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ブルームーンストーン

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自由人( 匿名 )
18-09-22 19:37(更新日時)

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1993年初夏。

「ほらこれ!」

と、真っ赤な顔をしながら綺麗なリボンのついた小さな箱を私に押し付ける彼。

開けてみると小さな宝石のピアス。

ブルームーンストーン。

ブルームーンストーン、6月の誕生石。

そして宝石言葉は恋の予感…


No.2652859 18/05/29 14:06(作成日時)
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No.1 18-05-29 15:28
自由人0 ( 匿名 )

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1993年春。

短大を出てから地元の会社に勤めていた私は、都会の生活と一人暮らしに憧れて、それまで勤めていた会社をスッパリ辞め1人暮らしを始めると共に、とある販売関係の会社に転職した。

当時、高卒も多く採用されていたその会社の若い「新入社員」達の中で、「中途採用社員」に当たる24歳の私はいささか肩身が狭い思いもしたものの、
周りの若い社員達と同じ様に研修を受け、研修が終わる頃にはほぼ周りとも打ち解け合い仲良くなっていった。
が、唯一その中で1人、他を寄せ付けない雰囲気を放つ男の子がいた。

No.2 18-05-29 19:06
自由人 ( 匿名 )

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「神谷君って、見た目カッコイイのに雰囲気怖くないですか?」

研修最終日、仲良くなった女子数人でお昼休憩のランチ時、短大卒20歳のマイちゃんが切り出す。

「わかる!わかるぅ!近寄れないよね(笑)」
他の女の子達も笑いながら頷く。

やはり彼の雰囲気を怖いと思っていたのは私だけじゃなかったんだ…

その場の最年長者として、口には出せないものの心の中で激しく同意する私。

そんな私の心を見透かした様に、
「田村さん。もし神谷君と同じ店舗に配属になったらどうします?」
と、少しイタズラっぽい目をしたマイちゃんが私に問いかけてきた。

No.3 18-05-29 19:40
自由人 ( 匿名 )

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「えっ?!えっ?!神谷君って誰なのかな?」
いきなり心を読まれた様で気恥しく、わざと神谷君なる人物が誰なのか知らないフリをするも、そんな白々しい演技が通用するわけもなく、

「田村さん余裕ですね(笑)」
とマイちゃんに笑われてしまった。

神谷大輔。
18歳。

研修の合間の休憩時間には他の社員達が雑談しているのを尻目にいつも1人ウォークマンを聴きながら机に突っ伏して寝ている。
今の様に携帯電話が普及していなかった当時、自分の世界に入り込むのは専らウォークマンなどであった。

そんな彼は研修が終わるとまたウォークマンを聴きながら誰に挨拶することもなくいつの間にかサッと帰ってしまう。
しかもいつ見ても、
よく面接試験うかったね?
と言いたくなる仏頂面。
そんな彼の事は私も正直かなり苦手だったのだが、6歳も下の子に苦手意識を持っているとも言えず、

「いやぁ彼も一緒に仕事して仲良くなったら案外楽しく話してくれるんじゃないかなぁ?」
と強がるのが精一杯。

そんな私に、
「店舗配属の発表緊張しますね。」
と言いながらマイちゃんがまた笑った。

No.4 18-05-29 20:32
自由人 ( 匿名 )

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新人研修の最終日は研修自体は午前中で終わり、午後からはそれぞれの配属先が発表されて、迎えに来た配属先の各店舗の店長が自店に配属された新人を店舗に連れ帰り簡単なオリエンテーションをするというのが通常の習わしであった。

研修室に戻ると、各店舗の店長達が広い研修室の後ろに立っていて否が応でも緊張が高まる中、いよいよ配属先の発表が始まる。

名前を呼ばれた新人達が緊張した面持ちで自店の長と共に研修室を出ていく。

「次、〇〇店!ここは新店になりますからまだオープン前の店になります!
神谷大輔さん!
田村美優さん!」

……はいっ?

「はいっ!」と返事をする所を、
「はいっ?」と思いっきり疑問符を付けて返事してしまったが人事担当者の方は特に気にもとめる風もなく、
「すみません。こちらの店舗の店長がまだ来ていないのでもう少し待っててもらえますか?」
とニコニコしながら私達にそう告げた。

「あ!はいっ!わかりました!」
必死の作り笑顔でそう答えながらチラリと横目で神谷君を見ると、
相変わらずの仏頂面で、
「わかりました。」
……。
よく面接試験うかったな…

No.5 18-05-29 23:45
自由人 ( 匿名 )

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20分ほど待った頃、やっと店長が迎えに来てくれた。
うっ?!
若い。
さすがに大学生とまではいかなくても、見た目がかなり若い店長に、
「あの…店長さんですよね?」
と恐る恐る聞いてみる。

「はい。実は僕も店長に成り立ての新人店長です(笑)
22歳だから田村さんと同年代ですよ。」

歳下か…

店舗に到着して、やはり成り立ての副店長さんに挨拶をする。
成り立てメンバーばかりで大丈夫なのだろうかこの店は…

副店長は「山田勇人」
と名乗った。年齢は店長と同じ22歳。

また歳下か…

聞けば、大卒者の一部やベテラン社員は本社に配属される事が多く、現場は必然的に若い世代で構成されるという。
特に新店は20代がメインのパターンになりつつあるらしい。
なるほど。
年長者確定の嫌な予感に苛まれつつも、ここで頑張っていこうと決意を固めて横の神谷君をチラ見する。

相変わらずの仏頂面。

よく接客業やる気になったもんだ…

No.6 18-05-30 12:11
自由人 ( 匿名 )

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私の色々な不安とは裏腹に、若くして店長、副店長になっただけの事はある2人の上司はかなりのやり手だった様で、最初の頃は仏頂面を通していた神谷君も彼らを尊敬し出すと共に段々と打ち解けた態度を取る様になっていった。

やり手の店長達に加えて、店舗も今でこそ珍しくもないが、当時としては画期的な「郊外型大型店舗」
これが当たって、オープンしてから完全に人手不足の忙しさ。
他店から私と同期の新人の女の子が急遽長期応援者として来る事になった。

森崎有希。
大卒の22歳。

研修で話したことはなかったが、色白で育ちの良さそうな美人である彼女は遠目で見るにも目立っていた。

一見近寄り難い雰囲気だが、いざ話してみると上品でしとやかな外見とは裏腹に気さくで飾らない彼女はスグに溶け込み、中でも副店長、私、神谷君の4人はいつしかプライベートでも遊びに行く仲間になっていた。

No.7 18-05-30 15:54
自由人 ( 匿名 )

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有希が来てくれてから職場が一気に楽しくなった。

店長は人柄は良いが仕事にはかなり厳しい人だったし、副店長の勇人は今で言うゆるふわ系でちょっと謎な人物だし、神谷大輔に至っては上司2人には心を開いて接するものの、私には相変わらずやや冷たい態度を取りがちで、
「職場は友達作る場所ではないんだけどね。」
と自分に言い聞かせてはみるが、やはり歳の近い気を許して話せる子の存在はありがたいという気持ちに嘘はつけない。

しかも、パートさんの中に30歳の元社員の女性がいたのだがいわゆる御局様的存在の方で、色々と細かく嫌味などを言われ続けて心身共に参りがちだった私にとっては、優しくて面白い有希は天使にすら見えた。

No.8 18-05-30 20:14
自由人 ( 匿名 )

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私達4人がプライベートで仲良くなる少し前に遡るが…

有希が来て、私以上に喜んでいた人物がいた。
副店長の勇人だ。
勇人はマイペースながらも有希に何くれとなく構い、有希と勇人は急速に仲良くなっていった。

職場恋愛は禁止ではなかったし、実際何組も職場恋愛で結婚したカップルもいたからそれはそれで良かったのだが、有希の勇人に対する愛は恋愛と言うよりも友愛といったものに近く、察しのいい勇人はいち早くそれを感じ取り、職場内での恋愛のゴタゴタを避けるべく痛々しい程自分の気持ちを押し殺していた。

そんなある日、有希が帰りがけに軽い貧血を起こして座り込んでしまった。
幸い少し目眩を起こした程度で、少し休むと顔色も徐々に戻っていったのだが、勇人の心配ぶりが度を越しすぎていて、
「山田君?顔色が悪いけど君も大丈夫?」
と店長に聞かれる程だった

No.9 18-05-31 08:49
自由人 ( 匿名 )

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「田村さん!早番上がりだったよね?申し訳ないけど1人で帰らせるのは心配だから森崎さんをタクシーで送っていってあげてくれないか?」

普段は厳しいけれど、心配性で心根の優しい店長が私に誰にも見られない様にそっと1万円札を握らせながらそう頼んできた。

こういう所も店長らしい。
拒んでも引っ込めてはくれないだろう。
とりあえずお金を受け取り、まだ少し足元がおぼつかない様子の有希を休憩室に座らせると、事務所の電話からタクシーを呼んだ。

受話器を置き、ホッと一息つくとフト店内の有線放送の音楽が耳につく。

あ…
この曲、好きな曲だ…


アーティストの名前も曲名も何も知らなかったが、その頃頻繁に有線で流れていたその曲は、甘く切なく歌っているアーティストの声にとてもマッチしていて、聴いていると胸が締め付けられる様な甘い切ない気持ちになるのが常だった。

何ていう曲かな?
神谷君なら若いし、色々音楽聴いてそうだし知ってるかな?
色々思いを巡らせていると、

「タクシーが来てくれたよ!森崎さんをお願いね。」

と、相変わらず心配そうな顔のままの副店長に声をかけられ、私は慌てて休憩室の有希を呼びに行った。

No.10 18-05-31 12:58
自由人 ( 匿名 )

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有希はタクシーに乗り込む頃にはすっかり回復していたが、心配する店長の頼みもあるしということで一応有希の家まで同行した。

有希の家に着くと、
「上がってお茶でも飲んでいって。」
という有希の誘いを断りきれず、タクシーを帰すと家に上がらせてもらう。
有希は早速店に電話をかけ店長に丁寧にお礼の言葉を述べた後、冷たい麦茶とお菓子を出してくれた。

思いやりと抜群のユーモアセンスを併せ持つ有希との会話は楽しい。

「有希ってさ、本当にいい子だよね。
みんなすぐに有希のことを好きになるよ。
あの難しい神谷君でさえすぐに有希には打ち解けたし。」
常々そう思っていたことを口にする私に有希は不思議そうに首を傾げた。

「そう…かな?
神谷君が唯一気を許しているのは美優ちゃんだと思うけど?」

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