🍀自閉っ子の僕～青年期編🍀

🍀自閉っ子の僕の【プロローグ】より…

ありがとう、お母さん。
僕、お母さんのところに来て良かったと思うよ。

みんなとちょっと違う、自閉っ子の僕だけど…
苦労も迷惑もいっぱいかけたけど…
大好きだよ。

今はまだ、良くわからないけど、きっと大丈夫。
僕は僕で頑張るよ。
だから、安心していいからね。


本当に…
本当に、お母さんの子で良かったと思ってる。

ありがとう…。

そして、さようなら。

………。


【僕の家族】
お父さん
お母さん
僕…ツカサ
妹…ミサキ

• 共感0

🍀
僕の名前はツカサ。
重度知的障害を伴う自閉症だ。

この世界に生まれて来て、３回目の年男を迎えた今年は、特にいろんなことがあった、僕にとっての大きな節目になるだろう。
だから今、生まれてから今までのことを振り返ってみたくなった。

自閉っ子の僕の世界…
それは他の人達からみたら不思議な世界なのかもしれない。
そんな世界のことを少しでも判ってほしくて、僕の独り言に付き合ってもらって来た。

その話は『自閉っ子の僕』で…生まれた頃から思春期までを記録してあるから、今回は、成人式を迎えたところから…


これから話すのは、僕が生きてきた軌跡だ。
そして、その話が終わったところから、また新たな僕の物語が始まる。
　　　・
　　　・
　　　・

• 共感0

🍀
僕は生まれた時から…いや、お腹にいる時からお母さんをつわりや切迫流産や、他にも何回か入院させたりして、ちょっと苦しめたかもしれない。

そして僕が生まれて、始めは運動面に関しては、誰にも負けないくらい…標準より早かったから、遅れているなんて思いもしなかっただろう。

それに僕は、両親にとって初めての子で親元はなれて暮らしていたから、僕の成長に疑問を感じながらも障害なんて思わないまま三歳児検診を受けた。

そこでは「問題ないと思うけど、気なるなら病院に行って下さい」と言われた。
今から何十年も前の乳幼児健診なんて、いかに当てにならなかったか判る。

病院に行って、僕は障害があることが判った。
　　・
　　・
　　・
家族は、本当に僕のために沢山の苦労したと思うけど…今まで、いっぱいいっぱい愛してくれた。

• 共感0

🌱
僕は成人式を迎えた。
とは言っても、僕にとっては名ばかりのものだ。

一般成人と違って自立できる訳もなく、一生常に支援とサポートがあって暮らして行くのだろう。
だから、親にとっては「成人おめでとう」と言われても、素直に喜べない複雑なものがあったみたいだ。

でも、成人式は人生の一区切り…節目として考えれば意味のあることなのかもしれない。

残念なことに、僕にはその自覚はないけれど…。

• 共感0

🍀
僕は地域の成人式の式典に出なかった。
いや…出られなかった。

本来ならば友達と祝ったり、成人を実感する一生に一度のこの機会。
でも、僕は４年生まで地域の学校に行っていたとはいえ、特殊学級だったから特別仲の良い友達がいた訳ではない。
その後は何の交流もなく、近所にも知っている同級の友達は居ない。
誰も僕の知っている人はいないから、行っても誰とも喜びを分かち合えない。

しかも、知らない場所に知らない人が何百人も集まるから、僕の参加は検討された。

始めは「せめて会場に行って【成人式】の看板の前で写真ぐらいは…」と悩んだものの、式典の一週間前は不安定で、久々の大ヒット…写真だけだったとしても、人混みに連れて行くのはキツイと判断され、結局、市で行っている成人式には行かれなかった。


友達の中には両親と共に行ったり、支援の人に連れて行ってもらったり、軽度の友達なんかは単独で行って地域の友達と二次会まで行って来た…なんて聞くと、一生に一度の成人式にいい想い出ができて、羨ましいと思った。

• 共感0

🍀
そんな地域の式典に行かれない人がいるからなのかな？
僕の通っていた支援学校では、毎年『成人を祝う会』を行っている。

今年は僕達の学年の番だ。

学校で『成人を祝う会』があったから、僕にも仲間と触れ合い、喜びを分かち合うことが出来た。
立派な式典を行ってもらい、成人としての新たなスタートを迎えることが出来た。


市の成人式には不参加だったけど、学校で行った式典では、背広を着て花束や記念品をもらっい、その後は先生方や保護者と共に食事会があり、僕なりの成人式をした。

『成人を祝う会』で、先生方から「おめでとう」と言われて僕はピンと来なかったけど「何か今までと違うんだ」と、うっすらと感じた。


その後、家では両親と一緒にビールで乾杯して【成人おめでとう】の文字の入ったデコレーションケーキのデザート付きで祝ってもらった。

隣でミサキが一人「ビールが飲めない」とイジレてたけど、ケーキにご機嫌だった。ゲンキンな奴。

• 共感0

🐥始まったばかりで申し訳ありませんが…

明日からの三連休は、娘と二人で東京見物を兼ねて、単身赴任の父の元に行って来ますので、しばらくお休みします。

予定では来週中頃には…と思っています。

ちなみに、息子は夕飯後、短期入所として二泊三日で施設に預けて来ました。
これに関しても「連れて行かない事がかわいそう」と取るか「連れ回してストレスを溜める事がかわいそう」と取るか…それぞれだと思います。

我が家の場合は後者で、それプラス「これからの自立の為に、親元離れて一人で泊まる訓練」を兼ねています。

それでは、行って来ます💦

• 共感0

🍀
僕は20歳になってから、時々両親と晩酌をした…
と言っても、ビールか酎ハイをコップに１～２杯飲む程度だけど。

成人式が終わったある日の出来事。
　　　・
　　　・
僕は皆より早く起き、のどが乾いてたから冷蔵庫を開けた。
そこにはカルピスの缶があったから「グイッ」と一気に飲んだ。

(*_*)何か違う…
のどが熱いしクラクラする
　＼(◎o◎)／！

そう…カルピスウォーターでも、ソーダでもなく、アルコールの入っている【サワー】だったんだ！

あははは…なんか気分良いよ～
フワフワする～～～

＼(゜ロ＼)ココハドコ?
(／ロ゜)／アタシハダアレ?


僕はこの日、酔っ払ったまま、通所施設に作業をしに出掛けた…

ちょっといつもより陽気だったけど、ちゃんと仕事したよ…
たぶん…

• 共感0

🍀
20歳→成人→お酒が飲める…と言うことで、まずはお酒の失敗エピソードから入ったけど、いつもそうだという訳じゃない。

卒業してから二十歳頃の僕の生活をちょっと紹介した方がいいよね。
まずは卒業して社会人になったと言うことで、仕事の話から…

僕は支援学校の高等部を卒業してから、昔は授産施設と言われていた通所施設に通っている。

ここでの僕の主な仕事は、お菓子の業者に依頼されている箱折り…僕にとっては仕事だが、実際は与えられた作業にすぎない。
僕はここでの日中活動の場があること、感謝している。

でも、きっと、誰もが自分の就労の場を満足しているとは言えないだろう。


今ここで働いている経過を話すには、高等部の頃に少しさかのぼって話をした方がいいかな。

• 共感0

🍀
学校卒業後の就労については、僕達親子は意外に早くから準備をしていた。

中学部から支援学校に通っている僕達生徒は、中学部の時から能力などのグループ分けの集団で、施設や一般企業(スーパー)などに職場実習に行っていた。

また保護者は小学部の時から、ＰＴＡや学年別の行事で施設見学などに行って情報を収集していたから、親子共に高等部卒業後の就労についてはしっかり考え準備してきた。

でも、地域の中学校から来た親子にとっては「入学したばかりなのに、卒業後について？」と戸惑うようだ。

高等部になると入学式の時から保護者に「どこに就労したいですか？」のアンケートや卒業生の就職先の資料や案内が配られる。
高等部になってから支援学校に入学して来た保護者はビックリするようだ。

• 共感0

>> 10 🍀
高等部では、年２～３回の職場実習がある。
そして３年生の二期(２学期)の実習は、決まった場合は卒業後に行く所に実習にいく場合が多い。つまり、その前の実習までにどこに就労するか決められると良いようだ。

たいていは２学期中に決まる場合が多いが、３学期になってから、卒業寸前になってようやく…という友達もいた。


僕の学年は30名近くいたから、先生方も全員を就労させるのは大変だったようだ。
その内、90％が通所施設。
一般就労できる友達もいたけど、就職するのも、してからも大変みたい。

でも、みんな頑張ってるよ。

• 共感0

🍀
僕だって、ここは高等部の時に何度か実習に来ていた場所で、僕のコダワリが仕事になりそうな所で、しかもノルマは無く、利用者の状態で出来なくても臨機応変に対応してくれる。
調子が良くない時なんかでも、自分なりに活動できれば大丈夫そうだった。

それも一日中作業をするのではなく、午後は散歩・クラブ活動・余暇活動や地域の活動への参加などあって、適度に変化がある。

「一日中作業をしろ」と言われれば、僕の場合コダワリの中に入り込みすぎて、出て来られなくなるから丁度良かったみたい。

心配していた親に対して、施設長が「施設に利用者が合わせるのではなく、施設が利用者に合わせるものだ」と言ってくれたことが、ここに決めた理由だったみたい。


僕は幸せにも、自分に合った日中活動の場を見付けられた。

• 共感0

🐥すみませんが…
実は、私はこれから週末まで、実家巡りで帰省しますので、また更新遅くなります。
来週中には一度したいと思っています💦

それでは、行って来ます✋

• 共感0

🍀
本当に僕は幸せだったと思う。
卒業後すぐに、自分に合った施設に巡り合いここに来て、今もここに通っている。

でも、自分に合わずストレスを抱えたり、精神的に参ってしまって、やっと流れ着いた場所がここだったりする仲間が、何人もいる。

同じ学校の明るかった先輩から笑顔が無くなって、雰囲気が全然違っちゃって…卒業後通所していた施設を辞めて、いくつか見学しながら、ここにたどり着いた人。

支援学校で生徒会長をやっていて、卒業後は一般就労して頑張っていたのに、人間関係で精神的におかしくなっちゃって…折角の企業を辞めて、この福祉施設に通っている人。

みんな誰もがすぐに自分に合った場所を見つけられる訳じゃないから、僕は恵まれていたと思う。

• 共感0

🍀
僕のコダワリとぴったりマッチした作業…箱折り。
この作業に関してはこの施設の中では僕の右に出る人はいない。
たぶん…だけど。

始めは自分のコダワリと求められている作業内容にズレがあって、それを合わせるのにはかなり時間が掛かったけど、職員は根気良く付き合ってくれた。

この『コダワリ』を軌道修正することって、すごく大変だけど、僕達『自閉っ子』にとってはとても大切な事なんだと思う。

正しい軌道に乗せてさえもらえれば、それを正しくきちんと作業することができる。『正しくきちんと作業しないと気がすまなくなる』が正しいかな？
そうなると鬼に金棒(？)、誰にだって負けないその道のホープになれる。

自分で言うのも変だけど、今の僕はそうかな。

以前、一週間インフルエンザで休んだことがあって、その時「ツカサが居なかったから久し振りにこの作業をしたよ。ツカサの凄さを再確認したよ」って職員さんに言われたんだ。

「この仕事に僕が必要だ」って思われているって嬉しいことだよね。

• 共感0

🍀
だから、社会保険事務局から施設に僕の勤務状況を聞かれた時、施設側は『自発的に出来る』と評価をした。
これが『障害者基礎年金の判定』に大きく左右することになった。

確かに施設で、この作業に限り自発的にできるが、それは限られた箱折作業のみで、その作業状況を把握して発注することも、不良品を外し納品をすることも出来ない。

『自発的に出来る』というのは、全ての仕事を把握した上で、自分の判断・責任のもと出来るということであり、『限られた状況の中・限られた作業のみ・職員の補助があって始めて出来る』ことではない。

この違いを把握していなかった為、医師からの診断書の結果が「身の回りのことはほとんどできず常時支援必要」とあるのに、誰が見ても『一級判定』だと思われていた僕が『二級判定』になってしまった。

社会保険事務局から来る書類の基準は『同年齢の人と比べた場合』であり、成人の場合は『一人で生活していることを仮定して』のもの。


僕はいつも通りに作業しに出掛けていたけど、お母さんは『判定に対する不服申し立て』をすべく、戦っていた。

• 共感0

🍀
ちょっと、20歳の誕生日の頃に話を戻すね。

20歳になると、それまで親の扶養として受けていた手当て…『特別扶養手当』などがそれに当たるけど…受ける資格をなくす。

その代わり、年金の続きをするようにと『国民年金保険料納付書』が送られて来たが、それはそのままにし、母は市役所の年金課に行き『国民年金保険料免除』なる書類を記入した。

その後『国民年金保険料免除理由該当通知』が来るわけだが、それと同時進行で『障害者年金』の申し込みをする。

この時に必要なのが『医師の診断書』
（ちなみに、この診断書は他のものと比べ高く、１万円した）

僕の場合、かかりつけの心療内科で書いてもらったけど、この時の判定は全て『身の回りのことは出来ず、常時の介護が必要』というＤ判定で最重度だった。

• 共感0

🍀
今までは、最初の障害者年金の認定時はここまでで、ほとんどの場合が医師の診断書のみで社会保険事務局が判定していたから、当然『障害者基礎年金』は１級の判定のはずだった。

しかし、僕が20歳になる頃は国の財政赤字の為、財源を削る為なのか、審査も厳しくなり、今までは不服申し立てをした場合に初めて依頼が来る『授産施設からの意見報告書』の提出を求められていた。

…とは言っても、当事者は知らない所で社会保険事務局が僕の通っている施設に依頼していた。

そういう訳で、不服申し立ての申請を受けたことの無かった、設立４年目の施設側は、社会保険事務局から送られて来た書類を見たことも無く、年金手続きの判定時にどのように影響があるかも知らず、僕の日々の作業状況を『自発的に出来る』とＡ判定で記入したわけだ。

• 共感0

🍀
それで来た通知が『障害者基礎年金２級』判定。
当然１級判定だと思っていた母は最初？？？何が起こったか判らなく、頭の中が真っ白で、その後は異様なほど興奮していた…。

正直に言うと、本当は施設側も、こういう時の判断基準は『同年齢の者と比較した場合』であり、成人の場合は『一人で生計を立て、一人暮らしをしているものとしていることを仮定して』と言う基で回答しなければならないことを、知っていて欲しかった。

だって、親は今まで僕の判定時や定期的にある再判定の時の聞き取り調査時には『同年齢の者と比べた場合』を前提にするのは当たり前のことで、ずっとして来たこと。
それを施設側が把握していなかったと言うのは…ちょっとね。

でも何を言っても、手続きをしてから３ヶ月程して、我が家に『障害者２級』の判定で通知が来ている訳だから、何とかするしかなかった。

もちろん、そのままの判定を受け入れることも出来ただろうけど、母は「絶対に納得行かない!!」と、僕のために頑張ってくれた。

• 共感0

🍀
僕の友達にも、今までの先輩達の状況から見ると、完全に１級判定圏内だったのに、２級判定になってしまった人が何人かいた。しかし、手続きが面倒で大変だから…と不服申し立てをせずにそのままの人もいた。

後で知ったけど、この障害者基礎年金の判定は確認の意味で、５年毎の診断書提出はあっても（よっぽどの変化が無い限り）判定し直すというものではなく、一生続く判定であるらしい。

だから、ここは大変なのを承知で言うけど、将来のために不服があっ時には、申し立てをして欲しいと感じた。

僕たちが働いて、自分が生活できるだけ稼げるか…と考えた時、一般就労が出来れば別だが、福祉施設での就労となった場合、お給金は数千円で施設に払うお金は食費や雑費を含め数千円。
つまり差し引きするとほとんど収入が無いんだ。
しかも他に支援を受けた場合は別に利用料が掛かって来る。

どう考えても障害者年金が無ければ生活できない。
将来のことを考え、それに見合う保障を受けておかないと、親が生きているうちはなんとかなっても、居なくなった場合は…生きていけない。

• 共感0

>> 20 おはようございます☀

皆様、まだまだ気温の変化がありますが、体調崩していませんか？

実は、私は今週の始めにお腹の激痛と、食べていないのに数時間に十回以上の吐き気で胃液まで吐く始末😣

何とか午後病院で痛み止めの注射と、吐き気止めの点滴をしてもらって、胃腸炎といわれて帰って来ました。

あれから、少しずつ良くはなって来ましたが、今日一日寝て、明日は娘と東京の父の所に泊まり、日曜日には進学する学校の入試説明会に行ってきます🏫

息子は、連れて行くのは無理なので、一泊の短期入所です。
これも一つの、将来に向けての訓練だと思っています🌱


と言うことで、申し訳ありませんが、今週はお休みします。
来週の後半には何とか更新しますので待っていて下さい💦
m(__)m

• 共感0

🍀
ダウン症の友達は、僕と同じ時期に「障害者２級判定」の通知が来て、親は不服申し立てをした。つまり、我が家と同じ時期に不服申し立てをしていた。

しかし結果は…


誰もが１級だと思われていた僕には、十日以内に『障害者年金２級判定に対しての不服申し立て』をしたことに対する『審査請求取下書』が来て、すぐに『一級判定に変更』になった。

ところが、友人の所には一ヶ月以上経っても不服申し立てに関しての返答が無く、提出後約三ヶ月後になって、ようやく『国民年金障害基礎年金二級決定通知に関する審議事件について、審議を終結しましたので…』と書類が郵送されて来た。


【決定書謄本】
『主文…この審査請求を棄却する…』

• 共感0

🍀
数年前には、彼と同じ程度の人達が何の問題も無く、一級判定を受けていた。
しかし時代は変わり、政府の考えが変わったのか？、財政難になった為か？、基準が微妙に変化していたと思う。

それは支援者達も感じていて「最近、今までの基準では判定取れなくなっているんですよ」と言っていた。
実際に不服申し立てをする時などに支援者から助言を受けた人もいる。
彼の場合もそうだった…にもかかわらずである。


その『この審査請求を棄却する…』とされた理由内容によると…
日常生活は全般的に身辺の処理にも援助が必要とする程度と認められるが“常時介護を要するもの”に該当しているといえず、国年齢別表に掲げる一級の程度に該当すると認めることはできない…とされた。

この“常時介護を要するもの”と言うのが曲者だ！
何を基準にして、どこからどこまでの支援が必要な場合に言うものなのか？
「該当していない」の基準は何なんだろう？

そして、それは時代によって、政策によって、変わってしまうものなのだろうか？

• 共感0

🍀
彼の審査請求が棄却された主な理由の内容として『仕事や余暇を楽しんで有意義に過ごすことができるから…』などが書かれてあった。

それって、仕事や余暇を楽しめると、障害は軽いという判定になるということ？

楽しいと感じたら、重度の障害だと認めてもらえないの？

いろんなことが出来ず支援が必要であっても、物事を楽しむことが出来たら、国で支援してくれる保障が減ってしまうの？

重度障害者は、楽しいと感じちゃいけないの？


なんか友達の結果を聞いて、楽しむということを否定されたような、重度障害者に感情があったらいけないような…僕達を否定されたような嫌な気分になった。

こんな卑屈な考え、しちゃいけないのかな？
　・
　・
　・
ここでの結果に納得できない場合は再度『不服申し立て』が出来る。
最初の通知から３回は不服申し立てが出来るが、最終的に裁決までに２年も要する長期戦になる場合もあるらしい。

結局、その友達は、今後また同じかそれ以上の苦労をしてまで、一級を勝ち取ろうという気力が親になくなった為、二級判定をここで受け入れる結果になった。

• 共感0

🍀
学校に行って親の扶養になっていられる未成年と違って、成人するということは、たとえ障害者であっても年金を支払う義務が発生する。
しかし、重度障害者には働いて賃金を稼ぐことも、税金納めることも、年金を支払うことも、不可能になってくる。

だから成人後、生活していく為には、障害者年金の手続きして、最低限の生活基盤を得ないと生きて行かれない。
親が大変な思いをしてくれて、僕の権利として障害者基礎年金の正当の評価を求めて争ってくれたことを感謝している。

だって、今は良いけど親亡き後、僕一人残された時には、この年金だけで生きて行かなければならない訳だから…


障害者基礎年金から、不服申し立てについての話が長くなってしまったね。
次回からは、成年後、20代から30代前半の僕の生活について話して行きたいと思う。

• 共感0

🍀
僕は支援学校を卒業してから、毎日働きに行っている。
…とは言っても、障害者に『作業と日中活動をさせてくれる』施設だ。

僕は月曜日から金曜日まで同じ所に通っている。
友達の中には、月･水･金はＡ施設、火・金はＢ施設…と言うように、曜日によって違う施設に通う人もいる。
その変化が良いのかもしれないが、僕の場合はあまり多くの変化よりも、パターン化されていた方が落ち着けて生活しやすい。

その施設での内容にも一年を通して、さほど変化がある訳でもない。
人によっても違うけど、大体やる作業は決められていて、午後は配達と言う名のドライブだったり、音楽活動や芸術活動だったり、サークルや班活動や自治会の活動なんかも入っていて、見通しが出来る範囲で適度に変化もあったから、学生時代よりも落ち着いて生活できている。

• 共感0

🍀
卒業して１～２ヶ月経った頃から、会う人達に「卒業してから、落ち着いたね」と言われた。

学校が悪いわけでも、嫌いだった訳でも無いのだが、学校は校舎自体が広く、一週間の授業が決められていても、学期ごとに決められている行事もこなさなければならない。
その行事をする為に『事前学習』『本番』『事後学習』とやるし、高等部になると実習や体験作業なども入ってくる。

僕は一日の予定の把握は何とか判る時もあるけど、一週間・一ヶ月単位での予定の把握は出来ないから、予定で決められている活動でも、僕にとっては突発的行事になってしまう。


そんな訳で、思春期が落ち着きをみせた高校生活よりも、卒業して施設で働くようになった方が、もっと落ち着いて生活できたんだ。

• 共感0

🍀
しかも作業は、僕の得意とする箱折。

これはコダワリにも繋がるもので、不安定になったりストレスたまると、他の行動に移れなくなってしまう事もあったけど、それも年月が経つうちに、切り変えられる時間が短くなった。

箱折自体も『一つの工程』…例えば底の部分だけから、『いろんな部分』…仕切りや蓋の部分へと広がった。

また最初は一種類だけだったのが、いくつかのパターンの箱にも対応できるようになっている。

今ではこの作業のみだけど、誰よりも早くキレイに出来る自信がある。
ここでは波があるものの、比較的落ち着いて過ごすことができる。


日中活動の場として、昼間はここの施設で生活しているが、僕は一人で余暇が過ごせない為、他のサービスや習い事などを組み入れて、その後の時間も僕なりに生活している。

• 共感0

🍀
施設での日中活動以外の、支援などの利用状況を紹介します。

・週二回、施設が終わって帰宅せず、そのまま日中預かりの場に行って、施設とは違った場所や人と関わり、違う時間の過ごし方をする。

・時々、平日以外の土日や祭日なども日中一時を利用している。
（本当は移動支援でプールや散歩などを、中～高校生の時に利用していたから、継続して欲しかったんだけど、ヘルパーさんが辞めたり移動になったりして足りなくなって、成人してからは使えなくなっている）

・一ヶ月のうち何回か、短期入所で泊まりの経験をしている。
（ある時、父が単身赴任を始めてからは、その回数や宿泊日数が増えた）

・個人的にやっている療育教室に、週二回通っている。

・習い事として、障害児者の為の、水彩教室とドラム教室に、月一回ずつ通っている。

…こんな感じかな。

• 共感0

🍀
結構ハードでしょう？
でも、これが僕にとって必要なことだったと思う。

思えば、僕が小学校高学年の頃に、レスパイトや支援費制度が始まり、利用させられたことから僕の生活が変わり始めた。

それまでは、療育教室とスイミングには通ったことはあったけど、ほとんど家と学校の往復だけで、僕の世界はそれだけで終わっていた。


老人や重度心身障害に対してのヘルパーさんは居ても、障害者の…特に知的障害者の為の支援が無かったのが、政府の政策で利用可能になった。
とは言っても、最初は利用できる事業者が少なかったり、長期の休みなどは利用者が集中して利用できなかったり…問題はあったけど、それでも僕達の生活の場が広がった。

• 共感0

🍀
昔は今みたいに支援なんて無かったから…

・例えば平日、学校と家しか僕達の居場所は無かった。
・例えば夏休み、40日間という長い休みを親子だけで過ごさなければならなかった。
・決められた環境と見慣れた人達の中でしか生活して来なかった。

それが当たり前だった…

でもその結果、小さい頃から居場所が限られて育った人達の中には、自立する力がある人でも他の環境に対応しきれないでいる人が多かったりする。

もちろん、そんな先輩の中にも、成人後始まった支援をうまく取り入れて、世界を広げ、社会性を広げている人達もいるが、現在、年老いた親の元から離れられずにいる人も多く居る。

• 共感0

🍀
現在、国の財政が苦しくなり、多くの障害者に困らないだけの支援・援助ができない体制になっている。
その為、障害区分や年金の等級など前より厳しくなっている。


障害者であっても出来るだけ社会参加をして税金を払う側に移行できるように…と、何年か前に自立支援法が設立された。

施行当初は、今まで無償で受けられていたサービスや支援が一律一割負担となり、利用者負担が極端に増え問題になった。

また利用者負担に限らず、国から施設に入っている給付額も大きく減り、施設側が今まで行っていたサービスが充分に出来なくなり、それに携わる人達からも疑問を持たれた。

障害者や関係者を中心に問題提示し、国は年々見直し案を出しながら、少しずつ改正され緩和されつつある。


その悪法とされた自立支援法だが、考えや理念は立派だと思う。
「少しでも多くの障害者を自立させ社会参加をさる。入所施設などの固定の場に留めず、地域で生活させよう」というものだ。

• 共感0

🍀
『自立支援法』
障害者が自立し社会参加出来るように支援していこう…という法案
そう考えると素晴らしい法案だ。

自立支援法が施行された当初に問題になったのは資金面が主だが、それに隠れていたのは、地域で生活して行く為の基盤が出来ていなかったことだ。
障害者が自立していく上で、ここが一番大事なんだと思う。
いや、それがなければ障害者が自立していくのは無理だ。


一昔前までは、重度障害者を中心に入所施設に入れて、経費を全て国がみていた。また、自宅などから日中通う授産施設なども経費は全て国負担だった。
利用者は守られた環境で暮らし、それはそれで良かったのかもしれないが、国に養ってもらっていて、そこからステップアップして外の世界に出て行こうという意欲が無くなっていた。

その施設ではなく、もっと自分を活かせ自立して場があっても、出て行く勇気が無く、その中には社会で働き、貢献できるだけの力がある人も多くいた。

国はそういう人たちを育て、国が養う存在から、自立して国を支える側へ移行するようにと政策を考えたんだと思う。

• 共感0

🍀
つまり障害者を一所に集め国が養うのではなく、障害者一人一人が自立し、自宅やグループホームなどの宿泊の場を拠点とし昼間は働らき、自分なりの生活スタイルで地域で暮らして行こう…というものだ。
その考えは素晴らしいと思うが、問題はそれに伴う支援やサービスや、支援側の人員や体制が充実していなかったと言うことだ。


国は…
・入所施設では出来るだけ地域に出し自立させること

・通所施設では能力がある人には次のレベルの施設に移行できるように支援すること

・支援すれば社会参加ができる人には、就労支援としてジョブコーチなどをつけて、就労に移行する為の支援を行うこと

・入所施設ではなく、グループホームやケアホームなどを夜の生活の場とし、そこを拠点に日中活動しながら、地域参加をしていくこと

…などに力を入れている。
しかし、現状はままならないことが多く、制度としては不十分だ。

• 共感0

🍀
ここは国に少しでも早く基盤を作ってもらうことを望むとして、ここで僕が前に言った言葉に戻る。

「日中活動の場として昼間は施設で生活しているが、一人で余暇が過ごせない為、支援サービスや習い事などを組み入れて、その後の時間も僕なりに生活している」という言葉につながり「結構ハードでも、これが僕にとって必要なことだったと思う」ことになる。

これからの世の中、障害者はただ守られるだけの立場であってはならない…そんな世の中にして行こうとする国の考えからすると、僕達も自分なりに自立し社会参加できるように、日々の暮らしをする中で訓練していかなければならないと思う。
この「自分なりに自立…」と言うのが大事なんだ。


一昔前みたいに、成人になる前の支援がほとんど無かった時代から、今は国が幼児期から地域で生きる力を身に付けられるように、支援やサービスを作ってくれている。
これを利用しない手は無い。

折角、国が僕たちを自立に向け支援してくれるんだから、僕たちも努力は必要だ…と思う。

• 共感0

🍀
障害者の『自立』の定義は難しい。
人によって考え方や基準が違うし、どの部分を持って自立と言うのか？は、かなり違ってくるだろう。

健常者の自立は、親離れをし自分で生計をたて自立することだろうが、障害者の自立はその人により、どの度合いで自立と言うのかが違ってくる。

①健常者の自立と近い方もいる
②周りからの支援・援助を受けながら社会参加をしていく事を自立という場合
③常に支援が必要であっても、その人なりに生活できるようにする事を自立という場合
…など、それぞれで違うだろう。


『自立』をどの範囲で捕らえるかは、それぞれの障害の程度や特性で違って来るが、いずれの場合も「成人になってからの自立」を考える事が大事なんだと思う。

僕は…といえば、③だろうな。
それでも僕は僕なりに、自分の『自立』について考え準備する必要があると思っている。

• 共感0

🍀
ここからは、重度知的障害の僕の「成人になる為の、僕なりの自立」について、学童期から思春期にかけてやってきたことを振り返ってみようと思う。

少し『自立』という事から外れたり、今までに書いてきた事と重複したりするかもしれないが「広い意味での自立」と言うことで、大目に見て欲しい。

• 共感0

🍀
話のついでで、余暇の過ごし方について…

僕の場合、テレビやビデオを観る事も、本を読むことも、絵を描くことも、ゲームをすることもあまりしない。
家ではゴロゴロしたり、買い物やドライブに連れて行ってもらうことがほとんどの為、日中活動の他に一時預かりや移動支援や短期入所などのサービスを受けることで成り立っている。

昔は障害者の為の支援がほとんど無かったから、僕が支援を使い始めたのは高学年からだったけど、今は乳幼児期から療育の場や支援がある。

たいてい始めての場所や新しい事は苦手で嫌がる場合が多いだろう。
…僕も例外でなく、泣いたり暴れて物を壊したり、周りの人にも迷惑をたくさんかけた。

でも現在いろんな場所やいろんな人達と関われるようになったのは、学校と家だけの往復ではない、第三の場所での経験があったからこそだと思っている。
この『第三の場所』を広げ、自分のモノにしていくことは、自立する上でも大切だと感じている。


そう…
知らない場所
初めて会う人
いつもと違う活動
…そういうことを経験する事が自立に必要だと思う。

• 共感0

🍀
身辺自立は人によって違うけど…ちなみに成人になった重度の僕は…

【食事】
自分と他人の皿との区別がつき、自分で箸・スプーン・フォークなどを使い食べることが出来る。

【着替え】
毎日「お着替え」と言うと、今日着る服一式を出してもらい、それを一人出来ることができる。前後も判るけど、たまにバックプリントのＴシャツは後ろ前に着て直されるけど。

【トイレ】
小…に関しては一人で出来る。しかし、家のトイレが洋式の為、立ってするのは苦手。

大…はトイレに紙を置くことが、僕のコダワリでどうしても許せなくて、その都度「お尻拭く」とトイレの中で叫び、持って来てもらって自分で納得いくまで拭く。家の人が食事中でも入浴中でも就寝中でも…関係なく僕が呼ぶから迷惑だって言われるけど。

公衆トイレ…外では基本的に介助者と一緒じゃないと入らない。一人で出来ないことは無いけど、他人に迷惑かける可能性があるから、男性介助者は問題ないけど、母などの女性介助者の場合は必ず身体障害者(多目的)用のトイレに入る。

• 共感0

【入浴】
たまにはお父さんと一緒に入ることもあるけど、夜遅く帰って来るから、基本的には一人で入る。お母さんは中学の頃からは一緒に入ってくれなくなった。今は短パンで僕の介助と言う形で入るだけ。

体を洗う…のは、簡単に洗うけど、背中や細かい所の仕上げはやってもらう。

洗髪…は基本的にできないに近い。頑張ってみたけど、髪をぬらして→シャンプーつけて→きれいに洗って→洗い流す…という工程は、ハードル高くて無理だった。

洗顔…も、石鹸を泡を立てて顔につけて洗い流すのは難しくて、やってもらっている。

それらを洗い場でやってもらって、後は一人で湯船につかって→蓋を閉めて→お風呂から上がって→自分で体をタオルで拭いて→用意してある洋服に着替える。

【歯磨き】
自分でも磨いているつもりだけど、やっぱりチェックが入って、仕上げ歯ブラシをしてもらう。

• 共感0

【身だしなみ】
ブラシで髪をとかすことは出来ても、鏡を見て自分の姿をチャックして、髪をとかし整える…という意識が無い。

シャツ類をズボンの中に入れるのが嫌だから、それが「みっともない」かどうかなんて関係ない。だから今は、上のトレーナーなどからはみ出しても見っとも無くない様にと、白い肌着のかわりにＴシャツを着るようになっている。

【睡眠】
中学生の頃までは、お母さんと一緒の部屋で寝ていたけど、高校生になってから、それまで納戸だった部屋を、ベッドとタンスだけの僕の部屋にしてくれて、夜は一人で寝ている。

お母さんはその時、「ツカサは一人暮らしは出来ないけど、一人部屋暮らしは出来るようにならないとね」と言っていた。

もう一つの理由として、僕が男性でお母さんと同じ部屋で着替えたり、女性と一緒の部屋でしてはいけない行為を、妹の出入りしている部屋でしていたから、女性部屋から追い出された…という事もあるみたいだった。

まぁー、結果的に一人で寝る…という事は、今後いろんな施設で泊まったりする時に、とても役に立ったんだけど。

• 共感0

【髭剃り】
これは、高校生ぐらいになってから、突然始まった。
身だしなみの一つらしいけど、僕にはどうして急に顔をジョリジョリやられるのか分からず、何年間かは嫌がって抵抗していた。

どうして髭を剃るのか意味は判らないけど、今では毎日の習慣で、慣れて抵抗はしていない。

経験と慣れ…ということで言うと、歯磨きや爪切りと一緒かな。

【散髪】
小さい時はかなり抵抗して親を困らせていた。

顔や頭に触れるハサミも、パチンという音も、切られる感覚も全てダメで、暴れて中々切らせなかった。
そんな状態だから、親は床屋さんになんか連れて行こうなんて思っていなかったみたい。

ところが、養護学校に行くようになり先輩ママ達に、成人してから床屋に行かれないと絶対困るから、大変でも今の内に連れて行って、床屋に慣らしておくべきだと指摘され、それから僕の訓練が始まった。

時間はかかったけど、今は髪を洗ってもらったり、切ったりドライヤーをかけてもらったりも、席を立たず、騒がずにやってもらっている。
これもやっぱり、経験と慣れかな？

• 共感0

【外出】
基本的に、一人では外に出ないが、たまに「ふらぁ～」っと一人で外出してしまう時もある。
どこに行きたいとか目的はないし、交通ルールなんかは良く判っていないから危険で、道も判らず一度一人で出掛けると戻って来られないから、家や施設の人達は大騒ぎになって僕を探す。

それに、突然苦手な動物(犬や猫)が出てきたら、僕は周りなんか関係なく走り出したり、道路に飛び出したりしてしまう為、普段は手はつながなくても平気だけど、必ず誰かと一緒に移動しないといけないんだ。
基本的に外を歩く時は、手をつながず「見守り」と言う形で移動している。

現在日中活動の場に行く為に、送迎車が来る場所まで歩いて５分かからないけど、必ず誰かに付き添ってもらっている。
もしかしたら、送迎車停留所までの自主通勤(？)が出来るかもしれないけど、突発的に何かあった場合の対処が出来ないし、たまに出る僕の「放浪癖」があるから、たぶん一生無理…みたい。

• 共感0

【買い物】
自分で「何が欲しいから買い物に行こう」と言う意識はない。いつも必要な物は家で手に入るし、それで我慢できるから。
家族や支援者さんと買い物に行く時には、欲しいおやつや飲み物を買ってもらえるから、自分で選んで一緒に買ってもらう。

数の概念も、お金の価値も全くわからないから、自分で買うことは出来ない。
ただ、その場で必要なお金を渡されてレジでおやつを買ったり、自動販売機にコインを入れて購入することはするけど、それは自分で買い物をするって言わないよね。

【時間】
時計もカレンダーも判らないから、予定を言われても「いつ」というのが把握できない。

小さい時は「ドライブ行く」と言ったら、すぐじゃないと我慢が出来なくてパニックになったりもしたけど、今は少し我慢できるようになって、言われてからすぐでなくても待てるようになった。

お母さんは今日の…それも近い時間の予定を僕に話してくれる。
次の日以降の予定は、僕が混乱するからと、大きな変化がある時にしか言ってくれないけど、今の僕はそれで充分かな。

• 共感0

【言葉】
人の話している言葉は、日常的のことは大体把握できる。
一つだけでなく、複数の用事「何をしてから何をしなさい」と言うような指示にも従えるようになった。

でも、自分から話すこと…人に伝えることは苦手だ。
お茶を飲む、ご飯食べる、ドライブ行く…など、日常の会話で必要な事の二語文は少し言える。

後は…寝る・トイレ行く・行かない・いや・する・しない、ダメ…などの単語で自分の気持ちを伝えることがあるが、これは調子がいいときは良いけど、荒れていたりすると中々自分の思っていることが伝えられないこともある。

また、日常の必要最低限のことは二語文や単語で伝えられるけど、自分の感情や感じていることや、自分の経験したこと…例えば施設であった話などは、人に伝えることは出来ない。

• 共感0

【性】
僕は人に対する「好き」と言う感情はあるけど、女性に対しての「愛」は分からない。「女性を愛して守る」と言うことは、僕には出来ないだろうが、そういう気持ちとは別に、性欲は発達していた。

僕の意思とは関係なく「本能」として生まれたもので、モヤモヤしたり女性に対して何ともいえない気持ちが生まれたけど、それが何かは分からなかった。

小学校の時から自分のモノを触ったりしていたけど、自慰行為と言われることをするようになったのは、中学生の頃からかな。

最初は場所など関係なくしていたけど、学校でも家でも「やっていい場所と時間」を決められ、衝動にかられると決められた場所に行く。
今でも家で居間で見付かると「自分の部屋に行くように」と言われ、移動している。

またそれを含め、女性の体にむやみに触ることもいけないんだと教えられた。

中学頃まで、お母さんと妹と同じ部屋だったから色々と問題あり…女性部屋から追い出され、一人部屋に移った。

僕は、その気持ちや行為がどういうものなのか分からないけど、やっていい事・悪い事、人前でやってはいけない事として教えられ覚えた。

• 共感0

🍀
色々書いたけど、僕の生活の様子を書く事で、重度知的と言われる成人の状況について、少し判ってもらいたかった。
決して、【重度】イコール【何も出来ない】のではないという事を！

そして「僕なりに自立する努力」を、家族と共にしているんだと言うことを、判って欲しかったんだ。

僕の場合は自閉症があるから、そうでない人との違いもかなりあると思う。
（知能指数だけで判断されたら、基本的にＩＱ，20～35の重度判定になるが、自閉症で問題行動が多いという事で考慮され、判定は最重度になっている）

僕は最重度と重度の境目辺りに位置（ＩＱ，20前半）しているから、出来ないことが多いけど…
同じ重度でも中度障害に近い（ＩＱ，30前半）人達は、時間やカレンダーを認識し予定を把握したり、簡単な文字を読んだり、自分の言葉で文を書いたり出来るし、自分の楽しみをしっかり持っている人も多い。
また、日常的に通っている近い場所なら、一人で通っている人もいる。

だから、今回書いた僕の状況は、成人した重度障害者の、ほんの一部だと思って欲しい。

• 共感0

🍀
自立の方法は人によって、障害の種類・特徴・性格の違い、そして成長の進み方によって違ってくるから「こうあるべきだ」というのは無いのかもしれない。

その人にとって、精一杯自立に向け、幼児期から頑張って来て、不十分な所をサポートする体制を整える…ということが大切なのだと思う。


目が悪い人はメガネを…

歩行困難な人は杖や車椅子を…

そして言葉やコミュニケーションが苦手な人や、生活するのが困難な人は、それをサポートする支援や人が…

それぞれ必要なんだと思う。


成人後の重度障害者でも、うまくサービスや支援者やを利用すれば、自分なりに生活して行かれる。
そうやって自分なりの生き方を見付ければ、幸せに暮らせる。

その為には、日頃から自立について考えながら…
どうしたらサポートしてもらいながら自立できるか…
それぞれに努力することが大切になると思っている。

• 共感0

🍀
それから、もう一つ…
いくら自分が生きるための努力をしても、回りの理解が無ければ、地域で生活して行くのはとても難しい。

重度知的障害者…その上、僕みたいな自閉症の問題行動を持ち合わせていると、尚のことだ。

小さい時から、自分ではどうによにもならない衝動にかられたり、突発的な行動をしたり、周りには理解してもらえないコダワリやパニックなど…数えたらきりがないほどして来た。

僕のことを知らない人達にとっては迷惑な話だったと思う。
白い目で見られたり、文句を言われたりして来た。

そんな時、僕と一緒にいる家族には、たくさん嫌な思い・悔しい思い・惨めな思い…を沢山させたんだと思う。


でも、ここで大事なのは、嫌な思いをするからと言って、僕を外に連れ出さなかったり、隔離状態にしなかったことだ。

確かに迷惑掛ける方も掛けられる方も、お互いに嫌な思いをする。
でも、そこでお互いに理解しようとしなければ僕等の世界は閉ざされてしまう。

• 共感0

🍀
幼児期は、両親だって僕の障害を認めきれず、そのことがかなりの心の負担になっていたから、外での僕の行動のトラブルに対して、常に心を痛めていたはずだ。

でも、親って言うのは強いんだと思った。

陰で泣きながらも、僕のことを外に連れ出し、僕に対してはいけないことを根気良く伝え続けてくれ、周りの人にも僕のことを隠さず状況を話して理解を得ようとしてくれた。

その甲斐あってか、成人する頃までには僕自身が成長し、少しマナーらしきものを身に付けた。
そして、地域の人達や、いつも行く店などでは、僕のことを理解してくれる人が増えた。


僕が、ちょっと一人で出歩きたくなった時に、近所の人が見かけて親に連絡してくれたり…

スーパーでの買い物時に、優しく声を掛けてくれたり…

ほんの少しだけど、外の世界と僕とのつながりが出来た。


傷付くことを恐れるな…というのは言い過ぎかもしれないけど、傷付くことを恐れていたら、僕達のことを理解して受け入れてくれる人達は中々増えないと思う。

• 共感0