■個人授業■
純愛ってなんだろう…
そんな事を考えながら書いた作品です。
2005-
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【1 告白】
机の上の問題集に集中していたはずの視線はいつの間にか、辞書を操る白い指先に引きつけられていた。
次第に視線を移動させていくと、ノースリーブのブラウスから伸びた二の腕の艶かしさに、ますます目を奪われていく。
宮沢卓也の視線はやがて、盛本美咲の顔に到達する。
少しうつ向いて、辞書を読んでいる美咲は、秀でた鼻梁が強調されて見える。
深い二重瞼に縁取られた漆黒の瞳は今は、残念ながら見ることができない。
こんなに魅力的な女性と二人きりでいるのに、よく勉強に身が入るものだと、卓也は我ながら感心してしまう時がある。
もっとも美咲の教え方の上手さが、卓也の集中力のなさを補っているというのが、本当のところかもしれない。
(美咲さんが家庭教師になってくれて、僕、本当に幸せだよ…)
美咲が卓也の家庭教師をするようになって今年で三年になる。
高校受験からの付き合いだ。
最初は受験が終わるまでという約束だったのだけれど、担任に100%無理と太鼓判を押されていた高校に、卓也が合格したこともあって、それ以来美咲はずっと家庭教師を務めている。
県下でも有数の進学校の授業に、今日まで卓也がついてこれたのも、すべて美咲のおかげだといっていいだろう。
今夜は英語を集中的に勉強している。
昨夜返してもらったばかりの期末テストの成績は、美咲を落胆させるに充分なものだった。
大学を出てから、イタリアの音楽大学に三年ほど留学していた美咲だから、イタリア語はもちろん英語も堪能だ。
だからこそ美咲は、英語の成績の悪さが特に我慢できないかもしれない。
卓也が問題にとりかかって、すでに十分ほどが過ぎている。
美咲は飽きることなく、そんな卓也を見守っている。
勉強中の美咲はいつでも、卓也の一挙手一投足を真剣な眼差しで見つめているから、どうしても卓也も、勉強に身を入れないわけにはいかなくなってしまうのだ。
「こう、ですか?」
自信なさげに解答欄を埋めながら卓也は、手もとにあった消しゴムを、さりげなく机の右端に移動させた。
いま書いた答えが間違っていることは、自分でもわかっている。
文の構造がいまいち理解できない。
そうっとあおぎ見た美咲の顔は、いかにも残念そうに唇を歪めている。
「う~ん、惜しいなぁ。目的語の取り方が、少し違うのよねぇ」
卓也の狙い通り美咲は、机の反対側に置かれた消しゴムに手を伸ばした。
あまり広くない卓也の部屋は、面積の三分の一以上をベッドに占領されている。
机のまわりには雑誌が積みあげてあるし、父親に押しつけられた本棚が、壁の大半を占めているのだから、狭いのも仕方ない。
だから美咲はいつでも、お互いの体が触れそうなほど近づいて座る。
もうすぐ二十七歳になる美咲にとって卓也など、男のうちに入らないのだろうが、思春期真っ盛りの十七歳にとっては、なんともたまらない距離だ。
消しゴムに手を伸ばした美咲の身体が、机の上にぐぐっと伸びて、そうでなくとも近い二人の距離が、また少し縮まった。
(あぁ、美咲さんの顔って、いつ見てもとても綺麗だな…)
卓也の顎のすぐ下に、美咲の横顔がある。
ピンクのルージュが引かれた唇が、卓上ライトの光に滑らかな光沢を放つ。
形のいい耳たぶに、小さなピアスが一つ。
肩にかかる長さの髪は、美咲が身体を動かすたびに、さらさらとかすかな音をたてながら揺れる。
たなびく髪の毛から漂うラベンダーの香りが、卓也は大好きだ。
解答欄に消しゴムをかけながら美咲は、構文の説明をはじめる。
「いい?よく聞いて。この文の主語はこれ。でも目的語は…」
手の動きに合わせて、美咲の身体が揺れるたび、美咲自身の匂いと香水が入り混じった、えもいわれぬ薫香が立ち昇ってくる。
(あぁ、どうして美咲さんって、こんなにいい匂いがするんだろう…)
美咲がこの部屋に初めて来た夜も、同じ香水をつけていたことを卓也は、唐突に思い出した。
まだ中学三年生だった卓也にはその匂いが、ひどく大人っぽく感じられたものだ。
もっとも美咲は、あまりたくさん香水をつけていないので、むしろ肌の香りが強調されている。
果実のように甘酸っぱいくせに、搾りたてのミルクのように濃厚で滑らかな美咲の香りは、いつも卓也の臭覚をたっぷり愉しませてくれる。
季節は、初夏から真夏に変わろうとしていた。
照りつける陽射しは日々厳しさを増し、夜の訪れはどんどん遅くなっている。
汗に濡れたシャツが肌に張りついて不快だった。
(美咲さんもきっと、汗かいているんだろうな…)
ブラジャーのカップのなかで、しっとり汗に濡れている乳房や、股間にぴったり張りついているパンティの股布を想像して卓也は、こらえきれずに溜め息を一つ。
卓也はこっそりと、机の下に視線をなげる。
今夜の美咲の下半身は、ローライズのスリムジーンズに包まれている。
生脚を拝めるミニスカートのほうが嬉しいが、下半身のラインが浮き彫りになるスリムジーンズの美咲も、もちろん卓也は大好きだ。
ほっそりした体型の美咲だが、お尻は意外に大きい。
もちろん大きいとはいっても、輪郭は美しく、しっかり締まっているので、鈍重な感じはまったくない。
脚が長いので、身体全体とのバランスもいい。
大きく見えるのは、細いウエストのせいもあるかもしれない。
ボリューム満点の美咲の美尻を見るたび卓也はいつも、むしゃぶりつきたくなる衝動を抑えるのに苦労してしまう。
「…っていうことはつまり、この非人称主語が指しているものが大切なの」
問題の説明をつづけながら、消しゴムを使う美咲の右腕が時おり、卓也の二の腕に触れる。
(あぁ、美咲さんの、生肌が…)
今夜の美咲は、ノースリーブの白いブラウスを着ているから、少し汗ばんだ肌が触れる生々しい感触が、卓也をますます興奮させてしまう。
美咲の二の腕は柔らかく、肌もとても滑らかだ。
肩の丸みの上のところに、鎖骨の付け根が盛りあがっている様子が、艶かしいアクセントとなって目を惹きつける。
ほっそり感が強い美咲の首まわりは、アクセサリーに彩られてはいない。
でもかえって、鎖骨の微妙な隆起や肌の滑らかさが際立つので、女性らしさでは引けを取らない。
素早い一瞥に偶然にも、腋の下が垣間見えた。
完璧に無駄毛処理された柔肌は卓也の予定通り、しっとり汗に濡れている。
美咲の腕が触れるたび卓也は、どうしていいのかわからなくなってしまう。
このまま肌を感じていたいのはやまやまだが、少しはよける仕草をしなければ、美咲にいやらしい男だと思われてしまうかもしれない。
断腸の思いで卓也は、体を少し遠ざける。
その代わりといってはなんだが、美咲の襟奥に、少し無遠慮な視線を投げかけてみる。
うつ向いている美咲は、問題のポイントを説明するのに夢中だから、見咎められる心配はまったくない。
見下ろすブラウスの襟奥にブラジャーと乳肉が見えて、卓也は大きく目を見開いた。
(や、やったっ!今夜も、美咲さんのおっぱい、見れたぞ!)
大きく盛りあがっている乳房のせいで、たった二つのボタンをはずしてあるだけのブラウスの隙間は、身体を垣間見せるに充分な隙間を作りあげている。
もっとも、見えるとはいっても、ブラカップの端と乳肉が、ほんの少し顔をのぞかせている程度なのだが、正真正銘の美咲の乳房に、卓也の感動は大きい。
一見して、90㎝を優に超えているはずの美咲の乳房だから、垣間見る乳丘は、ブラカップいっぱいにつまっている。
ブラウスのより奥へと視線をねじこもうと卓也は、不自然な体勢に上体をひねり、傾ける。
奇跡的に見えた乳谷のふもとの、青みがかかって見える肌の白さに、喉の奥でうめき声を押し殺した。
ふいに美咲が顔をあげた。
卓也はあわてて体勢を元に戻す。
「…というわけ。じゃ、いま説明したことに注意しながら、もう一度挑戦してみて。卓也くんならきっとできるわ」
肘をついた左手に頬を乗せて美咲が、卓也をみつめた。
小さな逆三角形の輪郭にバランスよくおさまった、大きな瞳と高い鼻梁が、美貌と呼ぶにふさわしい相貌を作りあげている。
唇は薄く、引き締まっているから、それだけを見れば冷たい感じがする。
しかし、常に微笑を絶やさないおかげで、表情はとても柔らかく、親しみやすい雰囲気を発散している。
卓也は、美咲の目が大好きだ。
深みのある漆黒の瞳に見つめられているだけで、どんな問題でも解けそうな気がしてくるから不思議だ。
「えっと…」
シャーペンを握り直し、問題に集中してはみるものの、そのまま石像のように硬直してしまう。
期末テストが終わったばかりの卓也は、あまり勉強に集中していない。
夏休みに入っていないこの時期、受験もあまり実感がない。
だいたいさっきの美咲の説明だって、垣間見た乳肉とブラのせいで、まるで頭に残っていないのだ。
いっこうに問題を解けない卓也に美咲は、小さな溜め息をついて、
「どうしたの?今の説明、ちゃんと聞いてた?さ、もっと集中しよ」
頬杖したままの美咲が、卓也をうながす。
傾いた上体に右乳房が、机の上に柔らかく押しつけられているので、卓也はそれどころではない。
美咲が入ってきた時から勃ちっぱなしの股間が、硬度と大きさを増している。
へそに食いこんだ切っ先を、そうっと横にずらした。
美咲と一緒にいられるのは嬉しいが、いきり勃つペニスが毎度悩みのタネだ。
卓也のシャーペンがようやく動き出したのもつかの間、美咲の手がその動きをさえぎる。
「あ、もう、卓也くんたら。また同じミスしてるわ。私の説明、やっぱりちゃんと聞いてなかったのね」
書きかけの答えを消すと美咲は、卓也の顔を少し怒った顔で睨む。
整った美貌が少し愛らしくなるだけで、ちっとも怖くはない。
不満げに膨らませた頬が可愛らしくて、危うくキスしそうになって卓也は、あわてて視線をずらした。
「おかしいな、ちゃんと聞いてたんだけどな…。すいませんっ、もう一度お願いします!今度は大丈夫ですから!」
わざとおどけて卓也は言った。
いま美咲の顔をまともに見えてしまったら、間違いなく抱きついてしまう。
「まったく…。こんなことでは、大学受験は難しいかもしれないわね。卓也くんが浪人したら私、ご両親になんと言ってお詫びすればいいの?」
冗談半分の卓也の態度に、今度は美咲も、本当にあきられたような顔を見せる。
「一浪したくらいで怒る親なんて、今時いるわけないじゃないですか。もし浪人したら、来年もまた家庭教師してくださいね。そしたら僕、もっと頑張りますから!」
半分以上本気で卓也は言った。
自分が大学生になれば美咲は、家庭教師を辞めてしまうだろう。
でも浪人すればもう一年、美咲と一緒に勉強することができるのだ。
美咲と過ごす浪人生活は、下手なキャンパスライフより素晴らしいに決まっている。
満面の笑顔で言う卓也に美咲は、心底困ったような顔を向けた。
傾げた頭に髪が垂れ落ちて、漆黒の瞳が片方隠れた。
唇に髪の毛が数本かかっているのがやけにセクシーだった。
「もう、受験の前から浪人する気でいるなんて…。困っちゃうな」
両手を乳房の下に持っていき、腕組みをする。
そうでなくても尖っている乳房の先が、さらに上を向いて卓也は、ますます視線のやり場に困ってしまう。
しばらく下を向いていた美咲が、ようやく顔をあげた。
「実はね、来年は私、卓也くんの家庭教師、できなくなっちゃいそうなの…」
まるで隠し事を打ち明ける時のように、美咲の言葉も態度も、どことなく歯切れが悪い。
卓也を見つめる瞳も、心の動揺を表すかのように揺れている。
「え…、できなくなっちゃうって、どうして…」
こんな美咲を見るのは初めてだった。
動揺した卓也が、理由を問いただす間もなく、
「結婚、するの」
ぽつりと、美咲は呟いた。
「え…」
卓也の手を離れたシャーペンが、机の上を転がってやがて、美咲の足もとにぽとりと落ちた。
【2 悲しみのはてに】
美咲は身体を屈めて、足もとのシャーペンを拾うと、机の上にそうっと置いた。
まるで音をたてるのを恐れているかのように。
黙りこくった二人の間を、気まずい沈黙が漂う。
先に口を開いたのは美咲だった。
「ごめんね。急にこんなことを言ってしまって。おりを見て話すつもりではいたんだけれど…なんか照れ臭くて」
呆然としたままの卓也を美咲は、申し訳なさそうに見上げ、すぐにまた視線をうつ向けた。
胸のあたりがいつもより多めに開いていることに今ごろ気づき、さりげなく手で直した。
「そんな…。先生、ひどいよ。僕を見捨てて、結婚、しちゃうなんて…」
三年間も一緒に勉強してきたのに、こんな大切なことを黙っていた美咲が、無性に悲しく、腹立たしかった。
溢れでた涙が、頬を伝い落ちていく。
悔し涙なのか、悲しくて泣いているのか自分でもわからない。
高校生にもなって泣くなんて恥ずかしいが、どうしようもなかった。
「見捨てるなんてそんな…。受験が終わるまでは私、卓也くんと一緒にいるから。今まで通り、一緒にお勉強するから。約束するわ。だから今年、絶対に合格しようよ。ね?」
バッグからハンカチを取り出すと美咲は、卓也の涙を拭いはじめる。
「ほら、もっと上向いて。でも、こんなことくらいで泣くなんて、卓也くんはまだまだ子供なのね」
強引に上を向かせた卓也の顔を覗きこみ、優しく微笑む美咲。
その笑顔を見た瞬間、卓也の体のなかに、抗うことのできない衝動が突然生まれた。
(僕はもう、子供なんかじゃない!)
卓也は両手で、美咲の身体を、力いっぱい抱きしめた。
美咲の小さな悲鳴が聞こえたが、力を緩める気などない。
「美咲先生っ!結婚なんかしちゃダメだよっ!お願いだから結婚しないで!」
初めて抱きしめた美咲の身体は、とても柔らかかった。
ブラジャーのごわつきが少し邪魔だが、乳肉の柔らかさもはっきり感じられる。
憧れの女性の身体の感触にペニスは、今にも撒き散らしてしまいそうに硬く勃起している。
卓也の心はしかし、悲しみに満たされていた。
欲情と悲しみが入り交じった気持ちのまま、卓也はただひたすら、美咲の身体を抱きしめつづけた。
もちろん卓也は、いつか自分が美咲と付き合えるとか、ましてや結婚できるなどとは思ったことすらない。
イタリアの音楽大学に保留していただけあって、美咲のピアノはプロ級だし、英語はもちろんイタリア語だって流暢に話すことができる。
様々な分野に知識も豊富だし、美貌を鼻にかけることもない。
そんな素晴らしい女性と自分がつり合わないことくらい、卓也もよくわかっている。
家庭教師と生徒という関係に、いつか終わりが来ることも、理解していたはずだった。
でも、こうして結婚のことを告げられてみると、やはりどうしようもなく悲しく、腹が立った。
いま自分がしていることが、我がままに過ぎないこともよくわかっている。
美咲と自分はあくまで、家庭教師と生徒という関係に過ぎない。
結婚という内輪事を口にしなかったのだって、考えてみれば当たり前だ。
しかし、どうしても自分がとめられない。
美咲を取られたくなかった。
誰にも渡したくなかった。
抱きしめられた瞬間こそ、少し身体を強張らせた美咲だったが、それっきり抗おうとはしない。
締めつける腕力に、少し荒くなった美咲の呼吸が、卓也の耳たぶを灼き、鼓膜を切なく震わせる。
一瞬、見知らぬ男と抱き合っている美咲の幻が浮かんだ。
すべてを許した男に抱かれている時の美咲は、いったいどういう反応をするのだろうか…?
熱い衝動がマグマのように、卓也の深奥から盛りあがってくる。
思いきり腰を前に出して、勃起を美咲の恥丘に押しつける。
美咲の腰が、びくんと痙攣した。
一段と腕に力がこもり、卓也の体重を受けた美咲の背中が、大きく反りかえる。
「あ…卓也…だめ…」
「僕、先生が、大好きなんだっ!」
美咲の背後にあるベッドめがけて、身体を投げだした。
一瞬の浮遊感の後、二人の体がマットレスに沈む。
「あ…」
戸惑ったような美咲の溜め息が、卓也の欲情に油を注ぐ。
美咲の乳房の感触が胸板に強まり、頭のなかが熱くなった。
思いきり腰を振って、恥丘めがけて何回も、勃起を繰りだしていく。
ブリーフのなかで亀頭が擦れ、美咲を貫いた幻想にとられる。
幻の美咲の締めつけに茎肌が熱く燃え、射精してしまいそうなほどの快感が、背筋を駆けていった。
「せんせいっ、美咲先生ぃっ!」
とまらなくなった卓也は、ブラウスの上から美咲の乳房を握りしめた。
乳房を下のほうから握り、揉みしだくと、押しあげられた乳肉が、乳谷に盛りあがり、あふれでて、卓也の指先にたまらなく柔らかい。
「あ、そんなに強く握っちゃだめ…。や、やめ…て。はぅ…うぅ…」
乳房を握られた美咲は、さすがに大きく身体をよじり、抗う。
握りつぶされた乳房が痛いのか、眉根がしかめられている。
でも卓也には、そんな美咲の表情が、たまらなく色っぽく見える。
「僕、先生が好きだよ。だから、先生としたいんだっ!」
乱暴さを増した卓也の指が、ブラウスのボタンが三つ、四つ、ベッドの下に弾けて飛んだ。
夢中になって卓也は、ブラウスの前を開いた。
立ち昇る美咲の匂いとともに、薄いピンクのブラジャーが、卓也の目の前にさらけだされた。
カップはハーフタイプで、覆いきれない乳肉が、胸もとにあふれんばかりに盛りあがっている。
乳肌の白さに卓也は、思わず息を呑んだ。
(あぁ、先生のおっぱいが見えるよ!僕、たまんないっ!)
勢いに任せてブラジャーに指をかけようとした時、卓也の動きが初めてとまった。
「…美咲、せんせい…」
あお向けに寝た美咲が、卓也を見つめていた。
瞳に怒りの色はなく、信じていた者に裏切られた哀しみに曇るばかり。
いつもならほんのり赤い頬も、今は少し青ざめていた。
固く結ばれた唇が、白っぽく変色している。
「いいのよ。こんなことで卓也くんの気がすむのなら。私のこと、卓也くんの好きにしていいわ」
美咲の声は、驚くほど優しく、穏やかだった。
「え…」
「三年も一緒に勉強してきた卓也くんに身体見られるのは、ちょっぴり恥ずかしいけど…いいのよ」
そう言って美咲は、笑顔さえ見せる。
顔色が悪いので、少し不自然に見えるが、卓也の衝動をとめるには充分すぎる。
ブラジャーにかかったままだった手が、ゆっくりと離れていき、興奮に紅潮していた顔が今度は、みるみる青ざめていく。
「美咲さんに、こんなひどいこと、僕、本当にするつもりなんか、なかったのに…先生、ごめんなさい。本当にごめんなさい…」
美咲にまたがったまま卓也はただ、謝罪の言葉を呟くしかない。
憧れの女性を、すんでのところで犯してしまいそうになった恐怖が、今さらのように卓也の体を震わせている。
本当にどうかしていた。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい…」
何度も繰りかえす卓也の目から涙が、幾筋もの銀線を引きながら落ちていく。
【3 償い】
剥き出しの美咲の胸肌が、卓也の涙に濡れていく。
乳丘に落ちた涙が筋になって、胸の谷間にゆっくりと吸いこまれていった。
静かに身体を起こすと美咲は、ブラジャーに覆われただけの胸に、わざと卓也の顔を押しつけて、優しく抱きしめてやった。
大胆に振る舞うことで、卓也がしたことを自分が、なんとも思っていないことをわからせてやりたかったから。
さっきまでの乱暴さはすっかり姿を潜め、卓也はただ、美咲の胸のなかで泣きじゃくっている。
そんな卓也を見ていると、美咲の心は、罪悪感でいっぱいになってしまう。
卓也の気持ちに気づいていながら、結婚のことを隠していた自分が、今さらのように悔やまれならなかった。
それに、言いだすタイミングも最悪だった。
適当な時期はほかにもっとあったはずなのに…。
(卓也くんをここまで追いついめてしまったのは、私なんだわ…)
普段の卓也には、まったく似つかわしくない行動だった。
だが、それゆえ美咲は、自分に向けられた卓也の愛情の強さを、感じずにはいられない。
卓也が自分に、親しみ以上の感情を持っていることに美咲は、ずいぶん前から気づいていた。
しかし、Tシャツに透けるブラジャーに息を呑み、ふとした弾みで触れ合う指先に、体を固くする卓也を微笑ましく感じても、不快に思ったことは一度だってなかった。
それどころか、あんまり遠慮がちに自分を見る卓也がいじらしくて、わざと肌を見せつけたことさえある。
美咲は、卓也の後頭部に両手をまわした。
「本当に謝らなければならないのは、きっと私のほうだわ。卓也くん、本当にごめんね…」
髪を優しく撫でながら言った。
「美咲さん、僕のことなんか、もう嫌いになっちゃったよね?もう家庭教師、辞めちゃう?」
少しぐもった卓也の声が、乳房に響いた。
「バカね。辞めるわけなんかないでしょ。卓也くんを大学に合格させるまで、絶対辞めないから、心配しないで。それに、卓也くんを嫌いになんかなってないよ。だって本当の卓也くんは、もっと優しい子だってこと、私よく知ってるもの」
美咲は、卓也の後頭部を包んだ両手に、また少し力をこめた。
Tシャツに染みた涙が、乳肌にひどく熱い。
でも、自分のために流された涙だと思うと、無性に愛しく思えてくる。
「でも、僕…もう恥ずかしくて、先生の顔、見れないよ…」
少年らしい言葉に、美咲の心が、温かいもので満たされていく。
「もう、卓也くんったら…。でもね、恥ずかしがる必要なんて、全然ないのよ」
抱き締めていた教え子の体を離すと美咲は、卓也の股間に、ゆっくり手を伸ばしていった。
自分でも驚くほど、自然な動きだった。
「せ、先生…?」
しかし卓也は、突然の、そして思いもかけない美咲の行動に、困惑した視線を向けた。
近づいてくる美咲の手を恐るかのように、少しずつ後ずさりしていく。
「…」
卓也の問いかけに答えることなく美咲は、ズボンに手をかけると、ベルトを緩めはじめた。
バックルがたてるかすかな金属音が、二人きりの室内にやけに大きく響く。
前ボタンをはずし、チャックに指をかけた。
チャックが下がっていく時の、指先に伝わってきた金属の感触が美咲に、これから自分がすることへの畏怖を、抱かせずにはいられない。
脱がせたズボンを、ベッドの下に捨てた。
こんもり膨らんだ股間を包んだブリーフが、丸見えになった。
(あん…もうこんなになってる…)
股間から顔をあげて、卓也を見つめた。
うつ向いたままの卓也の、後頭部を見ることになった。
「さっきの卓也くん、少し怖かったけど…。卓也くんが私のこと、こんなに真剣に想っててくれてたなんて、ちょっぴり嬉しいな」
静かに深呼吸をする美咲は、ブリーフ一枚の股間に指を、そうっと触れさせてみた。
「…!」
声にならない叫びとともに、卓也の体がまるで、感電したみたいに伸びあがった。
(あぁ、卓也くんの、とっても熱くなってる…)
指先に伝わってくる卓也の脈動が、教え子の勃起に触れている現実を、今ごろになって美咲に実感させる。
同時に、越えてはいけない一線を越えてしまったという思いが、美咲の心を責め苛む。
今ならまだ間に合う…。
美咲は一瞬、勃起から指先を遠ざけようとする。
「先生が…美咲先生が…僕の、を…あぁ、信じられないよ…」
だが、快感に濡れた卓也の声が聞こえてきた時、後悔の念は一瞬にして吹き飛んだ。
(あぁ、卓也くんが、私の指で、こんなに感じてくれてる…)
不快な感情など微塵も湧いてこない。
素直に嬉しかった。
そして、
(もっと感じさせてあげたい…)
自然にそう思った。
人差し指と中指の腹で美咲は、起立表面をゆっくり撫でさすってみる。
「ほうら…こうすると、どう?気持ちいいかしら?」
亀頭裏筋と思しきあたりでは、かすかな回転運動を加えてやる。
「うぐぅっ!み、美咲…せんせぃっ」
美咲の手のなかでペニスが、大きく首を振った。
一瞬にして溢れでた我慢汁に、グレーのブリーフ生地が、みるみる黒く濡れていく。
「あぁ、卓也くんって、とても敏感なのね…。じゃ、こんなことしたら、もっと感じてしまうかしら?」
やんわり握りしめると今度は、卓也の腰がふたたび、大きく痙攣した。
「あ…あぁっ!先生っ!」
ちらっと見た卓也の顔は、切なそうに眉を寄せ、下唇が真っ白になるほど前歯で噛みしめていた。
いかにも少年らしい、性の快感に余裕のない表情は、微笑ましくさえある。
快感に顔を歪める卓也の鼻先を、小さなキスで濡らしてやる。
「ちょっと触っただけなのに…。もうダメになっちゃいそうだったの?」
「だって、こんなことされるの、ぼく初めてだから…。ごめんなさい」
自らの不甲斐なさを責めるような卓也の表情に、思わず美咲は微笑んでしまう。
「怒ってるんじゃないの。遠慮しないで気持ちよくなっていいのよ…」
そのまま顔を首筋に持っていき今度は、すっかり熱くなっている耳たぶに唇を寄せた。
卓也の小さな悲鳴が響き、手のなかの勃起が、また少し硬くなった気がした。
耳もとに顔を持っていったのは、大胆な年上の女を演じたいからではない。
自分から卓也に触ったくせに美咲は、やっぱりちょっぴり恥ずかしくて、卓也の顔がまともに見れなかった。
しかし、ついさっきまで教え子に過ぎなかった男の子のペニスを握りしめているのだから、美咲が恥ずかしがるのも無理のないことかもしれない。
でも、自分から一線を踏み越えたからには、躊躇いの素振りなどみせるわけにはいかない。
「あぁ、先生、どうして、どうしてこんなことを…」
絶え間なく湧きあがってくる快感に身を委ねながら卓也は、なおも美咲の真意を量りかねている。
「なにも言わないで。いいから私の言う通りにして。いいわね?」
もっとも、いま理由を聞かれても、美咲にも答えられる自信はない。
心の奥底に芽生えている感情に、自分が一番戸惑っているのだから。
「じゃ、するね…」
ブリーフの腰のところから美咲は、右手を忍びこませ、勃起を直接握った。
掌に触れた亀頭粘膜の独特の感触に、美咲の心がざわめいた。
「あぁっ!み、美咲先生っ!」
ブリーフの上から握られるのとは比較にならない快感に卓也は、こらえきれず大声で叫んでしまう。
おまけに触っているのは、美咲なのだ。
興奮するなというほうが無理だ。
「もう、卓也くんたら。そんなに大きな声出しちゃダメじゃない。お母さんに聞こえたらどうするの?」
でも美咲はやっぱり、卓也を咎めずにはいられない。
もしこんなふしだらな場面を、卓也の母親に知られたらと思うと、やはり少し不安だ。
「だって、だって先生が…僕の、を…」
無意識に腰を繰りだしながら卓也は、それでも恥ずかしそうに美咲を見つめる。
そんな卓也が美咲の目には、とても好ましく映る。
「女の人に触ってもらうの初めてなのね?それじゃ、敏感なのも仕方ないかしら?でも、もう少し我慢してみてね。これからもっと、気持ちよくなっちゃうかもしれないのよ?」
「え、もっと、もっと…!」
思わせぶりな美咲の言葉に、卓也の勃起が手のなかで、びくんと首を振った。
あまり素直な反応に美咲は、思わず微笑んでしまう。
「じゃ、いくよ…大きな声、出さないようにしてね」
掌を亀頭に張りつかせ、指先を茎肌に絡めて、ゆっくりしごいてみる。
充血しきった海綿体を包んでいる茎皮が上下して、ごりごりした感触を伝えてくる。
美咲の手淫奉仕がはじまって、もう何時間も経ったような気がして卓也は、壁の時計を見上げた。
まだ十分くらいしか経っていなくて、とても驚いた。
そうしている間にも美咲は、卓也を的確に追いつめていく。
リズムカルに上下する握りこぶしの間から、ぱんぱんに張りきった亀頭が、ぴょこぴょこと顔をのぞかせる。
「うぐっ…!あぁっ!」
切迫した卓也の呟きに、美咲は顔をあげた。
勃起の熱に煽られたかのように、頬が真っ赤に染まっている。
「もう我慢できない?イッちゃいそうなの?」
「は、はいぃ…もう、ダメ…かも…あぁっ!」
限界を口にしたことで卓也は、急激に催してきた。
突きあげる腰があわただしさを増し、激しくなった粘音が、やけに大きく室内に響きわたる。
「いいわ。イッて。私の手のなかに思いきり出しなさい」
卓也の腰遣いに負けまいと美咲は、勃起を握る手に力をこめる。
大きなストロークで茎肌をしごきあげ、亀頭エラを絞る。
今まで体験したことのないほどの射精衝動が、卓也の背筋を駆けのぼっていく。
卓也の頭のなかに真っ白い光景がひろがり、次の瞬間、その白い世界が爆発した。
「あぁっ、せん…せいっ!美咲っ…い、イっ!」
【4 ずる休み】
普段なら、卓也と机に向かっている時刻だった。
しかし、自宅のリビングで美咲は独り、やることもなく携帯をいじっている。
今夜休むことを知らせなければ…。
頭のなかをよぎる考えは、さっきからずっとこれだけ。
口実はすでにいくつも思いついている。
しかし指が、発信ボタンを押すことを拒否してる。
美咲は、嘘が大の苦手だ。
どうせ休んでしまったのだから、部屋の整理をしようと思う。
結婚式までにやることは、それこそ山のようにあるのだ。
でも、気持ちが落ち着かない。
「こんな思いをするくらいなら、サボるんじゃなかったな…」
ぽつり呟いた。
同時に、掌に甦ってきた勃起の感触に、身体がかぁっと熱くなる。
「どうして私、あんなことしたのかしら…?」
初めてのずる休みの理由は、もちろんあの日の自分だ。
後悔はしていない。
でも、自分で自分がわからない。
手のひらに、卓也の勃起の大きさと硬さが、今も鮮明に残っている。
無意識に指先を、口もとに持っていった。
ルージュを落としたばかりの唇が、かすかに触れた指先にさえ、甘く切なく震えてしまう。
卓也が自分に対して特別な感情を抱いていたことには、もちろん気づいていた。
服の隙間から卓也が、自分の身体を覗き見していたこともだ。
でも美咲は、いやな気持ちになることはなかった。
それどころか、卓也がテストでいい成績をおさめた時などは、ちょっとしたご褒美のつもりでわざと、身体が覗けるような服を着てやったことさえある。
そんなことができたのも、美咲にとっての卓也が、歳の離れた弟のような存在だったせいだ。
卓也に男性を感じたことは、一度だってなかった。
先日の夜までは。
「美咲、あなたはいったいなにを考えていたの?」
自らに問いかけてみるも、答えは返ってこない。
その代わりに、身体がますます熱くなってきた。
なんだか下半身に力が入らない。
美咲は独り顔を赤らめて、居心地悪そうに座りなおした。
「う~ん」
伸びをした身体をソファに沈め、見上げた視線を壁の時計に投げる。
電話をかけようと思ってから、すでに一時間が過ぎている。
「とうとう、無断で休んじゃったな…」
電話をかけるきっかけは失ってしまっても、携帯を手放せない。
卓也は自分の電話番号を知っているはずだ。
かけてきて欲しいと思っている自分を意識しながらも、もしかかってきたら、どう対応したらいいかわからないとも思う。
それから数時間。
美咲の携帯が鳴ることはなかった。
シャワーを浴びたばかりの美咲は、キャミソールにショートパンツ姿。
夏はいつも、この格好で寝ている。
パンティは履いているが、ブラジャーはつけていない。
身体が熱いのでソファには座らず、テーブルの端に腰をかける。
組まれた右脚に膝頭が、部屋の明かりを反射して、滑らかな光沢に輝きを増した。
なにも手につかず過ごした夜が空しい。
テーブルの上には、読みかけのペーパーバックと、ルージュに汚れたワイングラス、そして中身が半分になったロゼのハーフボトルが一本。
シャワーに火照った身体につい、グラスを口に運びかけて、思いとどまる。
今夜はピッチが早すぎる。
美咲はあまりアルコールに強くない。
「あぁ、なんか疲れちゃった。なにもしていないのにな…」
両手で髪をかきあげた拍子に美咲の胸が、キャミソールの生地を破きそうに大きく盛りあがった。
ノーブラだから乳首が、ぷっくりと可愛らしく輪郭を浮き彫りにする。
短い裾がずりあがって、引き締まってはいるが、女性らしい柔らかさを持った腹が、半分ほど剥き出しになった。
伸びたへそ穴のすぐ下にはパンティの縁が、ちらりと顔をのぞかせている。
来週のことを思って美咲は、早くも気分が重くなっていく。
いったいどんな顔をして卓也に会えばいいのだろうか…?
「いっそこのまま、辞めちゃおうかな、家庭教師…」
美咲はイタリアから帰国してずっと、ピアノ教師として働いている。
もちろんこちらが本業だし、教室の経営者からも、講師の仕事に専念してくれといつも言われている。
週に一回とはいえ、仕事を掛け持ちするのは、体力的に楽ではないし、仕事を二つこなさなければならないほど、経済的に苦しいわけでもない。
それになにより美咲は、結婚を間近に控えている。
しなければならないことは山のようにあった。
もう寝よう…。
そう思って立ちあがった時、玄関のチャイムがなった。
「まさか…卓也、くん?」
キャミソールの上にワイシャツを引っかけて、急いで玄関へと向かう美咲。
廊下の壁の姿見で確認すると、意外に裾が長くて、ショートパンツまですっかり隠れていた。
間接照明に太股が、ねっとりし光沢を放っている。
濡れた髪の毛も相まって、素肌にワイシャツだけを身につけたみたいで、かえってエッチな感じがする。
でも、肌を出しているよりはマシなはずだ。
【5 優しさの理由】
美咲の予想通り、開け放ったドアの前には、卓也が立っていた。
「すいません、突然…」
こう言ったきり卓也は、うつ向いたまま口をつぐんだ。
髪の毛から垂れ落ちる汗が、床を点々と濡らしていく。
夜だというのに、猛烈な暑さだった。
エアコンディショニングされた空気が、みるみる重くよどんでいく。
「とにかく入って。ここじゃ暑いでしょ?」
リビングのソファに腰をおろしても、卓也が口を開くことはなかった。
ウーロン茶が入ったコップが、テーブルの上で汗をかいている。
溶けた氷が、からん、と揺れて、涼しげな音をたてた。
「どうしたの?喉渇いてるでしょ?遠慮なんかしなくていいのよ」
いつも通りに話そうと努力したのに、やっぱり声が震えてしまった。
脚を組もうとして、思いとどまる。
きっと脚肌が丸見えになってしまうから。
きちんとボタンをかけていない胸もとが、無性に気になる。
あの日のことを思うと美咲は、仕草や態度がどうしてもぎこちなくなってしまう。
卓也がここに来た理由など、訊く必要すらなかった。
「今日の家庭教師、無断で休んでしまってごめんなさいね。電話しようと思ったんだけど…」
そこまで言って美咲は、口をつぐんでしまう。
家まで来てくれた卓也に、嘘の言い訳をしたくなかった。
「そんなこといいんです。母にはうまく言っておきましたから」
初めて卓也が笑ったのを見て、美咲もつられて微笑する。
二人の間を流れていた空気が、ほんの少し和らいだ。
すっかり温かくなってしまったウーロン茶を卓也は、ようやく口に運ぶ。
コップをテーブルに置くと、意を決したような眼差しを美咲に向けた。
「僕、どうしても謝りたくって、勝手に来ちゃいました。先週はごめんなさい。あんなこともう、絶対しません。だから家庭教師、つづけてください!」
深々と頭をさげる卓也に美咲は少しあわてた。
「ど、どうしてそんなこと言うの?辞めるなんて私、一言も言ってない…」
「だって、美咲さんが今夜うちに来なかったの、僕のせいなんでしょ?ごめんなさい!本当にごめんなさいっ」
「卓也くん…」
心から反省している様子の卓也に美咲は、なにを言っていいのかわからなくなってしまう。
謝らなければならないのは、むしろ自分なのに。
今まで感じたことがないほど強い卓也への愛しさが、美咲の心のなかに湧きあがってくる。
自分のしたことへの言い訳を探していたことが、急にばからしく思えてくる。
(そうよ、私だって、卓也くのことが好きなんだもん…。この子のためなら、どんなことだってしてあげられる。たとえ、婚約者がいたって…)
もちろん美咲は、卓也の大学受験のことも忘れてはいない。
家庭教師としての最後の大仕事だし、美咲とて卓也が合格してくれなければ、安心して新生活をはじめることはできない。
(だから私、卓也くんに勉強に集中してもらうためにも、うんと頑張るから。だから卓也くん、私の身体で、たくさん気持ちよくなってね。そして、一生懸命お勉強して、大学に合格しましょう…)
美咲は立ちあがると、卓也の隣りに身を沈めた。
肩が触れ合う。
激しくなるばかりの心臓の鼓動が伝わらなければいいのだが。
「み、美咲さん…」
戸惑い気味の卓也。
触れ合う肩に強張る肩が、美咲の母性をなおさらに刺激する。
「こんなに近くに座ると暑いかしら?」
額に垂れる髪を片手で押さえながら美咲は、卓也の顔を覗きこんだ。
唇に微笑みを浮かべ、悪戯っぽい光を湛える瞳は、しっとり潤んでいる。
とても緊張しているようには見えないが、美咲の身体はもう、すっかり汗に濡れていた。
「そ、そんな、暑くなんてないです…」
緊張に体を硬直させた卓也は、美咲のほうを見ようともしない。
あんなことがあってすぐなのだから、少しは期待しているはずなのに。
そんな卓也を見ると美咲は、ますます心がざわめいてしまう。
(いいのよ、卓也くん、そんなに緊張しなくても。この前みたいに、私がちゃんとリードしてあげるから…)
経験豊富な女みたいなことを考えている自分に、美咲は独り、顔を赤らめた。
【7 手ほどき】
卓也の頬を垂れる汗を美咲は、指先でそうっと拭った。
「なかなか汗が引かないわね。自転車で来たの?暑かったでしょ?」
「は、はい、ちょっと」
ぎこちなく言う卓也の髪に指を差し入れ、優しく整えてやる美咲。
「あ…み、美咲…」
「まぁ、頭のなかまで汗びっしょりになってるわ。可哀想に…」
汗に濡れた髪の毛は、美咲の指先に従って緩やかなウエイブを描いていく。
「そ、外は、まだ、あ、暑そうですね」
窓の外に視線を投げる卓也の両手が、さりげなさを装いながら移動をはじめる。
勃起に盛りあがった股間を隠すために。
美咲はその手を、やんわりと制した。
卓也の体が電流を流されたみたいに、大きく揺れた。
「そうね。今夜も熱帯夜になりそう…」
そんな卓也を優しく見つめながら美咲は、ズボンのベルトに指を重ねる。
すっかり盛りあがっている股間に、美咲の小指が偶然触れて、卓也が小さくうめき声をあげた。
「あぅ…。み、美咲さん、いったい、なにをする気…」
カチャカチャと金属音を響かせる美咲の指先。
股間に遊ぶ指先と美咲の顔に、代わる代わる視線を投げかける卓也。
戸惑いは隠せないが、美咲のすることに抗おうとはしない。
さげられたチャックの隙間から、グレーのブリーフが顔をのぞかせる。
亀頭のあたりが濡れているのに気づいて卓也は、ますます顔を赤らめてしまう。
手淫奉仕までしてもらったとはいえ、我慢汁が染みた股間を見られるのはやはり恥ずかしかった。
「暑くてもとっても元気なのね。さ…」
「…」
うながす美咲に卓也は、無言のまま軽く腰を浮かせる。
脱がされたズボンが、ソファの横に畳まれると卓也は、盛りあがった股間を恥じるように両手で隠してしまう。
「隠すことなんてないのよ」
「だ、だって…。あ…」
すかさず美咲の手が伸びてきて、卓也の手をあっさり払いのける。
汗に濡れたブリーフは、卓也の下半身にぴったり張りついていた。
おまけに、完全勃起しているペニスはすでに、たっぷりの我慢汁に先端が濡れているから、亀頭エラの張りまでがくっきり浮きあがっている。
卓也が恥ずかしがるのも無理はない。
「わぁ、ブリーフまでこんなに汗びっしょりになってるなんて…」
卓也が住んでいる町から美咲の家までは、電車で二十分以上かかる。
自転車ではさぞかし大変だったことだろう。
(私に謝るために、こんなに汗まみれになって、来てくれたのね…)
卓也を愛しく思う気持ちが美咲を、より大胆な女へと変えていく。
美咲は人差し指を、勃起裏筋に沿って、つ、つぅ…と滑らせてみる。
「うぐっ!」
小さいが鋭い卓也の悲鳴が響き、勃起が、びくん!とブリーフのなかで大きく揺れる。
「ふふっ、気持ちいいの?卓也くんのここは、やっぱりとっても敏感なのね」
含み笑いに頬を緩め、上目遣いに卓也を見つめる美咲。
卓也から目をそらさぬまま、玉袋から先端までを指先で、何度も何度も撫でさすってやる。
「うぅっ!…あっ…う、ふぅ…」
美咲の指先が上下するたびに卓也は、身をよじりながらうめき声をあげる。
小便穴下で指先が回転刺激をはじめると、たまらず噴きでた我慢汁にブリーフが、みるみる重く濡れていく。
巧みな指先もさることながら、美咲に見つめられながらペニスを刺激されるのは、予想以上の快感だった。
美咲の視線には、いつもの快活さなど微塵もなく、ねっとり膜がかかった瞳で、卓也をみつめている。
少し細められた目尻が、淫妖な雰囲気を増している。
ひとしきり卓也を刺激すると美咲は、
「こんなにびしょ濡れのブリーフは、脱いじゃったほうがいいわね。冷房で冷えたら風邪引いちゃう…」
ブリーフのウエストに指を差し込んだ。
勃起が引っかかる前を軽く持ちあげながら、ゆっくりおろしていく。
卓也は、反りかえった裏筋を、恥ずかしげもなく美咲にさらした。
ピンクの茎肌が、垂れ落ちた我慢汁にてらてら光っているのが、とてもいやらしく見える。
自分でも気づかないうちに、乾いた唇を舌で舐め濡らす美咲。
「さ、触るね…」
誰かに聞かせるともなく呟きながら、勃起に指を絡めていく。
軽く握っただけで、卓也の熱さに圧倒される。
指先に力をこめると、かちかちに充血した若茎は、鉄棒のように硬い。
ゆるゆるとしごきはじめる。
鉄になった海綿体表面に茎肌が、こりこりとしごきあがり、しごきさげる。
勃起肌独特の感触に、美咲の身体中から汗が噴きでてくる。
(あぁ…、とってもたくましいわ…)
ひきりなしに唇を舐め濡らしながら美咲は、ますますの手淫奉仕で卓也を追いこんでいく。
大量の我慢汁にまみれた茎肌が、美咲の手淫奉仕にぐちゅぐちゅと、粘った摩擦音を響かせる。
茎肌をくまなく摩擦刺激する美咲の指がやがて、亀頭に絡みつき、敏感な粘膜をくまなく刺激しはじめる。
「あうっ!あぁっ!せ、先生っ、美咲先生っ、そんなに激しく…し、しないでぇ」
限界を訴える卓也の叫びに、我れに返る美咲。
「あ、あぁ、ごめんなさい。大丈夫?」
あわてて指の力を抜いて、緩やかな摩擦刺激に切りかえる。
キャミソールに勃起乳首が擦れ、そのたびに生じる微電流にうずき、噴きでる甘い汗に蒸れる。
股間には熱いぬめりが湧きあがっていた。
股布が淫裂にぴったり張りついて不快だった。
それに無性に身体が火照る。
「あぁ、美咲さん、どうして?どうしてまた、こんなことを…うぅっ」
ひきりない快感に身を委ねながらも卓也は、美咲の優しさの理由を探しつづけていた。
どうやら美咲は、この前のことを怒ってはいないようだ。
でも、だからといって、ふたたびの淫らな行為の理由にはならない。
「さっきは卓也くんが謝ってくれたけど、謝らなければいけないのは、きっと私ね」
緩やかな摩擦刺激をつづけながら美咲は呟いた。
「いつの間にか卓也くんも、すっかり大人になっていたのね。それなのに私ったら、卓也くんの気持ちも考えないで、急にあんなこと言ってしまって…。本当にごめんなさい」
「そ、そんな。僕が悪いのに、どうして美咲さんが謝るんですか?」
こう聞きかえしながら卓也はようやく、美咲の気持ちが理解できた気がした。
(美咲さんは、僕の気持ちに気づいているんだ。だから僕に気を遣って…)
美咲の優しさが胸に痛い。
だが同時に、好きでもない男のペニスを、同情の気持ちだけで触ってくれてり美咲が、たまらなく気の毒に思えてきた。
世界で一番好きな女性に、そんなつらい思いをさせて平気でいるほど、卓也はわがままではない。
「先生、もういいです。僕の、から、手を離してください…」
「え…どうして?気持ちよくない?ごめんね、私のやり方が悪かったかしら?」
急速に力を失っていくペニスに美咲は、驚いたように卓也を見上げる。
「いえ、そんなことないですけど、いいんです。そのかわり…って言うのもヘンだけど、先生、絶対に幸せになってくださいね」
こみあげる涙をこらえて卓也は、無理に明るく言う。
そうしないと美咲に、また心配をかけてしまうから。
「もう!バカね!」
卓也の頬を両手で挟んで美咲は、自分の顔の正面に持っていく。
怒りを含んだ視線で卓也を見つめる。
「そんなつまらない気を遣う必要なんてないのよ!私にとっては卓也くんも、とても大切な存在なの。そうでなければ、三年間も一緒にお勉強なんてしないわ!どうしてどうしてわかってくれないの?私、すごく悲しい…」
美咲の声色に嘘は感じられなかった。
そして、卓也を見つめている瞳にも。
「せ、せんせい…でも、でも…」
みるみる溢れでる卓也涙を美咲は、そうっと寄せた唇で吸い取ってやる。
鼻先が触れるほどの距離で、卓也を見つめて美咲は言った。
「いい?よく聞いて。これからは私、卓也くんが大人になった時に役に立つ色々なことも教えてあげる。そしてもちろん、お勉強も一生懸命頑張りましょう。来年の春、ぜったいに大学に合格するの。わかった?卓也くんなら頑張れるわよね?」
結婚のことは口にしなかった。
卓也がわかってくれている確信があったから。
「はい!僕、頑張ります!美咲先生のために、絶対に合格してみせます!」
ふっきれたような表情の卓也を見て美咲は、少年の優しい心根をあらためて思う。
「とっても頼もしいわ。その意気よ。…それにしてもこの部屋、さっきより暑くなったみたいね…」
そう言うと美咲はさっそく、ワイシャツのボタンを一つずつ、ゆっくりとはずしていく。
解放された前を開いて、肩からワイシャツを滑り落とした。
露になった二の腕に、卓也の息を呑む音が聞こえる。
90㎝を優に超える美咲の乳房が、薄いキャミソールのなかでかすかな身じろぎに肉丘を揺らす。
ブラジャーはつけていないから、もちろん乳首のふくらみが、生地の上にぷっくり浮きあがっている。
勃ちあがった乳首が生地に擦れて美咲は、小さく甘い溜め息をついてしまう。
乳肌もとても敏感になっていて、わずかな衣擦れにさえ乳首が、ますます硬くなっていくのが感じられる。
「ふぅ、少しは涼しくなったわ。でも、まだまだ足りないな。私ってね、意外に暑がりなのよ」
卓也に向かって軽く微笑む美咲。
自分から脱ぎはじめたとはいえ、言い訳でも口にしないと、教え子の前で肌をさらすことなど、とてもできそうもない。
脱いだワイシャツを床に投げ捨てると今度は、キャミソールの裾に手をかけた。
そして、さっきよりもっとゆっくりと、裾を持ちあげていく。
焦らすつもりなど毛頭ないが、やはり緊張してしまう。
引き締まってはいるが、女らしい丸みを帯びた腹が、まず最初に露になった。
持ちあがる両腕に背中が伸びあがり、部屋の明かりに腹肌が、ぬめるような光沢を放つ。
剥き出しになったウエストは驚くほど細い。
卓也は今夜、美咲のへそを初めて見た。
縦長で形のいい美咲のへそは、それだけで一人でしたくなるほど愛らしい。
ゆっくりではあるが、確実にたくしあがっていくキャミソールはやがて、乳房の下弦肉にさしかかった。
眩いばかりに純白の乳肌が、ぬめった光沢に室内の明かりを反射させる。
「あっ…あぁ…」
(み、美咲さん、お、おっぱい、おっぱいが、み、見えちゃうよぉ!)
あんまり乳房が大きいせいで下弦肉は、自重に耐えかねたように少し、下方に円弧を緩めている。
そのせいで下弦肉が作る影が胸肌に、乳房の輪郭を浮かびあがらせる。
こんなにずっしり重そうな乳房を見たのは、もちろん生まれて初めての卓也だった。
「あん、ほんと邪魔…」
美咲の大きな胸は、キャミソールの生地にもちろん引っかかってしまう。
だから美咲は、胸の前をことさらに持ちあげて引っ張りあげる。
あきれるほどの乳肉の先にふいに、薄桃色の突起が姿をみせる。
卓也が喉奥で、くぐもったうめき声をたてた。
(これが、美咲さんの、ち、乳首!)
乳輪と乳肌の境目は先端に向かって、ごく微細なグラデーションに色を変えていき、やがて美しい薄桃色に乳首を染めあげている。
勃ちあがった先端は、少しだけ色が濃く感じられる。
乳房のボリュームと比べると、乳首は決して大きくはないが、全体のバランスは取れている。
勃ちあがった柔突起もほどよい大きさだ。
キャミソールを頭から脱ごうとした美咲は、自然と胸を前に突きだすような体勢になった。
「う…わぁっ!」
卓也の目の前で薄桃色をした突起が、つん!と大きくせりあがり、乳肉全体がたまらない柔らかさに振動する。
「さっきシャワー浴びたばかりなのに、もうこんなにべたべたになってる…」
肌にまとわりつくキャミソールに、美咲が身体をよじった拍子に、汗に濡れた乳肌がぶつかり合い、ぴたん…とかすかな肉濡音をたてたことを、卓也は一生忘れない。
「あぁ、美咲さんのおっぱい、それに乳首も、ま、丸見えになっている…。あぁ、すごい、すごすぎるよぉ!」
卓也の右手がいつの間にか、勃起したきった分身をしごきはじめていた。
塗りひろげられた我慢汁が茎肌を、ぬらぬらと淫猥に光らせている。
「もう、卓也くんったら、エッチ。自分でしちゃうなんて…。私が触ってあげるまで我慢できないの?」
脱ぎたてのキャミソールを傍らにおいて美咲は、卓也を柔らかく睨む。
羞恥に赤く染まった頬が、乳房の白さとたまらないコントラストを作りあげている。
「ふう…。裸になっても、あんまり涼しくならないね…」
胸もとに浮かんだ汗を拭いながら美咲は、卓也に向かって柔らかく微笑みかける。
露になった上半身を美咲は、隠そうとはしない。
それどころか、両手を後ろ手に組んで、乳房の隅々までを卓也にさらしている。
乳房が大きい割に身体は細いから、美咲の上半身は華奢な印象が強い。
抱きしめたら折れてしまいそうだ。
でも適度に肉がついているせいで、痩せすぎな印象は微塵もない。
卓也は、まばたき一つせずに、美咲の乳房を見つめている。
喉仏がせわしなく上下し、湧きあがる唾液の嚥下に忙しい。
「そんなに黙って見つめないで…。私、恥ずかしい」
「あ、す、すいません!でも、でも…あぁ、美咲さんのおっぱい、綺麗すぎます。あぁ、僕、僕もう…」
絶え間ない手淫刺激にペニスは、これ以上ないほどの完全勃起にそそり勃っている。
心臓の鼓動に合わせて、びくん…びくん…と切っ先を揺らしている様子は、獲物に狙いを定めた蛇みたいだ。
「触りたかったら、いいのよ」
消え入りそうな声で美咲。
今さらのように頭のなかを、様々な思いが交差、せめぎあう。
でももう、後戻りはできないし、するつもりもない。
後ろに組んでいた手をほどき、乳房の下弦にあてがった。
そのまま上に向かって持ちあげてみせる。
ずっしりした重量感とともに乳房が持ちあがり、乳肉が柔らかく歪む。
軽く握ってみせると指先が、むにゅぅ…と音をたてそうに食いこんでいった。
「ほら、私のおっぱいって、こんなに柔らかいのよ。それに、とっても重たいの。卓也くん、触ってみたくないの?もしかして私のおっぱいが嫌いなのかな?そうだったら私、とても悲しい…」
わざと少し拗ねたように美咲。
寄せられた眉。
尖らせた唇。
たまらなく可愛らしい。
「さっき私、勉強以外にもいろいろ卓也くんに教えてあげる、って言わなかったかしら?これがその、特別授業なのよ。卓也くんってもしかして、こういうお勉強は嫌いなのかしら?」
両手で美咲はなおも、自分の乳房を揉みしだき、乳肉を食いこませる。
互い違いに持ちあげて乳房を擦り合わせ、柔肌を桃色に染めあげていく。
尖りきった乳首を、卓也に見せつけるように絞る。
粘膜突起に生じた快感電流に身体を貫かれ、つい小さなうめき声をあげてしまう。
「はふぅ…さ、答えて。こういうお勉強はしたくないの?」
「そ、そんなことありませんっ。でも、でもぉ…」
淫らに歪み、揺れる乳房から卓也は、一秒足りとも目が離せない。
相変わらず右手は、激しい摩擦刺激を勃起に加えている。
憧れの美咲の乳房が、あまりに素晴らしすぎて、逆に手が出せなくなってしまっている。
「もう、勇気がないのね。この前は、あんなに乱暴だったくせに」
艶然と微笑む美咲の口もとに、小さく舌が顔をのぞかせ、唇をじっとり舐め濡らしていく。
熱を持ったように潤んだ瞳で、卓也を見つめる。
やがてソファの上に膝立ちになると美咲は、
「ほうら、こんなことされても、卓也くんは我慢できるのかしら?」
乳房の間に卓也の顔を挟みこんだ。
「み、美さき!?…うぅ…ぐぐっ!」
巨乳のこととて卓也は、むっちりした肉感に顔面を、くまなく包みこまれてしまう。
乳間に蒸れた汗が、美咲の匂いをことさらかき立てて、卓也の鼻腔をたまらなく刺激する。
(うわぁっ!おっぱいが、美咲さんのおっぱいが、僕の顔を!…)
むぎゅう…と、無遠慮に頬に押しつけられた乳肉が、信じられないほどの柔らかさで卓也を悦ばせる。
それに産毛の感触すらほとんど感じられないほど、美咲の乳肌は滑らかだ。
「うぅ…むぐぅ…むちゅ…」
美咲の乳房の感触に我れを忘れた卓也は、夢中になって顔を振る。
鼻先を乳肉に突っこみ、胸いっぱいに乳肌の匂いを吸いこんだ。
今まで嗅いだことがないほど強い甘酸っぱい芳香に、危うく射精しそうになってしまう。
美咲の身体の匂いが卓也は大好きだ。
木苺の酸味を十全に活かしながら、たっぷりの砂糖とミルクで甘く味付けたような美咲の匂いは、クラスの女子の身体からは決して漂ってこない。
卓也に問題を説明している時の美咲は、普段以上に身体を近づけてくる。
そんなとき卓也は、肺が張り裂けんばかりの深呼吸を何度も何度も繰りかえして、濃厚な美咲の匂いに溺れるのが常だった。
だが、こうして美咲の生乳に顔を突っこんでいると、それまでに嗅いだ何倍も濃厚な美咲の匂いが鼻腔に押し寄せてきて、卓也の頭は痺れたようになってしまった。
(あぁ、こんな風に、おっぱいに顔を埋めながら、美咲さんの…に入れることができたら、どんなに素晴らしいだろう!)
そう思った途端、一度はやり過ごした射精衝動がまた高まってきた。
触ってもいない勃起がぴくぴくと痙攣をはじめ、玉袋が下腹にあがていく。
会陰部がたまらなく熱くなっときて、筒先から我慢汁が、とめどなく溢れはじめる。
(ま、まずいっ。出ちゃう!…)
卓也はあわてて肛門を引き絞った。
顔面を美咲の乳房に埋めたままだから、効果は少なかったが、それでもどうにか、尿道を通過しようとする精液を抑えることができた。
射精衝動がおさまったのをいいことに卓也は、美咲の乳房に自分の顔を、いっそう強く押しつけていく。
(あぁ、美咲のおっぱいって、なんて柔らかいんだろう!)
鼻面と頬に、乳肉の柔らかさがたまらなく気持ちいい。
押しつけすぎて呼吸が苦しいが、そんなことにはかまっていられない。
あたりかまわず唇を持っていき、思いきり吸いあげた。
乳肌の滑らかな感触にますます興奮してしまう。
舌を無理やり突きだして、柔肌になすりつけ、舐めまわす。
汗に濡れた乳肌は少し塩辛いが、もちろん極上の味わいだ。
「あん…んんっ…どう?私のおっぱい、美味しいかしら?」
乳間で暴れまわる卓也に美咲は、上体を支えるのがやっと。
真んなかに寄せられた乳肉は、卓也の顔に歪み、指の間から乳首がとびだしている。
「あう…うぅっ…美咲さん、あぁ、美咲さん!」
卓也は、美咲の背中に両手をまわして、力いっぱい抱きしめた。
とうぜん顔面に乳肉が、これ以上ないほど押しつけられた。
顔はもちろん、耳まで乳肉に包まれているので、なにも見えず、なにも聞こえない。
鼻腔いっぱいの美咲の匂いと、顔中に感じる肉の圧迫感に、なんだか美咲のなかに入りこんでしまったみたいだ。
「むぐぐ…ぐぅ…はむぅ…」
鼻息も荒く卓也は、美咲の乳房を顔面いっぱいに貪りつづける。
美咲の手から乳房を取りあげて卓也は、自分の頬にぴたぴたと、乳肉を押しつけたり離したり。
汗と唾液に濡れた乳肌が耳もとで、ぶるんぶるんと暴れまわり、ぶつかる乳肉が卓也の頬をたまらない肉の感触で刺激してくれる。
おまけに、圧倒的な乳肉は揺れるたび、団扇であおいだみたいに風を起こすから、火照って頬にとても気持ちいい。
激しさを増す乳房の揺れに乳首が、桃色の残像を残しながら激しく振りまわされる。
「あっ…うふぅ!…んんっ」
卓也の頬に乳首がぶつかるたび美咲は、甘い溜め息を小さくもらしてしまう。
(あぁ、美咲さん、乳首が気持ちいいんだね!よぉし、今度は僕が!…)
乳谷からやにわに頭をあげると卓也は今度は、右の乳首に無造作にしゃぶりついた。
今度は美咲が叫ぶ番だった。
「んっ!?ひ、ひぃっ!たく、やぁ!…くぅん!」
勃起乳首に唐突に生じた舐め刺激に、美咲の身体が大きく痙攣した。
毛穴という毛穴から、甘い汗がどっと噴きだした。
「くふぅ…はふ…ひっ!…んんっ!」
あお向いた美咲の顔。
目は閉じられ、鼻の頭に汗の粒が浮いている。
快感のうめきをあげまいとしてか、前歯で下唇が真っ白になるほど噛みしめている。
もっとも卓也は、そんな美咲の様子にはまったく気づいていない。
初めて舐める乳首の感触に我を忘れ、一心不乱にしゃぶりつくばかり。
(ああ、美咲さんの乳首って、なんて美味しいんだろう!た、たまんないよ!)
硬く勃起しているくせに美咲の乳首は、舌で弾くと簡単によじれてしまうほど柔らかい。
でも次の瞬間には、すぐまた元通りに起立する弾力を持っている。
この感触がたまらない卓也の舌遣いは、ますます激しくなるばかりだ。
握りしめる乳房はすっかり汗に濡れている。
いかな美咲の巨乳とはいえ、卓也の指は、しばしば乳肌を滑り、こぼれ落ちてしまう。
仕方なく卓也が、指先に力をこめると、さらなる弾力に潰れた乳肉が、たまらない柔らかさで掌を悦ばせてくれる。
「あひぃぃっ!そん、なぁにぃ、おっぱいを、つ、強く、握っちゃだめぇ…」
巨乳のくせに美咲はおっぱいが敏感だから、ちょっぴり乱暴さを増した卓也の指先に、甘い溜め息をついてしまう。
卓也の指の間から飛びでた乳首が、互いにそっぽを向いている様がなんとも可愛らしい。
【8 乳房】
わしづかみの乳房を卓也は、少し強引に真んなかに寄せている。
触れ合った乳肉がいびつに潰れ、これも擦れ合っている乳首が、柔らかく歪んでいる。
仲良く肩を寄せている乳首を卓也は、一度に口のなかに吸いあげる。
「あぐぅっ!そ、そんなぁ、ふたつ、いっぺんになんてぇ…」
吸いあげる卓也の唇が、柔粘膜を震わせ、美咲の性中枢にたまらない微振動を送りこんでくる。
おまけに、これ以上ないほど敏感になっている乳首同士が、卓也の口のなかで触れ合い、擦れ合っているせいで、快感電流は文字通り倍加して美咲を苛んでいるのだ。
「あっ、ふうっ!卓也…くふぅん!そ、そんなに乳首を、いぢ、いぢめ、なぁいでぇ。でないと私…あはぁ!」
飽きることを知らぬ卓也の舐め愛撫に、美咲の下半身はすっかり言うことを聞かなくなっている。
膝立ちの姿勢で卓也の頭を抱えこんだまま、かろうじて身体を支えている有様だ。
(あぁ、もう、私、ダメになっちゃいそう…)
年上の余裕たっぷりに、卓也を誘ったはずの美咲だったが、思春期の性欲の激しさまでは計算に入れていなかった。
こんなに激しく乳房を愛撫されたのは、生まれて初めてだった。
パンティはもう、恥ずかしい汁にすっかり濡れている。
淫裂孔付近の股布はきっと、縦長の輪っかに濡れているに違いない。
もしかしたら股布は、外陰唇にぴったり張りついて、淫らな輪郭をくっきり浮かびあがらせているかもしれない。
こうしている間にも膣奥から、はしたない汁がじくじくと染みでてくるのが感じられる。
このままでは股間はきっと、お漏らししたみたいにビチョビチョになってしまうだろう。
美咲の乳房を卓也は、相変わらず夢中になって舐めしゃぶっている。
だから美咲の快感も、どんどん大きくなるばかり。
ついさっき乳首を甘噛みされた時は、堪えきれず大きくのけ反ってしまったほどだ。
(あぁ、ダメ、本当にダメになっちゃう…)
とにかくも、攻撃の手を緩めさせなければならない。
このままでは主導権を握られかねない。
「もう、卓也くんったら!お返しに、こうしてやるんだからっ」
だから美咲は、胸に抱きかかえるようにしていた卓也に、全体重をあずけていった。
「あっ…う、うわぁ」
思わず乳首を離した卓也が、驚きの声をあげたのもつかの間、顔面を乳房に押されて、あっけなくソファにあお向けになってしまう。
乳房で卓也を窒息死させる寸前で美咲は、四つんばいに身体を支え、卓也を見下ろす。
卓也の顔はもう、口もとはもちろんおでこまで、自分の唾液と美咲の汗に濡れていた。
「ふう…。卓也くんって本当にイジワルなんだから。私のお願い、ちっとも聞いてくれないのねっ。あんなにやめてって言ったのに…」
絶え間ない舐め刺激から解放されて、ようやく少し余裕のできた美咲。
呆然と見上げる教え子の鼻先を、指先でぱちんと弾いて、艶然と微笑んでみせる。
唾液と汗に濡れ光る乳房はしかし、相変わらずの激しい鼓動に波打っているが。
卓也から視線をはずさぬまま美咲は上体を起こすと、後ろ手に勃起に指を伸ばし、掴む。
「あ、う…うぅ」
乳房舐めに欲情しきっている卓也だから、わずかな刺激にさえ敏感に反応してしまう。
おまけに握っているのは美咲なのだから、卓也の快感は大きい。
「ふふっ、もうそんな顔してるの?だらしないのね。でも、とっても可愛い」
追いこまれていた自分を棚にあげて美咲は、卓也のだらしなさを冗談半分に叱る。
その顔は、年上の慈愛と優しさに満ちていた。
「今度は私の番。また気持ちよくなってね」
ドアノブを握るみたいに卓也に指先を絡めると、緩やかな摩擦運動を開始する美咲。
「あ、あぁっ!みさっ、きぃっ!あうっ!」
三擦り半で、あっという間に限界を超えた射精衝動に、必死に唇を噛みしめる卓也。
こういうところはまだまだ子供だ。
「ふふっ、すごく感じてるのね。その調子よ。もっともっと気持ちよくなって。もしイキたくなったら、我慢しなくたっていいのよ」
後ろ手の少し不自然な体勢ながら美咲は、亀頭全体を掌に包み、ひねりを加えながら摩擦してやる。
裏筋に当てた指先を細かく振動させ、追いこんでやることも忘れない。
硬すぎるほど硬い卓也が、美咲の心を切なく刺激する。
充血した海綿体の、ごりごりとした感触と、膨れあがった亀頭粘膜の、つるつるした手触りに我れ知らず、甘い溜め息をついてしまう。
(あぁ、こんなに元気なのをしごいていると、ますますヘンな気持ちになっちゃう)
さっきまで舐め刺激に苛まれていた乳房には、快感の火種が今も、熱っている。
ほんの少し触れさえすればきっと、強烈な快感が背筋を貫くはずだ。
その瞬間を想ってつい、右手が乳房に動きそうになって美咲は、大急ぎで自分を叱った。
自分で気持ちよくなっているところなど、卓也には絶対見せられない。
おまけに乳房の快感は、美咲の全身を発情させてしまっていた。
わずかな空気の流れにも肌が敏感に反応し、開いた毛穴から甘い汗が噴きでてくる。
そうでなくても潤みを帯びている淫裂が、卓也の体温に温められているせいで、美咲の鼻腔にはすでに、恥ずかしい匂いが薫っている。
(あぁ、でも、でも…)
濡れた淫裂に気づかれたくない気持ちが半分。
残りの半分は、その逆。
手のなかのペニスは、ますます硬くなるばかり。
大量の我慢汁がねちゃねちゃと、卑猥な練り音をたてて、美咲の指に絡みつく。
(あぁ、どうしたらいいの?濡れ濡れの…なんか、見られたくないけど…触って欲しくてたまらない…)
羞恥と欲情がせめぎあい、やがて…
「た、卓也くんは、私のおっぱいがとっても好きなのね」
からからに乾いた喉のせいで、美咲の声は少しかすれている。
「は、はい…すいません」
どうして美咲がそんな質問をすのかわからなくて卓也は、とりあえず謝っておいた。
「どうして謝るの?私とっても嬉しいわ。あんなに一生懸命なめなめしてくれたんだもん。すごく気持ちよかったわ。ありがと」
乾ききらぬ唾液に光る自分の乳房にちらと視線を投げて美咲は、恥ずかしそうに笑った。
「…でもね、卓也くんが気に入ってくれそうなところ、おっぱい以外にも、まだもう一つ、あるのよ」
これから自分がすることを思い、美咲の背筋に戦慄が走る。
卓也を握る指先に、思わず力がこもる。
硬茎の弾力と脈動が、掌に切ない。
「え、もう一つ、僕が気に入るところ…?」
オウム返しに繰りかえす卓也。
言葉の意味を悟った瞬間、美咲の手のなかで勃起が、また一段と膨張し、硬くなった。
「きっと卓也くんに、気に入ってもらえると思うんだけどな…」
大胆な言葉とは裏腹に、美咲の心臓は破裂しそうだ。
が、抗えぬ期待に淫裂が、じんわり潤んでいくのが感じられて、ますます恥ずかしくなってしまう。
美咲は勃起から手を離した。
一度卓也から降りると、ショートパンツを思いきって脱ぎ捨てて、ふたたび馬乗りにまたがる。
美咲のパンティは白だった。
フリルや刺繍などない三角形の布は、サイドが細紐で結ばれているシンプルなデザイン。
就寝前のこととて、締めつけ感の少ない下着を選んでいるのだろう。
股肉が腰のところまで、丸見えになっている。
「み、美咲さん…う、うそ、嘘なんでしょ?」
上はすでに裸になっているから、美咲の身体の線は、ほぼ完全に剥き出しになっている。
美咲の腰の線が、こんなにも丸みを帯びていて優しげなことに卓也は、いま初めて気づいた。
ショートパンツ一枚なくなっただけで、これほどボディラインが映えるものなのだろうか?
大胆きわまりない美咲の行為に、卓也の驚きと感動は大きい。
「…」
目を更にして見つめる卓也にはなにも応えずに美咲は、またがっている腰を軽く浮かせて、少しずつ前にせりあがっていく。
「あう…」
ひときわ高まった、美咲の生内股肌の感触に、思わず溜め息をもらす卓也。
どんどん近づいてくる股布から、一秒たりとも目が離せない。
美咲の尻は、卓也の腹の上からみぞおちに移動し、やがて、胸の上にやんわりと体重をかける。
自分のすぐ下にある教え子の顔に、美咲の羞恥が炎をあげて燃え盛る。
またがった股間に、淫裂孔が緩む。
ねっとり熱い潤みが溢れてきて、みるみるうちに股布を汚していくのがわかった。
さっきの戦慄が、快感への期待だったことに美咲は、今ごろになって気づいた。
【9 初めての秘唇】
細身の美咲は決して重くはないが、胸に乗られているとさすがに少し苦しい。
でも卓也は、ちっともイヤではない。
卓也の顎の下、5㎝と離れていないところに、美咲の股間が見える。
白パンティのこととて、陰毛の茂みがうっすら透けて見えるのがたまらなく色っぽい。
(先生の陰毛が見れるなんて、あぁ、信じられないよっ!)
卓也はさっきから深呼吸を繰りかえしている。
「ごめんね。私のせいで卓也くん、息ができないのね」
すまなそうに美咲は言うが、理由はまったく別。
軽いえぐみを感じさせる股間の芳香は、甘酸っぱい美咲の身体の匂いと混じると、なんともいえない美薫に変化して、卓也の鼻腔をたまらなくさせてしまうのだ。
無理して頭を引いて卓也は、美咲の股間奥に視線を投げた。
飛びこんできた光景に、卓也の心臓が一瞬とまった。
三角形の頂点、ちょうど淫裂が覆われているあたりの股布が、べったりと濡れていた。
パンティの色が変わって見えるほど濡れているのだから、汗ではないことくらい卓也にもわかる。
(せ、先生、濡らしちゃってるんだ!エッチなお汁で、パンティを汚しちゃってるんだ!)
そういえば胸肌にさっきから、なにやら湿った感触がしているが、まさかそれが美咲の汁のせいだとは、卓也には想像すらできなかった。
股間奥、淫裂が隠れているあたりに卓也は、さらに視線をねじこんでいく。
またがっている美咲だから、淫裂を覆う股布を完全に見ることはできない。
でも、股間肉にぺったり張りついたパンティは、淫裂上部のディテールをほんの少しだけ、卓也にあからさまにしてくれている。
透けた陰毛の間に、色素の濃い粘膜が垣間見える。
真っ白い肌の美咲だから、コントラストはより強烈だ。
(ま、まさか、あ、あ、あれ、美咲さんの、…なの?)
卓也の体に震えが走った。
後から後から感動が押し寄せてきて、なかなか鳥肌がおさまらない。
濡れたパンティの上から、ほんの少しだけわかる粘膜の様子とはいえ、相手が美咲ゆえに卓也の感動は大きい。
(美咲さんの…でも、こんなエッチな色をしているんだ…)
布の上からでもわかる、色素濃い粘膜の様子は、憧れの女性に抱いている神聖なイメージを、ひどく生々しいものに変えてくれる。
卓也の脳裏にふいに、勉強を教えてくれている美咲の姿が浮かんでくる。
常に微笑を絶やさず、落ち着いた口調で疑問に答えてくれる美咲。
普段の美咲は、ゆったりした物腰もあって、エレガントな印象が強い。
その美咲が、汗まみれの身体から甘酸っぱい匂いを薫らせ、今、自分にまたがっている。
勃起乳首は唾液と汗に濡れ、あろうことか股間は、お漏らししたみたいに濡れている。
美咲だって生身の人間だということは、充分わかっている。
トイレにだって行くし、年齢的に処女ではないことも安易に想像がつく。
なにしろ婚約者がいるのだから。
でもこうして実際に、美咲がパンティを濡らしているところや、粘膜の色素沈着の様子を見せられると、女性の神秘を初めて見たということ以上に、どうしようもなく興奮してしまう。
(あぁ、僕、とっても嬉しいよっ。美咲先生が、こんなにエッチな格好で、僕にまたがっているなんて…)
「ねぇ、見て…」
呆然としている卓也に、艶然と微笑みながら美咲は、腰を軽く浮かせる。
二人の体温に温められた美咲の股間から、女の匂いがさらに強く薫る。
「卓也くんはきっと、ここも気に入ってくれるんじゃないかな…」
浮きあがらせた腰を美咲は、軽く前に押しだすようにしたから、今まで見ることのできなかった淫裂表面を覆う股布が、卓也の網膜に飛びこんできた。
「う、うわぁ!…」
恥汁にすっかり濡れ、二人の体温に蒸れた股間は、張りついた股布の上にくっきりと、外陰唇を浮き彫りにしている。
二枚の外陰唇の隆起してる様子まではっきりわかるから、性器を直に見ているのとほとんど変わらない。
「もう、いやだわ。そんな大きな声だして…」
卓也の歓声に少し顔を赤らめながら美咲は、それでもさらに、身体を前に進める。
濡れたパンティに包まれた股間はいまや、卓也の目の前、数㎝に迫っている。
「どう?卓也くん。私のここ、気に入ってくれたかしら?」
卓也をまたいで見下ろしている美咲は、さすがに少し恥ずかしそう。
そんな美咲の問いかけに卓也は、しばらく呆然と、麗しの家庭教師の股間に見惚れるばかり。
ようやく我に返り、あわてて口を開いた。
「え?は、はいっ!もちろんです!あぁ、すごいよ、…が、美咲さんの…が、こんな近くにあるなんて…」
股間にぴっちりと、隙間なくはりついているパンティの縁から、陰毛がはみでている。
生え際の柔毛だから、粗野な感じや汚らしさはもちろんない。
だが、はみでている陰毛のいやらしさは格別だ。
もちろん卓也は、もっと小さくて食いこんだビキニを着たグラビアアイドルの写真を見たことは何度もある。
しかし、見られることを前提としていない下着の無防備さは、卓也の劣情を盛らせずにはいられない。
より強まった股間からの薫香も、もちろん卓也を興奮させている。
目の前の股間もさることながら、そのすぐ上に見える剥き出しの乳房もたまらなかった。
卓也に股間を押しだしている美咲の上体は、軽くあお向いている。
だから勃起乳首は、つんと反りかえって、リビングの天井に狙いを定めているみたいに見える。
照明を直に受けた乳首は今は、金色を先端に帯びた薄桃色に光り輝いている。
美咲の汗と卓也の唾液に濡れた乳肌は、大理石のように滑らかな光沢を放っている。
深い深い胸の谷間を汗の一滴が、じっとりと流れ落ちていくのが見える。
リビングの照明にミルク色に光る乳房は、隆起の陰影がより強調されて見える。
おまけに卓也はあお向けになっているから、逆光に浮かびあがる美咲の乳房の美しさに、ただただ溜め息をつくしかない。
乳肌表面、ちょうど胸の谷間にあたる肌は、間接照明の柔らかい光に艶かしく濡れ輝いているが、下弦肉の丸みは陰に沈んでいる。
でも、白すぎるほど白い美咲の乳房だから、たとえ光が届かずとも輪郭まで見えなくなりはしない。
乳肌表面とのコントラストのせいでかえって、柔らかさが際立って感じられるほどだ。
「ふふっ、そんなに大きく目を見開かなくたって、こんなに近づいているんだから、よく見えるはずでしょ?」
うつ向いた美咲が、卓也を甘く見つめて微笑む。
へそのところでくの字に折れ曲がった腹に、乳房が下を向いた。
うつ向いたせいで、普段はぴったり胴体に張りついている下弦肉が、少し垂れて見える。
垂れていると言っても、形はまったく崩れていないから、そうでなくても大きな美咲の乳房が、なおさら大きく感じられてならない。
ついさっきまで舐めしゃぶっていたはずの乳房が、無性に恋しくなってきて卓也は、思わず生唾を呑みこんでしまった。
すぐ目の前にある淫裂だって、もちろんたまらなく魅力的だ。
だから卓也は、美咲のありったけを網膜に焼きつけようと、視線を上下させることに忙しい。
卓也を見つめたまま美咲は両手を、パンティのウエストに持っていく。
「じゃ、次はね、もしよかったら、パンティを、ね、脱がしてくれても、いいのよ…」
顔を真っ赤にさせてこう言うと美咲は、パンティを掴んで、ぐうっ、と持ちあげてみせた。
そうでなくともぴったり張りついていた股布が、きゅぅっ…と性器粘膜に食いこんだ。
「ほうら、ここにはね、卓也くんの大好きなものが隠されているの。わかるでしょ?透けて見えるでしょ?」
(うわわっ!パンティが食いこんで!…)
食いこんだ股布のなかで外陰唇がたまらず、むにゅう…と淫らに歪み、変形していくのがはっきり見える。
かなりの力で美咲はパンティを引っ張りあげてるから、股布は今にも破けてしまいそうだ。
自分でしているくせに、股間に食いこんだパンティの圧迫感が、なおさらに美咲を羞恥させ、これ以上ないほど発情させてしまう。
「こうしたらどう?…ほうら」
淫裂に負けないくらい潤でいる瞳で美咲は、今度は食いこんだパンティを、ほんの少し横にずらして見せる。
みちょ…とかすかな濡れ音をたてて外陰唇が一枚、あっけなく顔をのぞかせた。
濃いピンク色の粘膜舌はすでに、ぴかぴかに濡れ光っている。
「ぐ!…」
卓也はもう、声にならない。
大きく見開いた目で、はみでた美咲の粘膜舌を凝視するばかり。
あんまり近すぎてピントが合わせにくいが、そんな贅沢は言っていられない。
本物の陰唇を見たのはもちろん初めてだ。
インターネットで仕入れた知識しかない卓也にとって、美咲の外陰唇はあまりに美しい。
ちょこんと顔をのぞかせている外陰唇は、端正な半円形の輪郭をしている。
濃桃色の表面はつやつや光り輝き、風合いはあくまでも柔らかそうだ。
舌の上に乗せたらきっと、砂糖菓子みたいに甘いのだろう…と卓也は、勝手な想像をした。
こうして眺めているだけで、闇雲にペニスをしごきたてて、今にも撒き散らしたい衝動に駆られてしまう。
触りたいとか舐めたいなんて考えは、これっぽっちも思い浮かばなかった。
美咲の究極の女性美を目にできただけで、充分すぎるほど卓也は幸せだ。
だから卓也は、美咲の提案を聞いた瞬間、本当に呼吸することを忘れてしまうほど驚いてしまったのだ。
「ねぇ、卓也くん、もし卓也くんが、私のここに、キスしたいのなら、いいのよ、好きにしてくれても…」
「えぇっ!き、キス!?美咲、さんの、お、…に、き、キス!」
美咲のにキスできると想像しただけで、口内に唾液が大量に溢れてきた。
なおさら硬くなった勃起はもう痛いほどで、あお向けの下腹にビクビク痙攣している。
本当は、美咲の気が変わらないうちに、淫裂にむしゃぶりつきたい。
濡れ濡れの股布を唇で絞り、吸いあげて、美咲の愛液で喉を潤したかった。
その後でパンティを脱がせて、剥き出しになった淫裂のそこら中に、キスの雨を降らせたり、舌を膣孔にぶちこみ、粘膜壁の締めつけに溺れたかった。
「大丈夫。さっきシャワーを浴びたばかりだから。汚くなんてないから」
美咲の身体に見惚れたまま、いっこうに動こうとしない卓也を勘違いした美咲が言った。
美咲の言葉を裏書きするように、美咲の内股肌から、ボディソープの匂いが濃く漂ってくる。
体温に温められたパンティは、洗剤の匂いをほのかに薫らせている。
「そんな、汚いなんて思ってませんっ。美咲さんの身体に、汚いところなんて、あるわけありません…」
美咲の身体ならば、たとえ一週間風呂に入っていなくたって汚くなんかない。
喜んで身体の隅々まで舐めまわせる自信が卓也にはある。
それでも卓也はただ、美咲の股間に熱い視線を投げかけるだけ。
あまりに幸せすぎて怖かったのだ。
触った瞬間、すべてが壊れてしまいそうな気がして、身動き一つ取れない。
「じゃ、なんでそんなにジロジロ見てばかりいるの?卓也くんがそんな態度を取ってると私、ますます恥ずかしくなってしまうわ…」
美咲はさらに数㎝、身体を移動させた。
だから股間はちょうど、卓也の口の上に来た。
「ねえ、早く私のここに、キス、してくれないの?」
吐息混じりの美咲の呟きはいまや、マッチの火を近づければ燃えあがりそうに熱くなっている。
そのまま腰を、ゆっくり落としていく美咲。
いつの間にか右手指が、股布にあてがわれている。
「こんなことするの、死んじゃいそうに恥ずかしいのよ…」
股布の端に差しこまれた人差し指が、白い布地を横にずらした。
「あっ…」
剥きだされた二枚の外陰唇が、卓也の口もとで、かすかに身じろぎしている。
ほんの少し唇を尖らせれば、簡単に触れてしまうほど近くに。
潤みきっている美咲だから、外陰唇の戒めはすでに緩んでいる。
あえかに開いた二枚の間から愛液が、長い粘糸を引きながら、卓也の唇に落ちていく。
「どう?これでも卓也くんは、私のここにキス、してくれないのかな?先生のここ、気に入らなかった?」
「あぁ、あぁ、先生の、美咲先生の、…が…。すごい、すごいよ…」
唇に落ちた美咲の汁を、大急ぎで舐め取りながら卓也は、ただただ呆然と、目の前の淫景に見惚れるばかり。
頭のなかが真っ白になって、ぐつぐつと煮え立つような欲望が、猛烈にこみあげてくる。
剥きだした淫裂に指を入れて美咲は、縦長の入口に沿って上下に動かした。
「くふぅ…はふぅ。ほらぁ、もう…こ、んなに、あうぅ…卓也くん、早く、キス、してぇ」
掃けるように動く美咲の指先を伝って愛汁が、ねっとりとこぼれ落ちてくる。
いったん指の股に溜った汁はやがて、手の甲に沿って粘った道筋を作りあげていく。
おまけに美咲は、かすかに腰を振っているから、はみでた陰毛の先が卓也の唇に触れて、少しくすぐったい。
煽られたまわりの空気に、恥孔から淫薫が漂ってきて、興奮しきっている卓也の鼻腔を刺激した。
視覚、聴覚、そして嗅覚までも刺激されて卓也は、とうとう衝動を抑えきれなくなった。
「みっ、美咲っ!先生ぃぃっ!」
美咲の尻を両手で力いっぱい握りしめ、引き寄せた。
同時に首を起こして、一秒でも早く美咲に触れようとする。
近すぎるほど近いところにあった美咲だから、卓也の唇はかなりの勢いで淫裂にぶつかる。
「ひっ!あんまり強く…あぐぅっ!」
小さな悲鳴をもらしたのもつかの間、卓也の猛烈な口唇責めに美咲は、背筋を大きくのけ反らせてしまう。
偶然にも鼻先が、淫核にぶち当たった。
包皮の上からとはいえ、敏感きわまりない小突起を攻撃されて、美咲の身体中に電撃が走った。
「むふう…うむむ…はふぅ…ううっ!…」
一方卓也は、淫裂いっぱいに押しつけた唇を大きくもぐもぐ動かして、女性器粘膜の柔らかさを味わっている。
(あぁ、ここって、こんなに柔らかいんだ!それに、とってもぬめぬめしてて、とってもいい匂いで、ものすごく美味しいよぉっ!)
初めて味わう女性器の感触に、卓也の欲望は膨れあがるばかり。
ましてや口にしているのが美咲の淫裂だと思うと、興奮は高まるばかりだ。
さっきの美咲の指先に従って、突きだした舌で淫溝を上下になぞり、ほじくる。
こんこんと湧きだす美咲の汁を、夢中になって吸いあげる。
ず、ずすっ、と濁音を響かせるたびに美咲が、恥ずかしそうな声をあげるが、やめることなんてできっこない。
鼻先に陰毛がくすぐったいが、それさえも快感だった。
頭上からは美咲の甘い鳴咽が、卓也の動きに合わせてこぼれてくる。
本当は、もっとじっくり、ゆっくりと、美咲の淫裂を堪能したいのだが、限界まで昴った欲望には、もう歯止めが効かない。
「あぶっ!あうう…も、もう、卓也、く…ひぃっ!私の、…が」
今は和式便器にまたがる格好に股を開いている美咲。
真っ白い内股肌が眩いが、淫裂に顔を突っこんでいる卓也には、残念ながら見ることはできない。
卓也の後頭部に両手をあてがい、淫裂に押しつけている美咲。
卓也の唇が動くたび、舌先に淫溝を刻むたび、顎の先が天井を向き、真っ白い首筋が美しく伸びあがる。
ともすれば腰が動きだしそうになるのを、必死に抑えなければならなかった。
恥ずかしくなるほど硬くなっている乳首が、愛撫を求めて切なくうずく。
激しすぎる卓也の口唇は、テクニックもなにもない。
しかし美咲は、強烈な快感に身体を震わせ、甘い汗を飛び散らせている。
「あん!もう、卓也くんったら!遠慮してたかと思ったら…あうぅ…こ、んなに…あぁっ!激しく、な、なめなめぇっ…するなんてぇっ!」
美咲の頭のなかにはすでにさっきから、色とりどりの閃光が何本も駆け抜けている。
無性に下半身がだるくて、ともすれば卓也の顔の上に座りこんでしまいそうになる。
和式便器にしゃがむ格好になっているせいで、肛門まで口を開いてる始末。
「わ、私だって、卓也くんを…」
美咲は後ろ手に、卓也を掴もうと努力してみる。
顔の上にしゃがんでいるねだから届くわけはなかった。
こうしている間にも卓也は、乱暴な口唇で美咲を追いこんでいく。
頭のなかを駆け抜ける閃光は、ますます明るさを増し、本数も増えるばかり。
もう、あまり時間はなかった。
乱暴な唇に肉芽をいたぶられた。
「あぁっ!ふぅっ!ぐぐっ!」
突き刺すような快感に堪えきれず、大きくのけ反ってしまう美咲。
垣間見えた絶頂に意を決する。
「ちょっとごめんね。私も、卓也くんを…」
尻肉をわしづかむ卓也の手を強引に振りほどくと、身体の向きを変えて、卓也の股間に顔を寄せた。
シックスナインの体勢だから、卓也の攻撃が不安だ。
でも、さらなる愛撫を期待する自分が心のどこかにいて、卓也の顔面に尻を向けずにはいられなかった。
美咲は、下腹から勃起を引き起こし、右手で根本を支えると、おもむろに唇をかぶせていった。
「むはぁ…むちゅぅ…んんっ!はふぅ…」
我慢汁まみれの亀頭をぱっくり咥えこみ、エラ縁を唇でこそぎ倒す。
浅咥えに唇を遣いながら、小便穴に舌先をねじこんでやる。
「あはぁっ!み、さ…美咲さぁん!」
今度は卓也が叫ぶ番だった。
腰が伸びあがり、喉奥を亀頭に突かれた美咲は少しむせる。
「うふぅ…さぁ、我慢しないでイッていいのよ。あぁ、卓也くんの…、すっごく硬くなってるわ。はむぅ…くちゅくちゅ…」
亀頭裏筋に当てた舌を小刻みに震わせながら、茎肌を上がり下がりさせる美咲。
小便穴直下は特に念入りに、硬く尖らせた舌でいたぶってやる。
横咥えに舌を遣いながら人差し指で、小便穴を軽くこじ開けた。
溢れでる我慢汁を塗りひろげるように指先を、細かく振動させる。
わしづかみに勃起を、ぐるぐると回転させながら、押しつけた舌で亀頭縁を舐め磨く。
「ぐっ!あぁ、みぃっ、さぁっ、きぃっ、さん!で、出ちゃう、出ちゃうよぉっ!」
文字通り身悶えする卓也にも美咲は、いっこうに攻撃の手を緩めはしない。
さんざん舐めしゃぶられた淫裂は、攻撃の手が緩んだ今もウズくばかり。
一刻も早く卓也を導かなければ、自分のほうが先にダメになってしまいそうだ。
それだけは、どうしても避けたい。
ずっ、ずずぅ…と、茎肌を垂れ落ちる我慢汁を美咲は、音をたててすすってやる。
それだけのことにも卓也の腰は、大きく痙攣する。
玉袋はすでに、下腹深くつりあがり、露わになった会陰部にさえ、美咲の舌が這いまわる。
「あっ、あっ、美咲、さん!ぼく、僕もう…ほんとに、で、出ちゃいそう…あぐぅっ!」
脂汗を滴らせながら卓也が、限界を訴えてくる。
目の前にある淫裂に注意が向かないほど追いこまれているみたいだ。
「さぁ、いいのよ!思いきり射精して!私のお口のなかで、たっぷり気持ちよくなってぇ」
唾液まみれの茎肌を、美咲の右手指が、猛烈な速さで上下する。
唇に思いきり力をこめて、ぱつぱつに張りきった亀頭エラを締めつける。
もちろん舌先で、小便穴を押しひろげ、尿道粘膜を舐め刺激しながら。
「えぇっ、口のなかで!?そ、そんな…あぁっ!美咲さん!僕、い、いく、いくっ…イクゥッ!!」
卓也の腰が、まるでばね仕掛けの人形みたいに大きく飛びあがり、勃起を美咲の口中深く突き立てた。
熱い先端が、美咲の喉奥にぶつかったのもつかの間、白濁の洪水が、口内いっぱいに溢れかえった。
「ぐふぅっ!ぐぐっ…あふぅ…うむぅ…んぐ…」
大量に注ぎこまれる粘汁を美咲は、躊躇なく喉奥に送りこんでは、嚥下に喉仏を震わせる。
ねっとりした感触が、美咲の食道を伝っていく。
ますます硬くなった卓也に舌を絡め、なおも刺激して、さらなる射精と快感をうながしてやる。
「うぐっ…あぐぅっ…ま、まだ、出ちゃうよ。先生っ、あぁ、美咲先生ぃっ」
卓也の腰がしゃくりあがるたび筒先から、なおさらの欲汁が噴きあがり、美咲の口腔を飽きることなく白く汚していく。
高校生の汁は熱く、濃厚で、美咲の口内にねっとりばりついて離れない。
不用意に嚥下すると、むせそうになるほどだ。
呑んでも呑んでもきりがなかった。
「あぁっ、美咲さん!美咲さんの…、とってもいやらしくなってるよっ。僕、舐めたい!」
憧れの女性への口内射精に感極まった卓也が、美咲の尻の割れ目に顔を突っこんだ。
恥汁を滴らせている淫溝に、硬く尖らせた舌がぶっさり突き刺さった。
アクメすれすれまで追いこまれていた美咲は、たったこれだけの刺激にさえ耐えることができなかった。
深々と呑みこんでいた勃起を、大量の涎れとともにひりだして、美咲が絶叫した。
「あはぁっ!だ、だめぇ!わたし、もぉ!い、イッちゃうぅぅっ!」
目を硬く閉じて、押し寄せてくる絶頂の衝撃に身体を硬直させる美咲。
うつ向いた口もとに、呑みきれない白汁が糸を引き、卓也の剛わりに落ちていった。
【10 甘味な個人授業】
あっという間に夏休みが終わり、二学期がはじまった。
夏休みの間、卓也は一生懸命受験勉強に励んだ。
バイトもせず、友達の誘いもほとんど断って、毎日机に向かった。
こんなに勉強したのはもちろん生まれて初めてだ。
卓也の隣りには、いつも美咲がいた。
本当は週に一回の家庭教師なのに美咲は、ほぼ週二回、多い時は四度も来てくれることもあった。
「こんなに一生懸命教えていただいて、なんとお礼を言ったいいのか…。美咲さん、本当にありがとうございます」
夜食とともに顔を出す卓也の母親が、恐縮しきった顔で美咲に頭をさげるのが恒例になった。
特別手当を渡そうとしても美咲は、頑として受け取らない。
「そんなに気になさらないでください。受験生は、今が一番大切な時期ですもの。私も卓也くんには、志望校に合格して欲しいんです」
美咲はこともなげに言って笑うばかりで、まるで屈託がない。
「でも先生だって、ご結婚、控えていらっしゃるんでしょう?来年の春でしたわよね?準備は進んでいるんですか?のんびりしていると、あっという間ですよ」
何気ない卓也の母の言葉に美咲は、笑顔は崩さぬまま、かすかに顔を強張らせる。
「え?えぇ、そっちのほうもしっかりやってますので、どうか心配なさらないでください。そんなことよりお母さま、この前の模試で卓也くん、合格率80%なんて高成績、取ったんですよ」
そして、そんなとき美咲はいつも、言葉たくみに話題をすり替えるのが常だった。
そんな美咲を見る卓也は複雑な気持ち。
(美咲さん、僕に気を遣ってるんだよね。…ごめんなさい)
美咲のことが大好きな卓也は、彼女が幸せになってくれれば、それだけで満足だ。
たとえ他の男と結婚することになっても、それを美咲が望むのであれば、心から祝福できる自信がある。
それだけに美咲の気遣いが申し訳なく、つらかった。
勉強が終わると美咲はいつも、卓也を射精に導いてくれた。
もっとも、いつも授業の後というわけではなく、卓也が集中していない素振りを見せれば美咲は、いつでも躊躇うことなく卓也を咥え、呑み干してくれた。
十七歳の性欲はあり余るほどだから、勉強をはじめてほどなく、美咲が卓也のジッパーをさげることも珍しくなかった。
なにしろ一回の授業で卓也は、最低二回は美咲の口のなかで果てているのだから。
欲望を満たした後の卓也の、驚異的な集中力に美咲は、正直驚いていた。
実は、卓也が自分との性戯に溺れることを密かに心配していたのだが、まったくの杞憂に終わった。
美咲の心配をよそに卓也は真剣だった。
大好きな女性にここまでしてもらって、いい成績が残せなかったら、文字通り合わせる顔がないから。
志望校に合格することなんて、正直どうでもよかった。
なんとかして美咲の優しさに報いたい、美咲を喜ばせてあげたい…。
その一心で卓也は、毎日一生懸命勉強している。
気がつくと、季節は秋になっていた。
大気はすっきりと澄み渡り、いつの間にか空が、びっくりするくらい高くなった。
彼方に見える山肌は早くも、赤や黄色に色づきはじめている。
朝夕は長袖を着ないと少し寒いくらいで、あれほど暑かった夏はもう、欠片すら残ってはいない。
家庭教師の日、美咲が卓也の家までは、車で十分ほどかかる。
まだ七時になったばかりなのに、窓の外はすっかり暗闇に包まれていた。
あまり広くない卓也の部屋は、ポンコツエアコンのせいで夏はとても暑かったが、今はもう快適だ。
美咲と額を寄せて勉強するのが一番楽しい季節がやってきたのだ。
机の端っこには、さっき母が持って来てくれたホットチョコレートのカップが二つ。
飲み口がかすかに赤くなっているほうが美咲のだ。
「はい、よくできました。じゃ次ね。えっと、この問題で注意するところはね…」
いつものように美咲は、卓也の横に座って、問題の説明をしている。
すっかり秋の装いの美咲は、ダークブラウンのセミロングスカートに、レモンイエローのブラウス。
もちろん長袖。
羽織っているだけのカーディガンはベージュだった。
「…というわけ。じゃ、とにかくやってみて。卓也くんなら簡単に解けるはずだから」
お世辞ではなく美咲が言う。
夏休みの努力の甲斐あって、二学期早々の実力テストで卓也は、クラスベスト10に入る成績をおさめていた。
「…っと、これは…」
問題に集中しながらも、卓也の意識は、すぐ横にある美咲のうなじにも注がれている。
夏休みがはじまって間もなく美咲は、卓也の家に来る時だけ、ポニーテイルにするようになった。
もちろん卓也をしゃぶる時、邪魔にならないようにだ。
突然の髪型の変更を心配した卓也の母に、理由を訊かれていた時の美咲の、真っ赤になった顔を思いだすと、今でもつい卓也は笑ってしまう。
机の明かりに照らされた柔毛が、陽炎のように数本、首筋に。
とても色っぽい。
あのうなじを見下ろしながら、今夜もまたしてもらえるのかと思うと、卓也の股間はみるみる膨らんでくる。
本当は今すぐにでも、美咲にしゃぶって欲しいのだけれど、気を引き締めて問題に集中する。
沈黙が支配する卓也の部屋に、シャーペンがノートの上を滑る音だけがかすかに響く。
「はい、全部できました。美咲さんが言った通り、そんなに難しくなかったけど、本番の試験では緊張し…て…。…先生?」
卓也が問題をすべて解くのにかかった時間は、せいぜい十数分。
たったそれだけの間に美咲は、すっかり寝入っていた。
両手を脚の間に挟んで、うつ向いた顎をブラウスの襟に埋めている。
大きく盛りあがっている胸が、呼吸のたびに隆起して、今にも鼻に触れそうだ。
「僕のために、無理してくれてるんだな…」
夏休みが終わっても美咲は、週に三回は勉強を見てくれる。
おまけに奉仕のせいもあって、美咲が卓也の家を出る頃は、十時を大きくまわっていることも珍しくない。
「そのうえ、ピアノの先生に、結婚の準備、か…。疲れちゃうわけだよな」
ほとんど毎日のように美咲の顔が見られるのは嬉しい。
でも、そのせいで美咲が、体調を崩したら大変だ。
(そうだ、今日は美咲さんにゆっくりしてもらおう。このまま寝かしてあげれば、少しは疲れだって取れるだろうし)
一日くらい自習したって、受験に差し障りがあるわけでもない。
ずり落ちかけたカーディガンを、肩の上に引きあげてやる。
換気のために少し開けておいた窓を閉める。
「さて、と…」
すっかり冷えてしまったホットチョコレートを飲み干して卓也は、投げだしたシャーペンを拾いあげ、ノートの上に屈みこんだ。
「…」
まったく集中できない。
傍らで美咲は、まるで赤ん坊のように、安らかな寝息をたてて眠っている。
窓を閉めたせいか、美咲の匂いが強くなったような気がする。
「バカ卓也っ。もっと集中しろ。美咲さんに申し訳ないじゃないか!」
口のなかで自分に毒づくと卓也は、ありったけの集中力を動員して、ふたたび問題集に目を凝らした。
しかし、どんなに問題に集中しようとしても、美咲の真っ白い乳房や、淫らに歪んだ真っ赤な唇が、頭のなかに浮かんでは消えていくばかり。
もちろん股間はもう、痛いくらいに勃起している。
もう少し頑張れば、後で美咲がたっぷりしてくれるのだと、何度自分に言い聞かせても、一度失われた集中力は、なかなか戻ってきてはくれない。
それでもしばらくは、問題集にガンを飛ばしていた卓也だったが、
「だめだ、どうしても集中できないよ…くそう」
とうとうあきらめてシャーペンを投げ捨てた。
それでもしばらく、もたもたしていた卓也はやがて、注意してイスを引いていく。
フローリングの床がきしむたび、息を呑んで美咲をうかがうが、熟睡した身体はピクリとも動かない。
やがて、机の前に充分な空間ができると卓也は、体の向きを変えて美咲と正対する。
美咲の前に屈みこんで、顎の先が乳房に埋まっている顔をあおぎ見る。
「眠ってる美咲さん見るの初めてだけど…。ふふっ、とっても可愛いな」
薄化粧のせいもあってか、無防備な美咲の寝顔は、年齢以上に幼く見えた。
高校生といっても充分通用しそうだ。
長い睫毛が伏せられた瞼は、漆黒の美しい瞳をすっかり覆い隠している。
そのかわり、美しい弓形に整えられた眉毛を、細部までじっくり観察できた。
うつ向いているせいで、整った鼻梁が強調されて見える。
外人みたいに高くはないが、とても美しい形をしている。
怒った時の美咲が小鼻を膨らます癖があることを、だいぶ前から卓也は知っている。
そのうちに卓也は、この前フェラ×オしてもらった時、美咲の鼻先が偶然、小便穴に突き刺さったことを思いだして、太い溜め息をついた。
離れていく美咲の鼻と亀頭先端に、我慢汁の橋が伸びたことまで思いだして、危うくうめき声をあげそうになった。
ぽってり形のいい唇が、どうしようもなく色っぽい。
うっすら乗ったルージュに滑らかさを増した表面は、キスした時の甘い触感を想像させずにいられない。
すでに何度も味わっている美咲の唇だが、こんな風にじっくり眺めるのは初めてだったから卓也は、今さらのように見惚れてしまうのだ。
あお向いた上半身に乳房が、卓也を見上げている。
服に覆われてたって卓也には、美咲の生乳房の様子を想像することができる。
この夏休みの間、いったい何度、美咲の乳房に顔を埋めたことだろう?
上向いた顎に、白い首筋が眩しい。
白肌に赤い唇が、より鮮やかさを増し、卓也の瞳にぐっさり突き刺さる。
(あぁ、美咲さん、ごめんなさい。ぼく、眠っている美咲さんに、どうしてもキスしたいんだ!)
美咲の無邪気な寝顔に、自分の顔を近づけていく卓也。
甘い吐息に鼻先をくすぐられ、立ち昇る芳香に酔いしれながら。
唇に生じた、柔らかくもしっとり濡れた感触に卓也は、すぐさま夢中になってしまう。
美咲の後頭部に両手をまわし、自分のほうに引き寄せる。
「…んん?…あっ、もう、たく…や、くんんっ…はぁ…」
卓也が唇を重ねた瞬間に、美咲は驚いたように目を見開いた。
が、なにが起きたのかを理解すると、そのまま卓也に身を委ね、唇を重ねつづける。
唇表面を触れ合わせていただけだったキスはやがて、粘膜の柔らかさを楽しむような動きへと変化していく。
卓也の口が美咲の上唇をつまみ上げる。
もちろん痛くないように、あまり力は入れていない。
「ふぅ…あふ」
ふたたび目を伏せた美咲が、唇の隙間から甘いうめき声をこぼす。
さらにあお向いた顎に、首筋が美しく伸びあがった。
軽く引っ張られた美咲の唇粘膜は、いかにも柔らかく伸び、可愛らしく歪む。
軽く伸びあがった上唇を卓也は、口腔内で舌に遊ばせ、弾力と濡れた感触を愉しむ。
上唇の次は下唇。
ぽってり肉の乗った美咲の下唇は、いつまで舐めていても飽きそうにない。
柔らかくも官能的な触感に卓也は、とうとう我慢できなくなって、つい甘噛みに歯を立ててしまう。
「あ…痛い…」
キスの隙間からくぐもった声で美咲。
「あ…ごめんなさいっ。つい…」
あわてて唇を離す卓也。
ちゅぽん…という濡れ音とともに離れた美咲の唇は、唾液に艶かしく濡れ光り、キスに色褪せたルージュにも美しさを失わない。
「こらぁ。寝てる女性の唇を奪うなんて、本当はしてはいけないことなのよ。卓也くん、わかっているの?もう…」
目の前の卓也の鼻先を、軽くキスで濡らしながら美咲は言った。
瞳の奥が、しっとり濡れている。
怒っていないことは間違いない。
その証拠に今度は、美咲のほうから唇を合わせてくる。
「あ、ふぅ…み、美咲さん。あぁ…」
温かいゼリーみたいな美咲の唇は、ぷるぷる弾力があってとても甘い。
唇表面はとても滑らかで、荒れた感触なんかこれっぽっちもない。
だからキスの気持ちよさは格別で、初めて美咲とキスしたとき卓也は、あっという間に射精しそうになったほどだ。
「むふぅ…ふあん…んちゅぅ…」
二人の唇の間から時おり、甘い吐息をもらしながら美咲は、密着させた唇粘膜を柔々と左右に揺する。
溢れでる大量の唾液に、唇の滑らかさがいや増し、なおさらの快感に二人は、ますますキスに溺れていく。
いま室内に聞こえるのは、くぐもった卓也のうめき声と、美咲の甘い吐息。
そして、密着した二人の唇が奏でる濡れた泡音だけ。
闇に沈む街並みを背景に、唇を貪りあう卓也と美咲が幻灯のように、窓ガラスにぼんやり映っていた。
【11 蜜月】
晩秋。
冬が間近に迫っていた。
紅葉の季節は足早に過ぎ去り、すっかり丸坊主になった街路樹が、木枯らしに吹かれて寒そうに震えている。
夜が早くなったせいか、一日があっという間に過ぎていく気がする。
家路を急ぐ学生が、北風に肩をすくめて歩いているのが、卓也の部屋の窓下に見える。
闇に沈んでいく背中がとても寒そうだ。
でも、ストーブが燃えている部屋のなかは、とても快適だ。
寒がりの美咲のために卓也は、彼女が来る日はいつも、部屋を普段よりずっと温かくしておく。
今夜の美咲は、純白のタートルネックに、ビンテージ風ジーンズ。
スポーティでラフな雰囲気のなかに、優雅さと上品さがほどよく入り混じったいで立ちだ。
ジーンズの股上が短いから、背中には少し、肌が露出している。
もっとも、今の美咲は、乳房の上までまくりあげられたセーター以外、なにも身につけてないのだが。
卓也に脱がされたジーンズと下着は、机の脇で仲良く丸くなっている。
本当は卓也は、セーターだって脱がしたい。
でも美咲が、どうしてもうんと言ってくれない。
急に来るかもしれない卓也の母を警戒しているのだ。
「もう、卓也くんのエッチ。ベッドの上じゃダメなの?わたし、ちょっぴり恥ずかしいな」
セーターを乳房上にたくしあげた格好で美咲は、床に四つんばいになっている。
肘で上体を支えているせいで、背中が軽く反りかえっていた。
湾曲した背中に、中央に走るくぼみが強調され、弱められた部屋の明かりに、滑らかな光沢を放っている。
卓也に舐められるとき美咲は、決まって照明を暗くしてと要求する。
尻に向かって急激にふくよかになる腰の線が、猛烈な色気を放っている。
突きだされた尻が、美しい輪郭を誇らしげにさらし、下向きになった乳房は、硬く尖った乳首を、かすかな身じろぎに震わせていた。
「あぁ、美咲さんのココ、とっても美味しいです。もっと舐めたいよ」
尻の割れ目には、膝立ちの体勢で顔を突っこんでいる卓也がいた。
美咲同様下半身はなにも身につけていないから、自分でしごいている勃起が丸見えになっている。
「あううっ、あっ…ひっ!た、卓也く、そんなっ…っにぃっ!アソコを、なめなめしないでぇ…」
もたげた頭で時おり美咲は、自分の尻を振りかえる。
ねっとり膜がかかった瞳で、尻の割れ目に埋まっている卓也をみるたびに、切なそうに顔を歪め、甘くて熱い溜め息をつく。
「あぁ、卓也、くん、あ、アソコが、きもち、いい…あぁっ!」
乱暴さを増した卓也の舌遣いに淫裂から、派手な濡れ音が確かに聞こえて、美咲の顔がますます赤くなった。
夏から秋、そして冬へと移ろいゆく季節のなかで、二人の時間も濃厚さを増していた。
はじめは美咲にいいように感じさせられ、射精しまくっていた卓也も今は、美咲を責める術をすっかり身につけている。
乳房舐めは言うに及ばず、最近ではシックスナインの舌遣いもすっかり上達して、美咲のほうが先にイキそうになることもしばしばだ。
これではどっちが面倒を見ているのかわからないな…と美咲はときどき思う。
でも、セックスこそしていないものの、特別な関係になったというのに卓也は、美咲との距離を必要以上に縮めることはなかった。
相変わらず敬語を使うし、恋人気取りの妙な馴れ馴れしさもない。
そんな卓也の節度ある態度が、美咲にはとても好ましく思える。
いきおい、卓也に奉仕する唇にも熱がこもり、卓也の射精もますます激しさを増していく。
ただし、問題がないわけでは、ない。
【12 逆転】
興奮した卓也の手が、美咲の尻肉を容赦なく割裂いていく。
「あん、卓也くんったら、お、お尻をそんなに、開かないでぇ。恥ずかしいからぁ」
ぐぐっ、とせりだした肛門に、荒くなった卓也の鼻息が涼しく、くすぐったい。
「あぁ…」
たまらず美咲は目を閉じて、顔を両手で覆ってしまう。
いくら弱められた明かりでも、淫裂はもちろん肛門まで、卓也の視界にあからさまになっているに決まっている。
「お願い、そんなにじろじろ見ないで…」
汚れた恥部を見られるのは、たまらなく恥ずかしい。
まして相手が年下であればなおさらだ。
何回見られても、まったく慣れることができない。
「もう…見ちゃいやぁ」
なおも弱々しく、抗いの言葉を口にする美咲にも、卓也の勢いはまったく怯むことはない。
「心配しないでください。美咲さんのお尻の穴、とっても綺麗です。こんな美しいお尻の穴で、美咲さんはトイレしてるんですね。とても信じられません」
「ばかぁ、そんなこと言っちゃ、いやっ!卓也くんのイジワル!もう、お尻見せてあげるのはおしまいっ。さぁ、顔をどけなさ…あぁっ!?あふぅっ!」
いやいやをするように尻を振って、卓也の束縛から逃れようとした瞬間、硬く尖った舌先に恥穴を突かれて、美咲の呼吸と動きがとまる。
「はむ…んちゅぅぅ…くちゅくちゅ…みちょみちょ…。あぁ、美咲さんのお尻の穴、とっても美味しいです」
小刻みに振動すり卓也の舌が、美咲の恥ずかしい穴の戒めを、みるみるうちに緩めていく。
「くふ…うふん…はぁ…もう、お、お尻なんか、舐めちゃ、ダメ…あぁ」
美咲の抗いの声は甘く、説得力に欠けている。
だから卓也の舌は菊皺に、たっぷりの唾液を塗りこめるようにうごめき、ますますの快感に美咲を溺れさせていく。
お留守になった淫裂に、卓也の右手が近づいてくる。
そっと触れた淫核に、ひときわ高い美咲の歓声。
「あっ、ひぃぃっ!い、いや、いやよ、そんな。両方いっぺんに責めるなんて…ひっ、ひっ、きょっ、怯ぉっよぉっ!」
とっくに緩んでいる淫裂孔から、熱い汁がだらだら垂れてきて、卓也と美咲の間の床に滴り落ちて、ぴと…ぴちゃ…と、かすかな音を響かせている。
「美咲さんのオマ×コとお尻の穴、すっごくエッチ。もっともっと、気持ちよくなってくださいね。…はむぅ、ちゅぅぅぅ…」
「卓也、く、んのイジワル…あうぅぅ…」
卓也の含み笑いが、美咲は気に入らない。
でも今は、抵抗しようにも身体が言うことを聞かないのだ。
なんとかペニスを刺激できれば、攻撃の手を緩めさせることもできるのだが、四つんばいでは手が届かない。
美咲のジレンマをよそに、憧れの家庭教師の尻溝を、ゆっくり舐めあげ、そして、じっくり舐めおろしていく卓也。
唾液にたっぷり濡れた熱い舌は、美咲の肛門をねっとりといたぶり、そのまま淫裂表面を唾液に濡らし、てらてらに光らせる。
舌舐めにぷるぷる揺れる外陰唇を、すかさず卓也は甘噛みし、軽く伸ばしては舌で舐め弾いてやる。
「はうっ…。あぁ、なめなめだけじゃ、ダメなの?卓也くんのエッチ…」
門番が舐めもてあそばれてる隙に膣孔には、いつの間にか、卓也の右手指が侵入している。
「あん、指を膣で、そんなに激しく動かしちゃダメっ!あぁ、ダメ、だ、ったらぁ…うぐぅ!」
たっぷりの恥汁に濡れそぼった膣を、人差し指がぐねぐねとかきまわし、ぐぽぐぽと卑猥な水音をたてる。
羞恥に美咲の顔が、ますます赤くなっていく。
人差し指が偶然、膣天井にある敏感ポイントを突いた。
「んんっ!?あっ、ぐ、ぐぐぅっ!…むふぅ!」
思わず手の甲を噛みしめて悲鳴を堪えた。
(あっ、そんな…とこ、刺激しちゃ、ダメ。気持ちよく、なっちゃうからぁぁっ!)
強烈な電撃が背筋を貫き、膣奥から恥ずかしい汁が、どぉっと音をたてて噴きでてくるのが自分でもわかる。
恥ずかしいけど、もうどうしようもなかった。
「くふぅ…んふぅ…あぁ、も、もう、卓也くん、わ、私ね…あぁ、あぁっ!」
あからさまな快感をねだる美咲の腰が淫らにくねり、振り立てらる尻肉が、ぶるんぶるんと風を切る。
淫らな腰の動きで、膣にぶっ刺さったままの指先に、己が快感ポイントを無理やり擦りつける。
「あふぅっ!も、もう、だ、ダメに、なっ、っちゃう…」
昴ってきた性感に、身体に力が入らない。
頬で上体を支えた美咲の尻は、前にも増して高く掲げられている。
だから卓也も体を伸ばし、夢中になって淫裂と恥穴を貪りつづける。
「美咲さん、いいの?ここが気持ちいいの?もっと、もっとよくしてあげるよっ」
溢れる淫汁を、ちゅうちゅう音をたててすすりながら卓也は、吸いきれない汁を潤滑液に利用して、淫核を指先に転がしてやる。
「あ、うぐっ!も、もっ!とぉ、や、さ、しぃっ!くっ!…くぅぅっ!」
巧みさを増した卓也の指先とはいえ、硬く尖りきった淫核には少々乱暴だ。
強烈すぎる快感に、美咲の背中が大きく反りかえった。
「美咲さん、イッてください!もっと気持ちよくなってください!」
淫裂への激しい指の抜き差しに、恥穴舐めが加わった。
「ぐっ!…いっ…」
硬く尖った舌先に、肛門粘膜を刺激され、美咲の身体が硬直した。
刹那…。
「い、いっ、イクぅぅっ!」
甲高い美咲の悲鳴が響き、膣深く突き刺さっていた卓也の指先が、熱い迸りに洗われる。
卓也の目の前で、美咲の肛門が、ぎゅぅぅっと引き絞られ、つられたように膣が、濡れ濡れの壁粘膜を収縮させた。
「あぁ、美咲さんのオマ×コが、僕の指を食べてるよ…。すごい力だなぁ。オチン×ン入れてたら、食いちぎれちゃったかもしれないな」
「くふぅ!…うふん!…あぁ、もう、バカなこと言わないで!恥ずかし…あふぅっ!」
二波、三波と、矢継ぎ早に押し寄せるアメクの高波に美咲は、なかなか言葉が紡げない。
硬く尖った乳首の先から、甘い匂いのする汗が一滴、針のような銀線を閃かせながら、床に落ちていった。
【13 残り火】
締めきった部屋のなかに、美咲の匂いが強く濃く、漂っている。
アメクの反動に、だらしなくうつ伏せた美咲の背中を、傍らに座る卓也が、優しく撫でさすっていた。
激しすぎる絶頂の余韻なのか、びくっ、びくっ、と尻肉が時おり、思いだしたように痙攣している。
「ふふっ、とっても気持ちよさそうでしたね。僕、なんか嬉しいな」
そう言って笑う卓也のぺニスは、さんざん美咲を舐めしゃぶった興奮に、凛々とそそり勃ったまま。
一刻も早く射精させてもらいたいが、肩で息をしている美咲を見ると、なかなか言いだせない。
「あぁっ、恥ずかしいわ…あんな大きな声を出してしまって、お母さまに聞こえてたらどうしようかしら?あんな大声の言い訳なんか、思いつかない!あぁ、私ったら…」
美咲は思わず、うつ伏せの顔を両手に埋める。
「大丈夫ですよ。この部屋もリビングもドアは閉まってるし、僕の家はこうみえても、けっこうしっかり作ってあるから、音ももれにくいんです」
もし聞こえていれば、せんさく好きな母親のことだから、とっくに二階にあがってきてるはずだ。
「ならいいけど…」
目尻を赤く染めながら、両手で頬を押さえる美咲。
そんな少女のような恥じらいの仕草は、日頃の快活な美咲とは一味違う魅力を醸しだしている。
「あぁ、バカね、高校生にいいように感じさせられてしまって…いい歳して恥ずかしいわ」
日増しに巧みさを増していく卓也の愛撫に美咲は、心のなかで舌を巻いている。
決して経験豊富なほうではないが、あんなに派手にアクメしたことなど、もちろん初めてだ。
ようやく身体を起こした美咲は、羞恥に色づいた眼差しを卓也に向けた。
両手はまだ、頬にあてがわれたままだから、両肘の下で乳房が、たまらない柔らかさで押し潰れている。
「…まったくもう、このスケベ高校生め。まだ勉強の途中なんだゾ」
本人は睨んでいるつもりなのだろうが、潤んだ瞳が色っぽいだけで、全然迫力がない。
横座りにくねる腰と、うっすら汗に濡れている腿肌が、卓也の劣情をたまらなく刺激する。
股間にちょこんと顔をのぞかせる陰茎の黒さが、やけに目に鮮やかだった。
これほどの色気を発散しているくせに美咲は、
「それじゃ、お勉強に戻りましょうか。卓也くん、それでいいわよね?」
卓也の股間に気づかぬ振りをしながら、残酷な一言。
「え、そ、そんな…」
予想外の展開に、卓也の顔がみるみる曇っていく。
「だって卓也くんが、あんまり私をいじめるから、時間がなくなってしまったのよ。だから、卓也くんが気持ちよくなるのは、今日の問題が全部終わってから!」
胸上にまくりあげたままのセーターを、これ見よがしにおろして、乳房を隠してみせる美咲。
はっと頭をあげた卓也が、あからさまな落胆の表情を浮かべるのを見て、危うく吹きだしそうになってしまう。
(男の子なら、もっと積極的になってもいいはずなのにな…)
襲いかかるチャンスなら、いくらでもあったはずだ。
なにしろ、ついさっきまで美咲は、身体中から力が抜けて、身動き一つ取れなかったのだから。
これだけ密戯を重ねていれば、少しは尊大な態度を取っても不思議はないのだが、卓也はいつも、美咲の許しがなければ決して身体に触れようとはしない。
そんな卓也の優しさが、美咲はとても好きだ。
卓也が自分を想う気持ちが、欲望だけに彩られていないことが、嬉しかったりもする。
(だから私も、つい一生懸命になってしまうの…)
卓也の股間に視線を投げかける美咲。
きつきつにいきり勃っている若茎に、思わず唇を舐め濡らしてしまう。
また一段と成長した卓也だから、口角が裂けそうになるまで口を開かなければ、もう亀頭を呑みこむことは不可能になっている。
卓也を見ているだけで、アクメの残り火がくすぶる身体がうずく。
自分でもいやらしいと思うが、どうしようもなかった。
乳首がセーターに擦れて、じれったい快感に溺れている。
横座りの股間に陰唇が、むにゅぅ…と恥ずかしい弾力によじれた。
口を開いた膣孔から恥汁が、だらり…と垂れてきて、内腿肌をねっとり汚していくのが感じられる。
「さ、お勉強、はじめましょ。卓也くん」
それでも美咲はつい、卓也に意地悪を言ってしまう。
さっきの敵討ちという気持ちも、ないわけではない。
でも、顔が笑っている。
「はい…わか、り、まし、た」
うなだれきった卓也は、美咲の表情に気づく余裕もない。
のろのろと立ちあがり、傍らのブリーフを拾いあげる。
もちろんぺニスは、まったく力を失っていない。
それどころかますますいきり勃って、期待の涎れに先端を濡らしている始末。
「ぷっ。冗談よ!ふふっ、オチン×ンが、とっても元気になってるわ。さぁ、今度は卓也くんがここに寝て。さっきのお返し、してあげるわ」
悪戯っぽく微笑む美咲に、卓也の顔が明るさを取り戻した。
「あ、ありがとうございますっ!」
「でも、気持ちよくなったら、しっかりお勉強するのよ。わかってるわね?」
仮にも家庭教師である美咲は、少し厳しい表情を作って卓也に念押しする。
「は、はいっ!もちろんです!だから、ねぇ美咲さん、早く、お願いです…」
いそいそとあお向けに寝そべった卓也の股間に近づくと美咲は、勃起に指を優しく絡めていく。
「くす。せっかちさん。でも、こんなになるまで我慢したのだから、無理もないかな」
ぐっ、と指先に少し、力を入れてみた。
充血しきった海綿体独特の感触が、汗ばんだ掌に切ない。
「あん…すっごく、硬くなってる」
ただ硬いばかりでなく、垂れ流しに漏れつづけていた我慢汁に、茎肌がもうびちょびちょに濡れている。
これなら唾液など垂らさずとも、滑らかな手しごきで卓也を悦ばせてやれそうだ。
開かせた脚の間に正座して、勃起を握り直す。
「いくよ?…」
興奮に喉がからからで、美咲の声はかすれ気味。
自分も卓也に触れることを待ちわびていたことに今ごろ気づき、身体中から恥じらいの汗が噴きでてくる。
もう何度となく触り、しごいてきた卓也なのに、愛しさは増すばかりだった。
手筒の素早い上下運動に茎肌を苛み、親指と人差し指の輪っかに亀頭エラをこそぐ。
「あん、うそ、どんどん硬くなっていくみたい…」
この数ヶ月で、一まわり以上、大きく、硬くなった卓也の、ごりごりした感触に酔いしれてしまう美咲。
我れ知らず手に力がこもり、摩擦運動が激しさを増していく。
「あぁ、美咲さん!もっともっと、しごいて!」
我慢に我慢を重ねていた卓也の腰は積極的だ。
小刻みに繰りだすピストン運動に、美咲の手のなかで勃起が暴れまわり、握りこぶしの間から亀頭が、ぴょこぴょこと顔をのぞかせる。
「あぁ、さ、先っぽが、たまんないよぉ…」
亀頭エラの快感が欲しくて、卓也の腰がますますせわしくなく繰りだされる。
美咲の手のなかで茎肌が、ぐぐっ、とまた、太く、硬くなった。
射精を嗅ぎ取った美咲の指先から、すうっと力が抜けていく。
「あっ、どうして?どうして射精させてくれないんですか?」
思わぬ肩透かしを食った卓也は、だだっ子みたいに身をよじらせる。
卓也の先っぽを美咲は、指先で弾いた。
少し強めに。
敏感な亀頭のこととて、卓也の腰が痛みに揺れる。
「ダメ。あわてないで。ゆっくり、愉しみましょ」
「ご、ごめんなさい…」
「わかってくれればいいの。じゃ、なめなめ、してあげるね…」
少し崩れてしまったポニーテイルから垂れる前髪を、左手で耳にかけながら美咲は、上体をどんどん折り曲げていく。
あえかに開いた唇の間から、たっぷり唾液を堪えた赤い舌が顔をのぞかせる。
右手は今は、茎根元を握りしめ、起立の角度を定める役割に徹している。
ほどなくなく舌が、いっそう長く伸びてきて、卓也の待ちわびている小便穴に、そうっと触れた。
「あぐっ!あぁっ!美っ咲ぃっ、さぁん!気持ちいいよぉ」
もう何回もこうして、美咲の舌におしっこの穴を触られている卓也なのに、いつも大きな声でわめいてしまう。
憧れつづけてきた女性にぺニスを舐められる感動は、少々のことでは色褪せはしない。
我慢汁に滑る穴に押しつけた舌を美咲はまず、小刻みな振動に震わせる。
「あっ、ぐっ、うっ、うっ、ふぅっ!」
絶妙な力加減に身じろぎする舌先に、卓也の体が面白いほど痙攣し、揺れる。
いまだ敏感な若勃起ということもあるが、ここまでさんざん我慢してきたせいもあるはずだ。
こんこんと湧きでる我慢汁を美咲は今度は、舌腹でねっとりかきまわすように、亀頭表面いっぱいに舐めひろげていく。
射精させないように、細心の注意を払いながら舌を遣っていく。
「あぁ…美咲さんの舌…すっごく優しくて、とっても気持ちいいですぅ」
柔らかくて温かい美咲の舌が、たっぷりの唾液と我慢汁にまみれて、亀頭にまったりうごめく時の感触が、卓也はたまらなく好きだ。
「んん…ふう…むちゅう…」
頭をぐるぐる回転させて美咲は、卓也の先端を丹念に舐めつづける。
亀頭エラは尖らせた舌先になぞる。
尖らせてはいても、力は入れていないので、こそばゆさに少し気持ちよさが混じるだけで、卓也は満足げな溜め息をつくばかり。
エラ縁を一周する美咲の頭が、ポニーテイルの尻尾を揺らすので、卓也は下腹がこそばゆい。
これもまた、すっかり慣れ親しんだ感触だ。
唾液の膜にくるまれた亀頭に美咲は今度は、大きく開いた口唇を、すっぽりかぶせてしまう。
唾液は青筋を立てて反りかえっている茎肌を、じっとりと流れ落ちては、根元のこわばりに吸いこまれていく。
茎肌を唾液が垂れ落ちる感触にさえ、卓也の背筋を甘い戦慄が駆け抜けていく。
「はむ…むう…」
じゅぶじゅぶ…と泡音をたてながら、美咲の唇が卓也の茎肌を上下する。
さっきより締めつけが強くなっているせいで、卓也の快感は小さくない。
おまけに、ひりだされた茎肌を右手指が、追い討ちをかけるようにしごきあげるから、快感にまったく切れ目がない。
「うぅっ、うぐっ、あぁ、美咲さん、そんなに激しく、し、しないでぇ」
卓也の苦しげな訴えにも美咲は、口唇奉仕と手淫責めの手綱を緩めはしない。
「ふっ、うふぅ…んちゅぅ…むちゅ…くちゅくちゅ…」
大きく、速く頭を振って、確実に卓也を追いつめていく。
摩擦刺激に紛れて、鋭い快感が裏筋を走るのは、勃起をひりだした美咲が時おり、硬舌先を裏筋に擦りつけるせいだ。
「あぁっ!出ちゃう!そんなに舌で…、僕、出ちゃいます!」
卓也の訴えを聞くと美咲はいつも、即座に横咥えた裏筋を今度は、唇粘膜で優しく摩擦してくれる。
「ふふっ、こうすれば、まだもう少し我慢できそう?むちゅむちゅ…ちゅっちゅっ…」
裏筋への快感は確かに弱まるのだが、その代わりに、横咥えの勃起に頬を唾液まみれにした美咲の顔が、卓也の劣情を猛烈に刺激してしまう。
「あっ、あっ、それも、もう、だ、ダメみたいですぅ…」
美咲の顔を見なければ、少しは快感を制御できるはずなのだが、どうしても目を離すことができない。
「卓也くん、どうする?今日もまた、私のお口のなかでイキたい?」
激しく繰りだされる卓也の腰に負けないくらい、大きく、強く勃起をしごきながら美咲は、亀頭にかぶせた唇を締めあげる。
亀頭輪郭に歪んだ唇の隙間から、唾液がじゅくじゅく垂れ落ちて、美咲の細い顎を伝っていく。
だからセーターはもう、涎れにすっかりぐちょ濡れだ。
勉強をはじめる前に一度、卓也は美咲の口内に精を放っている。
「あぁっ、うぅっ…今度は、僕、おっぱいに、美咲さんのおっぱいに、出したいよ!」
限界がもう目の前に来ている。
パイズリしてもらうまで我慢できそうにない。
でもどえしても、白濁に汚れる美咲の乳房が見たかった。
美咲だって、卓也を胸に受けとめるのは嫌いではない。
「あん、いいわ!私のおっぱいに、卓也くんの気持ちいいお汁を、いっぱいかけてぇっ!」
だから美咲は、喜んでセーターをまくりあげる。
片手で勃起をしごきながらだから、けっこう難しい。
「あぁ、早く、早くしないともう!」
苛立たしげに上体を起こした卓也が強引に、美咲の身体からセーターをむしりとった。
ぶるるん…と悩ましく揺れながら、百㎝に迫る美咲の乳房が剥き出しになった。
セーターに塞き止められていた美咲の匂いが、見えない波のように、乳肌から立ち昇ってくる。
温かい室内のせいか乳谷は、じっとり汗に濡れていた。
アクメの余韻と、手淫奉仕の興奮に乳首は、ぴんぴんに勃ちあがったまま。
はしたない自分の乳首に気づいた美咲の顔が、また少し赤くなった。
(あぁ、美咲さんが僕のをしごくたびに、おっぱいが、ぶるん、ぶるん、って…。あぁ、なんてエッチなんだろっ)
膝立ちの美咲がにじり寄ってきて、卓也の下半身に身体を密着させた。
勃起を無理やり水平に倒し、右の乳肉に先端を埋めてみせる。
鉄の硬さになった卓也の先端は美咲の柔肉に、ぐっさり食いこんでいく。
「ほうら、私のおっぱいが、卓也くんのオチン×ンのせいで、こんなに潰れちゃってるのよ…。あん…、なんて熱いのかしら…」
卓也の茎の半ばを握ると美咲は、そのままぐりぐりと回転させるようにして、柔肌に擦りつけていく。
「あぐぐぐっ!さ、先っぽが!…も、燃えちゃうっ、燃えちゃうぅぅっ」
捻り刺激に小便穴が歪み、美咲の乳肌にべっとりと、我慢汁の涎れをこすりつける。
「あん、気持ちよくなってるのね?じゃ、もっとよくして…ううん…あげる、ね…くちゅぅ…」
うつ向いた美咲の口もとから、涎れの銀線が長く尾を引いて、卓也と乳肌の上にねっとり垂れ落ちていく。
「ほうら、さっきよりすべすべになったでしょ?卓也くん、どう?気持ちいい?」
大きく勃起を振って美咲は、亀頭全体を満遍なく乳肌に擦りつける。
ひきりなく垂れ落ちる涎れが、大きく大きく乳肌に塗りひろげられていくから、美咲の右乳房はもう、風呂からあがったばかりみたいにびしょ濡れだ。
(あぁん、おっぱいが、すごく熱くて、か、感じちゃうのぉ)
横座りの股間に内腿肌が、じっとりべたべた気持ちが悪い。
すっかり芽吹いている淫核を刺激したくて美咲はつい、腰をもじもじさせてしまう。
卓也に見せつけるはずが、美咲本人まで興奮してしまっている。
卓也の熱い迸りを、一刻も早く乳房に感じたい。
「卓也くん、どうしたの?もういつイッてもいいのよ。遠慮しないで、気持ちいいお汁を、私のおっぱいに、思いっきりぶちまけてぇ」
興奮にまかせて美咲は、亀頭を乳首に押しつけ、ぐりぐりと回転させる。
さっきよりもっと強い力で。
「うぐっ!」
鳴咽したきり動きをとめた卓也。
凝視する視線の先には、自分の小便穴に食いこんだ美咲の乳首。
涎れまみれの滑らかな感触は、フェラ×オにも負けないほどの快感で、卓也の性中枢に射精を訴えかけてくる。
会陰がぴくぴくと痙攣し、卓也の背筋を甘い甘い振動が駆けのぼっていく。
美咲の手のなかで勃起が、ぐぐっと、一まわり大きくなり、よりいっそうの我慢汁に乳首を濡らす。
「あっ、あっ、あっ…」
あわただしい腰遣いに勃起を繰りだして、乳首の感触を亀頭に強めようとする卓也。
「こう?こうするといいの?」
その意図を敏感に察した美咲は、左手で搾りあげた乳首で、なおさらに尿道粘膜を刺激する。
同時に、右手の親指と人差し指で作った輪っかで、亀頭エラをしぼり、擦りあげる。
さっきよりも全然激しい指遣いに卓也は、美咲の本気を思い、同時に、快感が我慢の限界を超えた。
「だ、だ、めぇ…!あぁっ!みさ、ぁきぃっ!イクっ!」
突き刺さったままの乳首をものともせずに白濁が、ほとんど魂のまま飛びだした。
「あうっ!」
美咲の右手に勃起が跳ねあがり、粘っこくて大きな放物線を描きながら白液が、美咲の乳房といわず、顔といわず、傍若無人に撒き散らされていく。
「あっ、あふぅ…。んんっ、んふぅ!…」
眉間にぶち当たった白弾が、鼻梁に沿って、たらり…と流れていく。
鼻先から落ちる滴が、特有の青臭さで、美咲の鼻奥を刺激する。
精液の大半が撒き散らされた乳房は、散々たる有様。
乳丘にはザーメンの河が何本も支流を作り、乳首を伝ってぽたぽたと垂れ落ちていく。
乳谷を流れる粘汁が、べっとりと涎れの糸を引きながら、へそに白い湖を作りあげつつあった。
「あぁ…ふう…」
敏感になりきった肌が、流れ落ちる白濁に切なくて美咲は、たまらず眉根をしかめてしまう。
身体中に鳥肌が立った。
膣壁が音をたてそうに、きゅぅぅっ、と絞りあがる。
(こんなにいっぱいの気持ちいいお汁を、もしも、アソコで感じちゃったら?…あぁ!…)
考えてはいけないと思っても、己が胎内で爆ぜる卓也の幻想が、頭から消えてくれない。
はや数ヶ月を数える二人の戯れも、いまだ性器同士の結合は果たしてはいない。
「もう、卓也くんのエッチ…」
我知らず右手が茎肌を擦りあがると、
「あ、あぐ…美咲さぁん!」
卓也の鳴咽とともに精液がまた、ぴゅっ、ぴゅっ…と、小便穴から、可愛らしい放物線を描いて飛びだした。
鎖骨まで飛んだ白い飛沫は、じっとり垂れ落ちてやがて、深い乳谷に吸いこまれていった。
【14 不安】
涎れ我慢汁にびちょ濡れのセーターに美咲は、今さらのように頭をあからめている。
「どうしよう、これじゃ、もう着れないわ…」
途方にくれる美咲に卓也は、下半身剥き出しのまま、クローゼットに向かう。
振りかえった手のなかに、同じような白いセーターが。
「これ着てください。僕のだから少し大きいかもしれないけど。裸で帰るよりはマシですよね。デザインも似てるから、すぐにコートを着ちゃえば、母さんにもバレないと思います」
裸の胸に当ててみると、確かに少し大きいが、不格好というほどではない。
「卓也くん、ありがとう」
ほっと胸を撫でおろすと美咲は、もっともらしい表情を作って卓也を見つめた。
「…さぁ、卓也くん、あなたはまだ、問題を解いている途中だったはずでしょ?すっきりしたところで、頑張って一気に終わらせてしまいましょう」
壁の時計を見てみると、美咲がこの部屋に入ってきてからすでに、一時間以上が経過している。
もっとも、美咲と卓也はその間、ほとんど勉強をしていないのだが。
「さぁ、早く服を着て。もう時間があまりないわ」
今度は少し、強い口調で美咲は言った。
快感の波が引いた後だけに、自らの所業に後ろめたさが募る。
しかし卓也は、そんな美咲に気づいていないのか、
「あっ、もう少しだけ。今度は美咲さんのおっぱい、舐めさせてください」
と言いながらふたたび、乳房に顔を埋めようとする。
美咲は、あわてて手で制した。
「あん、待ちなさいっ。もう、これじゃきりがないわ。さ、早くズボンを穿きなさい。お勉強しなくちゃ…」
美咲の表情から、本気を察した卓也は、あきらめたようにズボンに手を伸ばす。
しかし、
「はぁい。…でも、問題が全部できたら、また、お願いします。いいですか?」
言い添えることは忘れない。
精液の残濁を滴らせているぺニスが早くも、むくむくと頭をもたげはじめた。
「もう…。卓也くんて、本当にエッチなのね」
あきれたように言う美咲に向かって、恥ずかしそうに、しかし屈託なく微笑む卓也に、つい苦笑を誘われてしまう。
とはいえ、果てることを知らない十七歳の性欲に、一抹の不安を覚えずにはいられない。
この調子だと、問題を解き終われば卓也はまた、フェラ×オを求めてくるだろう。
それに、ただ射精するだけでなく今度も、美咲を舐めたがるかもしれない。
(そしたらまた、気持ちよくされちゃうかも…)
ついさっきのアクメの、脳天を突き抜けるような強い快感を思い、美咲も我知らず、甘い溜め息をついてしまう。
同時に、憂鬱な溜め息も一つ。
今日も、勉強をはじめる前に一度、卓也を口で導いている。
そのせいなのか、首のあたりが少しだるい。
それに加えて、今しがた卓也にアクメさせられた反動が疲労となって、美咲の身体に押し寄せてきている。
明日はまた朝早くから、ピアノ教室のレッスンが待っているし、仕事の後で結婚式の打ち合わせもしなくてはいけない。
明日の朝はきっと、起きるのがつらいはずだ。
そのうえ今夜もう一度、絶頂に導かれたらどうなってしまうのだろう…?
濃密さを増す一方の二人の性戯はまた、別の問題を生じさせている。
この数週間、勉強時間が明らかに減っていた。
最近は最低でも三回、卓也と美咲は互いを舐め、しゃぶり、絶頂へと導いている。
卓也が慣れてきたせいか、一回にかける時間も、以前とは比較にならないほど長くなっていた。
勉強時間が減らない方が不思議だ。
幸いなことに、卓也の集中力は相変わらず高いから、勉強の質までは低下していないが、このままでは早晩、成績に影響が出てくることは避けられないはずだ。
(卓也くんの気持ちが、これ以上エッチな方向に偏らなければいいのだけど…)
しかし、美咲の杞憂が現実となるのには、そう時間はかからなかった。
【15 不調】
気まずい沈黙のなか、机にボールペンを置く音だけが、やけに大きく響いた。
「いったいどうしちゃったの?こんな簡単な問題も解けないなんて…」
正しい答えの書きこまれた解答欄は、ほとんどなかった。
前回教えたばかりの問題まで間違われては、さすがの美咲も声をあらげてしまう。
「…もう、やんなっちゃうな」
タートルネックの襟に顎を埋めて美咲は、落胆の溜め息を押し殺した。
「…すいません」
気落ちした美咲の顔をちらりと見たきり卓也は、ただ黙ってうなだれるだけ。
昨日返ってきた全国模試の結果も、美咲の期待を大きく裏切るものだった。
英語のみならず、全科目の成績が落ちていることも、事の重大さを物語っている。
(夏休みが終わったばかりの頃は、あんなに成績がよかったのに…)
心持ち青ざめた卓也の頬を見ながら美咲は、困惑を隠しきれない。
原因は、もちろんわかっている。
(最近の卓也くんたら、いっつもエッチなことばかり考えて、勉強に全然集中しないんだもの…。成績が落ちないほうが不思議だわ)
美咲の予想通り、卓也の欲望はエスカレートするばかりだった。
このごろの卓也は、性欲処理をしなくては、勉強に全然身が入らなくなっていた。
あの集中力はどこに行ってしまったのかと思うほどだ。
射精した後でも、ひきりなしに溜め息をつき、訴えかけるような眼差しを美咲に投げかけてくるばかり。
勉強に集中しない卓也を美咲はもちろん、何度も叱ろうとした。
でも、お菓子を買ってもらえない時の子供みたいな表情で、自分を見つめる卓也が可愛くて、どうしても怒りの切っ先が鈍ってしまう。
そして結局、美咲は卓也を口に含み、乳房に射精させてしまうのだ。
それに美咲自身、卓也との性戯に溺れてもいた。
より巧みさを増した卓也の手指と口唇に、一度ならず絶頂に導かれることも珍しくなくなっている。
行為に費やす時間も増える一方で、最近では美咲も卓也も、部屋にいる時はほとんど裸、というていたらく。
そのうえ、ようやく机に向かっても、集中力の欠片もない卓也では、勉強がはかどるわけもない。
もうすぐやって来るクリスマスに、そうでなくても気ぜわしい師走の街は、すっかりお祭り気分に浮き立っている。
クリスマスを過ぎれば、受験まであっという間だ。
試験までの残りの日数を考えると美咲は、暗黙たる気持ちになってしまう。
この調子では、クリスマスはおろか、正月も返上して勉強しなくてはならないだろう。
小さな溜め息とともに美咲は、卓也のほうに身体を向けた。
さすがに今日は二人とも、まだ服を着ている。
「ねぇ卓也くん、こんなに急激に成績が落ちるなんて、どう考えてもヘンだわ。最近の卓也くん、ちっとも勉強に集中していないし。…もしかして、体の具合でも悪いの?」
「…いえ、どこも悪くないです」
確かに毎回フェラ×オで卓也は、これ以上ないほどの射精に美咲を溺れさせている。
顔色だっていいし、体の不調など考えられない。
「じゃぁ、ひょっとして…好きな女の子でも、できたの?だから私の…じゃ、満足できなくなってしまって…それで、なの?」
ちくりと、美咲の胸が痛む。
「ば、バカなこと言わないでくださいっ!そんなこと、あ、あるわけないじゃないですか!」
間髪入れず卓也が、顔を真っ赤にさせて大声で否定する。
「僕が、好きなのは…好きなのは…み、美咲、さん、だけ、です…から」
打って変わって消え入りそうな声で言う卓也に、安堵の溜め息をつく美咲。
だが、そんな自分に戸惑い、困惑もしている。
(もしかして私は、卓也くんのことが好きになってしまっているの?…教え子としてではなく、男の人、として…)
好意が愛情に変化することは、世間では決して珍しくない。
ただし、美咲と卓也の間では、決して起こってはいけないことだった。
ここに来る前にはずした婚約指輪の痕が、ふいに美咲の意識に障る。
最近ではもう、指輪がないほうが違和感がある。
友人達が戯れに、奥さん、とか、新しい苗字で呼ぶことがあって、そんな時はまだ、とってもこそばゆいし恥ずかしいのだけれど、こんなことにもいずれ、慣れてしまうのだろう。
結婚の二文字は確実に、美咲に近づいている。
とても嬉しい。
でも、卓也のことを思うと、心が苦しい。
(ひょっとして私は、卓也くんをもてあそんでるだけなんじゃ?…)
好意を寄せてくれる卓也がいじらしくて、受験勉強にかこつけてはじめた二人だけの秘密授業だった。
もちろん美咲は今でも、遊び半分で卓也を誘ったのではないと、神に誓える。
(…え?)
ふいに浮かんだ思いが、美咲自身を驚愕させる。
心が苦しいのはひょっとして、結婚してしまうと、受験が終わってしまうと、卓也を失うからなのかもしれない…
思わず美咲は、まだ新しい指輪の痕に触れてしまう。
動揺はおさまった。
でも、驚きは消えない。
「…」
「…先生?」
黙りこくってしまった美咲に、今度は卓也が、訝しげな視線を投げる。
「…あっ、ご、ごめんなさい」
無意識に左手を、卓也から見えない場所に移動させた。
ついでに深呼吸を一回。
なによりも今は、卓也の成績低下の原因を探るのが先だ。
自分の気持ちのぶれは、後でいくらでも反芻できる。
「そう、好きな女の子もいないのね。じゃ、最近の卓也くんは、どうしてお勉強に集中してくれないの?」
反応しない卓也を見て、言葉をつづけようとした美咲の顔が、みるみる真っ赤になっていく。
「だって…その、卓也くんがきちんとお勉強できるように、私、いつも…あんなにたくさん、してあげてるのに、なぜ?」
卓也のことが本当に心配な美咲は、すぐに家庭教師の顔に戻ると、もう一度、教え子の顔を覗きこんだ。
それでもしばらく押し黙っていた卓也が、小さな声で言った。
「…怒らない、ですか?」
「え?怒るって、どうして?」
突然の卓也の問いかけが、美咲には理解できなかった。
「勉強に集中できなくなっちゃった原因、僕、自分ではわかってるんです。…でも美咲さん、それを聞いても怒らないでいてくれますか?」
真剣な卓也の眼差しが、事の深刻さを物語っているような気がして、美咲もつい、真顔になってしまう。
「怒らない。約束する。だから教えて」
このままでは卓也は、間違いなく志望校に受からないだろう。
そうなったら、今までの二人の努力は水の泡だ。
卓也がなにを言うのか見当もつかないけれど、とにかく今は原因を探り、問題を解決することを最優先させなければならない。
卓也の右手を両手で包みこむと、手の甲を優しく撫でまわしてやる。
「さぁ、お勉強に集中できない原因というのを、私に教えてくれるかしら?」
精いっぱいの笑顔を浮かべ美咲は、卓也の口が開くのを待った。
それでもしばらく躊躇していた卓也だったが、美咲の笑顔にようやく、すっかり重くなった口を開いた。
「…したいんです」
「え、したい、ってなにを?」
ちらりとこちらを見た卓也の顔が、みるみる真っ赤になっていく。
「ぼく、美咲さんと、セックス、したいんです…」
「え、せ、ックス?」
口にしたことで開き直ったのか、卓也の声に力強さが加わっていく。
「美咲さん、僕もう、我慢できないよっ。いつもいつも口やおっぱいでしてもらってるんだから、これ以上のことを望むなんて美咲さんに失礼だって、何度も自分に言い聞かせたんだけど…。やっぱりもう、僕、これ以上我慢できないんだ!」
勢いづいた卓也が、イスを美咲に近づけてくる。
卓也を握っていたはずの両手はいつの間にか、汗ばんだ掌に握りしめられていた。
「そ、そんな、セックスだなんて…」
いつか卓也から、せがまれるだろうと予想はしていた。
でも、いざこうして、そうした状況に直面してみると、やはり困惑を隠せない美咲だった。
「もっともっと、一生懸命お口でしてあげる。それにおっぱいだって、卓也くんの好きなように舐めたり触ったりしていいわ。もちろんアソコだって、自由にしてくれていいのよ。だから、それは…、我慢してくれないかしら?…」
無駄だとはわかっていても、どうしても言わずにいられなかった。
美咲の懸願も、今の卓也にはなんの効果もない。
「美咲さんには本当に申し訳ないんですけど、いくら射精しても、どんなに気持ちよくしてもらっても、心の底から満足できないんです。美咲さんが欲しくてたまらないんです!美咲さんと、しないと、僕もう、ダメなんです…」
目に涙を浮かべ、一途に自分を求めてくる卓也に、美咲は複雑な気分。
(ねぇ、わかって。私だって卓也くんと、したいのよ…)
口唇と手指で絶頂に導かれるたび、何度挿入を求めそうになったことだろうか?
乳房に挟んだ亀頭の熱さ、咥わえた唇に感じる幹の硬さ、そして、呑みきれないほどの精液の迸り…。
セックス以外の方法で、さんざん卓也の逞しさを感じてしまっているだけに、美咲の欲望も高ぶるばかりだった。
卓也との交わりを夢に見て、独り濡らしてしまう夜さえ、このごろでは珍しくない。
それでもやはり、一線を踏み越えたくはなかった。
今はこうして、二人きりの時間を過ごしているけれど、こんな楽しいひとときにも、間もなく終わりが来る。
必ず。
(だからセックスは、卓也くんの初めてのセックスは、あなたとずっと一緒にいてくれる女性と、して欲しいのよ…)
だが、はたして自分に、昴りきった十七歳の欲望を押しとどめることができるのだろうか?…自信はまったくない。
それに、傍から見れば自分はきっと、年下を誘惑する悪い女なのだろう、と思う。
さんざん淫らを見せつけておいて、セックスはダメよ、では、虫がいいのかな、と思っている自分もいて美咲は、どうしていいのかわからなくなってしまうのだ。
「このままじゃ僕、大学に合格できる自信、ありません…」
もっとも弱いところを突かれて、美咲の心はなおさらに揺れ動き、逡巡してしまう。
でも、セックスはしない、と決めてる以上、繰りかえすのはおきまりの言葉。
「そんなこと言わないで。本番までまだ時間はあるから、夏休みの頃みたいに、集中して勉強すれば、絶対合格できるわ。卓也くんなら大丈夫。ね、がんばろ…」
はぐらかすような美咲の言葉に、とうとう卓也が爆発した。
「だから、もう集中なんか、できないんだってば!」
「!…」
初めて聞く卓也の、捨て鉢な言葉遣いに美咲は、息を呑みこむしかない。
美咲が思っている以上に、卓也の欲望はもう、のっぴきならないところまで追いつめられている。
(私の、せいね…)
よかれと思ってはじめた秘密授業が、完全に裏目に出てしまった。
こんなことで受験に失敗させて、どうして自分だけ幸せになれるだろうか?…
「ごめん、なさい…。私が少し、調子に乗りすぎたみたいね…」
涙ぐんでうつ向いた美咲に、卓也も冷静を取り戻した。
打って変わった小さな声で、
「信じてください。別にいやらしい気持ちで、こんなことを言ってるんじゃないんです。僕は、僕はやっぱり、美咲さんが、大好き、だから。大好き、だから…」
ぽつり呟いた。
うるんだ瞳で美咲は、卓也に向かって微笑んでみせる。
「そんなこと、わかってるよ。…ありがと」
美咲のなかで、様々にせめぎあい、わだかまっていた感情の色々がふいに、温かに溶け合っていく。
つまらないことをあれこれ考えるのは、美咲の悪いクセだった。
いま一番大切なことは、卓也の大学受験の成功。
そして二番目が、お互いの気持ち。
そう考えれば、しなくてはならないことは、一つしかない。
しばらくの沈黙の後、ふいに美咲が言った。
「卓也くん、どうしても、私とエッチ、したい?」
突然の問いかけに今度は、卓也のほうが動揺してしまう。
「え、美咲さんがいやなら、そんな、無理強いするつもりは全然ない…」
お願いしているうちに、だんだん興奮してしまったが、もとより無理を承知で頼んだことだ。
世の受験生はみな、欲望を押し殺して勉強しているのだから、フェラ×オやパイズリで射精させてもらってるだけでも感謝しなければならない。
「いやじゃないよ。私も卓也くんと、…したいよ」
この三年間で一番、美咲の顔が赤くなった。
首まで真っ赤になっているから、まるでのぼせているみたいだ。
「え…。ほ、ほんとですか?」
現金なもので、ジーンズのなかで縮こまっていたペニスが、みるみるうちに膨張していく。
あっという間に窮屈になった下腹が、美咲にバレないか不安だ。
何気なさを装って卓也は、体の向きをわずかに変えた。
「ええ、本当よ。私も、卓也くんとセックス、したいわ」
「あぁ、美咲さん!夢みたいだよっ」
抱きしめようと近づいてくる卓也の目の前に、美咲の両手が立ちふさがる。
「あん、待って。もったいぶるわけじゃないけど…。ごめんね、今すぐはダメ。だって卓也くんたら、全然お勉強しなくなってるんだもの。最初にした約束、忘れちゃったの?お勉強を頑張るっていうから私、卓也くんと…でしょ?」
「…はい」
美咲の言う通りだから、卓也は一言もない。
でも、希望が見えてきた。
「僕、一生懸命勉強します!これからはもう、エッチなことばかりに気を取られないようにしますっ。そしたら、そしたら美咲さんは僕と…い、いつだったらいいですか?」
ついさっきまでとは目の輝きが違った。
期待のあまり、大きく盛りあがっている股間に美咲は、気づかない振りをしてやった。
「頑張ってね。じゃあね、期末試験で、もしクラスで三番以内に入れたら…、しましょうか?」
セックスをエサに勉強させるみたいで、こんなことはあまり言いたくない。
でも、今の卓也をやる気にさせるには、この方法が一番だった。
それに、たとえベスト3に入れなかったとしても、卓也の望み通りにしてやるつもりだ。
「えぇっ、さ、三番以内、ですか?」
一番調子がよかった二学期の中間で卓也は、どうにかベスト5入りしたばかりだった。
最近の成績を考えると、三番以内に入るには、そうとう頑張らなければならないだろう。
もちろん卓也も、美咲の思惑には気づいている。
セックスをエサに勉強させるような女性だったら、こんなにも好きになるはずがない。
「どう?目標が高いほうが、やりがいもあるし、達成感も大きいわ。頑張れるかしら?」
美咲が卓也を見つめる瞳は、相変わらず優しい。
「はいっ!僕ぜったいに、ベスト3に入ります!入ってみせます!よぉ~し、がんばるぞぉっ!」
教科書の上に放りだしたままのシャーペンを握ると卓也はさっそく、机に屈みこんで集中する。
下腹に勃起がつかえて痛いが、無視することにした。
【16 クリスマスイヴ】
期末テストが終わった。
卓也は全科目で自己最高得点を取り、みごとクラスベスト3に入ることができた。
頑張ったのはもちろんだが、まさかこんないい成績が取れるとは思っていなかっただけに、誰よりも卓也自身が一番驚いた。
いい成績が取れたのはもちろん嬉しい。
でも、自分のことみたいに大喜びしてくれた美咲の笑顔を見れたことは、もっと嬉しかった。
もうすぐクリスマスが来る。
二学期も残り少ない。
三年生の三学期は、ほとんど授業がないから、実質的な高校生活は、二学期の終了をもって幕を閉じることになる。
感傷的になっている暇はもちろんない。
年が明ければすぐに、受験シーズンがはじまるのだ。
とはいえ今は、美咲と交した約束で、卓也の頭はいっぱいになっている。
おととい、勉強が終わった時の美咲の言葉が、今も卓也の耳に生々しく残っている。
「急な話で申し訳ないけど、終業式が終わったら、私の家に来てくれないかしら?約束通り、ベスト3に入ったお祝い、しようと思うの。卓也くん、時間ある?」
さりげなく言ったつもりないのだろうが、びっくりするくらい美咲の頬は真っ赤になっていた。
「だっ、だいじょうぶ、大丈夫ですっ。行きます、絶対に行きます!なにがあってもうかがいます!」
本当は友達とカラオケに行く約束だったのだけれど、もちろんそんなもの速攻キャンセルだ。
どうせ男しか集まらないから、もともと気が進まなかった。
「美咲さん、いよいよなんですね!あぁ、夢みたいだよ…」
待ちに待った美咲の言葉に卓也は、持っていたカップからコーヒーがこぼれたことにも気づかない。
「あらあら、卓也くんたら。ノートがびちょびちょ…。喜んでくれるのは嬉しいけど、今からそんなに期待されちゃうと、ちょっとプレッシャーだな、私」
そう言って、はにかんだ笑顔を浮かべた美咲の愛らしさは格別で、思わず抱きしめそうになるのを卓也は、必死に堪えなければならなかった。
いよいよ初体験できるのかと思うと、なにも手につかない。
おまけに相手をは美咲なのだから、卓也の喜びは半端ではない。
期末試験が終わるまで、死ぬ気で勉強していた反動も手伝って、今の卓也は美咲のことしか考えられない。
あの日以来、あまりよく眠れない。
もちろん嬉しすぎてだ。
でも、そんな嬉しい不眠の日々も、いよいよ明日で終わりだ。
二学期の終業式は毎年、十二月二十四日に行われている。
十七回目のクリスマスイブは、一生忘れられない日になりそうだ。
キッチンでココアを作っている美咲の後ろ姿から、卓也は目が離せない。
「いよいよ二学期もおしまいね。あとは受験、か…。この調子で、最後まで頑張ろうね!」
肩越しにこちらに視線を投げる美咲に、
「は?あ、はい…」
気のない返事を返す卓也。
意識のほとんどは、艶やかすぎる美咲の後ろ姿に集中している。
リビングのソファに腰かけていると、ちょうど美咲の尻と目線が一致する。
「そうだ、ココアにブランデー、ちょっとだけ入れちゃおうかな」
おりしも、冷蔵庫に屈んだ下半身に、ノーパンの尻肉が、まとわりついている紫の薄布を、ぐぐっ…と持ちあげた。
ボリュームいっぱいの裸尻は、双丘の割れ目さえ簡単に、卓也に見せつけてしまう。
薄布越しの股間に、淫裂が垣間見えた。
紫に色づいた白腿も、たまらなく色っぽい。
ぐうっ…と変な音をたてて、卓也の喉奥が鳴った。
あわてて視線をそらしてみるが、三十秒と我慢できなくてまた、美咲の後ろ姿に見入ってしまう。
「さぁ、できたわ」
キッチンからリビングへのわずか数歩の歩みにも、美咲の淫らが卓也をとらえてやまない。
ぶるん、ぶるん…と揺れる乳房、蜂腰にくびれた腰、そして、大きく張りだした尻の輪郭が、たゆたう紫の薄布に透けている様は、芸術を通り越して、むしろ犯罪的だ。
(今日の、美咲さんって、なんてエッチなんだろう!)
痛いほど勃起している股間も忘れて卓也は、大胆すぎる美咲をただ、保けたように見つめるばかりだった。
夏休みに来て以来の、美咲の部屋。
青で統一されていた夏の装い一転、フローリングにされたカーペットもソファのカバーも、暖色系にまとめられ、とても居心地いい雰囲気で卓也を迎えてくれた。
あの日は熱帯夜で、雲一つない夜空がひろがっていたけれど、今日は雪混じりの生憎の天気。
今年一番の寒気団の襲来とやらで、とても寒い。
でも寒がりの美咲の部屋のなかは、暑いくらい暖房が効いている。
さっそくTシャツ一枚になっている卓也だけれど、まったく寒くはない。
こんなに温かい部屋ならば、今日の美咲くらい薄着でも、まったく寒くないはずだ。
しかし、今の美咲の格好を、はたして薄着と言っていいのだろうか…。
「お待たせ。外は寒かったでしょ?ココア飲んであったまってね」
二つのカップを乗せたお盆とともに美咲は、卓也の向かいのソファに腰をおろした。
おろした腰に、美咲の身体を覆う紫のキャミソールが揺れ、妖精の羽根のように薄い裾が、ふわり…と舞いあがった。
「う、うわぁっ!…」
なにも穿いていない下半身が剥き出しになり、惜しげもなく茂みが顔をのぞかせる。
「いやだわ、そんな大きな声で…恥ずかしい」
舞あがった裾を両手で押さえこんで、剥き出しになった股間を隠す美咲。
もちろん顔は、火を吹きそうに赤くなっている。
「じ、じゃ、とにかく乾杯、しましょうか。卓也くん、本当によく頑張ったわ」
卓也に向かって差しだされるカップに、ノースリーブの腋の下が白く閃く。
「あ、はい。乾杯。ありがとうございます」
目がちかちかして卓也は、乾杯どころではないのだが、とにもかくにもココアを口に運ぶ。
ブランデーの香りが、ココアの甘味と一緒になって、口のなかにひろがっていく。
「でも、これで安心しちゃだめよ。これから本番なんですもの」
座っている美咲からも卓也は、一秒足りとも視線をはずすことができない。
(あぁ、お、おっぱいが…)
これまたなにもつけてない乳房が、紫の薄布の下で、艶かしく身じろぎしている。
乳房にぴったりとまとわりついた薄布は、艶かしい乳房の輪郭を浮き彫りにして、卓也に誘いをかけているのだった。
時おり卓也に微笑みかけながら美咲は、なにも言わずにココアを口に運んでいる。
両脚はぴったり膝を合わせているが、腿の付け根の薄布に、淫毛の黒が透けているせいで、卓也の勃起は激しさを増すばかりだった。
「…ふう、甘くて美味しい。お代わりが欲しかったら言ってね。お酒はほんの少ししか入ってないから心配しないでいいわ」
ごくり…と、嚥下に上下する白喉が、飲精する時の美咲の淫らを、卓也に連想させる。
そして、腕の動きに合わせて上下する乳房も、負けないくらいいやらしい。
ココアを口に運ぶたび、軽くあお向く美咲の乳房。
すでに勃起している乳首がそのたびに、互いにそっぽを向きながら、ぷるん、ぷるん、と甘く柔らかく振動する。
大きく胸もとがVの字にカットされているせいで、乳谷の白さが目に眩いほどだ。
紫の布とのコントラストも、たまらなく色っぽい。
カップを持ったまま固まっている卓也に美咲は、
「本当はね、こんな格好するの、死ぬほど恥ずかしいのよ。でも、今日は、卓也くんの、大切な日だから私、思いきってやってみたの…。こんないやらしい格好の女と初体験するの、卓也くんはイヤかしら?」
恥ずかしそうに問いかける。
「そ、そんなこと、あ、あるわけありません!今日の美咲さん、今までで一番エッチで、一番魅力的で…綺麗で…いやらしくて…あっ、す、すいません!その、うまく言えないけど、と、とにかく、最高ですっ」
しどろもどろに美を讃えてくれる卓也に、美咲も微笑んでしまう。
「くす。ありがと。さぁ、せっかく作ったんだから、ココア、飲んでしまいましょう」
卓也に伝えたいことは、もう一つあった。でもさすがに、簡単には口から出ていってくれない。
数瞬の躊躇の後、美咲は卓也を見つめ、口を開いた。
「その後で、先に私の寝室に行ってくれるかしら?」
自分でも情けなくなるほど小さな声しか出なかった。
「!」
ついにやってきた、夢にまで見た瞬間のはずなのに、卓也は顔を強張らせたきりなにも言えなくなってしまった。
「もう、そんなに怖い顔、しないで。私、シャワー、浴びてくるから、ベッドのなかで、待ってて」
横を通り過ぎる美咲に、手を握られた。
「こっちよ。案内するわ」
初めて手をつないだみたいに、とっても緊張した。
【17 寝室】
美咲の部屋に入るのは、もちろん初めてだった。
綺麗にメイクされたベッドは朝凪の海みたいに滑らかで、乱すのが躊躇われてしまう。
でも、立っているわけにもいかないので、仕方なく卓也は、青いシーツの片隅に、ちょこんと腰をおろした。
あちこち見るのも悪い気がして、視線のやり場に困った。
部屋を出るとき美咲が、カーテンを引いてしまったせいで、室内は薄暗かった。
雪がひどくなってきたのか、カーテンの隙間からもれる光が、やけに眩しい。
静寂な時間が流れる。
「まぁ、卓也くんたら、横になっていなかったの?」
ふいに響いた美咲の囁き声に、危うくベッドからずり落ちそうに驚いた。
あわてて近づいてきた美咲が、卓也の手を取りながら微笑む。
「ふふっ。びっくりさせちゃったみたいね。ごめんね」
「い、いえ、大丈夫です」
さっきと同じ紫のキャミソール姿の美咲。
シャワーに温められた肌から、彼女自身の甘酸っぱい匂いが立ち昇ってきて、緊張した卓也の鼻腔を切なく刺激する。
「緊張しているのね」
傍らに座った美咲の右手が、卓也の頬を撫でる。
はい…と返事をする前に、
「私もなの。心臓が凄くどきどきして、喉もからから。ほら、触ってみて…」
誘われた右手に、美咲の柔らかい乳房があてがわれた。
ホイップクリームみたいにふんわり優しい感触が、指先に力を入れると、ゴムマリのようなたまらない弾力感に変貌を遂げる。
美咲の乳房は、いつ触ってもたまらなく気持ちいい。
今さらのように卓也は、自分の幸運に感謝せずにはいられない。
「どう?どきどきしてるでしょ?」
と囁きかけながら美咲は、卓也のあちこちにキスの雨を降らせていく。
「は、はい…。まるで全力で走ってきた後みたいです…うぐ」
ふいに唇に、美咲が重ねられる。
ちょっぴり強引に美咲は、舌を卓也の口腔に差し入れてくる。
かすかに嗅ぎ取れるアルコールの香り。
美咲は本当に緊張している。
重ねた唇に唾液を交換し、絡み合った舌が、互いの口腔を何度となく往復する。
キスを繰りかえしながら美咲は、卓也のTシャツを脱がし、ズボンのベルトを緩め、おろしていく。
ほどなくブリーフ一枚の姿になった卓也。
こんもり盛りあがった股間の一部分の布地はすでに、粘液にじっとり濡れていた。
やがて離れた美咲の唇。
すっかり落ちてしまったルージュの下から、滑らかな光沢を放つ唇粘膜が顔をのぞかせる。
口紅など塗らなくたって、美咲の唇はとても美しい。
「卓也くんの心臓も、どきどきしてるのかしら?」
鼻先をキスで濡らすと美咲は、卓也の体を柔らかく後ろに押して、あお向けにベッドに寝かせた。
自分は卓也に添い寝するように身を寄せる。
卓也の胸を手で、優しく、ゆっくりと、撫でたりさすったり。
「ふふっ、やっぱり緊張しているみたいね。私と同じくらい、どきどきしてる…」
胸板に乗せた顔で、上目遣いに卓也を見て、恥ずかしそうに微笑んだ。
「ところで卓也くんは、ここ、感じるのかな?試してみようかしら?」
卓也から視線をはずさずに美咲は、唇を少しだけ開く。
薄く引き締まった唇の間から、真っ赤な舌が伸びてきて、卓也の乳首にそうっと触れた。
最初はちろちろと、乳首の頭を撫でるように動いていた舌はやがて、勃起した粘膜突起のまわりを、ぐるぐるとうごめき、かと思うとまた、粘膜突起のてっぺんで優しく振動する。
「あ、あうっ…あぁ」
卓也の甘いうめき声に、唾液にたっぷり濡れた、柔らかい舌先が今度は、乳首をねっとり舐めはじめる。
舌の動きはゆっくりで、とても優しい。
垂れ落ちる自分の唾液を美咲は、舌全体を遣いながら、乳輪いっぱいに塗りひろげるように舐め動く。
そのままぴちゃぴちゃと、仔猫がミルクを飲むような濡れ音をたてながら、卓也の乳首を舐めしゃぶりつづける。
「あぁ、美咲、さん…」
フェラ×オしている時の美咲の顔は淫らそのもので、見ているだけでイキそうになってしまうこともしばしばだけど、胸板に頬をつけて、舌を伸ばしている美咲の横顔は、なんだかとても可愛らしくて、卓也はつい、じぃっと眺めてしまう。
「ふふっ、気持ちいいのね?とってもエッチな顔してるわ」
卓也に向かって微笑みながら美咲は、乳首先端にかすかに触れている舌先を細かく振動させた。
「あうっ、あぁぁ…」
卓也の体が、ぴくんと痙攣する。
乳首を舐められて感じるなんて、男として少し恥ずかしい。
でも、気持ちいいのだから仕方ない。
乳首舐めの快感は、射精をうながすほど強くはない。
でも、どこかくすぐったいような、それでいて慈愛に満ちあふれた刺激は、卓也をますます昴らせずにはいられない。
「じゃ、もおっと、なめなめしてあげようかしら?ふふっ」
じっとり押しつけられた舌から、じわぁ…と唾液が染みでてきて、卓也の乳首をぬらぬらに濡らしていく。
「んちゅ…んふぅ…」
さっきより大胆に揺れる舌に、ぴちゃ、ぴちゃぴちゃ…と、小さな濡れ音が響き、唾液が胸板に飛び散った。
もちろん美咲の顔にも。
美咲の睫毛についた唾液の玉を卓也は、指先でそうっと弾き飛ばした。
「あぁ、美咲さん、おっぱいって、男でもこんなに感じるんだね。ぼく知らなかったよ…」
「気に入ってもらえてよかった。じゃあね、おっぱいをなめなめしながら…」
美咲の指先が卓也を、ブリーフ越しに握りしめた。
「オチン×ンを、しごいちゃうと、卓也くんはどうなってしまうのかしら?」
淫らな、それでいてどこか悪戯っぽい笑みを浮かべると美咲は、右手の上下運動を速めていく。
美咲の舌はもちろん、健気に勃ちあがった卓也の乳首を舐め、刺激している。
「あっ、あぁ…うぐっ、うぐぐ…」
手淫奉仕の直接の刺激が加わると、乳首舐めの快感は俄然高まった。
体中から力が抜けるような、それでいてじたばた身悶えしたくなるような不思議な感覚は、卓也の射精衝動を急速に押しあげていく。
「み、美咲さんっ。は、破裂、しちゃいそうだよ…」
「まぁ、大変だわ。でも、まだ少し早いんじゃないかなぁ。もう少し頑張ってごらんなさい」
艶然と微笑むと美咲は、卓也の腰からブリーフをおろしていく。
ブリーフにひっかかったペニスが、無理やり下に引っ張られ、やがて、ばちぃぃん…と下腹に威勢のいい音をたててぶち当たった。
「あっ、ごめんね。痛かったでしょ?」
自らの過失を償うように美咲は、柔らかい指遣いに卓也をしごきはじめる。
「あうっ!あぁっ、す、ごく、気持ちいい、です…」
ちろちろと小さな濡れ音を胸もとに響かせながら美咲は、生勃起への手淫奉仕を本格化させていく。
濡れ濡れの茎肌を、しこしことしごきあげ、裏筋に人差し指の腹をさ迷わせる。
親指と人差し指の輪っかで亀頭エラをねぶる。
何度も何度も。
「うぐぐっ!あぐぅ!あぁ、美咲、っ、さぁん!うぐぐぅ…」
乳首とのダブル刺激に卓也は、文字通り快感にのた打ちまわる。
「ふふっ、なんだかとても苦しそうね。いいのよ、一回くらい射精したって。卓也くんなら全然平気でしょ?」
卓也の胸に埋めていた顔を美咲はやがて、少しずつ移動させはじめる。
肋骨のくぼみをキスで濡らし、柔らかいお腹に頬を擦りつけ、へそ穴を舌でくすぐる。
そうしながらも美咲の右手は、相変わらず勃起を慰めているから、卓也の快感はますます大きくなるばかりだ。
やがて卓也の下半身に到着した美咲の顔は今度は、勃起の根元に舌を這わせはじめる。
たっぷりの唾液で陰毛を撫でつけ、露になった勃起根元にちろちろと、真っ赤な舌が這いまわる。
「んふぅ…はあ…」
蒸れた美咲の鼻息が艶かしく、敏感になった卓也の根元の肌をくすぐる。
美咲の濡れ舌は時おり、茎肌をちろちろと這ったかと思うと、今度は根元まで舐めさがってきて、玉袋のしわしわに押しつけられる。
「むちゅ…ちゅうちゅう…」
玉袋と腿の隙間にじっとり這いまわる舌の生暖かさに卓也はだだ、満足げな溜め息をつくばかり。
それに、勃起と乳首への刺激がなくなったせいで、ほんの少しだが余裕ができた。
ふと気づくと傍らに、美咲の紫の尻が。
(あぁ、なんてエッチなお尻なんだろう…)
たまらず卓也は、目の前の美肉を握りしめる。
「あう…、もっと、優しく触って」
股間にこもる美咲の声。
でも、興奮しきった卓也の耳には、まるで入ってこない。
「あぁ、お尻、美咲さんのお尻、すごく大きくて、ぴちぴちしていて…あぁ、もう僕、我慢できない!」
上体を起こすと卓也は、紫の薄布をまくりあげた。
剥き出しになった純白尻の眩しさに、ますます興奮してしまう卓也。
乱暴になった両手で無理やり、美咲の尻を引っ張り寄せて卓也は、無我夢中で唇を寄せる。
「むちゅ…むはぁ…んんっ、くちゅぅ…」
みるみるじっとり濡れていく美咲の尻たぶ。
興奮しきった卓也の唇が、純白の肌のあちこちに、キスマークの赤い斑点を作りあげていく。
「あぁ、美咲さん、美咲さんっ」
美咲の尻たぶを両手で掴むと卓也は、なんとか自分の顔上に、美咲の下半身を持ってこようと悪戦苦闘する。
「も、もう、そんな乱暴な…。なめなめしたいのなら、言ってくれればいいのに」
片足をあげて美咲は、卓也の顔をまたぎ、シックスナインの体制になる。
「あぁ、美咲さんの、美咲さんのオマ×コが、丸見えだよ…」
目の前にさらけだされた美咲の淫裂に卓也は、いつものように溜め息を一つ。
まばらな茂みに縁取られた淫裂はすでに、膣から染みでてくる美咲の汁に、表面をじっとり湿らせている。
あえかに開いた外陰唇の隙間から、鮮やかな紅色をした膣粘膜が垣間見えた。
もちろん、ぴかぴかに濡れ光っている。
尻たぶを両手で握りしめ、しっかり固定すると卓也は、そのまま顔を淫裂に押しつけていった。
甘い甘い粘膜の隙間を、卓也の硬くした舌が、ざっくり貫通していく。
「んんっ!んんうっ!あ、あぁ、うぅぅ」
今の美咲はもう、卓也の股間に、熱い溜め息を吹きつけるだけ。
卓也の舌の動きに腰が、びくり、びくり、と敏感に反応し、尻たぶがぴくぴくと痙攣を繰りかえす。
数ヶ月の秘密授業の成果を十全に発揮して、美咲の淫裂を舐めしゃぶりつづける卓也。
今度は中指を、膣にぶっさり突き刺したまま、敏感な赤真珠を舌でいたぶると、
「あぐぐぐっ、もう、もう、ダメ、だぁめぇっ、たぁくぅっ…んんっ、ふっ、あぶぅ!」
美咲の絶叫とともに垂れ落ちた愛汁が、卓也の顔を濡らす。
「あぁっ、も、もう、卓也くんったら…」
美咲の弱点を知りつくした卓也の、巧みな唇と指遣いにほぐされた身体は、ほんのわずかな愛撫にさえ敏感に反応してしまう。
紫の薄布はもう、背中のなかほどまでまくれあがっていた。
ひん剥かれた尻たぶの間では、さんざいたぶられた淫裂が、じくじくうずいている。
これ以上卓也に舐められたら、間違いなく達してしまう。
(でも、今日は、今日だけは、先にイカされちゃうなんて、絶対ダメ!)
初体験前の男の子に、先に絶頂に導かれてしまっては、年上の威厳もなにもあったものではない。
だから美咲は、卓也の卓也の股間から顔をあげると、起立を握りしめた。
びくり、と卓也の腰が揺れた。
口唇攻撃も、少し弱まったみたいだ。
持ちあげた勃起の先端を美咲はまず、舌腹で充分に舐めまわしてやる。
硬くした舌先で今、小便穴でも刺激しようものなら卓也は、即座に撒き散らしてしまうに決まっている。
一回ぐらい射精したって、卓也なら全然問題ないだろうが、危うくイカされそうになったお返しをしたい気持ちもある。
たっぷりの唾液にまみれさせた亀頭を美咲は、舌で包みこむようにして舐めまわし、摩擦刺激してやる。
「んぐっ!あぁ、美咲さん、オチン×ンが、あぁっ!」
おまけに美咲の右手が、茎肌をリズミカルに上下しているのだから、興奮しきっている今の卓也には、天国であり地獄でもある。
苦しげな卓也の悦声を無視して今度は、大きく開いた唇を、勃起先端にかぶせていく。
「んふう…ううっ、ぐっ…んんっ」
少し苦しそうにしながら美咲は、卓也を呑みこんでいく。
はじめは、とてもゆっくりと。
不用意に頑張ろうものなら、いまやすっかり逞しく成長した卓也の長茎に、簡単に噎せてしまう。
茎のなかほどまで咥わえこんだ美咲の唇はやがて、唾液にまみれた卓也をひり出しにかかる。
「んふぅ…はふ…んちゅぅ…」
ずりずりとせりあがる美咲の唇に、口端から涎れがだらだらと、とめどなく流れ落ちては、茎肌いっぱいに、ねっとり張りついた唇粘膜の柔らかさが、卓也の射精衝動を刺激してやまない。
亀頭エラまで卓也をひりだすと美咲は、そのまま唇で甘咥えして、細かく頭を振りはじめた。
「あっ、あっ、先っぽが、あぁっ、すっごく、気持ちいいよぉ」
ちゅくちゅく…むちゅむちゅ…とかすかな泡音をたてながら亀頭エラが、美咲の唇に苛まれていく。
締めつけられた唇が亀頭エラにぴったりと張りつき、美しい輪郭を誇る美咲の唇は今は、淫らな歪んでいる。
亀頭エラと唇の隙間から、じゅくじゅく…と唾液の泡がこみあげてきては、卓也の茎肌に沿って、ぬらぬらと粘膜を作りあげていく。
「あぁ、美咲さんのフェラ、とっても、とっても気持ちいいよぉ…」
美咲の淫裂越しに卓也は、自分を咥わえている憧れの女性の顔を見つめた。
口唇奉仕にいそしむ顎の先に、唾液が滴を作っているのが見える。
「んもう、卓也くんのエッチ。顔、見ちゃイヤ」
卓也の視線に気づいた美咲が、勃起越しに甘く睨みつける。
見るな、と言ってるくせに美咲は、勃起を咥わえている口もとが見えるように、自分の頭の角度を変えてくれる。
「あぁっ、く、唇が、すっごくいやらしくなってる…」
あひるみたいに少し突きだした唇で、卓也の亀頭エラをこそぎ、摩擦している美咲。
エラ輪郭に歪んだ唇が、細かい頭の上下運動に、よじれ、歪む。
裏筋にぴったり張りついている下唇が、たまらなくいやらしい。
排泄穴下を舌でくすぐられながら、亀頭表面を上唇で擦られると卓也はもう、どうしようもなく出したくなってしまう。
「あぁ、美咲さん!美咲さん!うぐぐっ…」
息継ぎの下手なクロールみたいに、美咲の尻の間からあわただしく顔を起こしては、快感のわめき声をあげる。
「あうっ、あぁ、あぁぁっ!美咲さん、すごく気持ちいいよ!」
たまらず繰りだす腰に、濡れ濡れの茎肌が、ずぼっ…ずぼっ…と、卑猥な抜き差し音をたてる。
「むう…うぐぐ…むふ…んんっ」
唇を力いっぱい引き締めて美咲は、ごりごり音をたてそうになっている茎肌をしごきたてている。
こってり塗り重ねられた唾液の層が、唇にこそがれては、陰毛をもじっとり濡らしていく。
「んはぁ…ほら、こうすると、もう、ダメ、でしょ?」
ひりだした勃起の根元を握りしめて美咲は、限界間近の小便穴を、舌先でほじくりかえす。
ちゅくちゅくちゅく…と舐め弾き音をリズムカルに響かせながら美咲は、茎肌に手指を遣うことも忘れていない。
「あぁ、美咲さん、ぼ、ぼく…あぁ、い、イッちゃい、そう!…」
目の前の濡れた淫裂も忘れ卓也は、美咲のしゃぶり顔から目が離せない。
長く伸ばされた舌で、亀頭先端をいたぶっている美咲の顔は、いつ見てもいやらしく、優しげだ。
「ほらぁ、どうしたの?いつもならとっくに射精してるはずでしょ?いいのよ、遠慮しないで、思いきり出しなさい」
勃起を舐めしゃぶる美咲の視線が、卓也の瞳に突き刺さった。
涎れまみれの口もとで見つめる美咲の淫らにとうとう、卓也の我慢が限界を超えた。
「も、もう…ダメ、だ…あぁっ!美咲さぁん!あぁ、で、出るっ!いっ、イクぅっ!」
亀頭エラが、ぐぐっ、と鋭さを増した。
次の瞬間、浅咥わえの先端から精液が、塊になって飛びだした。
「あっ、ぐぶぅっ…んんっ…」
口もとで弾けた白汁に、一瞬戸惑った美咲だが、すぐに卓也を咥わえこむと、迸りつづける精液を口腔に受けとめていく。
「あぐっ!あぁっ!美咲さん!み、美咲さぁん!」
弾ける腰に精液が、いつ果てるともなく迸り、撒き散らされていく。
美咲の口腔はいまや、白い洪水でいっぱいだ。
「んぐぅ…んぐんぐ、はふぅ…」
大量の青臭い迸りを嚥下しながらも、茎肌摩擦を繰りかえし、さらなる射精をうながす美咲。
【18 初体験】
ようやく射精の鎮まった勃起に美咲は、たっぷり舌を遣っている。
発射の名残りを湛える小便穴はもちろん、精液の滴った茎肌も満遍なく舐め清めたから、湯あがりのようにぴかぴか光っている。
ちゅぽ…と可愛らしい濡れ音をたてて美咲の唇が、勃起を解放した。
支えを失っても卓也は相変わらず、びんびんと音をたてそうにそそり勃ったまま。
シックスナインの体勢から美咲は、汗に濡れた身体をベッドに横たえた。
「さぁ、卓也くん、そんなに元気いっぱいのオチン×ンなら、すぐに大丈夫でしょ?」
揃えていた脚を開き、卓也が入るスペースを作ってやる。
「あぁ、美咲さん、信じられないよ。いよいよ僕、美咲さんと、初めて…、するんですね」
美咲の脚の間に座りこむ卓也。
我慢できずに勃起を、緩やかにしごいている。
あんなに射精したばかりだから、少しは余裕がありそうだ。
「そうよ。私たちの初めてのセックスが、卓也くんの初体験になるの。あぁ、私もとっても嬉しいわ」
あお向けの視線で卓也を、美咲は優しく見つめる。
初めて会った時は、まだ中学生だった卓也。
頬には産毛が目立ち、目鼻立ちにあどけなさが残っていた。
背は美咲よりも少し高いくらいで、全体的に線の細さが印象的だったことを、美咲はよく憶えている。
高校生になって、体つきはどんどん男の子らしくなっていったけれど、はじめの印象があまりに強かったせいか、美咲のなかで卓也は、いつまでも弟のような存在だった。
そんな可愛らしい少年だった卓也が今、自分を貫こうとしている…。
この数ヶ月で、すっかり逞しさを増したペニスを、美咲は見つめた。
下腹にぴったり張りついたまま、身じろぎもしない。
さっきあんなに舐め清めてやったというのに、我慢汁の滴がもう、茎肌をじっとり伝っている。
「あぁ、とっても、すごくなってるのね…」
この数ヶ月で、驚くほど鋭さを増した亀頭エラに、思わず生唾を呑みこんでしまう。
美咲だってもう、我慢できなかった。
だから両脚を、これ以上ないくらい大股開いた。
つられて外陰唇が、ぺちゃ…とかすかな濡れ音をたてて口を開いた。
両手指を淫裂孔にあてがうと美咲は、ゆっくり左右に押しひろげていく。
「卓也くん、来て。あなたの…を、私の…に、入れて」
卓也の太さを想い美咲は、できる限り淫裂孔を、大きくひろげた。
膣粘膜がぱっくり口を開き、鮮紅色の壁を奥までさらした。
挿入を待ちわびる美咲の秘部に、卓也の我慢が限界を迎える。
(あぁ、美咲さんのオマ×コに、僕のオチン×ンを、入れたい!美咲さんとセックス、したいよ!)
勃起を右手で握ると卓也は、亀頭先端を美咲の入口に押し当てた。
「あうっ、くぅぅっ…!」
先端に生じた、濡れ粘膜の感触に、卓也の顔が早くも、甘く歪んだ。
「ピルを飲んでいるから、そのままでいいの、よ。あん、落ち着いて。逃げやしないから。ゆっくり、ゆっくりでいいの…」
「は、はい…」
なんとか射精衝動をやり過ごすと今度は、美咲に言われた通り、ゆっくりと腰を前に突きだしていく。
「あ…き、てる…卓也くんが…あぁ、いいわ。その調子よ…」
亀頭先端に割り裂かれた淫裂孔が、張りきったエラにぱつぱつにひろがっていく。
(あ、あんなにひろげておいたのに…。私の入口、裂けちゃう、かも…)
張りきったエラを呑みこむと、代わりに今度は、未だかつて感じたことのない充満感に、胎内が膨らんでいく。
「あ、あぁ、た、く、やぁ…い、いやぁ、すごい、すっごくいっぱいに、なってるぅ」
余裕のない美咲の膣に、卓也の茎肌がずりずりと擦れ、突き刺さっていく。
「あ、あぁ、オチン×ンが、と、溶けちゃいそう!オマ×コ、って、こんなに、こんなに気持ちいいんですね…あぁっ!」
次第に勃起全体に高まっていく膣粘膜の柔らかさと温かさに卓也は、早くも唇を噛みしめ、射精を堪えている。
それでも突きだす腰に茎肌が、なおも膣と擦れ、ますますの快感に勃起が燃えていく。
ミリ単位で美咲に入っていった卓也がとうとう、根元まで胎内におさめられた。
「とうとう、全部、入ったね」
今の美咲は、あまり大きな声は出せない。
たったそれだけの刺激にさえ、下半身が重くうずく。
子宮口をぐっさり貫かれて、身動き一つ取れない。
膣口には、髪の毛一本ほどの余裕すらないように思えた。
「あぁ…」
股座を見下ろす卓也の視線に、二人の陰毛が絡み合っている。
「今、僕、美咲さんとセックス、してるんですね…すごいよ」
セックス、と口にした途端、猛烈な射精欲求がこみあげてきた。
「初めて女の人の膣に入った気分はどう?私みたいなおばさんじゃ、あんまりよくないかな?」
ようやく慣れてきた下半身に美咲は、少しだが余裕が生まれている。
この調子なら、素晴らしい初体験を、卓也にプレゼントしてやれそうだ。
「ば、バカなこと言わないでください!美咲さんと初体験できて僕、とっても嬉しくて…あぁ、ううっ」
憤然と言いかえす卓也の顔が突然、せつなげに歪む。
「ふふっ、どうしたの?なんだか苦しそうよ。大丈夫?」
笑顔で見上げる美咲。
でもその腰は、緩やかな前後運動に卓也を苛んでいた。
美咲は寝ているから、あまり腰を動かすことはできない。
それでも卓也の勃起は、数センチひりだされてはまた、根元まで美咲の膣におさめられる。
たったそれだけのピストン運動でも、卓也の快感はとてつもなく大きい。
「く、くそ…よう、し、僕、だって…うぐぐ…」
それでも負けじと、腰を動かしはじめる卓也。
「あぁ、も、もう…」
でも、たった二、三往復の腰にさえ、あっという間に射精が迫ってきてしまう。
そうかといって、美咲の膣に入れたままにしておくと今度は、膣粘膜の微妙な身じろぎに、勃起全体がたまらなく熱くなってくる。
それでもまた数回、ピストン運動を繰りだす卓也。
せめて少しでも美咲をよくしてあげたい一心だった。
「ふふっ。とっても気持ちよさそうね。もう我慢できない?無理しないでね」
対照的に余裕ある美咲は、あろうことか肛門を締め、八の字筋を絞めるように、膣壁を収縮させる。
きゅぅぅっと搾りあがった美咲に、
「み、美咲、さん!で、出そう!」
卓也の我慢の糸は、あっさりと灼きつくされてしまう。
「ん?出ちゃうの?オチン×ンがもう、我慢できないの?あぁ、いいわっ、思いきりイキなさい!卓也くんの初めての射精、私の中にちょうだいっ!」
突然美咲の腰が、大きくグラインドした。
さっきとは比べものにならない激しさで。
「あふぅ!あぐぅっ!あぁ、卓也くんが、お、奥まで!…んんっ!」
自分の腰遣いに、子宮口を深々と貫かれてしまい、美咲の身体中に甘くて強い電気ショックが駆け巡る。
ひりだされた亀頭エラがふたたびのピストンに、膣壁を燃えあがらせる。
「あぐぅっ!さ、さぁ、いいのよ。たっくさん射精なさいっ!」
それでも美咲は、余裕のある微笑みを絶やすことはしない。
腰の一振り、膣の収縮に、卓也を追い込み、悦ばせつづける。
「あ、あぁ、みさ、咲ぃっ!うぐぐっ!はうっ!」
卓也のペニスはもう、まったく感覚がない。
そのくせ、快感だけはどんどん高まってくるので、抑えがまったく利かない。
「も、もう、ダメ、かもしれません。あぁっ、先生、ごめんなさい…」
「もうバカね!どうして謝るの?…いいのよ、私の…なかで、思いっきり射精なさい!」
教え子の初めての射精の予感に、美咲の身体が妖しく燃える。
興奮した淫裂が、よりいっそうの収縮力に卓也を責めたて、すっかり欲情した指先が、とっくに下腹にめりこんだ玉袋をくすぐる。
射精を待ちわびる大人の女の性戯には、今日が初めての卓也はひとたまりもない。
「あぁっ、美咲さん!僕…うぐぐっ!」
もう少しで卓也が来る…。
膣内に迸る卓也を想い、美咲の腰は、最後の突きあげを繰りだしていく。
両脚を卓也の腰に絡め、より深く、強固な挿入をうながす。
更に肛門に力をこめて、思いきり膣壁を締めつけてやる。
刹那、卓也の腰が、びくん、と大きく跳ねあがった。
「あぅ!ぼ、ぼくぅ…い、イク!美咲、さぁん!出ちゃう!あぁっ!」
子宮口にぶち当たった精液の塊が、膣内にしぶきをあげる幻影が、美咲の脳裏にまざまざと映しだされた。
二回目とはいえ、初体験の感動に後押しされた射精は大量だ。
たった数回の放出に、美咲の膣はあっけなく、白い洪水に満ち溢れてしまう。
胎内に深々と突き刺さっている茎肌が、精液を吐きだすたびに、びくん、びくん、大きくしゃくりあがる。
「あふぅ!あぁ…いいわ、もっと気持ちよくなって…あふぅ!」
美咲の快感も、決して小さくはない。
無意識にうごめく腰に亀頭エラが擦れ、身体中から甘い汗が噴きでてくる。
倒れこんできた卓也が、美咲の胸に顔を埋める。
反射的に乳首を口に含み、舌上に転がす卓也の後頭部を、美咲は優しく抱えこみ、乱れた髪を撫で、整えてやる。
初体験の余韻に荒くなった息が、敏感になった肌に切ない。
さすがに少し、小さくなった卓也に、淫裂孔の隙間から、二人の混合汁が、じくじくと垂れ流れてきて、美咲の後穴をべっとり濡らしていく。
窓の外は、怖いほど静かだった。
雪が積もっているのかもしれない。
【19 受験】
正月が過ぎると、すぐに二月がきた。
受験シーズンの到来。
卓也にとっての最初の試験が、本命校のそれだった。
いきなり本番を迎えてしまうのは、各校の受験日の関係上仕方がないとはいえ、やはり緊張せずにはいられない。
「そんなに固くならなくても大丈夫。卓也くんは今日まで、本当に一生懸命頑張ってきたんだもん。普段の力を出せさえすれば、ぜったいに合格できるわ」
わざわざ受験会場まで見送りに来てくれた美咲は、そう言って卓也に微笑んだ。
目が少し純血している。
昨日はあまり寝ていないみたいだ。
「はい…。精いっぱいやってきます。そんなことより、せっかくの日曜日に早起きさせてしまって、本当にすいません。片付け、はかどりました?」
美咲の寝不足の原因が、引越しの準備のせいだということを卓也は知ってる。
美咲の結婚式も、もう目の前に迫っていた。
「もう、今の卓也くんは、そんなこと気にしてる場合じゃないでしょ!」
明らかに保護者とは違う美咲を見て、他の受験生達が怪訝そうに二人を見ながら、会場へと姿を消してゆく。
そろそろ時間だ。
「す、すいません。じゃ、ぼく行きます」
最後に美咲にキスしたい衝動を押し殺しながら卓也は、指定された建物へと歩きはじめる。
「あ、待って。私ったら、もう少しで忘れるところだったわ」
振りかえった卓也に近づいてきた美咲は、コートのポケットのなかから、小さな包みを取りだすと、卓也の手のなかに押しこんだ。
お守りだった。
「実家の近所にある神社のお守りなんだけれど、けっこう霊験あらたかなのよ。このお守りのおかげで、私も志望校に合格できたんだ。…さ、もう行きなさい。あ、試験前にはトイレに行っておくこと。わかった?」
「はい。ありがとうございます」
できの悪い弟を心配する姉のような口ぶりに、卓也はつい、苦笑してしまう。
でもおかげで、緊張が解けた。
あたりにはもう、受験生の姿はまばらだった。
駆け足で試験会場入りする学生も少なくない。
「本当にもう行かなきゃ。終わったらメールします」
「がんばって…」
ふいに美咲の両手が、卓也の頬を包みこみ、唇が重ねられた。
寒さのせいか、少し冷たい美咲の唇。
でも柔らかさと滑らかさは、いつも通りだった。
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