夢と現実

主な登場人物

・主人公(綾香）
・亡き彼(博人）
・現在の彼(歩）
・友人
・元恋人
・その他

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>> 1
学生時代を満喫し
晴れて社会人の
仲間入りをして
日々仕事に精を出し
先輩達に少しでも
近づこうと
メモとペンを取り
言われた事は
細かく書いて
繰り返していた

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>> 2 朝太陽が昇り
始める頃
目覚ましが鳴る

『コケコッコー』

５分置きに設定

『コケコッコー』

綾香は朝が弱い

『もう少し寝る』

毎朝のように
目覚ましを止める

綾香『起きないと』

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>> 3
起床するのは
仕事に行く３０分前
ギリギリなのに
絶対に遅刻はしない

綾香が眠い目を
こすりながら
顔を洗い
歯磨きをする

テレビを付けて
朝のドラマを
見ながら朝食を取る
パンと牛乳

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>> 4 洗面台へ向かい
もう一度歯磨きを
念入りにする

綾香『急がないと』

服に着替えて
色付きリップを
唇に二度つけて

家を出て鍵を掛けて
何度と閉まりを
チェックする日課

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綾香『お弁当持った』

確認をして
自転車に乗り
行き急ぐ
毎日のように近所の
おっちゃんや
おばちゃんが
声を掛けててくれる

綾香…
『お早うございます』

ご近所の人達…
『おはよう』
『行ってらしゃい』

仕事場まで
自転車を走らせる
徒歩入れても
着くのは１０分前
制服に着替えて
現場まで小走り

綾香『セーフ』

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>> 6 辻君『おはよう』

綾香『おはよ～』

辻君は２２歳で
入社四年目で
綾香の先輩であり
初めて仕事を
教わった人だ

年齢も近い事もあり
すぐに仲良くなった
仕事の話しは
もちろんの事
テレビドラマや
好き嫌いの食べ物
何でも話せる
お兄ちゃんであった

綾香『頑張ろうね』

辻君『おう！』

朝の９時ベルが鳴る
キンコーン
カンコーン
キンコーン
カンコーン

学校ではなく会社
綾香も最初は
不思議だった
何故に…
音が大きくて
少し、うるさいけど

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>> 7
皆が集まり
朝礼が始まる
５分程して
席につくと
話し声も止まり
自分の仕事に
集中する

田中さん…
『綾香ちゃん流して』

綾香…
『慣れなくて』

田中さんは、
綾香の後ろで
仕事をしている
４０歳で独身者
何十歳も離れていて
大人だなと
感じていた

一緒に仕事を
しているうちに
仲良くなり年齢差も
感じなくなった
いつしか綾香は
田中さんではなく
『おばさん』と
言うようになった
本人も了承していた

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>> 8
１０時から
１０分休憩がある
皆…何してるんだろ？
自販機で飲み物を
購入して飲んでたり
お手洗いへ行ったり
職場内で話したり

ブザーが鳴る
ブーッ
始めまりの合図
流れ作業の為に
早く席に着かないと
ラインが動かせずに
仕事が遅れてしまう

今日は
残業しないで帰ろう
誰かが声を掛ける
リーダーさんかな？

綾香には
まだ話した事の
ない人達もいて
見た目が怖そうな人
優しいそうな人
人物を外見で
判断してはいけない
分かってはいたけど
十代で幼な過ぎる
私には
頼りになる
大人の男性と女性に
見えていた

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>> 9
お昼休憩まで
もう少し
気合い入れて
ファイトだ!!
(自身に言い聞かせ）
仕事にも慣れて来て
ペースも保って
出来るようになり
自信も湧いてきたが
時折ミスもする

落ち込み
テンションも下がる
仕事に
支障が出てしまう
初めて年配者から
教えてもらった

ミスはミス
次は絶対にしない

怖そうなイメージを持っていた人も
優しく話してくれて
とても嬉しかった

仕事中は静かで
小声で誰かが
話してるのは
聞こえる
内容は全く
わからない

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>> 10
時計が昼０時の
針を指すと同時に
キンコーン
カンコーンっと鳴る

外食する人、
仕事場の片隅で
食べる人達
コンビニや
スーパーや
マクドナルドなど
買って来て食べる人

綾香は
お弁当なので食堂で
先輩と４人で
ペチャクチャ
話しながら
食べていた

二人は部署が
違うが、おばさん
(田中さん）を
通じて仲良くなった

浜田さんは３８歳
竹内さんは２３歳

歳の差は感じず
色々な話しなどを
楽しんでした
お弁当の、おかずを
交換したり
お菓子を配ったりと

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>> 11
女の子らしく
女性らしくと
言うべきだろうか??
恋愛の話しでは
大いに盛り上がった

一時間の休憩も
早くも終わり
お弁当をロッカーにしまって戻る
途中に、お手洗いも
済ましておこう
並んでいる

間に合わないかも
走って階段を
駆け上がり

田中さん…
『あれ？？？』

綾香…
『うん？』

田中さん…
『私より後だった？』

綾香…
『あぁ～早いしょう』

田中さん…
『ううん』

綾香…
『皆抜かした(笑）』
先に行ったはずの
同僚達は、
次々と後から来る

『ハァハァ‥』

息が切れてるのか？

『やっぱり若いな』

皆、口を揃えて言う

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>> 12
この時は、
若いと言う意味さえ
理解していなかった
『歳を取ればわかる』
ポツリと…
誰かが囁いた
仕事が再始動する
機会の音や
箱詰めした後の
ガムテープが響く
色々な音が
混ざり面白い

１５時に針を刺した
やっと休憩だ
張り詰めていた
緊張感と体をほぐし
外の空気を吸いに出る
気持ちいい～
軽く運動をする
同僚がジュースを
買って来てくれた
喉が渇いていた
私は一気に飲み干した

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>> 13
１５分間の休憩だが
外に出る人はいて
朝よりは長いので
携帯電話で
話す方も居る

もうそろそろ
戻ろうか!?
なんて言いながら
横で話しの続きを
しながら階段を
登って行く

後…少し頑張るぞ
商品に指紋や誇りが
ついてはいけない為
白い手袋をはめ
入念にチェックと
箱詰めを繰り返す

綾香は
最後尾から二番目で
仕事もテキパキ
こなせるようになり
先輩方との
信頼性も熱かった

因みに最後尾は
辻君なのだ
歳も近いし
何より話しが合う
手があくと
おしゃべりが
始まり前に座る
年配者の高橋さんに
『静かにしろ』っと
注意されてしまう

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>> 14
『ごめんなさい』
綾香と辻君は、
頭を下げて謝る
高橋さんの言い方は
強くて怖いのだが
言い分は
間違えてはいない
内面的には
とても優しい人で
目が合ったりすると
ニッコリと
笑ってくれる

何だかんだと
目まぐるしく
刻々と時間が過ぎる
先頭がラストっと
声を掛けてから
５分後に最後の品が
やってくる
梱包を手伝って
伝票を付けて
終了なのだ

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『これは明日納品』っと聞いて
綾香はラックの上に
品物を乗せる
思ったよりも
かなりの重さである
周りにも手伝って
もらい丁寧に
持ち上げての
繰り返しなのだ
最後の一箱
終わった

定時で鐘が鳴る
足早に
ロッカールームに
向かい着替えて
『お疲れ様でした』
自転車に乗り
家路へと急ぐ
夕方なので
車や自転車や人も
多く信号も変わり
すぐに着けない
２０分程して
家に着いた

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急ぐ理由は
学生の頃から
付き合っている
彼氏から電話が
掛かってくるからだ
周りからすれば
くだらない話し
なのだろうが
お互いに楽しみで
特に学生の時よりも
社会人になってから
視野も広がり
会話も増えた

二人共
携帯電話を持って
なかった為に
家の電話なのだ
特に不便に感じず
逢う時は必ず
前の日に時間帯を
決めていて
彼が近くまで
迎えに来るから
心配もなかった

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