私の中のＡＣ

3歳か4歳。
印象的な記憶、
母が父から受け取ったお給料のお金、
母が泣きわめいてお札を引きちぎって破いた。
「こんなんじゃ生活出来ないわよ！」
当時のお給料はお給料袋に入れられて現金支給、
父が黙って前借りしたためお給料袋の現金は数万円しか入っていなかったようだ。
この頃から家庭はダメになり始めていた。
何だか怖かった、子供心に「うちやばいんだな…」って感じていた気がする。

破いたお金は後日、銀行へ行って取り換えてもらっていた。

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父は金使いが荒く酒飲みだった、ツケで飲んでくる、支払いや小遣いが足りなくなると会社に前借りして勝手に使ってしまう。
給料日になってもお金が足りない、生活費が足りない、とおばあちゃんちにお金を借りに行っていた。
母はいつもお金の事で父に怒っていた、お金を借りに行くおばあちゃんにも父の事を文句を言っていた。
おばあちゃんは父のお母さん、母はおばあちゃんが父を甘やかすからこんなことになると怒っていたので私はおばあちゃんに甘えることが出来なかった。
母が嫌っているおばあちゃんと仲良くしたら母に怒られるような嫌がられるような悪い気がしたから。
だけどおばあちゃんのことは好きだった。
私のことをいつもほめて可愛がってくれる人だった。

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父は見栄っ張り、たいして給料をもらってこないのにお酒も飲み歩くし欲しいものがあるとすぐに買ってしまう。
家には高い海水魚を飼っていた。
外国の南の海に住んでいるような色鮮やかな魚や珊瑚、イソギンチャク。
水族館で観るような魚を大きな水槽に入れて飼っていた。
お魚一匹で何万とか。
ヒーターとか道具や電気代もかかるはず。
魚はカードとか勝手に給料を使って買ってくる。
家には食べ物もなくてお米を買うお金をおばあちゃんに借りたり前借り頼んだりして食いつなぐ。
すぐに借金だらけになった。

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>> 3 いつも父と母はお金のことで喧嘩をしていた。
家賃をためて大家さんに言われるのも母だし、お金がないのにご飯を食べなきゃいけない。
ご飯がなければ父は飲み屋でツケで飲んで食べてくるけど私と母はお米しかない。
塩にぎりとかワカメのみそ汁とご飯とか、そんなのばっかり。
小学校に行くようになっても給食費をいつも滞納して恥ずかしかった。あまりにたまり過ぎるとおばあちゃんに言いに言ってお金を借りて払った。
まともな食事は給食だけだった。
おばあちゃんに借りてるお金は返してる様子はあまりない。
母の実家にもたまに借りに行っていた。
母もパートで働いていた。
だから食費や生活費は少ないパート代からがほとんどだっただろう。
父の給料は前借りで引かれて借金の返済でほとんどなくなってしまうから。

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父が酒を飲んで帰ってくると母が怒って喧嘩になった。
母はぶたれてよく泣いた。
顔にアザを作ったり唇が切れてはれたりよくあった。
鍋の蓋か何かで殴られて頭から血を流した事もあった。
私は母が殴られるのが怖くて、泣きわめきながら間に突っ込んで行って喧嘩をとめた。
少し大袈裟に私が泣きわめいたりする方がとめるのに効果があるのを心得ていたが、いつ修羅場がくるかと気持ちは疲れていた。
学校の友達には家が貧乏なのも父が暴力を振るうのも隠しておかなければいけないと思っていた。
第一恥ずかしいし、貧乏イコールいじめだろうし、皆と一緒の振りをするのにも疲れていた。
そのうち学校も休みがちになり登校拒否みたいになり先生に心配をかけていた。

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魚以外にも猫や車ややアクセサリーやいろいろと借金して父は買っていた。
ペットショップで血統書付の猫を買ってきて支払いを踏み倒してた事もあった。
催促が何回も来てたけど女性のまだ若いオーナーで諦めてしまったようだ、とても悪いことをした。
飽きっぽいから魚もすぐに死んでしまうし、飼った猫や犬も面倒をみなくなるし、機嫌が悪くなると犬や猫にも当たり散らした。
私も子供だったから子犬や子猫が家にくれば嬉しくて可愛くて仕方ない、なのに数ヶ月もすると父は犬猫を苛めたりそれを私が庇うと捨ててこい！捨ててこないと猫を海に捨てるぞ！殺すぞ！と脅かした。
なんとかお願いして私のお年玉やお小遣いで餌を買って面倒を見させてもらった子いたが、自然に逃げていったり（田舎なのでほぼ放し飼いだし）遠くへ捨てられた子いた。
小3の頃、父が拾ってきた3匹の可愛い子猫がいた。
名前を付けて数ヶ月は父も機嫌良く可愛いがっていたが、嫌い始め捨ててこいと言い出した。
泣いてお願いして何度も反抗したが捨ててこないと猫を殺すと脅され、仕方なく泣きながら自転車で遠くの公園まで子猫たちを捨てにいった。
次の日は呆然と学校に行ったけど思い出した瞬間に涙が止まらなくって学校で一日中泣いていた。
友達が心配して何人もの子が慰めにどうしたの？と声をかけに来てくれた。
優しさが嬉しかったけどずっと机に突っ伏して泣いていた。
それから父の事は殺したいくらい嫌いになったし、猫を捨てないで私自信が死ねば良かったと思った。
自殺願望、死にたいとはじめて思った。

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父は酔うと子供の頃の事を時々話した。
父は親に捨てられたのだと言う。
父が3歳～4歳くらいの頃、父とその下の妹だけ留守番するように言われて、「三輪車を買ってくるから」と言われて家に置いてかれて捨てられたらしい。
それを私のおじいちゃんおばあちゃんに妹と一緒に拾われて育てられたらしい。
だからおじいちゃんおばあちゃんには頭が上がらないと言う。
確かに借金は頼むけどおじいちゃんおばあちゃんの前だけでは大人しく言うことを聞いている。
父が中学生になった頃、父達を捨てた実親が上の兄弟達と他所で暮らしているのを知ってショックでぐれてしまったらしい。
親に捨てられたせいで俺はダメになったのだと、俺はダメなんだと聞かされた。
本当の事かはよく知らない。
昭和22年生まれの父の時代なら無くもない話かも知れない。
同情はしないが父も壊れた人間には違いないと思う。

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母の実家は穏やかだった、嫁に行かない母の妹・おばさんがおじいちゃんとおばあちゃんと3人で暮らしていた。
おばあちゃんは子供の頃の病気か事故が原因でどもりが酷かった。
皆優しくて良心的だったが世間から孤立してる雰囲気があった。
父と母は見合い結婚だと言う。某学会の関係の知り合いからの紹介か何か。
父は全然だったけど母は熱心に信じていた。
父みたいな中卒で子供の頃からの問題行動のある素行の悪い人間としか結婚出来ないなんてやっぱり何かある家庭だった。

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小学校高学年の頃には家庭の状況をよく理解してした。
父は毎日のように飲んで帰って来ては母と喧嘩して時には暴力も振るうこと。
飲んでる酒代も借金だし生活費は母のパートと借金、サラ金、督促の電話もかかってきたし、父は少ない給料が入ると利息だけをとりあえず返すとかそんな事しながらまた借りていつも家はお金の心配ばかりだった。
父は肉体労働系の土木業とか解体とかそういう仕事を転々していた。仕事が続かないし二日酔いが酷いと休むし、現場仕事は天気とか景気とかで左右されて収入も不安定だった。
だけど普通に生活してれば借金しないで済む程度の収入はあったと思う。

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酷い喧嘩になると夜中でも止めに入るしかなかった。
それで逆に父の逆鱗にふれて殴られたり家を追い出されたりもした。
近所の人から警察に通報されて夜中に警官がきた事もあったし家は安心して暮らせる状況ではなかった。
学校にも行ったり行かなかったり不良には思われたくなかったので病弱な子を演じたりして家庭での問題も気付かれないように過ごした。
母に離婚すればいいのに！などと言っていた。
だけど母に経済力がないのも母が自立して稼げるほど世間でやっていけないのもわかっていた。
私が生まれたせいで母は父と離婚出来ないのだろうと自分が生まれて来なければ良かったと考えていた。

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思い返すとやっぱり小学校高学年から高校卒業するまでのこの期間が辛かった。
多感な年頃だっただろうし父も母もまだ若くエキサイトが凄かった。
子供は可哀想だ、逃げ場がないもの。
誰かに助けてもらうと言うことも頭にないし状況を変える事も出来ない。
死ぬことばっかり考えていた。

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私が中学生になっても状況は変らず、むしろ経済的には悪化していた。
父は趣味に使えるお金もなくなってサラ金で借金の返済と生活を回すのが当たり前になってきた。
それでも酒を飲むのは止められないし、飲んで帰ってきた父と母を対面させると大喧嘩になって面倒くらいので私が父のご機嫌取りをした。
まるで飲み屋の姉さんの如く、愚痴や昔話を延々と感心したような振りをして否定せずに聞いた。
母のようにだったら飲み歩いて借金作るな！とか言わず、お父さんもお酒飲みすぎると体こわしちゃうよ？二日酔いで吐くとつらいでしょ？おばあちゃんもいつも心配してるよ？早く寝た方がいいよ？などと優しい娘のふりをした。
てめえが飲んだくれるせいでこっちはいつもビンボーして大迷惑なんだよ！そんなに酔っ払って生きるのが辛いならさっさとシンデシマエ！
大人も大変なのは子供でも知っている。
でもこんな生活は嫌だった。
死んでしまいたいのは私だった。
引き込もって現実逃避した。

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学校はずっと行ったり行かなかったり気ままな登校をしていた。
父が夜遅く飲んで帰ってくると心配で眠れないし、ラジオの深夜放送にはまって明け方まで聞いていたり、好きな音楽や本を読んで現実逃避、夜型の生活をしていたので朝は起きれなかった。学校も行きたくなかった。
母は父の問題行動とパートとお金のやりくりでいっぱいなので私の不登校にうるさくは言わなかった。
一応、お腹が痛い頭が痛いと仮病を使ったのでそのまま学校に連絡していた。
先生は心配して家に電話したり保健室の先生に呼ばれたりあったけど勉強は好きだったので休んでも一人で勉強するし成績も中の上は保っていたし、いじめられてる訳でもなく気が向けば学校に行くし行けば心配してくれる友達となんとなく上手くやってたし大きな問題にはされなかった。
先生たちは心配して悩み事など探りを入れてきたけど父の酒や暴力や借金など言える訳もないし言ってもどうにも出来ないか迷惑をかけるだけなので話すことはなかった。
私が読書が好きだと言えば生活指導の先生がお勧めの本を貸してくれたり皆が心配してくれているのはわかっていたので学校をサボる以外の悪いことはしなかった。

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中３になって同級生になった子が私としきりに友達になりたがった。
私は栄養不良で家でごろごろしていたので始業式に貧血で倒れる常連だった。
細身の色白で貧血で倒れる病弱な女子と同級生に思われていたので変に憧れて友達になりたいと言ってくる子が必ずクラスにいた。
勘違いだと思ったけど有難いので仲良くさせてもらった。

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その子は子供の頃、お母さんを病気で亡くした父子家庭の子だった。
私とは違う理由で小さい頃から辛い経験をしてきた子で話があい親友になった。
また彼女の家は自営でお店をやっていて家族兄弟でお店の仕事を手伝っていた。
夏休みに人手がほしい、バイトに来てくれないか？と誘われて中３にしてお金を稼げるあてが出来た！
夏休み中、学校より大真面目にバイトに通って８万円の初給料をもらった。
当時は自営のお店を子供が手伝うとかよくあったし、バイトをしている事を担任に知られたが「日に焼けて健康的なったんじゃないか(笑)」と冷やかされて怒られる事はなかった。
働く事は楽しかったし、仕事を真面目にすると家族以外の大人にほめてもらえるのも嬉しかったし、自分でお金を稼げる事が生きる自信に繋がった。

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中学の勉強はさすがに難しくて学校も休んでばかりだと中2以降は成績がどんどん落ちていった。もちろん塾なども行った事はないし。
中３の三者面談で担任に「階段を転げ落ちるように成績が落ちてますね」と言われた。
家は借金ばかりでお金はないし、高校にはいかない、働いて大検を受けるとか進路でもめた。
両親は中卒で中卒だと仕事がないのも身に染みて分かっていたので私に無関心だった母までが泣いて高校に進学してくれと行った。
私も中卒で社会に出るのは現実的でない、高校に行ったらバイトすれば稼げるし3年我慢して高卒で就職しようと諦めて受験をした。
もちろん私立は無理なので公立の絶対に受かりそうなレベルの高校を受験し合格した。

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中高生の頃は父はサラ金からも借りられないくらいになっていた。
父の実家、父の妹、父の親戚、母の実家…と順番に頼み込んではお金を借りる、父の飲み代と見栄っ張りな買い物がお金のない原因なのだが親戚に借りるときは娘の月謝が給食費が、米代がない家賃が払えない電気が止められると同情をかって借りる。借りても返すあてがないので借りた親戚としばらく疎遠になり、お金が必要になれば他の人をあたる、借りてから1年、2年とほとぼりが覚めると返済もしていない親戚にまた借りにいく…親戚もうちの父に甘かった、私と言う子供がいたから可哀想で貸したのかも知れないが…
子供が可哀想と言う理由を借金のダシに使われた。

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高校生になってからはコンビニ、スーパー、喫茶店、友達の家のお店となにかしらバイトをして稼いでいた。
友達から電話がよくかかってくるのに電話が止められてしまうので電話代は私が払った。
学校までの定期代、お昼代、小遣いもバイト代で賄った。
修学旅行はいかなかった。
そのうち親が私のバイト代をあてにして電気代がガス代が払えないから、米がないから貸してくれと頻繁になってきた。
小さい頃からお年玉やおばあちゃんがくれたお小遣いをタカられる事もあったが、バイト代が数万円入る事もあり貸してくれと言う額も大きくなってきた。

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お金を貸してくれと言われるたびに喧嘩にもなったし憂鬱だった。
私が就職したら金をせびられるのでは？
借金癖のある親にいくらお金をあげても湯水のように使ってしまう。
家にいたら金ヅルとして一生利用されるのではないかと不安になった。
だけど田舎に暮らしていて、まだ子供で、どうやって、どれくらいお金があれば家を出れるのか？どれくらいの収入があれば一人で生きていけるのか？
わからなくて途方に暮れていた。
やっぱりこの親から逃れるには死ぬしかないのか…？と
父親からの暴力はもう怖くもなかった。
いざとなったら警察を呼ぶ。殴り返す力もある、いざとなったら包丁で刺し殺す。
親との暮らしは死ぬか殺すかと悩むほどになっていた。

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ある日、母が父の妹に相談しにいった。

自己破産をしたいと言う。
父だけでもなく、母もサラ金に借金をしていた。
父の給料は借金の返済でなくなってしまうから母のパート代で生活を補っていた。
だけどパート代だけでは生活が出来なくて母も母名義でサラ金から借りていて、その金額が300万円になると言う。
もうとても返済できないので自己破産をしたい、手続きとかが分からなかったのか自己破産を協力してほしいとおばさんに相談に行ったようだ。
私が高校に進学した時、制服も買ったし学費も滞りなく払っている。
それらもサラ金から借りて払っていたのかも知れない。
私の就職も決まって高校卒業前だったと思う。
学費の心配もなくなったタイミングの自己破産だった。

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母の借金と自己破産の話を聞くと父は激怒した。
借金が払えなくて破産するなんて恥だ、お前の借金ならお前の実家に頼んで金を借りて返せと言う。
母は贅沢な暮らしなんかしてない、もとはと言えば父の作った借金で生活が出来ないからサラ金で借りることになったのに…
母はこれ以上、実家に迷惑は掛けられないと言う…その時に母の弟の話が発覚した。

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母の実家、おばあちゃんちに家族で行った時に1度だけ見たことがあるおじさん。
その人は茶の間の隣の和室に一人で後ろを向いて座っていて、私たちが家にあがると顔も向けず挨拶もせずに家から出て行き、それっきり私たちが帰るまで戻らなかった。
母の弟、私のおじさんにあたる人だと言う事だけ聞いた。
おじさんの事は家族の中で暗黙の了解で話題にしないようになっていた。
なんとなくその人は普通の人と違うことは気付いていた。

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ある年末にこんな事もあった。
父が休みで急に母の実家に家族で行こうと言い出した。
母は急に行ったら驚くから電話をしてからがいいと言って電話をしたがたまたま出なかった。
電話を出ないからとりあえず出掛けようと言うことになり車で向かった。
母は車に乗ってからも途中で電話をしたい、公衆電話から電話をさせてくれと何度も父に言い停めてもらい電話をかけていた。
おばあちゃんちに着くとまたあのおじさんがいたが、また出ていってしまった。

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そのおじさん、母の弟は障害があってずっと施設に入っているのだと言う。
年末年始とか時々帰って来ていたようだが私たちに会わせないようにして存在も隠していたようだ。
父も知らなかったらしい。
だから弟の事でも大変だから実家には迷惑をかけたくない、自分の借金は自分で自己破産をしたいと母は言った。
父はまた怒って、そんなキチガイのいる奴と結婚なんかしなかった！騙された、俺はお前と見合いさせられた時に一緒に住んでる女がいたのに！とか色々と暴言をはいた。
母は黙って泣いていた。
高校生の娘の前でなんて修羅場だろう…
私は泣いている母を気遣って、父をなだめた。
おじさんだって、好きで障害をもって生まれてきたんじゃないんだよ、キチガイだなんて差別だ。もとはと言えばお父さんが飲んで贅沢して作った借金でしょ？お母さんは私たちを食べさせる為に借りたんでしょ？おばあちゃんちは関係ないし自己破産するしかないんだからしょうがないでしょ？
父は結婚しなきゃ良かったとか今さら、本当に私は生まれて来なければ良かったのに…私なんていなければ。

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話が少し戻りますが就職活動のこと。
どんな仕事がしたいとかなかった。
お金がなくて進学出来ないから就職するだけ。実家を早く出て自立したい。
絵が得意で美術の授業で描いた絵が賞にえらばれたりした。
美術の先生は美術系の学校に進学しては？と話をしてくれた。
うちはお金がないので就職しますと言った。
進学に奨学金とか頑張れば道はあったかも知れない。
だけど実家の環境、生活が酷すぎてそんな前向きな未来のこと考えたり調べたり出来なかった。
就職先に迷っていた時、親友がヒントをくれた。
彼女も実家を出たいと言う。
だから会社寮に入れる会社に就職すると。
まさか、そんな手があるとは！？
実家から出る希望が出来た。
会社寮がある会社をさがしてバイト代はせっせと貯金して引っ越し資金をためた。
まだバルブも弾けて間もなかったので、新築ワンルームマンションタイプの寮費、5千円光熱費込み。
実家からは2時間くらいの県内の都市部、高卒だから手取りが10万くらいのサービス業だったがこれなら取りあえず生活出来そうだ。
接客、サービスはバイトでなれてるし。
会社名、事業内容も知っている会社だったのでそこに決めた。

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結局、自己破産した。
私は就職し家を出た。
話を省略していたが私には弟がいる。
弟は父が酒で大騒ぎしても関わりなく影を消しているような子だった。
弟は定時制の高校に行き卒業後も働きながら実家で親と暮らしていた。
私が意外だったのは私や弟が卒業して自立をしても母が父と離婚しなかったこと。
父と母はあんな状況でも結婚生活を維持していた。
共依存と言う関係だと気付き、母は父から暴力を振るわれる可哀想な人、被害者だと思っていた気持ちも消えて母の事も憎むようになっていた。
弟とはまだ母を気遣っていて母が心配だから家を出れないと言って私のかわりに母を守る役になり父をコントロールしようと家庭の心配をするようになってしまったので、親なんか捨てて実家を出た方がいいと教えた。

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父の問題行動に飲酒運転があった。
昔は飲酒運転の取締りは今のようにうるさくなかったし、田舎は車で飲みに行って車で帰ってくるのも警察に見つからなければよい、みたいな感じがあった。
だけど飲んで運転して度々つかまった。
ぶつけた事もあるし、家族を連れて飲みに行き私が車に乗っているとき、ふらふら運転して対向車にカスってサイドミラーを壊した事もあった。
中卒で肉体労働を転々とする父には運転免許だけが武器だった。
私にも運転免許さえあれば仕事に困らない、運転免許証は必ず取れと偉そうに言っていた。
飲酒運転で何度も捕まって仕事を休まなければならない時もあったし、私が実家を出て何年かした頃、父は飲酒運転で事故をおこして、それも免停中か何がまずい状況で捕まり免許を取り上げられ警察に捕まってしまった。
交通刑務所か何かに入って仕事もくびになったと聞かされてショックだったが幸い人身事故ではなかったし、もう運転も出来なくなると知ってほっとした。
人を引かなくて本当によかった。

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実家にはほとんど帰らなかったし電話もしなかった。
たまに地元の友人の実家に遊びに行くと一人暮らしなのを知っているのでおばさんが果物や食品をたくさん持たせてくれた。
若い子の一人暮らしって言うと親が段ボールで食べ物などたくさん送ってくれたりするイメージがあるくどもちろんそんな事はうちにはなかった。
時々、親から電話があると金を貸してくれと言われた。
親からの電話は誰かが死んだ入院したか金を貸してくれだった。

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免許がなくなり仕事もなくなった父は知人に頼んでどうにか仕事を探した。
そこの会社の社長が大家をやっているアパートに住むことになって実家は引っ越しをした。
多少は懲りたのか弟も厳しく管理して酒は絶対に飲ませないようにした。
それでも飲んでいたようだが。
底つきはくるようで来なかった。

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年金のこと。
私も弟も社会人になると親の年金の支払いがどうなっているか気になった。
仕事は日雇いみたいな雇用で社会保険に加入していなかった。
当時ももちろん国民年金を払ってなかった。
健康保険すら払ってなかった。

こんな親の老後の面倒まで見きれない。役所に調べに行った。
職を転々としていたが厚生年金に加入していた15年くらいあり国民年金で払った期間もあったがこれから払い続けたとしても最低年数に足りない事がわかった。
年金がもらえない。
しかしまだ遡って数年分を払い、60歳以上まで延長して払えば受給資格が得られるギリギリのラインだった。
これからちゃんと払うようにと話し合いをして払うようになったが数ヶ月でまた払わなくなってしまった。

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借金の件も弟が整理をして一度はすべて返済を終わらせたらしい。
この頃は私は実家に関わりをもたなかったので詳しくは知らない。
私も結婚し、弟も彼女が出来て家を出て結婚した。

父と母だけの生活になり、また数年して借金が発覚することになる。

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…現在の実家の状況

思い出すのが辛くなり記憶も混沌としてきたので最近の状況。
先に種明かししてしまうみたいで上手くないですね…

父も母も60代半ばになった。

母は数年前、50代後半に病に倒れ病気の後遺症で車椅子の生活になった。
長期の入院中の世話は父だけでは無理だったので私も実家と病院に出入りする事になり、そこで多額の借金が発覚。

父も母の看護、介護と年、不況のせいで仕事がなくなり経済が悪化。

数年かけて２度目の自己破産をし生活保護を受けるようになる。

私も弟も家庭があり仕事に幼い子供がいるので実家にはあまり行けないし、行けば依存されるようになるので距離をおいている。

母は身障者になり介護認定も受け、60代にして週2のデイサービスに通っている。
下肢麻痺で室内では歩行器で何とかトイレは行けるが家で風呂に入るのも不可能なので。

身勝手なアル中、借金生活、共依存の最後は子供から見放された生活保護での老後になった。

まだ生きているうちはどんな問題がおこるか親の事は不安の種だ。。

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少しお休みします。

感想スレをたてましたので、ご感想やご質問がございましたらお気軽にいらして下さい。

ここまでお付き合い頂きまして、どうも有難うございます。

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小さな時からうちとよそとの違いにコンプレックスを感じていたけど、大人になっても変わらない。
子供が出来てからは更に感じるようになった。
出産で里帰り出来るような実家でもなければ頼ったり相談が出来る親ではない。
仲のよい親子ならおじいちゃんおばあちゃんの出番も多い育児。
精神面でもお金の面でも。
比べてはいけないけれど目に入る現実。
子供が卒園して何人かの園児がお受験して私立小へあがった。
もちろん我が家の経済では行かせるのは無理だし興味もなかったけど、実家の親が自己破産で生活保護なんてね。
私立小とか子を行かせたら叩かれるしまず落とされるだろうね、なんて格差を勝手に感じて卑屈になった。
ひねくれた妄想で卑屈になる癖がなおらない。

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母の日か…
普通に素直に母の日や父の日のプレゼントを贈ったり出来る家族だったら良かった。
今までも時々は気が向くと服や菓子や現金や贈った事もあったけど、今年はそんな気分でもないな。
親は生活保護を受けるようになってから私への連絡もぱったりとなくなった。
やっぱり私は金ヅルくらいにしか思われてないのかな？
私の子供が昨年末に入院をしたのを連絡し、しばらく実家には行けないと電話をした。
それっきりだけど。
子供は快復して春には小学校に入学した。

私は親が入院したと聞けば子を預けて病院に行ったし、親の還暦にはお祝いを贈った。
だけど私の子供の事は病気はどうなったか？とか聞きもしないんだね。
自分達がお金や生活に困ると真っ先に電話してくるのに。
私の子供が小学校に入学した事も何も言っても気にしてもくれないんだね。
お祝いが欲しいとかは望んではいないよ、ただ○○の病気は良くなったの？今年は小学校にあがったね、大きくなったか？とか、ちょっと気にかけてくれたら良かった。
駄目な人間だとわかっている親にそんな愛情をまだ求めてしまう自分がみじめ。

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わかってるけど。
もうすぐ結婚すると電話で母に報告をした時、母が言ったのは
「子供なんて産まないわよねぇ？子供なんて産んだって苦労するだけなんだから」と
これから結婚するって言う娘に実母が言う言葉なんだろうか？
母は私を産んだから苦労させられたって思っているなら私の存在を全否定された気分。
スルーしたけど。
私は感情を抑えるのにはなれてるから。
だから妊娠の報告をした時に言った母のセリフは
「里帰りなんてしてこないでね。うちで面倒みるなんて無理だから」
私は実家に里帰りするなんて一言も行ってないし言うつもりもなかったのに。
それでも父と母は妊娠中の私にもお金を貸してと電話してきたものだ。

もちろん出産祝いもなかったけど。

結婚してからもいろいろと私は傷付いて実家の親の態度に泣いて、主人は見かねて「そんな親とは縁を切れ！一生連絡も取らなくていい！」と私に言ってくれたのに。

私にはそれが出来なかった。

お金を貸したりはいくらしつこく言われても貸さなかったけど、疎遠にはなっても連絡を絶つこと出来ず、また利用されることになった。

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私よりももっと酷い子供時代を過ごした人たちもいるだろうし、羨ましいくらい恵まれた子供時代を過ごした人はもっといる。
比べたって仕方ない。
記憶も過去も変えられないし今の自分を否定する気もないけど、虚しくて悲しい気分におそわれる。

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共依存関係の両親は結局、本人たちはしあわせなのかも知れない。
私に介入する余地はなく、両親の必要とする役割をやらされていただけ。
私は自立したから、もう両親の望み通りの役を演じる必要はない。
私が世間的にまともな人間に両親を更生させようとかは要らぬお節介だと言うこと。
両親は自分たちのことばかりで私のことなど眼中になかった。
そんな事を今さら恨んでも仕方がないし、もう親の気持ちも愛も必要のないところまで来てしまった。
私は私の人生を、親は親の人生を歩めばいい。
私に今、大切なのは自分の子の成長を見守ること。

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よそからの些細な言葉で心が折れる。
親孝行しなさいねって。
沢山の言い返したい言葉を飲み込んで、そうですね…って苦笑いで答えて流す。
その後で何日も何日も心が折れて沈んで、お節介な一言を言ってくれた人を何も知らないくせに！と怒りさえ覚える。
ただの世間話、ただのお節介、私はこんなに苦しんで頑張ってきたのに親孝行しないって事で全部人格否定された気分。

出来ないんです。

精一杯やってきたし、これ以上、親のために何かするなんてしたら、私、本当に壊れます。
軽々しく親孝行とか言ってほしくない。

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私は自分が嫌い。
感情がうまく出せない。
嫌な事だって大したことないと我慢して結局、自分に溜め込んで壊れる。
誰も信用なんてしないし油断すれば傷付けてくる。
自分の感情を抑え過ぎていつからか旦那にも本心も言わないし心を閉ざすようになった。
私はただ生活も仕事も育児も人生も淡々と事務的にこなすロボットになりたい。
苦しみたくない、何も感じたくない。

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過ぎてしまった事はすべてなかった事に。
私はすべて忘れてしまいたい。
親も友達もいらないから、過去に縛られたくない。

だから私のことを何も聞かないで、思い出したい過去なんてないんだから。

今とこれからの事で精一杯。

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今になって思うことは、殺したい程、両親を憎んだ事があったけど、ただ幸せになって欲しかった。
そのために一生懸命尽くした、子供ながらに懸命に頑張った。だけどそれは利用されるばっかりで何も改善されず私は傷つけられるだけだった。
他人を変える事は出来ない。
誰にも人の幸せが何かなんて決められない。
両親が歩んだ人生を、その人生に巻き込まれた私にも両親の生き方を否定することなんて出来ない。
残ったのは諦め、絶望はしていないけど、誰かに期待すること頼ること甘えることは諦めた。
私はひとりで不安定に立ち続ける事だけでいつもいっぱいいっぱい。誰も支えてはくれないし助けてはくれない。
でも倒れない方法は知ってる。
疲れたら座って寝込んで休めばいい。必ず体も心もいつか回復する。
私はバカじゃないし、ズルくて要領がいい所もあるから親になんか甘えなくったってちゃんとやっていける。
だから大丈夫。
だけど両親が今も落ちぶれた老後を送っていることが悲しい。人並みに幸せになって欲しかったって今もずっと思ってる。
こんな子供に恵まれたんだから両親は幸せだって思っていいのかな？
私にはそれしか出来なかった。
せめて両親の自慢になるような子供でいたかったからずっといい子でいたんだよ。
今だって疲れるくらい良い人間を演じてるみたい。

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もう何年だろう？
3年くらいは実家に帰っていない。電話も年に１度以下。
すっかり距離をおいたからたまには様子を見にいこうか？顔見せにいこうか？と考える事がある。
旦那の実家からもまたには自分の実家にも帰って親孝行しなさいね。親はいつまでも子供がかわいいんだから。なんて言われる。幸せなお義母さん。
真に受けてたまには普通の親子のふりして帰ろうかと考えるんだけどやっぱり行きたくない。
やっぱり会いたくない。帰りたくない。考えるだけで喉が渇いて胸が悪くなる。
なのにたまには帰るべきなのかな？って考えて止まない。
何でだろう。
世間体なのか？そんなことか気にしてない…
いい子ぶりっこしたいのか？なんの得もしないのに…傷つくだけだし…
自己満足が欲しいのか？なにかを克服したいのか？
自分の心がわからない。
でもやっぱり帰りたくない。
心が疲れてしまう。

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実家の事で気になることは、母親の介護状態。
最後に会った時は何度目かの入院中。
もうすぐ退院だというので親戚からもらった歩行器を実家に置きに行った。
外での移動は車椅子じゃないと無理だし、室内のちょっとした移動も杖での歩行は無理っぽかった。
だから使わなくなった歩行器をもらった。
生活保護だから入院費の心配はいらなかった。だから退院時の付き添いはせず父に任せた。
その後、役所の人が相談にのってくれてデイサービスも通う事になったらしい。
要介護の母親を何年も放置している事に罪悪感はある。
だけど父がなんとか看てるし役所のフォローもあるはず。
本当に助けが必要になれば向こうから連絡がくるはず。
私は要介護の母親を父に任せっ放しで自分が酷い人間だとも思う。
でもやっぱり実家と距離を置く状況は続くのだと思う。
残酷だけれども。
親が死んだら後悔するのかな？親孝行すれば良かったって？
私には想像がつかない。

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