Butterfly's memoir

レス475 HIT数 79003 あ+ あ-


2013/02/18 16:54(更新日時)

🐚はじめに…🐚


この物語は、過去の自分と過去の自分から今現在に至るまで…の回想・回顧録です。

過去…幼少時代から人とは違うことに悩み、でも幸せになりたいと望み、様々な葛藤をし、様々な困難を切り抜けてきました。


今思えば、過去の自分は何故あんなにも強く逞しくいられたのか…それは、それだけ惨めな悲しい想いもし寂しい経験をしいたからだとも思います。

後悔も沢山し、人を恨むことも本当に沢山してきました。


てすが、後悔や人に対しての複雑な気持ちの中、人は成長するもの・苦労や葛藤があるからこそ、色々辛く苦しみを経験するからこそ良い人生を送って行く鍵になると思っています。


色々な悩みや葛藤をしている方、ただ興味をもって頂いた方、全ての方に読んで頂けたらと思います。

🐚Ageha↔松岡一葉🐚

No.1373223 (スレ作成日時)

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No.475

木蘭の涙が閉鎖になってる😱

No.474

半年程前に読ませていただき、続きを楽しみにずっと待ってます。あのあと物語のことが頭から離れず、あのあと、4章の後がどうなったか、散々探しましたが、見つからず(笑)…木蘭の涙がさがしきれません😭とても読みたいのですが…

No.473

>> 472 今 第3章を読んでいます😊

楽しみにしていますので また宜しくお願いしますね😊

No.472

>> 471 レスありがとうございます🙇✨

小説が途中で止まったままで本当に申し訳ございません🙇

また必ず書き下ろしますので、その時はまた見て頂けますと嬉しい限りです😢


宜しくお願いします🙇🐚

No.471

>> 469 小説を読んで頂きありがとうございます🙇✨ 第二章はhttp://mikle.jp/thread/1378348/ 第三章はhttp:/… Agehaさん、ありがとうございます😃
読み返ししたいなと思います。

No.470

ミクルは最近見始めたばかりで 使い方が今ひとつよくわからず…
すごく嬉しいです❗
Agehaさん にゃさんありがとうございました😊😊😊

No.469

小説を読んで頂きありがとうございます🙇✨


第二章はhttp://mikle.jp/thread/1378348/

第三章はhttp://mikle.jp/thread/1383990/

第四章はhttp://mikle.jp/thread/1408928/


になります🙇✨

どうぞ宜しくお願いします🙇

  • << 471 Agehaさん、ありがとうございます😃 読み返ししたいなと思います。

No.468

>> 467 ホントだ😲
スレ主さんの Ageha と閉鎖スレにチェックしたら第2章と木蘭の波は検索出来ましたよ😉

拡張スレを👇してみても検索できるかも?

No.467

お返事ありがとうございます🙇
それが… 検索しても第1章しか出て来ないんです。2章からスレ名が違うのでしょうか???

No.466

>> 465 スレ名で検索できませんか?

No.465

第1章しか見つけられません
続きはどこにあるのでしょうか?😭😭😭

No.464

一葉さん はじめまして。四十代の主婦です。
Butterfly's memoir~ 第一章から第四章まで一気に読まさせていただきました。

“カズハ”の幼少の頃からの情景や感情が手に取るように伝わり 自分自身がまるで “カズハ”となり 成長していくような錯覚にとらわれました。

一葉さんの実体験である一語一句をとても大切に大切に心に受け止め 読まさせていただきました。

鳳蝶の死によって出会う一輝
一輝への淡い恋心を抱きながら読み進み
私の中でも一輝の存在は絶対に裏切らない そして唯一信じられる愛する人として大きくなっていきました。晃との出会いはショックで…初めは晃を信頼することすら出来ませんでしたが 年下でも包み込む強さとひたむきな優しさ、時折見せる精悍さにまたどんどん惹かれていきました。二人の幸せを願いつつも
どこか 私の心には一輝に対する想い、一輝が一生変わらずくれる無償の愛を信じ それを簡単に自分の心から消すことも出来ません。(すみません…完全に一輝に恋してます;)

こんな薄っぺらな言葉では伝えきれませんが…一葉さん ありがとうございました。
一葉さんとの出会いに ただただ お礼を一言 言いたくてレスさせていただきました。

また最初から新たな気持ちで噛み締めるように読まさせていただいてます。

きっと 何度も…何度も…。


No.463

さっきの者です。
すみません、ずっとAgehaさんをAgegaさんと誤字入力してました。
熱くなりすぎて気付かなかった💦💦💦
ごめんなさい。

No.462

>> 460 レスありがとうございます🙇✨ 私自身、後悔の連続で正に今も新たな後悔と闘っています。 本当にこれで良かったのかな…とか正直今でも過去のこ… 457、459です。
Agegaさんへ

今、更新されてる第4章まで全部読みました。
なんとなく察しがつきますが、かなり続き気になって仕方ありません。

第1章を読んだ時、
どんだけ度胸あるコなんだと、感心と感動でいっぱいになりました。
第2、3章と、徹夜で読みました。途中、嗚咽を交え大泣きしました。Mちゃんの発見やSさんの所で。


こんな方だから、きっと今も何かと戦っているんじゃないかな、
そう思いました。

私がしてきた事は
なんてちっぽけな事だろうと思いました。

Agegaさんには使命があるような気がします。
生きるとは
死ぬとは
命の重み
今を生きていく事
人を思う事
それらを逃げる事なく真正面から受け止め立ち向かう、時には死を恐れず戦い…
ご友人二人とそのお子さん、他にもいっぱいの命を助けて来られました。
私だったら出来ない。
私は今、目の前にいる我が子さえ幸せにしているか…反省しました。


Agegaさん、何年かかってもいいです。
どうか最後まで伝えてください。
それがあなたの使命の一つでもあると思います。
そして後悔はしないでください。書く事で後悔は「希望」「気付き」に変わるのではと思います。
だって私が読んでいて、子供にはこうしてあげよう、とか
私のしてきた事の浅はかさに気付いたり
読み手に大きなメッセージ与えているのですから。
私みたいに読んで救われる方は絶対いると思います。
だから、書く事でAgegaさん自身も消化していって欲しいです。
Agegaさんが後悔されてきた事、あの時もし私がああしていれば…
などとどうかご自分を責めないでください。
あなたは間違っていない。誰もあなたを責める人はいないはずです。
亡くなった命も、こうして書かれる事で生きた証となって生きると思います。だからもう、ご自分を責めないで。
どうか、たくさんの証を伝えてください、Agegaさん自身で。

偉そうにすみません。
でも、どうしても言いたくて…。

わんちゃん、大変ですね。私も犬を飼っていたので、辛さが身に染みます。

少しでもわんちゃんとの日々が明るく、長く続き、
Agegaさんにこれ以上悲しい事が起こりませんよう
どうか幸せになられますよう
心から祈ってます。

いつか本になって、手にとって読む事を心待ちに
気長に待ちます。
お体お気をつけて。


長々と大変失礼しました。

No.461

すみません🙇

訂正です🙇

460のレスは兼業主婦さんへのコメントになります🙇

どうぞ宜しくお願い致します🙇

No.460

>> 459 レスありがとうございます🙇✨

私自身、後悔の連続で正に今も新たな後悔と闘っています。

本当にこれで良かったのかな…とか正直今でも過去のことを考えては苦しむこともあります…😔

ですが専業主婦さんのレスを読んで私の経験が無駄ではなかったと言って頂けているようで気持ちが楽になりましたし本当に救われる思いです。

ありがとうございました🙇✨

現在も新たな命の形や闘いと向き合っていて…今正に勉強中です。

その命とはずっと私の支えになってくれていた子で物語にも登場する私の飼い犬です…

今月初めに癌による腫瘍破裂があり、緊急手術をしましたが余命は耳を疑う程短く……今正に二人三脚で癌と闘っています。

人間でも犬でも闘病は辛いもので…辛さにも様々なものがあります…

こうしてあげれば良かった等の後悔からくる辛さ、いなくなるのを覚悟しなければならない辛さ、私の身の上を身近で見て私のことをずっと支えてくれた唯一の支えを失う辛さ…

ただ飼っていたのではなく苦楽を共にしてきた唯一の存在でした。

私なんかにずっと寄り添い支えてくれた有り難さ…

今、私は自分に出来ることを精一杯して小さな小さな命を守る為だけに日々苦悩しています…。

今現在、私には家族がいますがその家族の中でも特別な存在です🙇

逝くのは見たくないです…でも今まで支えてもらいどんな時も一緒にいてくれたお返しを少しでもしたいので目を逸らさずに看取りたいと思います。

1日1日を大切にして数秒の表情も喜びも大事に過ごしていきたいと思います。

どんな命でも自分にとって掛け替えのない命は『今』大切にしなければ遅い、いつか亡くなる、本当に脆いものだと新たに感じさせられました。

いつかこの出来事も物語の続きに綴り、それを見て皆様が大切な方と向き合って、今を大切にして頂けたらな…と思います🙇

また続きを書いていきたいのでその時は見て頂きたいです。

どうぞ宜しくお願い致します🙇

  • << 462 457、459です。 Agegaさんへ 今、更新されてる第4章まで全部読みました。 なんとなく察しがつきますが、かなり続き気になって仕方ありません。 第1章を読んだ時、 どんだけ度胸あるコなんだと、感心と感動でいっぱいになりました。 第2、3章と、徹夜で読みました。途中、嗚咽を交え大泣きしました。Mちゃんの発見やSさんの所で。 こんな方だから、きっと今も何かと戦っているんじゃないかな、 そう思いました。 私がしてきた事は なんてちっぽけな事だろうと思いました。 Agegaさんには使命があるような気がします。 生きるとは 死ぬとは 命の重み 今を生きていく事 人を思う事 それらを逃げる事なく真正面から受け止め立ち向かう、時には死を恐れず戦い… ご友人二人とそのお子さん、他にもいっぱいの命を助けて来られました。 私だったら出来ない。 私は今、目の前にいる我が子さえ幸せにしているか…反省しました。 Agegaさん、何年かかってもいいです。 どうか最後まで伝えてください。 それがあなたの使命の一つでもあると思います。 そして後悔はしないでください。書く事で後悔は「希望」「気付き」に変わるのではと思います。 だって私が読んでいて、子供にはこうしてあげよう、とか 私のしてきた事の浅はかさに気付いたり 読み手に大きなメッセージ与えているのですから。 私みたいに読んで救われる方は絶対いると思います。 だから、書く事でAgegaさん自身も消化していって欲しいです。 Agegaさんが後悔されてきた事、あの時もし私がああしていれば… などとどうかご自分を責めないでください。 あなたは間違っていない。誰もあなたを責める人はいないはずです。 亡くなった命も、こうして書かれる事で生きた証となって生きると思います。だからもう、ご自分を責めないで。 どうか、たくさんの証を伝えてください、Agegaさん自身で。 偉そうにすみません。 でも、どうしても言いたくて…。 わんちゃん、大変ですね。私も犬を飼っていたので、辛さが身に染みます。 少しでもわんちゃんとの日々が明るく、長く続き、 Agegaさんにこれ以上悲しい事が起こりませんよう どうか幸せになられますよう 心から祈ってます。 いつか本になって、手にとって読む事を心待ちに 気長に待ちます。 お体お気をつけて。 長々と大変失礼しました。

No.459

457です。
Agehaさん✨
早速ありがとうございます!

Agehaさん、あなたのような方はなかなかおられません。
生きる勇気、真剣に生きる、今を生きるという事、
教えてくださって
ありがとうございます。

更新、なかなか大変だと思いますが
ご無理ないように😳
心からAgehaさんを応援してます。

No.458

>> 457 読んで頂きありがとうございます🙇

第2のURLはhttp://mikle.jp/thread/1378348/

第3はhttp://mikle.jp/thread/1383990/

第4から途中で中断してしまってますがhttp://mikle.jp/thread/1408928/

になります🙇✨

続けたい気持ちはありますが今現在は中断するしかない状況です⤵

またいつか書き始めたいと思ってますので気長にお待ち頂けたら幸いです🙇✨

どうぞ宜しくお願い致します🙇

No.457

Agehaさん 初めまして

今日一気に読ませて頂きました。一言では言い表せません。感動やいろいろ考えさせられました。

質問なのですが、
第2章以降が見当たりません。
タイトルを変えられたのでしょうか?

削除とかされてないですよね?
どうか第2、第3
タイトルもしくはURLを教えてください。

よろしくお願いしますm(__)m

No.456

皆様🙇お久しぶりです🐚

更新が止まってしまい申し訳ございません🙇

今まで何とか小説を書き続けてきましたが、先々の小説内容の登場人物に刑務所に入っている方がいます…。その都合上、小説が書き続けられないままでおります。

服役中であること…色々な事情があり、更新はまだ先になると思います🙇

ですので…

それまでまた他に小説を書き進めて行きたいと思っております🙇

もし宜しければ見て下さい🙇✨

更新が止まってしまい、又…先も書くことができず中途半端になり申し訳ございませんでした🙇

No.455

agehaさん、こんにちは。お元気でしょうか?ちょっと心配になったもので…。楽しみに気長に待ち続けています。

No.454

体調をひどく壊されてたのかと、本当に心配していました。
レスありがとうございます。
いつも、いつまでも楽しみにしているので、主様のペースで頑張って下さい。

No.453

>> 452 🐚専業主婦さん🐚

楽しみにして頂き本当にありがとうございます🙇🐚

このお話は、本当にあった話を書かせて頂いております為、先のお話を書くにあたり登場人物の方達の了承が必要なのですが、なかなか了承して頂けない現実もありなかなか先に進めないでおります🙇💦

私自身の体調不良の時期もありましたが、今現在は了承待ちをしています🙇

お待たせしてしまい申し訳ございませんが今後も気長にお待ち頂けたら…と思います🙇

どうぞ宜しくお願い致します🙇

No.452

こんばんは
いつも楽しみにしていました。
最近、なかなか更新やご返事が無く、体調など崩されてないか…
心配になってしまいます。
主様のペースで頑張って下さい。
いつまでも楽しみにゆっくり待っています。

No.451

>> 449 こちらこそ貴方や他の読み手の方々に不愉快な思いをさせてしまい、大変失礼しました。 この作品は大変興味深い内容で、主さんは力量のある方だと感… もう‼あんた、あちこちでケチつけまくりでイライラする。
何様❓

No.450

>>449


そうして下さい。

No.449

>> 448 こちらこそ貴方や他の読み手の方々に不愉快な思いをさせてしまい、大変失礼しました。

この作品は大変興味深い内容で、主さんは力量のある方だと感服したので
次々主さんの寛容に甘えて書き込んでしまいました。

私もしばらくはこちらでのレスを控えます。

  • << 451 もう‼あんた、あちこちでケチつけまくりでイライラする。 何様❓

No.448

>> 447 そうなんですよ

そこなんです

主でもないのに出過ぎるのは…と迷いました。実際
不快にさせて申し訳なかったです

ごめんなさいね
感想には思えなかったのです
感想だったのですね重ね重ね失礼しました

感想スレはすべての物語が完結したらたてると作者は言ってらっしゃいますよ

あなた様の感想には問いかけや意見(敢えて添削と申し上げました)が多く、書き手のがその質問に誠実に答えていると先の予想がつきかねる気もするんですよね…

作者なりに現在の時代に合わせわかりやすいように変えた部分など、あまりつつくと作風までも変わってしまいそうで不安にもなりました

感想スレができるまではこの残りのスペースは更新状況や新章についてなどお知らせいただきたいと思っていました

排除ではなく、今一度読者全体にもお心遣いいただき完結後の感想スレを一緒に待っていただけたらと考えます

個人的には『杉浦』の存在が気になっています(笑)

では私はそれまで失礼いたしますね

No.447

>> 445 感想ですからね 様々な意見がありますね 事実に基づいているとはいえ小説ですから人物描写はわかりやすいように印象的な部分を強く描くでしょう… ここの主さんは寛容な方で様々な意見や感想を受け付けていらっしゃいますし、
だからこそ私は率直な感想を書き込んでいます。

私の意見や感想は貴方にとって不愉快なのかもしれませんが、
「様々な感想があるから」とご自分でおっしゃっておきながら、
「そういうの必要なんでしょうかね(笑)」と私の感想を揶揄して暗に排除しようとするのは、矛盾ではありませんか?

貴方はここの主さんではないし、
この作品が私の小説でない様に、貴方の専有物でもないでしょう。

No.446

>> 445 秋扇公生さんのレス、私はうまく表現できない違和感を感じたのですが、445番さんの意見に近いなと感じました。

添削…なるほどです。
小説の専門学校の先生の上から目線状態?のような。。

No.445

>> 444 感想ですからね

様々な意見がありますね

事実に基づいているとはいえ小説ですから人物描写はわかりやすいように印象的な部分を強く描くでしょうし

そもそも人は相対する人によって『善』にも『悪』にもなりますし

全員が良識のある信頼に値する人物であることは現実世界でも有り得ませんよ
愛の形も様々ですよね

それに皆が同じ価値観で常識で感情より理性で動いている小説なんて読んだこともありませんが(笑)

あなた様の感想?は感想と言うより意見?と捉えたらよろしいんでしょうか?(敢えてケチとは申しません)
登場人物の人間性まで作者に言及してどうなさりたいのか

よくわかりません

まるで宿題の作文に添削しているみたいに感じます
そういうの必要なんでしょうかね?(笑)

  • << 447 ここの主さんは寛容な方で様々な意見や感想を受け付けていらっしゃいますし、 だからこそ私は率直な感想を書き込んでいます。 私の意見や感想は貴方にとって不愉快なのかもしれませんが、 「様々な感想があるから」とご自分でおっしゃっておきながら、 「そういうの必要なんでしょうかね(笑)」と私の感想を揶揄して暗に排除しようとするのは、矛盾ではありませんか? 貴方はここの主さんではないし、 この作品が私の小説でない様に、貴方の専有物でもないでしょう。

No.444

第4章の現時点での最後まで読みました。

第1章はそもそもが幼児期から中学生までの未熟な年代を描いており、
読み手としては肯定できない行動や心情描写も多々ありました。

しかし、章を追うに従って主さんの物の見方や事件への対応が成長し、
また、それを描く筆致も客観的になっていくので、どんどん物語に引き込まれました。

第3章の夫からのDVに心を荒み、ネグレクトに陥っていた若い母親が全うな母親に更正し、
夫との別れを選択する件は、無心に母親を慕い続ける幼女の愛らしさも相まって抵抗なく読み進められました。

一方、先輩ホステスさんのお話の方は、エピソード自体の残酷さもそうですが、
相手の男性との結び付きがどうしてもハッピーエンドに思えなくて、読み終わった後にもしこりが残りました。

この先輩と相手の男性は不倫に加えて、金銭目的の濃厚な関係だったわけですよね。

男性の妻は確かに悪辣な印象を受けますが、長年連れ添った妻をそんな醜悪な人格にしてしまう夫にも相応の非はあるはずで、
私は、この男性の夫として人間としての資質に強い疑問を覚えました。

そんな男性の語る愛が全幅の信頼に値すると思えません。

No.443

>> 442 アゲハチョウについてWikipediaを参照したら、確かに「鳳蝶」の綴りもありますね。
中国語でも同じ「鳳蝶」でアゲハチョウの意味だから、ここからの転用かも。

こちらの無知で重ね重ね失礼いたしました。

ところで「海蝶」の方はどういう蝶をイメージしていらっしゃるのですか?

青い羽のモルフォチョウを連想するのですが。

No.442

こんばんは🙇

登場人物の名前についてですが、アゲハに関しては『揚羽』という漢字の書きも勿論ありますが、『鳳蝶』と書きアゲハとも読みます🙇

秋扇公主さんがもしこのレスを見ておりましたら、『アゲハチョウ』‐wikipediaにて検索してみて下さい🙇

読みは揚羽以外にも鳳蝶と書いてアゲハとも読むようです🙇

当て字のようなもので読みにくいかもしれませんが…🙇

🐚姫さん🐚

小説を見て頂きありがとうございます🙇✨

今は更新をお休みしてますが、また再開致しますので今後も覗いてみて下さい🙇✨

ありがとうございました🙇✨

No.440

>> 439 そんなにケチつけられたら読み手の多くが萎えます

最初の疑問に答えてもらいましたよね?

あなたも小説書いてらっしゃるみたいですけど…

少なくともあなたの小説は多分夢中で読める気がしません

あなたのレスはもはや疑問と言うよりケチつけてるレベルですね

あなたの小説ではないのです

勘違いも甚だしくて不快です

No.438

>> 435 🐚秋扇公生さん🐚 Butterfly’s memoirの方のご質問のフォトショップの件、お答えしておりませんでした🙇 私が写真を現像した… フォトショップ自体がアングラというか、微妙に犯罪の匂いのする所の様ですね。

もしかすると、直子が入手した裕子さんの写真も、現像元はそこの店なのかな?

中学生の女の子のレイプ(まがい)や暴行現場の写真を平然と現像して手渡す店が存在することにゾッとします。

No.437

>> 436 🐚秋扇公生さん🐚

お返事ありがとうございます🙇

英俊の人間性ですが、医師=私生活でも優秀という訳ではないのが本音です🙇

確かに職業や育ちを見れば人間性も期待したい所ですが、職業や育ちと人間性は全くの別物で、人間には必ず裏がある…というのが今回英俊に感じたことでした🙇

英俊の場合、後程育ってきた環境についての描写もありますが、環境によってひねくれてしまった部分が多くある人物であることが分かってきます。大人になってからも性格や人間性はすぐには変えることが出来ず、海蝶との出会いによってやっと徐々に変化していきます🙇

今後も頑張りますのでこの先も是非見てみて下さい🙇✨

宜しくお願いします🙇🐚

No.436

>> 434 ご意見とご感想ありがとうございます🙇🐚 木蘭の涙の方の携帯電話に関しては、当時はかなり大きな自動車電話のようなものからNokiaという携帯… 反発覚悟でレスしましたが、丁寧な回答ありがとうございます。

確かに今では必需品になっている物が当たり前でなかった時代を
忠実に描くのは難しいですね。
私も今、それで苦労しています。

ただ、時代背景を現代に移し変えたとしても、
物語のリアリティにはもっと気を配っていただきたいし、
主さんはそれが出来る人だとも思います。

例えば、「木蘭の涙」に出てくる英俊は一人前に働いている医師という設定ですが、
台詞の口調を見る限り、こちらの話に出てくる不良少年たちとさして変わらない印象を受けます。

たとえ女性にだらしがなく身勝手な性格の設定であっても、
医師として働く男性であれば若くても既に二十代の後半であり、
職掌的にも年齢的にもある程度知性や品が無いとおかしいと思います。

批評がましいことを書き連ねましたが、
主さんの筆力と物語の展開には私も注目しておりますので、
これからも続けて下さい。

No.435

>> 433 先にも書かれた方がいましたが、 幼時の洗濯洗剤をお風呂に入れたりお線香に火を点けたりして 喜ばせるつもりのお母さんから拒絶される件は心が痛み… 🐚秋扇公生さん🐚

Butterfly’s memoirの方のご質問のフォトショップの件、お答えしておりませんでした🙇

私が写真を現像したフォトショップは智から聞いたフォトショップで、ブルセラ、風俗関係専門の写真をトリミングや現像、プリントしてくれると言われていたフォトショップです🙇

駅前と言っても風俗やホテル街に隣接しているフォトショップですので来る客層もかなり限られているお店だと思います🙇

また、小説に関してご意見やご質問あれば出来る限り迅速に返答致しますので今後もどうぞ宜しくお願いします🙇✨

  • << 438 フォトショップ自体がアングラというか、微妙に犯罪の匂いのする所の様ですね。 もしかすると、直子が入手した裕子さんの写真も、現像元はそこの店なのかな? 中学生の女の子のレイプ(まがい)や暴行現場の写真を平然と現像して手渡す店が存在することにゾッとします。

No.434

>> 433 ご意見とご感想ありがとうございます🙇🐚

木蘭の涙の方の携帯電話に関しては、当時はかなり大きな自動車電話のようなものからNokiaという携帯が出回り始めたくらいだったようで高価であり高い金銭を支払うものであったようです🙇

小説内では読みやすいように描写を変えさせて頂いています💡(当時の描写にしますと理解しにくい面や私自身も書きにくい面が多くある為、今現在の描写にて綴っております🙇)

Butterfly’s memoirの直子を不登校にまで追い込んだ裏には実はまだ続きがあり、第5章にて直子との再開の際に私がなぜそこまでしたのかがはっきりします🙇🐚

人間全ての行動には必ず理由があります。
今現在は、訳有り小説はお休みしておりますが、またこの先も是非読んで頂きたいと思っております🙇

またご感想等、ご意見もして下さい🙇✨

レスして頂きありがとうございました🙇🐚

  • << 436 反発覚悟でレスしましたが、丁寧な回答ありがとうございます。 確かに今では必需品になっている物が当たり前でなかった時代を 忠実に描くのは難しいですね。 私も今、それで苦労しています。 ただ、時代背景を現代に移し変えたとしても、 物語のリアリティにはもっと気を配っていただきたいし、 主さんはそれが出来る人だとも思います。 例えば、「木蘭の涙」に出てくる英俊は一人前に働いている医師という設定ですが、 台詞の口調を見る限り、こちらの話に出てくる不良少年たちとさして変わらない印象を受けます。 たとえ女性にだらしがなく身勝手な性格の設定であっても、 医師として働く男性であれば若くても既に二十代の後半であり、 職掌的にも年齢的にもある程度知性や品が無いとおかしいと思います。 批評がましいことを書き連ねましたが、 主さんの筆力と物語の展開には私も注目しておりますので、 これからも続けて下さい。

No.433

先にも書かれた方がいましたが、
幼時の洗濯洗剤をお風呂に入れたりお線香に火を点けたりして
喜ばせるつもりのお母さんから拒絶される件は心が痛みました
(後者は、一歩間違えれば火災に繋がるので致し方ない側面もありますが)。

ただ、親交のあった「お姉さん」こと鳳蝶が亡くなりその弟との交流が始まる辺りから、
いかにもステレオタイプなケータイ小説というか、ありきたりな不良少女物語になった感触が拭えませんでした。

不良仲間たちとの交流にしても、好意的に描かれた人たちと否定的に描かれた人たちで、
私には本質的に大差なく映りました。

親友を侮辱した女生徒に復讐し不登校に追い込む辺りなどは、
率直に言って、とても不愉快でした。
主さんは親友への義憤からの様に描いていますが、
当の親友からも明らかに望まれていないし、
倍返しにしている時点で、主さんも陥れた相手と同レベルというか、もっと悪辣です。

そもそも一般のフォトショップでは、露骨に性的、あるいは犯罪性のある写真は現像出来ないはずなので、
その点も引っ掛かりました。

  • << 435 🐚秋扇公生さん🐚 Butterfly’s memoirの方のご質問のフォトショップの件、お答えしておりませんでした🙇 私が写真を現像したフォトショップは智から聞いたフォトショップで、ブルセラ、風俗関係専門の写真をトリミングや現像、プリントしてくれると言われていたフォトショップです🙇 駅前と言っても風俗やホテル街に隣接しているフォトショップですので来る客層もかなり限られているお店だと思います🙇 また、小説に関してご意見やご質問あれば出来る限り迅速に返答致しますので今後もどうぞ宜しくお願いします🙇✨

No.432

初めまして。
主さんのお話はテンポが早く、読み手の興味を惹かせる書き方も心得ていらっしゃいますね。

「木蘭の涙」の方も読ませていただきましたが、向こうの方には書き込み出来ないのでこちらに書かせていただきます。

あちらは、こちらの前半に出てくる「お姉さん」の母親がヒロインとのことですが、
このお母さんは2010年現在で何歳位の年配を設定なのでしょうか?

40代後半から50代前半の人を想定しているとすれば、描写にかなり違和感があります。

まず、携帯電話が最初に登場したのは1987年前後で、
しかも当初はごく一部でしか使われず
当時の携帯電話はレンタル方式で通話料も高かったので、
貧乏な人には気軽に手を出せない高級品でした。

私はいわゆるアラサー世代ですが、
子供の頃(1980年代後半~1990年代前半)を思い出しても
携帯電話を持ち歩く大人は身近に殆どいませんでした。

また、登場時のヒロインがロングヘアを巻き髪にしているとありますが、
1980年代後半(バブル期)のロングヘアはストレートが主流なので、
今の様なロングの巻き髪は、当時はむしろ異様で格好悪い髪型になります。

No.431

>> 430 🐚通行人さん🐚

こちらこそ…読んで頂き、感謝してます🙇✨

本当にありがとうございます🙇✨

読んで頂いている皆様にも本当に感謝してます🙇✨

今、生活の中での変化があり、更新も遅くなってしまって皆様には申し訳ないです…⤵

状態が落ち着きましたらまた更新していきますので、少しの間待っていて下さい🙇✨

通行人さんもまたお気軽にレスして下さいね✨

小説に関して気付いた点やご意見や誤字の指摘…どんな小さなことでも構いませんので、私が気付かない点はどんどん教えて下さい🙇💡

今後もどうぞ宜しくお願いします☺✨

レスありがとうございました🙇🐚✨

No.430

>> 429 忙しい中、レスありがとうございます🙇

第1章しか読んでないくせに…と思われてしまうかもしれませんが、Agehaさんの人への思いやりや命を大切さを知っている所、少女なのに(…少女だから❓)凛とした強さを持っていて凄い人だと思って感動しました。

今の感情の波がおさまったら、続き読めると思います。読みたいです。←実はお気に入り登録はしています(笑)
並行して執筆されてる木蘭の涙が先行しそうです。
まだほんの初めを読んだだけですが、ぐいぐい引き込まれてます。
Agehaさんの小説に出会えて良かった✨

No.429

>> 428 🐚通行人さん🐚

Butterfly’s memoirを読んで頂き本当にありがとうございます🙇✨

この小説は、何もかも隠さず私の今までにあったことを包み隠さず綴ったものです🙇

もし…宜しければこの先も読んで頂けないでしょうか🙇❓

私にとっても私が今までに出逢った大切な人達にとってもそれが一番嬉しいことなんです🙇

私が出逢ってきた人達はもう亡くなってしまった方もいますが、本当に頑張って精一杯生きてきました🙇その命の弔いの為に書いたのも理由の1つです🙇

ですので…第2章も第3章もその先も是非読んで頂きたいです🙇

私は他の小説はあまり目を通す時間がなくて更新に全精力を注いでしまっているのですがQピーさんのレスを見て読んで下さったとのこと…新しい出逢いを運んできてくれたQピーさんに感謝致します🙇✨

本当にありがとうございました🙇✨

それと、誕生日のプレゼントとは程遠い物かもしれませんが、これからも更新頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします🙇

レス本当にありがとうございました🙇✨

No.428

>> 427 (続きです)
読みたいのに怖くて読めないんです😢根性無しですね⤵
私、携帯小説馬鹿にしてました。映画化されたもののあらすじを見ても、こんなんが小説になるんやぁ💨って思ってたし、ミクル内で小説と知らずにROMしたスレも❓って感じで、AgehaさんのButterfly~も、私の嫌いなアーティスト(笑)の曲なぞった、結婚についてのスレと勝手に決め付けてスルーしてました💦思い込みって視野とか世界を狭くしますね💦
ちゃんと読んで良かったです。

横レスになりますが
たまたまと書きましたが、読ませて頂くきっかけはQピーさんの別スレのレスを見たからです。なので伝わるかどうかわかりませんがきっかけを作ってもらってありがとうございます。

まだ、第1章を読んで感じた感情の波がおさまりません。これからも、がんばって下さい✨

あ、第1章のスレ日私のお誕生日でした☺当日に読み始めたらプレゼントみたいだったのになあ~と思いました。関係ない事すみません💦

No.427

はじめまして。今日たまたま、開いて一気に読みました。ところどころ自然に涙が出てきました。小説にもAgehaさんにも…なんて言ったらいいのか💦感動❓感銘❓とにかく凄いと感じました。多分、年齢も環境も中身も違ってるのに、登場人物の気持ちに入り込んでしまって、読み終えた今も、何かが心に残っています。
元々、入り込みやすく妄想癖があるのですが。
ただ、カズハさん、親友の裕子さん(間違っていたらごめんなさい💦)が傷つくのを見るのが怖くて怖くて、第2章にいけずにいます💧
(続きます)

No.426

>> 425 🐚クラウンさん🐚

Butterfly’s memoirを読んで頂きありがとうございます🙇✨

まだまだこれからの話しは長く、これから先の話しも結構辛い場面や修羅場があります🙇💦

最後の章にはこの小説を書こうと決めた理由や思いなども書き綴りたいと思ってます🙇🐚

完結まではまだまだかかるかもしれませんが頑張っていきたいと思ってますので今後も是非読んで頂けたらと思います🙇

それと、何か誤字とかお気づきになりましたら是非教えて下さい🙇💦

どうぞ宜しくお願いします🙇🐚

No.425

はじめまして💖
皆さんおっしゃってるように、とても表現力があって素晴らしい小説だと思います。

すっかりハマってしまい、続きが気になって仕方ないです😁💕笑

更新楽しみにしてます‼
頑張ってください💖

No.424

>> 423 🐚くうさん🐚

Butterfly’s memoirを読んで頂きありがとうございます🙇🐚

最近、更新が区々になってしまい申し訳ないです🙇🐚

明日、更新致しますので今後とも宜しくお願い致します☺✨

レスありがとうございました🙇🐚

No.423

こんばんは。
とても続きが気になります😞

No.422

こんにちは

またまたお返事いただき、嬉しいです

今気づいたのですが…

一葉さん←は間違いですね?

agehaさんが正しいですよね?

名前間違うなんて
失礼ですね💦

ごめんなさい
m(_ _)m


『杉浦』が誰なのか、晃さんは何をして何を隠しているのか、ドキドキです。

楽しみにしています。

No.421

>> 420 🐚イチさん🐚

いえいえ☺

催促だとは感じてはおりませんでしたし、もし催促だとしても私は嬉しく感じます☺

小説を読んで頂いてるだけでも嬉しいですし、こうしてレスをして頂けることがまたまた凄く嬉しいんです☺

小説は8章完結の予定で、本当に一冊の本にできる程長いのですが、見守って頂けるとのこと本当に嬉しく思っております🙇✨

頑張ります☺

レスありがとうございました🙇🐚✨

No.420

一葉さま

辺レス、更新ありがとうございました。

8章まで続くんでしたよね?

もちろん
気長に待っております。

今回✏してしまったのは催促ではなく、本心から一葉さまのご体調を心配した為でした。

催促に感じさせ
本当にごめんなさい。


まだまだ
残暑厳しいですね。

私も今年は
ばててばっかりです💦

お体ご自愛ください。

私も頑張ってきます。

No.419

>> 418 🐚イチさん🐚

Butterfly’s memoirを読んで頂きありがとうございます🙇🐚

本当に最近暑くて頭がボーっとしっぱなしです🙇💦

また明日からは更新していきますので是非今後も宜しくお願いします🙇✨

まだ先の長い小説になりますが最後まで見守って頂けたらと思います☺

読み手側様をお待たせしないように読み手側の立場になり更新頑張っていきたいと思います🙇✨

No.418

一葉さま

残暑厳しく暑い日が続きますが…お体おかわりないでしょうか?

更新もまめでな上、沢山のスレ。

読み手としては嬉しいですが、

お体等ご無理なさってないか、心配です。

どうか、ご無理されませんように

(^人^)

No.417

>> 415 🐚Qピーさん🐚 いつも読んで頂いてありがとうございます🙇✨ 本当に励みになります🙇✨ これからも更新頑張りますのでどうぞ宜しくお願いし… 本当にこれからも頑張って下さいね😊


Agehaさんは文才もあり、且つ文章間の間隔も程良く、長編小説でもとても読みやすく、内容も魅力的で読んでいて飽きません😊✨


次の章が早く読みたい✨と思ってしまいます😊


会話文も変に脚色がなく本当に自然な文章になっており、その光景が目に浮かび上がってくるようです😊


これからもAgehaさんの人生を読み、絵として見せて頂きたいと思っています😊


完結までは長い道のりだと思いますが、アリス様が言ったように更新力がある方ですので完結出来ると思っておりますし、応援しております😃


お身体に気をつけて頑張って下さい😊

No.416

>> 414 第三章完結おめでとうございます。       すばらしい内容とカズハさんの人生に魅入っている一人です(*^_^*)    更新力にも感服し… 🐚アリスさん🐚

初めまして🙇✨

私の小説を読んで頂いてありがとうございます🙇✨

レス頂き、励みになりました🙇✨

これからも更新頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします🙇🐚

ありがとうございました🙇✨

No.415

>> 413 第3章完結おめでとうございます✨ Agehaさんの小説はお題に添った流れで表現力もありやはり読み甲斐があります✨ 今後も読ませて頂き… 🐚Qピーさん🐚

いつも読んで頂いてありがとうございます🙇✨

本当に励みになります🙇✨

これからも更新頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします🙇🐚

  • << 417 本当にこれからも頑張って下さいね😊 Agehaさんは文才もあり、且つ文章間の間隔も程良く、長編小説でもとても読みやすく、内容も魅力的で読んでいて飽きません😊✨ 次の章が早く読みたい✨と思ってしまいます😊 会話文も変に脚色がなく本当に自然な文章になっており、その光景が目に浮かび上がってくるようです😊 これからもAgehaさんの人生を読み、絵として見せて頂きたいと思っています😊 完結までは長い道のりだと思いますが、アリス様が言ったように更新力がある方ですので完結出来ると思っておりますし、応援しております😃 お身体に気をつけて頑張って下さい😊

No.414

第三章完結おめでとうございます。       すばらしい内容とカズハさんの人生に魅入っている一人です(*^_^*)    更新力にも感服します。 これからも続いていくであろう章を楽しみに 待ってます昀

  • << 416 🐚アリスさん🐚 初めまして🙇✨ 私の小説を読んで頂いてありがとうございます🙇✨ レス頂き、励みになりました🙇✨ これからも更新頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします🙇🐚 ありがとうございました🙇✨

No.413

第3章完結おめでとうございます✨


Agehaさんの小説はお題に添った流れで表現力もありやはり読み甲斐があります✨


今後も読ませて頂きます😊


頑張って下さいね😊

  • << 415 🐚Qピーさん🐚 いつも読んで頂いてありがとうございます🙇✨ 本当に励みになります🙇✨ これからも更新頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします🙇🐚

No.412

>> 411 🐚ななこさん🐚

『butterfly’s memoir』を読んで頂きありがとうございます🙇✨

それと…嬉しいお言葉ありがとうございます🙇✨

人は、辛く苦しい経験をすればする程『人に優しくできる…』し『人のことを考えるようになり、考えられる人になる』んだと…思っています。

この物語を書いている私自身も辛く苦しい経験をし、色々なことを目で見て…その都度様々なことを学ばせて頂きました。

辛く苦しい経験からは逃げずに自ら経験すべきだと…思います。

人生や日々の生活に躓いても自分で立ち上がれるくらいの強さにもなります。

これから更新していくことも幸せなことより辛く厳しいことの方が多いかもしれません。

ですが、その分、幸せはその何倍にもなって返ってきます。

これからも頑張って更新していきますので見守っていて下さい🙇🐚

どうぞ宜しくお願い致します🙇🐚

No.411

カズハさんの性格にすっかり惚れている26歳の女です。こんな友達や家族を大切に思って行動できる方ってそういないです。本当にお会いしてみたい位。きっと魅力的な女性なんでしょう。
お忙しいと思いますが、小説の更新、毎日楽しみにしてます✨🐱応援しています🌼

No.410

>> 409 🐚マリッジブルーさん🐚

此方こそ、ご指摘頂き、助かりました🙇✨

今後も何か気づきましたら遠慮なく教えて下さい🙇🐚

更新も頑張っていきますので今後も覗いてみて下さい🙇✨

宜しくお願い致します🙇✨

No.409

>> 408 ご返答ありがとうございました🙇
唯一だったんですね😊
またこれからも更新楽しみに待ってます✨

No.408

>> 407 Butterfly's memoirを読んで頂きありがとうございます🙇✨

私自身も今気付きました🙇💦

携帯での変換の為、間違いだらけですみません🙇💦

正しくは『唯一』です🙇💦

更新することに意識が集中しすぎて漢字にまで気が向いてなかったです🙇💦

皆様すみません💦

正しくは『唯一』です🙇💦

マリッジブルーさん✨ありがとうございます🙇✨

No.407

最近見つけて読みました✨1つ質問なのですが度々出てくる《優位》とはどのような意味で使ってるのですか?携帯の辞典で調べてみたりしたのですがしっくりくる意味が出てこなかったので気になっています💦お時間ある時にでも教えていただけると嬉しいです😊

No.406

はじめまして⤴
初めから楽しく読ませて頂いてます⤴
ミクルって【不倫ネタ、離婚ネタ、下ネタonly、虐待ネタonly、私は昔軽かった、ヤリマンでした】系が大半で飽き飽きしてましたがあげはさんの小説は本当に小説らしく、わたくしも大好きです⤴
楽しみにこれからも読ませて頂きたいと思います⤴
別の携帯小説を扱っているサイトにも載せてみると良いですよ⤴
不倫、離婚、虐待のみとか夢物語恋愛小説は他サイトでは人気なしですし、ミクルでしか通用しないですがあげはさんの小説は大丈夫⤴
あげはさん⤴羽ばたいてみて⤴

No.405

>> 402 削除されたレス レスありがとうございます🙇🐚

『木蘭の涙…』
についてですが、
訳がありまして、
『Butterfly's memoir~第7章~』
に入るまでには完結させたいと思ってます🙇🐚

本で例えると…
『Butterfly's memoir』第1章~6章までが第1巻…
『木蘭の涙…』が第2巻…
『Butterfly's memoir』第7章~第8最終章が第3巻…

という形に仕上げたく思ってます🙇🐚

ですので『木蘭の涙…』は第6章が終わるまでに完結させるつもりなのでゆっくり更新して行くつもりです🙇🐚

本や原稿ではなく…携帯での更新の為、順序立てがなかなか難しくて🙇💦

読み難いとは思いますが、ご了承下さいませ🙇⤵

どうぞ宜しくお願いします🙇🐚

No.404

『Butterfly's memoir』をご覧頂きありがとうございます🙇🐚

『木蘭の涙~love is put from{Ageha}.~』
に関してですが…
訳あって
『Butterfly's memoir~第7章~』
までに完結させたく更新始めさせて頂きました🙇🐚

第7章内で…
『木蘭の涙…』
の種明かし的なシーンがあることに気づき、小説内の結末が分かってしまっては読み甲斐がない…と思い、考えた末に同時更新をして行くことに決めました🙇🐚

本当は…物語を1つにしたかったのですが、1つにするまでの時間は…残念ながらありませんでした🙇🐚

読み難いと思いますが、同時更新にて物語を綴って行きますのでどうぞ宜しくお願いします🙇🐚

No.403

>> 402 第3章も順調に更新してますよ☝


このお話し自体、第8章まであるらしいですから、主さんの何らかの考えの元で同時更新されているのではないでしょうか☝❓


何が残念なのか理解不能です。


同時更新が何故残念なのですか❓


あなた様のお考えよく分かりませんが、中途半端ではなく更新されてますよ。


小説を完結させず終わっている方をお探しになって、中途半端、残念ですとレスする場所を変えられた方が良いのではないですか❓


意味不なので削除に一票。


悪しからず☝

No.401

🐚お知らせです🐚

こんばんは🙇🐚

『Butterfly's memoir』
を読んで頂き有り難うございます🙇🐚

新たな小説として、
『木蘭の涙~love is put from{Ageha}.~』
を更新し始めました🙇🐚

鳳蝶と鳳蝶の母の日記を元にした物語になります。

鳳蝶の日記の詳細はこちらの
『木蘭の涙…』
より物語形式でお伝えして行くことにしました。

『Butterfly's memoir』と合わせて是非御覧になってみて下さい🙇🐚

どうぞ宜しくお願い致します🙇🐚

No.400

>> 399 Agehaさん✨最後まで頑張って下さいm(_ _)m


素人小説は、最後まで綴られず終わることの方が多い中、Agehaさんの〈最後まで綴り続ける〉との頑なな想いがどこから来るものなのか私は知りたいんです(^-^)


とても奥深く、気になります❗是非、教えて頂きたいですm(_ _)m✨✨✨✨✨


その想いは〈告白〉に込められているのではないかと思い、読させて頂いておりますm(_ _)m


最後まで頑張って下さいねm(_ _)m


応援してますから✨✨✨✨✨✨✨✨

No.399

>> 398 🐚Qピーさん🐚

長々とレスして頂きありがとうございました🙇🐚

最終回は…本当は書こうか迷ってます…😔

私自身…本当にこれで良いのか…❓と更新しながらも日々悩んでます😔

けれど…この物語を通じて伝えたいものは沢山あります🙇🐚

日々…葛藤してますが、大事な親友の為にも最後の『告白』まで綴るのを止めず、頑張りたいと思ってます🙇🐚

応援していて下さい🙇🐚

ありがとうございました🙇🐚

No.398

先程の文章を一部訂正致しますm(_ _)m


現実にない人間像や世界を綴っても構いませんが、その場合は〈現実との混合〉は避けた方が良いと云うことですm(_ _)m

例えば、〈ハリーポッター〉シリーズで例えれば主旨はしっかりしており、尚且つ〈現実離れした空間〉が実にリアルに表現されておりますね✨✨✨✨✨


現実にない物や人物を描くのであれば〈独特な世界観〉がなければならないと云うことですm(_ _)m


訂正分、失礼致しましたm(_ _)m

No.397

>> 393 🐚Qピーさん🐚 お返事遅れてしまいすみませんでした。 第2章、3章共に拝見して頂きありがとうございます🙇 これからも更新頑張りますので… 小説として出版されたり、漫画やドラマ化されるには文章を通じて〈何か〉を確実に伝える力と訴える力が無ければいけないんですね💡💡💡


Agehaさんの小説は伝える力と訴える力がありました✨✨✨


最後まで目を通してみなければ分かりませんが、私や同社員の心が満たされ動くような最終回であれば、改めてお声をお掛けしたいと思っております(^_^)


人間の人生は山あり谷あり・・・その中で人に教え、学べるものが無ければなりません(^_^)


これからもAgehaさんの人生を通じ世の中の大切なことや現実を教えて下さい(^-^)

長々とレスしてしまいましたが、今後も楽しみにしてます✨✨✨✨✨


お身体に気を付けて執筆頑張って下さい(^-^)

No.396

>> 393 🐚Qピーさん🐚 お返事遅れてしまいすみませんでした。 第2章、3章共に拝見して頂きありがとうございます🙇 これからも更新頑張りますので… 他サイト小説やこのサイト内の小説は普段から目を通してますが、恋愛物含め現時点で最終回まで楽しめる小説は有りませんでした😥😥😥😥😥


なかなか良い物、文章を通じて学べる物はないのが本音なんですね😥😥😥😥😥


現に、恋愛物なんかは〈こんな馬鹿馬鹿しい展開が現実に起こるはずがない〉と云うような内容に流れてきてますね💨💨💨💨💨


現実には起こり得ない、存在しない男性像を綴っても意味はないんです😥😥😥😥😥


それに気付かず綴り続け、漫画化すれば、ドラマ化すればと現実を見失っている方も多数おります😥😥😥😥😥


レス続きます📩

No.395

>> 393 🐚Qピーさん🐚 お返事遅れてしまいすみませんでした。 第2章、3章共に拝見して頂きありがとうございます🙇 これからも更新頑張りますので… 素人小説の場合、話しを面白くしようと努め過ぎて〈剣〉を大きくし過ぎてしまい〈サヤ〉に収まらなくなる現状が結構起きます💨💨💨


要するに中途を挙げ過ぎたがために、最終回が呆気ない場合、又は〈何だこの最後は〉と云う場合や〈中途があれなのに最終回はこれか〉と云う場合が多いんですね😥😥😥😥😥😥


殆どの小説はそうです😥😥😥


〈サヤ〉つまりは最終回が一番重要だと云うことです(^_^)


レス続きます📩

No.394

>> 393 忙しい中🏃お返事ありがとうございます✨✨✨


Agehaさんのお話しはフィクション特有の無駄な脚色がなくて現実世界の中身のある内容且つ勉強にもなりますし本当にいい小説だと思います✨✨✨


(^O^)告白についてもどのような最終回になるのか本当に楽しみでなりません✨✨✨


私の本職は出版関係なのですが、どのような最終回になるのか、私含め楽しみにしている人間が多数おります✨✨✨


レス続きます📩

No.393

>> 392 🐚Qピーさん🐚

お返事遅れてしまいすみませんでした。

第2章、3章共に拝見して頂きありがとうございます🙇

これからも更新頑張りますので今後も是非覗いてみてください🙇

ありがとうございました🙇

  • << 395 素人小説の場合、話しを面白くしようと努め過ぎて〈剣〉を大きくし過ぎてしまい〈サヤ〉に収まらなくなる現状が結構起きます💨💨💨 要するに中途を挙げ過ぎたがために、最終回が呆気ない場合、又は〈何だこの最後は〉と云う場合や〈中途があれなのに最終回はこれか〉と云う場合が多いんですね😥😥😥😥😥😥 殆どの小説はそうです😥😥😥 〈サヤ〉つまりは最終回が一番重要だと云うことです(^_^) レス続きます📩
  • << 396 他サイト小説やこのサイト内の小説は普段から目を通してますが、恋愛物含め現時点で最終回まで楽しめる小説は有りませんでした😥😥😥😥😥 なかなか良い物、文章を通じて学べる物はないのが本音なんですね😥😥😥😥😥 現に、恋愛物なんかは〈こんな馬鹿馬鹿しい展開が現実に起こるはずがない〉と云うような内容に流れてきてますね💨💨💨💨💨 現実には起こり得ない、存在しない男性像を綴っても意味はないんです😥😥😥😥😥 それに気付かず綴り続け、漫画化すれば、ドラマ化すればと現実を見失っている方も多数おります😥😥😥😥😥 レス続きます📩
  • << 397 小説として出版されたり、漫画やドラマ化されるには文章を通じて〈何か〉を確実に伝える力と訴える力が無ければいけないんですね💡💡💡 Agehaさんの小説は伝える力と訴える力がありました✨✨✨ 最後まで目を通してみなければ分かりませんが、私や同社員の心が満たされ動くような最終回であれば、改めてお声をお掛けしたいと思っております(^_^) 人間の人生は山あり谷あり・・・その中で人に教え、学べるものが無ければなりません(^_^) これからもAgehaさんの人生を通じ世の中の大切なことや現実を教えて下さい(^-^) 長々とレスしてしまいましたが、今後も楽しみにしてます✨✨✨✨✨ お身体に気を付けて執筆頑張って下さい(^-^)

No.392

第2章✨読ませて頂きました✨
今、第3章を読んでます✨


続きがかなり気になります😭子供の悲痛な声…😢涙しました😭


続き楽しみにしてます😭

No.391

>> 390 ご心配おかけしてしまいすみませんでした🙇🐚

この物語は最後まで綴り続ける…と固く心に決めておりますのでどんなことがあっても最後の最後まで更新致します🙇

感想スレに関してですが、よく考えた末、全て綴り終えたら…スレ作成することに決めました。

この物語は全8章の構成になってます。

全て綴り終えましたら必ず感想スレ作成致しますので最後まで見守っていて下さい🙇

どうぞ宜しくお願い致します🙇🐚

No.390

こんにちは✨


第2章も楽しみ😍に拝見させて頂いてます✨


途中、荒らし🌀が入り大変でしたね😣


更新が止まってしまわないか心配です😣⤵


荒らし🌀なんか気にしないで頑張って💪下さい❗


感想スレが出来たら、必ず行かせて頂きます❗


本当に心から応援してます😍❗

No.389

>> 388 私の物語を最後まで見て頂きありがとうございました🐚

第2章でも様々な葛藤をし悩んだり喜んだり…『喜怒哀楽』全て盛り込まれています。

是非、覗いてみてください。

ありがとうございました🙇🐚

No.388

初めまして✨


最後まで読ませて頂きました💡


久しぶりに小説を見て泣きました😭💡


最近では、官能的な小説や下系、恋愛のみの小説ばかりの中本当に楽しく読んで、感動もさせて頂きました😭💡


出版したらいいのに💡ドラマや映画でやって欲しい💡と思いました💡


第2章も本当に本当に楽しみにしてます✨


頑張って💪下さい✨

No.387

>> 383 すごく考えさせられるお話でした。 カズハちゃんのまっすぐさ純粋さが羨ましいです。 第二章も楽しみにしております。 頑張って下さい👍 お話を最後まで読んで頂きありがとうございました🐚

第2章では…純粋とは違い、純粋さや子供っぽさが壊されていくのと近いお話になります。

子供から大人になる為に通る道の途中のお話で『痛い思い』も多々していきます。

『痛い思い』をしなければ大人にはなれないんだな…と思わされた時期でした。

また更新頑張っていきますのでどうぞ覗いてみてください。

ありがとうございました🙇🐚

No.386

>> 382 私も読ませて頂きました。 担任の先生とのやりとりや、田中くんの件では思わず涙が出ました。 第二段、楽しみに待ってます😃 最後まで読んで頂きありがとうございます🐚

浩輔の件は…本当は未だに後悔していることの1つです。

なんで死に急いでしまったのか…そう思うと悔しくて悔しくて…涙が出ます。

でも、浩輔の分も精一杯生きよう、どんなことからも逃げないで全力で頑張ってみよう…と日々思っています。

第2章でも学んだことは沢山ありましたが、また更新していきますので今後も是非覗いてみてください。

ありがとうございました🙇🐚

No.385

>> 381 最初から楽しませてもらってます。 更新がとても早く、 お体心配してしまいます。 次も絶対読みますので ご自分のペースで頑張ってください。 … 私のお話を最後まで読んで頂きありがとうございます🐚

子供は何も考えていないようでも大人が思っている以上に優しく、純粋だと私は思います🐚

大人が怒るようなことでも子供は多分…殆どが悪気があってやっているのではなく大好きなお母さんやお父さんの為にやっていたり、ただ好奇心からやってしまったり…。

子供は大人が思っている以上に純粋だということだと思います。

きっと娘さんも小さい頭で必死に考えてるんだと思います🐚

娘さんを大切にしてあげて下さい🐚

また、第2章もどうぞ覗いてみてください。

ありがとうございました🙇🐚

No.384

>> 380 ずっと拝見させていただいております🙇 暑い日がつづきますね☀どうぞ体調に気をつけてお過ごし下さいね😉 第2章心待ちにしています✨ 私の物語を最後まで読んで頂きありがとうございます🐚

なるべく早く第2章を書き綴っていきたいと思ってます🐚

第1章に続き、私の人生の中で目に見える変化のある大事な時期のお話です。

また、今後も是非、覗いてみてください。

ありがとうございました🙇🐚

No.383

すごく考えさせられるお話でした。
カズハちゃんのまっすぐさ純粋さが羨ましいです。

第二章も楽しみにしております。
頑張って下さい👍

  • << 387 お話を最後まで読んで頂きありがとうございました🐚 第2章では…純粋とは違い、純粋さや子供っぽさが壊されていくのと近いお話になります。 子供から大人になる為に通る道の途中のお話で『痛い思い』も多々していきます。 『痛い思い』をしなければ大人にはなれないんだな…と思わされた時期でした。 また更新頑張っていきますのでどうぞ覗いてみてください。 ありがとうございました🙇🐚

No.382

私も読ませて頂きました。

担任の先生とのやりとりや、田中くんの件では思わず涙が出ました。

第二段、楽しみに待ってます😃

  • << 386 最後まで読んで頂きありがとうございます🐚 浩輔の件は…本当は未だに後悔していることの1つです。 なんで死に急いでしまったのか…そう思うと悔しくて悔しくて…涙が出ます。 でも、浩輔の分も精一杯生きよう、どんなことからも逃げないで全力で頑張ってみよう…と日々思っています。 第2章でも学んだことは沢山ありましたが、また更新していきますので今後も是非覗いてみてください。 ありがとうございました🙇🐚

No.381

最初から楽しませてもらってます。

更新がとても早く、
お体心配してしまいます。
次も絶対読みますので
ご自分のペースで頑張ってください。

お母さんが大好きで
喜ばせたかった
泡風呂事件。とても身にしみました。

私にも娘がおりますが、突拍子もない事をやらかす娘です。

一葉さんの気持ち同様に、私を喜ばせたかったのかと、重なる気持ちがありました。

気づかせていただき、
ありがとうございました。

更新楽しみにしております❤

  • << 385 私のお話を最後まで読んで頂きありがとうございます🐚 子供は何も考えていないようでも大人が思っている以上に優しく、純粋だと私は思います🐚 大人が怒るようなことでも子供は多分…殆どが悪気があってやっているのではなく大好きなお母さんやお父さんの為にやっていたり、ただ好奇心からやってしまったり…。 子供は大人が思っている以上に純粋だということだと思います。 きっと娘さんも小さい頭で必死に考えてるんだと思います🐚 娘さんを大切にしてあげて下さい🐚 また、第2章もどうぞ覗いてみてください。 ありがとうございました🙇🐚

No.380

ずっと拝見させていただいております🙇
暑い日がつづきますね☀どうぞ体調に気をつけてお過ごし下さいね😉
第2章心待ちにしています✨

  • << 384 私の物語を最後まで読んで頂きありがとうございます🐚 なるべく早く第2章を書き綴っていきたいと思ってます🐚 第1章に続き、私の人生の中で目に見える変化のある大事な時期のお話です。 また、今後も是非、覗いてみてください。 ありがとうございました🙇🐚

No.379

>> 378 ありがとうございます🙇💡

少し休んだら第2章も書き綴りたいと思ってます。

今後も是非、覗いてみてください。

私も精一杯、皆様が読みやすいようにゆっくり整理しながら更新していきたいと思います。

第1章を最後まで読んで頂き、ありがとうございました🐚

No.378

楽しみに読んでます😍✨

No.377

>> 376 初めまして🙇

こんなに早く感想が頂けるとは思っていなくて、本当にとても嬉しいです☺

第2章も、本当に波瀾万丈で…本当に書きたいことだらけで今は今までの人生と頭の整理で一杯一杯になってます。

私の『今までのこと』を綴るのにあまり時間をかけたくなく、早く更新、更新、してしまっています。

更新を急いでしまい誤字脱字も多々あると思いますが、今後とも是非、覗いてみてください。

読んで頂いて…本当にありがとうございました🙇🐚

No.376

はじめまして😃❤


すごく感慨深いお話でした✨私とゎ全く違う生活、環境を生きてこられた主さん☺🎀


沢山つらい思いをされたんですね😢💦でも…沢山大切なものを見つけて芯のある強い女の子になって行きましたね🌱



更新も早くとても読みやすかったです☺🍒



続きも楽しみにしていますので、無理せずマイペースに更新して下さい💕


第一章お疲れサマでした😃🎀

No.375

悩んだ末に決めた題名は『階段』でした。

私の場合、周りとは違いとても急いで駆け上がってしまった…とも思いますが大切な人達に支えられ、大事なことを学び、私のことを支え続けてくれた全ての方にとても感謝をしています。

次の第2章では高校時代の話しがメインになりますが、この高校生活でも本当に様々な出来事があり、また色々なことを学んで行くことになります。

是非、この先も覗いてみてください。

このお話には最後にとても大切な『告白』があります。

どうぞ、見守っていて下さい。


🐚ageha↔松岡一葉🐚

No.374

🐚第1章を終えてみて…🐚


私の物語を読んで頂き、本当にありがとうございます。

この第1章を綴るに当たって、この章だけ書き終わる最後の最後まで題名が浮かびませんでした。

幼少期から中学卒業までの話、子供から少しずつ色々なことを学び大人になっていったとても大事な時期なだけに、題を決めるのはとても難しかったです。

No.373

それは…

お決まりかもしれないが(笑)

『一輝が来てくれたこと…』

この日は本当に何度泣いたか分からない。

けど…

その涙は全て

『嬉しい涙』

私は
大好きな一輝と
大親友の裕子と
親友の大事な彼悠太先輩と
久しぶりに楽しく過ごした。

このとてもお目出度い日から約3ヵ月後…
とても嬉しい知らせが届く…。


それは、

『Butterfly's memoir~第2章~』

にて…。

『Butterfly's memoir~第1章 階段~ 完』

No.372

この中学3年間は私にとって人生で大切な時間を過ごし、大切なことを学んだ3年間だった。

勿論、辛い時も苦しい時も本当にたくさんあったけど、この3年間があったからこそ私は少し強くなれた気がする。

色々な出会いと別れがあり、悩んだこともあったけどその1つ1つが今でも私の宝物。

まだ肌寒い風を感じながら、高校生活も頑張るぞって思った。

そう言えば…

卒業の日…もう1つ嬉しいサプライズがあった…。

No.371

教室へ戻り、菅谷の最後の授業…

菅谷は私達1人1人に手紙をくれた。

手紙を読みながらみんな涙を流した。

菅谷の手紙には…

こんなにしっかり見ていてくれたんだ…と思うような私達の色々な様子が日記のように書き綴られ、その1つ1つに菅谷からの言葉が書いてあった。

『先生』って凄いな…と思った。

見ていないようでちゃんと見てる…。

菅谷はきっといい先生になる…。

私は手紙を読みながら『私の担任になってくれてありがとう』と心から思った。

No.370

受験の後はあっという間に時が過ぎた…


そして…あっという間に卒業の日になり…

私は制服姿を鏡で見ながら

『この制服を着るのもこれで最後か』

としみじみしていた。

裕子と学校へ通うのもこれが最後…

なんだか寂しくなった。

学校へ着くと『卒業おめでとう』と書かれた花をつけてくれた。

後から来た親が写真をバチバチ撮りまくっていた。

体育館で校歌を歌い、卒業証書を受け取った。

卒業証書授与では…

浩輔の名前も呼ばれ、浩輔の代わりに浩輔の親友だった三上君が受け取った。

浩輔のお父さんとお母さんが泣いている声が微かに聞こえた…。

No.369

浩輔が受けた学校につき、裕子と一緒に見に行った。


『…浩輔の番号があった…』


その瞬間…
私と裕子の目から涙が溢れた。


浩輔…馬鹿じゃん…名前あんじゃん…


それを聞いた裕子も…


本当…馬鹿だね…あいつ…


そう一言いった。

その足で浩輔の家に向かい、浩輔のお母さん、お父さん、お姉さんに『合格』していたことを伝えた。

お母さんとお父さんは何も言わず浩輔の受験票を握り締めて泣いた。

お姉さんはお母さんの肩に手をあてて


浩輔…やったね。やっぱりあの子はお母さんとお父さんの子だね…。やる時はやるんだよ…。

だって…私の弟だもん…。


…と鼻を啜りながら言った…。

『人生、どんなに辛くても最後まで諦めちゃいけない、逃げちゃいけない。』

浩輔には教えられることばかりだった。


浩輔、受験合格、おめでとう…。



この後、浩輔の家で裕子と私、悠太先輩とでお寿司をご馳走になった。

勿論、浩輔のお祝いも含め、私達の新しい出発を祝って…。

No.368

裕子…大丈夫❓


全然大丈夫‼自己採点した時から覚悟してたし。私、どうしてもこの高校入りたいから、来年から予備校に行くよ💡


そう言い、私の手を引き悠太先輩の車へ戻った。

裕子は『スッキリした』といい、悠太先輩は『やっぱりな(笑)まっ次があるよ』と裕子と笑っていた。

そして裕子が悠太先輩に言った。


ごめん‼もう一個行きたい場所があるんだけどいい❓


おお😃いいよ。で❓どこ❓


裕子が私を見た。

裕子に促されるように私は答えた。


○○高校…。


それは…浩輔が受験を受けた学校だった。

実は…浩輔の家にお葬式に行った日の帰り道、浩輔のお姉さんが追ってきて


私達の代わりに、浩輔の受験発表見てきて欲しいの。迷惑かも…と思ったんだけどお願いできるかな…❓


と浩輔の受験票を私に渡した。

私は快く申し出を受けた。

No.367

浩輔のお葬式も終わり、いつもの日々が戻ってきた。

『いつも』と違うのは『浩輔がいないこと』だった。

隣の席にいつも当たり前のようにいたから暫くはいない状態に慣れなかった。

そんな中、合格発表の日になった。

私と裕子は待ち合わせをし、また悠太先輩に送ってもらった。

受験発表会場にはたくさんの人だかりが出来ていて、近づく度に心臓の鼓動は激しくなった。

たくさんの人を掻き分け、私も裕子も必死に自分の番号を探した…。


『あった…』


私の番号があった…何度も何度も確認しその度に笑みがこぼれた。


裕子‼うちのあったよ‼番号あった‼


それを聞いた裕子は笑顔で『おめでとう』と言ってくれた。

その言葉に続かせるように


私のはなかったよ。


と言った。


嘘⁉ちょっと…ちょっと貸して‼


そう言い裕子から受験票を奪うように取ると人を掻き分け必死に探した。

でも……いくら探しても裕子の番号はなかった。

No.366

あの時…裕子がいなかったら浩輔を無視した罪悪感から…もしかしたら私も後を追ってしまっていたかもしれない。

それだけ浩輔の件は辛かったし影響力は大きかった。

浩輔のことが今でも教訓になっている。

自分の中で『どんなに大したことない』と感じても相手にとっては『重大なこと』かもしれない。

私は『どんなことでも親身になり、相手の立場になること』そして…『どんなに忙しくても時間は作ること』をするようになった。

これは浩輔が死をもって私に教えてくれたこと。

浩輔のお墓参りも近々必ず行こうと思います。

浩輔、待っててね。

No.365

私は、帰り際…浩輔のお母さんの所へ行き、浩輔から電話をもらったこと…浩輔の話しを無視してしまったこと…全てを話し、泣きながら手をついて謝った。

浩輔のお母さんは


ごめんなさい。松岡さんのせいじゃないから。悪いのは私達親です。辛い思いさせて…ご迷惑をおかけして…本当に本当にごめんなさい。


そう行って泣きながら抱きしめてくれた。

帰る時、お母さんとお姉さんは


『ありがとう。』


と一言いい深々と頭を下げた…。

浩輔の家からの帰り道…私と裕子は幼稚園児のように手を繋いで帰った。

人の死を身近で感じたせいか、私も裕子も喪失感を抱き心細くなっていたのかもしれない。

人がいなくなることへの喪失感は人が埋めてくれる…人でしか埋められない。

この時、手を繋ぎながら『裕子がいてくれて本当に良かった』と心から思った。

私は裕子に救われた。

No.364

たかが『受験』と思う人もいるだろう…

けれど、『受験』を経験したことがある人ならみんな分かるはず…

『受験』は人生で初めての勝負だということ。

負けたら…泣いたり、落ち込んだり、時には浩輔のような道を選んでしまう人もいるくらい人生で一番の難関だということ…。

浩輔のように遊びもせず、真面目に頑張ってきた人間にとって『落ちること』はかなりショックだったと思う…。

それに加えて…親からの冷たい仕打ち…。

浩輔の気持ちを思うと…『何故あの時、話しだけでも聞いてあげられなかったのか』と自分を責めた。

私が少しでも話しを聞いてあげていたら浩輔の人生も少しは変わっていたかもしれない。

死ぬことだけは免れたかもしれない。

浩輔は最後の最後に私に電話してきたことが自殺した日にちからも分かる…。

浩輔を死に追いやったのは家族だけじゃない…『私も同罪』そう思った。

No.363

田中の家はしつけに厳しく、勿論、成績にも厳しい。田中のお姉さんはかなり頭の良い有名な高校に入り、大学も有名な大学に進学していた。
親は勿論、浩輔にも期待し、姉と同じエリートコースを受験させた。
浩輔は普段からかなりの期待を背負い、かなりのプレッシャーを受けていた。
受験日当日、浩輔は自己採点で合格ラインには達していないことに気づき、父に何時間も怒鳴られ説教を受けたという。
それから暫く塞ぎ込んでいたが、父から浪人しろと言われ、また部屋に閉じこもった。そして…浩輔が亡くなった日…なかなか出てこない浩輔を心配した母親が浩輔の部屋に入ると、二段ベッドの手すりに縄跳びで首をつっている浩輔を発見したらしい…。発見した時には既に息はなく、手遅れだった。遺書には『お父さん、お母さん、ごめんなさい。』と一言だけ書かれていたらしい…。

お姉さんの話しを聞きながら…私達は涙を流した。

No.362

私達親は…親失格です……息子を死に追いやったのは……私達です…。私達は……息子に…息子に…厳しくしすぎてしまいました…。そして…………これからだって言う息子の人生を……息子の人生を……

……………

…お父さんは、このまま暫く話せなくなってしまった…。。。

目頭にハンカチを当て…声をあげて泣いていた。

私は、この時初めて大人の男の人がわんわん泣く姿を見た…。

同じ年くらいであろう自分の父と田中のお父さんの姿が重なり、涙が止まらなくなった。


この後、話せなくなってしまったお父さんの代わりにお姉さんが来て、全ての詳細を詳しく話してくれた…。

No.361

…今日は…息子の為に…足を…運んで頂き……ありがとうございました。息子は……息子は…。息子は…自分の部屋で……首を吊って……死んでいました……。


その瞬間…田中のお母さんが泣き崩れた………。

お姉さんがお母さんを支え、廊下を歩いて別室へ移動した…。

お母さんの泣き声が響く中…お父さんが話しを続けた…。

No.360

葬式当日…田中の家に向かった。

田中の家は古びた日本風の家で庭には松の木が数本植えられていた。

玄関で名前を記入し、母から持たせられた香典を渡した。

中身は『3千円』…。

それを見て…『命って安いな』…そう思った。

中に入るとお坊さんが仏壇の前に座りお経をよんでいた。

菅谷に言われ入った順番に座っていった。

お経をよみおわると…

田中の親とお姉さんが出てきた。

そして、ハンカチで目頭をおさえながら田中のお父さんが話しを始めた…。

No.359

詳しい詳細は一切伝えられず…私達は体育館を後にした…。

教室へつくなり、菅谷が話し始める…。


明後日、うちのクラスのみ田中の葬式に参列することになった。服装はいつも通り制服に着替えて、朝8時30分に正門前に集合してくれ。時間厳守だからな‼
以上。


それだけを言うと教室を出ていった。

田中の机には誰が飾ったのかは分からないがいつの間にか花が飾られていた…。

その日、暫くは田中の話しで持ちきりになったが、帰宅する頃には誰も話しをしなくなっていた。

No.358

おはようございます。いきなりでびっくりされたと思いますが、今日は皆さんに大事なお話しがあり、こうして体育館に集まって貰いました。


そう言うと校長先生は咳払いをしながらまた話し始めた。


えー…皆さんにも落ち着いて聞いてほしいと思います。…悲しいお知らせになってしまいますが…○組の『田中浩輔』君が昨夜自宅で亡くなりました。田中君のご冥福をお祈りして3分間の黙祷を捧げたいと思います。


そう言うと、教頭先生が『黙祷ー』とマイクごしに言った…

シーンと静まり返る中黙祷をする生徒…

私は…

その様子をずっと見ていた。

『黙祷…❓田中が死んだ❓…なんで❓』

それと同時に湧いてきた思い…

『私のせい…❓』

…そんなことをずっと考えていた。

No.357

菅谷は教室へ入ってくるなり、


黙って体育館へ移動しろー。急げー。


と言ってきた。

少しざわつきながらも廊下へ並び体育館へ足早に向かう。

体育館へ行くと3年のみ全てのクラスが集められていた。

いきなりのことで体育館もざわめいている。

体育館のドアやカーテンが閉められ、何故か校長先生が前に出てきた。

それを見てまたざわつく体育館。

教頭先生が


静かにして下さい。


とマイクごしに制止した。

みんなが静まった所で校長先生が話しを始めた…。

No.356

休みが終わり、学校への登校日…いつもと変わらず裕子と学校へ行った。

いつもと変わらない教室…

ただ、前のような冷たい視線は感じなかったし、数人のクラスメイトが

『おはよう。』

と話しかけてくれた。

裕子と私に対してのイジメは無くなっていた。

そんなクラスメイトを『調子いいな…』と思いながらも

『おはよ。』

と挨拶をし、私と裕子は席についた。

始業時間のチャイムが鳴り、みんな急いで席についた。

ふと…隣を見ると学校を休んだことのない田中浩輔がいなかった。

でも、特に気にするでもなく菅谷がくるのを待った。

だが、この日、菅谷もなかなか教室には現れず、菅谷が来たのは1時間目に入ってからだった…。

No.355

次の日…母に起こされて目を覚ました。


カズハ‼田中君から電話‼早く起きなさい‼


『……田中❓誰だそれ……』

無理やり起こされ、機嫌が悪い状態で電話に出た。


はい。


あっ…松岡❓俺…分かる❓


…。あのすみませんけど分かりません。


あっ…同じクラスの“田中浩輔”だけど…。


『田中浩輔』それは私の隣の席の奴で学級委員をしていたかなり真面目な印象がある人だった。


あっ。分かる。で❓何❓


…💦あの、ちょっと…話したいことっていうか…相談があるんだけど今日会えないかな💦❓


は❓なんで私❓


……松岡になら相談出来るかな…と思って。


私はその時、『別に大したことはないだろう』『特に友達でもない奴に相談することだし』そう思ったことと、カラオケで夜遅い時間まで騒いだことと毎日の受験勉強でかなりの寝不足で即答で断った。

浩輔は


寝てる所起こしてごめん。


それだけ言うと電話を切った…。

No.354

受験する学校は第1、第2志望共に裕子も同じ。

受験日当日は悠太先輩に車で送ってもらった。


カズハ…まじ緊張するね。


うん…。けど絶対受かってまた2人で学校通おうね☺


うん☺


私と裕子はこれから始まるであろう高校生活に夢を膨らませていた。

無事面接も終わり裕子と2人で悠太先輩が迎えにくるのを待つ…

すると裕子が不安そうに話しかけてきた。


カズハ❓テストどうだった…❓


ん~❓…まぁまぁかなぁ💨とりあえず全部埋めては見たけど💨裕子は❓


一瞬の沈黙の後…


私…ダメかも…緊張しちゃって滅茶苦茶だった…。


そんな裕子の背中に手を回しながら


大丈夫だよ‼私も適当に書いちゃった所結構あるし💨それに裕子の方が面接ウケはいいと思うし😁


と笑って見せた。

裕子も『精一杯頑張ったんだし、明日から思いっきり遊ぼ』といいニコっと笑った。

この日は悠太先輩と真也さんとカラオケへ行き思いっきり騒いだ。

No.353

あんな中学生活だったのに『後悔はない』と思えた自分を今では凄いな…と思う。

もしもあの時の私が今の私なら…後悔だらけ…恨みまくり…悔やみまくり…だったと思う。

大人になった今、子供だった自分に助けられている自分がいることに気づく。

大人になると…もっと…もっと…と『欲』が出るから…。

ああすれば…こうしていれば…と欲まみれで苦しくなる…そんな自分を助けてくれるのは優位昔の自分だけ。

今、あの辛い時期を乗り越えてくれた自分に感謝している。

No.352

受験日…1週間前…


私は美容室にいた。

一輝と付き合い始めてからずっと染めてきた髪…

一輝が好きだと言ってくれたミルクティー色から真っ黒に戻した。

菅谷も裕子もそんな私を見て『似合うよ』と言ってくれた。

一輝にも写真を同封し手紙を送った。

写真と一緒に添えられた手紙には『会いたい』じゃなく…『体に気をつけて頑張ってね』とだけ書いた。

一輝に『会いたい…』と言ってしまった電話の後…

『一輝だって会いたいはず…向こうの生活にも慣れなければいけないし私よりも大変なはず…私は我が儘言うんではなく応援してあげなきゃダメなんだ…』

そう思った。

今までは自分本位だった私も学校での生活、裕子や菅谷との出会いから人のことを優先して考えることが出来るようになっていた。

辛く厳しい経験があったからこそ本当の意味で人を思いやれるようになれた。

そう思った時、『後悔』はない…そう心から思えた。

No.351

体調も回復し、菅谷から

『受験』

の話しがあった。

私は第2志望までを伝え、菅谷に現状で合格ラインは大丈夫なのかを聞いた。

菅谷は


松岡は成績だけは悪くなかったし、出席日数も足りてる。内申書も俺が書く訳だし…まぁそんなに心配しなくても大丈夫だろう。いつものペースでいけばいいよ😊


と言ってくれた。

とうとう…受験かぁ…。

私は学校を休んでいる間、昼間は裕子と、夜は菅谷に教えてもらい必死で勉強した。

私は、中学3年間部活はしていた。

中1の時はバスケ部…中2からは裕子がいた陸上部…2度変更したが、変更した割にはサボってばかりで殆ど『帰宅部』同然だった。


中学生活最後…『1つくらいやり遂げたい…』そう思った。

全て中途半端にしてきた分、結果はどうであれ精一杯頑張ろうと思った。

No.350

私は次の日から疲れが祟ったのか体の調子を崩し、高熱が続き暫く学校を休んだ。

学校を休んでいる間に沢山の訪問者があった。

近藤先生に保健室の先生、恵子先生に教頭先生…そして…菅谷…。

菅谷は私の制服を持ってきてくれた。

たくさんのお礼の言葉と、お見舞い品もくれ、私が休んでる間は毎日家に来てくれて遅れた部分の勉強を熱心に教えてくれた。

そして…

『心を入れ替えて1から教師をやる』『恥ずかしくない教師に絶対になる』

と私に言った。

それと…

『今まで本当にすみませんでした』

と心から謝ってくれた。

私は普段から思っていたことがあったがこの時からそれは少し変化した…

それは…『人間なんてつまらない』から『人間も案外楽しい』に…。

…苦労、辛さ、惨めさ、虚しさ、情けなさ…色々あるからこそその分喜びは大きい。

どんなに辛くて厳しくても逃げてはいけない。

逃げたら何も手には入らないし、逃げても何も変わらないから…。

No.349

悔しさ、虚しさ、情けなさ………色々な気持ちが交錯し、私はまた涙を流した。

涙を流している自分は『惨めだ』と思った…。

お姉さんに会いたい…
……

………

一輝に会いたい…

私は、私よりも強い人間に甘えたくて…強がるのに疲れてこの日は裕子の家には行かず家に帰り一輝に電話した。

一輝との短い電話…

一輝は変わらず私を慰めてくれた…

一輝に会いたい…

我が儘なのは分かっていたが、つい口に出してしまった…

一輝は『分かった』とだけ言って電話を切った。

『もしかしてすぐ来てくれるかも…』と期待したが、一輝は私の前には現れてはくれなかった…。

No.348

あんた達みたいな腐った人間に人の命や人の死なんて分かる訳がないんだよ‼
…あんたらは最低だと思う…
いつも私と裕子に『いたって意味ない』『死ねば』ってイタズラ書きしてたけど…あんたらみたいな人間が一番必要ないんだよ。あんたらの方がいたって意味ないんだよ。現に今日あんた達何かした❓黙って見てるしか出来ない癖に…偉そうに能書きたれてんじゃねーよ。


……私はそれだけ言うと教室を出てそのまま学校を後にした…。

…悔しい…虚しい…………あんな奴らからも私は友達も助けてあげられなくて自分までやられてる………

…情けない…

No.347

平然と拍手をする姿を見て…

私の中で何かが切れた………


拍手なんかいらねんだよ…


私は呟いた。

それを聞いた近藤先生は


松岡、言いたいことがあるなら…言いなさい。


そう言い椅子に静かに腰をかけた…

私は教卓へ行き、みんなを睨みつけた…

そして…


拍手なんかしてんじゃねーよ‼
お前らみたいな奴らが命についてなんか考えられるかよ。
冗談じゃねーよ‼


私は泣きながら話しを続けた。


お前らは人の気持ちを弄んで、人が苦しんでるのを楽しんで、人が死にそうになってる時に逃げて…何も出来ないくせに。
何も出来ない臆病者の癖に偉そうに人を見下してんじゃねーよ‼
毎日人をイジメて人を苦しめて…あんたらが菅谷にしたことはイジメと一緒じゃん‼
苦しんでるのに黙って見てるだけ…黙って見てるだけだって立派な共犯なんだよ‼

No.346

学校へつき近藤先生に支えられながら教室へ戻った。

私が教室へ戻ると、近藤先生が授業を中断しホームルームの時間にしてくれた。


みんなが知ってる通り、今日菅谷先生が発作を起こし、病院に運ばれました。菅谷先生の容態は今は安定しているようですが…暫くは入院になるとのことでした。今日ホームルームの時間を作ったのはみんなに命について考えて欲しいと思ったからです。みんなも知ってる通り、松岡がいてくれたから菅谷先生は助かりました。みんなからも松岡に感謝の拍手を送ってあげて下さい。


そう言いながら近藤先生は私に拍手を送った…


クラスのみんなも…

No.345

私は菅谷のことを考えながら疲れて寝てしまっていた。

点滴が終わり、病室に看護婦さんがきて、点滴を外してくれ、また近藤先生に連れられて学校へ戻った。

車の中で近藤先生は


教室戻れるか❓


と聞いてきた。

私は


はい。大丈夫です。…教室戻れるかというより戻らなきゃいけないんです。


と言った。


なんで❓


近藤先生が私に聞く。


私、どうしてもクラスのみんなに言いたいことがあるんです。


と言った。


そうか。


近藤先生は短い返事をすると学校につくまで何も言わなかった。

No.344

決心したと同時に…

『菅谷がああなったのは私に罰があたったからだ』

と思った。

今、自分の体がボロボロなのも

『自業自得』

だと思った…。

少なくとも…私は菅谷に対してはいつも良からぬことを思い、考えていたから…だから罰が当たってあんなことになったんだ…と思った。

今…振り返れば、菅谷があの時死なないで良かったです…。

生きていてくれて良かったです。

菅谷にはこれからも体に気をつけて頑張って教師を続けて行ってほしいと思う。

また…いつか2人でのみましょう…。

それまで…私も精一杯生きて精一杯悩んで精一杯頑張ります…。

No.343

病院へつき、手の傷の手当てをし、念の為…と安定剤を点滴してもらった…。

点滴をしている間…病室の天井を見ながら…


『菅谷…助かったかな…』


とそれだけ考えていた…。

あれだけ嫌いだった菅谷…でも…菅谷を抱きかかえながら気づいたこと…

それは…

『菅谷も生身の人間だ』

ということ…。

普段はそんなことも感じず…命のあるものとすら思わず…『死ねばいいのに…』と思い続けた。

でも…菅谷を抱きかかえながら私の心の中では
『菅谷…頑張れ‼菅谷…ちゃんと息して‼私の手…噛みちぎってもいいから…死なないで…』
…そう叫んでいた。

私は『殺したい』『死ねばいいのに』なんて冗談でも思ってはダメだ…と…この日からそうゆうことは二度と思わない…傷つけることは二度としない…と心に決めた…。

No.342

みんなにイジメられ、先生にも信用もされず、友達も学校からいなくなり、毎日1人の生活…。

友達の為にも強くいなければいけない…と弱音も吐かず我慢し続けた日々…

助けを求めてもいつものように無視された自分…

今まで我慢してきた物が全て溢れてきて自分でも涙を止められなくなっていた。

それと…『怖かった…』

正直…凄く凄く不安で怖かった…

お姉さんとは違い、重くて大きくて力の強い菅谷の体を支え続けた私は心身共に疲れ切っていた。

No.341

保健室へつくと、力の入らない私の代わりに保健室の先生が制服を脱がし、綺麗に何度も体を拭き、体操着を着せてくれた。

そして、


制服は先生がクリーニングに出しておくから大丈夫。


と言いながら

『頑張ったね。本当に…よく頑張った。』

と声をかけてくれた…

心なしか保健室の先生の目は潤み、声は震えていた…

…優しい言葉をかけられて今まで張り詰めてた何かがいきなり切れ…

ポロポロと涙が流れた。


涙を流す私を近藤先生は抱き上げ車に乗せて病院へ連れて行った。

私は車の中でも涙が止まらず…病院に着くまでずっと泣き続けていた。

近藤先生はそんな私の頭を何度も何度も優しくポンポンと叩き『頑張ったな』と言ってくれた。

No.340

先生ぇ‼救急車‼‼

おねがぃ…ゥッ…ゥッ…


泣きながら先生に必死で頼んだ。


松岡‼ちょっと待ってろよ‼


近藤先生はそう言うと他の教室を回り5人の先生を連れてきてくれた。


松岡‼大丈夫か‼⁉


そう言いながら痙攣する菅谷を一緒に支えてくれた。

10分もしないうちに救急車が到着し、菅谷は運ばれて行った。

菅谷が運ばれた後…


私の両腕は痙攣し、足は痺れ、口に突っ込み続けていた手には歯形がくっきりとつき、血が出ていた…

制服は嘔吐物だらけ…

ボロボロだった…

動くことも出来なくて小刻みに震える私の体を近藤先生が抱えて


お前も病院いくぞ。


と優しくいい保健室まで連れて行った。

No.339

『う゛‼滅茶苦茶いたい‼‼‼』

その痛みに必死に耐えながら私は叫んだ。


誰か‼救急車‼‼‼


だけどクラスの奴らは悲鳴を上げたり呆然と見つめるばかりで誰も動かない。

…今思えば動けなかったんだろうな…と思う。

私は『誰か呼ぶしかない‼』

そう思い、必死に叫び続けた。


だれか‼誰か助けて下さい‼誰か‼

だれかぁー‼…だれかぁー‼


途中から抑えている手も痺れ始め泣きながら必死に菅谷を抱き抱え叫び続けた。


どうした‼‼‼⁉


そこにいたのは隣の隣のクラスで授業をしていた数学の“近藤先生”だった。

この日、運が悪く隣のクラスは体育だった為、空き教室になっていて助けが来るのが遅れたらしい。

No.338

『グェェェェ…ゴァ…ゲェェェ……』


菅谷が激しく嘔吐した…

菅谷が嘔吐されたもので私のスカートは嘔吐物だらけになった…

一瞬で教室全体がゲロ臭くなり

『オェ‼くっせぇー‼』『きゃああぁ‼』

等それぞれ悲鳴などをあげながら一気に席を立ち上がり窓際や教室の後ろへ非難した。

菅谷の体は痙攣が酷くなり、体中があらゆる所に『ガタンっ‼ガタンっ‼』とぶつかる…

菅谷の体を必死に抑えながら口元に目をやる…『危ない…』

そう思った私は咄嗟に指を曲げ口に突っ込んだ。

その瞬間…




菅谷の歯が凄い強さで私の手に突き刺さってきた…

No.337

教科書を読む声は途切れ途切れになり、黒板に書かれる文字は崩れ、次第に教卓に手をつくようになり、冷や汗を流し始めた…

みんな何事かと菅谷を見つめる。

教室がざわめき始めた…。


それを菅谷が制止する。


こら…し…静かにしろ…‼


……

そう言った瞬間…





菅谷は苦しそうに倒れ、体が激しく痙攣しはじめた…

私は『これは…‼』

咄嗟に体が反応し、教卓まで走り菅谷を抱き上げ素早く横向きにした。

すると…

No.336

それから1ヶ月が過ぎ、卒業の3ヵ月前…

ある事件があった。この事件をきっかけにあれだけ衝突しあっていた菅谷とは大人になってから2人で飲みに行くような仲になった…


3時間目…菅谷の授業…『ハァ…嫌だな…』そんなことを思いながら教科書の準備をして席に座った。


みんな‼席につけー‼


菅谷が怒鳴りながら教室へ入ってきた。


授業始める‼

『起立、礼』

いつも通り授業が始まった。

菅谷が教科書を読みながら黒板へ書き込んで行く。

黙って聞きながらノートに書き写して行く…

そんな流れが続く中…

段々と菅谷の様子がおかしくなってきた…

No.335

私は『今しかないな…』と思い、安田の前の席に座り安田に聞いた。


ねぇ❓直子に渡した裕子のネガ、誰から貰った❓


安田は一瞬なんで知ってる❓みたいな顔をしたが、咳をしながら話し出した。


亮だよ…。裕子がやられた日、亮とゲーセンで遊んだんだ。その時に餞別だっつって亮が使い捨てカメラ俺にくれた。


ふーん。分かった。


それだけ聞くと私は自分の席に戻った。


私は裕子がやられた日のことを思い出し、安田は嘘はついていないと思った。

裕子を助け出した時、『亮はゲーセンにいる』…と真也さんが言っていたのを思い出したからだった。

亮に文句を言いたくなったが、亮はまだ鑑別所にいた為、苛つく気持ちを抑えた。

No.334

学校では、無視は当たり前、私のカバンにチョークの粉がついていたり…と子供じみたイタズラはあったもののみんな私にはあまり手は出して来なかった。

たが子供じみたイタズラや無視が毎日のように続き、正直、頭にもきたし何度も切れそうにもなり学校なんて行くの辞めようかな…と思った。

が…休めば弱い人間だとレッテルを貼られ菅谷に馬鹿にされるような気がして意地で卒業するまで絶対に休まない‼と心に決めていた。

ある時の体育の時間、私はだるくて体育を休み教室で自習していた。

うちの中学は体育を休む場合は見学か自習を選べる学校だった。

私は自習を選び教室でサボっていた。

そこに…

『ゲホゲホ…』

と咳をした安田が入ってきた。

No.333

この日を境に2つのことが変化した。

1つは『直子が学校へ来なくなったこと』

もう1つは『菅谷が私と裕子を無視するようになったこと』だった。

直子がいなくなりまた裕子がイジメの対象になった。

刃入りの手紙などで指を怪我したこともあったが、菅谷は『こんな刃では大した怪我はしないだろ』とイジメ自体を黙認するようになっていった。

菅谷が黙認することでますますイジメは激しくなり…卒業まで後4ヵ月…という所で裕子は引きこもるようになり学校へ行かなくなった。

結果、直子も裕子も『登校拒否』になった。

それでも私は毎日学校へ行き毎日裕子に会いに行った。

No.332

教室へ戻ると、4時間目が終わり給食の準備をしていた。

裕子は心配そうに駆け寄り


大丈夫だった❓菅谷なんだって❓


と聞いてきた。

私は『裕子には内容は言えないな…』と思い、『直子がちくったみたいでちょっと説教されただけ』…と言った。

裕子は『私の為に色々迷惑かけてごめんね』と謝ってきたが、『裕子は全然悪くないんだから気にするな‼』とだけ言い席についた。

暫くすると菅谷が教室に来たが何も言っては来なかった。

直子は4時間目の途中に戻ってきて早退したと昼休みに裕子が言っていた。

No.331

そして私に吐き捨てるように言った…


お前と話してよーく分かった。阿部がお前の言ったようなことする訳がない。『阿部はそんなことはしない。』


…その時…遠い昔の記憶を思い出した…。


幼い頃、母に同じようなことを言われたことがあった…


『姉はそんなことする訳がない。姉はしない』


母はそう言い私を怒った。

私は…


あっそ。ならそう思っとけば。もう話しても意味ないね。


そう言い、菅谷や恵子先生の制止する声を無視して教室へ戻った。

No.330

初めに話し始めたのは菅谷だった。


世の中、お前みたいなのは通らねーんだよ‼そんなに世の中は甘くねーぞ‼嫌なことがあれば手出すなんてなぁガキのすることなんだよ‼大人になれば今以上に嫌なことはあんだよ‼その度にお前みたいに手出してたんじゃ切りがねんだぞ‼


『なんだ…こいつ…』


私は菅谷に向かって負けじと怒鳴りつけた。


あ⁉てかあんたに言われたくねーよ‼大人語ってるけどあんただって手だしてんじゃねーかよ‼しかもガキで女相手に手出してんじゃねーかよ‼‼所詮、てめーみたいな口先だけの人間はガキにしか手出せねんだろ⁉あんたみたいな人間が偉そうに人生語ってんじゃねーよ‼


菅谷は


何だと⁉‼‼


と言いまた掴みかかってこようとした。

それをまた恵子先生が必死に止めた。

No.329

松岡‼てめー‼何してる‼


菅谷が立ち上がり私の胸ぐらを掴んだ。


ぶざけんな‼


そう叫び、私も菅谷の胸ぐらを掴み思いっきり睨んだ。

『こいつ…ぶっ殺してやる…』

本気で思い菅谷の胸ぐらを掴みながら何か凶器になるものはないか…と探し始めた…

その時…

音を聞きつけた英語の恵子先生が駆けつけてきて


やめて下さい‼ちょっと‼やめて‼


と私と菅谷を引き離した。

菅谷と私は恵子先生に宥められ、また元の席へ座った。

恵子先生は心配そうにこちらの様子を伺いながら割れたガラスの破片を片付け始めた。

No.328

裕子には悪いが普段の生活態度に問題があったな。裕子の生活態度じゃ『やられて当たり前』だ。寧ろ、先生達にしてみれば裕子の方から『やってくれって言ってるようなもん』だ。裕子に関しては『自業自得』ってやつだな。


…………


『こいつ……何を言ってる………』

私の中でまた怒りが渦巻き止められない衝動が襲ってきた…。

私は自分の怒りを止められず勢い良く立ち上がり…隣に置いてあった椅子を思いっきり菅谷に向かって投げつけた。

『ガシャーン…』

椅子は菅谷をよけて後ろのドアガラスにぶつかりガラスが粉々に砕け散った。

No.327

ただ、智和には迷惑をかけたくなかった為、元々智和と直子は付き合っていたことにした。

菅谷は亮と裕子にあったことは報告を受けていたようでそれに関しては何も言っては来なかった。

が…

話し終わった後に菅谷の口から意外な言葉が出た…

No.326

じゃあ、この封筒の中身も知ってるんだな❓


はい。知ってますよ。


それを聞いた菅谷は腕を組み暫く考えた後にこう切り出してきた。


松岡。お前は無抵抗の阿部に何がしたいんだ❓


『は❓ナニソレ』

そう思った私は少しイライラしながら言った。


は❓無抵抗って❓初めに手出してきたのは直子なんですよ❓何がしたいってこっちが聞きたいくらいなんですけど⁉


阿部から手出したってのはどうゆうことだ❓


私は菅谷に今までのことを全て洗いざらい話した。

裕子が亮にされたこと、裕子が受けた手術のこと、直子が裕子にしたこと、その後裕子がクラス全員からイジメを受け手首を切ったこと…全て話した。

No.325

菅谷に連れて行かれたのは

『生徒指導室』だった。

『だるい』

そう思いながら菅谷の後をついて生徒指導室に入って行った。

菅谷は私を椅子に座らせた後、私の目の前に座った。


松岡に聞きたいことがある。


座ってすぐに菅谷が言った。


何ですか❓


無表情で答えた。

すると菅谷はあの封筒を出してきた。

そしてまた話しを始めた。


これ、何だか分かるか❓


はい。うちのクラスにいる人間なら誰でも知ってると思いますけど❓


とまた無表情で答えた。

初めは知らぬ存ぜぬで通そうかとも思ったがたかが直子なんかのことで嘘をついたりと無駄に疲れることはしたくなかった。

No.324

直子は休み時間が終わっても戻ってこなかった。

2時間目が終わり休み時間に入った。


『直子戻ってこなくねぇ⁉』『好きもんだから菅谷とやってんじゃねぇ(笑)⁉』『写真見てムラムラした菅谷にやられてたりしてなぁ‼(笑)』


などと言い腰を振る手つきをする男子。

“菅谷”とはうちの担任の名前だ。

また直子は戻らず休み時間が終わり、3時間目に入った。

3時間目に入ってすぐ、担任の菅谷が教室へ来て


松岡。ちょっと。


と手招きされた。

『💨直子ちくりやがったな…』

私はすぐにそう思った。

心配そうに見つめる裕子に小声で


大丈夫😊


といいニコッと笑い教室を出て行った。

No.323

あっ…それは……


直子がか細い声で言った。

すると先生は、


阿部‼手紙なんかは休み時間にやれ‼授業が終わったら職員室来い‼


そう一括すると先生は封筒の中身を確認することなく教卓へ戻って行った。

いつも通り朝の会をし、

いつも通り授業に入り、

いつも通り授業が終わった。

授業が終わると担任は直子を呼び職員室へ行った。

教室内では『やっべえ~‼』『マジあいつ最悪じゃね~ぇ⁉』などと直子の話しで持ちきりになり、裕子のことなんてみんな気にもしなくなっていた。

No.322

阿部‼何してる‼早く席につけ‼‼


先生が直子を怒鳴りつけた。


すみません……


そう言い直子は席についた…


が…


席につく途中、直子の手から一枚の封筒が落ちた…。

それを見てみんな固まった。

勿論…直子も…。


ん⁉なんだ⁉阿部、何か落としたぞ⁉


先生が歩いてくる…

直子は固まったまま席から動けない。

先生が封筒を拾った…。

No.321

直子は次々にバラバラと投げつけられる封筒や写真を凄い勢いでかき集め始めた。

周りは笑いながら色んなヤジをとばし直子が慌ててるのを楽しそうに見物していた。

その時、チャイムが鳴った。

チャイムが鳴りみんな急いで席につく。

直子だけが席につかず封筒と写真を必死にかき集めていた。

暫くすると、


早く教室入れ‼


と担任の声が聞こえてきた。

直子は何とか全て集め終わり、自分の席へ戻ろうとした…

その時…

『ガラガラガラ…』

担任が入ってきた。

直子は咄嗟に自分の手に握られたものを後ろに隠した。

No.320

マジ‼キモイんだよ‼


麻里が叫んだ。

直子は何が起こったのか分からずオドオドしながら麻里に言った。


どうしたの…❓私…麻里になんかしたっけ❓


直子がそう言った瞬間、クラスの男子数人が騒ぎ立てた。


何かした❓じゃねーつぅの(笑)しまくりじゃねぇかよ(笑)


そう言い直子に封筒をバラバラと投げつけた。

直子はその封筒を一枚拾い中身を開けた。

自分の手に握られた写真を見た瞬間…直子の顔が引きつったのが分かった。

No.319

直子は遅刻ギリギリで来た。

直子は何食わぬ顔顔で私と裕子と教室へ向かった。

教室へ入ると…



いつも以上に冷たい目線が向けられた。

直子は私と裕子への目線だと思い、教室へ入るなり


まじ嫌な奴らと下駄箱で会っちゃって参った~‼まじ無理‼


とみんなに聞こえる声で言い、いつもたまっている窓際の席へ歩いて行った。

私と裕子は気にせず自分達の席へ座った。

直子がいつものグループの“麻里”に話し掛けた。


麻里ぃ~宿題分からない場所あってさ~写させて‼


ノートを持って麻里へ寄って行った。

その時…




麻里がいきなり直子の持っていたノートを叩き落とした…

No.318

次の日、裕子を迎えに行き、『裕子に話しがあるから寄り道しよう』と言い、学校近くの公園に寄った。

公園内の山の上の高台へ行き直子の写真の件を洗いざらい話した。


マジで⁉親にも送ったの⁉


うん。自業自得だからそれくらいの報いは受けるべき。先に手出して来たのは直子だからね。


私は冷たく言い放った。

裕子はそれ以上は何も口は出してこなかった。

学校へ向かい、私は下駄箱前で立ち止まった。


カズハ何してるの❓


裕子が不思議そうに聞いてた。


直子待ってるんだよ。


え❓なんで❓


今日は直子と一緒に教室行きたいから。


私は裕子にそう言って裕子と一緒に直子が来るのを待った。

この日、教室には直子と行こうと決めていた。

直子にこれから起きることを『初めから見据えたかった』

それと…

『直子の目線から物事を見たかった』

教室に入った時のあの異様な感覚を直子はどう捉えるのかが正直楽しみだった。

No.317

ただ…直子みたいな人間の場合、自分が良ければ他人の痛みなど関係ないし自ら償いなどはしない。

それが分かっていた私は自ら償わないなら

『強制的に償わせるのみ』

そう思った。

自宅へつき時計を見ると16時を過ぎていた。

『…あの手紙も回収された…せいぜい苦しめ』

また冷たく心の中で言い放ち、明日からの行く末をしっかりと見ていてやろう…と思った。

今は裕子がいじめられてるけど、『明日から暫くはターゲット変更だな…』今まで苦労した分、私と裕子は最後の中学生活を平和に過ごそう…。

そう思いながら眠りについた。

No.316

全て写真を入れ終わるとその写真入り封筒30枚を持って教室へ向かった。

教室に誰もいないのを確認すると急いでみんなの机に1封筒ずつ入れていった…。

うちのクラスは33人のクラス…私と裕子と直子を抜かすとちょうど30人になる…。

私は裕子、直子、自分の机以外の全ての机に封筒を入れ、そのまま帰宅した。

『直子…自業自得だよ…』

心の中で冷たく言い放っている自分がいた。

プリントした写真は後1セットはある…

だが、それは何かあった時の為の『保険』として保管することにしていた。

フォトショップで31枚…各3枚ずつをプリントした理由は直子への『究極の復讐』をする為だった。

学校と自宅生活が全ての学生生活…学校にも自宅にもいる場所をなくしてやろうと思った。

裕子が受けた痛みに比べたら全然大したことはないが、直子には自分のしたことに対しての償いをさせたかった。

No.315

その日の放課後、いつも通り裕子を家まで送り、私は自宅ではなく来た道を戻り始めた。

向かった先は学校だった。

学校につくなり真っ直ぐ購買へ向かった。

購買では、10枚入りの茶封筒を3セット(30枚)購入した。

その封筒を持って洋式のトイレへ入った。

便座を下ろし、その上にカバンを置き、中から昨日プリントした写真を各1枚ずつ出した。

昨日プリントした写真は31枚、各3枚ずつ…

写真の中から1番大したことのない写真を1枚だけ選びショップ袋へ戻しカバンに閉まった。

カバンをトイレのノブへかけると…

先程取り出した写真を封筒に各1枚ずつ入れていった。

No.314

何故給食準備時間にしたかと言うと、休み時間は裕子を1人には出来ない。

給食準備時間であれば教室には担任の先生がいる。

裕子を1人にしてもクラスの奴らも何もしないだろう…という確信があったからだった。

4時間目が終わり、給食準備時間になった。

担任の先生が来たのを確認すると私は直子と多目的ホールへ向かった。

そこで昨日智和から受け取ったネガを渡した。

直子とはそのまま別々に教室へ戻った。

No.313

その手紙には…

to、一葉へ

私の写真はどうなった❓

裕子のは渡したんだから返して。

こうゆうのって普通は交換条件のはずでしょ❓

返事待ってる。

from、直子


と書いてあった。

私は即返事を書いて手紙を回した。

『今日の給食準備時間に多目的ホールで渡す。』

それだけ書いた。

No.312

起きてすぐ朝ご飯を食べ、いつもより早く家を出た。

裕子の家に行く途中のコンビニで切手を一枚買い、コンビニのトイレで水を少量つけ封筒に貼った。

そのまま近くの郵便局へ行き、ポストへ投函した。

ポスト横の収集時間を見る…

『16時…』

その時間を確認するとそのまま走って裕子の家へ向かった。

教室へつくと相変わらず集団無視と冷たい視線を浴びせられたが気にせず過ごした。

ちょうど3時間目の授業中…私へ一通の手紙が回されてきた。

手紙を開けてみると直子からだった。

No.311

プリントされた写真を受け取りお金を払うと真っ直ぐ家に帰った。

家につくと連絡網の紙と電話帳を手に取り自分の部屋へ戻った。

部屋へつくなり連絡網から直子の電話番号を探し、電話帳から『同じ名字…同じ電話番号』を探した。

『…あった』

私は直子の自宅住所を確認するとその住所を一枚の封筒へ書き写した。

そして…

『親展…重要』

という文字と電話帳に書かれた直子の父親であろう名前を書き込んだ。


『直子…裕子にしたことをせいぜい後悔するんだね…』


そう心の中で思い、その手紙にプリントした写真を各1枚ずつ入れて封をした…。

その手紙をカバンに入れ、何事もなかったかのようにご飯を食べ、テレビを見て、風呂に入り、眠りについた。

No.310

ただ…直子が裕子にした行為に対しては直子にしっかり『今』償ってもらおう…そう思った。

私は智和からある物を受け取り、智和とたわいもない話しをして智和とわかれた。

智和のアパートを出ると家には向かわず駅に向かって歩き出した。

そのまま駅近のフォトショップへ…

私は智和から受け取った物を出し、『全て3枚ずつ。』と店員に言った。

智和から受け取ったもの…


それは直子がプレイをしていた時の写真だった。

No.309

直子の行為はただ単に『妊娠しない強さ』があるから出来ているだけなんだと思い、『直子こそただのガキだ』と思った。

大人になればなるほど危険は増し、悩みも増える。

子供は全てが未熟だから大人のような危険も悩みも対して被らないし何かあれば大人が守ってくれる。大人が全てしてくれるから大した責任も取らなくてもいい。

だから子供は大人に比べると単純に生きていられる。

だから…セックス自体をただの快楽としか見れない直子は私や裕子よりも遥かにガキだと思った。

今はいいかもしれないが痛みを知らない、経験値の少ない人間はいつか後悔すると思った。

『いつか必ず直子も裕子の気持ちを解らざる終えなくなる日がくる…』

その時、せいぜい苦しめ…と心の中で冷たく思った。

No.308

私は智和の話しを聞いて


そう。直子生理もきてないんだ。だから簡単に色んな男とやりまくってる訳ね。


と独り言のように言った。

普通に考えればいくらMでいくら複数プレイが好きでもあんなに簡単に中だしさせるか❓と疑問が出てくると思う。

私の場合、一輝以外の男と軽々しくやってもしもできたら…と考えただけで困惑したし、だからこそ他の男とは絶対できない…と思っていた。だから、一輝がいなくて寂しくても他の男で寂しさを埋めようとは思わなかった。

たかが『一時的な寂しさ』を埋める為だけにやってもしもできたら冗談では済まされない。

中絶の痛みや辛さを身近で見て感じていたからこそ、余計に軽々しい行為に対して敏感になっていたのかもしれない。

だから直子の心理が分からなかった。

No.307

こんな姿の裕子を面白半分でたかが好きな男の為に他人に軽々しく見せて回った直子がどうしても許せなかった。

『…まだ足りない。』
『まだ…生易しい…』

私はネガを持って急いで家を出た。

そして再び智和のアパートへ…



智和は直子とは別れていた。

別れた原因は簡単…

それは『飽きたから』だった。

智和は元々、年上の巨乳好き…直子は年下でかなりの瀕乳だった。

しかも…

智和に聞いた所によると生理すらきていないらしく…智和からしたら幼稚園児と変わらないレベルだったらしい。


生理もきてない女は女じゃね~べぇ😚💨


と言いながら『俺、ロリコンじゃね~し、そーゆう趣味はね~からさ😚』と付け加えた。

No.306

教室へ戻り、すぐに体育館へ…。

この日は始業式のみで帰宅した。

昨夜は悠太先輩の家で夜通し話し込んだ為、私も裕子もかなりの寝不足気味…

2人とも大人しく家へ帰った。

部屋へつくなり直子から受け取ったネガを窓際で翳して見る。

直子が現像して学校へ持ってきた写真は6枚だったが、ネガは32枚ものコマがあった。

初めは裕子の顔も腫れは目立たないようだが、最終コマあたりになると既に顔の原型はなくなっている…

『許せない』

裕子の気持ちを思うと胸が苦しくて苦しくてたまらなくなった。

止められない衝動に駆られ部屋にあったゴミ箱を思いっきり蹴飛ばした。

No.305

“安田 俊一”は同じクラスで裕子のことが好きだった。

亮と付き合っていたのは知っていたが、そんなことはお構いなしで裕子にしつこくしていた。

裕子に何度か冷たくあしらわれて隣のクラスの“明子”と付き合い始めたはずだが…

多分…裕子に冷たくされたのを根に持っていたんだろう。

安田はサッカー部でまぁまぁモテていたからプライド自体は見るからに高そうだ。

亮と安田はたまに遊ぶ程度の仲だったが、仲は悪くはない。

亮との繋がりから何らかの方法でネガを入手したんだろう。

とりあえず、安田には後でゆっくり入手方法を聞いこう…ということになり、教室へ戻った。

No.304

音楽室へつき中に入ると音楽の先生が楽譜の整理をしていた。

『ここじゃ話せないな…』

そう思った私はまた裕子の手を引きながら2年の時の教室へ行った。

私達が2年の時にいた教室は今年から多目的ホールになる予定だった為、生徒は1人もいない。

それを思い出したのだ。

案の定、教室には誰もいなかった。

教室へつくと私は直子へ黙って手を出した。

直子も黙ってネガを渡してきた。

そして、直子に聞きたかったことを聞いた。


てかこのネガ誰にもらった❓


直子は初めは『言えない』の一点張りだったが、


直子の写真ばらまくよ


と言ったらアッサリ名前を行った。


…“安田”に貰った…


『ふ~ん。安田か…』

と私も裕子も名前を聞いて納得した。

No.303

3年の教室へ行くとまだ人は少ないがチラホラと人がいた。


💨てかクラス替えないからカズハとまた一緒のなのは嬉しいけど…なんだか嫌だな…。


裕子はそう言いカミソリで切った時の傷痕に手を当てた。


大丈夫だよ‼私がいるから‼


そう言って裕子の手を引き教室へ入って行った。

相変わらず私達には冷たい目線が送られる。

『別に関係ないや』と私達は席につき直子の姿を探した。

直子は窓際でいつものグループとたまっていた。

私達が席につくのを確認すると直子は私の方に真っ直ぐ歩いてきて目を反らしながら


持ってきた…


と小さい声で言った。


分かった。来て。


そう言って裕子の手を引き音楽室に向かって歩いた。

直子も黙ってついてきた。

No.302

次の日、悠太先輩の家で制服に着替えて裕子と2人で登校した。


てか直子どんな顔してくんのかな❓


と裕子が少し楽しげに言う。


ね~。うちら見てどんな顔すんのか楽しみだね😏


そんな話をしながら学校についた。

教室へ行くと『あれ⁉』…

……

『誰もいない…』

一瞬『なんでた❓日にち間違えたんかな❓』

と思ったが、裕子が笑いながら


ちょっと😂うちらもう2年じゃなかった😂


という一言で問題解決した。

そう…今日から3年…

中学最後だから絶対に楽しく過ごしたい…そう思った。

No.301

…カズハ……


そう一言だけ言うと顔を真っ赤にしながら服で体を隠した。

そんな直子を見ながら


直子~。明日、裕子の写真のネガ全部持ってきて。持ってこないなら…直子のやつも学校中にばらまくから😏


とだけ言って屋根を降りた。

その後、智和と話し私と裕子は悠太先輩の家に帰った。

智和は“この後も直子と遊ぶから😁”“予約が一杯で😁”と言いながら直子を連れて車で走って行った。

私と裕子は悠太先輩が帰宅するまでの間ずっと直子の話をしながら笑っていた。

No.300

その後も直子は殴られたり蹴られたりしながら男達に順番に突かれ、中だしされ、M字開脚にさせられ中だしされた液体がドロドロ出ている所を撮影されたり、写真を撮られたり、その液体を手で掬い飲まされたり、アナルにビーズを入れられたり…

最後には無理やりアナルに入れられ突かれ、

あんっ痛い…痛…うっ…あぁっいやっ…ん…あぁっ…う゛っ……………………

と喘ぎ声をあげながら気を失った…。

アナルからは血が出ていた。


んだよっ‼もぅ終わりかょ‼


と言い直子は気を失った後も頭を足で踏みつけられていた。

私と裕子はそれをジーッと見ながら直子が目を覚ますまでずっと冷たい視線を送り続けた。

目を覚ました直子が私と裕子に気付いた。

私はニヤニヤした笑みを浮かべながら


直子~随分楽しんでんじゃん❓


と言ってやった。

No.299

『ねぇ⁉これって⁉ごっこなの⁉』

『😁そう💡直子実はかっっっなりのマゾでさ(笑)こうゆーのにはまっちゃった訳よ😁』


…なるほど…
世の中…MとSがいるのは知っていたが直子はドのつくMな訳か…

と直子を見ながら妙に納得した。

私と裕子はどちらかと言えばSだった。

そして智和はこうも言った…

『Sであればプレイではなく“レイプ”になるようなことでもMであればどんなことをされても“ごっこ”になる』と…

それを聞いてまたまた『なるほど』と私も裕子も納得していた。

No.298

あんっ…痛…あっ…はぁん…ング…ングッ…ングッ…ングッ…

…そこには…



3人の男に回されている直子がいた。

直子は四つん這いにさせられ後ろから突かれながら口にもデカいものを入れられ、胸を鷲掴みにされ揉みしだかれながらビデオをで取られていた…。


オラッ‼もっと腰振れよ‼つかえねぇなぁ~‼


後ろから突く男が怒鳴りながら直子の髪の毛を鷲掴みにする。


あんっあっ…痛…ングッ…ングッ…はぁん…


『パンパンパンパン…』

物凄い勢いで突かれながら直子は喘ぎ声をあげていた。


おい‼もっとちゃんとしゃぶれよ‼歯立てんなっつってんだろ‼次立てたら歯へし折んぞ‼


前の口に入れている男も怒鳴り思いっきり突っ込み始めた。


…あっ…オェ…うっ…あんっングッ…


…見ている限り単なるレイプだが、直子はかなり感じていて正直ノリノリなように見えた…。

No.297

ボンネットに私と裕子が上ると智和も上ってきた。

『で⁉何⁉』

また小さな声で智和に聞いた。

『シーっ😁☝』

そう言い、次は屋根部分を指差し『😁上って☝』と言った。


『はぁ⁉⁉なんで⁉』

そんな質問にも答えず『😁いいから。上って☝』と…。

私と裕子は顔を合わせて首を傾げたがまた仕方なく上った。

智和も後からついてくる。

智和が上りきると屋根の一部を指差し『見て』と言った。

指差した所はサンルーフ部分だった。

私と裕子が覗き始めると『スーッ』と音を立てながらサンルーフが開いた。

No.296

智和について行くと…

それは一番奥に止まっていたワゴン車の前だった。

運転席と後部座席の間には黒いカーテンが閉められていて後部座席は見えないようになっていた。

しかも物凄く濃いスモークが貼られ内部は殆ど見えなかった。

だが車内の音楽だけはハッキリ聞こえてきた。

智和は駐車場の裏からブロックを数個持ってきて車の横に置き、静かな声で『上って😁』と言いながらボンネットをチョンチョンと指差した。


『え⁉上るの⁉』


声にならない声で智和に行った。


『うん😁上って☝』

それしか言わない。

仕方なく私と裕子は上ることにした。

No.295

夜9時…悠太先輩は仕事だった為、裕子と2人で駐車場に向かった。

駐車場にはワゴン車が3台止まっていた。

私と裕子が駐車場につくと手前のワゴンから智和が降りてきた。


おは😁


おは。


あっ😊初めまして😊


初めまして…。


とりあえず裕子を紹介した。


裕子ちゃんね😊俺、智和😊宜しく😊


宜しくお願いします…。


んで❓見せたいものって何❓


私がそう話すと智和は『シーっ☝』と言いながら『ついて来て』と言った。

私と裕子は黙って智和について行った。

No.294

冬休みが明ける前日、1本の電話が入った…。

電話の相手は…

智和だった。


もし❓俺俺😊直子の件なんだけど、今大丈夫😊❓


ちょっと‼一週間っていったじゃん‼全然一週間じゃないし‼


あっ💦まじわりぃ💦なかなか直子捕まらなくてちょっと時間くった💦けど…😁


けど何❓


直子はもう俺の奴隷みてーなもんだから😁今日実行すっから💡でさ、ちょっと見せたいものがあるから夜9時に○○中学の裏駐車場まできて😁


分かった。


裕子ちゃんも連れてきて😁


うん。了解。


しゃぁな✊


そう言って電話を切った。

『見せたい物ってなんだろう…』
『もしかして…また裕子の写真出てきたのかな…』

そんなことを考えながら裕子に電話をした。

裕子と話し合って、私は裕子の家へ、裕子は私の家へ泊まることにして、この日は悠太先輩の家に泊まることになった。

No.293

冬休み中は毎日のように裕子と一輝と悠太先輩と遊んだ。

『ずっとこのままならいいのに…』

何度思ったか分からない。

けど…先に居なくなったのは一輝だった…。

留学する日…冬休みが明ける3日前だった。

泣き喚いている私をあやすように宥める一輝…

一輝は私に優しくキスをし、強く強く抱き締めて私から離れて行った。

私は裕子と悠太先輩に慰められながら空港を後にし、そのまま帰宅…久しぶりに自分の部屋で1人きりで寝た。

一輝から貰った指輪を見ながら『楽しい時間はあっという間』なんだな…としみじみ感じていた。

それともう1つ…『新学期からまた大変だ…』と思いため息をついた。

No.292

だけど裕子は日に日に笑わなくなり、日に日に痩せて行った。

そんな中、やっと冬休み❄になった。

気晴らしに…🎅🎄と一輝がクリスマスにディズニーランドのホテルを予約してくれていた。

勿論、悠太先輩と裕子の部屋も❄

嫌なことも忘れ、開園から閉園まで遊びまくり、ホテルに帰ってマッタリと過ごした。

一輝との大事なクリスマス🎅…次はいつになるか分からない。

一輝とは初めて一緒にお風呂に入り、お互いをいたわるようなセックスをした。

いつもみたいな激しさはなく優しくてゆっくりしたセックスだった。

終わった後もずっと抱きしめ合い、そのまま眠りについた。

私は一輝がいなくなる夢を見て夜中に何度も目を覚ましたがその度に一輝が『大丈夫。ちゃんといるから』としっかり抱きしめていてくれた。

朝、目を覚ますと私の薬指にダイヤが散りばめらたまるでシンデレラがしているような綺麗な指輪がはめてあった。

少しだけ大きかったけど、一輝とのペアリングだと分かり朝から泣きながら喜んだ。

裕子も悠太先輩も幸せそうで…最高のクリスマス🎅だった。

心から『一輝、ありがとう』と思った。

No.291

次の日学校へ行くとすぐに私は呼び出しをくらった。

親も呼び出され散々怒られ…朝からヘトヘトになった。

裕子も学校に来ていたが…

この日からクラス全員からのイジメがはじまった。

キモイ、汚い、淫乱…様々な言葉が裕子の机に落書きされていたり、体操着には使用済みのゴムやナプキンがいくつもいれられていたり、給食には雑巾を絞った水がかけられていたり…

私は裕子にいつも付き添いどこにいても離れないようにした。

毎日裕子を迎えに行って、帰りは家まで送って行った。

裕子と悠太先輩の付き合いは順調だった為、悠太先輩にも事情を話し、できる限り裕子を支えてくれるように頼んだ。

No.290

止血をしながら裕子が私に話かける。


カズハも私のこと……嫌になったでしょ…あんな写真見たら…普通誰でも引くよね…。


涙ぐみながら言う裕子に私は強い口調で言った。


何言ってんの‼大丈夫だよあんなん‼それにあれ全部焼いたから‼


裕子は『ありがと。』と言いながらずっと泣いていた。

わんわん泣く裕子を慰めながら裕子に言った。


裕子。一週間待って。裕子の敵とってやるから。


え😢❓敵って❓


……直子のことうちの友達にやらせる。


それを聞いた裕子は


犯罪はダメだよ…。それに…あれはキツいよ…酷いことはしないで…


自分がやられても人のことを思いやることができる裕子を心から凄いと思った。

私なら…

喜んで『やっちゃって』と言うと思う。

裕子には犯罪にはならない、そいつが直子と付き合ってプレイとしてやることを説明した。

裕子は『直子がひっかかるかどうか…』と言ったが、私は自信有り気に『大丈夫。あいつとなら直子は絶対付き合うよ』と言った。

直子は面食いだったから絶対に智和に落ちると思った。

No.289

………カズハ‼…カズハごめん‼カズハ⁉大丈夫😭⁉⁉


泣きながら裕子が私の背中に手を回した。

私は痛くみで傷口を押さえながらうずくまってしまっていた。

『まじかよ~😭』

心の中で叫んだ。

傷口は思った以上に深くて血が止まらなかったが、傷口を合わせるようにきつく縛り付け暫く止血していたら血は止まった。

この時の傷は今でもくっきり手の平に残っている。

でも…この傷を見る度に『あの時、裕子が死ななくて良かった』と心から思う。

裕子は私にとってたった1人の大事な親友だから…。

傷が残るより裕子を失う方が比べものにならない位辛いことだろう。

裕子が無事で本当に良かった。

No.288

裕子の部屋のドアは少しだけ開いていた。


裕子…❓


裕子の名前を呼びながら部屋のドアを開けた。

すると…

裕子がカミソリで自分の腕を数カ所斬りつけていた…


裕子‼なにしてんの‼


裕子からカミソリを取り上げようとする。


もう嫌なの‼死にたいんだよ‼‼


裕子も必死でカミソリを掴んで離そうとしない。

その時、裕子がいきなりカミソリを下へ思いっきり引っ込めた…


痛‼‼‼‼


私の手の平から血が流れた。

No.287

裕子の家につき、ベルを何度も鳴らしたが何の返事もない。

裕子の部屋を見るとカーテンは閉まったままだった。

何回かベルを鳴らし、ドアノブに手をかけた。

『カチャ…』

玄関があいた。

玄関には裕子の上履きがあった。

『裕子帰ってきてる』


お邪魔します‼


そう言い上履きを脱いで階段を上がっていった。

No.286

智和は


別にやるのは構わないし、写真撮影も構わないけど、レイプっつーのはちょっとやべーから、同意の上でのレイプごっこでいい~😊❓


と躊躇することなく言った。


同意の上でのレイプごっこって❓


😊まじレイプだと俺らもリスクあるから、ノーリスクで行く為にその女と俺が付き合うからさ😊したら別にレイプごっこできるっしょ😊❓


…なるほど…。智和に任せるよ。


了解😊じゃあさ、とりあえず一週間時間ちょうだい😊


うん。分かった。これ…家の電話番号…。連絡ちょうだい。


うん😊分かった😊


そう言い、智和に電話番号が書いたメモを渡すと急いで裕子の家に向かった。

No.285

で❓カズハちゃんは何しにきたの❓まさかそんな話聞きにきたんじゃないでしょぉ😊❓


と少しからかうように言ってきた。


…ちょっと…。相談があって。


何~❓


一輝とかにも…絶対誰にも言わないで欲しいんだけど…


…❓いーよぉ😊で❓何ー❓


ある女をやって欲しい…


私は無表情で智和に言った。

私が智和に会いにきた理由…

それは『直子を裕子と同じ目に合わせること』…それと『裕子の写真のネガを回収すること』だった。

智和に会いにきた目的は、『復讐』の手伝いを頼むことだった。

No.284

智和とはあまりゆっくり話したことは無かったが、智和に頼るしかない…と思っていた。

智和は風呂を上がった後、コーラの缶を2本持ってきて私にも1本渡した。


ありがとう。


いえいえ。どういたしまして。


智和はコーラをのみながら携帯をチェックしている。


…ねぇ😒❓前から気になってたんだけど…智和ってどうやって生活してんの❓お金は❓


私は前からどうしても聞きたかったので聞いてみた。


ん~❓金は女から貰ってるよ~😊❓


え⁉女って⁉


ん😊❓俺の女達😊みんな落ちぶれたババアだけど風俗とかしてっから金だけはある訳よ✌


…😒なるほど…。
『それで第3の女な訳ね😒💨』

そう言いため息をついた。確かに智和は顔はいい。イケメンの部類だと思う。

ただ、体中に彫られた入れ墨だけは私には受け付けられなかった(笑)

見たことはないが一輝の話しによるとアソコの部分にまで入れ墨が入っていると言っていた。

No.283

アソコをボリボリ掻きながらジーっと見ている智和に、


😒てか。痒いなら風呂入ってくれば❓


と言った。

智和は、『昨日やった第3のババアにウツサレター😩』などと意味不明なことを言いながら風呂に入って行った。

写真を焼き終わったと同時くらいに智和が風呂から上がってきた。

No.282

ちょっと。とりあえず、灰皿と火貸してくんない❓


そう言うと


あ゛❓何それぇー❓
なんで~❓


と片手でアソコをボリボリ掻きながらアホな子のように言った。


😒💨いいから。貸して。


私は智和のテーブルの上の灰皿とライターを取り、写真を一枚一枚焼いて行った。

智和はそれを見ながら『エロ写真焼いて何が楽しーのー❓』と言いまたアソコを掻きながらタバコを吸った。

No.281

とも❓ねー‼とも‼⁉起きて‼


ん゛~…まだ……


💨完璧寝ぼけてる💨


ちょっと‼⁉とも‼起きてってばぁー‼


ん~…❓あれぇ゛❓なんでカズハちゃんいんの~❓もしかして俺昨日やっちゃった~❓


😒💨馬鹿…今来たんだよ。


ともの軽さに呆れながら答えた。


そーなぁん❓あ゛ー…まじだりぃ…。


智和は肩を回しながらタバコを吸い始めた。


『フゥー…🚬』


で…❓どうしたんー❓


だるそうに聞いてきた。

No.280

智和のアパートは比較的私のマンションから近い。

学校の近くを通らないといけない為、先生がいないか注意し、隠れながら向かった。

智和は無職で夜行性の為、昼間は家で寝ている。

智和のアパートにつき、ドアを開ける。

智和のアパートのドアはだいたいいつも開いていた。

アパートに入ると、エロ本とエロビデオに囲まれた智和が布団に倒れ込んでいた。

洋服を着たままで…アルコール臭い…

『どうせまた朝までのんでたんだろうな…』

そう思いながら、智和を起こし始めた。

No.279

私は裕子が心配だったが、とりあえずこの写真をなんとかしなければ…と思い、ある奴の家に向かった。

それは“智和”の家だった。

一輝と知り合ってから何度か族の集会に連れて行かれた。

その集会で出会った一輝の後輩だった。

族と言っても智和はヤンキーと言うよりはギャングに近かった。

『危ない奴』で有名だったが、一輝の前ではかなりいい奴だったし、私にもかなり優しくしてくれた。

何が危ないのか分からないくらいいい奴だった。

No.278

直子が泣きながら『助けて~‼』と泣き喚いていたがそんなのは私には全く関係なかった。

泣き喚いている直子の顔に膝蹴りを入れ、『殺してやる』と本気で思った。

その時、騒ぎを聞きつけた先生が教室へ入ってきた。

私は、直子の手にしっかり握られていた裕子の写真を無理やり掴み取り、走って教室を出た。

先生が『松岡‼』と叫び追ってくるが、無視して上履きのまま学校の外へ走って逃げた。

暫く走り、人気のない駐車場についた。

『ハァッハァッハァッハァッ…』

バクバクする心臓を押さえながら直子から取り上げた写真を見た。

『裕子…』

裕子を心配する反面

『直子絶対許さない』

人生で初めて人間を恨み、心底殺してやる…と思った瞬間だった。

No.277

現実は亮含め9人にやられたのだが、噂では15人とかなり大袈裟になっていた。

まぁ…私も裕子も『9人も15人も関係ない』という感じで噂自体、直子の嘘だといい知らぬ存ぜぬで通した。

だが…それも長くは続かなかった。

直子が数枚の写真を持って来た…

それは…

裕子が入れられてる所の写真や、意識のない裕子が顔射されている所…アナルに指を突っ込まれてアソコの部分にゴム付きソーセージを突っ込まれた写真…そんなのばかりだった。

それを見た裕子は一瞬にして顔が真っ青になり、その場からどこかに走って行ってしまった。

私は今まで感じたことのない怒りを感じ、気がつくと直子の首を掴み壁にぶち当てていた。

No.276

それは…亮の浮気相手の“阿部直子”が噂を流したのが発端だった。

裕子も私も以前から直子が亮と浮気しているのは知っていた。

裕子に子供が出来た時、話し合いに亮の家へ行くと亮と直子が一緒にベッドで寝ていたことがあった。

服は着ていたが、ゴミ箱に捨てられたティッシュの残骸や籠もった空気の感じで『今までやってたんだな…』と私も裕子も感じていた。

亮は直子のことは単なる遊びだったことは間違いないが、直子は亮とは付き合ってたつもりらしい。

噂の内容は…亮の名前は伏せてあったが、『裕子が回されたこと』だった。

No.275

裕子は犯されて妊娠した…そんなことを思う私は最低だ…とは分かっていたが、自分の気持ちには嘘はつけなかった。


裕子も無事に退院し、また学校へ通えるようになった。

一輝とも別れず、頑張れる限りは付き合っていくことになった。

初めての『遠距離恋愛』だった。

一輝はまたすぐに準備の為に向こうに発って行った。

ただ、救いだったのは一輝の住む場所に電話がついた為、たまに一輝と話しが出来たことだった。

何事もなく平穏な日々を送っていたが、ある噂が流れた時から学校では問題が起き嵐のような日々が始まった。

No.274

裸で抱き合いながら一輝が話しかける。


カズハ❓生理きた❓


うん。きた。


ハァ…そっかぁ。あんなにやってんのになかなか出来ないもんだな。


『…確かに…あんなにやってるのになかなか出来ない』

それは私も思っていた。

ほぼ毎日3回以上はして全て中だしなのに…。

欲しい時には出来なくて欲しくない時に限って出来るんだな…

と思った。

なかなか妊娠しない私にはすぐに出来るメカニズムが全然理解出来なかったが、心の片隅で『裕子はいいな…』そんなことを一瞬でも思ったのは事実だった。

No.273

公園からは真っ直ぐ一輝の家へ行き一輝と抱き合った。

一輝がいない時は強気で別れるつもりだったのに…

一輝の前だと弱くなってしまう自分…

『私の決心なんてあってないようなものだ…』

つくづく自分は弱い人間だと思った。

そんな感情とは裏腹に一輝に抱かれて幸せを感じている自分。


ぁっあん…ん…ァンっ…もっと…


ハァッ…カズハ…まじ…可愛い…


んっ…ァンっ…きもちぃぃ…


『グチュっ…ヌプっっ…』


一輝はゆっくり動かしたり、早く動かしたり私の反応を見ながら上下する…


あっ…かず…いく………ぃっちゃぅ…んっァンっ…


いいよ…ハァ…俺も…もうヤベェ…


あっあっ…いくっ………


私がいったのを確認すると、一輝の動きは一段と早くなり、『う゛っ…』
と言う声をあげそのまま私の中で果てた。

No.272

カズハ…。大変だったね。辛かったね。


そう言い一輝は私を抱き締めた。


一輝…知ってるの❓


うん。昨日悠太先輩に聞いた。


…うん。一輝がいなくて寂しかったよぉ…


うん。


怖かったよぉ…


うん。


辛かったよぉ。


うん。


もう離れたくないよぉ…


うん…。


一輝は暫くの間私をいたわるかのように優しく包み込み、ずっと抱き締めてくれていた。

No.271

『早く会いたい』

自然と足が早まる。

いつもの待ち合わせの時は公園までの道のりの景色を楽しみながら歩く余裕があったがこの日はそんな余裕はなく、公園しか目に入っていないかのように歩くことだけに集中した。

やっと公園のあるマンションが見えてきた。

マンションの前を足早に通り過ぎ裏の公園へ行くと一輝の単車が見えた。

公園のベンチに目を向けると一輝がタバコを吸いながら私に向かって手を振っていた。


ごめん‼急いで来たんだけど、待った❓


あぁ。ちょっと待った。


………まじで😩


そんな私を笑いながら見て


嘘。全然待ってないよ。今さっき来たとこ。


と言い頭を撫でた。

一輝に頼りたくても、会いたくても会えなかった気持ちが一気に溢れ出し、私は泣きながら一輝に抱き付いた。

No.270

裕子が2度目の手術を受け、退院の日が近付いていた頃…やっと一輝が帰ってきた。

10日程と言って発ったにも関わらず実際は2ヵ月近く向こうにいた。

一輝から久しぶりに電話がかかってきた。


もしもし。カズハ❓元気にしてた❓


…💨元気にしてたじゃないよ。…色々あって大変だったんだから‼10日位とか言ってたのに全然10日じゃないじゃん‼


ごめんごめん。向こうに行ってから住む場所の契約だとか色々な準備があってさ。なかなか帰れなかったんだよ。


…今日は❓今日は会えるの❓


あぁ。会えるよ。だから連絡したんだけど。


…分かった。じゃぁ、公園で待ってるね。


あぁ。分かったよ💡じゃ。


電話を切った後、会話中は終始不機嫌だったのに『…久しぶりに会える…』と胸は高鳴っていた。

No.269

その手術は、


『中絶手術』…


裕子は2度目の手術を受けた。

裕子はお母さんにも悠太先輩にも『もう手術はしたくない』と泣きながら抵抗したが、『誰の子かも分からない…産んでも子供が可哀想だ…裕子には幸せになってほしい…』という裕子のお母さんの必死な姿を見て手術を受けることを泣く泣く承諾した。

悠太先輩は何も言わなかった。

でも…裕子の前では平然を装っていた悠太先輩が泣きながらやけ酒している姿を街で何度も目にした。

いつも軽そうで悩みのないような先輩…喧嘩も強くなんでも前向きな先輩…そんなポジティブな悠太先輩でも辛かったんだろうな…と思った。

No.268

裕子の額には大きな傷が残った。

亮はいなくなり平和な時間が流れていたが、その傷を見る度に、あれは現実に起きたことなんだ…と実感した。

裕子は笑顔で毎日迎えてくれるが、鏡を見ながら傷を撫でている姿を何度か目にした…。

裕子に傷について聞いたことがある。裕子は傷が消えないのはやっぱり悲しいが、悠太先輩が私にはいるから大丈夫だと笑顔で言っていた。

裕子が入院してから1ヶ月半くらいが経った頃、怪我も完治に向かっている為、退院の為の精密検査をすることになった。


精密検査の結果…



また裕子は手術をすることになった。

No.267

裕子の方はというと…意識を取り戻してからは体の回復も良く次第に元の元気な裕子に戻っていった。

警察の聴取も無事終わり、亮と数人の後輩が逮捕され何人かの後輩と共に鑑別所に入れられた。

亮は物凄く嫉妬深く、異性と話すことすら許されない性格らしい。裕子がやられる日の前日、裕子と悠太先輩が一緒にいる所を亮の後輩が見てしまったのが原因だった。

裕子は呼び出され、亮と口論になり、キレた亮が裕子を暴行、抵抗出来なくなった裕子は亮と8人もの後輩達に次々に回された…。

回された後も暴行は続き、タバコの火を押し付けられたり、鉄パイプで体中殴打されたり…。反応がなくなった裕子をやることに飽きた亮達は裕子の財布から金を抜き取り消えた。

裕子は病院にも連れて行かれずそのまま放置された。

あの時、私が亮の家に行っていなかったら…そう考えただけで恐ろしい…と裕子のお母さんは涙を流しながら何度も何度も頭を下げた。

No.266

この日は裕子のいない部屋で1人寂しく眠りについた。

何故か自分の部屋で1人でいる時とは違い寂しさと虚しさで涙が出た。

朝7時過ぎに裕子のお母さんが部屋に来て私を起こし


裕子の意識が戻ったって…


と言いながら嬉しそうに涙を流した。

私も『良かった…』という安堵感から不安が吹き飛び自然と涙が出た。

その後、すぐに悠太先輩と真也さんに連絡を入れ、また念の為…ということで悠太先輩が迎えに来てくれた。

裕子のお母さんは悠太先輩に何度もお礼を言い、本当に感謝していると何度も伝えた。

悠太先輩は毎日の病院の送り迎えを献身的にしてくれた。

仕事中も度々、裕子のお母さんに『変わったことはないか』と連絡を入れてくれていたみたいだった。

『悠太先輩がいてくれて良かった…』と今でも心から感謝している。

No.265

私は裕子の側を離れたくなくて…離れたらお姉さんみたいにいきなり居なくなってしまいそうで…裕子の目が覚めるまで裕子の側にいたいと先生にも佐々木さんにも必死になってお願いしたが、


今日は帰りなさい。


と言う言葉と


カズハちゃん、今日は裕子の部屋に泊まってちょうだい。


と言う裕子のお母さんの言葉に促され渋々帰ることにした。

悠太先輩と真也さんは私に何かあった時の為に…とPHSと携帯の番号を教えてくれた。

念の為…と言うことで悠太先輩と真也さんが私と裕子のお母さんを自宅前まで送ってくれた。

裕子が居なくなったことに気付いた亮が裕子を探しにこないとも限らないから…と。

自宅に着くまでは不安もあったが、自宅前には亮の姿はなく安心して胸を撫で下ろした。

No.264

『また…大事な人を助けてあげられなかった…』







『お姉さんに…命の大切さを学んだはずなのに…』

私は自分の非力さに呆れ、自分に腹を立てた。

平和すぎる毎日と一輝との情事…淫らな日々に埋もれ、それに夢中になり忘れてはいけない大事なことを忘れてしまっていた。

そんな自分に腹が立ち、その甘さに落胆した。

何故人間は忘れてしまうんだろう…何故自分の都合の良いように生きてしまうんだろう…

…そんな自分が嫌いになった。

『…裕子…気付いてあげられなくてごめんね…』

裕子を見ながら何度も何度も自分を追い詰めた。

No.263

そんなお母さんを宥めながら


それではこちらへどうぞ…


と言い廊下を歩いて行った。

『ICU』と光った看板の入り口をくぐり抜けガラス張りになった部屋についた。

そこに裕子はいた。

顔や腕は包帯でぐるぐる巻きにされ、腕には点滴や血液の送られる針が沢山ついていた。

それを見て一瞬…お姉さんのことを思い出した。

『そう言えば…お姉さんの腕も針だらけだったっけ…』







『同じだ』







『私は全く変わっていない…また同じ過ちを犯してる…』

No.262

今日は裕子のお母さんに付き添うことと、裕子の容態やこっちの状況などはこまめに連絡を入れることを約束し電話を切った。

電話をかけ終わり、待合い室に戻ると手術着を着た先生と裕子のお母さんが何やら話しをしていて、その話しを静かに聞いている先輩達の姿が目に入ってきた。

私は急いで走っていった。

私は悠太先輩の後ろに静かに足を止め先生の話しに耳を傾けた。


とりあえず、警察には当医院から明日連絡を入れます。脳震盪も起こし、出血の量も思った以上にあり出血性ショックを起こしていましたが、命に別状はないと思います。ただ…顔面に数カ所かなり深い傷があり傷の痕は残るかと思われます。


お母さんは眉間に皺を寄せて顔を手で覆った。

No.261

泣き疲れた私はお母さんの手を握りながらボーっと考えていた。

『なんでこんなことになっちゃったんだろう…』
『何があったんだろう…』
『裕子は…なんで何も言ってくれなかったんだろう…』

考えれば考える程切りなく疑問符が並べられた。

時計に目をやると夜9時を過ぎていた。

『…家に何も連絡してないや…』

私は裕子のお母さんを見ながら、『親に心配かけちゃいけないな…電話しなきゃ…』そう思い、裕子のお母さんに


家に連絡してきます。


と一言いい公衆電話へ1人向かった。

面会時間も終わり、いつもは騒がしい受付前も明かりが消え静まり返っていた。

そんな静けさの中、私が電話をかける音だけが響いた…。

No.260

私は裕子のお母さんの隣へ座り、


お母さん…


と小さな声で呟きお母さんの膝に静かに手を置いた。

涙でグチャグチャになった顔で私を見たお母さんは


カズハちゃん…


と私の名前を弱々しくか細い声で言い私にしがみついてきた…

その瞬間…私の中で何かが壊れ、我慢していたものが一気に溢れ出し…気がつくと私もお母さんにしがみつき大声で泣いていた。

涙が止まらない…

私とお母さんは抱き合いながら泣き疲れるまで泣き続けた。

そんな私達の横で黙って座っていた悠太先輩と真也さんはそれぞれ徐に立ち上がり静かに離れた。

そんな2人の肩も小刻みに揺れ、鼻を啜る音だけが哀しげに聞こえてきた…。

No.259

私は、『どうか裕子が助かりますように…』と祈り続けていた。

時計を見ると…夜7時を過ぎていた。

相変わらず静まり返ったままの待合い室…。

その静けさを破ったのはバタバタと走る音と女の人の鳴き声だった。


ア゛ーァァァァ…裕子ぉーー…裕子ー裕子ー…ぉ‼‼‼


それは裕子のお母さんの泣き叫ぶ声だった…。

それを聞いた上戸さんは今まで握っていた私の手を離しその声のする方へ走って行った。

泣き喚き、錯乱状態の裕子のお母さんを抱きかかえるようにしっかり支えながら待合い室までゆっくり誘導し、ソファにゆっくり座らせた。

No.258

どの位の時間が経っただろうか…

廊下を歩く音と聞き覚えのある声が聞こえてきた。

音のする方へ振り向くと悠太先輩と真也さんがゆっくり歩いてきた。

1番始めに私の目に入ってきたもの…

それは、悠太先輩の白いTシャツ…。

赤いシミが所々に点々とついていた。

私は悠太先輩達の元に駆け寄り悠太先輩の腕を力一杯掴み


裕子は⁉無事なの⁉⁉


と言い悠太先輩の目をじっと見た。

悠太先輩は私の目を見ながら


まだ何も分からない…


と目を逸らした。たったそれだけの短い言葉を私に言い待合い室のソファに崩れ落ちるように座り…両手をギュッと握り締めながら俯てしまった。

それから私も悠太先輩も真也さんも一言も言葉は発しなかった。

No.257

エレベーターを降り、佐々木さんともう1人の年配ナースの“高田さん”は正面玄関に向かって走って行った。

佐々木さん達が正面玄関を出てからものの数秒も立たないうちに悠太先輩の車が病院裏の方へ入って行くのが見えた。

私は上戸さんに連れられて急患専用の待合い室に通された。

周りをキョロキョロ見渡すが悠太先輩も真也さんも裕子もいない…

私は急に不安になり上戸さんに聞いた。


あの…😢私の友達は❓みんなはどこですか…😢❓


不安げにする私に上戸さんは優しく手をにぎりながら


大丈夫。すぐ来るから(^-^)


とだけ言った。

暫くそのまま上戸さんの手をにぎり不安に押し潰されそうになりながら待った。

No.256

佐々木さんは年配の如何にもベテランって感じのナースを2人連れてきた。

そして一般用ではなく職員専用のエレベーターに私を連れて乗り込んだ。

エレベーターに乗り、1階のボタンを押す。

エレベーターのドアが閉まった所でまたゆっくり佐々木さんが話した。


お友達は今どこにいるの❓


今、正面玄関の先輩の車の中にいます😢


分かった。私が急患入り口にお友達を誘導するから、カズハちゃんはこの看護婦さんと一緒に後で来てね。


そう言い、“上戸さん”というメガネをかけた優しそうな年配のナースに静かに触れた。

私は上戸さんの方を見て静かに頷いた。

No.255

カズハちゃん❓落ち着いて。ゆっくり深呼吸して…。
ゆっくりでいいから話してごらん。


私は佐々木さんの言う通りゆっくり深呼吸して話し始めた。


友達が…怪我したんです😢ただの怪我じゃなくて…顔も分からない位腫れてて…ヒック…ゥック…返事もしないんです…


私は大声で泣き出したいのを必死に堪えた。


そのお友達は❓今、近くにいるの❓


佐々木さんは私の肩を優しく撫でながらまたゆっくり話した。


はぃ……います…😢


分かった。詳しい事情は後で聞くから、お友達のいる所まで案内して。


そう言うと走ってナースステーションへ戻る。私も佐々木さんの後を走ってついて行った。

No.254

すみません‼…ハァハァ…すみません‼‼…ハァハァ…ハァ…佐々木さんお願いします‼佐々木さんお願いします‼‼‼


私は必死に声を振り絞った。

私の大きな声にビックリして一気に沢山の目が向けられる。


あれ‼カズハちゃん⁉どうしたのぉ⁉


佐々木さんが歩いてきた。

『ゲェフォっ…ハァハァ…げふぉ…』

喉が渇き痛くて咳が出る。

それを見た佐々木さんは私に一杯の水を渡して


どうしたの❓何かあったの❓


と私を宥めるようにゆっくり話した。
私は水を一気に飲み干して言った…


佐々木さん…⁉友達が大変なの‼助けてぇ………


そんな私の様子を見た佐々木さんは私の腕を引いて人気のない大きな柱の影に連れて行った。

No.253

入り口を通過すると左手に『ナースステーション』と書かれた看板が見えた。

『あっ‼あった‼‼‼』

走り過ぎて足がもたれる…

ヨロヨロになりながらナースステーションについた。

ナースステーションでは丁度夕方の引き継ぎと『申し送り』の最中だった。

沢山のナースがいる。

その中を必死に佐々木さんを探す…

『いた‼』

佐々木さんは一番奥の椅子に座りながらカルテに何かを書き込んでいた。

No.252

病院内は夕方の面会時間と重なり平日なのに沢山の人がいる。

『エレベーターじゃ遅い‼』

私はエレベーター乗り場を通過し、階段を探し、勢い良く駆け上がった。

時々、階段に貼られた案内図を見ながら必死に走った。

いつの間にか無意識に

『西1病棟…西1病棟…』

と連呼していた。

『タンタンタンタン…』

という階段を駆け上がる音と

『ハァッハァッハァッハァッ…』

という息遣いが混ざり合う。

やっと階段の先に『西1病棟入り口』の看板が見えた…。

それを見つけると入り口向かって最後の力を振り絞り全速力で走り出した。

No.251

佐々木さんは、お姉さんが入院していた時にお世話になった看護師さんだった。

責任感も強く、仕事も確実、それに人の気持ちが分かるとても優しい人だった。

病院に行くには大通りに出なければいけない。

病院に着くまでは渋滞もあり少し時間がかかってしまった。

病院の正面入り口に着いた。

私は


佐々木さん呼んでくる‼


そう言い病院へ駆け込んだ。

『確か…佐々木さんの病棟は西1病棟…』

No.250

いる…。佐々木さん。


そう💡じゃぁ一輝の父ちゃんの病院向かうわ‼こうゆう場合、知り合いいた方が何かといいから。


そうなの…❓


多分…病院連れつて行けば親には勿論、警察にも連絡入るはずだから。警察って自己中だから被害者の気持ち考えねーからな。裕子ちゃんが自分から話したくなくても警察は関係なく事情聴取しにくるから。俺らがいる時は裕子ちゃんに会わせない処置取れるけどいない時は何とも出来ないだろ❓病院に知り合いが入れば事情も話しやすいし裕子ちゃんのこと安心して任せられるっしょ💡


『なるほど…』

真也さんに感心している自分がいる。

確かに…こんな状況だからこそ信頼できる知り合いがいた方が安心だ。

それに、佐々木さんなら裕子のことを任せられると思った。

No.249

私が泣いていると…悠太先輩が言った。


今一番辛いのは裕子なんだから…俺らがしっかりしなきゃいけねんだよ…。裕子のこと大事な友達だと思ってんなら…裕子の前で泣くな‼


…ごめんなさい………


私は謝ることしかできず…。謝りながら必死に出てくる涙を抑えた。

『私が悲しんでる姿を見ればきっと裕子は自分のことより私のことを心配する…
裕子にいらない心配なんかかけちゃいけない…』

そう思って必死に泣き出したいのを我慢した。


真也さんが私の頭をポンポンと叩きながら言った。


大丈夫だよ。人間そんなに簡単に死なないから。…あっ…カズハちゃん、一輝の父ちゃんの病院に知り合いとかいない❓


私は少し考えて1人の看護師さんが頭に浮かんだ。

No.248

裕子と最後に話した日、亮の話をする裕子は明らかにおかしかった。

言葉に詰まったり、亮の話を避けたりしている傾向があった。

それに…私と別れた後のあの慌てよう…いくら呼び出されてるからってあの急ぎようは普通ではなかった…

おかしいな…とは思っていたのに『二股は大変だな…』なんて軽くしか考えられなかった自分…。

こうなった今考えると裕子からは分かりすぎるくらいのSOSが送られていた。

『人は失わないと分からない』『大変なことにならなければ気付かない』

人間って…つくづく馬鹿でつくづくくだらない生き物だと思った。

勿論…自分も含めて…。

No.247

振り返り、後部座席の悠太先輩に話しかける。


先輩………裕子は…裕子は大丈夫なんですか⁉


…………。


悠太先輩は何も言わず裕子の体をしっかりと腕に抱いている。

悠太先輩の腕の中の裕子を見る…

顔は赤く腫れ上がり…体もボコボコ…制服ははだけ制服のリボンは破れている…


裕子…裕子ごめんね…


私はそう言いながら心の中で自分を責めた。

『あの時、裕子の異変に気付いて行くのを止めてれば…そうすれば…こんなことにはならなかった。私って…なんでこんなに鈍感なんだろう………自分の大事な友達1人守れない…。』

No.246

裕子…


悠太先輩が裕子に話しかける。

反応はない…が…息はしているようだった…。


息はしてる…。真也‼玄関開けろ‼


そう言うと悠太先輩は裕子を抱きかかえてズカズカ歩き出した。

真也さんは先に玄関に走り、玄関を開けた。

悠太先輩は後部座席に裕子を乗せると


真也、お前運転‼カズハちゃんは助手席座って‼

と指示をする。


あいよ。


真也さんは運転席に乗り込んだ。

私も急いで助手席に乗り込む。

私がドアを閉めると車が走り出した。

No.245

目の前には裕子が横たわっていた…

やはり…顔の原型はなくパンパンに腫れ上がっていたがそれは裕子だった…

裕子の足や腕…至る所にどす黒い色の痣が無数についていて鼻や口からは血が出ていた。

血は乾いている部分もあった…

何度かに渡り暴行されたからだろう…。

制服は来ていたが…ショーツが脱がされていた。

…私達はそれを見て何をされたのか察していた…。

No.244

穴が開いたのを確認すると悠太先輩は真也さんに『工具箱に入ってる手袋取って』と言った。

真也さんはまた工具箱をあさり、皮で出来た手袋を悠太先輩に渡した。

悠太先輩はその手袋を両手にはめると穴に手を突っ込んで

『カチッ…』

窓の鍵を外した。

『ガラガラガラガラ…』

窓を開け、カーテンを勢い良く開けた。

すると…

No.243

そう言うと真也さんはワゴン車のトランクを開けて工具箱からスパナと少し汚れたタオルを出し、悠太先輩に渡した。

それを受け取った悠太先輩は慣れたような手つきで窓の鍵辺りにタオルを当ててスパナで垂直に強く突いた。

『パリ…』

窓にヒビが入った。

悠太先輩はヒビが入ったのを確認するとタオルを外し、さっきよりも弱くスパナの柄の部分で叩き始めた。

『パリ…パリ…ミシっっ…』

何回か叩いていると指が入りそうなくらいの穴が開いた。

No.242

真也さんも眉間に皺を寄せ言葉には出さないがイライラしているのが分かった…

真也さんが足を小刻みに揺する…

真也さんの苛立ちが伝わってきた。

悠太先輩は途中大通りを避けて住宅街ばかりを走り始めた。

帰宅ラッシュを避ける為だろう。

地元の人間でも分からないんじゃないかくらいの細い道を器用に運転していった。
気がつくと亮の家がある道に出ていた。

亮の家へつき、悠太先輩と真也さんが家の周りの様子を伺った…

家は誰もいないのか…物音1つ聞こえてこない。

そこに…『ピリリリリ…ピリリリリ…』と何かが鳴った。

それは真也さんのPHSだった。


はい。もしもし。…ああ‼…で❓…あー…あー…あー……分かった。わりぃんだけどまた動きあれば即効連絡して。あー…宜しく。


電話を切った後、


今、亮って奴はいないよ。○○のゲーセンいるらしいから。


そう言った。

それを聞いた悠太先輩は、亮の部屋の窓をのぞき込んだ。

暫く周りをキョロキョロしていると真也さんを呼んだ。


ちょい…。なんか割るもんない❓


あー、ちょっと待って。

No.241

先輩…裕子が大変なの😢助けて…。


涙目になっていた。

それを聞いた悠太先輩は真面目な顔になり、


え❓何。裕子がどうしたの❓


と言った。


理由は後で話すんで…早く亮の家に向かって下さい😢‼‼‼


私のただならぬ様子を見て、一輝の友達の“真也さん”も一緒に来てくれることになった。

真也さんは、『今日はアルバイトが多いから大丈夫』といい、つなぎを着たまま悠太先輩の車に乗り込んだ。

悠太先輩は亮の家まで車を飛ばした。

向かってる間に自分が見た一部始終を伝えた。

悠太先輩は何も言わず黙って聞いていたが、その顔は明らかにいつもの悠太先輩とは違っていた。

No.240

『いた~‼‼』

車の中に先輩がいるのは確認できたが水しぶきが凄くて近付けない。


ねぇ⁉後どのくらいで終わんの⁉⁉


ん~後3分くらいじゃね❓


私は洗車が終わるまで待つしかない…と思い『早く終わってくれ…』と手を握りしめながら待っていた。

やっと洗車も最後になり、水や周りのモップが止まり車が出てきた。


先輩‼‼‼


大きい声で先輩を呼んだ。


お~💡久しぶり😃何したの❓もしかして俺に会いにきてくれたのぉ❓


悠太先輩は相変わらず悩みがないように軽い感じで話してきた。

No.239

ガソスタにつくと…

『先輩いないじゃぁん😭』

先輩はいなかった…

でも一輝の友達が私に気づき、


カズハちゃ~ん👋


と声をかけてくれた。

私は走って行き、


悠太先輩は⁉今日は来てないの⁉⁉


と大きい声で言った。

すると…


あ💡来てるよ😃


と…。


え⁉どこに⁉⁉


友達が指指した…

洗車機だった。

確かに洗車機に入っているのは悠太先輩の車だったが悠太先輩自体はいない。


先輩いないじゃぁん😭


いやいるって(笑)今洗車機ん中😂


そう言われて洗車機の前へ回ってみると…

悠太先輩は運転席で寝ていた💦

No.238

ガソスタは少し遠かった為、タクシーで行くことに決めていた。

大通りに出るとすぐ『🈳』の文字のタクシーが来た。

タクシーに乗り込み


すみません。○○の○○スタンドまでお願いします。


タクシーが走り始めた。

15分くらい走り、ガソスタが見えてきた。

夕方のラッシュ時で車が混んでいてなかなか進まなかった。

『もー‼この道いつも混むんだから‼‼』

イライラしていた私は運転手さんに


すみません。ここでいいです。


といい、お金を払いタクシーを降りた。

横断歩道までは行かず、混んでいる車と車の間を足早に渡った。

No.237

『…裕子…なんで…どうしよう…。どうしよう…』

いつもなら一輝に助けを求めていたが、一輝は今はいない…

『とにかく…先輩探さなきゃ…』

途中、『警察』という文字も浮かんだが、とりあえず先輩に…そう思った。

『警察』に言っても初めだけなのが分かっていたから無理に騒ぎ立てるより裕子をずっと守ってくれる方に掛けたんだと思う。

『先輩なら、裕子を守ってくれる』

そう思った。

先輩は夕方は一輝の友達が勤めているガソスタによくたまっていた。

『どうか先輩がいますように🙏』

そう願いながら大通りまで全速力で走った。

No.236

隙間から見えたのは…

目や顔中ボコボコにされて鼻血が流れているセーラー服を着た女だった…

死んでるように床に横たわっていた…。

『何…❓』

角度を変えて必死でまた確認する…

『あれは…』

横たわる体の先に手首が少しだけ見えた…

裕子が先輩からプレゼントされたバングルがしてあった……

『………裕子……⁉』

顔の原型は無く…誰が誰だか判らなかったが間違いなく裕子だと思った。

No.235

『全く💨裕子は何してんだ💨学校があるのに泊まり込むなんて💨テスト近いのに💨』

と少し呆れながら亮の家に向かった。

亮の家には子供が出来た時に何回か話し合いに付き添ってたから場所は完璧に分かっていた。

亮の家についたが、『確か…亮の家も共働きだったはず…』そう思い、家の中をのぞきながらベルを押した。

『ん❓』

ベルが壊れているのか💦音が鳴らないみたいだった。

『も~💨しょうがないなぁ』

亮の部屋は一階で玄関のすぐ横だった為、窓を叩けば分かると思った。

私は亮の部屋の前にいった。

カーテンは閉まっていたが、少しだけ隙間があいていた。

その隙間から部屋の中をのぞいてみた。

『え…❓』

No.234

学校が終わり、裕子の家に向かった。

裕子の部屋はカーテンが閉まったままだった。

『ピンポーン』


ハーイ…


ベルを押すとまだ仕事帰りなのか制服姿の裕子のお母さんが出てきた。


こんにちは‼裕子、今日学校休んでたみたいなんですけど何かあったんですか⁉


あ~💨裕子なんだけど、昨日亮君とこ行ってから帰ってきてないのよ💨最近、亮君とこに泊まりが多くて困ってたのよ💨


あっ💦そうなんですか…じゃあ、私、ちょっと行ってみます💡


せっかく来てくれたのにごめんね💨裕子のこと宜しくね。


そう話すとお母さんは家の中に戻って行った。

No.233

次の日、裕子は学校を休んだ。

『なんかあったのかな❓』

そう思って休み時間に裕子の家に電話をかけた。

裕子の家は単身赴任で、お母さんも働いていた為、ほぼ家には誰もいない。

それは分かっていたが、何度電話をかけても裕子も電話に出なかった。

『裕子、どうしたんだろ…』

少し心配だった私は帰りに裕子の家に寄って行こうと思った。

No.232

裕子❓亮君から電話~‼


裕子のお母さんの声がした。


はーい。


裕子は返事をするとリビングへ降りていった。

10分くらいして裕子が戻ってきた。


ごめん。カズハ。亮から呼び出し…🙏


私にそう言い手を合わせた。


うん💡てか亮から呼び出しあるのはわかってたし、そんなに拝まなくていいよ(笑)


裕子も笑いながら『本当ごめん』と言い、途中まで一緒に帰った。

裕子は私と別れた後、走って行ったのが見えた。

『裕子も大変だなぁ💨二股も楽じゃないよね💨』

そんなことを思いながら家に帰った。

No.231

…先輩は亮と二股なの知ってるよ。亮はそうゆうの絶対ダメなタイプだから話してないけど…。


…まじかぁ💨バレたらどうすんの❓


バレたら❓殺されるかも。あっ…でも先輩に返り討ちにされるかもね(笑)


そう言って笑った。


『裕子も何かと複雑な理由あるんだろうな…。』


長い間裕子を見ていて亮に対してだけは何か違うと感じていたから、何か別れられない理由があるんだと思った。

No.230

裕子の方は❓最近どうなの❓


別に…。特に変わったことはないよ。


裕子の顔が少し曇った気がした。


そう❓先輩とは❓仲良くやってる❓


あっ😃先輩とは全然仲良いよ。先輩本当にいい人だし…一緒にいると本当落ち着くよ。


そっかぁ😃亮は最近学校来てないけど、亮とは会ってんの❓


…あ…うん。毎日呼び出されるからね。


ふ~ん。そうなんだ。てか、亮じゃなくて先輩と付き合っちゃえば⁉


私は半分冗談で言ったつもりだったが、裕子の返事は意外だった。


うん。先輩とも今付き合ってる。てか…二股ってやつ…。


『え⁉⁉⁉』


驚いて裕子を見た。

裕子と目が合い…また裕子が話し始めた。

No.229

カズハは一輝さんが留学するの止めないの❓別に留学なんかしなくても医者なんてなれるじゃん⁉


そうなんだけど💨一輝は所詮お坊ちゃんってことだよ。元々合わないってことだろうね💨


まぁね…留学するなんて金持ちしか出来ないことだもんね💨


『そう…所詮一輝はお金持ちのお坊ちゃんで…私みたいな一般庶民とは住む世界が違う人…結婚だってすんなり出来る訳がない。』

心の中で諦めがついた瞬間だった。

住む世界が違う人と結婚したって苦労するだけだ💨

やっぱり一輝とは別れよう💨そう思った。

一輝のことに踏ん切りがつき、少しだけモヤモヤしてたものがなくなった気がした。

一輝とのことがスッキリした所で、話題は裕子の男関係の話しになった。

No.228

うん…。それも考えてはいる…。


裕子はため息をついて『6年も離れるならお互いの為に別れた方がいいのかもね…』と言った…。


『だよね…。別れた方がお互い楽だよね…』『別れたい気持ちがない…とは言い切れない』

私は早く蹴りをつけようと思い始めていた。

一輝は一昨日からお父さんとドイツに行った為、約10日間前後は会えないし連絡も取れない。

いい機会だからちゃんと考えよう…。

そう思っていた。

放課後、裕子と久しぶりに裕子の家に行き色々話しをした。

No.227

私はため息をつき話し始めた。


実はさ…一輝来年から留学するらしくて…。


まじで⁉どこにどの位⁉⁉


ドイツに6年だって💨


6年~⁉⁉カズハどうすんの⁉


💨ついていく訳にもいかないし、どうすることもできないっしょ💨


え⁉てか…別れるってこと…⁉


裕子にはっきり『別れ』と言う言葉を出されて正直迷っている自分がいることに気がついた。

No.226

え❓浮気以上のことって❓何❓


裕子は本気で考え始めた。裕子が出した答えは…


もしかして…一輝さんゲイだったとか…⤵❓


真面目に答えている裕子に笑えた。


あはは😂ゲイならまだ良かったんだけどねぇ~…


え😨❓ゲイ以上のことって何❓実はアソコついてないくらい小さかったとか…(笑)❓


アソコがついてないくらい小さい方が…良かったんだけどねぇ~…


え~⁉何それ⁉めっちゃ重大じゃん‼


我ながら馬鹿な話しをしている2人だなと思った(笑)

No.225

最近、カズハ何かあった❓


裕子が話しかけてきた。


別に。何にもないよ。なんで❓


ん~❓なんか最近変わったな~って思って。


え❓どこが❓❓


ん~❓…なんか冷めたって言うかあんまり笑わなくなった。一輝さんと何かあったの❓


裕子はいつも感が鋭い。


あ~⤵実はちょっとね…。


何なにぃ❓一輝さんとむちゃくちゃラブラブだったじゃん❓喧嘩でもしたの❓


💨喧嘩なら良かったんだけどね…💨喧嘩以上だよ…⤵


それを聞いた裕子が少し怒った目つきになって言った。


つーか…もしかして一輝さん浮気したとか❓


私は半笑いしながら、


浮気だったらまだ良かったんだけどねぇ~


と言った。

No.224

ただ…この時くらいから一輝に対しての気持ちに徐々にだけど変化が現れ始めた。

一輝とセックスしてもドキドキしない。

気持ちはいいけど好きで好きで堪らない…という感情は全く湧かない…

一輝は相変わらず毎日、毎日『好きだよ』『可愛い』と言い、その度にぎゅっと抱き締めてくれるが…『うん』と素っ気ない返事を返す…そんな感じになっていった。

だからと言って一輝以外の男を好きになる訳でもなく…

段々と『恋愛』自体に冷めていった。

全て経験し…楽しみがなくなった『子供』みたいな感じだった。

全てのゲームをクリアし、暇を持て余す…そんな感じに近かった。

No.223

そんな生活の中でも、一輝と会える時間は確実に減っていった。

寂しくて堪らない時は一輝の動きを真似して自分で愛撫し、1人でいった。

一輝にはよく『オ○ニー』してんの❓と聞かれた。

別に隠す必要はないしもう恥ずかしいことはないと、はっきり『してるよ』と言っていた。

一輝はそれからセックスをするときは私にオナらせたりしてそれを見ながら自分のをいじったり…という前儀が加わった。

No.222

その日から…暇があれば一輝とセックスした。

今思えば…よくあんなにも夢中になれたものだと思うくらい…。

そのくらいセックス三昧だった。

他にやることはないの❓って突っ込みをいれたいくらい…。

1日に3回は必ずしていた。

それも全て『ゴム無し』の『中だし』だった。

何度かゴムをつけてやったこともあったが、気持ち良くないと私が途中でゴムを取り、結局ゴムが無駄になる為、ゴムはつけなくなった。

No.221

終わった後、私に優しくキスをしながら


カズハ…大好きだよ。


と一輝が言った。


私も…。


一輝に優しくキスを返した。

終わった後も暫く裸で抱き合った。

抱き合って話したことは…


子供出来ちゃったらどうする❓


出来たら❓出来たら産むよ。当たり前じゃん。俺、一生懸命働くからさ。


…など…子供の話しばかりだった。

私は後悔はしてなかった。

寧ろ…セックスの気持ち良さにはまっていた自分がいた。

No.220

パンッパンッパンッパン………

アッアッん…ダメ‼かず…あっぁん…だめぇー‼お願い…あっんっ…


一輝が私に


いってもいいよ…


と言った。

『いく』って…こうゆうこと❓これなの❓

そう思いながら我慢していたが、あまりに一輝が激しく突いたせいで我慢も出来なくなっていた…。


カズハ…いく時は…いくって言うんだよ…


一輝が私に言った。


う…ん…。アッんあっ…もぅ…いっちゃうかも…


いいよ。俺も一緒にいくから。


『グチュっパンッパンッパンッパン…』

また激しくなった。


あっあっ…‼だめっ‼か…ず…いくいく…んあっ…………


私は初めていった。

それを見た一輝も


アッ…うっ俺も…あっ…いく…いくよ…


そう言い強く私を突いた後、私の上に倒れ込んだ…。


『はぁ…ハァ…』


一輝と私は汗だくになりながら肩で息をしていた。

No.219

アッ…アッ…ウッ…カズハ…まじ気持ちいい…


私も…きもち…ぃい…一輝ぃ…好き…


アッ…あっ…俺…も。大好き…。


ンッンッ…あんっあ…あ…一輝ぃ…きもちいよう…もっとぉ…んっ…アンっ…


グチュっクチュっ…ヌチュッ


アンっ…一輝ぃ…なんか…あっ…変…アンっ…


私の声を聞くと一輝は今まで以上に早く激しく腰を動かし始めた…

No.218

…カズハ…ゴムする❓


…………


悪魔が囁く中、親の顔が浮かんだ…。


カズハ。やっぱりやめようか…


一輝が静かに言った。

親の顔が浮かぶ度にまだダメ…と叫ぶ自分がいた。

けど…やっぱり一輝とは離れたくない‼

『親』と『一輝』を天秤にかけてしまった…。当たり前のことながら…一輝を取った。


一輝…ゴムしなくていい…早く入れて…。お願い…。


自分から一輝に激しくキスをする…。


カズハ…痛かったら言って…。


そう言うと、一輝のものが私の中へ入ってきた…。


グチュっっっクチュ…


一輝がゆっくり腰を動かす…


ンッ…あっ…ん……ハゥ…んっ


…カズハ❓痛くない❓気持ちいい❓


う…ん…気持ちぃ……


今まで一輝が指を2本、3本…と私の中へ入れて慣らしてきたことと、かなり濡れていた為か痛みはあまり感じなかった。

No.217

…俺と結婚しよう。絶対幸せにするから。カズハ以外は考えられない…。


私は涙を流しながら


うん…。


と言った。

この時…私は『嬉しい』…という気持ちと、もう1つ…。

『赤ちゃんが出来たら一輝と離れずにいられる』………………と悪魔が頭の中で囁いていた…。

もう理性ではコントロールできず…一輝と離れない為には子供を作るしかない。

子供が出来ればいくら厳しい一輝のお父さんも納得せざる負えないだろう…

そう思っていた。

自分の利益の為だけに新しい命を犠牲にしようとしていた。

この時の私は、まだまだ若く愚かで浅はかな子供だった。

大人の真似事をし、『ままごとごっこ』をしている小さな子供と変わらなかった。

No.216

カズハ…まじ気持ちいい…ヤベぇ…


そう言うと、私の腰を持ち上げ自分の体の上に乗せた。

一輝はクリトリスを舐め始めた…


んっンッ…


今までに感じたことのない気持ちよさが体中に走った。


んっあんっ…ぁあ…はぁん…


喘ぎ声が自然に漏れた…。

アソコがピクピクするのが自分でも分かった。


一輝ぃ…入れて欲しい…。


私は体制を直し一輝の目を見て言った。


それは…ダメだよ。


そう言う一輝を上目使いで見てまたおねだりする。


一輝ぃ…お願い。初めては…一輝がいいの。一輝の赤ちゃんなら出来てもいい…。だから…お願い…。


一輝は私を優しくベッドに寝かせて言った。

No.215

一輝の手が下にのび、いつも以上に激しく触り、動く…


アーッあんっあっあっんっ

ダメ…かず…あっぁん…はぁんっ…


私は一輝のものに手を伸ばし、優しく、強く触った。


ウッ…あ…


一輝の喘ぎ声が聞こえて…その瞬間、私は一輝のものを口に入れて舐めていた。


あっ…カズハ………


一輝のものは私の唾液でベトベトになっていたが、寂しさと満たされない気持ちを埋めるように舐め続けた。


ジュポ…ジュプ………


ウッ…ハァ…アッ…


一輝の喘ぎ声と一輝のものを舐める音だけが響いていた。

No.214

一輝ぃ…離れたくなぃよぉ…


私は一輝に力一杯しがみついた。

一輝も私を力一杯……痛いくらい物凄い力で抱き締めてきて………いつもよりも激しいキスをしてきた。


ンッ…ンッ…

と言う声にならない声と

ピチャピチャ

と舌を絡ませる音がする。

一輝はいつもみたいに少しずつではなく服の中に半ば強引に手を入れブラを外した。

一輝は痛いくらいの力で私の胸を揉みしだき、いつも以上に激しく乳首を舐めた。


あっあっ…

はぁっ…んっンッ…

あんっ…


『もうどうなってもいい…一輝になら、どんなに痛くされても…犯されてもいい…』

そう思った。

No.213

…ごめん。


一輝はそれだけ言って私の手を離し部屋を出て行った。

一輝が出て行った後も大声で泣き続けた。

暫くして一輝は戻ってきたが、一輝の目も真っ赤で…。一輝もどこかで泣いてたんだな…って思った。

戻って来た後、一輝は泣いている私の頭をずっと撫でてくれていた。


一輝と離れたくないよぉ…


そう言う私を抱き締めて一輝は私にキスをした。

No.212

俺は…。カズハとは別れたくない。全く会えないって訳じゃないし。


『………』

頭が真っ白になって頭が働かない。けど…何か言わなきゃ…。

そう思って出た言葉は


どの位❓


だった。


6年位。


一輝は答えた。

『6年』…

一輝と出会ってからの時間でさえ6年も経ってないのに離れ離れで6年なんて正直無理だと思った。


長すぎ…。で…会えるのはどの位…❓


年に1回位。


『年1回』…❓

私はそれを聞いて泣きながら


年に1回しか会えなくてどうやって付き合ってくって言うの‼‼そんなん無理に決まってんじゃんっ‼‼‼


一輝に怒鳴りつけていた。

No.211

そんな私を見て、一輝は私の手を握りしめながら話しを続けた。


俺、お父の後継ぎでお母じゃなくお父に引き取られたんだ。好きなことをしてもいい、その代わり高校卒業後はお父の条件をのむ…って約束で今まで好きにやらせてもらってきたんだ。

…贅沢もさせてもらったしね。

近々…向こうの大学の試験受けに行くんだ。試験の時も一週間は向こうにいなきゃいけねーから。。。
多分、これからどんどん会える時間は少なくなると思う。


私は黙って聞くしか出来なかった。

No.210

カズハ。大事な話しがあるんだけど。


ん❓なにぃ❓


一輝の隣に座り甘えるように一輝の腕に絡んだ。


…あのさ。来年から暫く会えない…。


え…❓…なんで…❓


一瞬で甘い雰囲気は壊れ、胸が苦しくなった…。


……お父と話し合って…来年から留学することになったんだ……。


留学…❓…留学って❓❓


…ドイツにお父が行った大学があるんだ。そこに行くことになった。


………ドイツって…❓


声が出なくてそれ以上は話しにならなかった…。

No.209

その後、悠太先輩と裕子は2人で遊ぶくらい仲良かった。

でも裕子は亮とは別れず何も無かったかのように付き合い続けていた。

夏休みに入り、一輝の家に入り浸りの日々になった。

毎日一輝と一緒にご飯を食べて、一輝と一緒に寝て…。『飽きないの❓』って一輝の周りに聞かれる程どこでも一緒だった。

ただ…夏休みの終わる頃…一輝から私に話しがあった。

No.208

ただ、いつもは笑い話ばかりで話しがつきない悠太先輩でもこの日はなかなか話しが続かず…。

待ち時間の大半はお互い何も話さず静かだった。

裕子が看護師さんに連れて行かれてから30分後くらいに麻酔で眠ったままベッドに横たわった裕子が帰ってきた。

手術の時間よりも裕子が目を覚ますまでの時間の方が長かった…。

裕子が目を覚まし、私と悠太先輩の顔を見てポロポロ涙を流しながら『ありがとう。』とだけ言った。


お疲れ様😢裕子😢


お疲れさん。ゆっくり休みな。


私と悠太先輩はそれだけ裕子に言い、私は裕子が泣き終わるまで裕子の手を握っていた。


この日、裕子は悠太先輩が、私は一輝が迎えにきてそれぞれ家路についた。

No.207

手術当日…悠太先輩が車を出してくれた。

病院へつき、悠太先輩も受付まで付き添ってくれた。

亮は話し合いはしたものの…同意書にサインはしてくれず…。

同意書には悠太先輩がサインをしてくれた。

病院の先生に『すみません。宜しくお願いします。』と深々と頭を下げている悠太先輩を見て裕子は申し訳ない…と泣いていた。

私と悠太先輩は病室で裕子の帰りを待つことにした。

病室は個室だった為、私と悠太先輩はコンビニで買ってきたご飯を食べたり、ジュースを飲んだりして待ち時間を過ごした。

No.206

この日を境に、一輝とは、『キスだけ』ではなくなった。

ただ、一輝は最後までは絶対せず指だけしか入れなかった。

裕子はと言うと…

一輝の家で会った次の日に亮と話し合い、『おろす』ことになった。

『中絶』…

裕子は話し合いの後、悠太先輩の紹介で学生でも手術をしてくれる病院に行き、手術した…。

手術の日は私も付き添った…。

No.205

それから暫く無我夢中で絡み合っていたが、私は初めてだったせいかいかなかった。

一輝も私の手ではいけず…

途中から『疲れたでしょ。ごめん。自分でやるよ』と言い自分で触り…その様子をマジマジと見ていた。

一輝の息がだんだん強くなって…一瞬体が硬直して『ウ゛ッ…』と喘ぎ一輝のアソコから白いトロトロした液体が出てきた。


ハァ…ハァ…


と言いながら暫くベッドで動かなかった。

No.204

うっ…ハァ…カズハ…気持ちい…


一輝が声を上げた。

私は一輝が感じているのを愛おしく感じ、優しく上下に動かし続けた。


ウッ…あっ…カズハ…


あっ…アンっんっ…アンっ…


一輝の声と私の声が混じり合う。


もう我慢できねー。カズハ…直接触って…


そう言うと一輝は下を全部脱いだ。

初めて男の大きくなったアソコを見た…

直接触ると…一輝はビクッとしてまた感じ始めた。

『固くて…温かい…』

時々、固さを確かめるようにギュッと握った。

No.203

初めは痛かったが、段々と痛くなくなり、痛みの代わりに何とも言えない感覚がおそってきた。


あっあっ…んっ…アンっ…

『クチュクチュクチュ…』という音と喘ぎ声だけが響いた。

一輝は指を動かしながらディープキスをしてきた。

いつもの一輝とは違い激しい。

ディープキスをしながら私の手を自分のものに導いた。

『何…これ…おおきい…』

私は始めて男の人のアソコに触った。


カズハ…こうやって動かすんだよ。


そう言うと私の手を使い上下に動かし始めた。

No.202

あっぁっ…ん…ハァ…ハァ…

イヤっ…んっんっ…あんっ…

喘ぐ私を見ながら一輝が耳の側で囁いた。


カズハ…可愛い。


そう言うと、私にクリトリスを触らせながらキスをしてきた。


ンフッ…んっ…


吐息が漏れる。

一輝の指がまた下の部分に来て


入れるね。


そう言うと何かが入ってきた…


あっ…いたぃ…


一輝の手を掴んだ。


大丈夫…。少し我慢して…。


一輝は私の手を抑えて『クチュクチュ』と動かし始めた。

No.201

『何…これ…凄い濡れてる…』

急に恥ずかしくなり手を離す…


女の子は感じるとアソコの部分が今みたいに濡れるんだよ。恥ずかしことじゃないから…大丈夫。


そう言いまた私の手をアソコの部分へ誘導した。

私はどうしたらいいのか分からず一輝にされるがままだった。

また手がアソコの部分に当たる。

一輝は私の指を固い部分へ持って行った…またビクッと体が反応する…


ここがクリトリスって言うんだよ。ここが一番気持ちいいんじゃない。


そう言うと私の指を使いクリクリと動かし始めた…。

No.200

そのまま手は下の部分へ…

ショーツの上から上下に動かし、指が固い部分に当たった瞬間…

体がビクっとした。


大丈夫。力抜いて…痛くしないから…


一輝はショーツの横から直接触ってきた。

一輝の手が優しく上下する…

…一輝の指が固い部分に当たり、その部分をクリクリ優しく撫で始めた。


あっぁっ…んっ…あんっ…

はぁ…あっ…あぁあぁ…ん…


一輝の指が次第に早くなり、声も大きくなる…


カズハ…すげー濡れてるよ…


そう言うと私の手をアソコの部分へ持っていった…


カズハ…触ってみて…


一輝の手に誘導されて私の手がアソコの部分に触れた…

No.199

あっ…ちょっと…待って…。


そう言う私の言葉を振り切り一輝は私の制服を脱がし、上半身はブラだけになった。

私の中学校はセーラー服だった為、半分脱ぐ…とか少しだけ着る…とかは出来ず、脱ぐなら容赦なしに全て脱ぐしかなかった(笑)


一輝…やっぱりダメ…恥ずかしいよぉ…


大丈夫。優しくするから。


一輝は胸を揉みながら首すじや乳房に『チュッ…チュッ…』とキスをしながら舌で舐めたりしてきた。

あっ…ンッ…か…ずき…くすぐったいよぉ…

声にならない声が出る。


気持ち良くない❓じゃあ…これは…❓


そう言いブラを外して、片手で乳房を揉み、乳首を舐めてきた。


あっ…ぁ…

フゥ…
ンッンッッ…アン…ハァ…

あっぁっ…‼


『何…き…もちいい…』

一輝が舌を転がす度に体がビクビクする…

暫くすると…

アソコの部分がジンジンしてきた…。


アンっ…一輝…気持ちいいょぉ…


一輝は手と舌を器用に使いながら…


スカートのホックを外しスカートをスルっと脱がした…

No.198

一輝とそのままキスをした。

『ン…ンッ… …ハァ…ンンッ…』

ディープキスの独特な舌が絡み合う音と声が混じり合った。


カズハ❓少しだけ触ってもいい❓


え…。でも…。


大丈夫。触るだけだから。


少し困ったが、もう付き合って1年以上。その間一輝は指一本手を出さなかった。『触るだけなら…』そう思い一輝に言った。


…………。触るだけなら…。でも…触るだけだよぉ。。。


一輝は静かに頷き、私の横に手をついた。

一輝の手が初めて胸に触れた…

胸は張り裂けそうなくらいバクバクしていて今にも爆発しそうになっていた。

初めは優しく撫でていたが、次第に力が強くなり、ブラの上から揉み始める。


カズハ、見た目よりおっぱいでかいね。何カップ❓


…Cカップ………


カズハ小さいし細いからおっぱい小さいと思ってた。


そう言ってキスをしながら制服のリボンを外し制服を脱がし始めた。

No.197

悠太先輩の


今日はもう話し合いは出来ないっしょ。


と言う言葉でとりあえず今日の所はお開きにすることになった。

中純と亮と裕子は悠太先輩が送って行くことになり、私は一輝の家に泊まることにした。

私が泊まる時は、必ず一輝のお祖母ちゃんが家に電話をかけてくれたから問題なくすんなり泊まれるようになっていた。


てか…一輝、ちょっとやり過ぎだよ。


ご飯を食べながら怒り口調で話した。

一輝は


あれは俺らの問題だから。


その一言だけだった。


あっそ。別にいいけど‼


そう言ってベッドにふて寝した。

そんな私にはお構いなしで一輝は


裕子ちゃんどうするんだろうね。


と私に話しかけてきた。


…うん…簡単な話しじゃないし⤵難しいね⤵私には想像つかないや⤵


その時、裕子の困った顔が浮かび少しだけ涙ぐんだ。

それを見ていた一輝が私の隣に来て優しく抱き締めたてくれた。

私も一輝にギュッと抱き付いた。

No.196

悠太先輩は口をかなり深く切っていたが、『こんなの大したことないない』と何食わぬ顔で口から出てくる血を窓の外に吐き出していた。

中純はさすがに傷がひどかった為、悠太先輩の手当てを受けた。

亮は相変わらずのびたまま(笑)


裕子ちゃん。話し合いの場壊しちゃってごめんね~。


悠太先輩が裕子に謝った。


ぃえ‼亮が悪いんで。謝らないで下さい。


裕子はしっかりした口調で言った。

中純は痛みで目が覚めたのか、一輝に土下座して謝っていた。


本当に…すみませんでした。本当に申し訳ありませんでした‼‼‼‼‼


その姿を見ながらも一輝は何も言うことなく無視していた。

結局、中純は亮が気がつくまでの約2時間のあいだずっと土下座していた(笑)

No.195

引き抜いた瞬間…

中純の腕は肉がはみ出し状態で⤵一気に血が床にボタボタおちた⤵

『😩きもちわるぅ…😨』

私はつわりでもないのに吐き気を催し裕子が持っていた袋に思いっきり吐いた…。

『ォェエ…ォェ…ォェエ…😭』

それに気づいた一輝が


大丈夫かぁ❓


と言い私の背中をさする。


大丈夫かぁじゃないよぉ😢馬鹿っ‼お前のせいじゃん‼


そう言い放つとまた吐いてしまった…。

吐き疲れてヨロヨロになった私は一輝のベッドに倒れ込み、

『私には子供は無理だゎ😭つわりなんて無理ぃ😭』

と心の中で叫んでいた。

No.194

木製バットには無数の釘が乱雑に打ちつけてあり…

『あんなんで殴ったら死ぬ‼』

そう思った私は


一輝ぃ‼‼止めて‼‼‼


大声で叫んでいた。

それを見ていた悠太先輩も


カズ…落ち着けって。それはさすがにヤバいべ~💨


と言い一輝の腕を掴んで止めた。

だが一輝は悠太先輩の手を振りほどき…

『ズシャッ…』

思いっきり中純めがけて振り下ろした。

中純はとっさに両腕でガードしたが…

腕に釘がぶっささり流血…。


イッテェェェ‼‼‼‼‼‼‼


大きな声で叫びジタバタし始めた。

そんな中純の腹を足で蹴飛ばし、一輝は一気に木製バットを引き抜いた…⤵

No.193

裕子は吐きながら悲しげな顔をして見ていたが、亮をかばったりはしなかった。

亮がやられたのを見ていた中純は悠太先輩をギロリと睨みつけ


てめぇ~なめてんじゃね~ぞ


と言い、ラリってるとは思えない早さで悠太先輩の胸ぐらを掴み

『ボクン…ッ』

…悠太先輩の顔を殴りつけた。

中純の手にはサックがはめてあり、悠太先輩は口から流血した。

一輝が中純の肩に掴みかかり、中純が振り向いた瞬間

『ボガッ…』

…殴り倒した。中純が倒れ込んだ後、


テメーが先に手出したんだからな。


と一言いい、クローゼットから木製バットを出した…

No.192

亮と中純は訳が分かっていないのか、シンナーでラリっているせいか、オドオドしている。


なぁんなぁんすかぁ~⁉せぇんぱぁぃ~ぃきなりこんなされちゃったら、ビックリするじゃぁ…なぃ…っしゅかぁ~。


中純が酔っ払ったオヤジのように話し出した。

亮はと言うと…

近くにあったティッシュを一枚取り、ティッシュをクシャクシャにして自分の手の平に乗せながらキラキラした目で


まじだぁ~✨やべぇバラ🌹だょこれぇ~。ゆっこぉ~みてこれぇ~ゆっこぉのバラだょぉ~…まじでやべぇ…


などと訳の分からないことを言いながら裕子の胸を揉んだりティッシュを裕子の頭に乗せたりして裕子に絡んでいた。

その様子を見ていた悠太先輩が亮の頭をいきなり鷲掴みにし壁に思いっきりぶつけた。

『ドガっ🔥』

😱何とも鈍い音がして亮は鼻血まみれになり床にポタポタと血が滴り落ちた。


なにふるんですかぁ


そう言い頭を上げた亮の腹部を思いっきり蹴り上げた。

『ウ゛………ッ』

一瞬うなり声を上げると亮は気を失ってその場に落ちてしまった。

No.191

悠太先輩の軽々しさに私も裕子もおかしくなりつられて笑った。

3人で笑っていると

ドタバタと誰かが廊下を早足で歩いて来る音がした。

『バーン』

ドアが勢いよく開いて一輝が亮と中純を部屋に投げ入れた。

『プ~ン…』

…クサッ💦

亮と中純の2人からはシンナーの匂いがプンプンした。

それを嗅いだ裕子はまた激しく吐き出した。

No.190

…先輩…寂しくなぃんですか…❓❓


ん~。別に。俺も中3だったし、できたって分かった時、あいつとは別れてたし、子供の顔すら見たことねーから寂しいって感じる材料がないよね。


……ただ、俺ら男はやっちまった~で済むかもしんねーけど、女の方はつわりやら、環境は変わるやらで何かと大変なのは確実だからさ。やりてーだけの男とは付き合わない方がいいよ。まっ、男はほぼやりてーなーって思ってるのは確実だけどね(笑)


悠太先輩はそう言うと子供みたいに笑った。

No.189

…ぁの…子供はどうしたんですか…❓


裕子が恐る恐る聞いた。


子供❓あ~…どうしてっかなぁ~。一応、幸せにやってんじゃねーかな。


一応って⁉⁉先輩会ってないの⁉⁉


また私が勢い任せに聞く。


会ってねーよ(笑)相手も他の男と結婚したしね。相手の女、俺より4つ上だったから。


『年上の彼女かぁ…』

何故か子供を産んだことには妙に納得した。

4つ上と言うことは女は当時19才。産んでもおかしくはないと思った。

No.188

一輝が部屋を出て行き、異様な静けさと裕子の吐いている声だけが響いた。

悠太先輩はタバコに手をかけたが、火をつけようとた所で『はぁ…』とため息をつき手を止めてタバコをしまった。

そして裕子に今までとは違い優しく話し始めた。


俺、今19なんだけど、1人子供がいるんだよね。


私も裕子もビックリして悠太先輩を見た。

私の目は悠太先輩の薬指に自然に目が行った…が…薬指には指輪はしていない。


え…❓でも…指輪してなくないですか❓


私は悠太先輩に勢い任せに聞いてしまった。


ん~(笑)結婚してないからね(笑)それに子供が出来たの15だったし、結婚出来なかったんだよね(笑)

『15ぉぉぉ⁉⁉⁉』

またビックリして私も裕子も何も言えなくなっていた。

No.187

…○○です…。


それは一輝が中学時代に仲間と作った族の名前だった。


シンナーしてる奴らの名前分かる❓


また一輝が聞いた。


“田島”と“鎌田”と“中山”はいつもいました………。


中山って中純❓


……はぃ……。


それだけ聞くと一輝は足早に部屋を出て行った。

“中山 純也”通称“中純”は一輝のお気に入りの後輩で、一輝が族を引退した後族の頭になった。

一輝はシンナーとか薬とかには手は出さない主義だった。

だが、中純が頭になってからはシンナーや薬は当たり前になっていたらしく、『合法』だから‼とみんな軽ノリでクラブへ行き、軽ノリでやりまくっていたらしい。

No.186

そんな様子を見ていた悠太先輩が言った。


疑おうが何しようがやっちゃったものはやっちゃったんだし、できちゃったもんはできちゃったんだから話しするしかないべ~。


…そぅなんですけど……ぁの人…最近ちょっとおかしくて⤵話しが出来る状態じゃなぃんです………。


おかしいって❓何が❓


………


言ってみ❓俺ら別に誰にも言わねーし。


………ぁの…。


……………


ぁの人…最近ずっと部屋に族の友達とたまってて………シンナーばっかりやってるんです。。。


どこの族❓


一輝が聞いた。

No.185

ぅん…。一昨日…検査薬したから間違いない……


それだけ言い俯いてしまった。

…『妊娠』

私はまだエッチすらしたことがなかった為、思いもつかなかった。


ねぇ、ねぇ…❓裕子ぉ❓どぉするのぉ❓赤ちゃんの父親って亮❓❓


私は少し情けない声を出した。


………ぅん…亮…。。。けど…亮はきっと何とも思わないょ…。


え⁉何とも思わないって⁉⁉だって、亮の子供なんでしょ⁉⁉


ぅん……けど…亮は信用しなぃょ…。信用したとしても疑ってくると思ぅ…。


…『疑うって❓❓』
『裕子何を言ってるの❓❓』

私は裕子の言葉に何も言えなくなってしまった。

言えなくなったと言うより何を話したらいいのか分からなくなった。

No.184

一輝の家についても裕子は相変わらず吐きっぱなしだった。

私は裕子を見ながら『何だか…普通の風邪とかじゃない…なんかの病気😢❓』
と変に気を回し考えていた。

そんな裕子を見ながら悠太先輩が話だした。


裕子ちゃんさ~、これからどうすんの❓相手はちゃんと知ってんの~❓


悠太先輩がそう話た瞬間、裕子の顔色が変わった。そして…


まだ…話ししてません…。


静かに答えた。

『え❓悠太先輩は裕子の具合悪い理由知ってるの❓なんで知ってるの❓』

心の中で思った。

一輝も話し始める。


裕子ちゃん1人の問題じゃ済まないから、相手の子とちゃんと話し合った方がいいよ。…まだ中学生だし、産むっつったって簡単じゃないし。このまま時間経てば間に合わなくなるよ。


はぃ…。分かってます…。


妊娠してんのは確実なん❓確かめた❓


悠太先輩が言った…

『に~ん~し~ん~』❓❓❓❓

私はとっさに裕子を見て


裕子⁉赤ちゃんいんの⁉⁉⁉


と大きな声で言った。

No.183

20分位待っただろうか…黒いステップワゴンが止まった。


一輝が助手席から降りてきて裕子を後部座席に乗せてくれた。

裕子は車の中でも吐き気が収まらず、コンビニの袋を抱え込んでいた。


裕子ちゃんだっけ❓家はどこらへん❓


一輝の先輩の“悠太”が聞いた。

すると裕子は思いがけない言葉を口にした。


帰りたくないです…。


それを聞いた悠太先輩は


帰りたくないっつったって、そんなに具合悪いなら帰らなきゃいけないだろ~


その言葉にも裕子は


帰りたくないです…


としか答えない。

一瞬、悠太先輩と一輝が目で何か合図したのが分かった。


じゃぁさ、一旦俺ん家でも来る❓


一輝が言った。


はぃ…すみません…。お願いします…。


裕子は迷わず即答した。

No.182

裕子を支えながら階段を下り、下駄箱の前まで来た時、また裕子が吐き始めた。

近くのトイレへ連れて行き、暫く様子を見たが吐き気は収まらず、私は一輝を呼ぶことにした。

一輝は丁度テスト期間で午前中授業のみだった為、もう家に帰っていた。


あっ…一輝❓あのね、友達が何だか具合悪くて帰れそうにないんだ。車で迎えに来れる❓❓


あぁ。別にいいよ。今先輩らと丁度一緒にいるから。学校近くのコンビニで待ってて。


うん。分かった‼待ってるね‼


急いで電話を切り裕子の元に戻った。

裕子はしゃがみ込んだままずっと俯いていた。

No.181

中2になり、一輝とは相変わらずの関係だった。

『ラブラブ』と周りには言われていたが、どうも私にはその表現自体ピンと来なかった。

中2になりクラス替えで新しい友達も出来、その中でも一番仲良くなったのが“裕子”だった。

裕子は同じクラスの“亮”と付き合っていた。

亮はヤンキーそのもので頭は派手な金髪、短ランにボンタンをはきいつも先生に注意され喧嘩しているような奴だった。

給食の時間…裕子が具合悪そうに水飲み場に走って行った。

私も心配で後を追った。

裕子は水を流しながら

『ォェ…ォ゛エ…ゲェェェ…』

と吐いていた。


裕子⁉大丈夫⁉⁉具合悪いの⁉


ゥン…ごめ…ん…。ちょっと無理かも…。


かなり辛そうだ…。


裕子❓今日はもう帰った方がいいんじゃない❓❓


ゥン…。そぅする…。


弱々しく歩く裕子を1人で帰す訳には行かない…私も一緒に早退することにした。

亮は給食だけ食べに来ていつの間にか学校からいなくなっていた。

No.180

雰囲気も大人っぽく、周りの1年とは違い中学生には見えなかった。

同級生や先輩に告白されたことも多々あったが、一輝と比べるとダサいしガキだった。考えることもせず即断で断った。

一輝は高2になりますます大人っぽくなっていて私には自慢の彼氏だった。

一輝の周りの先輩は『ガルフィ』なる犬のキャラのジャージや他ブランドのジャージをだらしなく着ていたが、一輝はいつもお洒落で『クロムハーツ』が好きでお兄系の格好だったのでそれも自慢の1つだった。

ファッション雑誌から抜け出してきたみたいにお洒落に服を着こなす一輝を私は見ているのが好きだった。

一輝はこの時、身長180cmあり、綺麗な顔立ちをしていた為、かなりモテていた。

そのこともあり私は負けじとファッションやスタイルに磨きをかけた。

No.179

初めは先輩に呼び出されたり、目をつけられたり、唾を吐かれたりしていたが、学校帰りに一輝が単車や先輩の車で私を迎えに来てくれていたせいか、気がつくと先輩からは何もされず何も言われず、呼び出されることもなく…逆に先輩の方から一輝の先輩等を紹介して欲しい…とお願いされるようになっていた。

余談だが、一輝は中学の時から『族』や『チーム』に入っていて巷では結構名前は知られていた。

その一輝の彼女と言うだけで周りは手を出すどころか気を使い、私は一目置かれる存在になっていた。

No.178

中学校では新しい友達も増え、毎日それなりに楽しく過ごしていた。

だが、毎日先輩が1年の教室を周り、派手な格好や生意気な子を呼び出し『リンチ』したりしていた。

それが怖くてみんなビクビクしていた。

だが、私は、そんなことお構いなし。1年の中でも一際目立っていた。

一輝とつき合うようになってから、グレたいだとかヤンキーだとかそんなのではなく、純粋にお洒落がしたいと思っていたし、ファッションにも今まで以上に興味を持ち、学校ではいつもファッション雑誌を読んでいた。

所謂、ティーン雑誌だ。

No.177

それから毎日一輝の家へ遊びに行った。

部屋に入ると私を抱き締めながら


好きだよ。


と言ってくれる。

私のことを優しい目で見て、優しくキスをしてくれる。

でも一輝はそれ以上は絶対にしなかった。

けれど、それ以上を知らない私は不満を感じることなく寧ろそれだけで満足していた。

毎日一輝と会う中、私は中学生になり、中学校に通っていた。

中学生になったお祝いに一輝が美容室に連れて行ってくれて、その帰りにお台場で可愛いピンキーリングを買ってくれた。

そのピンキーリングはピンクゴールドで小さな蝶に私の誕生石がついたとても可愛いいデザインで、一目見て気にいってしまった。

本当はペアリングが欲しかったが私の指に合うサイズがなく諦めた(笑)

まだ中1の私の指は細く7号サイズもあるわけがなく…仕方なくピンキーリングにした。

けど可愛いい蝶のデザインに満足した私はペアリングのこと等スッカリ忘れていた。

子供ながらの可愛いさ…私はまだ『単純』だった。

No.176

カラオケを出た後、一輝は、私をいつもの公園に下ろし、私に優しくキスしてくれた。


また明日…。電話待ってるから…。


うん。


短い会話をすると一輝は帰って行った。

私の中は一輝と一輝のキスで一杯になっていて、『幸せ』を感じていた。

思い出すだけで心臓がドキドキして、一輝と話したい、ずっと一緒にいたい…そんな気持ちで胸が苦しかった。

この時、私は13才…。

まだまだ子供だと思われるかもしれないが、この位の時期が一番背伸びをしたい時期で、何にでも憧れを持ち、何にでも興味を持つ時期なのかもしれない。

若さ故に疑いも持たず何でも素直に受け入れ、何にでも夢中になってしまう。

大人になった今では二度と感じることの出来ない感覚…それは若さで、青春なのかもしれない。

ただ、今思えば、『危険』な年頃だとも思う。

No.175

一輝を抱き締めていると一輝も私を抱き締め返してきた。

初めての感覚…一輝の大きな背中…いつもより一輝が大きく感じた。

そしてまた『一輝は男の人なんだ…』と心の中で思った。

けど、さっきまでの嫌悪感はなく、純粋に一輝を受け止めていた。

一輝が私の顔を見る。

頬にかかった私の髪を掻き分けながら一輝は私にキスをした。

私は胸の高鳴りと緊張で震えていた。

そんな私の体を抱き締めながら一輝はまた何度も何度もキスをした。

フレンチキスだったのがディープキスになり、私は一輝にされるがまま身を任せるしかなかった。

『ンッ…チュッ…ピチャ…ハァ…ハァ…。ンッンッ…』

鼻から息が漏れ、口からも何とも言えない声が漏れた。

キスをし終わった後、カラオケを出るまでずっと一輝と抱き合っていた。

No.174

その姿を横目で見ながら


だから……もう会わない方がいいと思った…。


と声を振り絞って言った…。


カズハ…俺、お前のこと大事だから俺の周りの奴には会わせたくなかったんだ。


少し小さい声で一輝が言った…。


また暫くの沈黙の後…一輝が真面目な顔で私に言った。


俺、お前のことまじで好き…。もう絶対あんな思いさせないから…だから…アゲハみたいに俺の前からいなくならないで。頼む…。


『アゲハみたいにいなくならないで…』


それを聞いた瞬間…私の気持ちは大きく動いた…。

私はそんな一輝を見て胸が苦しくなり、一輝の隣に行き一輝を抱き締めていた。


大丈夫。お姉ちゃんみたいにいなくならないよ。私、一輝のこと1人にしないよ。


そう言って強く強く抱き締めていた。

私は一輝のことを心から好きだ…と思った。いや…思っていた。けどこの時はその感情が本当は何なのか知るよしもなかった。

No.173

じゃぁ…なんで連絡くれなくなったの❓


………………


『どうしよ…。本当のこと話した方いいのかな…でも…どう説明すればいいのか分からないよ…』


私は黙り込んでしまった。


なぁ…。はっきり言ってくれていいから。なんでか教えてくんねぇ❓


一輝の必死な様子に罪悪感を感じ、私は話し始めた。


別に…怖かった訳じゃない…。ただ……一輝は私の知らないこともしてるんだ…って思って、世界が違うと思っただけ…。


世界が違うってば❓何が違うの❓


……私の知らない女の人と一緒に色々してたり…夜中に出掛けたり……。私、一輝の友達も周りの人も見たことなかったし…。だからあの女の人と話してるの聞いた時、世界が違うって思った…。。。


一輝はそれを聞きながら頭を抱え込み俯いた。

No.172

単車が止まった場所は、昨日のカラオケボックスだった。

この時の私はカラオケボックスは安全な場所だと思っていたから躊躇することなく一輝と2人で入って行った。

店員さんが部屋まで案内してくれた。

リモコンとドリンクを置き『ごゆっくりお過ごし下さいませ』と言い部屋を出て行った。

私と一輝は少し離れて座った。

部屋につくなり一輝はタバコを吸い始めた。

無言の2人の空間がなんだか凄く嫌で…私から話しを切り出した。


あの…話しって…❓


一輝はタバコの煙を吐きながらゆっくりと話し始めた。


俺のこと、もう嫌いになった❓


…別に…そうゆう訳じゃないけど…


…けど俺のこと避けてるよね❓


…別に…避けてる訳じゃないけど…


避けてる以外なにものでもないけど、口から出る言葉は思っていることとは全て真逆のことしか出てこない。


…怖い思いさせてまじでごめん。あの時なんでお前のことあいつに会わせたんだろうってすげー後悔したよ…。


…別に…もういいよ。怖くて一輝に連絡しなかった訳じゃないし…

No.171

『早く話して早く帰ろう…』

そう思った私は一輝の側まで歩いて行き、声をかけた。


一輝。お待たせ。待った❓❓


あぁ。いや…今さっき来た所。


そう。あのね…いきなりで悪いんだけど…今日家族で出掛けなきゃいけないくて…あまり時間ないから一輝の家には行けないんだけど…。


そうなんだ…。なら近くで話そう…。


そう言うと一輝は単車の方へ歩き出した。

私も一輝の後をついて行く。

一輝は変わらず単車にまたがり、後ろに乗った私の頭にヘルメットをかぶせる…

単車が走り出した。

久しぶりの感覚に少しだけ胸がドキドキした。

No.170

『ハァ………』

深いため息が出る…

今日はどうしよう…2人きりにはなりたくないから一輝の家には行くのを辞めよう…色々と考えているうちに公園に着いていた。

見覚えのある単車が入り口付近に止めてあるのが目に入った…

『もう来てる…』

逃げても仕方ない…と観念した私は少し足早に公園へ入って行った。

一輝は公園のベンチに座りタバコを吸っていた。

私は一輝がタバコを吸っている姿が好きだった。

…でも…あれだけ好きだったその姿でさえ『…嫌だ…汚い…怖い…』という感情に変わっていた。

No.169

私のその時の理想の恋愛…

好きな人に告白され、優しくキスをされる…毎日手を繋いで仲良く学校を帰り、学校の帰り際に優しく抱きしめられキスをしてわかれる…

小学生時代、私は子供用月刊誌の『リボン』や『なかよし』を読んでいた。

だから恋愛感はその雑誌の中のほのぼのした甘い世界だと思っていた。

勿論…そのマンガの中にはセックスシーンや暴力シーンは微塵も書かれてはいない。

だから現実をいきなり目の当たりにしてしまい、理想と現実の狭間をさまよっていた。

それに加えて…『生理が来た』ことで一艘現実を感じ一輝と会うのが怖くなってしまっていた。

『私はもう子供じゃない…下手すれば赤ちゃんだって出来る…』


『『赤ちゃん』』

この時の私には幸せの象徴ではなく、怖くてたまらないものに過ぎなかった…。

No.168

『行くしかないか…』

憂鬱な気持ちのまま公園に向かって歩き出した。

『あんなに大好きだった人なのに、なんでこうなっちゃったんだろう…。』

そんなことを思っていると金髪の女の人と一輝の修羅場が頭をよぎった…

それは頭を鷲掴みされた場面ではなく…一輝が怒っている場面でもなく…

一輝が女の人に向かって話している場面…冷たく言い放った言葉…

『『やられたくねーなら男とつき合ってんじゃねーよ。』』

………

…『会いたくない…』

また気持ちが落ちた…

いつかお姉さんが私に言った言葉が頭をよぎる…

『男は女を物としか見ていない』

………

一輝をいきなり避けた理由…それは暴力や修羅場が怖かったんじゃない…一輝が『男』だと実感してしまったからだった。

初めは気づかない不利をしていたが、冷却期間を経た今、はっきりと分かった。

『一輝は男なんだ…』

所詮、子供だった私には大人の恋愛は未知の世界…手を繋いでただ遊ぶだけではない…大人は汚い…大人になりたくない…………

色々な気持ちが葛藤し、複雑な心境だった。

No.167

チョークの粉を踏みながら

『来て良かった』

と思った。

新しいチョークの線を踏みまくり満足した私は校舎に取り付けられた時計を見た。

10時を過ぎていた。

『もう10時⁉』

何時間学校にいたんだ(笑)と笑いが出た。

私は校門近くにある公衆電話に向かい、一輝に電話をかけた。

『プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…』

なかなか出ない…

『まだ寝てるのかな…』

そう思って受話器を置こうとした時、


はい…もしもし…


と一輝の声が聞こえた。

私は慌てて受話器を耳に当てて


カズハだけど…


とだけ言った。


あぁ。おはよう。もう出れるの❓


うん。後15分くらいで公園にいけると思う。


そっか。分かった。じゃぁ俺も向かうね。


そう言い電話を切った。

『…これから会うのかぁ…』

何故か嬉しい気持ちではなく、憂鬱な気持ちになった。

No.166

いつもは周りに人がたくさんいるが今は私1人…でも何故か寂しくはない…不思議な感覚だった。

寂しい…と言うよりは『懐かしい…』という気持ちに近かった。

『昨日までは当たり前のように来ていたのに…』

そう思うと

『私って気が早い❓』

などと思い少し笑えた。

その後は、理科室、家庭科室、音楽室、体育館…と順番に周り、校舎を出た。

最後に寄ったのは『校庭(グラウンド)』だった。

私はこの校庭の景色がとても好きだった。

少し高めの石段の下には広い景色が広がり、空が筒抜けだった。

石段を下り校庭につくとある物を見つけて歩き出した。

それは、校庭に新しく引かれたチョークの粉だった。

ブーツの先で少し踏んでみた。

私はこの新しく引かれたチョークの粉が好きで、新しく引かれた線を見つけるとよく踏んでいた。

『チョンチョン』と踏みながら自己満足している自分がいた。

No.165

学校へつき、初めにどこに行こうが迷ったが体はいつものように生徒専用の入り口に入りいつもの下駄箱に向かっていた。

下駄箱について改めて気づく…もう上履きも自分の名前もない。

『そっか…ここはもう私の下駄箱じゃないんだ』

靴を手に持ち、お客様専用の入り口まで何も履かずに歩いていった。

『そう言えば…お客様専用入り口なんて来たことなかったな…』

そんなことを思いながらお客様専用の下駄箱に靴を入れ、少し大きな大人用の茶色いビニールで出来たスリッパを履いた。

スリッパには『お客様専用』とマジックで書いてあった。

『これから私は生徒じゃなく、“お客様”なんだな…』

お客様専用のスリッパを履くまでは正直生徒気分は抜けていなかった。

卒業したんだと実感し、しみじみ思った瞬間だった。

少し歩きにくく摺り足になりながら廊下を進む。

階段を上りついたのは自分の教室だった。

教室に入るとかなり殺風景になっていた。

時間割りも献立表も全て剥がされ壁は真っ白になっていた。

私は自分の座っていた席に座ってみた。

No.164

全て準備が終わり時計を見る。

まだ8時30分だった。

『…ちょっと早く起きすぎた…』

流石に8時30分では開いているお店もない…。

『あっ…そうだ』

私は自分の部屋から出て親の寝室へ行き、


ちょっと学校に行ってくるね。


そう言って家を出た。

卒業式の時は気持ちが高ぶっていたしスケジュールにおされていたからゆっくり校舎を見ている時間も思い出の場所を歩いている時間もなかった。

だから最後に…学校をゆっくり眺めながら歩いてみたかった。

卒業式は土曜日だった為、日曜日の今日はいたとしても部活動のある少数の生徒と顧問の先生だけしかいない、ゆっくり見学できるだろう…と思った。

6年間…色々あったが毎日のように歩いた道を思い出を噛み締めるようにゆっくりと歩いた。

少し寒かったせいか、道途中の小さな家庭菜園の土には霜が下りていてそれが小さな結晶柱の壁のようになりとても綺麗だった。

No.163

次の日、予想以上に早く目が覚めてしまった。

親はまだ爆睡中…。

私はとりあえずお風呂に入った。

朝早い時間だった為、時間に余裕があり湯船に浸かりながらゆっくり入った。

服はニットの白いワンピースに白いコート、白いラビットファーのついたロングブーツ…と全て真っ白に統一した。

No.162

大丈夫…❓


あぁ。ごめん。もう大丈夫だよ。


そう❓じゃぁ…私、本当にそろそろ戻らないとだから。


…あのさ…明日、時間ある❓また会えないかな❓


…明日は…特に何もないから大丈夫…。


…そっか。じゃぁ明日、都合いい時間に連絡ちょうだい。


うん…。分かった。


私は一輝と明日会う約束をすると急いで部屋に戻った。

親はまだほろ酔いでカラオケ熱唱中…結局この後2時間延長し家についたのは夜中1時を過ぎていた。

私は一輝のことを考えたり、明日の服装のことや何を話そう…等色々なことを考えながら眠りについた。

No.161

私は一気に恥ずかしくなり、その手を振りほどいて戻ろうとしたが、一輝が『ごめん…マジで…ちょっと待って』と言い腕をがっしり掴んで離してくれなかった。


何❓部屋に戻らないと…親が心配するから…


動揺して高鳴る胸を必死に抑えながら言った。


ごめん。俺、カズハが連絡くれなくて正直焦ってたんだ。先輩と飲んでた店の近くでお前見つけて…。カズハと少しでも話したいと思ってたんだけどなかなか会えなくて。やけ酒しちゃってさ…。けどカズハと少しでも話せて良かったよ。


そう言って私の顔を見た。

一輝は前よりも少し雰囲気が変わったように見えた。

服装も変わっていたし、少し髭も生えていた。

一輝がヨロヨロしながら立ち上がった。

私は、一輝を支えた。

一輝は背も少し高くなっていた。

元々一輝は背が高くて170cmくらいはあったが、後々聞いた話しによるとこの時は175cmあったらしい。

No.160

一輝は水を飲みながら何度も深呼吸をした。


あまり飲み過ぎないでね。


それだけ言って部屋に戻ろうとした時、


ちょっと…待って。


一輝に腕を掴まれた。

何故かドキドキした。一輝と毎日一緒にいた頃はこんな気持ちにはならなかったのにこの時は違った。

一輝の言う通り何かが変わったのかな…と思った瞬間だった。

No.159

こんな偶然あるのかな⁉と私もビックリした。


久しぶり…。誰かと来てるの❓


うん。親と。今日、私の卒業式だったから…。


そっか…。なんか雰囲気変わったね。


そうかな❓何も変わってないよ。


そっか…。


一輝はそう言うと具合悪そうにまた俯いてしまった。


一輝…❓具合悪いの❓大丈夫❓


あぁ。大丈夫…ちょっと先輩の付き合いで飲み過ぎただけ…。


…ちょっと待ってて‼


私はそう言うと、カウンターへ行き水を貰って一輝に持って行った。

No.158

親はほろ酔いでカラオケをしている。

みんなご機嫌だ。

そんな様子を見ながら、部屋を出てトイレへ立った。

手を洗い流し鏡ごしに髪の毛を整えながら『もう新学期からは中学生か…もうあの教室には行かないんだな…』と1人でしみじみしていた。

手をハンカチでふきながらトイレを出ると…

トイレの前でしゃがみ込んでいる男の人がいた。

男の人が邪魔で通れない。


あの…すみません⤵ちょっといいですか❓


そう言うと、


あぁ。ごめん。


と少しよけてくれた。

よけた時の横顔を見てすぐ気がついた…


一輝…❓❓


自然に声に出てしまった…。

私の声に気付き驚いたようにその男の人は顔を上げた。

やっぱり一輝だった。

No.157

一輝と会わなくなってから、卒業までの間にあった変化と言えば、『生理が来た』ことだった。

卒業間近の保健体育の授業では、女の人の体のしくみと生理のしくみについて学んだ。

保健体育は男と女別々に分けられて、授業が終了するとサニタリーセットと言うセットを貰った。

教室に帰ると男子達がひやかしてくる。

それを見ながら

『ガキだな…。』

と思う一方、頭の片隅では『一輝…今どうしてるかな…』と思っていた。

私は一輝と長い間一緒にいたせいか、同じ年の異性には興味なく、恋愛対象外になっていた。

卒業式が終わった後も、5人の男子に告白されたが『ドキッ』ともせず坦々と断った。

それ以前に、小学生の男子は『男』ではなく『子供』にしか見えなかった。

No.156

1時間以上泣いていたと思う…。

『一輝の顔をまともに見れない…辛い…帰りたい…』

私は一輝に泣きながら言った…


今日はもう帰りたい…


一輝は『分かった…』

と小さい声で言って私をいつもの公園まで送ってくれた。

ヘルメットを一輝に渡し、一輝の顔を見ないように家に向かって歩き始めた。

その時、また小さい声で『本当にごめん…』と一輝の声が聞こえた。


…この日から私は一輝とは会わなくなった…電話もしなくなった。一輝と会わないまま小学校の卒業式を迎えた…。

今思うと…小学生の私には刺激が強すぎたんだと思う。あの時の気持ちは、一輝や女の人に対してのムカつきや恨みではなく、とにかく怖い、関わりたくない、会いたくない…それしかなかった。

無事、卒業式が終わり、涙ながらに先生や友達と別れ、その夜は家族で卒業祝いにご飯を食べに行った。ステーキを食べた後、酒好きな親の気まぐれな流れで居酒屋へ行き、またまた親の気まぐれでカラオケへ行った。

No.155

女の人は手首をさすり泣きながら走って部屋を出て行った…。

私は初めての修羅場にビックリして放心状態だった…。

心臓がバクバクする…

『ハァ…ハァ…』

と肩で息をしていると一輝が私の隣に来て背中をさすってくれた。


ビックリさせて本当ごめん。俺のこと嫌になった❓


一輝の言葉に首を横に振った。


イヤにはならないけど……コワかった…


そう言うと今までの張り詰めていた物が一気に溢れ出しもの凄い勢いで私は泣いてしまった。


本当に…ごめん…。


一輝はずっと私の背中や頭を撫でながら謝っていた。

No.154

『バチン‼バチン‼』

また女の人が一輝を殴りつけた。

女の人の目が私に向いた。

もの凄い目つきで私を睨んだ…。


てかこのガキが好きなんて言わないでしょ⁉


………


ねぇ‼何とか言いなさいよ‼


…………


一輝は何も言わない。

その瞬間…


女の人の手が私の頭上に伸び、髪の毛を鷲掴みにした。

『痛い…』

そう感じたその瞬間

『ドサッ』

一輝が鷲掴みにしていた女の人の手首を掴み、女の人を壁に向かって叩きつけていた。

一輝はそのまま手首を掴み後ろ手にした後、その女の人の髪の毛を鷲掴みにして『ドン🔥』と顔を壁に叩きつけた…


テメー粋がるのもいい加減にしろよ。次手出したらぶっ殺すぞ。


一輝は低くドスのきいた声で言った…

その顔は目が血走っていて怒り狂っているように見えた…

No.153

また暫し沈黙の後、また一輝が話始める。


沙紀。泣いてても何も変わらないよ。話がないなら悪いけど帰って。


そう一輝が言った瞬間…

『バチン…』

その音に驚き私は顔を上げた。

女の人が一輝の前に立ちはだかっていた。さっきの音は…一輝を殴った音みたいだ。


なんで⁉なんでこうなるの⁉なんで私がこんな思いしなきゃならない訳⁉ねぇ‼なんで‼


殴るなら気が済むまで殴れば。ただ、俺はもうお前とは付き合っていけない。


だから‼さっきから理由をいいなっていってんでしょ‼馬鹿にすんのもいい加減にしてよ‼


特別な理由なんてない。もうお前のこと好きじゃなくなっただけの話。


じゃぁなんで昨日私とエッチした訳‼⁉子供出来たらどうするつもりだった訳‼⁉


『ハァ』
あんなんで子供なんか出来ねーよ。昨日はお前が酔っ払って勝手に絡んで来たんだろ。それに付き合ってる間にやったからって責められる覚えねーよ。やられたくねーなら男と付き合ってんじゃねーよ。


一輝は無表情…感情の全くない話し方で 坦々と話した…。

No.152

沈黙の中、一輝がタバコを吸う音だけが聞こえる。

『あまり首突っ込んじゃいけない』

そう思った私は体育座りをし顔を伏せた。

沈黙を破ったのは一輝だった。


沙紀。話があるなら聞くから。ただ、俺はもう無理だから。


『ゥッ…ゥッ…グズッ…』

女の人の泣く声が部屋に響き始めた。

『あ~😱どうしたらいいの⤵』

訳も分からず連れて来られ、いきなりの展開に経験も乏しく無知な私は困り果てて体育座りで顔を伏せたまま動けなくなっていた。

No.151

一輝はそのバックがお姉さんのだと知っているようで快く預かるのを引き受けてくれた。

一輝は『家に人を待たせているからゆっくり出来ない、大事な話もあるからお前も来い』と言い私を連れて家に戻った。

私は誰が待っているのか気にならなかったが、一輝に関してはなんとなくいつもとは違う感じがした。

一輝の家につき、お祖母ちゃんに挨拶をし、いつも通り一輝の部屋へ行った。

一輝の部屋に入ると…

髪が長くて金髪の女の人がいた。

私が行く予定の中学校の制服を着ていた。

『この人誰だろう…』

そう思ったが、なんだか異様な重たい空気に気付き何も話せず黙って一輝のベッドに隠れるように座り込んだ。

No.150

次の日、無事母に気付かれずボストンバックを持ち出すのに成功し、無事学校も終わりボストンバックを捨てにいつもの公園に向かって歩き始めた。

ただ…公園に到着しボストンバックを取り出すと…

ボストンバックに赤いマニキュアで『❤ageha❤』と書いてあるのが目に入り…

…捨てられない衝動にかられていた…。

かなりの時間悩んだが、やはり捨てられなかった。

家に持ち帰る訳にもいかず、考えた末に一輝に預かってもらうことにした。

いつもは家に帰り、家電から電話をかけていたがこの日は公衆電話から一輝に電話をかけた。

一輝はいつも通り単車で公園まで来てくれた。

No.149

姉がお風呂に入るのを確認すると、急いでボストンバックをベッドの下から出し、小さく小さく畳み始めた。

小さく畳んだボストンバックを膝で踏んで抑えながらランドセルの中身を急いで出した。

ランドセルが空になったのを確認し、小さく畳んだボストンバックをランドセルに詰め込んだ。

ランドセルの中身は体操着でグルグルと包み体育袋に入れた。

教科書が入っている為、重いが、見た目は全然分からなかった。

『よし…これで大丈夫…』

長い時間、いらない神経を使いすぎたせいか一仕事やり終えた後のように疲れ果て、この日はそのまま眠ってしまった。

No.148

ご飯を食べ終わり、部屋に戻ってきた。

ボストンバックはベッドの下に隠してあったが見つかる前に何とかしたい。

『ボストンバックはどうやって持ち出そう…』

またベッドに座り込み必死に考えた。

『よし…これで行こう…』

案が浮かび、姉がお風呂に入るのを待った。

姉はご飯を食べた後、自分の机で宿題をしていた。

暫くして机のライトを消して着替えを持ち部屋を出て行った。

No.147

財布、手帳、タバコケースを1つずつサニタリーバックに入れてガムテープでぐるぐる巻きにする。

机の引き出しを外し、机の裏側に落ちてこないようにしっかりガムテープで貼り付けた。

『アルバムと日記帳は厚さもあるから、机の裏側ではバレてしまう。』

そう思い、ベッドの裏側にガムテープで貼り付けた。

一通り終わり、机の引き出しを戻した瞬間…

『コンコン…ガチャ…』


カズハ😃ご飯出来たから食べなさい。


母が入ってきた。

心臓が全速力で走り続けた時のようにバクバクしている。


あ…うん‼今行く。


私が返事をすると母は何食わぬ顔で部屋を出て行った。

『…あ~…まじでびびった…心臓に悪い…』

そう思いながら部屋を後にした。

No.146

母が夕食の支度をしているのを確認し、足早に廊下にある物入れに向かった。

物入れの戸を開け工具箱を探す。

父は日曜大工が趣味でだいたいこの物入れに工具等の大工用品をしまっていた。

無事に工具箱を見つけ、ガムテープを取り出し、物入れの戸を閉めてそのままトイレへ行った。

トイレに入り鍵を閉め、トイレに備え付けてある用具入れを開けた。

用具入れの中からサニタリーバックというトイレ用の黒いポリ袋を数枚取り出しポケットに押し込んだ。

トイレを出ると足早に部屋へ戻った。

『母が夕食の支度が終わるまでに全て終わらせなきゃ…』

急いで隠す準備を始めた。

No.145

部屋へつき、ベッドに座った。


ボストンバックを握りしめていた手が小刻みに震えている。

それを見て、ふと我にかえった…。子供ながらに私は『物を盗んだ』『泥棒だ』と思った。

母にばれたら大変だ…と思い、どこに隠すか考えた。

バックはサイズが大きかった為、隠しようがないと思い、学校帰りにどこかに捨てようと思った。

バックの中身は…色々考えた結果、一番大きい机の引き出しの上の部分にガムテープで貼り付けることにした。

No.144

バックの中には、お姉さんの手帳と財布、タバコケース、数冊のアルバムと一冊の日記帳が入っていた…。

その財布やタバコケースは見覚えがあった。

お姉さんので間違いないと思った。

私はそのボストンバックを持ち、そのままお姉さんの家を急いで出て行った。

家を出るとエレベーターを待つことなく非常階段を全速力で上り、走って家へ帰った。


おかえりー💡


ただいま。


母とそれだけ会話し自分の部屋へ足早に入っていった。

母は夕食の準備をしていて私の手に握られたボストンバックの存在には気がつかなかった。

No.143

鍵を見つめながらため息をつき、床に寝転がった。

『ん❓』

ベッドの下に何かがある。

私はホコリまみれのベッドの下に腕を突っ込んで左右に動かした。

何かに手が当たった。

それを掴み引っ張り出した。

出てきたのは黒いボストンバックだった。

ホコリがかぶり真っ白になっていた。

『お姉さんのバックかもしれない…』

そう思いバックを開けてみた。

No.142

家の中へ入り、玄関の外をキョロキョロと確認し、静かに玄関のドアを閉めた。

家の中は相変わらずアルコールの臭いがプンプンしていた。

廊下を進みリビングを抜けお姉さんの部屋へ…

『カチャっ…』

お姉さんの部屋のドアを開けた。

お姉さんの部屋は物がすっかり無くなりテレビとベッドだけになっていて、ベッドの上には段ボールの箱だけがゴタゴタ 乱雑に積み上げてあった…。

一輝の『アゲハの部屋はもうないよ』という言葉を思い出した。

『本当だ…もうお姉ちゃんの部屋じゃないね』

そう思った。

ただ、ドアにつけてある3つの鍵だけは変わらずついていた。

懐かしくなりベッド脇に座りながらその鍵をずっと見ていた。

No.141

この時私の中で何かが渦巻いた。

『今なら…』

私はエレベーターに乗り、10階ではなく…5階のボタンを迷うことなく押した。

『ポーン』

音が鳴りエレベーターが開いた。

5階に下りた私は、誰もいないのを確認してお姉さんの家の玄関へ行きノブに手をかけた…

『カチャ…』

玄関のドアが開いた…

『やっぱり…』

心の中でそう思った。

お姉さんの家は中に人がいる時はあまり鍵をかけない家だった。

お姉さんのお母さん達を見た時、絶対鍵は開いている…自信があったし、どこかでそう確信していた。

No.140

あのお墓参りの日から、私はほぼ毎日ハヅキちゃんが亡くなった公園に行き、お菓子やジュース、花をお供えに行った。

花は学校帰りに空き地等に咲いていた花をなるべくたくさん摘んで行った。

公園にお供えに行くようになってから気付いたが、私以外にも頻繁にお供えをしに来ていた人がいるみたいだった。

多分…お姉さんと一輝だと思った。



秋になってコスモスが綺麗に咲き始めた頃…

学校からの帰り道、マンションの前に救急車が一台止まっているのが見えた。

『なんだろう❓』

そう思ったが特に気にせずエレベーターが来るのを待っていた。

エレベーターが来てタンカに乗せられた中年の男の人と女の人、タンカを持った救急隊員が下りてきた。

顔を見ると…

お姉さんのお母さんと3人目のお父さんだった。

3人目のお父さんの口には酸素マスクがつけてあった。

No.139

一輝を待っている間、私はお墓に向かって何度も手を合わた。

お姉さんも一輝も私とは比べられない程の辛い思いをしてきたんだと思ったら自然と涙が流れてきた。

金の蝶のネックレスを触りながら一輝が戻ってくるまでの間ずっと泣いていた。

No.138

トラックはあまり速度は出してなかったはずなのに、すげー勢い良くボールみたいに飛んでってさ。アゲハも俺も暫く固まったみたいに動けなくて。トラックから人が降りてきて、工場からも人がめちゃくちゃいっぱい出てきて、気がついたら救急車が来てて血塗れのハヅキが運ばれてったのがチラッと見えた。…アゲハも俺も怖くてさ…ハヅキが運ばれた後もお父が迎えに来るまで動けなくてさ…。その夜、傷だらけで人形みたいなハヅキが帰って来たんだ。後から聞いた話だとほぼ即死だったらしい…。ハヅキが死んでからお父とお母の喧嘩が多くなって、お母が男作って逃げたんだ。まじハヅキがいなくなってから家族みんなボロボロだったよ。まぁっもう昔のことだけどな…。


話終わると一輝はタバコを消して立ち上がった。


俺、桶戻して挨拶してくるから。ちょっと待ってて。


そう言って桶とモクレンを包んでいた包装紙を持って本堂の方へ歩いて行った。

No.137

交通事故で4才の時に死んだ。俺とアゲハの目の前で死んだんだ。アゲハはあの時なんで助けられなかったのかってずっと自分責めてたよ。


『フゥー』

タバコの煙が線香の煙と交わって空に消えていった…。

またゆっくり一輝が話始める。


今はもう無いけど、あのいつもの公園の奥に昔は工場があったんだ。まだ離婚してなかったからアゲハも俺と一緒に住んでたし毎日あそこの公園に遊びに行ってた。俺もアゲハも遊びに夢中でさ。ハヅキが居なくなってたのに全然気がつかなくてさ。気づいたらハヅキは工場横にいて花で冠作ってたんだ。危ないからってアゲハがハヅキ呼んだんだけどなかなか戻って来なくてさ。アゲハが怒って帰る不利したんだ。本当に帰るつもりは無かったんだけどハヅキが慌てて走ってきて…工場前の道路渡る途中、工場に戻ってきたトラックに跳ねられたんだ。俺らの目の前で…。

No.136

あの…今さっきお墓に水かけた時に気付いたんだけど…。お姉ちゃんの名前の隣にある『渡辺 葉月』って…❓誰…❓


葉月はアゲハと俺の妹だよ。


一輝はそう言うと静かにタバコを吸い始めた。


妹…❓❓妹がいたの❓❓


あぁ。


……なんで死んじゃったの❓❓❓


少しの沈黙の後、一輝が言った。

No.135

手紙を見つめていると一輝が話始めた。


アゲハは、カズハのこと本当の妹だと思ってたと思う。会うといつもカズハの話ばっかしてたから。


そうなんだ…。私ね、お姉ちゃんが1人いるんだけど、そのお姉ちゃんよりアゲハお姉ちゃんの方が好きだったし…私もお姉ちゃんのこと本当のお姉ちゃんだと思ってたよ。


…そっか。アゲハが聞いたらすげー喜ぶだろうな。


………ねぇ❓ちょっと聞きたいことがあるんだけどいい❓


ん❓何❓


私は、さっきの墓石に掘られた名前のことを聞いてみようと思った。

No.134

私がモクレンを飾り終わると一輝はお墓に向かって手を合わせた。

私も一緒に手を合わせ『お姉ちゃん…来たよ…』と心の中で静かに呟いた…。

手を合わせていると、首周りで何かがモゾモゾと動いた。

少し驚いて目を開けると一輝が私の後方に立ち、私の首周りに腕を回している。


はい。いいよ。


そう言うと私の側から離れた。

徐に首に手を当てた…

『あっ…これ…』

首にはお姉さんが私にくれた金の蝶のネックレスがついていた。


これ…。あの時一輝に取られてからすっかり忘れてた…。


もうカズハは大丈夫だと思ったから。


一輝はそう言うとその場に腰を下ろした。


ありがとう…。


一輝の隣に座ると一輝はポケットからお姉さんの手紙を出して私に渡した。

懐かしいお姉さんの字…封筒に書かれた“カズハへ”というお姉さんの字を撫でた。

No.133

一輝をチラチラと見て様子を伺う。

一輝はお線香にジッポで火をつけて小さな穴に差し、モクレンを包んでいた包装紙をカサカサと取っている。

『ん😣…気になる…』

そう思いながらもなかなか言葉には出せず、モクレンの花を飾る手伝いをした。

お墓の両脇には花を入れる穴が開いていてその穴に水を入れ私はモクレンの花を左右2本ずつ差した。


あれ❓全部飾らないの❓


一輝が私に聞いてきた。


うん。お姉ちゃんの部屋にも飾りたいから。


そう話すと一輝は一瞬困った顔をして私に言った。


アゲハの部屋はもうないよ。だから全部お墓に飾った方がいいよ。


…え⁉…なんでお姉ちゃんの部屋ないの⁉


…とにかく…もうアゲハの部屋はないし、あそこはアゲハの家じゃないんだよ。


私は少し悲しくなったが『無いなら仕方ない』と左右に3本ずつ飾った。

No.132

一輝は桶の水をお墓にかけて私にも桶と柄杓を渡した。

私はモクレンの花束を一輝に渡してお墓の色々な場所に水をかけた。

水をかけてる時、お墓に刻まれた名前が目に入ってきた。

数人の名前の中にお姉さんの名前があった。

お姉さんの名前の下には漢数字で『18』と書いてあった。

他の名前の下にも漢数字で『61』『83』…等と書いてある。

私は歳が書いてあるんだと気付いた。

『あれ⁉』

お姉さんの隣にある名前と数字が目に入った。

『渡辺 葉月』漢数字で『4』と記載があった。

…一桁…

『4才で死んだの…』

私は一輝に聞きたいが聞けない…聞いていいものか…と自分の中で悩んだ。

No.131

ありがとうございました。


そう言い、ぺこりとお辞儀をしてお線香の束を持った一輝が出てきた。

一輝の側まで走り、また一輝の腕に捕まり歩き出す。

柳の木の下についた。そこには水が湧いている場所があり、桶と柄杓がたくさん置いてあった。

一輝は桶に水をたくさん汲み、柄杓を一本桶に入れてまた歩き出す。

複雑に入り組んだお墓ばかりの道を慣れたように進み、少し大きなお墓の前についた。

桶を置きながら、


これがアゲハの墓だよ。


と言った。

No.130

大きな木の鴨居を通り過ぎ、大きな柳の木の前を通り過ぎ、本堂についた。

一輝は私の手を引きながら本堂の階段を上がり始めた。

階段を上りきると賽銭箱と大きな鈴が2つ。

一輝は賽銭箱に10円玉を一枚入れて

『ガラン…ガラン…』

と鈴を鳴らし

『パンっ…パンっ…』

と手を打ち拝んだ。

拝み終わると


はい。


と言い私にも10円玉を一枚渡した。

私も一輝の真似をして鈴を思い切り鳴らし手を2回打ち拝んだ。

私が拝み終わると


ちょっと待ってて。


そう言って本堂の隣にある古い家に『失礼します』と言って入って行った。

私は本堂の階段に座りその古い家をジーッと見ながら待った。

No.129

私は左手で花束、右手で一輝の腰あたりの服をギュッと掴んだ。

一輝はそれを確認するといつもよりもかなり遅い速度で走り出した。

何も言わなくても気遣いは忘れない、それが一輝のいい所で一輝の優しい所だった。

かなりの時間を走り、周りの風景も建物や家より森林が多くなってきた。

心地よい森林の香りと暖かい風。木が揺れるザワザワとした 音。

森林のとても良い香りを思い切り吸い込み森林浴を楽しみながら走った。

山道に入り急カーブがふえてきた。

クネクネの道の先に花屋さんや仏壇屋、墓石屋が見えてきた。

その道の先には大きなお寺。

そのお寺の駐車場へ一輝は単車を止めた。


着いたよ。


単車を止めて一輝が先に下り、『気をつけて』と言いながら私の腕を掴み支えられながら単車を下りた。

モンレンの花は花びらが一枚、一枚大きくてすぐポロッと取れてしまうイメージがあったが一輝がゆっくり走ってくれたお蔭か一枚も落ちることなく無事だった。

モンレンの花束が無事なことを確認すると一輝の腕に捕まりながら歩き始めた。

No.128

一輝😃あのね、お姉ちゃんのお墓に行きたいの‼この花、お姉ちゃんが好きだったから持って行ってあげたいの😃‼


そう言い花束を差し出し見せた。


あぁ。ちょっと遠いけど花持って乗ってられる❓


大丈夫😃乗ってられる😃


そう言い、いつも通り一輝の単車の後ろに座った。

単車の後ろに座ると一輝が左腕に掛けてあったあの派手なヘルメットをくるりと後ろを向き頭にかぶせて顎の下の紐をキュッとひっぱった。

No.127

一輝との待ち合わせは『いつもの場所』だった。

『いつもの場所』とは自分の家ではないマンションの裏の公園だった。

この場所には、お姉さんとも来たことがあり、一輝も待ち合わせではなくても頻繁にこの場所に立ち寄っていたらしい。

この場所にどんな意味があるのかは聞いたことは無かったがこの日、初めてこの場所の意味を知ることになる。



公園のベンチに座り、足をブラブラさせていると

『ブォン…ブォン…』

後ろからエンジンの止まる音がした。

振り返ると一輝がいた。

一輝はいつもエンジンを切る時は決まって『ブォン…ブォン…』と2回程ふかす。

私はモクレンの花束を抱えて一輝の元へ走った。

No.126

私はそんな一輝を心の底から信頼し、心の底から好きだった。

ただ、『好き』は『好き』でも『恋愛の好き』ではなく恋愛以上…『家族愛』に近かった。

恋愛感情であれば、嫌いになったり飽きたり、何かしらの問題で関係に亀裂が入れば『好き』では無くなるし、『信じられなくなる』だろう。

一輝のことはどんなことがあっても、どんなに裏切られたとしても嫌いにならない自信があった。

側にいるのが当たり前、信じるのが当たり前で友達とも恋人とも違う感情だった。

疑うこともせず、いるのが当たり前…所謂、空気のような存在だった。

No.125

急いで受話器を置き、冷蔵庫からオレンジジュースのペットボトルを出してコップにも注がずペットボトルから直接グビグビとのみそのまま家を足早に出て行った。

この時、一輝は高校に上がっていたが、中学↔高校とエスカレーター式の学校で中学の時と変わらない生活をしていた。

一輝は外見的にはチャラチャラしていたが、頭だけは良かった。

いつも宿題を手伝ってもらったり、分からない所を教えてもらったりしていたが教え方も上手くて正直学校の先生よりも解りやすかった。

No.124

はい☺これでいいかな❓


おばあちゃんは濡れたティッシュを巻いてアルミホイルを巻いた後、御中元か何かの包装紙で綺麗に包んでくれた。


はい☺ありがとうございました。


モクレンの花束を受け取ると大事に抱えて家に帰った。

家は珍しくお母さんが出掛けていて誰もいなかった。

『早く一輝に電話しなきゃ‼』

家につくとモクレンの花束を抱えたまま一輝に電話をかけた。

この頃には、一輝の電話番号は頭の中に入っていた。

『…プルルルル…プルルルル…プルルルル』

3コール目で一輝が出た。


はい。もしもし。松永ですが…。


あっ😃一輝ぃ❓カズハだけど‼今から迎えに来れる❓今日、カズハどうしても行きたい場所があるの😃


あぁ。分かった。今学校から帰ってきたばっかだから着替えたらすぐ出れるから。またあそこいて。じゃ。


そう言って電話を切った。

No.123

これは何て言う花なんですか⁉


おばあちゃんに聞いた。


『モクレン』の花だよ☺これは、白モクレンだから色は白いんだけどね。


と言った。

『モクレン』…偶然なのかお姉さんの好きな歌の題と同じ名前の花だった。

私は無性に嬉しくなり花から目が離せず、おばあちゃんが包み終わるまでニコニコと笑みを浮かべジ~っと花を見つめていた。

No.122

男の人は脚立を抱えて木の横に置き、刃の部分が大きなハサミ✂で花のついている枝部分を『パチン、パチン』と切り始めた。

おばあちゃんが店から濡れたタオルを持って出てきて切り落とした花を受け取りタオルの上に置いていった。

6本くらい切り落とし、その花を持っておばあちゃんはお店の中へ戻って行った。

私もおばあちゃんの後を追ってお店へ戻りおばあちゃんがいるカウンターへ行った。

おばあちゃんは花のついた枝にせっせと濡れたティッシュを巻いて輪ゴムで縛っていた。

No.121

『この花、お姉ちゃんと一輝に持って行ってあげたい』

そう思い、走って家に帰り貯金箱からお年玉の一部を出してまたタバコ屋に走った。

タバコ屋につくと、『ガラガラ』と店の中へ入った。

『ピンポンピンポン』店に入ると音が鳴った。

お店の中にはジュースや文房具、お酒やお菓子、なんでもゴチャゴチャ置いてあった。


いらっしゃーい🎵


1人のヨボヨボなおばあちゃんが出てきた。


何をあげましょうか❓


あの‼外の木に咲いてる白くて大きい花が欲しいんですけど‼これで足りますか⁉


私は握り締めていた1000円札をおばあちゃんに渡した。


あらあら(笑)あの花が欲しいの❓あの花は売り物じゃないからお金はいらないよ☺ちょっと待っててね。


そう言うと『あんたぁ…ちょっとあんたぁ…』と言いながら店の奥へ戻って行った。

暫くすると中年のお腹のデカいちょっと太った男の人が前掛けで手を拭きながら出てきた。


どのくらい欲しいの❓


えっと…お墓と部屋に飾りたいので少し多目に欲しいんですけど‼


そうかぁ。分かった。じゃあ綺麗なのを選んであげるね。

No.120

それからは毎日のように一輝に連絡をし、毎日のように単車に乗り、毎日のように一輝の家へ遊びに行った。

冬休みは祖父母の家に遊びに行った為、一輝には会えなかったけど、毎日電話した。

冬休みも終わり私は小6になった。

4月に近づき暖かくなってきた頃…

始業式の帰りにフワッと懐かしい花の香りがした。

『あっ✨これは…』

私は見覚えのある道を足早に進み、一軒のタバコ屋の前についた。

『あ~✨やっぱりぃ』

そこにはいつかお姉さんと見た大きな白い花がたくさん咲いていた。

No.119

目が覚めると一輝はベッドの下に座って寝ていた。


おはよー。


そう言って一輝の肩を揺すった。


あぁ。…おはよ。


一輝は眠たそうに答えた。

起きてすぐお祖母ちゃんが部屋に来て、


お母さんが迎えに来るから支度しておいてね。


と言い、布団を片付けて行った。

お母さんが迎えにきて玄関に向かう途中、一輝が『ちゃんと学校行って、ちゃんと飯も食えよ。また何かあれば連絡して』そう行って私に電話番号が書いてある紙を渡した。

No.118

1人になった私は、心細くなり一輝の布団にくるまりながら眠たい目をこすりながら一輝の帰りを待った。

一輝が帰って来たのは3時過ぎだった。


まだ起きてたの❓


うん。だって…寂しいから寝られなくて。


…そう。遅くなってごめんね。


そう言い、私の頭を撫でた。


もうどこにも行かないから。寝な。


私は安心して一輝のベッドで一輝の布団にくるまりながら寝た。

私の頭を撫でながら一輝がため息をついているのが聞こえた。

No.117

一輝は少しイライラしながら部屋に戻ってきた。

私にもそのイライラは伝わっていたので私も黙っていた。

私はいつの間にか寝てしまった。

電話の音で目が覚めた。

だがまだ周りは真っ暗で、時計を見ると夜中1時過ぎだった。

眠たい目をこすり一輝に目をやるとタバコを吸いながら誰かと電話していた。

内線ではないようだった。

一輝はタバコを吸い終わると、『あぁ。分かった。じゃちょっと顔出すわ。…あぁ。15分くらい。…じゃぁな。』と言い電話を切った。


一輝❓どこかに行くの❓


あぁ。ちょっと。すぐ帰ってくるから寝てて。


そう言い、白いダボダボのズボンに長いコートみたいなのを来てクローゼットから茶色い小さな袋を持って部屋を出て行った。

コートには背中や胸、足にかかる部分にまで変な漢字がたくさん刺繍されていた。

No.116

ドアの外で話し声がした…

私は何の話しか気になって静かにドアの近くに行きドアに耳を当てた…。

『お前、今日は出掛けないんだろ…』
『お前が何かしでかせば俺だけじゃなくばあちゃん達まで迷惑がかかる…』
『相手は女の子だし、まだ小学生だって言うじゃないか…』
『無責任なことだけは絶対にするな…』

そんな男の人の声と

『うるせーな。んなことしねーし…あ゛ぁ゛分かったっつってんだろ…しつけーよ…』

等、一輝の声がする。

声が聞こえなくなると階段を下りる足音が聞こえた…。

私は急いで布団に戻り、何事もなかったかのように見せた。

No.115

一輝と色々話し、夜11時になろうとしていた時、誰かが一輝の部屋のドアを叩いた。


はい。


一輝が返事をすると背広姿の男の人が入ってきた。


あぁ。何か様❓


無愛想に一輝が話す。


お客さんが来てるってばあちゃんから聞いたから。


その男の人は私をチラッと見た。


あの…こんばんは。お邪魔してます。


一応挨拶をした。


あぁ。いらっしゃい。もう遅いからそろそろ寝るんだよ。


はい。


私とその男の人が話し終わると男の人は『カズ。ちょっと来い』そう言いドアを閉めた。

一輝はまたため息をついて部屋を出て行った。

No.114

ねぇ❓なんで一輝はお父さんと一緒でお姉ちゃんはお母さんと一緒なの❓

離婚した時に、アゲハは母親、俺は父親が引き取るってじいちゃんが決めたらしいよ。まぁ、アゲハが死んだの聞いてじいちゃんはアゲハも引き取るべきだったっつって後悔してたみたいだったけど。母さんは男癖わりぃしさ。アゲハはあんまり家にはいたくないっつってたし。


ふ~ん。そうなんだ。私もお姉ちゃんのお父さんは嫌い。


そう言うと一輝は深くため息をついてから


あいつとはいつか話しつける。


とだけ言った。

単純に『話しするんだ』と思った私はあまり深くは考えなかった。

No.113

一輝の受け答えは素っ気なくてかなりぶっきらぼうな感じだったけど、『会いたい時はいつでも会いに行く』と言ってくれたり、素っ気なくてあまり笑わないけど凄く優しい人なんだなと思った。

一輝は中3でお父さんとお祖母ちゃんとお祖父さんと一緒に住んでいること。

お父さんはお姉ちゃんの本当のお父さんだということ。

お姉ちゃんは頻繁に遊びに来ていたこと。

お父さんは医者をしていて、一輝のお祖父ちゃんも医者であるということ。

一輝も将来は医者になりたいということ

…お得意の質問攻めで色々聞き出した。

No.112

私は初めてのお泊まりで嬉しくて今まで無言だったのが嘘のように一輝に色々な話しをしまくった。

一輝は『うん。うん。』と頷き黙って聞いていてくれた。

その間、お祖母ちゃんは私の布団を敷いてくれたり、食べ終わった食器を片付けてくれたりしていた。

いつも家では夜9時には寝なければならないが一輝の家では自由。

夜9時を過ぎてもテレビを見たり一輝と話しをしたり楽しく過ごした。

初めは『一輝さん』と呼んでいたが、一輝が自分の後輩でもないのに『さん』付けされるのは話しにくいと呼び捨てでいいと言ってきたので何も考えず呼び捨てで呼ぶようにした。


ねぇ❓一輝は学校行ってるの❓


あぁ。一応行ってるよ。


ふ~ん。中学校❓


あぁ。そうだよ。


ふ~ん。中学校って楽しいぃ❓


ん~。あんまり。楽しいって思ったことはないかな。


ふ~ん。私は小学校なんだけど私もあまり楽しくない。


そう。


ねぇ❓一輝とは次はいつ会えるの❓


会いたいならいつでも。電話してくれれば行くよ。

No.111

『お世話になっております。松永一輝の祖母でございますが…』
『いえいえ…こちらこそお世話になっております…』
『今日カズハちゃんのことこちらでお預かりしても宜しいでしょうか…』
『いえいえ…ご迷惑だなんて。こちらこそお構いできませんで…』
『はい…こちらの住所は××××、電話番号は○○○○です』
『いえいえ…こちらこそ。今、カズハちゃんに代わりますね…』

話しが終わったらしくお祖母ちゃんは私に受話器を渡した。


カズハ❓そっちの家に迷惑かけないようにね。明日迎えに行くから。


うん。分かった。

短い会話をし電話を切った。

No.110

暫しの沈黙…

『ハァ』

と一輝がため息をつき


じゃあ、今日泊まる❓


と言った。


えっ✨泊まってもいいの❓…けど、私友達の家にも泊まったことないからお母さん怒るかも…


怒られないようにすればいいんでしょ❓


それは…そうだけどなんて話せばいいの❓


お前は話ししなくていいよ。


そう言うと、また部屋の電話を取り、『ごめん。ちょっと来て。』と短い電話をして受話器を置いた。

すぐに一輝のお祖母ちゃんがドアをノックしてから部屋に入って来た。


どうしたの❓


あのさ、ちょっとばあちゃんに頼みがあるんだけど。今日こいつ泊まらせたいからばあちゃんからこいつの親に電話してくんない❓


あぁ。いいよ☺カズハちゃんのお家の電話番号は❓


一輝が私をちら見する。

一輝に促されるように


○○‐〇〇〇〇‐〇〇〇〇です。


と電話番号をお祖母ちゃんに教えた。

お祖母ちゃんは一輝の部屋の電話を取り、私の家へ電話をかけ始めた。

No.109

私のソワソワした感じに気づき、一輝が話し掛けてきた。


あっ。門限夕方5時だっけ❓


うん。けど多分もう間に合わないかも…。


ごめん。すっかり忘れてた。親には俺が謝るから。


一輝は出掛ける準備を始めた。

準備している一輝を見ながら


帰りたくない。


と我が儘を言っている自分がいた。

一輝は困った顔をして返事をした。


帰りたくないって、どうすんの❓


分からないけど、帰りたくない。

この時、一輝と離れたら一輝までいなくなるかもしれない…と少なからず考えてしまっていた。

だから余計、帰りたくなかったのかもしれない。

No.108

食べ終わった後に


ちゃんと食べないと駄目だよ。


とだけ言い、一輝はまたベッドに寝っ転がった。


あの…一輝さんは食べないんですか❓


…俺❓俺猫舌だから。熱いのは食えないんだ。


そのような会話を2言、3言話した。

一輝が食べ終わり、また無言の時間が流れた。

ふと部屋の壁にかけてある時計を見ると時間は夕方5時を過ぎていた。

『あ…帰らなきゃ』

心の中ではそう思ったが、一輝と離れることを考えると無性に帰りたくなくて自分の中で葛藤していた。

No.107

私はテーブルの横に置かれたクッションに座り、お粥を食べ始めた。

そのお粥は普通のお粥ではなく『ミルク粥』と呼ばれるお粥だった。

ミルク粥が初めてだった私は、一口食べて気に入り、今まで食べられなかったのが嘘かのように土鍋一人前をペロリと平らげ、梅干しと漬け物を残さず食べた。

一輝は私が食べてるのを少し優しい目をしながらずっと見ていた。

No.106

私はお祖母ちゃんにマジマジと見つめられ、少し困ってとりあえずぺこりとお辞儀をした。

お祖母ちゃんは少し涙目になりながら、私に話し掛けた。


そうか…アゲハの妹ね。お名前は❓


カズハです。宜しくお願いします。


またぺこりとお辞儀をした。


あらあら名前もそっくりで…。来てくれてありがとうね…。ゆっくりしていってね。


そう言うと、部屋を出て行った。

お祖母ちゃんが持ってきたのは小さな土鍋に入った白いお粥と麦茶、梅干しと漬け物だった。

お祖母ちゃんが出て行ってすぐに一輝はお盆からテーブルにお粥などを移し


食べな。お粥なら食べやすいでしょ。


と言い、手招きした。

No.105

一輝は口数は少ない。

そこもお姉さんに似ていた。

元々、お姉さんは聞き役、私は話し役だったからそれもまた変わらない所だった。

曲を聞いていると

『コンコン…』

部屋のドアを叩き、お祖母ちゃんが入ってきた。


こんにちは☺いらっしゃい☺


とても優しそうな上品で綺麗なお祖母ちゃんが入ってきた。


こんにちは☺


私はいつもの大人向きの営業スマイルで答えた。


あら☺可愛い子だね☺カズのお友達❓


あぁ。友達っつうか姉ちゃんの妹みたいなやつ。


アゲハの妹かい❓


そう一言いうとお祖母ちゃんはビックリしたようにマジマジと私を見た。

No.104

私は曲を聞きながら、目では一輝を追っていた。

『好き』だとかの感情ではなく『お姉さんに似ていたから』目が離せなかった。

大事な掛け替えのない存在の人を失うと自然とその人に似てる人を無意識に探し、似てる人に無意識にはまってしまう。

他人だと分かっていても重ねて見てしまう。

この時の私は、お姉さんに外見も雰囲気も性格も似ている一輝にはまってしまっていた。

お姉さんを失った今、何も特別なことはしなくてもいい、ただ一輝の側を離れたくなかった。

No.103

『本当にいい曲…』

一輝はお姉さんが今この場にいるかのようにリピート再生をした。

何度も聞いているうちに

『いい曲だけど…詩の内容は何だかちょっと悲しい…』

そう感じた。

今でも『木蓮の涙』を聞くと懐かしいけど切なくなる。ただ、やっぱりいい曲だな…と感情移入する。

日々の生活で疲れたり、嫌なことがあると必ず嫌って程この曲を聞きながら何もせずボーっとするのが今でも日課みたいになっている。

私にはこの曲調が合うのか…それともお姉さんが好きだったからか…理由は分からないけど、どんなに良い曲が新しく出てもこの曲以外はすぐ飽きてしまう。

小さい頃から変わらないことは少なからずあるが、これも『今でも変わらない』ことの1つだ。

No.102

何をすればいいのか分からず私はチェストの前に突っ立ったままだった。

そんな私をちら見して


適当に座っていいよ。


あ💦うん。すみません…。失礼します💦


何故か敬語になりそそくさとその場に正座した。

一輝がCDをデッキに入れ、そのままベッドに静かに倒れこんだ。

デッキからは音楽が流れ始めた。



🎼逢いたくて…逢いたくて…この胸の囁きが…あなたを探している…あなたを呼んでいる…🎼


『なんか…今の私の心境にぴったり。凄くいい曲…。』

第一印象はそんな感じだった。

なんて言う曲なのか気になり、ベッドに寝っ転がっている一輝に話し掛けた。


あの…‼この曲ってなんて言うんですか⁉


…あぁ。スターダストレビューの『木蓮の涙』だよ。


暫く間があき、一輝が起き上がりタバコにジッポで火をつけながらまた話し始めた。


アゲハがすげー好きだった曲。俺ん家来るといつもリピートで聞いてた。


お姉ちゃんが好きだった曲ぅ✨❓


何だか今まで知らなかったお姉さんのことを1つ知ったせいか気分が盛り上がった。

No.101

一輝と目が合い、学ランを来ていないせいか変な違和感を感じ、また慌ててどうでもいいことを言っていた。


電話短いんだね。うちの家族は電話すると長いから…。


ん❓あぁ…電話っつうか内線だから。話し相手もばあちゃんだし。


ふ~ん💦内線なんだ。


一輝はそう言いながらCDを選び始めた。

『内線ってなんだ❓❓』

私の家では当時は電話は1つで、今では当たり前のように親機の横についている子機なるものも存在しなかったので

『内線』

がなんのことか分からず…。

ただ、一々質問するのはどうなのかと思い『内線』の意味も分からないまま話しを終わった。

No.100

ニコニコしながら写真を見ていると

『ガチャ』

一輝が部屋に戻って来た。

何故か慌てて写真立てを戻した。

一輝は部屋に着くと部屋に置いてある電話で


出来たら持ってきて。


とだけ言い電話を切った。

またすぐ電話が鳴りまた電話をとり


うん。2人分。


と言いまた電話を切った。

こんなに短い電話を聞いたのは初めてておかしかったのを覚えている。

No.99

長い廊下を歩き、階段を上り、また廊下を歩き1つの部屋についた。


どうぞ


一輝はそう言い私を部屋に通した。

部屋はあまり物がなくかなりシンプルな部屋だった。

ただ、ベッド周りの壁には沢山のタバコの箱が綺麗に並べて貼ってあった。

少し興味深々で眺めていると


好きにしてていいから。ちょっと俺、着替えてくるね。


一輝が部屋を出て行った。

私は部屋に1人になった。

ここは多分一輝の部屋だろうと思った。

ただ、部屋の大きさはうちの家のリビングくらいもある。かなり広い。

部屋をクルクルと見渡す。

すると、黒いチェストの上の写真立てが目に入ってきた。

手に取って見ると小さい姉弟が2人、仲良くポーズを取って写っていた。

『お姉さんと一輝だ✨』

面影もあり、2人共あまり変わっていなかった為すぐに分かった。

No.98

初めて単車に乗った。

正直かなり寒くて目を開けていると泣いていないのに涙が流れて息がかなりしずらかった。

『車の方が絶対いいな😤』

と思いながら一輝に必死にしがみついていた。

『寒い😭もう限界😭…』

と思い始めたくらいにだんだんスピードが落ちていき、一軒のかなりデカい家に到着した。


着いたよ。


一輝が話し掛けた。


うん…。


私は慣れない動きでゆっくり単車から降りた。


付いてきて。


一輝はデカい家に単車を引きながらズカズカと入って行ってしまった。

『…めちゃくちゃデカい…ここって何かの会社か公民館❓❓』

そう思いながら


早く来いって‼


と叫ぶ一輝の元へいそいそと走って行った。

不安からか…一輝の学ランの裾をがっしりと掴みキョロキョロしながら歩く。

一輝は数台の車の止めてある場所に単車を置き、学ランの裾を掴んでいた私の手を引き家に入っていった。

No.97

『また公園でお姉さんみたいに話しするのかな❓』

そう思っていたら一輝が


ちょっと待ってて。


そう言い公園のもっと奥に入っていってしまった。

私は一輝の入って行った方を見つめていた。

すると、一輝は大きな単車を引きながら歩いてきた。


これかぶって。


派手なシールだらけのメットを渡された。

『なんじゃこりゃ⁉』と心の中で思ったが黙ってかぶった。


後ろ乗って。


一輝は単車にまたがりながら私に言った。

私が乗ったのを確認すると


俺にちゃんと捕まってて。


それだけ言い捕まったのを手で確認すると私を乗せて走り出した。

No.96

エレベーターの中ではお互い無言…

下の階に着くと、


ちょっと寒いからちゃんとコート着て。


と言った。

私は肩にかけていただけのコートを着直した。一輝はまた私の腕を掴みズカズカと歩き始めた。

お姉さんと一度だけ来たことがある家とは違うマンションについた。

一輝はお姉さんと同じく私の手を引きマンション裏の公園へ行った。

一輝はつくづくお姉さんに似てる…一輝といる間はお姉さんがいない寂しさは無く逆に安心している自分がいた。

No.95

飯食ったらちゃんと返してやる。


そう言うと私の腕を掴み部屋をズカズカと出て行った。

一輝は母に『すみません。お邪魔しました。それで…さっきも話したんですが娘さんのことちょっとお借りします。門限のお時間までにはしっかりお送りしますから。』


そう言うと私の手を引き、玄関まで行き


早く靴履いて。


とだけ言った。

私は言われるがまま靴を履いた。

靴を履いたのを確認すると玄関脇にかけてあった私のコートを取り私にフワッとかけまた私の手を引いてズカズカと玄関を出て行った。

No.94

お前、いつまでウジウジ泣いてんだよ。


私は俯く。


心配して学校行って見ればもう一週間以上休んでるっつうし、家にきてみりゃ飯も食べないで泣いてばかりだっつうし。お前の母ちゃんも心配してたぞ。


私はとてつもなく申し訳ない気持ちで一杯になった。
暫くの沈黙の後…


飯は❓なんで食わないの❓


と一輝が言った。私は小さな小さな声で


タベタクナイ…


と言った。

一輝はいきなり立ち上がり私が持っていたお姉さんの手紙とネックレスを取り上げ学ランのポケットに押し込んだ。


あっ…駄目…お願い…返してぇ😭


一輝の腕を掴み縋るように頼んだ。

No.93

私は相変わらず、手紙を読んでは涙を流す日々。

ご飯も食べず、たまに母が持ってきてくれたジュースだけを口に運んだ。

ジュースを飲み、またお姉さんの手紙を読み涙を流していると…

『コンコン…』

ドアを叩く音。

母だと思いまた手紙を読み始める。

『コンコン…』

またドアを叩く。


入ってくれば…❓


母だと思いぶっきらぼうに言った。

すると…入ってきたのは…



一輝だった。

お姉さんの弟…。


『え⁉なんで⁉』


と心の中で呟き、一輝に向かっても


なんでいるの❓


と言っていた。


一輝はドアを閉めると私の目の前にあぐらをかいて座った。

No.92

そんな私の手を一輝は握りしめ頭を撫でてくれた…

そう…お姉さんが私にしてくれたように………




この日は、手紙を読み終わり泣いていた私を母が支えるように抱き抱えて帰った。

また暫く学校には行けず、休んだ。

休んでる間はお姉さんの手紙を何度も何度も読み返し、涙を流すだけ…。

お姉さんの家に最後に行ってから一週間が経とうとしていた。

No.91

手紙のtoとfromの場所には綺麗な貝のシールが貼ってあった。

手紙の他に封筒の中にはピンク色の可愛い袋が入っていた。

袋を開けてみるとお姉さんがいつもしていた金の蝶のネックレスが入っていた。

私はそのネックレスを握りしめながらまた泣いた。

こうゆう時っていくら泣いても泣き足りない。

まだ出るの❓ってくらい涙が出る。

しかも一度涙を流してしまうと止まらなくなる。

私は自分の意思とは関係なく、ただただ涙を流していた。

No.90

🐚カズハへ🐚
カズハ…ごめんね。
また、公園行こうって約束したのに。行けなくなっちゃった。
本当にごめんね…。
お姉ちゃんはカズハに嘘をつきました。
本当はね、初めてカズハの前で発作を起こした時から死ぬ覚悟は固まってました。
でも、カズハに会うと決心が揺らいで何度も何度も考え直しました。
でも、私は所詮弱い人間だから…負けてしまいました。
カズハと出会ってから毎日楽しくて、カズハが大きくなったら…とか色々想像したりして本当に幸せに過ごせました。
カズハ、私のこと好きになってくれてありがとう。
本当にありがとうね。
こんな私を好いてくれたのはカズハと弟くらいだったから。
本当に嬉しかったんだよ。
カズハ❓
もしお姉ちゃんがいなくなって困ったり悲しいことや辛いことがあったらお姉ちゃんの弟に何でも話して下さい。
お姉ちゃんから弟にはカズハのことちゃんとお願いしてあるから…。

最後に…カズハにお姉ちゃんからの最初で最後のお願い。カズハはお姉ちゃんみたいな生き方はしないで下さい。
絶対幸せにならなきゃ駄目だからね。
約束ね。
いつもカズハの幸せを願ってます。

🐚アゲハ姉ちゃんより🐚

No.89

その後、私と一輝は黙って手紙を読んだ。

私は夢中で読んだ。

手紙の内容は…

No.88

鼻をかんでいると静かに弟が話し始めた。


あのさ…悲しいのは分かるけど、泣いたってアゲハは戻って来ないよ。あいつはあいつなりに頑張ったんだから。アゲハがここにいたら心配するよ。お前のこと物凄く大事にしてたんだから…。


そう言うと私に一通の手紙を渡してきた。

宛名を見ると『カズハへ…アゲハ姉ちゃんより…』と書いてあった。


これは…❓


さっきアゲハの物整理してて見つけた。俺とお前にだけ手紙書いてたみたい。


そう言いもう一通の手紙を私に見せた。

宛名には『一輝へ…鳳蝶より』と書いてあった。

『カズキ』

これが私とお姉さんの弟、カズキとの出逢いだった。

No.87

蝶のネックレスのことを思い出していると、お姉さんの『カズハを本当の妹だと思ってるから』という声を思い出した…

『アゲハとカズハ…本当の姉妹みたいだね…』

そう思った途端、涙が止まらなくなった。

私は喪失感を覚えた。ポッカリ空いた穴は埋まることなくお姉さんのことを考える度に広がり続け、それを感じる度にとめどなく涙が流れた。


大丈夫か…❓


お姉さんの弟が話し掛ける。

でも何も答えられずただ泣くしか出来ない。

暫くメソメソ泣いていたらまた


大丈夫か…❓


と話し掛けられた。

お姉さんの弟は私の隣に静かに来て、私の前に静かにティッシュの箱を置いた。

私は勢い良くティッシュを掴み、勢い良く鼻をかんだ。

No.86

私は黙って片付けしている姿を見ていた。

その男の人も黙って手を動かしている。

暫く黙って手を動かしていたが、黙って見つめる私の方をまたチラッと見て初めて話しかけてきた。


お前、カズハって奴❓


…うん…そうだけど…。お兄ちゃんは誰❓


俺❓俺はアゲハの弟だよ。


『アゲハ』初めてお姉さんの名前を知った。

『渡辺 鳳蝶』

『ワタナベ アゲハ』
それを聞いて思い出した…。

そう言えば…お姉ちゃんはいつも綺麗な蝶のネックレスをしていた。

金色に5mmくらいの蝶と綺麗な宝石のついたネックレス…。

本当のお父さんからの誕生日プレゼントだと言っていた。

アゲハだから蝶なんだ…。

自然とそう思った。

No.85

次の日の昼過ぎ、私は母に連れられお姉さんの家にいた。

黒い服に黒いタイツ、黒い靴…全てが黒。

お姉さんの部屋ではなくリビングに通された。

リビングに行くと白い台の上にお姉さんの写真や花が飾られていた。

祖父母の家で良く見る物…お線香…部屋は少し煙かった。

母はお姉さんのお母さんと何やら話しをしている。

『もしかしたら…お姉さんは部屋にいるかもしれない…。』

そう思った私はゆっくりお姉さんの部屋へ行った。

お姉さんの部屋へ入ると…

『お姉ちゃん😃❓』

一瞬そう思った。

お姉さんの部屋には1人の男の人がいた。

一瞬見間違えたくらいお姉さんに似ていて綺麗な男の人だった。

学ランをきていて少し茶色い髪…お姉さんそっくりな雰囲気…。

その男の人は私に気付いてチラッと見たが、また視線を戻しお姉さんの部屋の片付けを黙々としていた。

No.84

母が私に聞く


カズハ❓あんたランドセルは❓❓


一階のポストの前…


それだけ言い部屋へ入った。


カズハ⁉⁉一階のポストの前って⁉なんで⁉


母が部屋に入って来た。


手紙くれたお姉ちゃんが…なんか自殺とかって…なんか良く分からない…なんか隣のおばさんが…


と訳分からず話し続ける自分…。


カズハ❓


母が私の隣へ座る…


ママ…❓自殺って何ぃ❓❓


この一言を精一杯声を振り絞って言い母にしがみついた。

母は黙って私を抱き締めていた。ずっと。

気がつくと朝だった…。

ボーっと天井を見つめ『ハァ』と溜め息をつく。

両手を目の上へ置く…目が腫れぼったい…。

ボーっと天井を見ていたら自然と涙が流れた。

この日から学校を休んだ。

不思議とお腹が減らず、何も食べられなくなった。

学校を休んで2日目の夜、お姉さんのお母さんが黒い服を来てうちに来た。

母が話しをした。

話し終わってすぐ私の部屋に来て、『明日、お姉さんの家にママと行こう。行ける❓』と聞いてきた。

うん…行ける。

それだけ答えてまた横になった。

No.83

またベルを鳴らす…

やっぱり返事はない…

何度も何度も鳴らしていると…お姉さんの隣の家のおばさんが出てきた…。


あれ⁉そこの家なら今留守だよ。


そう私に言うと、その隣の家に回覧板を持って出て行った。


こんばんわぁ💨…💨本当に大変だわよねぇ…気の毒にねぇ……


などと途切れ途切れに話し声が聞こえる。


…そこのうちのお姉ちゃんが亡くなったんだって。……自殺だって言うから💨………本当によりによってなんで隣なんだろうね💨………

私は玄関に立ち尽くしながら会話を聞いていた。

『…亡くなったって❓お姉ちゃんが❓❓自殺って…❓❓』

訳が分からなくなり、ランドセルの存在も忘れて家に帰った…。

正直、この時どう帰ったのか頭が真っ白で鮮明には覚えていない。

No.82

『あれは一体何…❓』

タンカに乗ってるならきっと救急車に運ぶはず…運ぶ時に確認しよう…とその時を階段にうつ伏せになり隠れながら待つ…

でも…運ぶ時変なシートを貼られて…シートの中は全然見えなかった…。

約1時間くらい…❓もっとか…❓

そのままの体制でお姉さんの家の玄関を眺めていた。

周りが静かになり、それを見計らってお姉さんの家の玄関の前へ…。

何度かベルを鳴らす

『ピンポーン、ピンポーン…』

何の返事もない…。

No.81

5階についた。

やはり警察官がいる。

お姉さんの家は非常階段の斜め向かいで近づかなくてもお姉さんの家の玄関が見える。

お姉さんの家を警察官が出入りする…何度か出入りしていた時………チラッと見えたもの……

タンカの上に黒い袋…

何度かチラチラ見えるが、…間違いない…

タンカの上には黒くて少し大きな袋が乗っかっていた…。

No.80

目で何度も何度も階数を確認し、何度も何度も部屋の場所を確認する。

『…お姉ちゃんの家だ…間違いない…』

エレベーター付近には警察官がいて上には上がれない。

背が小さい私は、ランドセルを一階のポストの前に置き、チョロチョロと大人達の間を縫うようにして非常階段へ…。

螺旋上の階段を『カンカンカンカン…』と無我夢中で走り続けた。

たまに転びそうになりスネを階段に打ちながらも痛みなど気にもせずまた『カンカン…』と登り続けた。

No.79

お姉さんと会えなくなってから気付くと3ヵ月が経ち、季節的にも寒くなっていた。

私にとっての忘れられない日が来ようとしていた…。

確か…この日、部活をいつも通りにしてあったかいココアを買い、友達と一緒にのみながら帰った。

友達と別れて歩いていると…マンションの方が騒がしくて…。

マンションはすぐ目の前…

私の横を走っていくエプロンをつけたおばちゃん…赤ちゃんを抱きながらマンションの方を見るお母さん…

マンションの周りを見ると赤い灯りが沢山…

私も走って近づく…

『パトカー数台と救急車…』

『何かあったの❓…』

マンションを見上げると、5階…あれは…お姉さんの家❓…

胸騒ぎがした…。

No.78

たまにお姉さんは家に帰ってきていたらしいが、発作を起こしてまた入院…という感じだったらしい。

私はお姉さんのお母さんにそんなに悪い病気なのかも訪ねたことがある。

その時のお母さんの言葉は


病気は病気かもね。けど、精神的な病気なのよ。だからどうにもいかないのよね💨


だった。

『精神的な病気』幼い私にはうまく理解できず、精神的なって何だろう…そんなに酷い病気❓

と疑問を感じていた。

疑問を感じながらもお姉さんの力になりたいと思う気持ちは変わらず寧ろ強くなっていった。

No.77

『死』だとは考えなかったが『死』の代わりに『居なくなる』という不安にかられていた。

今思うと『死』も『居なくなる』も同じことだと思うが、小学生の私には『死』という文字は浮かばなかった。

また、お姉さんと会えない日々になり、たまにお姉さんが居なくてもお姉さんの家に行き、下着姿のお姉さんのお母さんと容態について話ししたりした。

No.76

たまにお姉さんは発作と痙攣を起こした。

私は保健室で習った通りに応急処置をし、何回か1人で救急車を呼び、何回か救急車にも一緒に乗った。

ただ…何回目か…救急車に乗りながらふと思った…

『最近…発作の回数が増えてきてる気がする…』

考えれば考える程、それは間違いなく…言葉に出せない不安に潰されていた。

その不安は『お姉さんがいなくなったらどうしよう…』これだけだった。

この時の私は、人間の『死』とはかけ離れていて直接『死』を見ることは無いに等しかった。

祖父母達は両親共に健在だったし、お葬式自体行ったことも記憶もなかった。

No.75

お姉さんが退院してくる日…

とうとう来た✨

学校に行かずすぐにでもお姉さんの家に行きたかったが、行きたいのをグッと我慢し学校へ。

部活は体調が悪いと案の定ズル休み…全速力でお姉さんの家へ向かった。

お姉さんの家につきベルを鳴らす。

『ガチャ』

玄関が開いた。


いらっしゃーい☺


お姉さんがいつもの優しい笑顔で迎えてくれた☺

この日を境にまた部活には行かずお姉さんの部屋に入り浸りの日々が始まる。

No.74

お姉さんと病院で会った日から約2ヵ月が経とうとしていた。

まだ退院出来ないのかな…と心配も限界に近づいていた時、お姉さんから私に手紙が届いていた。

手紙には、病院での生活は暇で私に早く会いたいと言うことと“20日に退院するから待っててね”と書いてあった。

『20日⁉明明後日じゃん😃⁉』

私は嬉しくて嬉しくて…20日までは遠足に行く前日のような…楽しみにしすぎて待ち遠しくて興奮で眠れない💨そんな毎日を過ごした。

No.73

まずは保健室の先生にお姉さんに起きたことを見たまま伝えた。

先生は


テンカン発作かな…❓


と言った。

『テンカン』

私はこの日、『テンカン』と言う言葉を覚えた。

対処方法として…嘔吐物が詰まらない用に体は必ず横向きに、発作で歯を思い切り噛み締める為、舌を噛み切ったりと大怪我をする恐れがある、それを防ぐ為なんでもいいから口に入れること。何もなければハンカチを巻いた手でも構わない。後は痙攣で怪我をしないように体を支えること。

素人に出来ることは残念ながらこのくらいだと言われた。

聞いているとお姉さんのお母さんがしていたことを思い出した。

私は次は必ず助けてあげると子供ながらに決心し、保健室の先生の元応急処置の勉強をした。

この時、保健室の先生は人工呼吸の仕方や心臓マッサージの仕方も細かく教えてくれた。

No.72

お姉さんと病院で会った日から一週間が経とうとしていた。

私は、お姉さんを心配しながらも自分には何が出来るのか必死に考え模索していた。

『もし…またお姉さんがああなったら…。私がしっかりしていれば。次は絶対助けてあげないと…』

私が出した結論は、『発作が起きた時の対処方法を学ぶこと』だった。

その日から毎日毎日暇があれば保健室に通った。

保健室の先生ならば何か知っている、教えてくれると思ったからだ。

No.71

『多分、洋平先生の奥さんだな…洋平先生の足は…多分…うちのクラスの奴がやったんだな…。』

そんなことを考えながらタクシーに乗り家に帰った。

それからお姉さんからもお姉さんのお母さんからも音沙汰無し…。

またお姉さんのいない生活が始まった。

No.70

エレベーターを降り、受付の前を通りすぎる時、見覚えのある人が目に入ってきた。

『あれは…❓洋平先生❓』

見間違えではなくやっぱり洋平先生だった…。

洋平先生は松葉杖を付き、片足には部厚いギブスをし受付前にいた。

話し掛けようか迷っていると洋平先生の隣にお腹の大きな女の人が来てそのまま2人で病院の外へ歩いて行った。

No.69

お姉さんは私の手を黙って握りしめながら


すぐ退院出来るから。そしたらまたあの公園行こうか。


と言い、私は涙と鼻水でベチョベチョになりながら頷いた。

お姉さんを疲れさせたらいけないから…と看護師さんに言われこの日は帰ることにした。

帰る時、お姉さんのお母さんは『病院にいなければいけないからタクシーで帰ってね』と言い私に5千円を渡した。

私は5千円を受け取ると1人でエレベーターに乗り込んだ。

No.68

5分か…10分か…多分そのくらい待ったと思う。

お姉さんのお母さんが部屋の中から私を手招きした。

手招きされる方へ行くとカーテンがかかったベッドがあり、中に入るとお姉さんが寝ていた。

お姉さんはいつものお姉さんに戻っていた。


お姉ちゃん😢…大丈夫ぅ❓


うん。大丈夫。心配させて…不安だったでしょ…本当にごめんね…


そう言いながらお姉さんは私の手を握りしめた。

私は涙をボロボロ流し泣いた。

泣いてる間、お姉さんはずっと私の頭を撫でていてくれた。

撫でてくれているお姉さんの腕には点滴の針が沢山刺さっていて、それを見てまた泣いた。

No.67

病院へ到着するとお姉さんのお母さんはお金を払い私の手を引き病院の中を歩き始めた。

エレベーターへ乗り3階へ…

降りると沢山の部屋があり、入院中の患者さんやお見舞いの人等が沢山いた。

そのまま手を引かれ一番奥の部屋についた。


ちょっと待っててね。


そう私に言うとお母さんは部屋に入って行った。

私は待ってる間、部屋の前に並べられた名札を見た。

お婆ちゃんが入院した時、お婆ちゃんの名前も部屋の外に貼ってあったのを思い出したからだ。

どうやら4人の人が部屋に入院中らしい。

その中にお姉さんらしい名前を見つけた。

『渡辺 鳳蝶』

漢字が難しくて読み方は分からないし、お姉さんのことは『お姉ちゃん』と読んでいたので本名は分からなかったが、お姉さんの友達はお姉さんを『ナベちゃん』と呼んでいたし、お姉さんの家には『渡辺』というシールが部屋番号の下に貼られていたので、お姉さんの名前だと思った。

No.66

カズハちゃんだったね❓


ハイ…そうです…。


おばちゃんとちょっと一緒に来て欲しいんだけど…いいかな❓


あの…ちょっとだけなら…。


お姉さんのお母さんは私の手を引きタクシーに乗り込んだ。

初めて見る道を走り続ける。

暫くすると前方に大きな病院が見えた。

タクシーは私とお姉さんのお母さんを乗せてその大きな病院へ入って行った。

No.65

次の日、なんとか学校へ行き、なんとか終了時間まで頑張った。

ただ、部活に出れる程の元気はなく、体調不良の為部活は休み帰宅することにした。

帰宅途中、見覚えある女の人が近づいてきた。

お姉さんのお母さんだった。

この日、初めてお姉さんのお母さんが服を着ている姿を見た。

ギャップがあったせいかお姉さんのお母さんだと気付くまで少し時間がかかったくらいだった。

No.64

私はお姉さんの部屋の隅で固まりながらその光景を見ていた…。

お姉さんがいなくなった後…お姉さんの部屋にお姉さんのお父さんが入ってきた…。


どこまでも迷惑な馬鹿な奴だ‼お前ももう帰れ。


そう言うとお姉さんの部屋を出て行った…

私は怖さ、恐ろしさ、心配…色々な気持ちから錯乱し走って家に帰った。

その夜は怖くて何をするにも苦労した。

お風呂に入り顔を洗っているとお姉さんのあの顔が鮮明に出てきて後ろに誰かいるような気がして目を開け何度も何度も後ろを振り向きながら目を開けながら顔を洗った…

寝る時も同じ…目を瞑るとお姉さんのあの恐ろしい姿が浮かび、脳裏から離れず…

この日は結局一睡も出来なかった…。

No.63

お姉さんのお母さんが部屋に入ってきて、お姉さんの口を両手で思い切り開き近くにあった手の平サイズのぬいぐるみを口に詰めた。

そのままリビングに走りどこかに電話をかけ、また部屋へ戻りお姉さんの体を抱えて抑え込んだ。

外から救急車の音がして次第に近づき、3人の救急隊員が入ってきてお姉さんに手際良く色々してタンカにお姉さんを乗せ茶色いベルトでお姉さんをキツく縛り付けそのまま運んで行った…。

No.62

お姉ちゃん…⁉⁉お姉ちゃん⁉⁉


お姉さんを呼び続ける。

お姉さんは次第に白目をむき、体の震えは近くのテーブルにぶつかる程大きなものになり『ガチャンガチャン』とガラスのテーブルに足がぶつかる。

震えと言うより…何かに取り憑かれて暴れているような感じだ。

今思うと『エクソシスト』そのままだと思う…。

私は、白目をむき『ウ゛…~ウ゛~グァっ…エグっ…グェ…』と苦しそうな異様な声を出すお姉さんを見て怖くなり、


誰かぁ‼誰かぁ‼‼助けてぇ‼‼


と泣きわめいていた。

それを聞きつけたお姉さんのお母さんが『ドンドンドンドン』


どうしたの⁉

『ドンドンドンドン』

とドアを凄い勢いで叩いた。

私は鍵をあけないと…

とブルブル震えていうことを聞かない手で何とか鍵を開けた。

それからは嵐のようだった。

No.61

暫く息を潜め、音がしないのを確認し、


あ~😩💨怖がったね~😩


とお姉さんの方を向いた。

すると…お姉さんは何か…何か様子がおかしい…

首あたりの服を両手でギュッと掴みながらブルブル震えていた。


お姉ちゃん…❓


話し掛けても返事は返ってこない…


ねぇ❓お姉ちゃん…❓ねぇ❓どうしたの…❓


そう話し掛けお姉さんの肩に手を触れた時…


いきなりお姉さんはその場に倒れ、ガタガタ体を痙攣させ口から泡を吐き出し始めた…

No.60

そんな話しをしていると…

『ガチャガチャ…バン…』

玄関から荒々しい音がした。

お姉さんの顔が一瞬強張ったのが分かった。


おい‼誰かいんのか⁉


『あっ…お姉ちゃんのお父さん帰ってきた…』

心の中でそう思い、話しを止めて口を閉じる。

『ドッドッドッド…』

廊下を歩く音…

すると…足音はお姉さんの部屋の前で止まった…

その瞬間…

『バンっバンっバンっバンっ…』


ドアを思い切り叩きつけ


帰ってんなら返事くらいしろ⁉この腐れアマが‼


そう言い放ち

『ドカッ』っと蹴りを入れてまた歩いていった…。

No.59

だんだんと日が暮れてきた。

お姉さんはそろそろ行こうかと私の手を引きまたマンションに歩き始めた。

お姉さんの家の階につき、久しぶりにお姉さんの部屋にあがる。

お姉さんは相変わらず鍵を3つ閉めた。


今日はお姉ちゃんのお父さんとお母さんはいるの❓


今日は、まだお父さんは帰ってきてないよ。お母さんは多分寝てると思う。


ふ~ん。そっか。良かったね😃


そんな会話をしお姉さんと学校であったことや先生と文通を始めたこと、今まであったことを話した。

No.58

その公園もとても綺麗な公園で、公園を囲うようにピンクや白のツツジの花が咲いていて、公園のベンチの上は木の屋根がついていて緑色の蔦が屋根を覆い紫色の葡萄のような綺麗な花が沢山垂れ下がっていた。

ベンチに座りながら私とお姉さんは心地よい風と花の香りを鼻から吸い込み『ハァ~✨』と息を吐いた。


こんなに気持ちが落ち着いたの久しぶり…。


お姉さんはそう言いながら優しい笑顔で私を見た。

私も笑顔で応え、何を話すでもなくゆっくりと過ごした。

No.57

お姉さんと家に帰る途中、フワッと何とも良い花の香りがした。


凄いいい匂いだね。どこからかな❓


お姉さんはそう言うと私の手を引き香りを便りに歩き出した。

暫く歩くと一件の小さなタバコ屋についた。

そのタバコ屋の横に少し大きな木があり、枝の先に白い大きな花がたくさんついていた。


多分、この花だね。本当にいい匂いだね。


うん。


私とお姉さんは暫く花の香りを楽しんだ。

そのタバコ屋の斜め向かいには小さめの公園があり、お姉さんと公園で休んでいくことにした。

No.56

私は陸上部に所属していた為、阿部先生が担任につき、落ち着いた生活が戻り、本来やるべき勉強と部活に精を出した。

部活が楽しくなり始めた頃、学校近くの公園でお姉さんが私の帰りを待ってくれていた。

久しぶりの再会に胸が高鳴り踊り嬉しくてお姉さんの元に走って行った。

お姉さんも嬉しそう…だけどお姉さんは少し痩せたように見えた。

顔色もあまり良くなくて歩き方もかなりだるそうな感じがした。

No.55

教頭先生の怒りはおさまらず、本気でトイレにも行かせてもらえず…みっちゃんと呼ばれていた子がトイレが我慢出来ず泣き始めた。

気がつくと朝掃除の時間から3時間目に突入していた。

その時、阿部先生が運良く教室へ来て、教頭先生と交代したことで無事にトイレに行くことが出来た。

職員会議が早急に開かれ、新しい先生は迎えず、私達のクラスはこの阿部先生が担任を受け持つことになった。

阿部先生は学校でも一番怖いと有名だった為か、さすがに阿部先生には何も出来なかったらしく阿部先生が担任になってからは特に問題もなく平和に日々が過ぎて行った。

No.54

私は、みんなの様子を黙って見ていた。

多分、また田中先生にしたようなことを洋平先生にもしたんだろうな…と思いながら。

この時、私のクラスでは生徒同士のイジメではなく生徒が先生をイジメると言うのが流行っていたようだ。

生徒からしてみればただの遊び、軽い気持ちだった。

イジメた理由も子供ながらに単純。

田中先生の場合はウジウジオドオドし泣くのが楽しかったから…洋平先生の場合は女生徒にちやほやされヘラヘラ笑ってるのが苛ついたから…。

そう…イジメの理由は単純。

ただイジメの内容は単純ではなく田中先生と洋平先生が警察に行けば立派な傷害事件になるような内容だったことは間違いない。

No.53

お前らはカスだ…一体いつまでこんなことを繰り返す⁉田中先生、次は鈴木先生(鈴木先生=洋平先生)お前らは一体何が気にくわない💢⁉文句があるなら陰で汚ねー真似してないで直接言ってみろ‼‼‼


鈴木先生に何をしたのか誰も何も言わねーならお前ら全員教室からは一歩も出さねートイレもいかせねーからな‼‼‼


そう叫ぶと教頭先生は椅子に座り私達をずっと冷たい目で見下ろしていた。

No.52

だけど、洋平先生も私達のクラスでは長続きせず、担任になってからたった3ヵ月でいきなり学校を辞めていった。

この時の教頭先生の凄まじい怒りの形相と言葉は今も忘れられないくらい私はハッキリと覚えている。

洋平先生は何も言わずいきなり辞めた。

教頭先生が朝礼前の朝掃除の時間にもの凄い勢いで教室に入ってきた。


掃除辞め‼掃除用具はそのまま‼その場にみんな座れ‼‼


何事かとみんなビックリし、ざわつく余裕もなく放心状態に近いままその場に座った。


お前ら‼何をしてるのか分かってるのか💢‼あまり大人を馬鹿にするんじゃねーぞ‼


その迫力にみんな呆然としたまま無言で先生を見つめていた。

No.51

それから一週間後、全校集会が開かれ、田中先生が辞めたことと、新しい先生を迎える会があった。

この全校集会の前日に私には田中先生から電話があった。

暫くは自宅療養をする、仕事は暫くお休み、田中先生は精神科に暫く通うとのことだった。

先生は丁寧に私にお礼をいい、色々頑張ってね等の言葉をかけてくれた。

先生と私は文通をすることになった。

田中先生の次担任の新しい先生は若い男の先生でバスケットがうまくて生徒の間で人気があった。

“洋平先生”みんなは親しみを持っていたからか名字ではなく名前で先生を呼んだ。

No.50

先生は命の危険を本気で感じ初め、精神的にも限界だったと。

話しを聞き、先生が学校を辞めることを止めることは私には出来なかった。

先生と話し終わり、丁度学校終了時間のチャイムが鳴った。

先生は、みんなに会いたくないから…と校長先生に挨拶をし、そそくさと校長室を後にした。

校長先生に


今日はありがとう。松岡さんも疲れただろうから今日は掃除当番はしなくていいから、真っ直ぐ家に帰りなさい。


そう言われ私は家に帰宅した。

この日から3日後、緊急でPTA保護者会が開かれ、親は夜遅い時間まで帰って来なかった。

帰ってきたのは夜の8時過ぎだった。

母は


なんだか💨色々大変みたいだね。田中先生学校辞めるみたいだね。


とだけ私に言った。

私は黙って頷いた。

No.49

ギプスは学校にバレるから…と突き指に見せ掛けて学校にはやり過ごしていたらしい。

それからは健太のやることも今まで以上にエスカレートしていき、工作の時間に爪をペンチで剥がされかけたり、中庭掃除の時には両手で持ち上げなければ持ち上がらない程の石を投げられぶつけられそうになったり、体育の時間には砲丸投げに使う鉄の球を背中にぶつけられたり…打撲に、ヒビ、骨折は当たり前のことだったらしい。

砲丸をぶつけらた時はあまりに痛くて泣きながら早退しその足で病院へ…肋骨にヒビが入り暫くコルセットをして痛み止めを服用し学校に通い続けていたらしい。

No.48

健太がやることは全てにおいて予想外で卑劣だった。

先生自身、怪我は日常茶飯事だったらしいが必死に隠していたらしい。

『怪我は日常茶飯事』と言う事を聞き、私は先生の体を上から下まで目で追った。

今までは特に気にもしたことなかったが、先生の体には所々に絆創膏やテーピングのような物がついていた。

テーピング自体肌色のタイプを使用していてその上からストッキングを履いたりしていた為あまり目立たない。


それ、どうしたんですか…❓


先生は暫く黙っていたが小さい声で話し始めた。


学校が終わった後に健太君と話し合おうと思って…理科室を借りて健太君を呼び出したんだ。健太君は何を話しても真面目に聞いてくれなくて。健太君が帰るって言い始めて…健太君の腕を掴んだら『触るんじゃねーよ』……って。…手を掴まれて。思いっきり指を逆方向に曲げられて…。骨折したの。


先生は泣きながら時折手で目を覆ったり額に手を当てながら話続けた。

No.47

この日、私は学校の終了時間まで田中先生と色々な話しをした。

田中先生は、学校を辞めるかどうか悩んでいた。

校長先生は敢えて簡潔にイジメの内容を私に話したみたいだが、実際の内容は壮絶だった。

私のクラスには“山本健太”と言う小学生なのに身長が180近くあり、男の先生よりもガタイが良くボス的存在の生徒がいた。

体がデカすぎてランドセルも勿論使えず1人毎日ノーカバンだった。

よく聞くと健太が主犯格のようだった。

確かに健太はよく問題を起こしていた。

同級生と喧嘩をし血塗れ事件を起こしたり、喧嘩の際、相手の頭を窓に叩きつけ流血騒動を起こしたり…とやることは小学生にしては有り得ないことばかりだった。

だから田中先生の話しを聞いた時は『健太か』と特に驚くこともなく納得した自分がいた。

No.46

私はなんで田中先生が泣いてるのか分からず、どうしていいかすらも分からず俯いた。


松岡さんは、田中先生とは仲良くしてくれてたって田中先生からよく話しは聞いていたから、松岡さんに話しを聞いてみようかな❓って思ったんだけど…。


そう言い、今日の道徳の時間にはクラスのみんなにも話ししなければいけないからと私に『田中先生にあったこと』を話し始めた。

田中先生は、イジメにあっていたらしい。

小学校では、教科ごとに先生は分かれていない。全ての授業を担任1人でする1教室1担任が殆どだと思う。

田中先生は、全ての授業で無視され、自分の机が荒らされたり、教科書にイタズラされたり、上履きを隠されたり、靴をカッターで切り裂かれたり…他にも車に無数に傷をつけられたり様々なイジメを受けていたらしい。

確かに…田中先生はいじられやすいのは知っていたが、私は学校自体に興味がなかったことと、クラスのみんなとも浅く広い付き合いをしていた為、そこまでのことがあったとは気がつかなかった。

この時、初めて『イジメ』の実体を知った。

No.45

私は教頭先生に誘導され、丁度田中先生の目の前の席に座らされた。

教頭先生に変わり校長先生が話し始める。


松岡さん。突然呼び出してごめんね。松岡さんにちょっと聞きたいことがあるの。


校長先生は上品な女のおばあちゃん先生だったから私も話しを聞きやすかった。


はい。あの…なんでしょうか⁉


私は校長先生に言った。


話したくないことは言わなくていいんだけど…最近、クラスで変わったこととか、何か問題とかなかった❓


😥多分、無い…と思いますけど…今日も特にいつもと変わらないと思いますけど…


とちょっと困りながら答えた。

校長先生は私の側から離れ、自分の椅子に座り田中先生を見た。

私も校長先生の視線に流され田中先生を見る…

すると…



田中先生がポロポロ涙を流しながら泣いていた。

No.44

教頭先生について行くと…到着したのは…校長室…。

『え⁉なんで⁉⁉』と半信半疑、訳が分からないまま、教頭先生に手招きされ校長室に入った。


失礼します🙇


お辞儀をし校長室に入ると…

そこには…

担任の田中先生がいた。

私は『ん⁉田中先生いるじゃん⁉⁉』と心の中で思ったが何か理由がある⁉と思い黙っていた。

担任の田中先生は、小さくてうちのクラスが初担任の弱々しい女の先生だった。

ただ、私はこの田中先生がよくは分からないが好きで担任になってから今まで一緒に帰ったり、交換日記をしたり…と仲良くしていた。

交換日記と言っても私がお姉さんと会えなくなってからなんとなく暇つぶしで一方的に書いて渡して田中先生が一言メッセージを加えて…みたいな感じだった。

No.43

また教頭先生が叫ぶ。


静かにしろ‼


みんな口を閉じる。


まぁ、理由は今日の道徳の時間に学級会を開いて阿部先生が話しをしてくれるから。以上。


そう言うと、教頭先生は私を見て


松岡、ちょっと来い。


と言い教室を出て行った。

それを聞き、『カズハやっべー』『カズハちゃん何かしたのぉ~⁉』等とざわつく。

そのざわつきの中、私は『なんで私⁉』と思いながら教頭先生について行った。

No.42

お姉さんと会わなくなり、学校メインの生活に切り替わり始めたある日、いきなり担任の先生が来なくなった。

朝礼の時間、担任が来ないことにざわつく教室。

生徒指導の学校一怖いと言われている“阿部先生”“教頭先生”体育の“ 高橋先生”…学校で怖がられているメンツが勢揃いで教室に入ってきた。

みんな何事かとざわつきは激しくなる。

そのざわつきを制止するように教頭先生が叫ぶ。


静かにしろ‼席につけ‼


一瞬でみんな口を閉じ自分の席へつく。

教頭先生はみんな席についたのを確認して話しを始めた。


今日から、田中先生が学校を休職することになった。暫く、学校に来ない。その間、生徒指導の阿部先生に担任についてもらうことになった。


『⁉え~⁉マジで⁉なんで~⁉』等とみんな口々に喋り出しまた教室全体がざわめいた。

No.41

自分の家では、特に問題なく過ごしていた。

たわいもない通常通りの家族の会話、夕食、朝食、学校へ行き学校の友達と馬鹿みたいな意味のない話しをし、また帰宅する…。

学校では丁度クラス替えがあり、新しい友達が増え、初めの付き合いとしてだけの会話に花咲いていた。

私にしたら中身のない馬鹿みたいな会話…

『私〇〇✨宜しくね✨私〇〇が好きなんだぁ✨格好いいよね✨』…『アドレス帳書いてくれる✏❓給食一緒に食べよう』…『明日テストだね⤵嫌だなぁ⤵けど頑張ろうねぇ✨』等々…。

一緒にいてもどうでもいい話し過ぎて何を話したのかさえ忘れてしまうことばかりだった。

私は学校では適当に話しを流しながら聞いていた。

No.40

鍵を掛けた後…お姉さんが私に言った。


カズハに何かあれば絶対助けに来るから。…それと、カズハ、男は絶対信用したら駄目。すぐに信用するんじゃなく、じっくり時間かけな。男は女を物としか見てない奴が多いから。


私は、まだ意味が分からなかったがお姉さんとの約束やお姉さんの言うことはよく聞いたし守っていたから、素直に頷いた。

暫く、『受験』の勉強があるから会えない、『塾』に行かなければ行けないからとお姉さんとは会えない日々が続いた。

お姉さんとは月に1~2回会えるかどうか…それでもお姉さんの為だと我慢した。

お姉さんに会えなくなり、自分の家にいることが多くなった。

No.39

この日も3人目の父は酒を飲み、意味の分からない言葉をテレビに向かって話していた。

テレビで意見している評論家に文句を言っているようだった。

『テレビと話す人いるんだ。』

そう思った。

トイレに行く時はリビングを通らないと行けない為、いつもお姉さんが付き添いをする。

3人目の父を警戒しているからだろう。

私がトイレから出るとお姉さんは、私の手を引き、テレビに怒鳴り散らす3人目の父を物凄い汚い物を見るように睨みつけ、冷蔵庫からジュースを取るとまた部屋に戻ってきた。

部屋に入るとすぐに鍵をかける。

『カチャ、カチッ、カチッ』

お姉さんの部屋は鍵が3つついている。

1つは元々ドアについている鍵、もう2つは南京錠でお姉さんの彼氏が手作りした鍵だった。

No.38

泣きそうな顔をしている私をお姉さんは頭を撫でながら抱き締めてくれた。

この時、お姉さんのお父さんは3回入れ替わり、初めて会った時から数えて3人目のお父さんになっていた。

この3人目のお父さん…印象はいつも酔っ払っていて無精ひげをはやし、ダボダボのズボン。そして汗臭い…。

3人目のお父さんは職人だったが日雇いでほぼリビングで酒を飲み、日曜日には競馬をテレビで見てうるさくまくし立て、思うように行かないといつも暴れて食器を投げたり…物に当たる最低な人間だった。

お母さんはと言うと…派手な格好をしていていつも爪は魔女みたいに長く真っ赤なマニキュア…足の指も真っ赤。下着の透けた紫や赤、黒のキャミを着ていつも家の中では服を着ていない。

お姉さんの話しだと『夜仕事をしている』そうだ。

なんの仕事をしているのかは教えてくれなかった。

No.37

年月は流れ、私は小学5年生になっていた。

相変わらずお姉さんと一緒にいた。

私が小1、お姉さんが中2の時に出会いお姉さんは高校3年生になっていた。

お姉さんは就職するか、進学するかで悩んでいた。


カズハ❓もし、お姉ちゃんがいなくなってもカズハは寂しくない❓大丈夫❓


…お姉ちゃん…どこか行っちゃうの…❓


お姉さんは自分のベッドに座りタバコを吸いながら言った。


大学に行こうかと思って。うち、ここ出たいってカズハにもずっと話してたでしょ❓…大学の寮に入ろうかなって。


こう話し、『寮』についても詳しく教えてくれた。

話しを聞きながら、哀しくて寂しくて心細くてなんとも言えない気持ちで一杯一杯になっていた。

No.36

この時、初めて『結婚・浮気・不倫・離婚・再婚』の5つの言葉と意味を知った。

お姉ちゃんは私を本当の妹だと思っていることと、暫くお姉ちゃんの家には来ないように…と諭し私をマンションまで送ってくれた。

暫くの間、お姉ちゃんの家ではなく、お姉ちゃんの友達の家に連れて行かれた。

学校が終わる時間に学校近くの公園までいつも迎えに来てくれた。

毎日、毎日お姉ちゃんと一緒。

お姉ちゃんと一緒にいる間にまた色々な言葉とその意味を覚えた。

『中学校、高校、大学、キャバクラ、パチンコ、スロット、集会、暴走族、喧嘩、タイマン、メリケン、恋愛、告白…』

ただ、今思うと、危ない言葉や卑猥な言葉は私の前では一度も口にしなかったと思う。

例えば、『セックス、エッチ、キス、ラブホ、シンナー、クスリ…』等に当たる言葉だ。

私の前ではたったの一度も話題にせず、言葉にも出さず。

お姉さんは本当に私のことを大事にしてくれていたと思う。

No.35

黙って横に座ったまま…暫くしてお姉さんが口を開いた。


あのさ、カズハはお父さんとお母さん好き❓


嫌いな時もあるけど好き。


そっか…お姉ちゃんは大嫌いなんだ。それにお姉ちゃんのお父さんは本当のお父さんじゃないから…家族じゃないんだ。


なんでお父さんじゃないのにお姉ちゃんは一緒に住んでるの❓❓


何故父ではない人と一緒にいるのか正直訳が分からなかった。

その質問にもお姉ちゃんは面倒臭がらず私に分かりやすいように色々と教えてくれた。

No.34

暫く無言で歩き続けて、知らない景色の場所へついた。

マンションだけど、家とは違うマンション。

そのままマンションの裏へ…。

小さな公園があり、お姉さんは静かに手を離しベンチに腰をかけ頭を抱えて俯いてしまった。

私は子供ながらに『今は何も話さない方がいいかもしれない…』

と思い黙ってお姉さんの横に座っていた。

No.33

お姉ちゃん⁉…大丈夫…❓怪我とかしてないの…❓

初めはお姉さんは私には気がついてないようだったが、私の声に振り向いた。


ずっとここにいたの❓


私に話し掛けるお姉さんはいつもの優しいお姉さんに戻っていた。


私はお姉さんの顔を見ながら頷いた。

お姉さんは私の手を引いてエレベーターに乗った。

いつもは楽しくお喋りするのに、この時のお姉さんは無言だった。

No.32

ある日、お姉さんの家に行くと、中から凄まじい怒鳴り声が聞こえた。


なんだっ⁉コノヤロー⁉テメーラぶっ殺すぞ…💢etc…


私は…ベルを押せず、お姉さんの家の玄関の横で小さく体育座りをしながら待った。

怒鳴り声の他に、玄関に物が当たる大きな音や、女の人の泣き声、男の人の怒鳴り声…様々な音が交錯して聞こえた。

次第に不安になり、『お姉さん大丈夫かな😢』と手に汗を握りながら必死に不安な気持ちと戦っていた。

約1時間くらいだろうか…

『ガチャ』

お姉さんの家の玄関が開いた‼

出てきたのはお姉さんだった…が…いつものお姉さんではなく、凄まじく恐ろしい顔をしていた。

No.31

次の日、学校が終わって急いでお姉さんの家に行く。

早くお姉さんに会いたい☺

お姉さん達の不思議な空間にはまっている自分がいた。

マンションに付き、ベルを鳴らす…

暫くしてお姉さんがタバコを吸いながら出てきた。

私は、満面の笑みで


来たよ☺


と言った。

お姉さんは


お~😃いらっしゃーい😃どうぞ😃


と部屋に上げてくれた。

ほぼ毎日、お姉さんに会いに行った。

お姉さんは私に色々な友達やお姉さんの彼氏も紹介してくれて毎日楽しく過ごした。

No.30

お姉さんの部屋に上がるとフワッとタバコの匂いがした。

父もタバコは吸っていたし、タバコ自体には何も違和感はなかった。

お姉さんやお兄さん達が吸っていても特に何とも思わなかった。

お姉さんがコーラの缶を持ってきて私にくれた。

私はお礼を言い、受け取り、コーラをのみながら学校の友達とは違う不思議な空間の中、何故か安心していた。

子供ながらにお姉さん達なら信用出来るかもしれない、馬鹿な大人とは違うかもしれないと思った。

その日は、夕方5時に帰った。

門限が夕方5時だったからだ。

5時になると音楽を流したトラックがマンション周辺から学校辺りまで回るからすぐ分かる。

『…お手で繋いで皆帰ろう~カラスと一緒に帰りましょう~』

お決まりの音楽。

お姉さんとは明日また遊ぶ約束をした。

新しい友達が出来たと単純に喜んでいた。

No.29

金髪のお姉さんとまた再開したのは、マンションの下。

学校帰りにエレベーターに乗り込むと、お姉さんと数人の金髪や茶髪のお兄さん達が乗り込んできた。

お姉さんが私に気づき、


あれ😃この前の子じゃん😃ここ住んでるの😃❓


うん☺あの、この前は、給食袋拾ってくれて有難うございました☺

と言いぺこりとお辞儀をした。

お姉さんは


な⁉可愛いっつったべ⁉


等と周りのお兄さん達に話しをしている。

そんな話しをしてるうちにマンションの5階へついた。


ここ😃うちの階。あんたもちょっと来る❓ジュースくらいならあるから😃


と私に話し掛ける。

私は不良と呼ばれる人自体よく知らず、髪の色に関してもテレビに出ている芸能人やアニメマンガでも同じような色の人がいた為、生まれつきなのだと思っていたから、即答で


うん☺行く☺


と言い、お姉さんの後へついて行った。

No.28

カズマ君に囁くと必ずまたプレゼントを持ってきた。

大人も同じ。

ニコニコ笑い、家事を手伝うだけでお小遣いをくれる。

ニコニコ笑い肩を揉んであげるだけでいい子だと言われる。

それ『だけ』

男も大人も単純。
馬鹿みたい。

小学1年生でこんなことを思っていた。

No.27

大人は単純。
ニコニコ笑い、大人の言うことさえ聞き、勝手なことをしなければご機嫌。
陰で何をしても何を思っても表向きさえ繕ってれば簡単に騙せる。
男も同じ…。

男も同じだと気づかせてくれたのは幼稚園時代に私に貢ぎ続けた“カズマ君”の影響だった。

ニコニコ笑い、たまにカズマ君の横に座り、みんなに聞こえないようにカズマ君の耳元で『可愛いいプレゼントありがとう☺カズマ君って私の好きな物なんでも知ってるんだね☺』…『カズマ君が一番カズハのこと分かってるんだね☺他の男の子なんてどうでもいい。カズハはカズマ君とだけ話しするね☺』等…毎日言葉を変え囁いていた。

ただ、『好き』だとかそういう類の言葉は消して言わなかった。

カズマ君に『僕、カズハちゃんが大好き。カズハちゃんは❓』と聞かれても満面の笑みで『後でね☺』と言い、カズマ君の手を握りはぐらかす。

ただ、カズマ君を見る限り、好きだと言わなくてもそれだけで満足しているようだった。

No.26

小学生になり、幼稚園とは違う新しい友達が多くなったが、不思議と話しが合わなくて、学校がつまらなくなっていた。

そんな時、私の人生に大きく影響を与える人との出会いがある。

小学校1年生の私は帰宅途中、大きなバイクで2人乗りをしている金髪にパーマをかけたお姉さんに声をかけられた。

不思議と怖くはなかった。


お~い💡落としたよ💡


お姉さんが持っていたのは私の給食袋。

ランドセルの横のフックにしっかりはまっていなかったのかいつの間にか落ちていたようだ。

私は満面の笑みで


ありがとうございます☺


とお礼を言った。

この頃の私は色々な心境の変化からか人見知りさえしない大人受けの良い子供に変身していた。

No.25

幼少期、家庭ではこんな感じだった。

自分のすることが裏目に出る度に私は塞ぎ込んで行き、子供らしくない行動をするようになっていった。

幼稚園では相変わらず男の子にいじられていたが、その子達に対し何も感じなくなっていた。

女の子数人からもいじめを受けていた。

その理由は、自分も理解していた。

幼稚園で一番人気のある男の子“カズマ君”が原因。

カズマ君は誰にでも優しい訳ではなく、私にだけ優しかった。

他の女の子には冷たくあしらう反面、私には折り紙で作った花や、ビーズの腕輪、可愛いピンクのリボンの髪飾り、誕生日には大きなテディベア…幼稚園卒園までありとあらゆるプレゼントを毎日のようにくれた。

この頃にはもう普通の幼稚園児とは違う子供らしくない子供が出来上がっていた。

No.24

母は怒り、また頬を何度も叩きつけ玄関の外へ私を投げ出す。

その日、母は父に


『カズハがおかしくなった。今日は寝室で火遊びした。もうカズハは手に負えない』

と話していた。

とても大きな声だったから、子供部屋にいる私にも聞こえてきた。

一緒の部屋にいる姉はそれを聞きながらも私には何も言わず寝てしまった。

No.23

ただ…自分が考えすることは全て裏目に出た。

母がお香が好きだった為、母が寝る頃に部屋をいい香りにしようと思い、慣れない手つきでライターを必死につける。

ライターは石が着いている親指で擦るタイプのライター。

小さい手では力が足りなくて、しかも親指が痛い。

小さい両手で必死に何度も何度も擦りやっと火がつく。

お香に火をつけ、暫くすると煙が出る。

『成功だ😃』

母が来るのを寝室で待った。

母が来た。


見て😃いい香りでしょ😃


と母を見る。

No.22

暫く母とは会話は無かったが、父とは話した。

なんであんなことをしたのかと。

私は素直に答えることが出来ず、俯く。

その後、父も母もこの話題は出さなくなった。

でも、私の中ではこの出来事が大きく大きくなり毎日親の顔色を伺う子になっていった。

母はまだ許してくれていないような気がして、なんとか仲直りしたいと色々考えた。

No.21

また、螺旋階段を10階まで登り、夜景を眺める。

どのくらいの時間が立ったか…

ウトウトと眠たくなってきた頃、エレベーターで誰かが上がってきた。

誰か人が降りて来る。

また話し掛けられないかビクビクしながら螺旋階段で身を小さくしていた。


カズハ⁉こんな所で何してる⁉


父だった…。

父は私を見て何かを察したようで、


カズハ😃パパと帰ろう。


と私に話し掛ける。

私は1人ぼっちの寂しさ、知らない人ばかり通る長い時間と痛みで我慢していた色々な気持ちが一気に溢れだし、父にしがみつきながら泣いた。

父は私を抱っこしてくれ、そのまま父と家に帰った。

その日、母は私には一言も話さず私は父に促され着替えもせず布団へ入った。

泣き疲れていたのか私はそのまま眠ってしまった。

No.20

怪我してる…

私は、螺旋階段を下へ降り始めた。

幼い私は、1人ではエレベーターのボタンが押せない。

だから螺旋階段で痛みを我慢し、一番下の階まで降り、マンションを出た。

暫く裸足で歩き、ある場所へついた。

それは、いつも遊んでいる公園。

スカートのポケットからピンクのウサギ🐰のお気に入りのハンカチを出し、公園の水飲み場へ…。

怪我をしている部分を洗い、綺麗にする。

ハンカチで綺麗に拭き、またマンションへと歩いて帰る。

幼稚園で怪我をすると先生がいつもしてくれる手順だった。

怪我をしたら、傷を洗い消毒をし、絆創膏を貼る。

消毒する物と絆創膏はないのでせめて今出来ることをしようと思った。

No.19

いつも歩いてる道、キラキラ光る街灯を見て小さいながらに『綺麗だな』とホッと気が休まる感覚を覚えた。

夜景を見ながら、手の甲を見る。

赤く腫れ上がり、腕には掴まれた痕がくっきり残っている。

足が寒いことに気づき足を見る。

勿論、靴等履いてない。

裸足だ。

手で足を包み込み温めながら膝に手を当てた。

母に玄関から投げ出された時に擦りむき両膝からは血が流れていた。

No.18

私の中では

『わぁ😃凄い😃✨』と喜び、私と母で仲良く泡風呂で遊ぶ。

そんな感じだった。

現実は…


カズハ😣‼ちょっと来なさい‼


お風呂場へ連れて行かれ、


何これ‼なんでこんなことするの‼また入れ直さなきゃいけないじゃない‼


怒られ、思いっきり頬を叩かれた…。

頬を数発と、手の甲を思いっきり叩かれ、片腕を力一杯引っ張られ、玄関のドアを開け母は私を外に投げ出した。

投げ出された瞬間

『バーン‼』

と玄関を閉められ

『カチャカチャ』

と鍵を閉められた。

私は混乱と痛みの中、何が悪かったのかさえも分からず泣きじゃくり


開けて😭


とドアを拳で叩き続ける。

暫くそうしていたが、エレベーターで同じ階のおばさんが上がってきて『大丈夫❓どうしたの❓』と声をかけられ騒ぐのを止めた。

おばさんには何も答えず、おばさんから逃れる為だけに非常階段へ移動した。

私は人見知りが激しく、人前では感情表現が出来なかった。

非常階段は螺旋になっていて外の景色を見ることが出来る。

当時マンションの10階に住んでいた為、夜景は綺麗だった。

No.17

洗濯洗剤は思った以上に高い場所にあり、足をぶつけたり、落ちそうになり腕を洗濯機に打ったりしたがらやっとのことで取れた。

そのまま、お風呂場へ…。

お湯がドドドドドと音を立てながら流れ、お湯が約半分くらい溜まっている。

私は躊躇することなくスプーンで洗剤を入れた。

泡は立ったがテレビで見たのとは泡の量が違う。

沢山いれなきゃダメなんだ💡

そう思い、追加で山盛り3杯…

思い通りに泡立ち、満足げに見つめる。

後は急いで洗剤を戻し、母が気づくのを待った。

が…母の反応は思っていた反応とはかけ離れていた。

No.16

思いついたらすぐに実行してしまう私。口下手だけど行動力だけは人一倍ある。それは大人になった今も優位変わらない所だ。

母を驚かせ喜ばせたい為、母が食器洗いをしながらお風呂にお湯を張っている間に行動した。

いつもは、洗濯機に水が溜まり、その中にスプーンで洗剤を入れて蓋を占めると泡立つ。服も綺麗になるしいい香りがするし…等と考え、洗面所にある手を洗う時にいつも使っている小さな台に登り一生懸命洗剤へ手を伸ばす。

No.15

いつも母に金魚の糞のようについて周り、家事をするのを事細かに見ていた私。

お風呂場にあるシャンプーやボディソープは役割が違うことは分かっていたし湯船には入れてはいけないのを理解していた。

また必死に考える…

…あっ😃あれなら…✨

私が母の家事を見ていて思いついた物…

それは…

洗濯用洗剤だった(笑)

No.14

この時くらいから、私と父、母、姉との擦れ違いが生じ始める…。

ある夜、夕食を食べながら見ていたテレビ番組。

新製品の入浴剤の宣伝。

それは家庭で満喫できる泡風呂の宣伝だった。

母はその宣伝を見て


へぇ~😃凄いねぇ😃気持ち良さそうだねぇ😃✨


と言った。

母は映画が好きな人で、なんの映画か忘れたけど洋画等で泡風呂の存在は幼いながらに知っていた。

”泡風呂“

幼いながらに母にサプライズすれば絶対喜ぶ☺

と思い、必死に考えた。

No.13

たまに、部屋を出ると父が夜、窓から注がれる月明かりの中、真っ暗な部屋で妹を抱きながらトントンと背中を叩き、足をそのリズムに合わせ妹をあやしている姿があった。

父は決まって、


トイレか❓早く寝ろよ…


と言い眠たそうにしていたのを覚えている。

この記憶から一気にまた飛び、次にある記憶は妹が掴まり立ちが出来る頃の記憶になる。

No.12

悪気があった訳でもなく、妹可愛さに眠い目を擦りながら妹と離れたくなくて、妹が寝ているか心配で夜な夜な様子を見に行っていたこともあり、悪いことをしていないのに怒られたことに対する納得のいかない複雑な気持ちにかられた。

でも…当時の自分は泣くことしか出来ず、自分の気持ちは言えない口下手。涙を流すだけ。何を言われてもそうするしか出来なかった。

この日を境に、夜目が覚めても妹を見に行くことをしなくなった。

寝室に行く途中で足を止め、トイレに行く不利をして静かに寝室のドアを見つめ、気が済むと自分の布団へ戻る日々。

No.11

そんなことを必死に考えていると母が私に話し掛けてきた。


カズハ。昨日また夜中にパパとママの部屋に来たでしょ。


その言い方が怒っていると感じ、咄嗟に嘘をついていた。


行ってないよ。カズハじゃないもん。


母は一瞬顔を強ばらせて


ナルミ(姉)は夜更かしなんかしないし、ナルミじゃないならカズハしかいないでしょ。ミク(妹)が起きて夜泣き止まなくてママもパパも大変なのよ。今度来たら怒るからね。


と言った。

私はポロポロ涙を流しながら俯く。

心の中で何かが芽生えた瞬間だった。

『ママは姉は信じても私のことは信じてはいない。』

私の中で母に“姉はそんなこと絶対しない”と面と向かって言われたことがショックで悲しくてたまらなかった。

No.10

ある日の朝。

メニューはしっかり覚えている。

レーズンが入ったパン、イチゴジャム、牛乳、野菜スープ…。

いつも父が飲むコーヒーメーカーがコポコポ音を立てる。その度に砂時計⏳のようにコーヒーがチョロチョロ落ちコーヒーの香りが部屋に漂っている。

私は幼少期は酷く小食で、小さなレーズンパン1つ食べられなくて朝から苦戦していた。

苦戦の理由は、『母が食べないと怒るから』残すと怒るので苦戦してもどうしても食べられない時は幼稚園の制服にパンを隠しトイレへ行き、トイレへ流す。

今思えば母は気づいていたと思う。

この日も食べられない、うまく捨てなきゃ、とそれだけを考えながら食べる不利をしていた。

No.9

幼少期の記憶を辿ると、いつの間にか妹がいる生活に変わる。

妹が家に来てから…父と母は私とは一緒に寝てくれなくなった。

いつもの私の場所には妹が寝ている。

私は、姉と2人「子供部屋」で寝ることになった。

幼いながらに妹は可愛いいと思っていた為、寂しいながらにも妹の為だと我慢した。

妹が可愛くてみんなが寝た後にこっそり妹を触りに何度も父と母の寝室に行った。

No.8

この記憶以外の幼少時代の記憶は、所々途切れ途切れで正直部分的にしか覚えていない。

『部分的』と言うのは、子供ながらに感じた感情面が主な記憶。

例えば、祖父のお土産…姉はピンクの可愛いウサギ🐰、私は水色の可愛いゾウ🐘。
『ピンクのウサギ🐰可愛いい。私はウサギ🐰が好きなのに…なんでゾウ🐘なんだろう…』

姉と手を繋いで出掛ける祖父

『なんでいつも私はお留守番なんだろう…』

とこんな感じ。

祖父と祖母のことは大好きだったし、祖父と祖母の家に遊びに行くのは凄く楽しみだったが、その分寂しい思いもしていた。

大好きだし、楽しみだからこそ寂しさも倍感じていた。

No.7

あの夕日に照らされながら、1人寂しく砂場にいた日…祖父と姉が帰宅し暫くたってから、お腹の大きな母が迎えにきてくれた。


カズハ😃何してるの❓

策の外から母が私に話し掛ける。

お砂…お砂で穴掘って…アリさんのお家作ってたの

今にも泣き出しそうなのを我慢し、震える声で答えた。


そう😃けどもうご飯の時間だよ。アリさんは明日にしてママと帰るよ。ほら。


私は、小さく頷き幼稚園の策の外へ。

母は幼稚園の先生に『すみません。遅くなりまして。また宜しくお願いします😃』といつものように挨拶をする。

私は、母に手を引かれ帰る。

これが幼少時代の中で一番強く残っている記憶。

No.6

理由は簡単。

幼稚園で、話したこともない男の子数人から『肉まん』と毎日のようにからかわれていた。

何もしていなくともスカートをめくられたり、意地悪をされたり…

私とは違い姉はイジメも意地悪もされず…。

時には、砂をかけられたり、水をかけられたりした。

小さいながらに『なんで私だけ。どうして。私、何もしてないのに。ママ、パパ助けて』と嫌がらせを受ける度に心の中で叫び、泣きたいのを我慢し唇を噛み締めながら過ごした。

No.5

だが、第一印象は私の方が良かった。

姉はまん丸に太りプクプクで目も一重であまり可愛くはない。

私は真っ白で小さく目は二重で華奢な体でよくお人形さんみたいに目がクリクリしてて可愛いいね、と褒められた。

姉は髪の毛も癖毛で真っ黒で真っ黒な瞳、私は髪の毛は細くストレートで栗色で栗色の瞳だった。

肌の色素が薄いのか、今現在も白人並みに色は白い。

でも、幼少時代はこの肌の白さも嫌いだった。

No.4

元々、姉は初孫で特に可愛がられていたし、小さいながら、祖父は私と姉では扱いが違うように感じていた。

小さいながらに『姉は特別。』と思っていた。

分け隔て無く、可愛がってくれるのは父と母しかいなかった。

姉は世渡りが上手く、大人の機嫌の取り方を良く知っている。

それに比べて私は、自分を曲げず頑固で人の好き嫌いが激しく感受性の強い扱い難い子だった。

考えることも子供らしくなく、大人から見ると『あまり可愛くない、子供らしくない子供』。

No.3

お祖父ちゃんも姉も私を説得する。


ママは今大変なんだから我が儘言わないで帰らなきゃダメだよぉ。


カズハ、お祖父ちゃんと一緒に帰るよ。帰りにお菓子買ってお散歩して帰ろうか。


…けど、私は何を言われても首を横に降り、砂場で一生懸命穴を掘り涙をポロポロ流しながら口を力一杯噛み締め今にも声を上げて泣き出したいのを必死に我慢していた。


お祖父ちゃんと姉は連れて帰るのは無理だと悟ったのだろう…

気がつくといなくなっていた。

でも、それに対しては悲しくも寂しくもなかった。

No.2

この時の家庭の事情は、小さな私にはまだまだ理解出来なかったんだと思う。

母のお腹には妹がいて、私は母の実家近くの幼稚園に通っていた。

里帰りの出産の為、私は母と姉と母の実家へ帰ってきていた。

私は丁度、3歳になったばかりで幼稚園も初めて。

砂場の記憶の日…姉も同じ幼稚園に通っていたが数時間前にお祖父ちゃんが迎えに来た時にご機嫌でお祖父ちゃんに連れられて帰っていった。


私は…父がいきなり居なくなり、自分の家に帰れず、いきなり母や父と離れ幼稚園に行かされ、全てが変わりすぎてその環境の変化について行けなくなっていた。

No.1

過去を思い出すと、必ず一番初めに出てくる景色…物心ついた時の記憶…。


幼稚園の砂場で夕日が照らす赤茶色の光の中、1人で小さな赤いプラスチックのスコップで一生懸命穴を掘っている私。

時たま手を止め、幼稚園の策の外を見つめる。


車が行き交う道路を暫く眺め、少し先の橋を見つめ、川沿いを目で追う。


暫くボーっと眺め、またスコップを動かす。

この時の気持ちは『不安』それだけはしっかり覚えている。

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