事もしない。
自分を褒め称えない者は全て敵と認識し、自分と異なる意見を口にする者は決して許さない。
そんな兄と素直な一輝、上手くいく筈も無かったのだ。
私も兄に一輝の事を言えば、部屋をメチャクチャにされ、大事なものを悉く壊されてきた。

友人と上手くいかないのも、頷けた。


私はどちらかと言うと一輝寄りな性格なので、そんな兄と合わないのも当たり前だ。
兄がどうしてそんな性格になったのかは、分からない。


これは、そんな兄が起こした大問題を綴るお話…。


No.2 13/08/08 00:40
自由人0 ( 20代 ♀ )


私は高校卒業と同時に結婚式会場に就職。
実家からそう離れていない場所にあるアパートを借りて、一人暮らしを始めた。両親はたまに、一輝は学校帰りにほぼ毎日立ち寄っていた。



「一輝、まだ帰らないの?」

「正直のツラ、見たくない」

「でも、父さん母さん心配しない?」

「連絡するよ、今日は姉ちゃん家泊まる」


正直は一輝が高校を卒業して部屋を借りるまで実家で生活していた。
一輝は「両親を独占させないため」と言っていた、私もそうだと思う。正直は、両親の愛情は全て自分に向けていたかったようだ。
昔から、私や一輝が楽しそうに両親と会話をしていたら憎たらしそうに物凄い目で私達を物陰から睨んでいた。



そして、各自一人暮らしを始めた私達が、実家に呼び出されたのは突然だった。


No.3 13/08/08 00:54
自由人0 ( 20代 ♀ )




「姉ちゃん!」

「ああ一輝、あんたも今から?」

「うん、昨日父ちゃんから電話きて、明日帰ってこいって言われたから」

「私も一緒、なんだろうね」

「まさか父ちゃん母ちゃん病気とか…」

「不吉なこと言うなっつの」

「ごめ~ん」



どれだけ久し振りに会っても、一輝とのやり取りは変わらない。
実家の玄関を開けて「ただいま」と中に声を掛けると、居間から複雑な表情をした母が駆けてきた。



「母さん、今日はどうしたの?」

「真琴、一輝…いいから、まず入って」


母は、どこかそわそわしていた。
促されるまま一輝と一緒に居間に向かうと、そこには父が居た。
漫画か何かでよくある、難しい顔で新聞を広げている姿。



「父さん、今日仕事は?」

「休んだ」

「え、なんで。まさか本当にどっか悪いとか…」

「今日ね、お兄さんが恋人を連れてくるそうなのよ。折角挨拶に来てくれるんだから、両親揃ってないとと思って…」


母の言葉に私と一輝は思わず顔を見合わせて、そして声をあげた。



「「えええええぇッ!?」」


「どう思う?お兄さん、あれでしょ?だからお嫁さんやご家族さんに迷惑掛けないか心配で…」

「いや母さん気が早い!挨拶って…け、結婚の話なの?」

「実家に恋人を連れてくるって事は、そういう事でしょ!だから母さん気が気じゃなくて…大丈夫かしら、心配だわ…」



それは突然だった。
あまりの衝撃で、暫く放心してしまうくらい。

No.4 13/08/08 01:13
自由人0 ( 20代 ♀ )



そして、兄が恋人を連れてきた。
どんな図太い人かと思っていた私と一輝は、彼女を見てまたしても呆然とした。


染めているのかいないのか、色素の薄い茶のストレートロング。
色白で、顔立ちは驚くほど整っていてハーフにも見えるくらい綺麗で可愛らしい、一言で言うなら物凄い美女だった。

彼女は私と一輝を見て控え目に、どこか照れくさそうに笑いながらぺこりと、静かに頭を下げた。



彼女は雪奈さんと言う女性。
兄の会社に勤める事務の人だそうだ。
モデルさんでも普通にやっていけそうなくらい美人で、スタイルも良い。




「正直には勿体無さ過ぎるよ」

「私もそう思う、世の中は分からんわ」

「うんうん」


それが私と一輝の素直な感想だった。
雪奈さんは一体、あんな男のどこを好きになったのか…そんな疑問が膨れ上がる。
だから、雪奈さんが席を立った時にこっそり訊いてみた。



「雪奈さん、ウチの兄のどこを好きになったんですか…?」

「えっ?……そうね…どこ、なのかしら」

「へ?」

「私達、元々付き合っていたと言う訳ではないの。お食事に誘われる事はあったけれど…なかなか予定が合わない事の方が多かったし…」

「え、え」

「……ごめんなさいね、前に飲み会があった時に…その、私お酒飲むとハメを外しちゃうみたいで…いろいろあって」

「え、なに、どういうこと?」

「ご、ごめんなさい、これ以上は…ええと…」


言いにくそうな雪奈さんに、私はなんとなく察しがついた。
一輝は不思議そうにしていたけれど。

雪奈さんが、そっとお腹を撫でたからだ。


兄は飲み会で、酔った雪奈さんを自宅まで送った、もしくはホテルか何処かに行ったんだろう。
そこで致してしまった結果、あまり想像したくはないがデキてしまったと。


赤ちゃんが。

若気の至りと言うヤツだ。


No.5 13/08/08 01:27
自由人0 ( 20代 ♀ )



計画的だったのかどうかは分からないが、雪奈さんが言うには、兄は前から雪奈さんを食事に誘っていたようだ。
酔っ払った彼女を見て、これ幸いとでも思ったんだろうか。そんなキッカケで結婚とか、これで良いのか彼女の人生は。
取り敢えず男である一輝を先に居間に返し、雪奈さんに訊いてみた。



「雪奈さんは何も覚えてないんですか?」

「ええ…」

「避妊は?」

「……生、だったみたいです。起きた時に…あの」

「ああはい、分かります」


目が覚めて起き上がった時に垂れてくれば、嫌でも分かるだろう。
私は頭痛がした。
これはレ●プみたいなものじゃないか、と。もしかしたら酔っ払った彼女が誘ったのかもしれないし、兄も記憶が飛んでいたのかもしれない。
真相が分からないから何とも言えないのだが。



「中絶も考えました、でも…どうしてもデキなくて。この子に罪は無いんだもの」

「……雪奈さんが良いなら、私は何も言いませんが…」



聞けば、彼女はあまり身体が強い方ではないらしい。
その為、後日兄に告白された際に結婚を承諾してしまったようだ。確かに身体が弱いのなら、一人で子育ては無理だろう。

納得はいかなかったが、彼女の人生だ。
余計な口出しは出来なかった。


ただ、ざわざわとざわめくような嫌な予感だけが私の胸に残り続けた。



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