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存在価値

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木綿花（ 30代 ♀ TGqhi ）
12/03/08 01:31(更新日時)

「存在価値はない」

これは私が小6の時、父から言われた言葉です｡

今となっては過去のこと…

こんな家はどこにでもあるのかも知れません。

ふと書いてみたいと思って立ち上げてみました。
決して楽しい話ではないし､自己陶酔と言われてしまえばそれまでですが…

読んでいただけたら幸いです。

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No.1760221　12/03/08 00:04(スレ作成日時)

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No.1 12/03/08 00:19
木綿花 ( 30代 ♀ TGqhi )

最初の記憶｡

近くの交番から来たお巡りさんに両脇を抱えられていく父｡

その背中を私は玄関で見送っていた｡
幼稚園に入った頃だったろうか。

当時は母の実家で、母の両親と同居していた。

部屋に入ると､硝子戸があちこちで割れていて、その破片に囲まれるように母と祖父母がいた。

3人とも無言で座り込んでいる｡

ふと祖父の足に目をやると､親指の爪には血が滲んでいた。

現在私は同じ家で暮らすようになったが､あの部屋の硝子戸は所々違う模様になっている｡

祖母が生きていた頃は､何度となく違う模様の理由を聞かされたものだった｡

「木綿ちゃんのお父さんが…」

知ってるよ、お父さんが暴れたんだよね…知ってる､知ってるから何回も言わないでよ…

祖母がため息混じりに口を開く度､暗い水底に堕ちるような思いに囚われた。

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No.2 12/03/08 01:26
木綿花 ( 30代 ♀ TGqhi )

>> 1
父はとにかく短気な人だ。

…一言で言ってしまえばこれに尽きるが。

一度逆鱗に触れたら最後、暴力､暴言…思い出すだけで思考停止｡

私達が何より恐れたのは､「きっかけ」。

皿をコップに軽くぶつけただけで､母は前歯を折られた｡

起きたばかりの私が､よく寝たかという質問を聞き逃すと､朝食が並んだテーブルをひっくり返した｡

どうしてそんな些細なことでそこまで激昂するのか…

さらに、日によっては同じきっかけでも何も起こらないことがある｡

家にいる時はいつも父の顔色を伺っていた。

迂闊な発言も出来ず､元来およそ活発と言えない性格の私は､無口になるばかり。

時にはそれさえ癇に障ることもあった｡

どうすれば良いのか分からなかった｡

家なのに､安らげる場所ではなかった｡