ダブルス
あなたは私の希望
あなたは私の喜び
あなたを愛してる
……なのに何故
あなたといると私は苦しくなるのだろう
※この小説は基本的にフィクションです
※過激な表現を含む場合がありますので、不快に思われる方は閲覧をお控え下さい
※不定期更新です
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「あぁッ……!!」
腰骨を砕かれるような痛みに思わず叫び声をあげた。
「佐伯さん、まだよ。ゆっくり息を吐いてね…」
一昼夜続いた陣痛の間隔が短くなってきていた。
フーッと息を吐く。
激痛に耐え続けていた体は痙攣し始めた。
分娩台を取り囲む医師達の動きがせわしなくなった。
息が…
赤ちゃん……
「頭出るよ…息んで!」
目の前が真っ白だ…
フ…ギャァ…
奈緒美は短大に入った年に英明と付き合い始めた。
中学時代の同窓会で再会したのがきっかけだった。
「なんか雰囲気変わったなあ…」
3年ぶりに会った英明は眩しげに奈緒美を見つめて言った。
中学時代の奈緒美は地味な女の子だった。
中身はその頃と大して変わりないが、短大に通うようになってから外見は随分と垢抜けていた。
昔から軟派な印象の英明に対して、奈緒美はやや警戒していた。
その警戒を解いたのは、二次会帰りに英明がした不意打ちのキスだった。
「好きになった。付き合ってよ…」
そう言う英明の目は真剣だった。
翌日から頻繁に英明は連絡をよこした。
2人の交際は奈緒美が英明に半ば押し切られる形で始まった。
付き合い始めてすぐに体を重ねた。
奈緒美は初めての痛みと恥ずかしさに終始目を閉じていた。
英明は奈緒美の柔らかな肢体を抱きながら、愛してるよ…と譫言のように繰り返した。
数を重ねていくうちに奈緒美も少しずつ慣れていった。
快感はなかった。
ただしがみついていたに過ぎない。
そしていつも避妊のことは英明任せだった。
英明の実家は、彼の祖父が興した地場産業に携わる会社を経営していた。
英明には8歳上の姉と6歳上の兄がいた。
姉はすでに嫁ぎ、兄が実家の跡を継ぐことが決まっていた。
母親は末子の英明を溺愛していた。
英明が奈緒美の短大に乗りつけた新車も、母親が誕生日に買い与えたものだった。
英明は奈緒美との交際を、この母親に隠していた。
言えば面倒なことになる。
なんとなくそう思ったのだ。
半年が経った。
「最近顔色が良くないね」
友人の可南子が心配そうに言った。
「うん…貧血気味みたい。このところ立ち眩みがよくあるの」
「生理が重くなったんじゃない?私も前より生理痛が酷くてさ」
そう言って可南子はため息をついた。
そういえば、私……
奈緒美は、もう2ヵ月近く生理が遅れていることを思い出した。
奈緒美は生理不順ではなかった。
それでいて生理が来ない理由は明白だった。
英明は大丈夫だって言ってた…
外に出すから大丈夫って…
英明は避妊具を嫌がった。奈緒美もまた、英明の嫌がることは避けていた。
悩み続け、眠れない夜を過ごした。
憔悴した奈緒美は思い切って可南子に打ち明けることにした。
生理が来ない、と言っただけで可南子はおおよそのことを察したようだった。
「どれくらい遅れてるの?」
「2ヵ月…くらい」
可南子は驚いたように続けて聞いた。
「それ、彼氏に言った?」
奈緒美は黙って頭を横に振った。
なぜか英明には言いづらかった。
「そっか…でも、ちゃんと病院に行かないとダメだよ」
可南子は余計な質問はせずにしばらく何かを考えていた。
そしてその場に奈緒美を待たせて電話をかけに行った。
可南子は戻ってくるなり奈緒美にメモを手渡した。
「私のお姉ちゃんが出産した産婦人科。確か女医さんだったって聞いてたから」
そこには小さな字で、住所と電話番号が記されていた。
翌朝、可南子に教えられた小原産婦人科に向かった。
自宅から私鉄とバスを乗り継いで1時間かかった。
玄関のガラスドアを押し開くと、中の待合室にいた妊婦と目が合った。
奈緒美は思わず目を伏せてしまった。
「えーと、初診ですね。こちらに記入して、また窓口にお出しください」
窓口の女性が問診表を渡した。
氏名や生年月日の欄の下に【本日はどうされましたか】とあり、選択肢が続いていた。
【妊娠の可能性】という項目でペン先が止まった。
奈緒美は躊躇しながら、時間をかけて丸をつけた。
30分ほどして診察室に呼ばれた。
「そちらの椅子にかけてくださいね」
見たところ50歳代の女性医師はデスク横の椅子を勧めた。
「結論から言いましょうか。おめでとうございます。妊娠されてますよ」
…やっぱり。
うつむいたまま奈緒美は聞いていた。
「最終月経から計算すると、今は11週目くらい。3ヵ月目の中間かな」
「それと、少し立ち入ったこと聞くわね」
小原医師は奈緒美と向き合うようにして、ゆっくり話し始めた。
「あなた独身ね。今は学生さんかしら」
「はい…」
「本当なら、今日にでも母子健康手帳が受け取れるように妊娠届を出すんだけれど…きっとあなたもまだ妊娠したことを受け止めきれないんじゃないかな」
奈緒美は黙って頷いた。
奈緒美だって、性交で妊娠することぐらいわかっていた。
ただそれが自分の身に起こるなんて思っていなかったのだ。
「早いうちにあなたのパートナーには妊娠したことを伝えて、今後のことを話し合ってください」
それとね、と小原医師は付け足した。
あなたはこの数日で赤ちゃんの存在に気づいたばかりだろうけれど、赤ちゃんは50日以上あなたと一緒にいたのよ。
ごく初期に流産することも少なくないのに、今日まで無事育ったのは実は奇跡みたいなものなの…
小原医師の言葉に奈緒美は泣きだしていた。
小原医師は奈緒美が落ち着くのを待って、最後にこう言った。
「あなたは未成年で独身だからすごく戸惑うと思う。でも、しっかり考えて結論を出してね」
バスに揺られながら奈緒美はお腹にそっと手を添えた。
…ここに赤ちゃんがいる。
ごめんね、今まで気づいてあげられなくて…
自分の掌の温もりを感じながら奈緒美はまた目を潤ませた。
その日の午後に英明と会う約束になっていた。
待ち合わせの場所に向かっていたが、約束の時間までまだかなりある。
腕時計をちらりと見て、奈緒美は途中下車した。
バスを降りてしばらく歩いていると、商店街に行き着いた。
そして書店を見つけると中に入っていった。
店内には奈緒美の他に5人ばかりの客がいて、それぞれが立ち読みをしていた。
奈緒美は店内をぐるりと廻って、『はじめての妊娠・出産』と書かれた本を手に取った。
書店を出ると、斜向かいの肉屋では揚げたてのコロッケが売られていた。
奈緒美は無性にそのコロッケが食べたくなり、衝動的に3個も買った。
…揚げ物って苦手だったのにな。
奈緒美は自分の行動に驚いた。
公園のベンチに座ってコロッケを食べながら奈緒美は買ったばかりの本を読み始めた。
英明と落ち合う少し前から雨雲が空を覆い始めた。
約束の時間から20分が過ぎた。
また遅刻…
奈緒美がため息をついたときだった。
後方からクラクションが鳴り、磨き上げられたフェアレディZが横付けしてきた。
「わりぃな、道が混んでた」
英明は時間にルーズな質だ。
時間だけでなく、あらゆる面で緩慢なところがある。
奈緒美はそれも優しさのうちと思っていた。
奈緒美が助手席に乗り込むと同時に雨粒がフロントガラスに落ちた。
「やっぱり降ってきたか。昨日洗車したばかりだよ」
英明は暗い空を見上げて忌々しげに言った。
「どこ行く?」
英明は助手席にちらりと目をやりながら聞いた。
雨足が強くなってきた。
「…静かな所」
奈緒美はフロントガラスに滲む信号機を見つめて言った。
「2人きりで、ゆっくりできる所がいい……話したいことがあるの」
信号は、青。
進め、の青。
奈緒美は決心した。
2人はベッドの両端に座って沈黙していた。
2人きりになれる所がいい、という奈緒美の言葉を英明は勝手に深読みした。
高速道路のインター近くにあるラブホテルに直行したのだ。
奈緒美は黙ってついて来た。
しかし部屋に入って英明がキスをしようとするのを身をよじって拒んだ。
「やめてよ…話があるって言ったでしょ」
「なんだよ」
予想外の態度に英明は驚いた。フライングしたときのようなバツの悪さで、つい語気が強くなる。
奈緒美は無言でベッドに腰を下ろした。
仕方なく英明も背を向けて反対側に座った。
気まずさに耐えられず英明が奈緒美の方に向きかけたときだった。
奈緒美の凛とした声が沈黙を破った。
「私、妊娠したよ。3ヵ月だって」
奈緒美の言葉に、英明は激しく動揺した。
「嘘だろ…」
「嘘なんかじゃないよ。今日診てもらったの」
背中越しに絶句した英明の表情が見て取れるようだった。
奈緒美はたまらなく悲しくなった。
妊娠を告げたところで英明が泣いて喜ぶはずはなかった。
でも、万に一つでもそんな反応が返ってくるのでは、という期待もあった。
しかし今のうろたえた英明の様子に、淡い期待は打ち砕かれた。
「赤ちゃんね…もう手も足もあるんだよ。人のかたちしてて…爪もできて……」
奈緒美はお腹を抱えるようにかがみ込んで喋り続けた。
「少し考えさせてよ」
英明はそれだけ言うと、再び黙り込んでしまった。
帰りの車中でも2人の会話はなく、FM放送が大音量で流れているだけだった。
「雨止んだね。あっ!もう星が出てるよ」
奈緒美は何度か努めて明るく話しかけたが、英明は黙って車を走らせた。
いつものように自宅の1ブロック手前に車を停めた。
「送ってくれてありがとう」
そう言って車を降りかけた奈緒美に英明が問いかけた。
「奈緒美は俺に責任取ってほしいのか?」
責任……
奈緒美が欲しいのは陽向のように暖かい愛情だ。
責任という堅く冷徹な言葉で片付けられたくなかった。
しかし英明が自分とお腹の子の為に負うのなら、責任もひとつの愛の形かもしれないとも思った。
「私はただ、英明に赤ちゃんのことを知ってほしかったの」
奈緒美は英明の目をまっすぐに見つめて言った。
「英明は、父親なんだから…」
奈緒美は妊娠したことを、まず母親に話そうと思った。
「ただいま…」
「あら奈緒美だったの?夕食まだなら、残してあるわよ」
キッチンの方から母親の声がした。
「ありがと…でもいいや」
奈緒美は流し台の前に立つ母親の隣に列んだ。
そして水仕事をする母親の手を見つめた。
少しシミが浮き始めた手の甲と、爪が短く切りそろえられた指先。
その手を見ながら奈緒美は話を切り出した。
「お母さん…話したいことがあるの」
「話ってなあに?ここの片付けしてからでもいい?すぐだから」
「…うん」
奈緒美は湯呑みに冷えた麦茶を注ぎ、リビングで母親を待った。
緊張を和らげようと麦茶をひとくち飲んだ。
「はいはいお待たせ」
母親はリビングのソファーに座った。
「奈緒美、話って何なの」
「お母さん…」
奈緒美は深く息を吐いた。
お腹がじんわりと熱くなった気がした。
「私、妊娠してる」
母親はショックのあまり言葉をなくしていた。
そんな母親の様子に胸を締めつけられながら、奈緒美はもう一度ゆっくりと言った。
「私、半年前から付き合ってる人がいるの。でね、先々月から生理がなくて今日お医者さんに診てもらったの…そしたら…」
「ちょっと待って」
母親が奈緒美の言葉を遮った。
「何…付き合ってる!?相手は誰なの?妊娠したってあんた…赤ちゃんができたってこと!?」
興奮気味にまくしたてていたが、うなだれる奈緒美を見て、はあっとため息をついた。
少しずつ冷静さを取り戻した母親は低い声で言った。
「もう一度始めから聞くわ。相手は誰?」
奈緒美は英明のことを話した
母親は時折聞き返すことはあったが静かに奈緒美の話に耳を傾けた。
「それで一番聞きたいのは、あんたがお腹の子をどうするつもりかってことよ」
奈緒美の独白が終わると母親が聞いた。
奈緒美の心は決まっていた。
この子の存在を知ってから、他の選択肢はなかった。
奈緒美は臆することなく言った。
「私は、この子を産みたい」
「とにかく、あんたの彼氏とそちらのご両親とも会って相談しなきゃね」
英明も今頃両親に告げているだろうか。
「それとお父さんには明日にでも奈緒美から話しなさいね」
「…わかった」
奈緒美の父親は半年前から遠方の子会社に出向していた。
そのために残業のあった日は帰宅しないことが常だった。
父親に打ち明けるのは気が重かった。
奈緒美と父親は折り合いが悪い。
幼少期から妹の真奈美ばかりを可愛がり、奈緒美には冷たい父親だった。
奈緒美はこの半年間、会話らしい会話を父親と交わしていなかった。
翌日、父親は夜の9時過ぎに帰宅した。
自室で横になっていた奈緒美は階下から聞こえる両親のやりとりに耳をそばだてた。
「飯はいい。風呂に入ってくる」
「お疲れのところ悪いんだけど、上がったら奈緒美の話を聞いてやってね」
「…わかったから後にしてくれ」
父親の声は尖って聞こえた。
…赤ちゃん、ママ頑張るよ。
奈緒美はそっとお腹を撫でた。
しばらくして母親が奈緒美を呼びに来た。
リビングでは湯上がりの父親がテレビを観ていた。
奈緒美がソファーに座っても父親はテレビを観たままだった。
「話なら手短にしてくれ」
そう言って煙草に火を点けた。
妊娠した、産みたい。
奈緒美が告げると父親は不愉快そうに顔を歪めた。
「親の金で短大に通って、覚えたのはガキの作り方か」
お父さん、とたしなめた母親に対しても憤った。
「だから俺の言うように信金あたりに勤めさせときゃ良かったんだ!それを、こいつのしょうもない口車に乗せられやがって」
父親は奈緒美の短大進学に難色を示していた。
早く社会に出て、ついでにこの家からも出ていけと言わんばかりだった。
しかし奈緒美はそれに反発し、高校の担任教師を交えて父親をなんとか説得したのだった。
「とにかく、私は産むから」
奈緒美はそれだけ言って席を立った。
「勝手にしろ。ただしこの家から出てってからにしろよ。真奈美の受験の邪魔になる」
父親は奈緒美の背中に吐き捨てるように言った。
奈緒美は唇を噛みしめて二階へ駆け上がった。
自室のドアを勢いよく閉めるとベッドに倒れ込んだ。
しばらくして玄関のドアが開く音がした。
「ただいまぁ」
妹の真奈美が塾から帰ったようだ。
「真奈美お帰り。遅くまでご苦労さんだな」
真奈美を出迎える父親の声は優しく柔らかだ。
「あっ、お父さんにお願いがあるんだけどぉ。今度ね、友達と新しい鞄買いに行く約束したんだ」
真奈美も自分が父親に可愛がられているのを承知している。
「そうか、じゃあ小遣いやろうな」
階下から聞こえる楽しげな話し声を、奈緒美は目を閉じて聞いていた。
…私にはお小遣いをくれたことなかったな。
学校で使うノート1冊買うのだって、いい顔をしなかった。
それに私のことは名前で呼んだりしない。いつも『お前』だし…
私はお父さんに愛されていない。
そう思うようになったのは、いつからだったっけ……
奈緒美は涙をこぼしながら眠りに落ちた。
奈緒美が妊娠したことを告げた日から英明とは連絡がつかなくなった。
奈緒美は不安を押し殺して毎日をやり過ごしていた。
そして英明と音信不通になってから5日後、英明の実家から謝罪があった。
実際には英明の父親の秘書だという女性が菓子折りを持って訪ねてきたのだった。
「1週間近く経ってから遣いをよこすだけだなんて、ちょっと酷いんじゃないの」
母親は憤慨した。
秘書は母親の剣幕にもたじろぐことなく、次の日曜日に双方が会って話し合う場を設けたいという英明の父親の意向を伝えた。
日曜日の午後、奈緒美の自宅前に黒塗りのハイヤーが2台停まった。
1台目には例の秘書が乗っていた。
英明と彼の両親は自宅で奈緒美達を待っているという。
「なんでこっちが出向かなきゃならないの」
奈緒美の母親は不満そうだった。
「俺は行かない。貴重な休みをそんなことで潰されたくないからな」
父親はそう言ってパチンコ店に行ってしまった。
結局奈緒美と母親が英明の家族と会うことになった。
同じ学区域にある英明の実家は車で10分程度の距離だ。
奈緒美の自宅の3倍はありそうな白亜の建物と広い庭。
子供の頃、遠巻きに見るこの建物は奈緒美の憧れだった。
高い門扉が開き、敷地の中へと車は進んだ。
広々とした応接間は見るからに高価な調度品でしつらえてあった。
「この度は愚息がご迷惑をおかけしました」
英明の父親は深々と頭を下げた。
その隣には青白い顔に泣きはらして眼の縁が赤くなった母親と、憔悴した表情の英明がいた。
英明は両手を固く握りしめて、うつむいていた。
奈緒美は英明の父親に問われるまま、これまでの経緯を話した。
父親は時折英明の方を見て、話の真偽を確かめていた。
そのときも英明は顔を上げることなく小さく頷くだけだった。
…まるで尋問みたい。
奈緒美は居たたまれない苦痛を感じていた。
奈緒美は話し続けた。
そして英明の両親の前で、お腹の子を産みたいと言い切った。
「…あなたのお気持ちはよくわかりました」
英明の父親は顔色を変えずに言った。
「ですが、あなたのご希望に応えることは難しい」
そして父親は淡々と続けた。
2人の交際を双方の親に明かさなかったのは将来を誓った関係ではなかったからだ。
2人にとって妊娠は望んだものではなく、したがって出産も望ましいとは考えられない。
英明も奈緒美も学生の身であり今は学業に専念すべきだ。
若いのだから、やり直しはきくのだから……
「聞けば間もなく4ヵ月になるそうだから早めに手を打った方が良い。無論、費用はこちらが持ちます」
つまり…
堕胎しろってこと……
「確かに、英明さんとは結婚の予定はありませんでしたし、妊娠にも正直戸惑いました」
奈緒美は震える声で言った。
英明は何の反応も示さない。
「でも、今はお腹の子が愛おしいです」
奈緒美の頬を涙がつたって落ちた。
「だから私は退学して産みます。働いて子供を育てます。英明さんにも、お父さんやお母さんにも迷惑はかけません」
泣きながら訴える奈緒美の背中を母親が優しく撫でた。
「……嘘よ!」
突然、英明の母親がヒステリックに叫んだ。
英明の母親は怒りに震えていた。
「この女が英明をたぶらかしたのよ!挙げ句に妊娠したから責任を取れって詰め寄ったんじゃない!」
「そんな…違います!」
奈緒美は大きく頭を振った。
「英明はね…英明は優しい子だから断り切れなかったのよ!!それに英明の子供かも疑わしいのに…産んで一生英明を苦しめる気!?」
英明の母親は恐ろしい形相で奈緒美に掴みかかった。
「うちの娘を侮辱しないでッ!!」
奈緒美の母親が立ち上がって盾になる。
「あんたなんかに英明はやらない!あんたなんか死ねばいい!お腹の子も死ねばいい!」
泣きわめく母親を英明が応接間から引き摺るようにして連れ出した。
怒号の嵐の中で、奈緒美は耳を塞ぎ声を殺して泣いていた。
その日は結論が出ないまま、奈緒美と母親は帰路についた。
夕暮れ時に母親と連れ立って歩くのは十数年振りだ。
「…お母さんはどう思う?」
奈緒美は力なく母親に訊ねた。
「お母さんは私が赤ちゃん産むのに反対する?」
「子供を産むって幸せなことよ」
でもね、と奈緒美の母親は続けた。
「産んで育てて生きていくのは楽なことじゃあないよ」
母親は前を向いたまま、遠くを見るような目をして言った。
「産ませてあげたいと思うけど、女が独りで子供を大きくするのはあんたが考えている以上に過酷なんだから」
母親の言うことは正論だった。
でも英明と家庭を持つことは到底無理な話に思えた。
たとえできたとしても、もはや愛情と信頼を欠いた関係で子供を育てられるものだろうか。
「でもね……赤ちゃん産みたいの………殺したくないの……………」
また涙声になった奈緒美の肩を、母親はそっと抱きしめた。
「遅いじゃねえか」
先に帰っていた父親が不機嫌そうに2人の顔を睨んだ。
「ごめんなさい、ねえ、今日の夕食は簡単な物でいいですか」
忙しく冷蔵庫を開ける母親の言葉に舌打ちして、父親はビールをあおった。
夕食後、真奈美が自室に戻るのを待って母親が昼間の子細を父親に話した。
「要するにこいつは、男に孕まされて捨てられた訳だ」
父親の言葉は錆びた刃のようだ。
奈緒美の心を斬りつけては塞ぎようのない歪な傷を残す。
「もう、あちらとは縁を切るつもりで考えなくちゃならないんですけど…」
言うやいなや母親は床に手をつき土下座した。
「奈緒美に子供を産ませてやってください。ここで育てさせてやってください!」
頭を下げる母親の姿に奈緒美は涙がこみ上げてきた。
「ふざけんな!」
奈緒美の父親は低く唸るように言った。
「産むならこの家から出てけと言っただろッ!」
「でも、奈緒美には他に行く処なんてないんですよ!」
「未婚でガキを産むような奴が家にいちゃ真奈美の将来にキズがつくだろうが!お前それでも母親かッ!」
「真奈美も奈緒美も大事な娘よ!」
父親は、なおも食い下がる母親を蹴り飛ばした。
「やめてよ!」
倒れた母親の体に奈緒美が覆い被さった。
「…俺にとっちゃ娘は真奈美だけだ!」
奈緒美が顔を上げた瞬間、父親と視線がぶつかった。
奈緒美は父親を見据えたまま掠れた声で訊ねた。
「お父さん……そんなに私が嫌い?」
ずっと前から聞きたかった。
どうして真奈美と同じように接してくれないの?
私を疎ましく思うのはなぜ?
私を愛せない理由は何?
しかしその問いはパンドラの箱の鍵に違いなかった。
決定的な答えを聞き出してしまったら、奈緒美は自分の心を保つことなどできないと思っていた。
だからこそ今日のこの瞬間まで口にしなかった。
「お父さん……そんなに私が嫌い?」
「嫌いだね」
父親は奈緒美の視線から逃れるように顔を背けた。
「お前も、お前を憎らしく思う俺自身も嫌いだ」
どうして、と奈緒美の唇が動く。
…コタエハ、スグソコダ…
奈緒美の心臓は早鐘を打つ。
父親は固く拳を握って言った。
「お前が、俺の子じゃないからだ。血の繋がらないお前とは、家族になれない」
……あぁ………
…………そうか……
刹那、奈緒美は靄に包まれるような感覚に陥った。
靄が奈緒美の五感を鈍らせた。
お母さん……泣いてるの…?
視界がぼやけているのは……涙のせいなんかじゃないよ……
奈緒美は家を出た。
その日の深夜、奈緒美はぬるい風呂の湯に浸かった。
幼い頃そうしたように、浴室のタイルのひび割れを指でなぞった。
風呂から上がるとボストンバッグに着替えを詰めて、奥底に通帳と印鑑を入れた。
荷物を持って階段を下りると奈緒美は封書を台所にそっと置いた。
朝一番でこれを見つけるのは母親だろう。
そして音をたてないようにそっと玄関を出た。
誰にも告げず、
後ろを振り返りもせず、
奈緒美は駅を目指した。
始発前の駅には誰もいない。
しんと静まるホームは、まるで世界の果てのようだった。
お腹を優しく撫でながら奈緒美は思った。
私には、この子がいる。
この子の為に生きよう…
ベンチに座って瞼を閉じる奈緒美の頬を朝日が照らしていた。
「ごめん、先に戻ってて」
佐伯結子は同僚に断ると街路樹の木陰に入った。
休み時間は残り10分。
結子は昼時の雑踏を気にしながら携帯電話を開いた。
…プルル…プルル…プルル…
『もしもし』
その声を聞くと結子は自然と笑顔になった。
「カズ?お昼食べた?」
『今から食うよ。今日はコンビニの弁当だな』
「もしかして今日忙しいの?」
『まあね…でも今日だけは残業したくないからな。午前中だけでもかなり仕事はかどったよ』
「そっか…ありがとね」
『うん、じゃあまた退社前にメールするよ』
通話が終わると結子は短いメールを打った。
【今日 予定通りでよろしくね】
送信完了を確認すると結子は小走りで職場に戻った。
結子は都内にあるカルチャースクールで事務の仕事をしている。
大学生の頃はいわゆる氷河期の真っ只中で、就職浪人の末に今の職場に採用された。
結子にとってやりがいのある仕事ではなかったが、あの絶望的な就活を再び繰り返すよりはましだった。
そんな消極的な動機でも5年も勤めている。
そして、結子には一臣という恋人がいた。
まだ付き合って半年だがお互い結婚を意識するようになっていた。
一臣は結子より2歳下で商社に勤めていた。
結子はすでに一臣の実家への挨拶を済ませていた。
息子ばかり3人も育てて、ずっと娘が欲しかったという彼の母親は結子を温かく迎えてくれた。
「俺も結子の親御さんにお会いしたいな」
一臣にそう言われて嬉しかった。
結子は母子家庭で育った。
結子には父親の記憶はおろか写真の1枚すらなかった。
母親以外で身内と呼べるのは祖母くらいだったが、結子は祖母とも数えるくらいしか会ったことがない。
だから結子にとって母親の奈緒美は唯一無二の家族と言っても過言ではなかった。
母親の奈緒美は若くして結子を産んだ。
娘の目から見て奈緒美はストイックな質だと思う。
子育ても文字通り“女手ひとつ”を貫徹し、まるで人を頼ることを良しとしないようにも見えた。
どういった経緯で奈緒美が独りで結子を産み育てたのか、結子自身よく知らなかった。
結子は子供の頃に奈緒美に訊ねたことがある。
「お母さん、どうして私達2人きりなの?私のお父さんはなんでいないの?」
「お父さんは、ずうっと前に死んじゃったの」
どんな問いにも納得のいく答えをくれる母親が、この質問には答えにくそうにこう言ったきりだった。
父親が他界していたとしても遺品ひとつ写真1枚ないのは不自然で、結子の疑問は膨らむ一方だった。
しかし母親の表情が曇るのを見て、子供心に父親のことは二度と聞いてはならないと感じた。
奈緒美は優しい母親だが娘の躾には厳しかった。
そして奈緒美自身も慎ましい生き方を自らに課しているようだった。
“母子家庭だから”“若い親だから”という色眼鏡で見られることを嫌がったからかもしれない。
結子が年頃になると奈緒美は娘に避妊について教えた。
「そんなことしないから必要ないよ」
お仕着せの性教育ではない生々しい話に照れてしまった結子に、奈緒美は真剣な表情で言った。
「好きな人とセックスするのは悪いことじゃないよ。でも、避妊しないと結子の心も体も傷つけることになるの……結子にはいつか幸せな結婚をして母親になってほしいから」
このとき、結子は母親が何か事情があって未婚で自分を産んだのだと直感した。
奈緒美とのストイックな暮らしは結子の恋愛観にも影響を及ぼした。
結子は恋愛の延長上には必ず結婚を考えていた。
そして結婚とは母親の言う“幸せな”ものでなくては意味がないとも思っていた。
奈緒美が成し得なかったことを託されているという気負いもあったのかもしれない。
だから情熱のままに恋愛を楽しんだり、まして軽い気持ちで男性遍歴を重ねることなどできる訳もなかった。
その結果、気づけば学生時代の恋愛が終わってから5年が過ぎていた。
30歳に近づくと結子は徐々に焦りを感じ始めたが、5年のブランクは恋愛の糸口を掴む方法さえ忘れさせていた。
ただ時間が虚しく流れて、結子は恋愛から完全に遠ざかっていった。
しかし28歳の秋に、まるで予期しない形で一臣と出会うことになる。
2人を引き合わせたのは、結子が勤めるスクールの受講生だった。
話を持ちかけた受講生の篠原房江は陶芸コースに通う60歳代の専業主婦だ。
いつものように受講生のはけた教室へ備品チェックに行くと、房江が結子を待ち構えていた。
房江は自他共に認める世話焼きおばさんだ。
今の若い人にはお節介なだけかもしれないけどねえ、と房江は一応の前置きをして話を切り出した。
「主人の従姉妹の義弟の息子さんなんだけどね、とってもいい子なの。お勤め先も確かだし、年だって佐伯さんとそう変わらないし」
要するに見合い話だった。
房江は目尻を下げて話し続けた。
「佐伯さんて清楚だし優しいし素敵なお嬢さんだから、もうお相手がいるかもしれないんだけど、もしそういう方がまだなら一度お会いしてみない?」
房江は明らかに結子が独身で男の存在がないことをわかって言っていた。
結子にしてみたらあまり気分のいいものではなく、ええまあ…と適当に言葉を濁していたが、房江の押しの強さに負けて結子は承諾してしまった。
30近い平凡な自分にあてがわれる相手のレベルを想像したが、期待の余地は微塵もなかった。
しかし結子の予想は良い方に裏切られた。
久谷一臣の姿を見つけた瞬間、結子は胸の奥がざわつくのを感じた。
「はじめまして…」
一臣の声が心地良く結子の耳をくすぐった。
涼しげな目元と笑うと浮かぶ片えくぼの愛らしさがアンバランスな魅力を作り出していて、結子は一臣の笑顔に惹かれた。
「佐伯さん、あの人に無理やり連れて来られたんでしょう」
房江が席を離れると一臣はため息をついて言った。
「あの人は遠縁なんですが、僕の父はどうも篠原の家に頭が上がらないみたいで…」
その言い方からして一臣にしても気に染まない“見合い話”だったようだ。
結子は浮かれていた気持ちに冷水をかけられた気分だった。
「今日はありがとうございました」
別れ際、結子は努めて明るく言った。
少し間を置いて一臣が返した言葉は、半ば諦めかけていた結子の心臓を射抜いた。
「次は…いつお会いできますか」
そうして2人の交際が始まった。
一臣との蜜月で、結子はえもいわれぬ幸福感に包まれていった。
相性が良いというのはこういうことか、と結子は思った。
それは結子という型に一臣という存在が寸分違わず滑らかにはまる心地良さだった。
一臣といると結子の心は柔らかく解きほぐされ、一臣と抱き合うと2人の体が融け合っていく快感を覚えた。
…運命の人。
結子はそう思った。そしてそれは一臣も同じだと思った。
「お母さんに会わせたい人がいるの」
結子が奈緒美に一臣との交際を打ち明けたのは、奈緒美の誕生日の夜だった。
結子は過去の恋人を母親に紹介したことがない。
それは気恥ずかしさのせいもあったが、所詮は親に会わせるほど深い関係でもなかったからだ。
しかし一臣は別格だった。
それから約1ヵ月が過ぎ、奈緒美と一臣の初顔合わせの日を迎えた。
職場に戻る途中で結子の携帯電話が鳴った。
【わかりました 私の方が帰りが早そうだから 待ってます】
母親からの返信メールだった。
夕刻になって結子が更衣室を出たときに一臣からメールがきた。
【俺はもうすぐ退社できるよ 結子は大丈夫?】
【お疲れさま~私も着替えてきたとこだよ】
結子は素早くメールを返した。
2人は品川で落ち合い電車に乗り込んだ。行き先は、結子の母親が暮らしている藤沢。
車内は帰宅ラッシュですし詰め状態だった。
結子が押し潰されないようにと一臣が気を遣ってくれるのが嬉しかった。
「藤沢って江ノ電の駅だよね。海沿いを走ってるんだっけ」
藤沢駅が近づくと一臣が瞳を輝かせて言った。
「そうだけど、残念ながらうちは北部の方だから江ノ電じゃないよ」
「そうかあ…子供んときに乗ったきりだけど、今日また乗れるかと思ってたんだ」
残念そうに言う一臣は本当に少年のようで、結子は心がくすぐったくなった。
2人が奈緒美の待つ家に着いたのは夜の7時になる頃だった。
築40年のこの家は外観こそ年季の長さを感じさせるが、陽当たりも良くて住み心地は申し分ない。
玄関前に立つと急に懐かしさがこみ上げてきた。
東京で独り暮らしを始めた3年前まで結子もここに住んでいたのだ。
呼び鈴を鳴らすと母親の奈緒美が出迎えてくれた。
「結子、お帰りなさい。まあ久谷さんも遠いところお越しくださって、ありがとうございます」
「はじめまして、久谷一臣と申します。結子さんとお付き合いさせていただいてます…」
やや緊張の面もちで頭を下げる一臣を結子は笑いながら促して部屋へ上げた。
食卓には料理がずらりと並んでいた。
「すごい!お母さん、この刺身盛り随分と豪勢じゃない」
「娘が彼氏連れて来るんですって言ったら魚成のおじさんがサービスしてくれたの」
幼い頃、魚成の店先でよく遊んでいた。優しい店主は結子にとって祖父のような存在だった。
「結子ちゃんがお嫁にいく前祝いだって…」
言ってから、結婚を示唆する言葉だったと気づいた奈緒美は“しまった”という顔をした。
「…まあ、それより食べましょうよ」
奈緒美は曖昧に笑って話を終えた。
初めての顔合わせで親に結婚の話をされては一臣も困るだろうと思ったのだ。
そんな奈緒美の様子を見て、一臣はひとつ咳払いをして口を開いた。
「僕は結子さんと結婚したいと思っています。ですから、今日はお母さんに結婚のお許しをいただきたくて参りました」
一瞬、3人は静寂に包まれた。
「久谷さん…」
奈緒美は凪のように穏やかな口調で一臣に話した。
「結子からお聞きになっているでしょうが、この子は父親がなくて育ちました。
片親の子でも世間様に恥ずかしくないようにと育てたつもりです。親の欲目かもしれないけれど実直で優しい子だと思います。
勿論、至らないところも沢山あると思いますが」
母親の独白に結子は胸が熱くなるのを感じた。
奈緒美はゆっくりと一臣に頭を下げた。
「ふつつかな娘ですが、どうぞよろしくお願いします…久谷さんと一緒に幸せな家庭を築かせてやってください」
その日の夕食は結子と奈緒美にとって本当に楽しい時間だった。
初めは緊張を解すためにビールを早いピッチで飲んでいた一臣も、酔いがまわるにつれて陽気に喋りだした。
そして結子は一臣以上によく飲んで楽しそうに喋る母親を初めて見た。
母親と2人の食卓が当たり前だったから、こうして一臣という男性が加わった家族団欒は結子には新鮮なものだった。
「明日お休みでしょ?部屋は空いてるんだし、久谷さん泊まっていきなさいよ」
酔って眠たそうな一臣に声をかけると奈緒美はさっさと四畳半に布団を敷いた。
「結子の布団もここに敷く?」
いたずらっ子のような目でそんなことを言う母親を、結子は可愛い人だと思った。
「…ううん」
結子は奈緒美を見つめて微笑んだ。
「今日はお母さんの隣で寝るよ」
布団を並べて母娘は横になった。
天井の板目を見上げながら結子は幼い頃のことを思い出していた。
奈緒美は幼い結子に、夜になったらあの天井からおばけが出てくるよと話して聞かせていた。
怖かったら目を瞑りなさい、おばけは行っちゃうから…
結子は布団に入ると言いつけ通り目を瞑り、そのまま眠りについてしまうのだった。
「あれって早く私を寝かしつける為だったんだよね」
奈緒美はふふっと笑った。
「あの頃は夜遅くの仕事もしてたからね。結子が起きてると行くなって泣くから」
枕元の時計は午前0時を差している。
「お母さんさあ…」
結子は奈緒美の方へ寝返りを打った。
「これからは私に気兼ねしないでいいから、お母さんも第二の人生楽しみなよ」
「なあに、急にそんなこと言って」
笑って取り合わない奈緒美に結子はなおも続けた。
「だってずっと独りだったじゃない。老け込む前に誰かいい人がいたら結婚して幸せになってよ」
結子は自分の結婚が秒読み段階に入り寛容な気持ちになっていた。
そんな幸せな自分と比べ、苦労を重ねて若く美しい時代を謳歌できなかった母親が不憫にも思えた。
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