《ニワカ探偵事務所》

レス175 HIT数 38631 あ+ あ-


2013/02/28 05:09(更新日時)




『不倫 浮気調査。


DV 虐待 相談可。


人間 ペット捜索。 


盗聴 ストーカー。





その他のトラブル

お任せください!! 





  ニワカ探偵事務所』






ヤツの目を盗んでの
更新になります(笑)💦


ゆっくりには なりますが また おつき合いいただけると 嬉しいです🍀🍀🍀✨✨✨✨✨




No.1723139 (スレ作成日時)

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No.51

>> 50

(あっ…!!

バカ… ぶつかってるし… )


郷は 園庭の見える場所に 車をとめ 相原の様子を見ていた。


(しかし 今どきの母親は いつもあ~して 携帯と にらめっこばかりしてるんだな…)



携帯電話を 小さく軽くした 世の中が悪いと 郷は考える。

(これが デカくて重けりゃ 浮気の数も 事故の数も 減ると思うんだがな~… )








「もらって来ましたよ…


幼稚園のパンフと

お遊戯会のプログラム!」


相原が また 得意げに

車に 乗り込んで来た。

「…っつか

いらね~だろ(笑)」


「 … 」


「何すんの(笑)?」



「 …



ひどいっ(泣)(泣)!」



両手で顔を 覆う…


「事務所行けば

俺の机に変な奴座ってるし…」







「郷さんまで 俺の 存在価値を 否定するなんて(泣)(泣)!」



( … )

「あ~(笑) 悪かったよ!立派な偵察になったな(笑)相原」


「はいっ(笑)!」



立ち直り 早っ…



「それにしても

なんでしょうね~ あの男…」


走り出した車の中で

相原が ぶつぶつ言い出す。


「坂牧か… 」


(俺に なんの相談もなく

望のやつ… )




郷が 苦々しい思いを抱く…




(あんなに とめたのに…


真実は ときに



知らない方が

いい場合もあるんだ



望…… )




No.52

>> 51

「はい…

笠原係長…」


「サンキュ… 」





(なによ(怒)! さっきまで あんなにベタベタしてたくせに!)



「どした? ルカ…」


コーヒーを置き なかなか立ち去らないルカに 和馬が いぶかし気な顔を向ける


「いいえ(笑)なんでも…」



クルリと きびすを返し



「はい(笑) 遠藤係長…

コーヒー どうぞ~(笑)

遠藤係長 ミルクだけですよね(笑)… あらっ! そのネクタイ超可愛いぃ~(笑)(笑)」



和馬が ブハっと吹き出す。

「よく見たのか(笑)!?
ルカ!

遠藤のネクタイの柄(笑)!


牛の顔だぞ!!

牛の顔 いっぱい(笑)
ぎゃははは(笑)(笑) 」



「 …


テンション 高ぇ~な笠原…

朝っぱらから… 」



ルカの前で からかわれた遠藤は 少し おもしろくない。



「…あれ?


っつか 笠原おまえ

昨日とネクタイ一緒じゃね?」



「えっ💦💦」


「あれ~(笑)笠原係長…


さては どこかに

お泊りですね~(笑)(笑)」


ルカが してやったりと
攻撃をしかけて来る…



「言~ってやろ(笑)

言ってやろ(笑)(笑)」


「お~くさんに

言ってやろ~(笑)(笑)」


2人で 大合唱だ。



「うるせ~…

仕事しろ! 仕事!!」




( …



俺は…



いったい

なにやってんだ…  )





No.53

>> 52

望は少し

焦っていたのかもしれない…


頭の中を占めてしまう 和馬の大きさに ただ 怯えていた。



『昌樹を愛している』



暗示のように

毎夜 唱え そして



思い出す。







悪夢のような日を…






「どこ行ったんですか?

スカシた野郎は… 」


相原が 折りたたみ椅子を ひろげて座る…


「なにスネてんですか(笑)

相原さん(笑)(笑)」

「楽しそうだね…

凛々ちゃん… 」


横目で 凛々香を睨む相原…



「凛々ちゃん… 」

「はい(笑)?」

「彼氏…


いるよね? 」


「 … 」


「ね~… いるよ…」

「うるさい(怒)バカ(怒)!!」



(どっちみち

俺 バカ~~(泣)(泣)?)


「(笑)彼には 私の用事を 頼んでるからね 相原… 」


笑いながら聞いていた望が

声をかける。


「あまり

ここには いないわ(笑)」


「やめさせろ…


望… 」


「郷… さん… 」



遅れて 事務所に入って来た郷が 低い声で望に 言った…


「なにを 今さら… 」

「私にとっては 今さらなんかじゃありません…! 」



望は まっすぐ郷を見つめる。





(可愛いじゃね~か…

このやろう…  )












オッサン…




No.54

>> 53

「おめ~は カチャカチャ カチャカチャ携帯ばっか イタズラしてんじゃね~よ!!」

「いてっ!💦」


対象者 佐川孝志…


(うるせ~ クソ親父…)

「俺だって

いろいろ大変なんだよ…」


「おまえ 浮気でも

してんじゃね~の(笑)?」


叔父である同僚が 父親の運転する軽ワゴンの 後部シートから 身を乗り出す。


「やめてよ💦 シゲさん!」

(なにげに するどい…)



「やめとけよ 孝志…」


父親が 吸い殻の山盛りになった 車の灰皿に タバコを押し入れながら言った。


「だから してないって!」


「あの嫁は 年上だし 気性は荒いし、執着心も強そうだからなぁ(笑)…」

叔父の言葉に


「だから うちにまで 飛び火すんじゃね~かと思ってよ!」


父親が イライラと怒鳴る。


「やってないっての!!」

「つべこべ言ってね~で

まず その頭なんとかしろ!」

「いてっ!!」

(ちくしょう… )



また殴られた孝志の携帯が

また鳴った。



「(笑)嫁だけじゃなく

女も しつこいってか!!」

「シゲさん… 」



孝志は あきらめて笑う…



それに


(なんて するどいんだ…)






事実 そうだったから…




No.55

>> 54

「うっめ~(笑)(泣)!」

コンビニのカツ丼と パックの苺牛乳を ガツガツと頬張る…




坂牧。


「は~(笑) うまかった(笑)」


運転席の背もたれに倒れ込み

爪楊枝で シーシー…






(しかし なんだって あの郷って人は 俺の この仕事を とめたがるんだ…?)

事務所の駐車場に もうすぐ着く頃 坂牧は 事務所に向かう郷と 出くわした。



「頼む…


手を引いてくれ…」


郷が言った。


「仕事ですから」

坂牧が 答える。




もちろん

王子の顔で…





もともと 刑事だった郷を 業界で知らない者は いない。


望の夫 二羽加昌樹と彼の 古いつき合いも 周知である…



犯人は 捕まっている この事件



望が知りたいのは…




「!携帯鳴ってる…




あれ?💦 あれ💦


どこだ!?💦💦 携帯~💦💦


(泣)どこで 鳴ってんの~💦」









「はい 坂牧です」


『新ちゃん!!

これ 新ちゃんのだろ!?』




((爆笑)っつか

見えね~し!!!)


「なんでしょう?ミヨ子さん」


『…チョコボールの 銀のエンゼル5枚入った 封筒だよ…』







(ひ~~~~(泣)(泣)💦💦💦)


「 … 誰か 今そばに

いるんですか? 」


『 … いいや』



「では ミヨ子さん」

『なんだい?』


「これは2人だけの

秘密ですよ… 」






ごはんつぶと 紅生姜と 苺牛乳にまみれた携帯で坂牧が言った…


「いったん 戻ります」








今いるの~?(泣)新ちゃん!💦



No.56

>> 55

「あれ~(笑)♪坂牧さん!

どしたんですか?」


嬉しそうな凛々香…




(ハァ… ハァ…)

「忘れものをしたようです」


「珍しいわね(笑)坂牧君…」


望が ホっとして言った。

何か起きたのかと思ったのだ…



咄嗟に立ち上がる 相原。


「何してんだい?

相原君…」


ミヨ子の問いには答えず

(ここ 俺の席じゃん(泣))
「 … 」


また座る。



「今晩

坂牧の歓迎会をしよう」


郷が 唐突に言った。



「いいですね(笑)

どう? 坂牧君…








坂牧君? 」



「なんでしょう!?望さん!」


「声 デカいし(怒)」

相原が わけもなく憤慨する。



「なにしてんの?」


ミヨ子と手を握り合う 坂牧…



「お母ちゃん!

なにやってんのよ(怒)!」


今度は 凛々香がご立腹。



(やっぱり この人
カラみづらいわ(泣)💦)

「歓迎会… 今晩どう?」


「喜んで(笑)」




「じ、じゃあ…


後で連絡入れるわね…」

ひきぎみに望が言うと



「わかりました」


忘れずに




花は背負って出て行った。



「(笑)どこにします~?」

凛々香が ワクワクしながら 皆の顔を 見まわす…



「『ピュアキュート』

にしようよ(笑)(笑)!!」












「どこにします~(笑)?」










真山桜子のキャバクラ案



瞬殺。




No.57

>> 56

「もう…

んっ… はぁ… っあ…」

「な~に… ? んぁ… 」


「無理… よ… ぁっ…!

たか… し… ぁあ… ぃ…!」

「なに… が … はぁ…」


孝志は 石鹸の香りのする

彼女の 秘部へと


顔を うずめ



舌を 這わせる…



「ぁ…っ! ぁあ… んっ!

ダメよ… ! 孝志っ…!」


「ゃめて… いいの… ?」


「や… めないで…!!

ぁんっ… ぃいっ! はぁ…!」


「気持ち… ぃいの? はぁ…」


「もう… あなた… あっ…!

んっ… んっ!なしじゃ…


生きてけないぃ… っ!!」




(早く イかせないと

時間が ない💦💦💦 )


孝志は 途端に

高速で舌を 動かしはじめる…


「ぁぁ あ …っ!!」


「入れるよっ!」



「うん… 早く来て… んっ…」


(あ…

気持ちいい… )



「はぁっ…!! ぃい!

好きよっ…! 孝志 大好き!」











「じゃあ 俺行くね💦💦」


「ご飯 食べて行かないの?」

「そんな時間… 」




孝志が クンクンと鼻をならす



「もしかして…


カレー(笑)? 」


「うん!

夕べ つくったの(笑)」


「じゃあ

急いで 食べてく(笑)」



孝志は テーブルに カレーがやって来るまでの時間


携帯の 送受信と発着信を消去する作業に 没頭する事にした…



No.58

>> 57

孝志は 慌てていた…


1時間しかない昼休み。


(ここんとこ サボってばっかだったからな~💦💦💦)


現場が 遠い郡部だと言ったのは 妻への嘘ではない。


昼間 仕事を抜け出しては 女に会いにゆくを 繰り返す毎日…


無理だと言っても

『会いたい』を譲らない女。



(夕べは由紀子も 本当にしつこかった…

絶対 なんか感じてる…!


親父も…





時間通り戻らなくちゃ💦



… って またメールかよ )



ハンドルを握ったまま

メールを確認する孝志…


(はぁ…

もう勘弁してくれよ…)


目を 前方に向けた時には…




もう


遅かった。






田舎道の 直進道路…


目の前に





「ぅわぁああああ!!!!!」





激しい 衝突音


空回る タイヤ



砕け散ったガラスの破片









「うそ…



だろ…  」




車内で 大量の吸い殻を かぶった孝志が かろうじて うめく



(なんで こんな事に…



やばいよ…





親父に 怒ら…



れ…



    る…   )




No.59

>> 58

「昼メシは~?」


「笠原は~?」



とりあえず 猛烈に

和馬は 空腹だった。



「社食 行くかな~…」


手っ取り早い方法を

選択する…




「じゃあ 俺も… 」



遠藤とともに

建物内のレストランに向かう。



「ルカ!

昼どうすんの~(笑)?」


(よけいな事言うなよ

遠藤… )



「遠藤係長たち

どこ行くんですか~(笑)?」

「社食~… 」



ルカは 仲のいい女子社員 黒田絵里奈と 相談中…


「じゃあ ル…

あたし達も行きま~す(笑)」



(い~よ…

来なくて… )



「ラッキ… 」


遠藤が 小さくガッツポーズ。






少し 食欲の失せる和馬…

















「おまえ 食い過ぎじゃね?」


「え~…!? なに~?」

焼肉定食大盛り。

和馬の口は パンパンだ…


ポカンと口を開けている

ルカ。


「やだ(笑)笠原係長(笑)!」

ゲラゲラと笑う 絵里奈。



「 …


なんか おかしいか?俺… 」


上目づかいの和馬に


「やだ~(笑)💦💦

笠原係長 可愛い~♪♪♪ 」


「 … 」


「絵里奈

胸キュンキュンしちゃった!」


「 … 」




ルカが するどい目つきで 絵里奈を見たのを 和馬は見逃さなかった。


「ここのカレー
美味しいんですよ(笑)!」

ルカが 自分の皿を

和馬に 差し出す…



「 …



カレーは勘弁してくれ 」




No.60

>> 59

「結局 『さざんか』か…」


郷の運転する車の 助手席

相原が ぼやく。



「おまえ 『さざんか』

好きじゃん(笑)(笑)」


郷が 豪快に笑う。


「それは サクちゃんに会う前の話しですっ(怒)」


「 …


おまえも彼女もちのくせに

ぬけぬけと よく言うね… 」


「恋は 盲目です」


「使い方 違うぞ 相原…」



言いながらも郷は

前方の車両から
目を離すことはない…




「しかし チャラチャラした 男ですよね~… 」

最近の相原は 怒りっぽい。



「近頃の父親は

父親に見えね~からな…





… うわっ!!!」


窓の外… 黄金色の広々とした風景に 見とれていた相原は

郷の尋常ではない声に

咄嗟に前を向く。



「 …!?




う… 牛だぁっ!!!」



「バカ!!


あいつ 突っ込むぞ!!!」




郷の車の3台前に

対象者 佐川孝志の車両…



前2台は すでに
ハザードをあげ 停車した。


「何すんですか!?郷さん!」



対向車のない事を 確認し

郷は 孝志の車の後ろに猛スピードで追いつくと パッシングを繰り返し クラクションを鳴らし続けた…









時 すでに遅し。







咄嗟に左に ハンドルをきった 孝志の車は 広々とした田んぼに 落下し横転した。












「相原… 救急車だ 」





No.61

>> 60

「は~い… 」


ノックの音に

凛々香が ドアを開ける。


「 …


トントンダッシュかよ…」


つぶやいたと同時に

スカートの裾を引っ張られた。


「キャっ!」

見れば 足元に小さな女の子。


「どうしたの…?」


凛々香が しゃがみ込む


ランドセルを背負った 小さな少女が 顔を曇らせた…

「ここに ご用事(笑)?」


コクンと うなずく。



「どした~? 凛々ちゃん…」


戻らない凛々香に 1番奥の自分の机から 声をかける 望。







「あら…

ずいぶん小さな お客様だ…」


望が ニッコリ笑って

「こんにちは(笑)」


と言うと


「山口美羽です」


驚くほどハッキリとした声で

そう言った。


「みうちゃん?」


また コクンとうなずく。



「何か 相談かな?」


望が 歩み寄り 美羽の前に しゃがみ込んだ…



「お母さん!!」


美羽が 望の首にしがみつくと

そのまま後ろに 子供もろとも倒れ込んでしまう彼女。



「ちょ…


ちょっと!!💦💦」



「お母さんっ!!」


美羽は なおも叫びつづける。


(苦しい…💦💦)

「た…

助けて…」



「あらやだ(笑)望ちゃん(笑)

牛柄のパンツだね(笑)(笑)」










「お母ちゃん(怒)(泣)!!」




No.62

>> 61

二羽加昌樹の胸部を

一発の銃弾が 貫通…



たった それだけのことで

人は命をおとし


愛する者との別れを

余儀なくされる…




地元の暴力団絡みの 案件には 絶対に手を出さなかった昌樹が 唯一 この時だけ 躍起な動きをしている。





坂牧は

市立の図書館に いた。


事件の記事を 読みあさる




坂牧の勘と 望のよみが

正しければ…



「あ…」

今度は ちゃんとポケットで 携帯が 振動しはじめた。


坂牧は 芝の綺麗な図書館の 表まで出て 電話を受ける。




「な~にぃ~(笑)?

どしたの~


こんな時間にぃ~(笑)」









「うん…

うん…   」



足を開き、しゃがみ込んで 芝を イジイジと 指先でもてあそぶ姿はまるで

足の長いカエルの様だった…



「それが ダメなんだよ~(泣)


今晩 会社で 俺の歓迎会してくれるんだって~(泣)(泣)」




横を 通り過ぎようとした 親子連れの母親が 何となしに 子供を庇うように歩いてゆく…



「(泣)場所~?💦

まだ決まってないみたい~ 」



母親の腕を振り切り

駆けて来た 小さな少年が




「わ~~~~っ(泣)!!💦💦」




手の中の 雨蛙を

坂牧に 差し出した。





「(泣)なんでもないよ💦」



必死で 頭を下げる母親。



坂牧は 精一杯の 王子の笑顔で

親子に手をふる。




「…うん(笑)

うん…







大丈夫だよ サクちゃん(笑)」




No.63

>> 62

「(笑)まだ おめが!?」


美羽が 望の後ろに隠れる。




「また… って?

岸さん… 」


事務所ビルから 程近い 交番の巡査長 岸徳彦 54歳。



何を聞いても

『お母さん』しか言わず


いっこうに帰る気配のない美羽に 望は ほとほと困りはて 岸を頼ったのだった…



「送ってぐがら

おまわりさんと 帰るべ(笑)」


「岸さん

このコの家 知ってんの?」


凛々香が 岸に お茶を出しながら 聞いた…



「お~(笑)

ありがど(笑)凛々ちゃん!」


「大福食べるかい?

ノリさん(笑)」

「お~(笑)

サンキュー お母ちゃん! 」



岸は すっかり

くつろいでしまった。



「美羽ちゃんは

チョコレート食べる?」

じっと見ていた美羽に

望が 言った。


「うんっ(笑)お母さん!」


( …


私は 子供産んだ事

ありません。  )



「これ 美羽!

おめさん(あなた)には 立派な 母ちゃん 家さ居っぺ!」


岸が粉だらけの顔で言った。


「あんなの

お母さんじゃない!!」






小学2年生が こんな事を言うんだろうか と 望は 少し不安になった。



「虚言癖…

ってやつですか?」


凛々香が 小さな声で聞く。


「んだべな… 」


手をパンパンとはらい

岸が答える。





とても嬉しそうに チョコレートを頬張る美羽を見ながら

なぜか涙の浮かぶ自分が


望には






わからないでいた。




No.64

>> 63

「なんで泣いてんだ!?

瑞穂!!」

「パパ~… 」


帰宅した和馬に

瑞穂が 力なくしがみつく…



「どうした…?」


「お腹すいた… 」



玄関で瑞穂を抱き上げ

居間をのぞく 和馬



「おまえ…

何やってんだ?」


明かりのスイッチを入れる。



「 … 」


怒りが ふつふつと

沸き上がる。



「こんな 真っ暗ん中に

瑞穂に 飯も食わせね~で
どういうつもりだ!?」


「 … 」


「おい! 美紀!!」




(…夕べ 俺が帰らなかった事への あてつけなのか!?)


携帯を握りしめたまま 微動だにしない美紀に 和馬は しびれをきらした。



「瑞穂(笑)

パパと ご飯食べに行こう!」

「うん(笑)!」






「 … カレーならあるわよ 」


「いらね~よ!!」

「パパ… 」

「あっ…


ごめんごめん(笑)瑞穂(笑)

さっ 行こう♪ 」


「瑞穂…

カレーでいいよ パパ…」


「瑞穂… 」


「ママ おうちに1人にしたら

かわいそうでしょ?」



和馬は たまらず

娘を 抱きしめた。



「瑞穂 お手伝いするから

ね… パパ 」


「そうだな(笑)

…パパ 頑張るよ(笑)」



流れる涙を

娘に見られぬよう




和馬は



勢いよく立ち上がった。



No.65

>> 64

「えっ!?」


『怪我は たいしたことない…

意識も ハッキリしてる』


「尾行に気づいての事故…

ではないんですよね?」

『ああ

それは まるで関係ない…』



不謹慎だが

ホっとする望がいた。



「お母さん! お母さん!」

美羽が 泣き叫ぶ。


「じゃあ ごっつぉさん(笑)
   (ごちそうさま)

ほれ 行ぐぞ!美羽! 」

「お母さん!!」



望が 軽く手をあげる…




『大丈夫か? 望… 』


「あ…


はい 大丈夫です… 」


『俺ら いったん戻…』

「ごめんなさい 郷さん!

かけ直します!」



望は 電話を切ると

一目散に駆け出した。




「美羽ちゃん!」


エレベーターの前に まだ泣き叫んでいる美羽と 岸が居た。


「お母さん!!」


美羽が 岸の手を振りほどき

望にしがみつく。



「美羽ちゃん…」

望が その細くて素直な髪を撫でながら 優しく話す…


「お母さんに 会いたくなったら またおいで(笑)

いつでも…


ここに居るからね… 」


「望ちゃん…

ほった事美羽に言ったら まだ来てしまうべっちゃ… 」



涙をふいてあげたいのに

望には ハンカチがない。


「ほんとう!?

お母さん!!」


美羽が 自分の袖で 鼻水や涙を ふきながら笑う…


「うん(笑) 約束…」

「ゆ~びき~り げんまん…」







(明日から…


ハンカチを 持とう…)




No.66

>> 65

依頼人、佐川由紀子は


黙って 夫の顔を見ていた…

(傷つかなくて よかった…)




「… う …ん 」

「目が覚めた…?」



( … )

「ぅわっ!! 牛っ!!!」


「 …


私よ… パパ… 」


「 … 由紀子?」



(牛っ… て…)

「はい そうです…」

「痛っ… 」

「大丈夫!?💦💦」



車の落下時…


助手席側の 窓ガラスに 叩きつけられるカタチになった 孝志の 左肩や
ハンドルから無理矢理 引きはがされた両手は

軽い複雑骨折の様子。




「親父…

怒ってた? 由紀子…」


「ううん(笑)

怪我が たいした事なくて良かったって 笑ってらしたわ…」


「そう… か 」


とりあえずは ホっとする孝志



「ひなも おじいちゃんと帰るって言うから 連れて行ってもらったし…」


「 …!


今 何時? 」


「 …


7時… 半… 」



「俺の…


俺の 携帯は!?」


「携帯?


警察の人に渡されたのは
財布だけだったわよ… 」


「マジかよ… 」

(田んぼん中にでも 飛んでっちまったのかな~……)



「きっと 後で

探してくれるわよ(笑)」







ニヤリと笑う

由紀子のバッグには もちろん…



電源をオフにした


孝志の携帯が 潜んでいた…




No.67

>> 66

「へ!?」

「 … 」
「 … 」



「新之助の仕事って…」






同伴狙いで
(興味本位とも言う)

『さざんか』にやって来た


真山桜子。



「探偵だったのか(笑)」


「 … 」

「 … 」



彼女に恋する 2人の男


思いがけない事に


フリーズ。




「座ったら(笑)桜子ちゃん…」

「和美ちゃんも 真山さん
知ってるんだ!? 」


凛々香が 目をまるくする。


「だって 前に同じ店で 働いてたもんな~(笑)和美ちゃん!」

「それって… 」

「イメクラ…」

和美が ボソッと答える。


「やるね~(笑)和美ちゃん!」

ミヨ子が 焼酎を飲みながら
大笑いをした。



「 … 」

「 … 」



「望さん… と郷さんは?」


あきらかに 郷は付けたしであるのが わかる口ぶりで マスターが聞く…



「少し仕事残ってるって…

あとから 来るよ~(笑)」


凛々香が どさくさ紛れに カタまったままの 坂牧に 寄り添いながら答える。


「ちょっと!新ちゃん!
相原君も!


いい加減に 動きなよ!!」

ミヨ子が 空になったグラスを 和美に差し出しながら 大声で言った。



「あたしが来たのが

ワリ~んだな(笑)!!


…店 帰るよ(笑) 」




「帰らないで(泣)!


サクちゃん(泣)(泣)!!」












2人の男の 声が揃った。



No.68

>> 67

「ねぇ… ルカ… 」

「な~に~?」


定時に 飛ぶように帰宅した和馬が おもしろくないルカは すこぶる不機嫌である。



「絵里奈…


恋しちゃったみた~い…」


ファミレスの 熱いドリアを フォークでもてあそびながら 絵里奈が言った…



「はあ~?…」

(こんな時に んな話し聞きたくないわよ(怒) )


「笠原係長に…」


「ぶっ!!!」

口に 押し込んだパスタが
飛び出した。


「きったないな~💦ルカ… 」


「な、なに言ってんの!?
絵里奈!!」

「前から 素敵だな~ とは 思ってたんだけどね~… 」


「け、結婚してんのよ!

笠原係長… 」






おまえが言うか。




「関係ないわよ…」


「関係ないって…」

(そりゃ そうだけど…)



「抱かれたい…」


「ぶっ!!!」


今度は オレンジジュースが
飛び散った。



「ちょっと ルカ

いい加減にしてよ… 」



「遠藤係長にしたらいいじゃん

独身だし…」


ペーパーナプキンで 口と テーブルを拭きながら ルカが まくし立てる。


「いやよ(怒)

ネクタイとかセンス悪いし…



って ルカ」


「な~に?」





「あんた その服

昨日と同じじゃな~い?」



No.69

>> 68

「風呂 入るか(笑)


瑞穂(笑)」

「うんっ!」


和馬と瑞穂が 床に座り込んだまま 動かぬ美紀の脇を通り過ぎ 食器を片付けはじめる…



「 …


おまえ メシは…」

「いらない…」


(泣いてる?)

「どうしたんだよ…」


美紀の横に しゃがみ込む和馬…



その時


沈黙したままだった

美紀の携帯が鳴り出した



はじかれたように 動き出し
携帯を開く 美紀。







「… なによ」

つぶやき また閉じる。


「出ね~のかよ…」


「望だもん…


今 喋りたくない… 」



( …… 望 ?)



「用事があるから かけて来るんだろ… 出てやれよ…」


動揺を悟られぬよう

平静をよそおって言う 和馬



「和馬…


出てよ… 」


力なく 携帯を差し出して来る



「え!? 俺!?」






声が 裏返ってる。




「しょうがね~なぁ…」

(やべ💦切れる切れる💦💦💦)


受け取り 通話を押した。



「もしもし 望? 俺…」

『和馬…



… どうし…て… 』



(なつかしい…

 望の声…   )

「美紀 今

具合わり~って…」



『… そこには



いるのね? 』


「あ… あぁ」



『じゃあ

また かけ直すわ…』










(あいかわらず

冷たいのね(泣)(泣))



No.70

>> 69

(美紀…


電話に出られないって…


どういう…









まさか


和馬の声を

聞くことになるなんて… )



「 ……ぉいっ …」


(なんで 私の心臓…


こんなに… )



「おいっ! 望!!」


「 …!!



ビックリした~(泣)💦

郷さ~~ん(泣)(泣)💦💦」





「泣くこたね~だろ…」

事務所に2人きり…

郷の方が なぜか



泣きたい気分だった。



「おまえ

ずっと顔色悪いけど


大丈夫なの?」


「(笑)平気です…」


望は 無理矢理に

笑顔をつくった。



「そんなに 佐川の事故

ショックだったのか?…」



望は 微笑んで

首を振った。



(私が


ショックなのは…)



「依頼人に 報告は…」

「もう少し

待ってください!郷さん!!」


「 …



望 ? 」


「 … まだ

もう少し 様子を見たいんです



幸いと言ったら失礼だけど

対象者も 身動きのとれない 状態ですし… 」


「 …


それは 別にかまわね~が…」


(こいつ また俺に なんか隠し事してやがるな… )


「とりあえず

行きましょう(笑)!


みんな待ってるし(笑)」






「お、おう…」

(待ってんの マスターぐらいだと思うけどね(笑)💦💦)











そのマスターも

おまえは 待ってないぞ。




No.71

>> 70

ジャーーーー……







泥のついた 孝志の携帯電話を

トイレットペーパーで拭き


電源を入れる。




チャララチャラララ~~♪♪♪


(わっ!!💦💦)

由紀子が 慌てて手で覆う。


「ちょ…

ちょっと これ どこよ💦

… サイレント💦💦 」




『WELCOME』の文字が消え

待受画面…


ひなの笑顔の アップ。








「なによ これ… 」


その笑顔の ど真ん中に

『着信 57件

Eメール 32件』の文字。









由紀子は カーソルを

着信に合わせ 開く。


なぜか 立っていられず 便座のフタをしめ座り込みながら…






美紀

美紀

おやじ

美紀

美紀

美紀

美紀

美紀

美紀……








ぶるぶると

手が 震え出す…




1度

待受画面に戻し


メールを




開く。




おびただしい数の

未読メールの羅列…




由紀子は 1番古い未読まで カーソルを運びたいのだが 自分でも驚く程の 心臓の鼓動の強さと震えに 指を うまく 動かすことが出来ずにいた…


「なによ…!

この手…!! 」


イライラと つぶやき 開いたのは 2番目に新しいメール…



『孝志…

どうして返事くれないの?

どうして 電話も出てくれないの? どうして…     』




No.72

>> 71

酒乱が…



増殖している…





「おまえ

バカじゃね~の!?」

「バカ てめ~だろ!?」





「おいっ 凛々香!!

こっちに酒持って来い!!」


「少し 歩けよ(怒)!!

ますます 太んぞっ(笑)!!」


「黙りやがれ!!

このチョコボールが!!」



(チョコボール…?)

「お母ちゃん(笑)

かなり酔ってるね~(笑)」

「お~ 望!!

お疲れさん(笑)!!」


( … )

「なんで泣いてんの?

坂牧君…」

「うるせ~(怒)(怒)!」

「この 小僧(怒)!

望に うるせって
どういう事だっ!? 」

「まあまあ(笑)郷さん…」


凛々香が 焼酎を持って テーブル席まで 歩いて来ながら 郷をなだめる…


「桜子ちゃん 帰っちゃったから 荒れてんですよ(笑)

あの2人… 」


カウンターに座った望に

和美が言った。



「いたの!?


ってか
サクちゃん知ってんの!?

和美ちゃん! 」



「 … 」



もう1度説明するのは

面倒らしい…



「前に 一緒に働いてたんですよ(笑) 彼女たち(笑)」

マスターが ニコニコと
望に 説明してくれた…


「あれ?

電話だ… 」



が 聞いてはいなかった。




望が 携帯を開く…







着信

【佐川由紀子】




No.73

>> 72

ビールのジョッキが

運ばれて来る…



これで3度目だ。


「もう やめたら~?」

「って あんたも

やめなさいよ(怒)!」



ファミレスで 出来上がってしまった OL2人…


「なんで隠してたのよ(怒)」

絵里奈が言えば

「あんたが 和馬のこと好きなんて言わなけりゃ 一生黙ってたわよ(怒)!!」

と ルカ。


「 …


絵里奈 あきらめないから…」

「はあ~!?」


「よけい 燃えて来た…」


(ふざけんなよ…)

「和馬は ルカに惚れきってんのよ(笑) 絵里奈が いくら騒いだところで ど~にもなんないわよ… 」


余裕の笑みを浮かべてみせる。



「遊ばれてるだけでしょ(笑)」

「なんですって!?」


「絵里奈は

本気にさせてみせるわ…


笠原係長のこと」



グイっと ビールをあおる。


負けじと ルカもゴクゴクと 喉を鳴らし ビールを流しこんだ



「やれるもんなら

やってみなさいよ(笑)!…



あらっ 電話だわ…

和馬かな(笑)」



そんなわけがナイのは

本人が 1番よく知っている…


(ゲっ 父ちゃん💦)



「出なさいよ…」


絵里奈の冷たい目…



「和馬~♪💦💦

ごめん 今 絵里奈と一緒~…」


『何ほざいてんだ!!

このスットコドッコイが!!』

((泣)💦)

「だから

今ダメだったら~ん…」

『今日も

帰って来ね~気か!?!?』


(耳 痛いよ~(泣)(泣)💦)

「かけ直すわね~💦…」


ピッ











「笠原係長って


ずいぶん 荒っぽいのね…」




  • << 75 「あれ? 望さん どこ行くんですか?」 凛々香が気づき 声をかけて来る… 望は 笑いながら 携帯をかざして見せ 怒号の飛び交う(笑)『さざんか』の 外へ出た。 「はい… 二羽加です」 激しい 胸の鼓動。 『二羽加さん!』 「はい…」 言われる事は わかっている… 『主人の女 まだ わかりませんか!?』 (声が 震えてる?) 「佐川さん… 大変申し訳ないのですが…」 『だって 現場出て 女と会ってたの 尾行したんでしょ!?』 「 … 」 『現場戻る時も つけてたのよねっ!?!? 』 「 … それが… 」 『女の家に 行ってるのよ!!!』 絶叫に近い… (いったい どこで電話を… それよりも 何故 家に行った事を知ってるの?) 「佐川さん… 落ち着いてください」 『落ち着いてなんか いられないわよ!! こんな生々しい… メール… 見たら… 』 「メール…?」 『とんでもない女だわ… この美紀って メスぶた…!』 (名前を…!?) 「名前…」 必死で 声を絞り出す。 『ママ友達の 下の名前なんて 誰も わからないのよ…』 … 「佐川さん… おつらいでしょうが もう少しだけ! もう少しだけ… 私に 時間を ください… 」

No.74



 【また お詫び】


😭よく考えたら

いや 考えなくても…


1回電源おとした携帯を ONにしたら 着歴 待受画面に出るわけないですよね😭😭😭


…と 言うよりも

電源OFFにした時点で 画面見てるやろ✋って 話しですよね…


申し訳ありません~😭
m(_ _)m💦💦

つめが あまいです~😭



そして 最近考えていたのですが 読んで下さってる 皆様が皆様 【if】を お読みくださったわけでもないのに 冒頭から 【if】登場人物を 投入したりして💦💦


わからない方には ちんぷんかんぷんでしたよね😭😭😭💦

すみませんでした😭😭😭💧💧💧


今さらですが 貼っておきます…

【if】

http://mikle.jp/thread/1710063/



とうとう

大晦日ですね🎵🎵🎵

(唐突…)


さよなら2011🍀

(言わなくていいですね…)



皆さま🍀✨

良い お年をお迎え下さい❤✨




それでは また

ひきつづき おつき合いを


よろしくお願い致します😭🍀✨

(いちいち泣かんでもね…)



No.75

>> 73 ビールのジョッキが 運ばれて来る… これで3度目だ。 「もう やめたら~?」 「って あんたも やめなさいよ(怒)…

「あれ? 望さん

どこ行くんですか?」


凛々香が気づき

声をかけて来る…


望は 笑いながら 携帯をかざして見せ 怒号の飛び交う(笑)『さざんか』の 外へ出た。



「はい… 二羽加です」


激しい 胸の鼓動。



『二羽加さん!』

「はい…」


言われる事は

わかっている…



『主人の女

まだ わかりませんか!?』


(声が 震えてる?)

「佐川さん…

大変申し訳ないのですが…」

『だって 現場出て 女と会ってたの 尾行したんでしょ!?』


「 … 」


『現場戻る時も つけてたのよねっ!?!? 』

「 …

それが… 」


『女の家に

行ってるのよ!!!』


絶叫に近い…


(いったい どこで電話を…


それよりも 何故

家に行った事を知ってるの?)


「佐川さん…

落ち着いてください」

『落ち着いてなんか いられないわよ!! こんな生々しい… メール… 見たら… 』


「メール…?」


『とんでもない女だわ…

この美紀って メスぶた…!』


(名前を…!?)

「名前…」


必死で 声を絞り出す。

『ママ友達の 下の名前なんて

誰も わからないのよ…』





「佐川さん…

おつらいでしょうが


もう少しだけ!

もう少しだけ…



私に 時間を ください… 」



No.76

>> 75

(ちっとも役に立たない!!
あの探偵…!!!)


由紀子は いまいましい思いで 自分の携帯電話を閉じる。



コンコンコンコン!

「大丈夫ですか!?」


(…!)

「あ…


大丈夫です…」


ジャーーーーー……






「お具合 悪いんじゃないんですね!?」


(うるっさいな~!)

「違います!」


「 …


誰よ

叫び声聞こえたとか言ったの」



ぶつぶつと言いながら 看護士が立ち去ってゆくのを待ち

由紀子は 気配をうかがいながら トイレの外へと出た…



(こうなったら明日 みんなに 名前を聞きまくってやる…)

孝志の病室の前で 立ち止まる


( …



その前に… )


ベッドをそっとのぞくと

孝志は軽い寝息を たてている

(…可愛い顔 )


由紀子は 激しい憎しみと愛情の 両方を抱え また トイレへと 引き返した。






孝志の携帯を開く。




【孝志ったら 今日もスゴかった❤❤❤ 孝志に舐めてもらったから 私のアソコは もっとキレイになったよ😁❤ ん…? 考えるだけで また濡れてきちゃった… 早く抱かれたい😭 戻って来て~😭愛してる😭❤❤❤】






【もう… 死にたい… 】

最後のメールに クックッ… と ふくみ笑いをもらす由紀子。








Re:

【 死ねば?


 おまえ、臭いし😁 】






送信。




No.77

>> 76

(私は…


プロとして最低だ…)



依頼人 佐川由紀子との 電話を終えた望は 思わず 店の外で しゃがみ込んでしまった。


依頼人の気持ちよりも その事実と 和馬の気持ちにばかり

目が行ってしまう…



プロ失格。



望は 自分を責め

恥じていた…




「おっ(笑)!

綺麗な姉ちゃんだな~(笑)」


酔っ払いが 望にカラむ。



スックと立ち上がり

「失礼…」


と 言いながら店へと歩き出す望の腕を 酔っぱらいが 引っ張った…



「勘弁して下さいよ(笑)」


笑顔で 手首を捻りあげる 望


「いて~っ(泣)!!

何しやがる!?このアマ!!」

「これ以上 騒ぐようでしたら 警察呼びますよ…」


「うるせ~!!

この 男女が!! 」



「うるせ~のは てめ~だ!!

この くそジジィ!!!」



後方から ライダーキックを ジジィに食らわせたのは…





「サクちゃん…」



ピラピラのドレスを着た

真山桜子。




「ありがと(笑)サクちゃん!」

「い~ってことよ(笑)」

ニっと笑う桜子。


「お店は?」


「適当でいんだよ(爆)

あんなとこ(笑)(笑)」







なぜだか また


心が軽くなる 望




「ありがとう サクちゃん…」


もう1度

小さな声で言うと



呆気にとられた酔っ払いを尻目に 真山と手をつなぎ

『さざんか』へと



入ってゆくのだった。




No.78

>> 77

(急に

動き出したかと思えば…)


和馬は 美紀の行動に ほとほと 呆れ果てていた。

瑞穂とともに 風呂から あがって来ても さっきと同じ場所…



冷蔵庫に 麦茶を取りにゆく。



足元で 美紀の携帯が鳴った


チラリと 和馬を見上げた後

そっと携帯を開く美紀…



バネでも入っているかのごとく ピョンっと立ち上がる。


美紀の顔が 輝くような笑顔に変わったのを 和馬は見た…



携帯を持ったまま

廊下へと歩きはじめる



和馬の視界から

美紀が消えた瞬間


「ぎゃっ…」

という 奇妙な声。


そして



廊下に ガタンっと

携帯電話の 落ちる音…




「美紀…?」


「ママ 大丈夫?」

瑞穂が 駆け寄った



「さわらないで!!!」


その声に驚き

廊下へと急ぐ 和馬。


見ると…




携帯を拾おうとした瑞穂が

そのままの姿で



動きを とめていた。




「瑞穂 おいで…」


瑞穂が 急いで和馬に

しがみつく。




「おまえ…


何があったか知らね~けど

瑞穂に あたんなよ…」









まるで


和馬の声など

耳に入っていないかのように



美紀は


立ちすくんだまま



目を見開き







ぶるぶると 震えていた…




No.79

>> 78

「ハル君ママ!


グリーンのセーター

見つかった~(笑)? 」


「おはよう…

ひなちゃんママ…」




「その顔は…

(笑)まだね 」

「やっぱ買うしか

ないのかな~(泣)💦💦」



( … )

「…ハル君ママの

下の名前 なんて言うの?」

「名前!?」


(なにビックリしてんのよ…)


突然 言われりゃ

誰だって 驚く。




「いずみ… だけど

どうし…」

「ひな 持ってるわ(笑)!

グリーンのセーター(笑)」



「えっ!?」


「明日の朝

持って来るわね♪」



スタスタと立ち去る

佐川由紀子…



(そう簡単には

見つからないか… )



「ミキちゃんママ~(笑)!!」

( … !!)



遠くから聞こえた声に

咄嗟に顔を向ける。






お世辞にも…

可愛いとも 綺麗とも言いがたい女性が 目に飛び込む。



( … )

「そうよね…


『ミキ』って

子供の名前か…… 」



馬鹿馬鹿しいほど その名前に 神経を尖らせる自分に

由紀子は腹さえ立った。


(朝 送って来る母親たちの中に居るとも 限らないし…


ほら ああして

父親の場合だってある…


… って

いい男ね。


うちのパパには負けるけど。)




「お遊戯会まで お母さん 具合よくなるといいですね…」


父親に 担任が言った。



(お遊戯会…


 か……   )




由紀子が また




少し 笑った。




No.80

>> 79

ひとつの机に



2人の男が


のびている…



顔ごと伏せて のばした腕の肘で お互いに 相手を押しやる








「もともと 俺の席だ(怒)!」

相原が言えば


「望さんが キミには机いらないから ここに座るようにと ワタシに言ったんです(怒)」


と 坂牧。


「俺のだ(怒)!」

「ワタシのです(怒)!」





「頭 痛ぇ~~(泣)…」


2人で言って また伏せる。





「レベル…」


凛々香が つぶやきつつ

コーヒーを置く。



「ありがとう(笑)凛々香さん」


ロイヤルスマイル…




も すぐ崩れた。



「2人とも 薬飲みな!」

ミヨ子は すこぶる元気だ。



夕べの 真山桜子争奪戦には

関わってないからね…



「しかし 顔は可愛いけど

乱暴なコだよね~(笑)」

ミヨ子が

思い出して笑う。


「サクちゃんのパワーのせいなのかな… なんだか夏頃から…


望さん

勢い 感じないですよね…」



朝一で出かけた 主不在の席を見ながら 凛々香が言った。



「たしかに 望ちゃんの 口の悪さが あのコのせいで 目立たなくは なったよね(笑)(笑)」


ミヨ子の言葉に





(それだけじゃないだろう…)



郷が そっと




ため息を ついた。



No.81

>> 80

「遠藤係長!」

「おはよ(笑)絵里奈!」


( …


やっぱり この人

生理的にダメだわ)

「笠原係長

どしたんですか?」



「あ~… 」


(頭かきながら喋んなよ…)


「奥さん 具合悪いとかって

娘 幼稚園に送ってから
来るっつってた…」


(指の匂い 嗅ぐな(怒))



「大変ですね~…」



『大変』の『た』ぐらいで

遠藤の前から 歩き出す…



(ルカ 知ってんのかな…)

「あっ(笑)

加藤しゅに~ん(笑)」


「なによ ニヤニヤして…」


笠原 遠藤と同期…

年令も 35と同じの
加藤敦子。独身。


「 私…

いい事聞いちゃったんです…」



「また 絵里奈の『いい事』
が はじまった(笑)」


「今回は

ビッグニュースですよ…!」


「 …


給湯室 行く?」


眼鏡の奥の目が

キラっと 光る…



「はい(笑)」

(見てなさいよ(笑)ルカ…)




「お~

ありがとう(笑)ルカ…」

コーヒーを持って来たルカに

ご執心の遠藤が 満面の笑みだ…



(人に あんなの 押しつけようとして…!許せない!!)


「何 見てんの?絵里奈…


行くよ 」

「あ…

は~い(笑)(笑)」




(…



あの男も…





使えるわね…… )




No.82

>> 81

「望… !」


「和… 馬 … 」




和馬のアパートの下


瑞穂と 手をつないだ彼と

偶然 出会った望…




「どうしたの?」
「どうした?」


一緒に質問して

少し 笑った…



「瑞穂ちゃん(笑)

おはよう(笑)(笑) 」

「おはよう!

お姉ちゃん(笑)」


「♪あら…

どうやら
躾はいいみたいね(笑)」


「なに言ってんだよ(笑)


お姉ちゃんにしか 見えねって

マジで… 」


( …!!


そういうのいいから(泣)💦

今は~~(泣)(泣)💦💦💦 )



「そんなに 酷いの?

美紀… 」



(え~!?スルーか~(泣))


「熱もなんも

ね~んだけどな… 」

「電話も出てくれないし


来ちゃった… 」



(…


『来ちゃった』…

可愛え~~~(泣)💦💦)



「パパ!

早く 行こっ!!」

「あ…

ああ💦💦」



「行ってらっしゃい(笑)

瑞穂ちゃん(笑)」



「行って来ま~す(笑)!」

「行ってきます(泣)(泣)!!」



戦争でも 行くのかよ。




軽く 手を振ると

望は アパートの内階段を
ゆっくりとのぼってゆく…




美紀に たいしての

疑惑と 怒り





思いきり ぶつけたくて


やって来たのに…。






和馬の顔を

見てしまった事で



悲しみの方が


ふくらんでしまい



1度きりのキスの



罪深さに




望の足どりは


どんどん




重くなりはじめていた…



No.83

>> 82

黒い髪を

後ろで ひとつに引っ詰め


険しい表情を浮かべた

その ノーメイクの女性は



ノックもなしで

ツカツカと 1番奥の 望の席までゆくと バンッ!と机を 手のひらで 叩いた…



「ここの女は!?」



「どういった

ご用件でしょうか…」


郷が 歩み寄る。



「どこに行ったのよ!?」

「仕事に出ましたが…」


「…

ふ~ん…… 」


じろじろと事務所内を

見渡す…



「失礼ですが… 」

郷が言いかけると


「治療費の請求に来たの」

「治療費…?


二羽加とは どういう…」


「私は 山口薫。

美羽の 母親よ…」



「美羽ちゃんの…」


凛々香が 小声でつぶやく。



聞きつけた郷は

「知り合いか?」


と 凛々香にたずねる。




「昨日 突然やって来て 望ちゃんに『お母さん』って いきなり しがみついたんだよ!」


ミヨ子が 要領を得ない

説明をする。




「とにかく!」


山口は もう1度
望の机を 叩きつけると


「ここの女が うちの娘に 食べさせたチョコレートで 娘は歯と胃腸を やられたわ…」



「歯~~っ!?」


相原が 素っ頓狂な声をあげた



山口にジロリと睨まれ

天井を 見る…




「帰るまで

待たせてもらうわね(笑)」




山口が


「ふ~…」







望の席に





…腰をおろした。



No.84

>> 83

「佐川さん(笑)!!」


( … )

「なんで 笑ってんの?」

「牛に

やられたって(笑)(笑)!」


( … )

「やられてはナイよ…」


「あっ!

車は安心して下さいね(笑)


浩平がレッカーしてます!」



( … )

「親父 怒ってた? 社長…」


「怒ってないっすよ(笑)

『似たような 車 もう1台頼むわ』って 言ってました(笑)

佐川さんのお父さん」



佐川孝志が運転していた車は

昼休み中だったので 現場に向かった 父親のもの…



「親子で ごひいきにしてもらって 『ロード』大繁盛です!」



( … )

「楽しそうだね 社長…」


「楽しいわけ…


ぶっ(爆)💦💦

牛って(笑)(笑)💦💦
ぎゃはははは(笑)(笑)」



大野達也は ここが病室であることを 忘れている。




「佐川さ~ん…

いかがですか~… 」


「…



キミは 看護婦やめて

俺の店で 働きなさい…」


「 … 」



「社長 人の お見舞い来て ナンパすんの やめてよ…」


孝志が あきれる。



(なに この人…

超カッコイイんですけど…)

「うふふ(笑)」


「もしくは 俺を看護しろ…」


「社長

頭イカれてるでしょ…」


「あ… 佐川さん!

後で警察の方 来ますよ」

看護士が 孝志に伝える。



「牛のことで(爆)!?」










もういいだろ。大野。




No.85

>> 84

加藤敦子が 2本目のタバコに 火をつける…


「間違いないの?

絵里奈… 」


「だって

本人に聞いたんですよ~…」



( … )

「ふ~ん…」

大きく煙りを 吐き出す



(食いついてるわね(笑)

ババァ… )

「あたし

やめさせたくて…」


加藤が チラっと

絵里奈を見た。


「よけいな芝居は いいわよ」


(チっ… )

「ですよね~(笑)」




「あれ?

絵里奈も 加藤主任も 今日 お当番じゃないですよね?…」


空いたトレイを持って

ルカが 給湯室に入って来た。



「 …!

ルカ… 」


「なにビックリしてんのよ

絵里奈 」



「芹沢さん…」

「はい?」

(なんで名字?)


「あなた…

スカート短かすぎるわね…」



(突然 なによ(怒)ババァ…)

「ルカ なにもしてません!」

「いいトシして 自分を 名前で呼ばないっ(怒)!!」

加藤は 灰皿に

イライラとタバコを押しつけた


「だけど 制服 支給された時のままですよ! ルカ みんなより足長くて 顔が小さいから そう見えるだけです!!」






顔 小さいのは関係ない。



「なによ(怒)!? 私の顔がデカいって言いたいの(怒)!?」




加藤さん… 論点。








(思ったより

愉快な展開になりそうね…)



絵里奈が こっそり



ほくそ笑んだ…




No.86

>> 85

(どうして 出てこないのよ


美紀…… )


何度 チャイムを鳴らしても

気配さえ感じない。






望の身体の中に


大きな 波が押し寄せる




「美紀!!!」


ドンドンとドアを叩き

名前を呼びつづける…



「美紀!! 美紀ぃっ!!!」




ガチャ





「 … 」



「…



近所迷惑よ 望… 」



「あ…



ごめん…… 」


((泣)よかった💦💦💦)




美紀の後につづいて

望も 中へ入る




「ずいぶん しつこいのね…

なんなのよ…」


焦点の合わない目で

宙を見たまま 座り込む美紀。



「美紀…」


横に座り 肩をつかむ。



「なによ… 」



「…


どうして



こんな事するの?」



「 … 何が 」



「あんた

浮気してるでしょう!?!?」




望の 気持ちの容量は もう目一杯 限界に近かった。


玄関のドア越しに受けた 恐怖が よけいに 望を煽っていた…



「 … え 」



「依頼を受けたの… 」



美紀が 初めて


望を見た。





「だからなのね… 」


美紀が急に 笑い出す。


「なにが おかしいのよ

美紀… 」




クっクっと笑いながら


「ありがとう 望…」




そして


激しい 高笑い…












( ありがとう…


って…

なによ… 美紀…… )




No.87

>> 86

「お遊戯会まで お母さん

具合よくなるといいですね!」


「ええ…

本当に(笑)…」


和馬は 瑞穂の担任の ヒロ先生に 曖昧に笑ってみせた。



「来週の土曜日ですから


まだ

1週間以上ありますし(笑)」



ヒロ先生は 笑うと 八重歯が
可愛い。


(笑顔が…

望に似ていると思ったのは


そのせいか(笑))


「瑞穂ちゃん(笑)

頑張って練習してますよ!
タヌキ役(笑)」


「タヌキ… 」



初めて聞いた和馬。


「もちろん 主役じゃ なさそうですね(笑)(笑)」


「全員 主役です!」


ヒロ先生が また

八重歯を見せて笑った。



もうすでに 友達との遊びに夢中になっている 瑞穂に 軽く手をふり 園舎を後にする…





(ひとりで笑ってるよ…

大丈夫か? この母ちゃん…)



佐川由紀子の前を


何も知らず





和馬が 通り過ぎる…






「会社 行きたくね~な~…」



望がいるであろう家に 帰りたいと 強く思いながら。


(それにしても よっぽどの急用なんだろうなぁ… 望は…


いったい何…?)











あの夏から



初めての 再会…。





(やっぱり 俺は







あいつを


愛してる………… )




No.88

>> 87

「大変 モウすわげね~ごどを すますた(泣)(泣)💦💦」



( … )

「はい… 」



「クっクっク…(笑)


牛 来ちゃったよ…(笑) 」







暇か。 大野…




「あっ!

待って 俺の白衣の天使!…」



行っちゃったよ…





「ところで おまわりさん…」


孝志が 牛(じゃねーから)とやって来た 警官に声をかける…



「俺の携帯電話 探してくれないかなぁ… たぶん田んぼ…」


「自分 佐川さんの奥さんに お渡ししましたよっ!」

「えっ!?」


「事故処理の人間に 渡されて

お財布と一緒に…」




(嘘だろ…)


孝志の顔から

血の気が ひいてゆく…




(持ってたのか 由紀子…


俺の携帯… )





「マユちゃんマユちゃん(笑)」


「モー❤

達也さんったら…
仕事の邪魔しないで(笑)」






戻って来たし。




「佐川さ~ん お昼ご飯

まだ
1人で食べれませんよね?」


「モウすぐ 妻が来ます…」



「みんなして


モウモウ うるさいっすね(爆)

佐川さん(笑)(笑)!」



「 …





モウ

帰っていいよ 社長… 」



No.89

>> 88

「あ~ モウ…モウ無理


モウ食えない…

ゲフっ…」


(さて 行くか…)



「牛丼 特盛お1つ おしんこが お1つ 卵お2つで…

550円になります…」



「お釣りは いりません」

「 … ありません」


「(笑)知ってるよ~!」






飲んだ 頭痛薬の効き目が バッチリで坂牧のテンションは 今日も おかしかった…





(あっ💦時間やべっ💦)

内心焦りながらも 品格のある速足を 繰り出す 坂牧。


… どんなんだろう。




カランコロン…
と鳴る 喫茶店のドアを開ける


(ハァ… ハァ…

うわっ 来てるし💦💦)



「遅れてしまって

モウし訳ありません」


… モウいいよ。



「ワタシも

今来たとこだよ(笑)」



見るからに 人のよさそうな

初老の紳士。



元県警本部 国崎章一…



「坂牧君の噂は カラスから

聞いているよ(笑)」


カラスとは

探偵学校時代の講師。



「いい噂でしょうか(笑)」

(何言ってやがんだ

あいつは… )


「もちろん

キミの活躍の噂だよ(笑)」


微笑みつつ やって来たコーヒーに 口をつける坂牧…


「おや ブラックかい(笑)

さすがに 胃も若い…


ワタシは これを
たっぷり入れないとね…」

ミルクピッチャーを持ち上げてみせる 国崎。



「 …


牛系は 今日モウいいです…」








No.90

>> 89

「灰皿ないの~?…」



望の席で タバコに火をつけた 山口薫が 誰にともなく 声をかける…


「 … 」


凛々香が しぶしぶ机に置いた



「わるいけど 望ちゃんは いつ戻るかわかんないんだよ…」

ミヨ子が 極力 苛立ちをおさえて 山口に話しかける…


「だから?」


「1度

おひきとり願えますか?」


郷が ふたたび立ち上がった。


「戻りましたら


連絡入れさせますので…」


有無を言わせぬ物言い。


「こわいわね~(笑)」



言いながら、灰皿で タバコを捻りつぶす 山口…


「そもそも 昨日食べた チョコレートで 歯とか 胃がやられたって なんでわかるんだいっ!?」

ミヨ子が とうとう噛みついた



「うちでは 美羽に そんな刺激物を あたえた事はないの!」


「じゃあ どうなるかなんて 余計わかるわけないじゃないか!?!?(怒)」

「お母ちゃん…」


相原が ミヨ子の肩をおさえながら 困った顔をする。



「歯と お腹が痛い… って

昨日 泣いたのよ(笑)美羽…」




笑いながら 言うことか?

と 郷は不審に思った。


「治療費請求するなら 病院の診断書 持って来いよ!!」

「なんですって!?」

山口の キツい視線とまた ぶつかり ミヨ子の後ろに隠れる相原…





「 …



とにかく


望の判断に任せよう…」



郷が 携帯を持った。




No.91

>> 90

「ありがとう…


って なによ 美紀… 」



美紀はまだ

クックッと笑いつづけている…


「ふざけないで!!」

望は 激しく腹が立った。





「笑わずに

いられないわよ…」


涙さえ浮かべた美紀が


「 …


女房のシワザだったのね… 」


フラフラと立ち上がると 隣の寝室に入ってゆき 携帯電話を手に また望の横へと 戻って来て座った。


「… 何言ってるの


美紀… 」



「…って 望

あんた…


私に… そんな事言って…


いいの(笑)?」




携帯を開き 指をさかんに動かしながら 美紀が言った…


「 …

え…? 」



「(笑)依頼受けたなんて…


プロ 失格じゃない… 」


「じゃあ 美紀は そのままを ただ佐川さんに伝えればよかったと そう言う…の!?…」


最後は 強い悲しみで

うまく言葉に出来なかった…


「私は もう…


探偵を辞める覚悟で



あんたに…

話しに来たのよ… 美紀… 」


「… そんな…

必要 ないじゃ… ない…」


指を動かし続ける美紀に

望の思いは 届かない。



「ちゃんと聞いてよ!!

美紀っ!!!」



美紀の手の中の携帯電話を

望は 手で思いきり払い落とす


「何すんのよ!?!?」





その時


望の携帯が鳴る音と






玄関の




開く音がした。




No.92

>> 91

「午前中 半休みたいだぜ…

笠原…」


「そうなんですか~」



喫煙ブースで 遠藤とともに タバコに火をつける 絵里奈…



「絵里奈 なんでそんなに 笠原のこと気にすんの(笑)?」


(よけいな お世話です…)

「気になんか
してませんよ~(笑)」


「もしかして~(笑)(笑)!」


指でツンツンと

絵里奈の肩を つつく遠藤


(やめろよ… )

「それに…」


細く煙りを吐き出し

目をふせる 絵里奈…



「笠原係長は…

ルカのこと 好きですもん…」


「はっ!?!?」


「危ない!遠藤係長!」


火のついた タバコが ポロリと床に落ち 視線が いっせいに集まる…


(勘弁してよ(怒))




「な、なに言ってんだよ絵里奈

笠原は 結婚してんだぜ…」


「不倫してるんですよ…

遠藤係長 あの人たち… 」



「 …… 」



(大丈夫か おまえ…)

「遠藤係長?」



「あ…


ああ…… あちっ!!」


タバコを拾いそこね

また騒ぐ。




(いい加減にしろよ…)

「大丈夫ですか~…?」

「…

悪いが 絵里奈

俺のタバコ吸っててくれ…」


「はあ!?」




床に落ちたタバコを そのままに 奇妙な言葉を残して


遠藤は フラフラと




ブースを後にした…




No.93

>> 92

「… で

ワタシに聞きたい事とは…」


「国崎さん…」

坂牧が 手帳と万年筆を取り出し テーブルに置いた…


「二羽加昌樹さんの事件は

もちろん


ご存知ですよね… 」


「捜査には

関わっていないがね…」


国崎は ミルクのたっぷり入ったコーヒーで 口を潤す。



「あの 抗争の…


核は なんですか?」



「…

服部組と 浦川興行の



跡目争い… かな…」



同じ組織から 下に枝別れした 2つの暴力団の… 簡単に言えば どちらがトップになるかの ランク決め。


「なぜ そんな事に 二羽加さんは 介入したのでしょう…?」



「それは 我々も 不思議でならなかった事の ひとつだ…」






二羽加昌樹は 服部側の銃弾に 命をおとしている。


調べなければならないのは 浦川興行の方だろう… と 坂牧は考えていた。



「不思議な事は…

他にもあったのですか?
国崎さん… 」


「(笑)さすが

カラスの弟子だ!」

「 … 」


「ワタシの言葉を

聞きもらさないね… 」

ニヤリと笑うと

国崎は 店員を呼び 昼食にと サンドイッチを注文した

「キミは?」



「 …



モウ お腹いっぱいです」










けっこう しつこいね。




No.94

>> 93

「モウそろそろ お昼だよ…


社長… 」



まだ居たのー(泣)!?



「あ… 佐川さん(笑)

俺の事は気にしないで下さい」


(気にすんな… ったって

気になるだろ(怒) )

「店 大丈夫なの?」


「太ったババァが 店番してるんで 大丈夫ですよ(笑)」


(適当だなぁ…)

「あ~ そう… 」


「浩平も

もう戻るだろうし…」

「親父の車は…

もう お釈迦? 」

「 …


ですね… 」


大野は 腹の中で (いくらかにはなるが(笑))と考えていた。



「 …



突然で悪いんだけどさ 社長」


「はい?」


ナースステーションに 行こうとして 立ち上がった大野が また腰をおろす。



「社長 浮気した事ある?」

「 …



ふつーに。」







大野達也には 『ナイ』意味が わからないらしい…



「バレた事は?」


「1回も ないっす(笑)(笑)」







笑ってろよ。今のうち。



「俺 今ヤバいんだよね~…」

「(笑)マジすかっ!?」


( … )

「なんで いちいち

楽しそうなの? 社長…」


「い、 いや…


そんな事ないっす!!」


「 …



事故った時 飛ばしたと思った携帯… 女房が持ってたらしくてさ~… 」

「修羅場じゃないすか!?」








今から おまえもだぞ…





No.95

>> 94

佐川由紀子は 夫の病院へ向かうため 運転席に座ったところだった。


(ご飯 食べさせてあげるのも

なんとなく快感だな(笑))


ニヤニヤしながら 車にキーを差し込もうとした時 大事な事に気づいた…


(パパの携帯…!!

電源切っておかなくちゃ… )

かすかに震える指で

孝志の携帯を開く。





由紀子の心臓が

ドクンと音をたてた。




(メール……?)



「誰…?」


…!!



✉ 美紀





ガタガタと震え出す。




Re:

『笑わせてくれるわね‼
あんた 孝志の携帯取り上げたんだ⁉ 超うけるんですけど😂😂😂‼ 悪いけど 浮気されんのは あんたにも責任あんのよ…

自分のこと よく鏡で見てみたら⁉ ま~ 見てたら こんな事にはならないだろうけど😜‼

ちなみに 孝志とエッチする前は 必ず お風呂入るから 臭いわけないのだよ~😂😂😂‼

残念でし         』




( …


どういうつもり…




ふざけんな…!!!!!)




狂い死んでしまいそうな

激しい怒りが 由紀子を包む。



思わず返信しそうになった指を ギュっとかたく握り

(落ちつけ…!!!)


コブシでハンドルを

何度も何度も叩きつけた。


(…!)

通りがかった 近所の住民と ガラス越しに目が合うと

由紀子は さも車の調子が悪いかのごとき そぶりを演じる。


(情けない…)



溢れ出る


涙を隠しながら…




No.96

>> 95

「和馬…!」


「気になって…


戻って来たんだ…」



望の携帯は

鳴りつづけている…


「何してんのよ!?美紀!!」

望が弾いた携帯を また拾い 指を動かしている美紀…


「いい加減にして!!!」

望が叫び それを奪った。



「望…

携帯 鳴ってるぞ…」


和馬が 放心したように言う

(なにを そんなに
興奮してんだ……? )

「望っ?」


望が その声で我にかえると同時に 着信音は鳴りやんだ。


「あ… 」


バッグを探る 望



「おまえ 起きてて

大丈夫なのか? 」


美紀を気づかう 和馬の優しい声に 胸を痛めながら…




「すみません 郷さん…

今 少し取り込んでて…


はい…

すぐ また かけ直します…」




「もう戻れば~(笑)?

忙しいんでしょ 望~…」


(…


たしかに 和馬がいたのでは

話しなど出来ない… )

「 … 」



「 …

おまえ ずいぶん元気になったな… 美紀 … 」


「望がね(笑)

励ましてくれたから(笑)!」


「そうか(笑)

悪かったな 望… 」


励ました側の人間には 到底 思えない顔色の望が そこにはいた…


「和馬も もう行きなさいよ…


お昼になっちゃうわよ(笑)」



「あ…

ああ…



… 大丈夫か? 望…」



(悟られちゃいけない…!!)

「大丈夫よ(笑)もちろん!

私 もう少し居るから 和馬…」

「いいから 望も帰って!!」

「美紀…」


望が つぶやくより早く

美紀は 笑顔で2人を追い出しに かかるのだった……



No.97

>> 96

「どした? 芹沢…」


パソコンの画面を見つめたまま 微動だにしないルカに

通りがかった 営業の男性社員が 声をかける…


「中鉢君…」


顔を向けられた 中鉢リョウは

(やっぱり可愛い…!)
少し赤くなる。




「なんか 目 赤くね?

芹沢… 」


「(笑)疲れ目かな…」


少し ふせた長い睫毛に 中鉢は ボ~っと見とれてしまう。



「なに モタモタしてんのよ!

さっさと営業出なさいよ!!」


加藤敦子が 中鉢の背中を

バンッ!と 手のひらで叩く。


「(泣)いって!💦💦」


「加藤主任…」



ルカは 加藤の理不尽さに イライラがおさえられなくなっていた…

加えて 和馬がまだ 出社していないことへの 苛立ち。



「中鉢君は ル… あたしを心配してくれたんですよ!!

そんな言い方 ないじゃないですか! 加藤主任!!」


「芹沢…」

(おまえ もしかして


俺のこと…)



おいおいおいおい。



「… なんですって?」


加藤の 眼鏡の奥の目が
また キラリと光る。



「ほんとに 男に

見さかいのナイ女ね(笑)」


「黙れ!!ババァ!!

てめ~に 男いね~からって ひがんでんじゃね~よ!!!」



フロア内の 社員の目が

一斉に 集まる…








中鉢は 勝ち誇ったように


「なっ! 芹沢っ♪」



と 笑顔で言った。



No.98

>> 97

「カラスの…

ニックネームの由来を


知ってるかい(笑)?坂牧君…」



坂牧は 話しの流れが 本題からそれる事を ひどく嫌う。


「いつも

黒づくめだからですよね(笑)」


それでも 笑顔を見せながら

坂牧は言った。


「それも ひとつだが…」

国崎は サンドイッチをつまみながら ゆっくりと話す…


「獲物に貪欲で 賢いから…」


レタスが ポロリと落ちる



指先でつまんだ国崎が

「必要なものを 収拾する能力が カラスなみだからだよ…」

口に入れながら言った。


「そのような方の 弟子と言っていただけて 光栄です…」


坂牧は 人間として 情に欠けるカラスが 好きではなかった…


「彼の話しは

どうやら不要のようだ(笑)」


(ゲっ💦💦)

坂牧は 慌てて

冷めたコーヒーを飲んだ。


「あの世界では…

通常 跡目相続に 実子が出て来ることはないんだが… 」


坂牧は 急いで手帳をかまえる


「なぜか 浦川興行は 血族を 表立って 押し出して来ていたようなんだ…」


(実子…? 血族…?)

坂牧の頭の中で

何かが 繋がってゆく…



「ところで 坂牧君…」


「はい」

「年寄りには 少々ボリュームがありすぎるようだ(笑)」






サンドイッチの皿を

差し出して来る 国崎…




「モウし訳ありませんが

モウ 入りません…」







ほんとに モウおしまい(泣)💦



No.99

>> 98

複雑過ぎる思いを抱え 望は 和馬と肩を並べ歩いていた。


「さすがに

友達はすげ~な(笑)」

「…え?」


「俺じゃあ あんな美紀 …

どうしてやる事も 出来なかったし(笑)(笑)」


和馬の明るい顔が

望には 痛過ぎる…


「何が…

あったんだ?」


「な、なんにもないわよ…」

「なんにもないわけ ないべ~(笑)(笑) おまえ 相変わらず 嘘つくのヘタクソな(笑)!」


「 … 」

(どうしよう…


どうしよう……)



「浮気してんだろ あいつ 」





秋の


高い青空が



望の頭上で




グルグルと まわり出す



「なに…


言ってんの? 和馬…」



「知ってたよ(笑)

わかりやすい女だから…

だけどまさか


おまえが知ってるなん…」



望が 歩みをとめる。



「望…?」


「和馬に… 知られたくなくて…

私…


必死に… 頑張っ…

たんだよ… 」



ボロボロと 涙を落とす望を

和馬が 抱き寄せた。


「ごめん 望…」





「なにすんのよ!!」


望が ドン!と突き飛ばす。

「バカじゃないの!?和馬!」



(バカですけど~(泣)💦💦)


「少し 理性持ちなさいよ!

この 変態っ(怒)!!!」



(そこまで~~(泣)💦💦)

「 … !

おいっ!! 望っ!!」





スタスタと歩き出した望が




派手に 電柱と激突した。



No.100

>> 99

(バカじゃないの…

あいつら…… )


美紀は 少しだけ開けたレースのカーテンを シャッと音をたてて閉めた…


「人が お膳立てしてやってんのに まったくモタモタと…」

ぶつぶつと言いながら

お湯を沸かす


「これは もうダメね(笑)」

鍋のフタを開け 焦げ付いたカレーに 勢いよく水を注ぐ。



(だけど…

どうやって孝志と連絡をとろう…




今日は無理でも 明日には きっとウチに来るはずよね… 


そう…

きっと来る…  )


ザーザーと 鍋から溢れ出る水をそのままに 美紀は 思いをめぐらせていた…



「ん?」


携帯が鳴り また望かと思った美紀は もう1度 外を見る。




電柱の前に うずくまる望と

オロオロする和馬が見えた。



「違う…」


慌てて携帯を 手にとる。



【着信 孝志】



一瞬 脳内が勘違いを起こし

激しい喜びを感じてしまった自分に 腹が立った美紀…



(ここで話すべきだろうか…

望は 孝志の女房に 相手が私であること 伝えてないのよね…




だけど もし

本当に孝志だったら?


話したい…!!



…けど

そんな事あるわけない… )











とりあえず

ガスと水道 とめたら?




  • << 101 「はい孝志 あ~ん…」 「 … 」 「おいしい?」 「 … うまいわけないでしょ…」 「モウ(怒)孝志は ちゃんと食べなきゃダメ~!」 「 … 社長 楽しい?」 「意外と(笑)(笑)!」 「ここ 心療内科もあるみたいだよ…」 「病んでないすから(笑)俺!」 … 充分 病んでるだろ。 「なんで来ないんだろう… 由紀子」 「たぶん あれっすね! 正妻と愛人の 携帯バトルが 繰り広げられてるっすね!!」 ( … ) 「だから なんで そんなに楽しそうなんだっつーの(怒)!」 「モウ(泣)孝志 怒っちゃやだ~(泣)(泣)💦」 「何してるんですか~?(笑) 達也さん(笑)」 「マユちゃん(泣) 佐川さんが ご飯食べてくれないんだよ~(泣)(泣)」 「モウすぐ奥さん いらっしゃるって電話ありましたよ(笑)」 「ほんとにっ!?」 孝志の心臓が 跳ね上がる。 「あら(笑)佐川さん! 奥さんのこと 愛してるんですね~(笑)素敵♪♪♪」 看護士が 孝志を茶化す。 「俺も 妻を愛してるよ… マユちゃん… 」 「なら こういうこと やめて下さいっ(怒)!」 肩にまわった大野の腕を 払いのける。 「あん(泣) 嘘だよ 愛してないよ~… 」 … やっぱり おまえは 痛い目にあった方がいい…
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