関連する話題
吐息の先に…
【黄昏の時】
くそったれな俺の半生

闇の中の天使

No.78 13/02/19 21:00
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫77


教室に戻ると二人の生徒が、私の机の辺りでしゃがみ込み、なにかしている。
私は足音を忍ばせて、そっと背後に近付いた。

「それ、何?」
突然声を掛けれた二人は、悲鳴もあげず、その場に尻もちをついた。
「あなた方、二年生ですね?」
二人は何も言わないが、胸のネームバッジにはクラスと名前が書いてある。
私はそれをじっと見てから、スマホを取り出すと二人の写真を撮った。
「それは何?」
二人は何も答えない。
その手に持っているビニール袋に入っていたのは生ゴミだった。
「わざわざ家から持ってきたの?」
二人は体を震わせながら怯えていた。
すでに生ゴミは、少量だが私の机の中に入れられていた。
それも写真に撮った。
「校長室…、いいえ隠ぺいされるといけないから、この写真は教育員会と区長宛てに送ることにするわ。あなた達…このままではすまないわね」私はにっこりと笑った。
一人が「私達は、命令されただけなの!」と、言った。
もう一人は「ダメ、喋っちゃダメ!」と言った。
「命令?誰の命令?」
二人はまた黙った。
「もういいわ。それじゃあサヨナラ」私は、振り返り教室を出ようとした。
「舛崎先生…」そう一人が言った。
私は振り向くと「舛崎先生が?」と聞いた。
‘喋っちゃダメ’と言った方も、堰を切ったように話し始めた。
「私達、古文の点数が悪くて…、園田さんに嫌がらせをしたら単位をくれるって言うから…」
「それは、いつ?」
「園田さんが転校してきてからすぐ…」
「じゃあ、あなた達以外に、園田さんを虐めていた生徒はいないのね?」
「多分…、いないと思う」
「そう…。実は私、転校生なの。今ではその机は私が使っているの。だから、園田さんへの虐めは残念ながら果たせていないってこと。だから単位は諦めることね」
そう言って、教室を出た。
後からは「そんなあ…」と二人が情けない声を出していた。

舛崎美由紀…
教師でありながら、生徒に単位をやるからとそそのかして、虐めをさせるなんて卑劣な教師。
許せない。

78レス目(81レス中)

新しいレスの受付は終了しました

関連する話題

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧