究極の復讐
私の名前は、山崎加奈子(ヤマザキカナコ)、25歳。
旦那は、山崎隆之(ヤマザキタカユキ)、29歳。
出逢いは、私が高校2年生の時。
友達の紹介で出逢った私達は、共通の趣味も多く意気投合して、付き合うまで、時間はかからなかった。
交際中は、頼りない私をいつもリードしてくれる、自慢の彼氏。
旦那の就職が決まって2日後に、私のお腹に赤ちゃんが授かった事がわかって、私達は結婚した。
幸せだった。
旦那は、優しくて、車の運転が上手で、子供が大好きで、嘘は絶対付かない人………………。
あんなに、信頼してた旦那に裏切られていたなんて…………………。
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「隆之ー!!
朝だよ!起きてー!!」
………………zzZ
「もう7時過ぎてるよ!!
早く起きないと会社に遅れるよー!!」
………………zzZ
隆之は、寝起きが悪い。
付き合ってる時からなんだけど、最近は仕事が忙しいらしく
帰って来るのが、夜中の12時を過ぎる事も珍しくない。
「最近、仕事忙しいから疲れてるのかな...」
なかなか起きてこない旦那を心配して
"ふー "っとため息を付く私をクリクリの目で見ているのは、
『愛美』(アイミ)
今年で3歳になる、可愛い我が子は
最近、超が付くほどの反抗期。
あまのじゃくの様に見事に正反対の事をしてくれる愛実は、正に"小悪魔"
でも、日に日に成長する愛実を私達はとても可愛がってた。
最近、旦那の帰りが遅い。
3ヶ月前に、新入社員が入って来て、同期の村田君と教育係になったらしい。
旦那を信用する私は、ただただ旦那の身体の心配をしていた。
「寝過ごしたー!!
何で起こしてくれないんだよ!!」
旦那が、酷い寝ぐせで起きて来た。
「何度も起こしたよ!
毎日大変ね。昨日も、遅かったの?」
「ん~。
毎日、新入社員のミスのフォローばかりで大変なんだよ。
自分の仕事もしてたら、残業しても足りない位だよ。
もぅ会社に泊まろうかな(笑)」
「毎日、ご苦労様。
あまり無理しないでね。」
「ああ。
悪い!時間ないしもう行くわ!」
「気を付けてね。
行ってらっしゃい!」
旦那は、おにぎりを1つ口に入れて慌てて出て行った。
ほっと一息ついて、私も愛美と一緒に朝食を食べる。
愛美は、
「おにぎりイヤだ!!
愛ちゃんホットケーキがいい!」
と、また朝からワガママを言っている。
やっと納得させて朝食を済ませて時計を見ると、8時を回っていた。
「愛美~。
"とろん"始まるよ~。」
"とろん"とは、朝の教育テレビで
愛美が今、一番好きなキャラクター。
8時から9時の間は、
テレビの前で、じっとしててくれるのだ。
「愛ちゃん"とろん"みゆの~♪」
愛美は、テレビの前に
ちょこんと座った。
今から1時間。
愛美が、テレビに夢中になっている間に家事をしなきゃ!
まず、洗濯機を回してる間に、洗い物してー。
掃除機かけてー。
天気がいいから布団も干したいな…。
何か…考えたら疲れてきた。
『でも、隆之も頑張ってるんだもん!
私も頑張るぞ~!』
と気合いを入れて、
私は一気に家事をした。
9時になる頃には、大体の家事を終えていた。
教育テレビが終わって退屈になった愛美の、
"遊んで攻撃"が始まる。
家事も、一段落ついてたから、私は近所の公園に、ボールとお砂場セットを持って出掛けた。
今日は、天気も良く、ぽかぽか暖かい。
愛美と、広場でボールを転がして遊んだり
お砂場で、お山を作ったり、穴を掘ったりして楽しんだ。
「愛ちゃん。
もう、お昼ご飯の時間だから帰ろうか?」
私が言うと、さっきまで笑ってた愛美は、ほっぺを膨らまして
「やだ!
愛ちゃん、まだ遊ぶ!」
と怒り顔…。
でも、
「今日の昼ご飯は、タコさんウインナーと、スパゲティーだよ!!」
と言うと、
「ママ~。帰ろっか♪」
とご機嫌になった。
愛美と手を繋いで家まで5分程度の道を歩く。
今まで"抱っこ抱っこ"で歩かなかった愛美の成長を嬉しく思った。
「ただいま~」
「たらいま~」
誰もいない家中に私達の声が響く。
「愛美~。手洗うよ~。」
「いやだ~!!」
反抗期娘は、手を洗うのを嫌がって私から、逃げる。
いつもの事だけど、本当に子育ては体力勝負だ。
嫌がる愛美を
半ば無理やり手を洗わせて、急いで昼食を作って食べさせた。
お腹がいっぱいになった愛美は、お昼寝の時間が近づき、目をこすって
あくびばかりしている。
今日は、公園で、沢山遊んだから疲れたのだろう。
子供用のお昼寝布団をひくと、自分から進んで布団に入り、あっという間に寝てしまった。
私は、食後のコーヒーを飲んで、一息ついた。
その時、私の携帯が鳴った。
「隆之からメールだ。」
私は、隆之の着信音とメール音だけを指定して変えている。
着信音は、初めてのドライブの時に、隆之の車で流れていた曲。
メール音は、私達が共通で大好きなミュージシャンの曲だ。
"隆之からメールなんて、珍しいな。
"
メールが嫌いな隆之は、ほとんどメールをしない。
時々、送られてくるメールは、『、』も『。』もない、要件だけの不器用なものだった。
私は、送られて来たメールを見て驚いた。
えっっ...?!
隆之から送られて来たメールは『、』『。』は愚か、絵文字や顔文字が沢山使ってある、色とり。
いつもの、モノクロなメールからは、同一人物から送られてきたものとは考えにくいものだった。
------------
残業で遅くなる”(ノ><)ノ💦💦
飯🍴✨は、村田と同期の村田と食べるから
俺の分は、いらないよ😉🎵
かなも、疲れてるんだから、今日は早く寝ろよ✨✨✨
------------
なんだこれ…?
疑問ばかりのメールで、驚いた。
まず、絵文字や顔文字たっぷりの文章。
そして、新入社員の教育係になった時
「しばらく残業が続くから、愛美の事、頼むね。」
と言っていたのに、わざわざ"残業で遅くなる"と言っている事。
"早く寝ろよ。"
と言う文章も、何故か
『私に早く寝て欲しいの?』
の言う内容に思えた。
その時は、
------------
わかったよ😃✨
隆之も、無理しないでね💕
------------
と返事をして、携帯を閉じた。
この時…
隆之の、ちょっとした変化を私が見逃さなかったら、
あんなに辛い思いをしなくてすんだのかな・・・
やっぱり今日も隆之の帰りは、遅かった。
いつもの事とはいえ、ほとんど休みがない隆之とまともに話せる時間は、朝の僅かな時間だけ。
愛美が産まれて仕事を辞めて、専業主婦になった私は
家族の為に、朝から夜中まで一生懸命働いてくれている隆之に
『寂しい』
と言えずにいた。
ある日の事だった。
夜中の12時を回った頃、隆之が、珍しくベロベロに酔っ払って帰ってきた。
リビングで、ガチャガチャ音がして気になったから、階段を下りてリビングに向かった。
私がリビングに入ると、スーツや靴下を脱ぎ捨てて、ソファーで
うとうとしている隆之がいた。
「もお。
こんなになるまで酔っ払ってー。
ちょっと大丈夫?」
私が、聞くと
隆之は、今にも寝てしまいそうな声で
「ん~…
……まゆ………
………愛してるって…
……ぉやすみ…zzZ」
と言って、寝てしまった・・・
………………?!!!!
あまりに驚いて、動けなくなった。
隆之が、今にも消えそうな声で、呟く様に・・・
でも私には、はっきり聞こえた。
"まゆ……?!"
"愛してる……?!"
今までに経験した事がない様な、感覚。
身体の真ん中が、ツーンと痛い。
手足が、痺れてきた。
震えてるのか?
私は、パンク寸前の頭で考える。
…………不倫…?
でも…
まさか、隆之が…?!
付き合った頃から、私の事を、本当に大切にしてくれた隆之。
愛美が、産まれてからは2人でよく娘の寝顔をみながら話をしていた。
『幸せだなぁ。
俺…かなと、愛美がいれば、何もいらないよ。
大丈夫。
この先ずっと守ってやるから。」
ハニカミながら言った、隆之の顔を思い出したら、その場にいられなくなり
ソファーで眠る隆之に毛布を掛けて、愛美が寝る寝室へ向かった。
寝室で眠る愛美と同じ布団に入った。
"明日も、朝早いから
眠らなくちゃ。"
と思っても、さっきの隆之の言葉が気になって寝られない。
考えれば、考える程
悪い想像ばかりが膨らんでしまう。
隣を見れば、あどけない顔でスヤスヤ眠る愛美。
そんな愛美の頭を
ゆっくり、何度も何度も撫でた。
結局、一睡も出来ずに朝を迎えた。
いつもと変わらない朝・・・
いつもと同じ時間に隆之を起こす。
でも、昨日遅くまで飲んでいた隆之は
なかなか起きれずに、寝ている。
「ままー。はよぉ~。」
愛美が、起きて来た。
「愛ちゃん、おはよー。」
私は、朝ご飯を作りながら返事した。
そろそろ、隆之を起こさなければ、本当に通勤の電車に間に合わない。
昨夜の事は気になるけど、いつもの様に隆之を起こす。
「早く起きないと、もぅ出掛ける時間だよ!!」
少し大きめの声を出すと、隆之は
「頭痛っっ……!!」
とこめかみを抑えながら、起き上がった。
隆之は、お酒が強い方だ。
昨夜は、かなり飲んだのだろう。
目が覚めて来たのか、出掛ける時間が迫っている事を理解すると、
「……………?!
………っっ!!!
…………ゃばっ!!!」
と、朝ご飯も食べずに
凄い勢いで、出ていった。
"せっかく用意したのに、今朝もご飯食べてないし・・・"
私は、テーブルの上に用意してある、隆之の朝食にラップをして
冷蔵庫にしまった。
いつもの様に、ワガママを言う愛美に、朝食を食べさせる。
愛美の大好きな教育テレビ
「早く食べないと"とろん"が、始まっちゃうよ~!!」
と言うと、珍しく急いで食べた。
"とろん"がやっている1時間が
私の唯一、集中して出来る家事タイムだ。
気合いを入れて、洗濯機を回して、掃除機を掛ける。
でも・・
「あれっ??」
ソファーの下に隆之の携帯が落ちている事に気付いた。
今朝、急いで家を飛び出したから忘れて行ってのだろう。
自宅に電話がないって事は、隆之まだ携帯がない事に、気付いてないみたいだ。
……いつもの私なら、気にもせずに、置いておくだろう。
でも、昨夜の事を思い出すと【確認】せずにはいられなくなった。
携帯を持つ手が震える。
隆之を信じたい気持ちは、あるけど昨夜の事を思い出すと余裕がない。
息が詰まりそうになりながら携帯を開くと、ロックがかかっていた。
「暗証番号…………」
隆之の誕生日
キャッシュカードの暗証番号
自宅電話の下4桁
結婚記念日
愛美の誕生日
色々と試して見るが、解除する事が出来ない。
思い当たる全ての番号は、押したが解除出来る気配がない。
諦めかけた時、
隆之の会社の社員番号を思いついた。
【※※※※】
-------------------
解除しました
-------------------
疑いが、確信に変わる時………………
私は、息を飲んだ。
着信履歴をみた瞬間、私は凍りついた。
-----着信履歴--------
1:❤麻由たん❤
2:❤麻由たん❤
3:村田
4:❤麻由たん❤
5:会社
6:❤麻由たん❤
7:かな(嫁)
8:かな(嫁)
9:❤麻由たん❤
10:村田
--------------------
な に こ れ
--------------------
❤麻由たん❤……??
昨日の夜、隆之が言ってた"まゆ"と言う名前…………。
着信履歴と発信履歴から、一日中
2人が連絡しあっている事がわかった。
頭の芯が、ガンガンする・・・
私は、立ってられなくなり、キッチンの床に座り込んだ。
何だろう…………
まだ"辛い"とか"悲しい"といった感情はない。
私は【真実】を知りたい一心で、続けてメールBoxを開く。
なに・・・?
隆之のメールは、❤麻由たん❤でいっぱいだった。
携帯を持つ手が震えて、私は両手で携帯を握った。
そして、受信❤麻由たん❤から見ていく。
---------------------
おはよー❤❤❤
今、家を出たよ~😃✨
やっぱり、実家からの通勤はキツい💦💦
でも、後1週間で一人暮らし🎵
隆ちゃん、毎日来てね❤❤❤
大好きっっ☺❤
---------------------
今日は、引っ越しの手伝い、ありがとう❤
日曜日なのに、ごめんね😢💦
でも、本当に助かっちゃった✨✨✨
お礼は、どうしょうかな…🎵
麻由、何でもするから考えておいてね❤❤❤
---------------------
さっきは、麻由がミスしたの…庇ってくれて
ありがとう☺💕💕💕
隆ちゃんが、麻由の教育係で良かった✨✨✨
本当、この会社入って良かったよ~⤴✨
運命の王子様に会えたんだからね❤
---------------------
もう、家帰った❓
隆ちゃんが【かな】の所帰るの寂しい😢💧
さっきまで、麻由と一緒にいたのにね…💦💦
でも、さっき2回もエッチ❤してくれたから我慢する😠💧
おやすみ❤❤❤
---------------------
私は、瞬きする事も忘れて、夢中で今度は隆之の送信メールを開く。
--------------------
-麻由たん、おはよう❤
俺も今、家を出たよ❤
引っ越しは、一緒に手伝うから、大丈夫だよ⤴
今日も、一緒に帰ろうな☺🎵
俺も、大好き❤
---------------------
引っ越し、お疲れ様✨
俺は大丈夫⤴⤴
麻由たんこそ、疲れてないか😠❓
お礼は、麻由たんの、スペシャルマッサージ💕がいいな❤❤❤
もちろん、いつもみたいにTバックにエプロンで(笑)💕💕💕
---------------------
新人さんだから、ミスは仕方ないよ😃🎵
気にするな☝
俺が、王子様なら、麻由たんはお姫様だな❤❤❤
今日も、仕事早く終わらして麻由たんの家行くよ❤
---------------------
もうすぐ、家に着くよ💧
かなとは、家庭内別居中だし、麻由たんは何も心配いらないよ❤
俺が愛してるのは、
麻由たんだけだから❤
---------------------
そこには、2人だけの世界があった。
力なく、携帯が私の手から滑り落ちた。
涙が溢れ出した。
信じていた隆之に裏切られていた事がやっと
私の頭で把握できた。
私は、愛美に気付かれない様に、近くに置いてあったクッションを、何度も何度も叩いた。
少し冷静さを取り戻した頭で考える。
麻由と言う女は、隆之の部下で…
最近、会社の近くに引っ越して…
それを、隆之が手伝って…
そこまで考えて、私は止まった。
エプロンにTバック?
エッチを2回連続?
私とは、家庭内別居?
好き?愛してる?
あぁ。
私は、今まで隆之の何を見てきたのだろう…
出逢ってから、本当に優しくて自分の事より
私を優先させてくれた隆之…
愛美が、産まれて
育児は大変だったけど、頑張って来た。
4月からは、新入社員の教育係になった隆之の身体を
心から心配して、私に出来るサポートはしてきたつもりだ。
こういうスレ見てると
女は男の何を見て信じたらいいのか分からなくなりますね…
ひとえに自分のことだけ見てくれていると言う安心感をもつような言葉も
ただその場限りでの感情でしかないのか
男の言うずっとって、一瞬の妄想でしかないのかな…
続き楽しみにしています
どうしようもない虚しさが私を包む。
その時…
「ままぁ~~。
"とろん"終わったよ。」
愛美が私を呼びに来た。
ふっと、我にかえる。
無心の笑顔で私を見る、可愛い我が子を見ると急に
胸に込み上げる物を抑えられずに、愛美を包み込む様にして、無言で泣いた。
"私だけじゃなく、愛美まで騙してたんだ。
この子の事も、隆之は裏切ってたんだよね…?"
そう思うと、愛美が…
可哀想で仕方なかった。
いつもと違う私の様子を察したのか、愛美は私の顔を
心配そうに覗き込む。
「ままぁ~?
泣いてるの?」
私は、愛美に心配かけてはいけないと、涙をふいて
「大丈夫だよ。」
と、にっこり笑った。
私が笑顔を見せたから、愛美も安心したのか
"にこっと"微笑み返してくれた。
~~~~~~♪♪♪
その時、家の電話がなった。
ナンバーディスプレイを確認すると、
【公衆電話】からだった。
「……はい。」
と、出ると隆之だった。
「かな?!俺だよ!!
家に携帯忘れちゃって!!鳴ってなかった??!」
麻由たんからの着信やメールが気になっているのだろう……
私は今電話で、隆之を問い詰めても冷静になれず喧嘩になると思って
とっさに知らないふりをした。
「うん。
掃除してたらソファーの下に落ちてたから、テーブルの上に置いておいたけど。」
「そっか♪
今日、お客さんから大事な連絡が入るから携帯必要なんだ!!
悪いけど会社の、近くの駅まで持って来てくれない?」
「えっ?!
隆之、家まで取りに帰って来れないの?」
「うん!!
忙しいから無理!!
11時に○○駅で待ってるから!」
そう言って、隆之からの電話は切れた。
私が何も知らないと思ってる隆之…
今までの私なら、
「わかった♪すぐ、行くね♪」
と、言っていただろう。
でも、今は行きたくない…
正直、隆之の顔も見たくない…
時計を見ると、9時半を回っていた。
11時に○○駅へ着くんだったら、10時過ぎには家を出なければ間に合わない。
私は、渋々…
軽く化粧をし、用意を始めた。
愛美は、
「お出かけ~♪」
と喜んで、お気に入りのピンクの手提げカバンに、ハンカチ.ティッシュ.シールと自分の大切な物を入れて出掛ける用意をしている。
私は、考えていた。
今から携帯を届けに行って、メールを証拠に隆之を問い詰める事も出来る。
…でも、きっとその場かぎりの嘘や誤魔化しで
きっと隆之は、事を済まそうとするはずだ。
たいした反省もせずに、いつもの生活に戻ろうとすると思う。
本当に心の底から、反省してもらうには………。
私は、以前買ったまま使わなくて、置いておいた
新品のSDカードを隆之の携帯に差し込んだ。
隆之の携帯の中の、アドレス帳.メール全てを保存する為だ。
悲しいけれど、携帯を届けに行った時に、話をすれば
私は感情的になってしまって話なんて出来ないだろう。
メールの内容も詳しく読んだ訳じゃないし、ちゃんと読んでから
きちんと隆之とはなしがしたい。
幸い隆之が使っている携帯は、私がひとつ前に使っていた携帯だ。
使い方は、知っていた。
私は、隆之の携帯を操作し、SDカードにデータをコピーしていく。
でも、データの容量が多いのか、まだまだコピーには時間がかかるみたいだ。
~~~~~♪♪
その時、自宅の電話がなった。
ナンバーディスプレイには
【公衆電話】
”隆之からだッッ!!!”
電話に出ると、
「俺だけど…携帯、なってない??」
(……携帯の心配。
麻由たんからの、連絡が気になるんだ。)
私は、冷静に普段通りに話す。
「大丈夫だけど?どうかしたの?」
「いや……!!
なってないんだったらいいんだ!!
それより今、一度家に戻ってるから!!」
「えッッ?!
私が駅に持って行くんじゃないの?!」
少し動揺して聞くと、
「大事な連絡入るから。会社の車で出てるから後、5分位で戻るから!!」
「うん。わかった!」
………………。
電話を切った後、すぐに隆之の携帯を確認しに行った。
データのコピーは、まだ終わっていない。
今、隆之が帰って来たら気付かれてしまう!!!
時計を何度も見る。
早く早く早く!!
【データのコピーが完了しました】
ピーンポーン♪
データのコピー完了と同時に隆之が帰って来た。
私は、慌ててSDカードを抜いて隆之の携帯を持って玄関へ走った。
玄関を開けて隆之に携帯を渡すと
隆之は、少し私を疑うかの様に
「俺の携帯……
何も、見てないよな…?」
と、聞いてきた。
(怪しいの、バレバレだよ。ばか……)
私は、心の中で呟いて
「何も見てないけど?」
と、いつもと同じ口調で答えた。
いつもと同じ私の態度に安心したのか
「今日も、残業で遅くなるから!!
戸締まりして、早く寝ろよ!!
いってきます!」
と言って、隆之は仕事に行ってしまった。
「行ってらっしゃ…い……。」
私は、玄関のドアが閉まると同時に座り込んだ。
『嘘つき!!嘘つき!!嘘つき!!!』
”今日も残業で遅くなるから。”
さっきの隆之の言葉が、何度も私の頭の中で響く。
残業なんてしてないじゃない!
会社が終わって、麻由たんの一人暮らしの家に行って、一緒にご飯たべたり、テレビ見たり、それからそれから…………
隆之の嘘つき………!!!
私は、また涙が溢れそうになった。
「まま~」
愛美が、私を呼んでいる。
涙を、堪えて愛美の所へ行くと
帽子をかぶって、ピンクの手提げバックを持った準備万端の愛美がいた。
「愛ちゃん用意出来たよ~。早くパパの所行こうよ~♪」
隆之が帰って来た事を気付いてない愛美は、
出掛ける気、満々で私を待っている。
「愛ちゃん、ごめ~ん。
今日、パパの所行かなくて良くなったの!」
私が言うと、お出掛けを楽しみにしていた愛美は、ほっぺを”ぷぅ”と膨らまして
「愛ちゃん。お出掛けしたかったのに!!!」
と怒っている。
「そうだ!!
愛ちゃん、真帆姉ちゃんの所に行こうか♪」
「真帆姉ちゃん♪行く~~♪」
愛美の機嫌が直った。
真帆ちゃんとは、私の高校の時からの友達で2つ先の駅に住んでいる。
愛美と同い年の【陸斗(リクト)】君と言う男の子のママだ。
お互い結婚しても、子供が出来ても、頻繁に連絡し合い
私が一番心を許せる友人だ。
”隆之の事も相談したいしな…”
私は、真帆に連絡する事にした。
>> 32
~~♪
カチャ!
「もしもし~」
『真帆ー久しぶり♪』
「かな~♪どうしたの?」
『うん…。愛美連れて、遊びに行こうと思って。』
「……。
あんた何かあったでしょ?」
真帆は、何でもお見通しだ。
『うん……。
ちょっと、相談もあって。』
「了解♪
どうせ暇だし、遊びにおいで♪」
『ありがとう。』
電話を切った後、急いで真帆の家に行く準備をした。
愛美は、真帆と陸斗君に会えるが楽しみで仕方ない様子。
さっき保存したSDカードをカバンに入れて家を出た。
愛美と手を繋いで、駅までの道を歩く。
「真帆姉ちゃんのお土産、何にしようかな~♪」
「愛ちゃん、陸斗君に折り紙教えてあげよ~♪」
と話してるうちに、駅に着いた。
電車出発まで、少し時間があったから駅前のドーナツ屋で、詰め合わせのドーナツを買ってから電車に乗った。
34.35.36さん
レスありがとうございます。
別に、感想.質問レスを立てさせて戴きました。
ゆっくりですが更新していこうと思いますので、読んで頂ければ嬉しいです。
ありがとうございました。
真帆の住む街は、駅2つ先だから、電車は直ぐに目的の駅に着いた。
駅を出て、10分程歩いた住宅街の角が、真帆の家だ。
ピンポーン~♪
チャイムを鳴らすと、
「はーい♪」
と真帆と、陸斗君が迎えてくれた。
「お邪魔しま~す!!」
買って来たお土産を渡して、リビングへ入った。
「あいちゃん!!
あっちに、すべり台があるよー!!
僕のおもちゃ貸してあげるから、一緒に遊ぼ~♪」
「やった~♪遊ぼ~!!」
愛美は、すぐに陸斗君と一緒に隣の部屋にバタバタ走って行ってしまった。
私が、リビングのソファーに座ると、真帆は温かいコーヒーを出してくれた。
「ありがとう。いただきま~す。」
子供達も、仲良く遊んでるから、私達は話し始めた。
最近の子供の事。
同じ反抗期の3歳の母。
悩みは尽きない。
心許せる、真帆と久しぶりに話せて心が和んだ頃、真帆が聞いてきた。
「てか、かな…なんだったの?
さっきの電話、何て言うか。
元気がないって言うか…
とにかく、話してみな?」
『うん……。』
私は、コーヒーを一口飲んで、カバンからSDカードを出して
テーブルの上に置いた。
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