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闇の中の天使

No.79 13/02/19 21:02
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫78


「失礼いたします」
私は職員室に入った。
二度目だから、舛崎先生の机の場所は知っている。そこに真っ直ぐに向かった。
「あら、曽根崎さんまだ下校していなかったの?」
「先生にご相談があります」
「もうこんな時間ですから、また今度にしてくれませんか?」
私の顔も見ずに、舛崎先生は足元から大きめのハンドバッグを取り出すと、帰る準備を始めた。
私はわざと声を大きくすると
「いいえ。とっても大切な相談なんです!舛崎先生にどうしても聞いて頂きたいのですが、先生はお帰りになられるのですか?」
そう言った。
他の教師達が何事かと、こちらに視線が集まった。
「ちょ…ちょっと、曽根崎さん、どういうつもり?」
私は声の大きさを戻すと「ですから、ご相談があります」ともう一度言った。

「はあ…」呆れた様子で仕方がなく立ち上がった舛崎先生は、「生徒指導室に行きましょう」と言った。「はい」と答え、私は舛崎先生の後ろをついて廊下を歩いた。

「それで?何の相談かしら?春休みの特別講習を免除して欲しいとかそういう相談かしら?」
「いいえ。私は、その特別講習は受けるつもりはありませんから、その相談ではありません」
「なあに?受けないってどういうこと?」威嚇するように舛崎先生は私を睨みつけた。
私はスマホを制服のポケットから取り出した。
「携帯電話の類は校則で持ってきてはいけないと…」と、言いかけたが私はその言葉に被せるように制して「校則は知っていますが、緊急事態でしたので」と言って、タッチパネルの一つを押した。
‘私達、古文の点数が悪くて…、園田さんに嫌がらせをしたら単位をくれるって言うから…’
さっきの二年生の二人の会話を録音したものが流れた。
私は、そこで止めた。「まだ続きがお聞きになりたいですか?」とすっかり顔色を失くした舛崎先生に聞いた。
「…いいから」
「はい?」
「特別講習には参加しなくていいから!それを消去しなさい!」
「私、先ほど申し上げましたよね、特別講習に出席するつもりは無いと」
「じゃあ、何が望みなの?まさか…お金?あなた私を強請るつもりね!」
「私は曽根崎の家の者です。お金に不自由していません。それに犯罪者にはなりたくありません。このことを私が知っているっていうことだけご報告したまでです。あ、そう言えば、近藤さんには何て言って脅したんですか?」
「なんのこと?」
舛崎先生は腕組みをすると横を向いた。
「私を襲うように、近藤さんに命令しましたよね?」
舛崎先生は、そっぽを向いている。
私は、ため息をついてから、もう一度スマホの再生ボタンを押した。
‘私達、古文の点数が悪くて…、園田さんに嫌がらせを…’

「もう、やめて!」舛崎先生はガタン!と大きな音を立てて立ち上がった。はずみでパイプ椅子が後ろに倒れた。
「あなたが、私に恥をかかせたからいけないのよ!」と、血走った眼で憎々しそうに言った。


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