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婚活ゲーム

No.10 18/04/22 02:30
賀州夏 ( ♂ MpbYnb )
あ+あ-

「ソロレート婚っか…」
その日はそれだけ言うとコトミの部屋を後にした。
水を飲もうと一階に降りると父の書斎から出てきた兄のナオヒトとすれ違う、以前に比べ随分とやつれたように見える。
ナオヒトは「コトミの事は頼んだぞ」といつものセリフを言いながら俺の肩を叩く。
今まで家を空けがちだった2人が申し合わせたように帰ってきてはこの1週間、明け方まで2人で書斎で何か相談しているようだった。
その年の3月31日俺は仕事を早退し、コトミが通う大学の寮まで荷物を運び入れた、寮を使えるのは4月からなので大学から近い俺のマンションにコトミは泊まっていた。
その日のコトミは夕食時に飲めないビールを飲んだり、いつもと違う感じだった、俺は明日から一人で暮らすのが心細いんだろうと心配していた。
夜になり、いつもはコトミが寝るまで起きているのだが、その日は中々風呂から上がってこないコトミを待っているうちに先に寝てしまっていた。
俺は夢を見ていた、心地良い柔らかな感触に包まれている、今迄ミキでしか味わったことの無い感触、随分と久しぶりの感触、ミキとのキスを思い出すと同時に脳まで痺れるような快感が突き抜けて目が開く、俺の目に入ってきたのは目を閉じて俺と唇を合わせているコトミだった。
コトミはそっと俺から離れると
「ケンちゃん、お姉ちゃんの所に行こうなんて思ったらダメだよ」
そう小さく呟いて布団へ入った。
その言葉を聞いた瞬間、俺は全てを察した。
コトミはこの2年間自分を心配させる事によって俺が変な気を起こさないようにしていた、コトミが本当に明日から心配なのは俺を一人にさせる事なのだと。

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