割り箸戦争2009
テレビでお笑い見てたらギャグ小説が書きたくなりました。
誹謗・中傷は勘弁して下さい🙇💦
感想はこちらになります👇
http://mikle.jp//story/dispthread.cgi?th=2382
では皆さん、行ってらっしゃーい😁
不定期更新ですが、そんなに長ったらしい物語にはならないと思いますので😏
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……序章……
西暦2009年――
地球は、温暖化による弊害に悩まされていた。
更に、百年に一度の不景気。
スーパースターの、
突然の死去。
地球は、暗雲に包まれた。
だが今ここに、
そんな荒野を生き抜く、
一人の男がいた……!
👊1👎
「ひっひっひっ……おい見ろよ……!美味そうな冷凍からあげクンの試食がやってるぜ……」
「ヒャッハッハッ……本当だ、しかも店員が一人もいやがらねぇ……」
「俺たち三人で、全部食っちまおうぜ……ひっひっひっ……」
今日もまた、
不況の波が生み出した、
オヤツ難民小学生達が、
聖地・スーパーマーケットを荒らしに来ていた。
「ひゃっほぉぉぉうッッッッ!!!
からあげクンを一度に二つも食っちまったぜぃ!!!」
「俺なんか三つだぜぃッッ!!!!!
ひっひっひっ」
「ん……おい、見ろよ」
「「あっ……!?」」
三人の視線の先には、
ウィンナーソーセージの試食が用意されていた。
そして、それを美味そうに食べている少年の姿。
三人は不適な笑みを浮かべ、
少年の方へ歩み寄った。
「ひっひっひっ、おいお前、
美味そうな物を食べているじゃないか……ひっひっひっ」
「あ……な、なんですか、
あなた達は!?」
「コイツは俺達が頂く……テメェは家に帰ってヨッチャンイカでもしゃぶってな!!!
ヒャッハッハッ!!!」
「そ……そんな……僕だって、
不景気だからオヤツが無くて困ってるんです!!!」
👎2😹
「うるせぇッッ!!!!!」
小学生Aは、少年の背中に
変なオジサンのシールを貼り付けた!
「ウワァッッ!!!
何をするんですか!!!」
「うるせぇッッ!!!
ここは俺達の餌場だ。
大人しく出て行きな!!!」
「う……ひどい……このシール粘着力が強くて剥がれないじゃないですか」
「クックックッ、
お前のような雑魚に使うのはもったいない、俺の最強奥義。
その名も
《悪魔の粘着(グランド・キャニオン)》だッッ!!!!!」
小学生Aの最強奥義の前に、
少年は抵抗する術など無かった。
(ダメだ……僕じゃこの人達には適わない……!!!
一体どうしたらいいんだッッ!!!)
すると、
背後から人の気配を感じた。
見ると、そこには
一人の男が
歩み寄ってきていた。
「三人でよってたかって、
ウィンナーの横取りか……」
その男は開口一番に、そう呟いた。
「あん……?
なんだテメェは!!」
😹3👍
その男は、
おそらく小学生だろう。
しかし、彼の放つおぞましい威圧感は、
とても小学生のものとは思えなかった。
「……お前達、
よってたかってウィンナーの独り占めなど、
この俺が許さん」
「生意気言いやがって、
お前、俺達を知らないのか?」
「『極悪トリオ』だぜぃッッ!!!!!
ヒャッハッハッ!!!!!」
「スカート捲り、
ピンポンダッシュ、
掃除のサボリ、
悪いことで、やってないことは何も無いんだぜッッ!!!
ヒャッハッハッ!!!!!」
(な……なんて悪なんだ……
この三人……
(色んな意味で)凄く危ない人達だったんだ……!!)
少年は、恐怖のあまり震えが止まらなかった。
こんな危険な三人組に、たった一人で立ち向かったところで、絶対に適うはずがない。
少年は、男の手を引いた。
「逃げましょう!!!
こんな危ない人達に、適うはずがないよ!!!」
しかし、男は動かなかった。一度、少年の方を振り返ると、そっと彼の頭に手を添えた。
「少年……安心しろ。
コイツらは俺が倒す」
👍4💔
「ほざけぇぇぇぇぇえッッ!!!!!」
突然、小学生Bが
ものすごいスピードで飛びかかってきた!!
右手には、ビニール袋が握られている……!
「ビニール袋……!!?」
――『ビニール袋』――
古来より、給食の余ったパンなどを持って帰る際、非常に重宝されてきた由緒正しき日用品である。
――――――――――――
「いけないッッ!!!
そのビニール袋は危険だッッ!!!!!」
少年は男に叫んだ。
しかし、時――既に遅し。
小学生Bがスゴい勢いで
右手のビニール袋を振りかざしてきた!!
そして、男の顔の近くで勢いよく、そのビニール袋を爆発させた!!!――
「―――うわぁぁぁあッッ!!!!!」
鈍い破裂音に、少年は思わず耳を塞いだ。
「ヒャッハッハッ!!!!!
見たか!!?
コレが俺の最強奥義――
《地獄の爆音(ヘル・ノイズ)》
だぁぁぁぁぁあ!!!!」
――ビニール袋は、一見単純な日用品である。だがそれは、
ときに凶悪な凶器にも変わる。
中に空気を溜めたビニール袋は強い衝撃を与えたとき、地獄の爆音を生み出すのだ……!!!
💔5👨
「……軽いな……」
「なぁにぃッッ…………!!!」
少年が目を開けると、
其処には涼しい顔で佇む男の姿があった。
男は至近距離であの大技を喰らったにも関わらず、
一切、
姿勢を崩していなかった。
「バ………バカな………!!」
「お前の爆音など、
マルチーズの屁にも劣る」
「……なっ……」
小学生Bは、その場に座り込んだ。
男の一言で完全に戦意を砕かれたのだ。
「うぉい、TAKASHIが
やられたぜ!!
どうする、KIYOSHIッッ!!?」
『TAKASHI』と言うのは小学生Bの事だろう。
「んぬぅぅぅぅうおお!!!
TAKASHIの分も、
俺がぶっ潰してやるッッ!!!!!」
KIYOSHIこと
小学生Aが上半身裸になり、
大声で叫んだ。
👨6🍺
「あ……あれは……ッッ!!!??」
「フヒャハハハハハッッ!!!!!
見たかぁ、俺の肉体をッッ!!!!!」
小学生Aの異様な姿に、
少年は震えが止まらなかった!!
「ひ…日焼けしてる……ッッ!!!!
そんな……まだプール開きの時期じゃないのに……ッッ!!!!」
小学生Aの肌の色は、
シャツの下にも関わらず、
コンガリ日焼けしていたのだ!!
「ヒャッハッハッ!!!
どうだ、見たかッッ……!!!
俺は外で遊ぶとき必ず上半身裸になる。自然と一体化するためにな!!!
おかげで……クックックッ……この最強の肉体を手に入れたんだぁッッ!!!!!」
「ぐっ………!
なんて、非科学的なんだ……!!」
小学生Aの暑苦しさの前に、
少年は悪寒すら覚えた!!
だが一方で男は、
まるで表情一つ崩さず、
黙って小学生Aを睨んでいた。
「……くだらんな」
「ああッッ!!?」
「ゲームやテレビに没頭し、
家から出ない平成男児に比べれば、お前はまだ評価に値する。
だが、その力を悪事にしか使えんお前の考えが、実にくだらんと言ったのだ」
🍺7😹
「聞いたような口きいてんじゃねぇぇぇぇえッッ!!!」
小学生Aが、
瞬身の如く速さで
男に飛びかかった!!!!!
「喰らえぃッッ!!!
《悪魔の粘着
(グランド・キャニオン)!!!》」
「あぁッッ……!!
アレは僕が喰らった技だ…!!」
相手の隙を突き、一瞬でシールを貼りつける奥義、
<悪魔の粘着(グランド・キャニオン)>
特別製の粘着力を誇る、
『変なおじさんシール』を貼りつけることで、相手の精神力を削ぐ危険な技である。
先ほど少年の背中に貼られたシールも、未だに付着したままである。
「俺のシールは、なかなか剥がれねぇぜッッ……!!!
イッヒッヒッヒッヒッヒッ!!!」
男の背中は隙だらけ、
避ける暇もなく、
男は、背中に
変なおじさんシールを三枚も貼られてしまった……!!!
「っ…………!!!」
少年は目を瞑った。
そのあまりにも恐ろしい光景を直視することが出来なかったからだ。
だが、それは杞憂に終わった
少年が目を開けると、
そこには信じられない光景が広がっていた!!
「……ば……
…ばか…な………っグフ……」
😹8👿
「俺の脂汗は、
どんな粘着剤にも勝る」
そう言った男の背中は、確かに脂汗をビッシリとかいていた。
暑い夏の日に、近所の公園で
セミ採りをしている小学生達のように、男は尋常では無い量の汗をかいていた。
「っ……まさか、俺の……
《悪魔の粘着(グランド・キャニオン)》
が敗れるとは………!」
「あ……ありえない…………
まだ6月なのに……あんなに汗をかく小学生がいるなんて……!」
少年は、
あまりの衝撃に、その場に座り込んでしまった。
男は何も答えない。
Tシャツの背中部分が汗で濡れており、まるで世界地図を象っているかのようだ。
それを見た小学生Cが、次の瞬間、両目を開いて震え始めた。
「そ……その世界地図………
まさか……お前……!」
(……な、なんだろ?
あの人、急に怯え始めた……)
少年は、すぐさま小学生Cの
異変に気づいた。
「俺のことを、知ってるのか?
なら話は早い。
今すぐ立ち去れ。
そうすれば、見逃してやっても良い」
👿9👼
怖じ気づく小学生C。
それを見据える少年と男。
事態はコレで解決したかに見えた。だが――
「ファハハハハ!!!
まさかこんなところで伝説の男に会えるとは!!!!
面白い。お前を負かして、
俺が御宮流(ミクル)小学校の新たな伝説になってやる!!!!!」
そう言うと、
男は両ポケットから、
恐るべき得物を取り出した!!!
「……ヒヒヒヒヒヒ…………
俺のネリケシわぁ、よぉく伸びるぜぇぇぇえぇ!!!!」
「あっ……あれはネリケシ!!!
な……なんて大きさだ……!」
―――――ネリケシ―――――
消しゴムの消しカスを集め、
それを練り合わせることによって出来あがる、粘土状の物質である。いつの頃からか、小学生達の間ではネリケシの大きさを競い合う風潮が生まれた。
――――――――――――――
「ヒャハハハハハ!!!!!
どんなにお前が汗かきで我慢強かろうがな、俺のネリケシの 前には手も足も出ないだろう!!」
小学生Cは、そのボタン電池サイズのネリケシ球を手のひらで転がして、長い麺状に伸ばしてみせた。
「ヒヒヒ……ほら、見ろ!!!
こぉんなに伸びたぞ………ッ!! ヒャハハハハハハハハ!!!」
👼10💡
約13cmに伸ばしたネリケシを、男の目の前に突きつける小学生C。
それをそばで見ていた少年は、ネリケシのあまりの威力の前に吐血して倒れてしまった!!
「グハッ……!」
「――っ……少年ッ……――!!」
「イーッヒッヒッヒッ!!!
もうお終いかぁ!!?
俺のネリケシの前に……適うヤツなんざ、いねえんだよ!!!」
床に倒れた少年を、男はソッと抱きかかえた。
「……少年……」
「か……勝って下さい……アナタはこんなところで、ハァ……ハァ……負けちゃダメだ」
「ヒャハハハハハ!!!
雑魚が、虫の息じゃねぇかッッ!!」
小学生Cのその一言に、
男がピクリと反応した。
少年を、そっとその場に寝かせると、ユックリと立ち上がり、
次の瞬間、鋭い眼光で小学生Cを睨みつけた。
「……お前に、ネリケシを語る資格も、この少年を罵る資格もねぇ……」
「あ……?」
小学生Cが男を睨み返す。
だが、男の異様な威圧感が、
そんな彼の挑発的な表情を歪ませた。
「お……俺は、クラスの中じゃ
『ネリケシ・キング』と呼ばれてる!!!
俺にネリケシを語る資格がないと言ったなぁ……後悔させてやるぜぇぇぇえぇッッ!!!」
💡11👄
「……やってみろ」
そういうと、男は突然、短パンのポケットから何かを取り出した。
とっさに、小学生Cは身構えた。
「へっ……一体何かと思えば……」
男が短パンのポケットから取り出したのは、
どこにでもある、普通の市販の消しゴムだった。
使い込んでいるようで、角が丸みを帯びており、少し黒ずんでいて汚い。
「それでいったい何をしようって言うんだ?
まさか、食うんじゃねぇよな?ヒャハハハハ!!
伝説の男が聞いて呆れるぜッッ!!!!!
俺は認めねぇぜ、お前があの……伝説の『食キング』だなんてなぁぁぁぁぁッッ!!!!!!!」
小学生Cは、ネリケシを掌に乗せると、物凄い勢いで転がし始めた。
どうやら、ネリケシで何かを作ろうとしているらしい。
そして出来上がったのは、独特の形をした造形物だった。
「喰らえぃッッ!!!
――俺の、ネリケシ造形最強奥技の一つ
『ビッグバン・クラスタァァァァァァァァァァァア!!!!!』」
👄12👂
小学生Cは、謎の造形物を掌に乗せ、男の目の前に突き出した!!
お世辞にも上手いとは言えない作品だが、
全体の絶妙なフォルムとバランスが、匠のこだわりを実に見事に表現している逸品だ。
「どうだぁぁぁぁぁ!!!
コレが俺の最強奥技だぁぁぁぁぁぁあッッ!!!!
いーーーッひッひッひッ!!!!!
デブめ……ここまでよくやったと言いたいところだが、この俺が宇宙最強だッッッ!!!!!
WRYYYYYYYYYYY!!!」
もはや、オリジナリティの欠片もなくなってしまった小学生C……。
そんな彼を、男は悲しそうな目で見据えた。
「愚かな……自分を捨ててまで、最強の名が欲しいか。
だが……心に愛の無い人間に、この最強の名を譲る訳にはいかん」
そう言うと、男は掌の消しゴムをギュっと握った。
途端、得も言えない威圧感が空間を支配した――
その瞬間、得体の知れない悪寒が小学生Cを襲った。
👂13✏
(……っぬぁんだ……!!?
この異様なオーラはっ……)
小学生Cは固唾を呑んだ。
そして、彼の額を一筋の汗が伝い落ちた、次の瞬間――
「お前はもう、死んでいる」
その、男の言葉と同時に、
小学生Cの眼前には、
湯気の立ちこめた、
ピン球大のネリケシが出来上がっていたッッ……!!
それを見た瞬間、
小学生Cは全身の力が抜けたように、その場に座り込んでしまった。
「ばっ……ばかなッ……!!
消しゴムを握っただけで、ネリケシに変えただと!!?
あり得ん!!!
そんなマンガみたいな話があってたまるかッッ……!!!!」
男の荒唐無稽な芸を目の当たりにし、
小学生Cは、
とうとう現実的な思考に逃避し始めた。
だが、
もう遅い。今更どんなに彼が否定しようとも、
起こった事実を覆すことは出来ないのだ。
男は、自身の汗と握力で、市販の消しゴムをネリケシに変えたのだ。
✏14📹
「グハァッ……バカな……!」
小学生Cはショックのあまり吐血した!……ように見えたが、
よく見ると血ではなくヨダレだった。
「クックックッ……まさかこの俺が……こんなデブに負けるとはな……」
「……」
床に倒れ伏した小学生Cを、男が無言で見下ろす。
「お前の背中に浮かんだ世界地図……はぁ……はぁ……やっぱりあの噂は本物だったようだな……クックックッ。
御宮流小学校の伝説の肥満児………《食キング》……」
小学生Cは口元に不適な笑みを浮かべると、男をあざ笑うかのように一言言い放った。
「フフフ……ここで俺達を倒したところで、何も変わらんぞ。
腹を空かせた猛者どもは、まだまだたくさん蔓延(はびこ)っているんだからな………クックックッ」
そう口にすると、小学生Cは静かに目を閉じ、気を失った。
📹15✨
男は暫く無言のまま、その場に立ち尽くしていた。
「……それでも俺は、全国の小学生のために闘いつづけるさ」
そう言うと、男は気を失っている少年のもとへ駆け寄った。
「少年」
「うっ………あれ………?」
男に起こされながら、少年はゆっくりと立ち上がった。
どうやら体に異常は無さそうだ。
少年は一度辺りを見渡すと、一瞬で状況を理解したようだ。急に、パッと明るい表情になった。
「……勝ったんですね!」
男はただ無言のまま、軽く微笑んだのだった――
――「悪いのは、あの小学生達じゃない。彼らを作り出した、この世の中だ」
男が、去り際に残した一言だった。
2009年、世界は百年に一度の経済危機に陥っていた。
押し寄せる不況の波は、オヤツ難民・小学生達の横行を生み出していた。
そんな荒れ果てた世の中を生き抜く、一人の男がいた!!
📹割り箸戦争2009――完――📹
あとがき
読者の皆様、
最後まで読んで下さり、ありがとうございました🙇✨
長々と付き合わせてしまって、どうもすいませんでした!!
おそらく、ほとんどの方が
『タイトル全然関係無いじゃん』と思われたことでしょう。
自分でも、書き終えてから気づきました。
まぁ、それは置いといて……。
さて、ところで本編の最後に
『割り箸戦争2009・完』と書いてしまいましたが……たぶんそのウチ、またネタが出来たら続きを書くと思います。
あるいは、全く別のギャグ小説を書くか……。
とりあえず今回は、
《第一話・完》とでも考えて下さい。
いつになるかは分かりませんが、どうか期待せず、続きをお待ち下さいませ。
ではでは、失礼しました🙇
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