―私の猫は3度死ぬ―(小説)
リリィです。
他サイトで小説及びホムペを作成しているため、あまり更新はできませんがノンフィクション小説を書こうと思います。
テーマは動物。
こんな小説もありですよね?
感想は気軽にこのスレにして下さって結構です。
ノンフィクションですので中傷はプライバシーの侵害になりますので遠慮願います。
また、リアルの主を知ってる!と言う方は見るのをご遠慮して下さいませ。
また『死ぬ』という言葉に嫌悪を抱かれた方は読むのを控えた方が宜しいかと存じます。
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―>この話は我が家に猫達が来る時に母親が拾うまでの話です
それは突然の出来事だった。
雨。私はその雨に濡れながら道を足早に歩いていた。
傘が無いのだ。
コンビニで買おうと計画をしていたのだが、財布は家へ置き忘れてしまっていた。私は溜め息が出た。
『―ずぶ濡れなお姉さん、大丈夫?』
そんないかにも『ずぶ濡れ』な私に誰かが声を掛けてきた。振り向くと傘を差した男性が立っている。
お姉さん?私の事?
私は今では会社では『オバサン』で通ってきたために『お姉さん』と呼ばれるのは久しぶりの事だった。男性の近くには私しかいなかった。
『傘、いる?』
男性はそう言うと差していた傘を差し出した。
今すぐにでも借りたい、と思ったが見知らぬ男性に借りるのも夫に何か言われそうだったため私は首を振った。
しかし男性は私に傘を押し付けるとそのまま走り去ってしまったのだ。
さしずめ、その時はどうやって返そうか悩んでいただけなのだが私は後になってこの『傘を受け取る』という意味を知る事になる。
>> 1
男性が去るとその場所にぽっかりと空間が生まれた。
『ミャア』
その空間から何やら生き物の鳴き声。私は腰を抜かしそうになった。そこには先程の男性のものなのかあるいは見付けただけなのか小さめのゲージが置かれていた。
その周りには黒い布が貼られている。
上から覗くとそこには布と布の間に小さな猫が4匹いた。
『キャッ』
私は小さく叫んだ。
何を隠そう、私は湿疹が出る程に猫が苦手なのだ。
甘ったるいあの何とも言えない声で鳴かれると頭が参ってしまう。
『ど…どうしよう』
私は迷った。いつもなら雨にあたらないようにしてからそのまま放っておくのだがなぜか今回はできなかった。
なかなか足が動かない。
上を見上げると男性の傘があった。
(きっとあの人の猫なんだわ…なんて無責任なんでしょう)
私は少々怒りを感じたが『傘を借りた』ためになぜかその責任は自分が果たさなければいけない気がしてきた。
何時間か経ち、私はあのゲージを持って息切れしながら家の玄関に立っていた。勿論、少しばかりの湿疹が出ている。
『ミャア』
中の猫が呑気に鳴いた。
>> 4
『おぉー。猫じゃん』
重和が目を輝かせ、ゲージを開けた。重和は中学3年生だ。
夫の孝平はあまり興味が無さそうに猫を見下ろしている。
『…何で拾ってきたんだ?』
孝平が冷たい口調で言う。
私はドキリとした。
傘を借りたからなんて言ったら戻して来いと言われるだろうか。
だけどこの冷たい雨の中へ戻しに行く気力もましてや雨の中に猫達をわざわざ置いてきぼりにする勇気が私には無かった。
いや、そう言うのは勇気とは言わないのかもしれない。
『家では飼わないからね』
私は孝平の問いには答えずにゲージを開けて嬉しそうに猫を抱き上げている重和と庄太郎に言った。
『じゃあどうするんだ?こんなにたくさんも…』
孝平が再び私に質問を投げ掛けた。
どうしたら良いかなんて…知らない。私は少なからず孝平の問いに苛々していた。
『とりあえず、里親探ししようぜ!』
庄太郎がニコニコと笑ったので私は思わず賛成してしまった。
この決断が正しかったのか…私には未だに分からない。
だけどきっと正しかったであろう。
長男と次男に嫁と孫ができて夫が死んで…私が姑になった時に…―確かにあの猫達は私の心の支えになったのだから。
>> 6
『兄ちゃん!母さんが猫拾ってきた!』
乱暴に開かれた扉と息切れをする弟、庄太郎を交互に見比べ俺は首を傾げた。
『しかもめっちゃちっちゃい奴!』
庄太郎は手でサイズを作ってみせた。ソレは明らかに小さすぎだったが大体の大きさの目処は付いた。
俺は椅子から立ち上がると一階へ下りた。
『里親探ししようぜ!』
今になって考えてみれば父さんは嫌そうな顔をしていたし母さんは強制に賛成せざる得なかったような気がする。それでも庄太郎だけがワイワイと喜んでいたために罪悪感はなかった。
『ラジオで?』
俺は父さんの言葉に思わず聞いた。父さんはそんな俺の言葉に軽く頷いて猫を持ち上げては何かを見ていた。
『なぁ、庄太郎。コイツ、雌だと思うか?』
父さんは猫を指差して『里親探しのポスター』を書いている庄太郎に呼び掛けた。母さんは緊急の仕事で日曜日だと言うのにいなかった。
『うん、多分ー』
庄太郎はやる気の無いような声で答える。
『よし。』
父さんはそう言うとメモ帳に大きく『雌』と書いた。
『と、父さん!無責任だよ!』
俺は言ったがもはや父さんの耳には届いていなかった。
また新しい猫を持ち上げて『性別判断』を始めた。
【感想】
とても心が和む文章の書き方ですね。
私も見習わなければいけないですね。
最近忙しくて自分のすれ書いてませんでしたけど、私も書きたくなるような気持ちになりました。
あなたの作品を楽しみに読ませていただきます。
頑張って書いてくださいね。
私も私の作品の猫たちや人たちを待たせ過ぎないように頑張って書いてみます。
『シロ~~!』
暫くして庄太郎が机の下に隠れてしまった一匹の白い子猫に呼び掛けた。
『何だその名前。』
俺が聞くと庄太郎は机の下に手を伸ばしながら
『コイツの名前。』
と答えた。ようやく机の下から出てきた子猫をゲーシに入れると庄太郎は俺を振り返った。
『こいつら、里親いなかったらどうすんの?』
庄太郎の質問はあながち俺に対しての質問としては間違いではない。
しかしそれは誰にも予測できない事だった。
『分からねぇよ。とにかく庄太郎はポスターでも書いておけ』俺は手に持っていたペンを庄太郎に投げた。庄太郎は黙ってペンを受け取るとポスターを書き始めた。
ポスターが出来上がって写真も張り付けた。俺達は直ぐに街角にある掲示板へ向かった。
『うへー。何で今日に限ってこんなにもあんだよ!』
掲示板にはぎっしりと児童館の知らせだとか犯罪者の写真だとかが貼られて、『猫の里親探し』なんて呑気なモノは貼れなくなっていた。
『うぅー』
庄太郎は犬みたいに唸って今にも涙ぐみそうだった。
『泣くなよ、馬鹿。』
俺はそう言って庄太郎の手を引き、家まで帰った。
あんなに頑張ったのに――。俺も庄太郎も悔しさに震えた。
>> 10
目を真っ赤にして帰ったら父さんが黙ってポスターを俺の手から取り外した。
『…ラジオってどんなことすんの?』
俺は庄太郎の様には泣かなかったが胸の内では弱気になっていた。
『…着いてこい』
父さんは俺の質問には答えなかったが財布とメモ帳をポケットに入れて俺と庄太郎に着いてくる様に言った。
それは地方のラジオ局だった。あまり大きく立派だとは言い難い格好の古びた建物だったが機関としては成り立っている様だ。庄太郎は初めてみるラジオ局に歓声を上げた。
父さんは俺だけに着いてこいと言うと庄太郎をラジオ局内の待合室みたいな場所に置いていった。
受付へ顔を出すとすぐに通してもらえた。
この頃の俺には父さんがラジオ局と面識があるなんて知らないものだから受付のお姉さんに父さんが脅しを入れているかの様に見えた。
『行くぞ、重和』
父さんはそう言うと俺の手を引っ張った。
狭い個室に入る。テレビか何かで見たラジオ局の雰囲気とどこか似ている気がするがあまり予想していた雰囲気よりはせかせかとさせるものは無くむしろラジオ局内だけゆったりと空気が流れていた。
- << 14 『えー…西澤さんですか?』 眼鏡をかけた男の人はだらくさそうに言った。父さんは 『はい。突然申し訳ありません』 と言い、俺の手を少しひっぱり挨拶をするようにと合図した。 『…こんちはー…。』 俺は小さく首を曲げて挨拶した。父さんはそんな俺をやや不快そうに見ていたがすぐに本題へ向かった。 『猫の里親探し…でしたっけ?…西澤さん。』 男の人はいちいち手元の書類と父さんを見比べながら質問する。俺は何かよく分からないが口出しする事は無さそうだったのでウロウロと歩き回っていた。 猫を飼いたいのは山々だ。 だけど命の責任はあの猫達の体重より遥かに重い。 だからこそ。俺たちは柔な考えや行動で里親探しはしちゃいけないと思う。 そんなちょっとかっこつけたような事を頭で考えていると父さんの手が俺の肩に触れた。
初めましてアル🍺と言います
〆 ペコリ💦
m⊆(_ _)⊇m
久々に携帯小説の集い覗いたらリリィさんと笑い袋さんって新しい方がレスしてあったので早速コスモワープ✨🚀✨してきやした😚
とても文章表現が上手でスルスルと頭の中に入って来て目を瞑ると情景が思い浮かべれます。
又、別視点からも分かり易くこの時はこうだったのかと思わせてくれよりグッジョブ😉👍
まあ、何だかんだ偉そうな事を言ってる割にはおいの作品は…😫グハッ
陳腐に見えて来たばい😂ヤバッ💦
更新楽しみにしています😚あっ、あと普段は方言で攻めるばい✌😁
では、頑張って下さい😚
アル🍺
>> 11
目を真っ赤にして帰ったら父さんが黙ってポスターを俺の手から取り外した。
『…ラジオってどんなことすんの?』
俺は庄太郎の様には泣かなかったが…
『えー…西澤さんですか?』
眼鏡をかけた男の人はだらくさそうに言った。父さんは
『はい。突然申し訳ありません』
と言い、俺の手を少しひっぱり挨拶をするようにと合図した。
『…こんちはー…。』
俺は小さく首を曲げて挨拶した。父さんはそんな俺をやや不快そうに見ていたがすぐに本題へ向かった。
『猫の里親探し…でしたっけ?…西澤さん。』
男の人はいちいち手元の書類と父さんを見比べながら質問する。俺は何かよく分からないが口出しする事は無さそうだったのでウロウロと歩き回っていた。
猫を飼いたいのは山々だ。
だけど命の責任はあの猫達の体重より遥かに重い。
だからこそ。俺たちは柔な考えや行動で里親探しはしちゃいけないと思う。
そんなちょっとかっこつけたような事を頭で考えていると父さんの手が俺の肩に触れた。
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