くそったれな俺の半生
第一章 人生最初の交差点
当時の俺は大学を中退したものの某一部上場企業に就職し長期出張で相部屋になっていた上司のパワハラで胃潰瘍で血尿の毎日を送り辞表を提出する事を決めていた。
上司の畑中は入社初日から「学生の時にいたムカつく奴に似ている」それだけの理由で俺に毎日早く消えろ、辞めろと言っていたようなどうにもならない男だった。
出張中も常にパシりにされ豪雨の深夜にあれ買ってこいだのと起こされたものだ。
帰社後に部長へ理由を告げ辞表を出し引き留められつつも固辞し退職をした。
これでやっとストレスから解放されると安堵したと同時に既に離婚をしていた母親に対しては申し訳なく思った、母親は一部上場企業を辞めた俺に我慢が足らないと言いつつも帰って来いと言ってくれた。
実家に戻り暫くゲーセンでバイトをしながらのんびりと暮らしていた。
半年ほどしてバイト先の後輩の由紀子とその友人の奈々とよく遊ぶようになった。由紀子はまだ19歳ながらしっかりした性格で顔はあまり可愛くはなかったが気も合い良き理解者で奈々は元気いっぱいのお洒落でスタイル抜群の美人。
よく3人でカラオケや飲みに行きオールで遊んだ。
その頃バイト先の常連だった堀さん(35)が俺を気に入ってくれて何回か飲みや食事に連れて行ってくれた、ある時、堀さんの奥さんもいて俺にこう話した。
奥さん「この人、近々お父様の会社の子会社で代表になるのね。そこで数人この人が気を許せる人を身近に置きたいって、それでリョウ君が良いって。」
俺は話がよく解らなかった。
「え?どう云う事ですか??」
堀さん「どうかな?うちに就職しないか?僕は人見知りでさ、友人とかあまりいなくてさ」苦笑いをしながら堀さんは言った。
「えっと…ちょっと考えさせてもらっても良いですか?」
堀さん「勿論だよ、2週間後に返事もらえるかな?」
「はい、でも何で俺なんですか?」
堀さん「いや、リョウ君の仕事ぶりとか性格とか色々だよ、嫁も大丈夫じゃないかって太鼓判押してくれたしね」
堀さんとは何回か飲食に連れて行ってもらってはいたがまだ知り合って数ヶ月程度だったので驚いたと同時に妙に嬉しかった。
その日にうちに由紀子と奈々に話をした、2人は
「良いじゃん!引き抜き?って言うのかな?やるなーリョウ(笑)」みたいな事を良いながら背中を押してきた。
- 投稿制限
- ハンドル名必須
山田以外は取り敢えず挨拶をしてくれて仕事を始めた。
もう一度書くが当時の俺はIT知識もスキルもほぼ皆無である。
篠崎やチーズや山田辺りはそれを小馬鹿にした態度がありありとしていたがやる事は皆未体験システムの仕様や操作な訳で基本知識の差はあれ何とかやって行く。
親睦会のような飲みを上司の関根さんが主宰で行った。
その席で山本さん、関とはある程度打ち解けた
関「家にもパソコンないんすか?マジすか(笑)?ある意味凄いっすね」
とかそんな調子で。
山本さん「僕はこんな人間だから誰も近寄って来ないんだよね」こんな人間とは見た目と声がゴツい、雰囲気も寡黙な感じ
「そうなんですか?声めちゃ渋いじゃないですか。俺その声だけで尊敬ですよ(笑)」
山本さん「ありがとう」と渋い声で。日本酒が似合う男だ
しかしながら直感とは結構当たるもので篠崎、チーズ、山田はどうにも好きになれそうになれなかった。
仕事も慣れて来た頃になると暇な時間帯も嫌でも出てくる。システムを試験的に利用している企業からの設定やテストに立ち会うなどが主な業務だが待ち時間みたいのが出てくる為だ。
関「パソコン買わないんすか?」
「いや、近々買うよ。何買って良いのか解らないんだけどさ、今度仕事あがりに付き合ってよ」
関「良いっすよ」
俺はパソコンを購入する事にした。
「つかさ、PCで何やる訳?ネットとかってもよく解らないんだがゲームとか?」そんなレベルの俺。
関「まずはネット環境作ってからすね。会社でもインターネット出来るじゃないですか、それで暇な時に色々遊べるし。」
よし!暇な時間に会社でちょいインターネットやるか!と悪巧み。当時って社内セキュリティも甘くインターネットはやり放題でした。
仕事中に暇な時間では色々なサイト巡りなどをしメッセンジャーやチャットとかその類いのものも関から教わり遊んだ。
オタクの世界つーか、意外におもしれーな!って感じになっていた。
山本さん「小笠原君は前職は何をしていたの?」
「バイトですけど酒飲んでました」
山本さん「お酒飲む仕事なんかあるのかい?」
「あ、いや水商売ですよ」
山本さん「おぉ…何だか面白そうな世界だね」
「いや、しょーもない世界でしたよ(笑)」
数週間もすると関や山本さんとはかなり仲良くやれるようになった。
そして遂に念願のPCを買ったぞ!
実際PCは未経験な訳でもなく父親と暮らしていた頃は家にもあったがゲームぐらいしかしていなかった。
また学生時代にも操作経験はあったがいくつかのソフトウェアをいじる程度。
関に品定めをしてもらいノートPCを購入した。
まずはブランドタッチが出来るぐらいにはなりたい!
関「遊びながら学ぶのが一番っすからチャットが良いですよ。」そんなお勧めからチャットをよくやるようになった。
これが結構面白かったりして暫くしてハマッていく。
そんな折りある女とチャットで知り合う。
同い年の理恵、学院生で真面目で女の子らしい性格。
何度かチャット内でやり取りをした。当時、いや今もそうなのかもしれないがラウンジみたいな感じの区分分けがされ同地域内の人達が集う部屋でなぜか中学生2人と理恵と俺のセットで仲良くなった。
その場かぎりの大した中身のない会話ばかりだったと思うしその程度だから記憶に残るようなやり取りもあまりない。
理恵「リョウは本当に自然体な人だね~」とかそんな事をよく言われていたかな。
「顔も知らない人に対して取り繕う必要ってあるの?」
理恵「逆に顔も知らないからこそあれこれ盛る人が多いような気がするけど?」
「そうか、それは気づかなかった!」
中学生のガキんちょ達には何か理恵と俺が夫婦みたいだとかからかわれていたけど顔も知らない女に惚れるような俺ではない!
それにまだ女にはちょい抵抗があった。
こうして俺のタイピングスキルは日夜磨かれて行く。
この頃は、たまにナオとも会っていた。
けどいつしか「ナオに甘えている」そんな気がして来ていた。このままで良いのかなとか、無駄に思案したり。
相変わらずナオはあまり詮索をしないし、話を聞いてくれるし居心地は良かった。
ナオ「そろそろ仕事慣れた?」
「まだまだかな、早くもっと色々出来るようになりたいよ」
ナオ「リョウなら出来るよ、飲み込み早いもん」
ナオは俺をどう云う風に見ていたんだろう、思えばお互い愛しているとかそう云う言葉を交わした事もなかった。
仕事は拘束時間だけはやたら長く終電間際や土日の出勤も増えて来て次第にナオと会う時間も減っていった。
愛子がホストにハマッてると志保から聞いた。
ホストに惚れたって話らしい、志保曰く愛子は1人が嫌いな女らしく俗に云う恋愛体質って感じだ。
今度3人で飲みに行こうと約束をした。
何をやっているんだか…
男も女もその人生において出会う異性で道を大きく踏み外したり影響を受けて悪い方向へ流される人間がたくさんいる。ただ逆に良い影響や良い道へ誘導してくれる異性もいるはず。
3人で飲んだ時に愛子にそれとなく話を振ってみた。
「最近好きな人が出来たんだって?前の人とは終わったんだ?」
愛子「志保から聞いたの?」とちょっと余計な事をしやがって的な雰囲気で志保を見る。
志保「大した話はしてないよっ」ちょっと慌てて。
愛子「うん…まぁ…」
「どんな人なんだよ~?」
愛子「……ホスト…」
やっぱりそうなのか。
「マジかよ(笑)付き合ってるの?」
愛子「解らない、多分違う」
愛子は結構可愛いタイプで外見では絶対モテるはずなんだよな、しかしなぜかおかしな男にしか惚れてないような女。
アウトローが好きとかって女は実は結構いるんだよね、真面目な人を退屈だとか刺激がないだとか無い物ねだりをして結果アウトローに流れたり、自分に自信がないからかしっかりとした男と不釣り合いと感じて自分から離れる女とか色々。
「何でまたホストかなぁ…」
愛子「好きになっちゃったもんはしょうがないじゃん…」
まぁな、別に俺が口出しする事じゃない。しかし志保は反対意見を言う、友人歴が長いならそれぐらいの権利はあるだろうな。
志保「あの人の携帯とかだって営業用のでしょ?本命ならそんな扱いじゃないんじゃないの?」
愛子「だけど彼から連絡はよく来るし…」
グダグダな感じで志保がしっかりしなよ!みたいに諭して愛子は怒られてるみたいな雰囲気でテンションがた落ち。
俺はあんまり楽しくねーなって思いながら飲んでた。
でも愛子みたいなタイプって個人的にはかなり多いと思う、別に変わり者でもだらしない訳でもないけどズルズル流されて行く女は珍しくもない。男にもいるし。
志保と愛子とはそのまま別れて帰り道に愛子から電話があった。泣いていた。
ほらそこに落とし穴があるぞ、何となくそんな気配を感じたが結局少し心配で引き返して愛子とファミレスで会った。
俺はトラブルホイホイなのかもしれない。それも自業自得、自分で選択したんだから。
愛子は愛子で悩んでいると言う、かなり辛いしまた前の男みたいに遊ばれている可能性も高いのは解っていると。だけど好きになっちゃったんだもん。
これが愛子の主張だ。
愛子「志保にも呆れられちゃった…」
「心配だから言ってくれるんだろ?」そこまで言わない俺はそこまで踏み込むつもりがないからで薄情なのかなとか思う。
愛子「そうかもしれないけど…志保はいつもわたしの好きな人を悪く言うし反対するもん…」お前達親友じゃなかったのかい?
「前の男もだけど客観的に見たら賛成しにくい男なら反対するもんじゃない?当事者は冷静ではいられないんだから」ヤバいな終電が…
愛子「そうだけど…グスッ」また涙ぐましむ愛子
参ったな、俺は慰め役とかは苦手なんだよ。
「泣くなよ、皆にみられるぞ」
「じゃあ人少ないとこでなら良いでしょ?」カラオケに移動した、歌う訳じゃなく話しやすいからって理由で。オール決定、俺も流されてるじゃねーか…
愛子「同性から見たらやっぱりないのかなぁ?」
「本音言って良い?」
愛子「うん…」
「まぁないな。ホストの時点でないし、ホストががっつり本命作るなんてのはあまりない。あっても前々からいたとか余程金あるとかそれなりの理由がある」
「恋人になれたとして枕営業許してやれる?」
愛子「やだ、無理」
少し現実的な話を続けたら愛子はまた泣き出す。
女の涙ってマジ勘弁だ。俺には彼女いないから誰に義理立てする必要もないからこのまま抱きしめて慰めてもありなんだが友人だからそこには越えちゃならないモノがあるしとただ隣にいるしか出来ない。
「俺みたいな男探せよ(笑)恋愛に器用過ぎる奴は危ないぞ」
愛子「そうだったら良かったのに、リョウ君みたいな人ならこんな思いしないで済んだのにな」
そんな話しながら随分長くカラオケにいた。
志保から「今日はお疲れ様」メールが来ていたがスルーした。
愛子「わたしね男の人の手好きなんだ、リョウ君の手も結構大きいね」なんかそんな話をして手を見せたかな
手のひらを合わせて…ちょっとヤバいかもよ?と感じたんだけどね。
こんな他愛もない事してる方が泣かれないし気楽だったから続けてた。
俺の最大の短所は情に流されるところ、親にも和人にも言われた事がある。不義理な事は嫌いだから彼女でもいれば流されないで踏ん張れるのにいない時は本当に短所が出てくる。
そしてまた流されちゃった
愛子はどう考えても好きな男を忘れるきっかけにとたまたまいた俺を選んだんだろうな、多分それは間違いない。
吸い込まれるように愛子とキスをしながら頭をよぎった感想
かなり長い事キスをしてた、それはもう濃いキスを。
舌を絡めてお互いの口に舌を入れ合いながら舌を吸うよなキスを。
唇が離れた後はお互いの顔を直視出来なかったからそのまま向かい合って抱き付いた。
酸欠になりそうなぐらいキスをしていた事と初めてキスをしてこの後を意識してか心臓が2つあるみたいな鼓動感じた。
冷静な俺もまだ3割ぐらい残っていた、だからそのまま何もしないでいられた。葛藤していた、そのお陰で愛子の携帯が鳴った。
我に還った愛子は俺から離れて電話に出た、志保からだった。2人共現実に戻った瞬間だ、愛子は志保に俺とは一緒にいるとは言わずに友達とカラオケにいると話した。
危なかった…我ながら何をしているんだとホッとした。
愛子はこのカラオケから歩いて何とか帰れる距離に住んでいるみたいだった。
「愛子はもう帰れよ、タクシーならワンメーターだろ?」
愛子「でもリョウ君はどうするの?」
「またファミレスで朝まで時間潰すさ」
カラオケを出て愛子を見送りファミレスに入って自分の甘さにちょい自己嫌悪した夜だった。
これ以降愛子とは2人きりで会う事はなかった、お互い避けていたからだろう。
志保は勘が鋭いから何かあったんだろうと見抜いている節があったな、それが理由かは解らないが志保も愛子と何か喧嘩をして少しの間疎遠になってたぽい。
面倒嫌いなのに面倒に巻き込まれたり招いたり俺も相変わらずしょーもねぇ。
それなのに愛子とやっとけば良かったか?勿体ない事したかな、とか思うバカ(笑)
関にはどうやら彼女がいるらしい、聞いた話だとオタクカップルで良い塩梅なんだとか。
関「彼女と来年一緒に住みたいんですよね」
「同棲か、結婚前に同棲で最終テストってのもありだな」
関「結婚は解らないけど実家出たいんですよ、俺も相方も」
山本さん「そろそろ僕も彼女作りたいな」
山本さんは何か古風な雰囲気で着物が似合うような女性が好きそうだと話したら意外な事を言った
山本さん「いや、ギャルが良いな。イケイケなギャルと付き合いたい」
マジかよ(笑)
恋愛観や好みのタイプは本当に様々だ、自分に合う相性と好きなタイプが一致しない事もよくある。
暇を見て相変わらず俺はチャットしたりして遊んでいた。
ある時、理恵からメッセンジャーってのがあるって聞かされた、社内でも使っていたので俺は知っていた。
プライベート用のメッセンジャーを関にインストールや設定してもらい理恵にもやり方を教えてやり取りを始めた、2人きりのやり取りだから会話内容は次第に濃密なものとなる。
元々理恵もPCには詳しい訳でもなく暇潰しでしていたチャットで俺や中学生とのやり取りが楽しくなり今に至ったようで、恋愛とかで寂しさを紛らわしていたとか言っていた。
俺もそこまで鈍感じゃないからこの時期ぐらいから理恵に好意を持たれているのは何となく解っていた。
好意を持った相手の事は色々と知りたくなるのが人間だ。過去や現在も含め恋愛観とかにも踏み込んで聞きたくなるだろう、俺と理恵との会話はだいたいそんなものに偏っていた。
でもね、俺は顔も知らない人には惚れないよ!
そんなスタンスは変わらなかった。
理恵「リョウみたいな人には出会った事ないなぁ」変わり者と言われる事は嫌いじゃない、俺も認識はあるし。
「そうなの?何が普通なのかとか基準が解らないけどあまりいないんだ?」
理恵「うん、いない。そもそもチャットで仲良くなったりしてもアドレス聞かれなかったのはリョウだけ」
「アドレス?そうなんだ、確かに聞いてくる人は女でもやたらいるなぁ。」
理恵「教えてるの?」
「あんな誰が見てるか解らないところでアドレスなんか貼れないよ(笑)」
理恵「だよね♪」
こんな事を言うとあれだけど「俺飢えてねーし」ってのが当時の本音だったかな。
理恵には良い事だけを言われた訳ではない。
理恵「リョウは何でも話せる空気あるんだけど、リョウは話してくれないよね」
あぁ、話さないな。話す事もあるけど聞かせて引かれるのも経験で予測付く事が多々ある。そう云う事は相手を選ぶから、そうは言わなかったが
「話すような事がないんだよ(笑)」とはぐらかした。理恵は育ちの良いお嬢様、色々聞くとどうにも一般的ではない。小、中流家庭では普通実家が何軒も家を所持していないし親から金カードを渡されてるような学生もいない。
理恵から見たら俺はおそらく今まで関わりのなかったアウトローな雰囲気がある男だったんじゃないかな。
勿論、俺なんかがアウトローなら本当のアウトローな連中に申し訳がないのだけど。理恵は少しそう勘違いしていたっぽい。
理恵は俺の子供時代とか学生時代をよく聞いてきた。
どんな子供だった?どんな遊びしていたの?彼女とかいつ頃作ったの?自分から告白する?される方?とか。
子供時代の話も俺と理恵は全く違う、男女差があるからそりゃ違うだろうけど山川走り回り悪さしては怒られていたずらばかりしていた俺と理恵はご両親に心配掛けないようにしていたなんて良い子の見本みたいな子供。
理恵「そんな事して怒られなかった?怪我しなかった?大丈夫なの?犯罪じゃないの?」と随分カルチャーショックを受けてるような。
因みに理恵は日本舞踊の家元の娘つーのを知った
「家元!?何かサスペンスドラマに出てくるような事件現場になるあれだな!?」ぐらいの認識がない俺には逆に理恵にカルチャーショック。
チャットとかネットだったから出会えた人種だってのがよく解る話だ。
最初信じてなかった(信じてはいたがノリで信じてなかったように接してた)から理恵が
理恵「じゃあ今度写真とか見せてあげるよ~」とか言ってた。今と違ってまだ写メとか全機種にあるような時じゃないから話だけだと思った。
仕事は随分と慣れてきた。
俺を含めて初日からいたスタッフは今は2人減って8人。またメンバーが個人プレーばかりするのが問題にもなりリーダー役を連れてきた。
渡辺さん36歳
爽やかな笑顔と柔らかい雰囲気の良い感じの兄さんだ。因みにPCは触った事はありますって程度だからシステム的な話は厳しいがメンバーの管理が仕事。
この人は強烈な人だったからかなり覚えている、仕事上の顔と業後の顔が違いすぎてね。
ただ篠崎やチーズにしても権力者が大好物なので渡辺さんには随分と摺り寄っていた、お陰で暫くは円滑になる。
渡辺さん「やぁ!小笠原さんも電車こっちなのかい?」
帰りに改札で会った。
「はい、○○線の○○駅住みです」
渡辺さん「そうかぁ、僕も○○線なんだよ。割りと近いね!」
そんな事もあり結構仲良くなれた。
全体的な雰囲気は福山雅治とか沢村一樹とか見たいなパッと見爽やかでエロ男爵ってキャラクター。
週末渡辺さんを交えて飲みをした。
酒がかなり好きなようで普段以上に流暢に話す、俺は渡辺さんから学んだのは「愚痴でも悪口でも言い方次第」って事だ。
同じ内容を話しても笑顔で明るく話すだけで随分とライトなもの聞こえる。
渡辺さん「いやぁ彼は変人だよね、ちょっと湿気があるのが残念だね、あっははは。」万事がこんな調子で爽やかな人だが酒が入り女の話になると別人のように語り出す。
ここでは文字にするのも憚れるような内容で俺とはやたら盛り上がってしまい、変な意味で仲良しになった。
渡辺さん「あっははは!よし俺もパソコン買うかな。AVビデオなんて時代は終わりだ、これからはワールドワイドだね、はははは」
即ノートパソコンをゲットし休み時間に関と俺に色々訪ねて来た。
オススメのサイトは何処か?お気に入りに入れるからURLを教えてくれと、仕事以上に熱心な渡辺さん。
36歳で婚約者もいる渡辺さんだが曰く、俺の性欲は彼女1人では受け止められない事は話してあるから公認なんだよと、即ち浮気と言うか性欲処理での事なら了承を得ているんだとか。
渡辺さん「いやぁ昨夜は前々から気に入っていた高島屋の化粧品売り場の28歳とさ、コンビニのバイト学生と週末デート取り付けたよ」こんな話ばかりのリアルヤリチン。下手なホストより凄いよ渡辺さん。
女からしたら近寄ってはダメな人間だが同性からすると楽しいってタイプ。
渡辺さんが来てから1ヶ月ほど過ぎて
渡辺さん「関君、プロバイダは何処にしてる?」
関「俺すか?俺は○○ですよ」
渡辺さん「うーん、請求が先日来たんだけど8万円なんだ。これなら風俗5回は行けたよ!」
関「それって定額じゃないからですよね?まさかダイヤルアップですか?」
渡辺さん「ISDNだったかな?」
関「ダイヤルアップじゃないですか。あれ危ないですよ?」
渡辺さん「でもそんなにやってないんだよなぁ」
関「繋いでない時はケーブル抜いておいた方が良いっすよ」
渡辺さん「そうか!はははは」
翌月もっと面白い事になるがそれはまたいずれ書く。
渡辺さんからこんな話を聞かされた
渡辺さん「あっははは、昨夜はさチャットで知り合った女とやってきたよ、はははは」ちょっと渡辺さん(笑)
「ちょっとマジですか??」
渡辺さん「何人かにはぶっちされたけど昨日の女とは会えたよ」信じられないぐらい行動力がある…(笑)
「すげーなぁ渡辺さん(笑)しかし怖くないですか?何かとありますよ?病気とかも美人局みたいのとかも」
渡辺さん「無駄金は持ち歩かない、カードや身分証も持ち歩かないようにしていれば大丈夫」どうやらヤバい風俗に行く時の心構えらしい。どんなとこよそれ?
渡辺さん「取り敢えずネットが一番コストパフォーマンスが良いね!はははは」
そんな話を聞いた夜に理恵に
「会社でチャットとかでバンバン会ってる36歳がいるんだけどアグレッシブ過ぎてヤバいよな」
理恵「同僚さん怖いもの知らずなんだね(汗)」
「チャレンジャー精神旺盛なんだろうけど、本当凄いな」
理恵「でもネットでもチャットでも皆が皆変な人ばかりじゃないでしょう?」
「まぁ普通の人もいるだろうけどネットだけでは判断するのは簡単じゃないだろうなぁ」
理恵「そっかぁ、そうだね。」
「男はまだ予防しやすいけど女は特に気を付けなきゃだろ、ネットに限らないけど」
理恵「うんうん、そうだよね。女の方が慎重にならないと傷つきやすいもんね」
「そう云う事、失敗したって大人なら自業自得になるんだから自分で選択して守るしかない」あれこれ言っても結局その場になれば忘れてしまう事ばかりだけどな
理恵から写真を添付したものを送ってきた。
そこには数枚の写真があり実家の舞踊教室もあった、他には理恵らしき女の子も写っていた。
理恵に聞いた
「どっちが理恵?」
理恵「向かって右の背が低い方」とか何とか
150センチぐらいしかなさそうな小さい子、顔は名前が出てこない。ナイナイだかに出てた元グラビアアイドルに少し似てたかな。
理恵曰く「リョウは顔も知らない人には気持ちは入らないって言ってたから…可愛くないけど」って。
普通の子だな、本当に普通にその辺にいる女子大生だった。
「イメージしていた訳じゃないからコメントしようがないけど可愛いじゃないか(笑)もらいっぱなしじゃあれだから俺もいつか送るよ」とあまり深く考えずに伝えた。
でも顔を知ると確かに少しリアリティーが出てしまいただのバーチャルだろ?って気持ちより一歩現実に近付いた気分にはなる。
恋愛に発展する切っ掛けなんて何処に転がっているか解らないもんだ。
渡辺さん「おかしいんだよ、今月は請求額が10万越えているんだよ…これならプラチナコースの風俗に二回行けたよ!」
関「ケーブル抜いててもですか?明日ノート持ってきてください」
翌日渡辺さんのPCを調べると何やら怪しげな接続ポートがあり。
経験者の男子諸君ならピンと来たのではないかな?
そう、0990と国際電話経由に切り替える怪しげなアイコンが出来ていた、1分200円とかそんなとんでもコース。
関「渡辺さん、PCの先生として言わせてもらいますけど…あーたエロサイトやアングラサイトばかり行き過ぎですよ(笑)」
渡辺さん「いやぁ、あっははは、面目ない!助かったよ、これでもう大丈夫なんだな?」
関「大丈夫じゃないですよ、また何処かで踏みますよ」
渡辺さん「安全安心のエロサイトライフを送るにはどうしたら良い?」
「そっち(笑)」
関「CTにでもしたらどうですか?それなら多分切り替えられないで済むと思いますよ」
渡辺さん「そうかそうか、ありがとうそうしよう!それより昨日またネットで知り合った女に会ったんだけどさ~」こんな人、身内なら嫌だけど好きだな俺。
性欲はないよりある人の方が多分何かとパワフル。
俺は理恵に一枚写真を見せた。
理恵「イメージしていたより怖くない、もっとゴツい人かと思ってた(笑)」
「全然ゴツくないよ、寧ろ逆じゃないか(笑)?」
理恵「でも本当背高いね、私リョウの顔好きだよ」どうイメージしていたのかは知らないがイメージより良かったらしい。
理恵「声聞きたいなぁ…」確かそんな風に言われた。
「電話?電話したいの?」
理恵「うん…イヤ?」
「別に良いけど、今?」
理恵「ダメ?」
「良いけど番号は?電話代掛かるから俺からかけるか?知らせたくないなら理恵からでも良いし」
理恵「わたしから電話したいって言ったんだから掛けるよ」俺は番号を知らせた。
理恵「今から掛けるね、緊張する♪」
「解った」
ブブブブ ブブブブ
バイブが鳴った。
「はい、もしもし」
理恵「理恵です…リョウ?」
「そりゃ俺だろ(笑)」
理恵「リョウだ♪」
「理恵の声小さいな(笑)」
理恵「き、緊張しちゃって、リョウはしてないね」
「いや、してるよかなり」
こうして理恵とは電話をするようになった。当時俺は自分の失敗からまずは真面目で一途な子と以外はもう恋愛はしないと決めていてネットって云う特殊な状況もあってか理恵が随分と真面目な子に思えていた、それにプライベートな時間の大半を俺とに費やしていたっぽい理恵からは一途な面も感じていた。
電話をするようになってからの理恵は俺に対しての気持ちを遠慮はしながらも表現するようになる。
俺って云う人間は多少変わり者らしいがそれでも平凡だし外見も別にイケメンではない、ボランティア精神も特にないし綺麗事ばかりが罷り通る世の中じゃない事も知っている、どちらかと言えば汚れた部類。
まぁそれでもフィーリングと云うか相性ってのはあるみたいで「安心する」と理恵に言われた、だから「好き」だとも。
文字から始まった理恵との関係は今では声で繋がりそしてその日は来た。
理恵「クリスマスまで後少しだね、リョウは予定あるの?」
「いや、仕事して帰るだけじゃないかな」
理恵「んっと…」
大体解るさ、じゃあ俺から言うか…って感じで
「理恵も空いてるなら会うか?」実際、住んでいるところは隣県でその気にさえなればいつでも行ける距離だった。
理恵「本当?良いの?本当に!?」
「理恵が良ければな」
理恵「リョウ~」泣いてた
この辺りでは俺も理恵が良い子だなって思うようになってたんだよな。素直だし真面目で。
少し遡る
理恵と電話を初めてした日より数日前に俺はナオとの微妙な関係は終わった。
プロポーズをされたとナオから聞いた。
会社の同僚で他部署の先輩らしく会社の飲みで告白されたと
ナオ「結婚前提での付き合いをして欲しいって言われたの」
「いきなりプロポーズ?どんな人なの?」
ナオ「周りの評判は良い人、まだどう云う人なのかは解らないけど純粋そうな人かな」
「そうなんだ」俺は複雑な気持ちだったな、当然恋人って言い合う関係ではなかったけどナオは好きだったから少なからずショック、いやそれを話してきたナオにショックだったのかな?そう云う気持ちとナオみたいな女は有無を言わさずに幸せにします!って尽くしてくれる男の方が良いんだろうなって気持ちと。
だから複雑だった。俺にこの話をしたナオの気持ちも複雑だったからじゃないかと頭では解ってた。
ひょっとしたら俺が断れって言うかな?とかそんな気持ちもあったのかもしれない。
でも俺は
「良い人そうじゃん」って言った。それが意味するのは2人の関係を「終わりにしよう」って事。
ナオには変な男が付いて欲しくなかった、それは本音。だけど俺も変な男みたいなもんだなって考えたら会わない方が良いんだよな、本当はって答えになる。
綺麗事だけじゃない、俺はまだ色々引きずっていたからこのぬるま湯に浸かっていると楽だった、だからナオと付き合う事も離れる事も選択出来なかった訳で。
ナオ「うん」
不思議とナオとはあれこれ言葉を交わさなくても意図が読み取れた。
ナオもハッキリさせたかったんだろうな、28歳だったし。
だからその日はチョコと遊んでナオとはセックスしないで帰った。
帰る時のナオはいつもと変わらなかった。
ナオ「気を付けてね」
だけど俺はいつもの「またな」ってキスはしないで
「じゃあな」って別れた。
逃した魚はデカイ、多分そんな女だったと思う。
ナオは幸せになれてるだろうか?書きながら思った。
そういった背景もあり俺は理恵との距離を縮める事にあまり気を病む理由がなかった。
性格的に細かい事は気にしなかったし、何かあっても自分だけの問題なら何とかなるって考えだったし。
確かその日は金曜日だった。仕事終わりに理恵との待ち合わせ場所にした駅のホームの階段下。
理恵が降りてくるのはすぐ解った。
「よっ、こう云うのって初めましてなのか(笑)?違うよな」と言って手を差し出した。
理恵「初めましてじゃない、でもやっと会えた」とちょっとぎこちない笑顔で言いながら理恵は俺の手を握った。
理恵「スーツ似合うね♪わたしスーツ好き、リョウのスーツ姿好き」とか何かはしゃいでた。
珍しく予約なんかしたフレンチの店に連れて行った。理恵もクリスマスだけあってめかしこんでいた。
理恵「フレンチレストランなんて家族で何回かしかないしマナー大丈夫かなぁ」と不安そうだった
「俺も3回しかないから大丈夫、音だけ気を付けてような(笑)」
理恵の反応が可愛かった、後から聞いたが彼女はまだ学生だからこう云う世界は初めてな事ばかりだったようだ。
2人で少しぎこちなく食べた。店を出てすぐのところに観覧車がある、それに乗る事にした。こう云うベタなデートってあまり経験がなかったから少し新鮮だった。
観覧車の中では手を繋いでいた。
実はホテルなどは予約してない、成り行きに任せれば良いと思っていたし会って理恵が帰りたいまたは俺が帰りたいとなったら予約なんかしていたらバカな話だから。
理恵が帰れる電車の時刻は結構早く来た。
「理恵、電車の時間そろそろだけど帰る?それともうち来るか?」
理恵「リョウのうち行きたい…」
下りの電車はまだ余裕があったから少しイルミネーション街を歩いてから家に向かった。
マンションに理恵を招いて買ってきたシャンパンを2人で飲みながら話をした。
理恵は自分でもおかしいと思っていたけど文字だけの時から俺を好きになっていたと打ち明けた。
理恵「リョウは顔も知らない人に恋愛感情は持てないって話していたからずっと言い出せなかった、だから顔を知って欲しくて写真見せたんだ」って。
「惚れられるような事は一切してないと思うんだけどなぁ…何かしたかな(笑)」
理恵「何もしてないよ、いっぱい話したのに下心なくて自然体でサッカーしていたけど補欠だったとかそう云う話を聞いてて好きになったの、あぁこの人は嘘とか見栄とか無縁な人なんだなーって」
「そんな理由で?」
理恵「良いの!それにわたしの直感当たってたし」
説明されてもそれが好きに繋がるのが何だかよく解らなかったな。そんな人間くさるほどいるだろうに…
20年30年生きてきて恋人と呼べる人が過去5人いたとしてその5人と本気で恋愛出来ていた人ってどれぐらいいるだろう?
若ければ若い程、何となくで付き合ったり押しに負けて付き合ったり、恋人がただ欲しいから、性欲、そんな理由で作った恋人は結構いるんじゃないか?
俺は少なくとも本気で恋愛をして付き合ったと言える女はまだいなかった。
毎回毎回本気、なんて恋愛だと惚れやすいとも言えるし毎回流れでだと軽いとも言える。
理恵は俺に本気で恋愛したと、でなければこんな風に会えなかったと。
俺は前回の失敗で「誠実で一途な女」を探していた。
だからそれが備わり性格、外見がそれなりに好ましいならと考えてしまった。
「付き合おうか?」
理恵「本当?わたしで良いの!?本当に?」凄く喜んでくれた、涙浮かべて。
「あぁ、勿論」
こうして俺は理恵と付き合った。理恵は箱入り娘ながら我儘な性格ではなく尽くしてくれるタイプだった。
イブの翌日は土日だった事もあり付き合ってから丸2日一緒にいた。
初日は敢えてしなかったが2日目は一緒に風呂に入りセックスもした。
家の事も色々してくれて洗濯や掃除に料理も作ってくれた。
とても家庭的な良い子だった。
もっと一緒にいたいと帰る時は涙ぐんでいたが
「会いたくなったらまたいつでも来な」と宥めてその日は別れた。
理恵はかなり寂しがり屋だった。2日もしたらまた会いたいとグズる。
平日だが仕事終わりになるけど待ち合わせをして家に行った。
理恵「お泊まりの支度してきちゃった」と。
「時間遅いからな、俺は朝早いけど理恵は好きな時間に帰れば良いよ」と合鍵を渡して言った。
理恵「わーい♪ありがとう。いっぱいお掃除しておくからね」
翌日の朝に俺は理恵を残して会社に行った。
理恵「いってらっしゃい♪」
帰宅する頃に理恵はいなかったが置き手紙があり
理恵「お疲れ様。すっごい幸せ、ご飯作ってあります」とか書いてあった。
こんなのも良いもんだなと思った。
年末年始の休みも初詣に行きまたうちに泊めた。
付き合ってから数週間ほどで俺は少しばかり気が重くなりだしていた。会うのは構わないのだが会わない日は最低1日5回は電話をしてくる。
朝、昼、定時後、夜、寝る前。一言の電話なら良いがそうでもないだけにちょっと面倒になってきた。
「電話は朝晩ぐらいにしてくれないかなぁ?会社にいる時間は厳しいんだよな」
理恵「迷惑?会えない時は不安になるんだもん…」
こんな調子で暫く俺が我慢をして電話に付き合う事が増えて行く
元々電話とか毎日するのすらちょっと面倒だった俺はやはり次第にストレスを感じるようになる。
朝や夜に電話に出ないとメールにて追撃をしてくる事も多々あり、泣かれるからやんわりながら電話は出れない時は出れない。付き合いもあるし仕事もあるのだから理解してくれと話すもあまり効果はなかった。
しかし会っている時は不安ではない為か落ち着いていた。
理恵「ごめんね…直すから」
「これ以上は勘弁してくれよ、楽しく付き合えないだろ」
理恵「はい…」
こんな調子だったが同じくあまり効果がなかった。
当然こういった不満が募ると萎えてくる、電話に出ないと次出た電話ではグズっていたりすると負の連鎖でますます電話に出たくなくなる。
そうなったら恋愛は重荷にしかならなくなる。持続させるのが厳しくなる。
そんな時にタイミング悪く俺はある女と出会ってしまう。
以前からたまにクライアントと試験打ち合わせに使っていたホテルの受付をしていたその女は人生で出会った中で一番美しい人だった。
たまたま1ヶ月で2回ホテルを利用した時、その子は俺を覚えていてくれた。クライアントが来るまでに受付近くで待機していたのだがその時に少し話し掛けた。
「今月から受付されているんですか?」
受付「あ、はい。バイトなんですけど今月からです」
どうやら俺はこの子にまさかの一目惚れに近い状態に陥った。
そんな程度の会話しか交わさなかったが凄く印象に残った、それと同時にアルバイトだと長くいないかもしれないと思い、これっきりになる可能性もあるんだと思った。
とは云え一度挨拶を交わしたばかりの人にいきなりアタックはないし、そもそも俺は理恵と付き合っていたのだからそれはな…と。
ただ理恵とは改善に向かう気配なく俺はもう気持ちが離れてしまった。ハッキリさせなくてはと思うようになる。
それでも理恵の不安とやらを和らげる為にまだ会ったり電話は付き合っていた。
もう仮面夫婦ならぬ仮面彼氏のように芝居じみた形になりつつあった、そんな時に彼女を駅の切符販売機で見掛けた。
「あ、○○ホテルの」
名札で名前は矢部さんとは知っていたが名前を呼ぶのは気が引けた。すると彼女は。
矢部さん「あ、小笠原さん?お仕事この近くなんですか?」と答えてくれた。
「よく覚えてましたね、はい。会社からは最寄り駅なんですよ」
矢部さん「お名前覚えるのは得意なんです、お疲れ様です」
「これからアルバイトですか?」
矢部さん「はい、これからです。」
そんな立ち話をして改めて「良いな」って思ってしまう。出勤中の彼女を引き留めては悪いと思い会釈をして別れた。
その夜は彼女が頭から離れなかった。そして理恵と別れようと決心した。
理恵からの電話が来た。
理恵「今日もお疲れ様」
「あぁ…ありがとう。ちょっと話があるんだ…」
理恵「何?悪い話なら聞きたくない」と察したかのように言った。
「ごめん、別れたいんだ」
理恵「なんで?どうして?わたしがすぐ泣くから?電話ばかりするから?」慌てた様子で質問責めをしてきた。
「それらもある、正直かなり重かった。理由のない不安不安ばかりで一緒にいても疲れて楽しくなくなってきたし、それに…好きな女が出来た。ごめん」
理恵「どうして?そんなの信じない!わたしがいつも一緒にいなかったから?」
なぜか理恵はいつも一緒にいなかったから他に目が行ったと解釈した。
「いや、そうじゃないよ。好きな女が出来た出来ない関係なくもう限界に近かったんだ、いつも電話でも不安だと泣く理恵を慰めて会ってても気が晴れない事が続いたから」この日は一時間以上説得を続けたが全く平行線で俺は一方的に
「明日も早いんだ、またちゃんと説明するから」と電話を切った。
それからの日々は何十もの着信とメールが来るようになった。
メールには「すまない、考えは変わらない。近いうちにまた連絡するから」と返すも納得行かない理恵からの追撃メールや電話は収まる気配がない。
放置したからと沈静化はしないだろうし、俺は俺でちゃんと説明はしたしこれからもするつもりだった。
しかし話を聞けるような状況ではない理恵とは暫く時間を空けたかった。
メールも留守電も当初の懇願する内容から荒々しくなって来た。
一度会って話したいと言う理恵の希望に沿って外で落ち着いて話せるならとカフェで話をした。
「ごめんな、でも考えは変わらないんだ許してくれ」
理恵「わたしを嫌いになったの?好きだって言葉は嘘だったの?」
「好きではなくなった…あの時は嘘ではない。話していて一緒にいて楽しくいられなくなったし俺には理恵の不安を解消させる方法はないと感じた」
理恵「じゃあ一緒に住もう?それならわたしは大丈夫だから」
「そう云う話じゃないんだよ、ごめん」
理恵「本当は好きな人が出来たのが理由でしょ!?」
「それもある。けどその前から考えていた事なんだ」
話しても話しても平行線のままだった。
理恵のすがる姿を見るのが辛かった、だけど中途半端はダメだと思い恨まれて別れた方が早く忘れられると思い突き放した
「もう会えない。これで終わりにする。ごめんな」と店を出た
結局これも俺の選択ミス、それで理恵を傷付けた事は事実。いつもいつも失敗ばかりだ…
それでも理恵からの着信やメールは減らなかった。
数日は無視をしていた。
ある日、帰宅するとマンション前に理恵がいた。
理恵「リョウなしじゃ生きていけないよ!」と泣きついてきた。
理恵「リョウが言う通りにするから別れたくない。リョウが
たしを好きじゃなくても良いからそばにいさせて下さい」
「理恵…俺は中途半端な事は出来ないんだよ…本当にごめん」
泣き叫ばれたが俺は謝り続けて帰るように促したが帰ろうとしない。
理恵「リョウとこれっきりなんて嫌だ!」理恵が帰るからお願いがあると言った条件を飲む事になった
電話はたまにしたい、メールもたまにで良いから返して欲しい、それがあれば帰ると
「あぁ、解ったよ約束する」
理恵「ありがとう…」と泣きながらその日は帰って行った。
これ飲まざるを得なかったと云う事でもあったが理恵をいきなり地獄に落としたようなもんだから罪滅ぼしになるならって贖罪の気持ちもあった。
1~2週間ほどは1日1回ほど電話とメールを返していたからか少し落ち着いていたようだった。
渡辺さん「ははは、リョウ助(飲んでる時はなぜか助を付けて呼ばれていた)下手うったな~。切る時はバサ斬りしなきゃなバサ斬り(笑)」
「でもあの状況じゃ帰らなくてそうせざるを得なかったんですよ」
渡辺さん「そんなの知ったこっちゃないだろう!寒かろうと死ぬ訳じゃないんだしさ、ははは」
「そこまで非情にやらなきゃ不味かったですかね?」
渡辺さん「俺ならするよ、別れるって事はあんたなんかどうなろうが知ったこっちゃないよ!って意味と大して変わらないんだから(笑)」
「そうかぁ~そう云うもんですかねぇ…やっぱり少しは申し訳なさもあったんでそれが甘いんですかね」
渡辺さん「別に何か恩があるとかじゃないんだろう?」
「ないですよ」
渡辺さん「1,2ヶ月しか付き合ってないんだから気にするような事じゃないよ、俺は刺された事あるけどね!ははは」
「ちょ(笑)マジですか!?」
渡辺さん「浮気がバレた時だけどね(笑)」
この人に相談したのは間違いだったな。
それからまた数日してクライアントとの打ち合わせにまたあのホテルに行く日が来た。内心俺は楽しみにしていた。
矢部さん「小笠原様、お久しぶりです」
「やあ、久しぶり。」
矢部「今日は寒いですね」とかそんな世間話を少しした。
俺は名刺にプライベート携帯のアドレスを書いて矢部さんに渡した。
「いきなりすいません、もし良かったら連絡下さい、それじゃ」
矢部さん「え?あ…」そんな反応だったかな、その場にいる勇気もなく俺は立ち去った。
その夜に早くも彼女からメールが来た。
「お疲れ様です、矢部真美です。名刺ありがとうございました、少し驚いたけどメールしちゃいました」
うおぉぉ!メール来たー!!!!な俺だった。
すぐさま「矢部さんメールありがとう!まさか貰えるとは思ってなくて嬉しいです。あんなナンパみたいな事して迷惑だったかなと思いましたが、仲良くなれるきっかけが他に思い付かなくて…すいません。」
矢部さん「迷惑だなんて事ないですよ。私も小笠原さん印象的だったので…今日は遅いのでもう寝ますね、おやすみなさい。また明日」
「良かった、俺はいつでも構わないのでまた暇な時にでもメール下さい、おやすみなさい。」
そんなやり取りを初日に出来た。久しぶりにテンションが上がっていた。
それからは1日に2~3通メールをするようになった。
他愛もない朝の挨拶や、大学の事とかそんな内容ばかりが続いていたがある時
矢部さん「恋愛とかはしてますか?」そんな質問が来た。
「過去に色々失敗して少し臆病になってて、それでも年末ぐらいに最近付き合った子がいたんだけど結局ダメでした。自分から好きになった人としかこれからは付き合わないようにしようと思いました。矢部さんは?」核心部分に遂に辿り着いた。
矢部さん「そうだったんですか、恋愛って難しいですもんね…私も色々あって少し臆病でした。けど自分が好きって思った人とならまたしたいと思うようになりました、それと真美で良いですよ、敬語も使わないで良いです」
「じゃあ俺にもさん付けはいらないし敬語はいらないよ。うん、受身な恋愛じゃ良い恋愛出来ないよね。」
真美「はい、敬語やめるね。でも歳上なんだからリョウさんはリョウさんで♪今は恋愛してないの?」
「今?今してるよ、自分から好きになった人がいるよ。その人とはまだメールでしかやり取り出来てないけどね」
真美「じゃあ私と一緒だね」
これは?まさかの?早とちりして恥をかくか?返信に戸惑っているとまた真美からメールが。
真美「私、リョウさんが好きになっちゃいました」
(゜ロ゜)!!!
「えぇぇ!?本当に!?俺も真美を好きになりました。多分一目惚れで、真美を好きになりました。」
こんな経験はなかった。学生時代も含めてこんな相思相愛からのスタートなんてなかった。嬉し過ぎてプルプルするのも初めての経験だ。
真美「嬉しい!でもね多分好きになったのは私の方が早かったと思うんだけどな~、私自分から告白したのも初めてで何かいきなりでごめんなさい」とかそんな感じになって
「そんなの全く気付かなかったよ、声聞きたいんだけど電話しても良いかな?」
真美「恥ずかしいな…番号○○○○~」
その夜は人生初の3時間とか電話していた。
真美は短大生で当時20歳で顔は榎本加奈子にそっくりで一緒にいて間違われた事も何回かある子だった。
キャビンアテンダント科を専攻していて研修の一環であのホテルでバイトをしていたと。しかも3ヶ月だから来月までとの事で名刺を渡す機会は後1~2回しかなかったらしい。
真美「リョウさんの外見私のドストライクだったんです。それと雰囲気が好きだったの」そんな夢のような時間も携帯が先程からずっとうなっていた事に気付き水を挿されてしまうが俺は真美との電話を続けていた。
真美と電話を切り携帯を見ると着信メール受信が数十あった…
メールには「他の女といるんでしょ?許さないから」
「家電繋がらない!他の女と話してほったらかしは許さない!」そんな内容が羅列されていた。
メールを見ているとまたすぐに携帯がうなった。
「はい…」
理恵「何で出ないの?約束したじゃん」俺との電話は理恵の精神安定剤みたいになっているようだ
「俺も用事がある時は出れないから時間出来たらメールとかするからそんなにかけなくても大丈夫だよ…」
理恵「用事って女でしょ?ずっと家電繋がらなかったもん」
「だから…落ち着けよ」泣きながら理恵は声をあらたげる。
「そんな無茶な事言うならもう電話も出来ないよ」強気に言うと理恵は弱気になり落ち着きを取り戻した
理恵「ごめんなさい、それだけは嫌…でも約束守って」
「理恵が落ち着くまで約束は守るから」そい宥めて電話を切る
ふー…こんなんで良いのか俺…
真美にあっという間に恋に落ちて今までの自分の臆病だったモノが吹き飛んだ変わりに理恵には傷を付けてしまった。
無責任な責任感
だけど今振り返ってもあの時に理恵を切り捨てていたとしても良い方向に向かった自信もない。
真美とは翌日会社帰りに会う約束をした、幸せな自分と重荷を引きずる自分が同居していた。
「真美」
真美「リョウさん♪」
白いコートに赤いマフラーで遠目でも少しウキウキしているのが伝わる仕草の真美がまた男心をくすぐった
「さん付け何か恥ずかしいな(笑)」
真美「じゃあちゃん付けにする♪」
「そっちの方が恥ずかしくないか…」
真美「リョウちゃんに決定~」アルバイト中は凄く礼儀正しく昨日もまだそんな感じはあったが本当の真美は随分と明るいオチャメな子だった。
「まぁそれで良いや…(笑)」
真美「手繋いで良い?」
「繋ごうか」真美の手を握り夜景スポットに行った。
ポケットにある携帯がまたうなっている。頻繁にうなる携帯は理恵だとすぐ解る…
一通だけメールを返信した
「仕事中終わったらメールするから」と。暫くは携帯が沈黙してくれた
夜景を見ながら自分の言葉で面と向かって言いたかった言葉を真美に言った
「会ってちゃんと言いたかったんだけどさ」
真美「うん、なぁに?」
「俺の彼女になって欲しい」
真美「はい、不束者ですがお願いします」と照れくさそうに言ってくれた。
いつまでもこの幸せな時間をと夜景に願った。
真美には全て話しておくべきだと思い、俺は夜景を見ながら話た
「実はさ」
真美「うん?」
「元カノが少し面倒な事になってて、今電話やメールだけは続けているんだ」
真美「どういう事?」
俺は別れるに到った経緯を話した、そして別れを告げてからの今も。
真美「そうだったんだ…でも別れはちゃんと伝えたんだよね?」
「勿論、性格の不一致と好きな女が出来たから別れてくれと伝えてある。何回も。」
真美「うん、それなら信じてるから♪」
「ごめん、ありがとう」
真美「でも無理しないでね、そこまでしているんだからそれでもダメなら仕方ないんだし」
「あぁ、時期を見て伝える」
真美「でも話してくれてありがと♪」
もっと揉めるかと思ったが真美は意外にも理解を示してくれた。逆に話した事により俺は隠し事をなくし真美も信用してくれてプラスになった。
真美「わたしからも伝えときたい事があるんだぁ…」
「うん?何でも聞くよ」
真美「心臓に小さな穴があるの…だからもしリョウちゃんといる時に発作が起きたらこれ飲ましてくれる?」薬ケースを鞄から取り出して言った。
「そんな事か、大丈夫任せとけ!」
真美「ごめんね、健康な女の子じゃなくて…ありがとね」
「別に真美の責任でなったんじゃないし謝るような事じゃないさ」
真美「うん、元気だし!」笑顔でそう言った。
「他に何か覚えておかなきゃいけない真美の取扱説明書はある(笑)?」
真美「うーん…そうだなぁ…えっとね、多分ヤキモチ妬きだから覚悟してね♪」
「えぇー(笑)誤解されないように気を付けるよ」
真美「後ね、キャビンアテンダントなれないかもなの」
「そうなの?やっぱりコネ社会だから?」
真美「さっきも言ったけど健康上の問題もあって」
「そうなんだ~、けどまだまだ可能性はいっぱいあるさ」
真美「うん、そうだよね♪」
そんな話をたくさんした。もっともっと彼女の事を知りたかった、自分の事も知って欲しかった。初めての感覚だったな。
真美「リョウちゃんはいつもニコニコしてるよね」
こんな事も今まで言われた事が一度もない、寧ろたまに怖い顔してるとか言われていたぐらい。
こうして俺はこの出会いによって大きく変わって行く。
初デートみたいなものだった割には変に硬くなったり緊張したりって事はなくそれでいて子供のようにワクワクドキドキしていた。
「そろそろ終電になるんじゃない?行こうか?」
真美「リョウちゃんの方が終電時間早いでしょ?大丈夫なの?」
「俺?本当はダメなんだけど配布されてるタクシーチケットあるし馴染みの個人タクシーの運転手には領収書改竄してもらえるから(笑)」
真美「そうなの!?じゃあわたしの時間気にしなきゃまだ一緒にいられる?」
「あ、方向は一緒だから少し回り道して真美降ろせば良いんだな」
真美「うん♪でも大丈夫?」
「全然大丈夫、毎回贔屓してるからかなり融通利かしてくれるんだよ」
あんまり褒められた事ではないが当時は大半の社員がやっていた。
話ながら歩きたい
真美と2駅分ぐらい深夜のオフィス街を歩いた。
知れば知るほど話せば話すほど真美に惹かれていく
今まで出会った好きだなとかそんな感じの女ではなく「惚れた」って言葉がしっくりと来た初めての女
真美「ねぇリョウちゃん」
「うん?」
真美「ほっぺが筋肉痛になりそう♪」
「はは、俺も。何時間もずっとだから明日ヤバいよ」
真美「顔の筋肉痛ってどんなだろうね」
そんな他愛もない話が楽しくて。
女の事でトラウマになったのを癒せるのは時間だけだと思っていたけど癒してくれるのもまた女なんだ、男女逆にしてもこれは成り立つ。
真美「駅着いたらもうタクシー乗っちゃう?」
「うーん時間もう1時過ぎてるしなぁ」
真美「そっかぁ…」
今まであまり意識した事はなかったが軽いとか思われたくないから初デートで泊まりとかあまり遅くまでとかは控えようとか頭にあった。
駅前にはタクシー待ちの人達が並んでいた列の最後尾に付いた。
「聞いてなかったけど門限とか大丈夫なのか?」
真美「今は学校近いからお父さんのところから通っているけどお父さん夜仕事だから大丈夫なの♪」
「そっか、なら良かった」
タクシーに乗り込み真美の自宅住所を運転手に伝えた
真美「う~、まだ一緒にいたいよ」
真美が駄々をこねるように言った
「俺も…じゃあうち…来るか?」
真美「本当に?良いの?」
「もう付き合ってるんだしな」
真美「うん♪」
当初のこだわりなんてもう吹き飛んでいた
「真美は分かりやすいな(笑)」
真美「え?え?わたし?初めて言われたよ!?」
「本当?凄く分かりやすい気がするんだけどな」
真美「そうなんだ~、でも分かりにくいって言われるより嬉しい♪」
そんな会話をしながらタクシーは俺のマンションへと向かった。
マンションに着いた
深夜料金で遠回りにて料金は12000円オーバー、これは高い
運転手「請求書の方は分散させときましょうか?」
「すいません、助かります。次回以降何回かに分けてお願いします」
運転手「いえいえ、大丈夫ですよ」
タクシーを降りてマンションのエレベーターに乗り部屋階に着くとそこには理恵がいた。
携帯の電源を切っていた事が仇となった形だ、あまりの出来事に一緒固まった、そして真美もすぐに悟ったようだった。
「ちょ、何してんだよ…」
理恵「リョウが携帯の電源切るからいけないんじゃん!」真美を見ながらそう言った。
「真美、さっき話した…ちゃんとけりつけるから少し話してくる。部屋入って待ってて、すぐ終わるから」
真美「うん…」
「理恵ちゃんとここじゃ声響くからマンションの下で話そう」
理恵を連れて一階のエントランスへ移動した。正直ここまでやるか?と嫌悪感が次第に沸き上がる。
「どう云うつもりだよ、別れたんだぞ俺達は」
理恵「リョウが約束破るのがいけないんじゃない!約束したよね?」
「俺もいつでも電話に出れる訳じゃないと言っただろ?マジこんな事するんじゃもう止めるよ」
理恵「さっきの子がリョウが好きになった人?なんで私じゃダメなの?ワガママだから?近くにいないから?お金?」
「理恵がどうこうじゃないんだ」
理恵「私は二番目でも三番目でも良いから、お金も風俗でも何でもして稼ぐから、だから別れたくない!」
「そんな事求めてない、理恵には悪いと思っているけど他に好きな女が出来た。ただそれだけなんだ、だからもうダメなんだよ。解ってくれ。次こんな事したらもう連絡もなしだからな」
理恵「…それだけはイヤ…」
そう言うと理恵はエントランスから出て行った。
部屋に入ると真美が玄関で座っていた。
「ごめん、変な事に巻き込んじゃって」
真美「ううん、大丈夫だよ。リョウちゃんこそ大丈夫?」
「あぁ大丈夫!こんな事はもうないようにするから」
真美「うん♪でもリョウちゃんの事を今でも大好きなんだねあの人…」
「本当に好きなら困らせる事しないよ、寂しいだけだろう。部屋ちょっとちらかってるけどあがって」
真美「はーい、お邪魔します♪」
真美は不機嫌になる事もなく案外理解をしてくれた、あんな場面に出会したら凹んだって不思議じゃなかっだけにホッとした。
真美「お部屋いっぱいあるね~!リョウちゃんは何処で寝てるの?ここ?」とか何とか言いながら散策する真美
そんな真美を見てて妙に嬉しくなりまた急に真美と付き合ってんだなと実感が込み上がる
後ろ姿の真美に抱き付き
「やっと2人きりになれた」
真美「うん…」
そのままキスをしながら服を脱がした、真美は明るいから電気を消してと懇願したが真美の裸を見たいと押しきり半ば強引に全裸にし何時間も真美を抱き続けた。
1人の女の全てが知りたい見たいと思ったのは初めてだった、それにセックスをして気持ち良いではなく幸せをこんなにも感じた事も初めてだった。
「こんなに好きになってしまって何だか自分が怖いよ(笑)」
真美「わたしも」
人生初幸せの絶頂期!
人生の中で最初で最後の相思相愛じゃないかと思った。
プライベートが好調だと寝不足とかそんなの全く関係ない、全然平気だ。
真美と二日間ずっと一緒にいた。お互いの生い立ちや将来の夢にどれぐらい今が幸せかなんて事を言い合ったり。
話していると次第に色々見えてくる、真美は今まで「男にはかなり甘やかされて来た」って事、当然美人だと相手は嫌われたくないから控え目になり我儘を許してそれを「器がでかい、優しい」とアピールする人間はかなりいる、だからある意味仕方なかったのだろうなと。
けれど俺はその手の考え方はなく好きになればなるほど大事なら大事なほど指摘すべき事はする、興味がなかったりすると一切口出ししないしその人がどうなろうと関係ないから叱るなんて事もしない。
だから真美とは凄く愛し合っていたものの結構言い合いをしてしまう事もあった。
「そう云う事はしてもらって当たり前じゃないんだよ?」
真美「でもわたしが何も言わなくても今までそうだったもん…」
こんな事は日常茶飯事だった。
付き合った彼女と頻繁に言い合いしたのは初めてだった、だけどお互い真剣だったから長引いてもいつも必ず解決したし仲直り出来た。
付き合って数週間ほどたった。24、25歳になって初めて女を愛するって意味を知った。
真美、俺「ねえ?」
同時にお互いが話し出した
真美「かぶっちゃった!何?」
「真美こそ何?」
真美「リョウちゃんから言ってよ~」
「ん、いやさ…愛してるよ」
真美「わたしも言いたかったの、リョウちゃん愛してるよ」
俺は幸せ過ぎて怖くなった
愛してる
この感情は好きや恋とは異質なもんなんだと初めて知った。
極端な言い方でこの人の為なら死ねるとかあるけどこれも少し違うのでは?と。
俺は逆にこの人の為に健康でしっかりと生きなくてはと思った、だから事故に巻き込まれたらそれが運命なんて考え方を改めるようになっていたしタバコも減らした。
それが無意識に出来ている事に気付き真美に愛してると伝えたくなった。
真美「初めて愛してるって言っちゃった…」
「え?初めて?」
真美「うん、愛してるって言葉嫌いだったの。愛してなくても平気で皆使うでしょ?だからわたしは好きじゃなかったの」
俺と同じだった。
「実は俺も初めてなんだよね、自分から口にしたのは、一緒だな(笑)」
真美「えー?本当にぃ?」
「言わされた事はあるけど自分からは初めてだよ、そもそも愛とか意味解らなかったし(笑)」
俺は不思議だった。真美みたいな太陽のような誰からも好かれるような子が、好意を多く受けてきていたであろう女が愛を感じた事がなかったと云う事に。
この時期、理恵からの連絡は今まで通りあったものの電話はほとんど出ないようにしていた、真美も理解してはいると言っても気分は良いはずがないだろう事と徐々にフェードアウトする為に距離を少しずつ空けていくようにしていた。
ただ理恵からのメールには「裏山の木々が泣いてる…ザワザワザワザワと泣いてるの怖いよリョウ…」
こんな感じの内容が頻繁に増えていた、明らかに精神を病んできているような雰囲気がメールからも感じ取れた。
そしてそんな状態から数週間が経過したある日の朝に携帯が鳴り響いた、メールと着信を繰り返すように常に鳴りっぱなしのような感じで起きた俺は携帯を確認した。
受信メール200件、着信40件とかそんな状態になっている。
真美「う、ん…どうしたの?」
「いや、携帯がうるさくてさ」
メールの内容は
○○ちゃん今から会おうよ、○○ちゃん彼氏になってあげるよ。そんなのがガンガン入ってる、読んでる間もなく着信があった。
「はい」
男「あれ?○○ちゃん?なんだよいたずらかよ」とか言って電話は切れた。それからも立て続けに着信があるのでいくつか出てみた
相手は必ず男で俺を女と思って掛けてきている、俺は「あ、ちょっと切らないで、この電話番号何処で知ったの?」そう聞くと
男「出会い系サイトだよ、○○ってとこの。あんたいたずらされたのか?」
そう教えてくれた。
真美「ねえ、まさかとは思うけど元カノさんじゃない?」
「俺も思った、その出会い系サイトの掲示板とやらを探してみる」
探し当てた出会い系サイトの掲示板には彼氏募○中として俺のアドレス、携帯番号、家電の番号まであった。家電は理恵の事があってから電話線を抜いていたから鳴らなかったが差し込んだらすぐに鳴った。
プロフィールは理恵そのものだった。
「理恵だ…やりやがった…」
真美は驚いて「怖い…」と言った。
流石にこれは許せる範囲を越えた、すぐ理恵に電話をして問い質した。
「理恵、出会い系サイトに俺の番号載せただろ?」
理恵「リョウがいけないんだよ、私の気持ちを理解してくれないリョウが悪いんだから」と落ち着いた様子で話す。
「もう、お前とは連絡を取らない。これ以上するなら警察に言うからな」
そう言って電話を切った。
携帯は使い物にならないぐらい常に着信や受信をし30分もあれば受信履歴が埋まり充電すらなくなる有り様だったので解約をし新規に携帯を契約する事にしたが家電は今後半年ぐらいこの手の電話が絶えなかった。
「ごめんな真美…もう大丈夫だから」
真美「うん、けど大丈夫?家とかにまた来るんじゃない?」
「次何かあれば警察に相談するから」
それから理恵は二回家に来た、一度目はマンション前にいるのを見掛けたので帰らず外で時間を潰したらいなくなっていた。二度目は2ヶ月後ぐらいにドアの前にいて謝られてすがられたが
「話す事はない、警察呼ぶぞ」と言い追い返した。それ以降理恵は現れなかった。
どんな経緯であれ理恵と云う1人の女を不幸にしたのは事実で考えるとスッキリしないモヤモヤ感が残る結末になった。
真美と付き合ってから4~5か月ほどだろうか、ある日俺の家に忘れ物をして急遽必要だからと昼過ぎぐらいにメールがあった。
「今から鍵リョウちゃんの部屋行きたいけど鍵借りに行っても大丈夫かな?」
14時ぐらいに会社をうまく抜け出すからビルの下で待っててとメールを返した。
トイレに行くと伝えて会社を抜け出して会社の隣のコンビニ前で真美に鍵を渡した。
真美「ありがとうーごめんね!」と抱き着いてきた。
「こ、こら人が見てるよっ!」とちょっと焦ったが真美はギューと抱き着き離れなかった。
真美「照れてる~!じゃ借りるね、仕事終わったらまた会える?鍵もあるし」
「あぁ、一緒に帰ろうか?」
真美「うん、帰る♪」
そんなやり取りを数分して会社に戻ったのだが夕方に上司に呼び出された。
上司「仕事抜け出して女と逢い引きとは良い身分だな?」と。
「え?いや、部屋の鍵を渡しただけで…すいませんでした。」数分で済むからとトイレなどと言わず素直に話していればこんな誤解はなかったと思ったが後の祭りだった。
上司「言い訳はいい、まぁ良い戻れ」
「すいませんでした、以後気を付けます!」
居室に戻ると渡辺さんからメールが来ていた。
「篠崎と山田が君が彼女と抱き合っていた写メを撮って上司に見せたようだよ、でもそれで彼らを問い詰めないように。君は彼らに監視されてたの気付いてないみたいだから注意した方が良いよ」とあった。
渡辺さんはこのグループのリーダーで篠崎と山田がよく俺の粗探しをして報告していたそうだ。
「あの野郎~」と腹が立ったが渡辺さんの立場も考えると詰め寄る訳にも行かず…
そして仕事終わりに会社から電話があった。俺はアウトソーシングだった為に所属会社と書けば解りやすいかな、業後に少し話があるとの事で駅前のカフェで待ち合わせをした。
真美には先に帰っててもらうようメールをした。
担当「先ほど課長の黒田さんから連絡あって小笠原君の勤務態度でちょっと苦情言われてさ」
あの事か
「すいません、今日の事ですね。ご迷惑かけました、本当にすいません」
担当「あぁそれもだけど社内メッセンジャーで色々私語したり愚痴ったりしてるって話もあったんだよ」
これについては確かにしていたが上司100%他の社員もしているし仕事の合間であり仕事を疎かにはしてない、それにどうやってそんな話が出る?
「メッセンジャーですか?まぁ確かにたまに私語で使いますが…」
担当「ま、僕もそれはちょっと細かすぎるんじゃないかとは思ったんだけど一応そんな話も出てさ来期はうちに戻ってもらうかもしれない」
そんな話をされた。
「そうですか…解りました。本当にすいません」
担当「いや、謝らなくても良いよ残りしっかり頼むよ」
「はい…」
腑に落ちないのはメッセンジャーの内容がだだもれってところだ、社内システム管理の話だとログは端末毎にしか保存されてないはず、となるとメッセンジャーしていた相手から?いやいや渡辺さんや関ぐらいだし俺より口が悪いぐらいな2人だし。
取り敢えずその日は帰宅した、この件は真美にはまだ伏せておいた。
放置大変申し訳ありません。暫く時間がとれそうにない為に強引ながらかなり縮小し一気に終話させます。
続き~
そんなこんなで仕事に関してはグダグダな時期になりそれから暫くして会社を移り多忙を極めた日々を送った。
ただ真美とは婚約をした。
プライベートが順風満帆だと仕事も頑張れるし体力気力も続くものだ。
だけど、真美が病気になってしまったんだ。ちょっと難病で結婚の時期はズラす事に。
真美「ごめんね、こんな体になっちゃって…」
よく真美はそんな事を言ってた、でも俺には正直そんな事は大した問題ではなかった。勿論、病気を軽く見ているとかそう云う意味ではなく病気なんて誰だってするし過失じゃないんだから仕方ないって話で。
「良いって、長い人生の中で数年ぐらい遠回りしたって大したこっちゃないさ」
それから月日は流れた。
実に3年近くだ、婚約したままだったから俺は婚姻届けに記入し判子を押して真美に渡した。
「好きな時に記入してくれ」
真美は泣きながら喜んでくれていた、まだ入退院を繰り返していたけどそろそろ仕事も出来そうになっていたかので体調は良かった。
結婚は真美が社会復帰してからにとの希望があったから急ぐつもりもなく時期は任せていたんだ。
真美が就職をしたのはそれから3か月ぐらいだったかな。
真美「受付の仕事に決まった~♪」
仕事を始めて真美も元気になり良い流れだった。
俺は終電やタクシー帰りがあったり土曜日も仕事だったりで忙しかったけど。
真美も少しずつ仕事にも馴れて来て結婚も具体的に考えられるようになり親にも話をして、ちょっと反対っぽい空気はあったけどそこは押しきった。
今まで真美と一緒にいて俺は何一つ不満はなかった、真美も取り敢えず不満らしいものはないと言ってくれてたし何しろお互い4年以上付き合っていたがラブラブのままだった。
倦怠期?何それ?な感じ。
「じゃあ日取りとかもそろそろ決めなきゃな、お互いの親の都合とかも聞いておかないとな」
真美「うん!楽しみ~、でも式とかしたくない派なのに私の為にありがとうね」
「まぁ…一回こっきりだしな」
幸せな時間だった、あんなものを見付けるまでは。
ある土曜日、真美は美容室に行くと昼前に出掛けて行った。
暇だった事もあり干してあったワイシャツにアイロンでもと真美の衣装棚?などがある真美専用のスペースの手前にあるアイロンを取りに行った。
すると奥の床に写真らしきものが落ちていた、遠目にプリクラだろうとすぐに解ったが写っていたモノに衝撃を受けてしまった。
真美と見知らぬ男がキスをしてハートで囲い愛してる♪みたいな感じのものであり日付まで丁寧に書いてあった。
1年半ぐらい前の日付、真美も常に病院にいた訳ではなく自宅養成もしていたのでその時期のだろう。
身の毛が逆立つとはまさにこれだと言える程に血がたぎると云うか嫌悪感が破裂しそうになった。
このプリクラ1枚で浮気だ!と断罪も出来るかもしれない、けど証拠と言えるほどか…それより信じたい気持ちが強かったために真美が帰宅するまでに気持ちを治めて何もなかったかのように振る舞った。
でも生まれて初めて「嫉妬と猜疑」の獣を宿してしまった俺はそれからの真美の言動に強く猜疑心を膨らませて行く、普段気にならなかった深夜寝静まった後に携帯を布団の中でカチカチさせる音や真美が座っている後ろを通る時に何気なく携帯を隠す仕草、会社の人に誘われてとの外食が急増するなど何もかもが疑わしくなり芝居を続ける気力も次第になくなってきた。
浮気していたらどうする?許すの?許せるの?別れるの?別れられるの?自問自答する日々。
ある夜、真美が風呂に入っている時にバイブの音が何処からか聞こえた。
勿論、真美の携帯だってのはすぐに解ったのだが見える範囲にはなかった。暫くして音は止んだが数分したらまた鳴った。
どうやら風呂の前にある洗濯機の上にあったようだ。
ここでもとても違和感を感じた、風呂中に携帯を身近に置く行為にとても違和感を感じた。
ついに俺は誘惑に負けて携帯を手にしてしまった。
まさか自分がこんな事をしてしまう、しようとするなんてと自己嫌悪になり携帯は見ずにそのまま戻した瞬間風呂から真美が出てきた。
真美「わっ!って…え?何してるの?」携帯の方を見て慌てふためく真美を目の前にしてなぜか俺は自分でも思わぬ事を口走ってしまった。
「携帯があまりにも鳴っていたから見たんだ、俺はもう全部知っているんだけどさ、何か言う事ない?」
真美「え?何それ…携帯…見たの?」
「見たよ、全部ね」
真美「………」
この無言が俺には答えだと感じた。
「いつから?」
真美「違うよ!あれは違うの!」
俺の目を力強く真っ直ぐに見ながらそう言った。
「何が違うんだよ!?」
真美「信じて、お願いだから…」
真美の反応で「やはりあった」んだと確信した。
それからの数分俺は怒鳴りまくった、初めて真美に対して怒りのまま罵声も浴びせた。怒鳴り疲れ息を切らしていると
真美「ごめんなさい」と泣きながら抱きついてきた。
ただもう俺には真美を抱き締める事は出来なかった。
洗いざらい全て話せと真美に言った。真美曰く「してはいない」と言うが信用など出来なかった。
「悪かったと思っているなら携帯と手帳見せろ」
真美「それは…信じて本当だから」
こんなやり取りを何十分も続けたが真美は見せようとはしなかった。それが答えであり、それが真美の俺に対する誠意なんだと感じて別れを決心した。
「今週中に俺の前から消えてくれ、もう真美の顔を見るのも堪えられない」
こうして真美を追い出した。
ただそれから連日謝りに真美は通ってきた。
料理を作り渡しに来たり、食材だけ買ってドアのぶに掛けてあったり。
3ヶ月が過ぎても週に数回来ていた。会話などしなかったし追い返したり無視をしていたけどある日を境に来なくなった。
あの日からもう数年が経つ、そろそろ真美の命日なんだ。
お母さんから手渡された遺言みたいな手紙。
どんだけごめんなさいとありがとうが出てくるんだよってラブレター。
いつでも俺は失敗ばかりだった、自分の選択に後悔はないけど…最後に真美の話を聞いてやれなかった事、これだけは死ぬまで悔いるんだろうな。
マジでくそったれ過ぎて疲れてしまった、そろそろ休みたい気分だ。
皆は後悔のない人生を、仕事に遊びに恋愛に全力を出してもらいたい。どんな結果でも受け入れられる後悔しないなんて都合よく格好よく生きるのはほぼ不可能だと思うけど、自分に恥じない生き方は誰にでも出来るはず。これはそんなに難しくないよ。
こんなつまらない回想記を読んでくれてありがとうございました。
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