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No.41 18/07/31 19:19
名無し3
あ+あ-

≫40

「自分が何者かわかってる奴ってどれだけいるんだろうな。」

親友が吐き捨てる様に言う。

その言葉と表情で僕は彼が何者なのかを確信した様な気がした。

足原。
やっぱり冗談じゃなかったんだな。

そうなのか。
やはりそうだったのか。

でもこれでもう僕は足原を偽ってコソコソと嗅ぎ回る必要もない。

そうだな。
自分が何者なのか分からなくなる時があるよな…

でもね、僕は「足原の親友」という自分の姿を気に入っていたよ。
もうその偽りの姿も終わりにしないといけないけどね…


「足原。」

僕は親友に声をかけた。

「僕とお前が10年ぶりに会って話をした時の会話を覚えているか?」

親友が微かに頷いた様に見えた。

「僕がお前と10年ぶりに『偶然会った時』僕はミスをした。
まず1つめ、
僕はずっと音信不通で連絡先すら知らなかったはずのお前に、S区の近くに住んでいるよな?
と言ってしまった。
中学当時は学区内の地域に住んでいたお前がかなり遠いS区付近に引っ越した事を何故僕が知っていたのか不思議に思わなかったか?」

親友は不振そうに眉をピクリとさせたが何も言わない。

「2つめ、
お前が僕を見かけて高橋!と声をかけてくれた時に僕は嬉しくて嬉しくて舞い上がってしまった。
そして迂闊にも僕に似ていると言われる人物の話をしてしまった。
でもな、」

ここで僕は息をついだ。

「お前と話しているうちに僕は思い出した。
僕が、僕が母親の旧姓の高橋を名乗り出したのは中学卒業後に両親が離婚してからなんだ。
つまり、お前が昔からの親友だと思っていたのは僕じゃない。
僕じゃないんだよ。」

隠していた事がどんどん言葉になって溢れてくる。

「お前は10年ぶりに偶然僕と再会したと思っていただろうけど、本当はそうじゃない。
お前の事をずっと調べていた僕が運悪くお前に見つかってしまっただけだ…」

もう、自分でも何が言いたいのか分からなかった。

「足原、ごめん。
お前の話を聞かせてくれ。
そうしたら僕の話も順を追ってしていくから…
ただ、これは謝らせてくれ。
騙してて申し訳なかった。

僕は…
僕は…お前の親友だった高橋じゃない…
本当の高橋は…
お前が僕のドッペルゲンガーか?と疑っていたあの河村という奴だ…」

僕はその言葉を言い切ると軽いめまいを覚え、口をつぐみ静かに目を閉じた。

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