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闇の中の天使

No.63 13/02/19 20:29
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫62

「由香里さん、よろしくお願いいたします」
私は矢島さんの前に正座をすると、「よろしくお願いいたします」と膝の前に両手を付いてお辞儀をした。

「合気道とは、他の武道と比べて精神性が重視されます。そして合理的な身体の使い方によって、由香里さんのように体が小さい方でもその体格や体力とは関係なく相手を傷つけることなく制することが可能な武道です。ですから関節技が主になり、打撃技をほとんど必要としません。まずは、基本的な技から始めていきましょう」
「はい」
合気道の稽古は、かなり体力を消耗した。

稽古が終わり、「ありがとうございました」と礼を言うと、矢島さんは道場から出て行った。
私は矢島さんに言われた畳の拭き掃除を終えて、シャワーを浴びるとダイニングのテーブルに着いた。
「初めての合気道は、どうでしたか?」
「コツを掴むまで、まだまだ時間がかかりそうです」
「そう。ですが矢島さんは先ほどあなたには素質があると仰っていましたよ」
「え…、そうなんですか?」
「ええ」

そして、いつも通りに夜のピアノのレッスンも終わり、一人になった私は考えた。
私は今、虐めに遭っている。
弟が犯した罪の報いを受けているのだろうか…
明日からも、気を抜くことはできない。
何が私を待ち構えているのか、予測不可能な事態に、私は覚悟を決めた。



お昼は、あの四人で食事をするのが常になっていた。
私は、今日も食堂に行くとプレートに何種類かの料理を乗せて、テーブルに置いた。
スープを取るのを忘れた事に気が付き、テーブルを離れてスープカップを手に、また戻ると、先ほど置いたプレートが無くなっていた。
テーブルを間違えたのかと思い、周りを見回したがやはりこのテーブルに間違いない。
スープカップを置くと、また列に並びプレートを手に料理を取りながら、カップを置いた席をちらちらと見た。
そこに、園田佳奈美が座る姿を見た。
いつもの席に座ると、籠からフォークを取り出している。
私はプレートを手に、園田佳奈美の隣に座ると、「この前は、ありがとう」と言った。
園田佳奈美は、不思議そうに大きな目をぱちぱちとさせた。「ほら、お掃除当番の人の名前を教えてくれて…」「ああ、そのことでしたか」やっと園田佳奈美が笑った。
「舛崎先生って、普段は冗談も仰る楽しい方なんですが、忘れ物や手を抜くことには厳しい方なんです」「そうですか」そう話していると、あの二人がプレートとスープカップをそれぞれ手にして、向かい側に座った。
「曽根崎さんって、すごいのね。あの舛崎先生に意見するなんて、驚いちゃったわ」と、近藤さんが言った。
「私も!先生に反論する生徒なんて今まで見たことなかったわ。真田さんも同じでしょう?」「もちろんよ」


「あの…」


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