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豹牙鬼( ♂ CSn8h )
13/07/24 13:47(更新日時)

猫妖精ケット・シーと、妖精王クー・フーリンの息子、ルー・フーリンの戦いと冒険を描いた王道ファンタジー『王族な猫』をこれからもよろしくお願いします🙇


ではでは😸ニヤリ

No.1162334 09/09/15 21:51(スレ作成日時)

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No.51 10/05/14 07:33
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 27 ふいに―― ざわり、とした悪寒を老グリフォンは感じた。 何か得体の知れぬ禍々しい気が、グリフォンの谷全体に降り立ったかのようだ――それは、生… アベル草原――


魔界からティル・ナ・ノーグへと降り立ったベルゼビュートと、従者二人は、どこから手をつけてよいものか思案していた。
能力を採取するグリフォンを探すにしても、広大な妖精界をやみくもに探索するのは、時間と労力のムダだ。が、しかし、その心配は無用だった。
魔界からの来訪者たちの視界には、天空を飛翔する老グリフォンの姿が写っていたのだった。
〈これは、これは――飛んで火に入る何とやらだな〉
悪魔のエリートは、口の端を上げ、シニカルな薄笑いを浮かべた。

No.52 10/05/24 09:03
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 51 老グリフォンが草原に降り立った。
《魔界の悪魔どの、とお見受けするがティル・ナ・ノーグには、どのような目的で参られた!?》
質問を投げかけられたベルゼビュートはニヤリと笑い、
〈観光に見えるか、 老いぼれ?〉
《若僧が、こちらが紳士的に振る舞っておれば、調子に乗りおって!》
ガルフォンが威嚇せんと鳴いた。
〈俺様の名はベルゼビュート――魔界の帝王になる男だ。グリフォンよ、貴様の魔獣の能力をもらいうける!〉

No.53 10/06/02 18:34
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 52 《何ッ! どういうことじゃ?》
ガルフォンが怪訝な顔になる。
ベルゼビュートの左右にいたレオナールとオセが老グリフォンの問いかけに答えた。
【オーホッホ、こちらにおわすベルゼビュート様は、自身が食べた魔獣の能力を取り込むことが出来るのよ】
と、高笑いしながら三本角の山羊悪魔が言った。
「そう、そしてベルゼビュート様が取り込んだ魔獣や悪魔は、すでに十数体――そこのグリフォン……お主も我が主を肥やす運命にある!」
と、豹頭人身の悪魔。
《なるほど、貴殿らは無礼な客人らしいな。だが、果たして、そう、上手くいくかな――》
ガルフォンが両翼を広げ、戦闘態勢に入った。

No.54 10/06/06 05:42
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 53 【ここはベル様が出るまでもありませんわ。私とオセで、この生意気な爺さんを血祭りにして、差し上げますわ】
レオナールの両爪が変形し、長く放射状に伸びる。
〈面白い。お前らで、このグリフォンを諫めてみろ〉
と、腕組みしながらベルゼビュート。
「御意」
オセは腰の双剣に手をかけ、いつでも抜刀出来る態勢へと入っている。
【ではでは、私の自慢の特殊能力、ラスティ・ネイルで切り刻んであげるわっ】
両爪を交差させたまま、レオナールが宙へと舞った。

No.55 10/06/09 18:25
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 54 老グリフォンは、とっさに後方へ飛び退く。
レオナールの魔爪は、かすかにグリフォンにかする程度だった。
《こんなものか》
【いいぇえ、ご老体――お楽しみは、これからよ❤】
山羊悪魔が、いやらしい笑いを浮かべた。
瞬間――ガルフォンの体に異変が起きた。
《グッ! 毒かっ!》わずかだが、ガルフォンは麻痺状態に陥った。だが、戦闘においては状態異常は命取りとなる。
【ご明答、このラスティ・ネイルで神経系の毒を注入して差し上げた所よ】

No.56 10/06/10 02:11
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 55 《ただのオカマ悪魔かと思いきや、なかなかやりおる》
魔獣が不敵に笑った。
【オカマは余計でしてよ。お構いなく】
【私ばっかり楽しんでも悪いから、オセ――このクソ生意気な爺様の、お相手をして差し上げて】
豹頭が双剣を抜き放つ。
「せっかくの魔獣戦、我にも楽しませていただこう」
オセが舌なめずりし、双剣を振り回しデモンストレーションをしてみせる。
《こしゃくな若僧どもめ、まとめてかかって来い!》
グリフォンが吼えた!

No.57 10/06/10 07:02
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 56 ガルフォンが上空へと飛び出した。
地上戦では、グリフォンの攻撃力が制限されてしまう――ゆえに魔獣は上空へと戦いの舞台を移動したのだった。
〈良い判断だ〉
「レオナール、背中を借りるぞ」
言うやいなや、双剣の剣士はレオナールの背を踏み台に、大空高く舞い上がり、ガルフォンの右翼へと双剣を放った!
あらゆる角度から繰り出される双刃の乱舞に魔獣の剛翼は切り刻まれ、流血が飛び散った。
が、老獪なグリフォンも最大の武器である鉤爪でオセの腹部に置き土産を忘れてはいなかった。
バランスを崩した豹頭の悪魔は真っ逆さまに地上へと叩きつけられた。
寸前にオセは受け身を取ったが、ダメージは浅くなく、脇腹に傷を負っていた。
「……さ、さすがに天空を統べる魔獣の王と謳われるだけ、のことはある……」
《ぬかせっ――貴様の双剣こそ、あれだけ短い滞空時間に、このワシに百を越える斬撃を食らわせるとは……敵ながら見事ぞ!》

No.58 10/06/13 06:49
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 57 ガルフォンがベルゼビュートらと相対している頃、グフはリサと洞窟内で留守番していた。
〈チェッ、オラだけ留守番なんてずりぃや〉
幼いグリフォンは、器用に舌打ちしてみせる。
〔グフ様を危険な目に合わせたくないのですわ〕
と、しゃべる斧。
〈そんなの、オメーに言われなくてもわかってるだ!〉
〔オメーじゃなくて、リサですわ。グフ様〕
斧リサは忍耐強く、グフを諭そうとした。
〈斧なんかにオラのバリケードな気持ちがわかってたまるかっ!〉
〔それをゆーならデリケートだろがっ! この甘ったれ! グジグジ心配するぐらいなら、とっととガルフォン様のとこへ行って来い!〕
〈そらぁ、名案だ。オラ、ちょっくら、アベル草原に出かけてくるだ〉
まるで鉄砲玉のように、グリフォンは洞窟を飛び出して行った。
〔グフのアンポンタン! アタシも連れてけ!〕
残されたリサのグフを恨む叫びが、洞窟内に木霊となって反響した。

No.59 10/06/17 15:12
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 58 《ハァ、ハァ……》
ガルフォンは次第に吐く息が荒くなるのを自覚していた。それもそのはず、レオナールの特殊能力による麻痺と、オセの斬撃のダメージによる出血多量で、老グリフォンは、かなりの深手を負っていたのだから。
〈息が荒いようだな、ご老体。さっさとあきらめたら、どうだ?〉
と、ベルゼビュート。
《これしきの傷なぞ、屁でもないわ!》
【へぇ~、まだやるの? ベル様の言う通り、さっさとあきらめたら――私の爪も荒れちゃうし、時間のムダよ】

No.60 10/06/17 20:55
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 59 《貴様の汚らしい爪なぞ、どうでも良い! 山羊は山羊らしく、そこの草でも食べていろ!》
ガルフォンが首を巡らし、アベル草原全体を差した。
【あらあら、ずいぶんな言いようね。超久しぶりにカチンと来ちゃったわ! グリフォンの爺い……アンタは跡形もなく、切り刻んで、ささみにして食べてあげるわ!!】
と、語気荒くレオナール。山羊悪魔は怒りで顔を紅潮させ、自慢の爪で首をかっきる仕草をした。殺すぞ、という意味だ。
《お構いなく》
ガルフォンが嘲るように笑った。
レオナールをからかったのだ。
【ん、まぁ! アンタ――確実に死刑確定よ! 楽には、殺さないから、覚悟なさいっ!!】
山羊悪魔は怒髪天の勢いで、まくしたてた。
ベルゼビュートとオセは、今のやり取りを聞いて、くすりと笑った。

No.61 10/07/01 20:04
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 60 グリフォンたちの住まう谷は、居住区としての無数の洞窟から成り立っている。
アベル草原は、その真上に位置していた。
飛び出したグフは、魔界から来た三人と祖父を見つけ出すのに、大して時間はかからなかった。
〈居ただ! あそこだな!〉
見ると、ガルフォンは右の翼を血だらけにしながら、上空に留まっていた。下方には、豹と山羊の頭部を持つ悪魔と、金髪・緑眼の人型の悪魔とが佇んでいる。
視界に青いグリフォンを認めたベルゼビュートはニヤリとした笑いを浮かべ、
〈毛並みの変わったグリフォンだな。魔獣相手なら、腕の一本は捨てる覚悟でいたが、たやすく能力を手に入れられそうだ〉

No.62 10/07/14 05:22
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 61 ガルフォンは飛翔するグフの姿を認めると、深い溜め息をついた。
(このバカ者めが)
一方、グフは傷ついたガルフォンを見て、魔界からの来訪者たちに激しい怒りを覚えていた。
〈……オメーら、オラのジイちゃんに何をしただっ!〉
グフの怒りが頂点に達した時、さらなる変化がグリフォンに起こった。青かった毛並みが瞬時に赤くなり、双の眼は妖しいトパーズの輝きを帯びた。
グフの変化に気づいたベルゼビュートは、またしてもニヤリと笑った。
〈混じりもののグリフォンか。面白い。ティル・ナ・ノーグなど退屈極まりないところだと思っていたが、見解を改める必要がありそうだな〉
どうやら、悪魔のエリートは新しい玩具をティル・ナ・ノーグに見いだしたようだった。

No.63 10/07/22 00:54
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 62 赤いグリフォンは、ガルフォンを守るかのように、悪魔たちの眼前に立ちふさがった。
翼を上下に動かし、ホバリング状態のグフは、ベルゼビュートらをぬめつけ、
〈オラのジイちゃんにケガさせたのは、どいつだっ!〉

No.64 10/07/29 05:01
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 63 【まったく、ティル・ナ・ノーグって所は騒々しいわね。ジジイの次は、ガキの登場ってわけ?】
と、肩をすくめながらレオナール。
グフが山羊悪魔をギロリとにらみつける。
〈オメーか!?〉
【だったら、どうだって言うの、おチビちゃん。アンタの爺様があんまり生意気なんで麻痺毒を注入してあげただけよ。何なら、おチビちゃん、アンタもイッとく?】
〈オメーは、ぶっ飛ばす!〉
赤いグリフォンがレオナールを急襲する!
深紅の矢と化したグフはレオナールの長爪に狙いをつけた。
《よせ! グフ!》
【な、何っ!?】
ガルフォンが叫ぶのと、レオナールが驚愕の声を発したのは同時だった。
硬質化したグフの右翼がレオナールの左の長爪を根こそぎ刈り取った!
〈へへん、まずは片方だな〉

No.65 10/09/08 03:43
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 64 【キャアアアア! わ、私の爪がっ、爪がっ、爪がっ!!!】
レオナールはショックのあまり発狂したかのように絶叫した。
【――なめた真似してくれるじゃない、グリフォンの坊や……アンタは極刑で磔にしてやるわ!】
レオナールの右爪が、さらなる変化を遂げる。
【第二形態、スパイダー・ネイル!】
特殊能力を戦闘に特化させた第二の形態が発動し、蜘蛛の巣状に伸びたラスティ・ネイルが赤いグリフォンを絡め取った!

No.66 10/10/09 09:03
豹牙鬼 ( ♂ CSn8h )

>> 65 〈ふんぎぎぎぎ!〉
グフは渾身の力を両翼に込める。
ミシ、ミシ!
レオナールの蜘蛛爪でさえ、怒ったグフを押しとどめることは出来なかった。
ラスティ・ネイルのいましめを破った赤いグリフォンは、腕組みしたベルゼビュートへと襲いかかった!
グフの奇襲を予期していたビュートは、片手でグリフォンの頭部を鷲掴みにし、力まかせに草むらへ投げつける。
ズザザザザ、と言う摩擦音を立てグフは数百メートル以上投げ飛ばされたのだった。
ベルゼビュートはニヤリと笑い、
〈俺様の部下が世話になったな、グリフォンのガキ。お仕置きの時間だ。かかって来い!〉

No.67 11/08/17 00:00
なおさん ( 40代 ♂ eqOJh )

豹さん、閉鎖されるよ。何か書いて。

No.68 11/12/27 11:26
なおさん ( 40代 ♂ eqOJh )

豹さん、レスしないと閉まるよ~…✋

No.69 12/11/20 21:49
なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

そろそろ上げ⤴

帰ってこ~い

No.70 13/07/14 17:09
エロ神なおさん ( 50代 ♂ eqOJh )

閉鎖を防ぐスレ。

ヽ(゜▽、゜)ノ
下ネタ書こうかな。

No.71 13/07/24 13:47
名無し71 

>> 70
(///∇///)v ニヤリ

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