*~年下の男~*
全て私の妄想です(*^^*)
登場人物は実在しません(*^^*)
16/06/20 22:39 追記
大変ご迷惑をおかけしました。
自己満足の世界ではありますが、また再開したいと思っとります
m(__)m
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正人は手に取った箸を置き
『........そうだったな......
亜紀ちゃんの為にも言うか。
多分俺の推測なんだが.......』
鼓動が激しくなる。
うつむいたままの亜紀は
耳に集中する。
『健人のとーちゃん車で引いたの、亜紀ちゃんのお父さんだと思うよ.......』
『えッッ......?』
『亜紀ちゃんの姓、珍しいじゃん?俺ね、小さい頃だったけど、まぁ、だからかもしんねぇけど、俺の横で親が話しててさ.......
覚えてんのは健人のとーちゃんが飲酒運転の車で死んだ事、そして......四角という変わった姓』
『そんな?!
何かの間違いじゃ........』
『四角って名前、そう無いと思うよ.......真実が知りたかったら親に聞いてみるんだね』
亜紀は物心ついた時には既に父親は居なかった。
写真で見た事はあるけれど、何故居ないとか、気にしたことも母に聞く事もなかった。
(やっぱり母に聞かなくちゃ......
浦田という名前に覚えがないかと)
『それで、健人はなんて言ってるんだ?』
『何も......ごめんを繰り返すばかりで......』
(と言う事は、あいつ、聞いたな)
『ふぅん、んで?亜紀ちゃんはどーしたい訳?』
『私は......わ...たし....は.........』
正人と別れた後、亜紀は自宅に戻り、母の帰宅を待った。
『ただいま~♪はぁ~、今日も疲れたわ。亜紀?夕飯何?』
家の中は静まり返っている。
『あれ?亜紀?居ないの?』
居間に入ると電気も付けずに亜紀が座っていた。
『亜紀?具合悪いの?』
『お母さん........聞きたい事がある』
『なんだ!元気じゃない。びっくりさせないでよね(笑)』
母親は暗くなった部屋の電気を付け、どっこらしょっと定位置に座った。
『お母さん、お父さんって、何で亡くなったの?』
『・・・ど・どうしたの?き・急に・・なんかあったの?』
『今付き合っている花屋の健人さん、浦田って言うの。この名前に覚えはない?』
『うら・・た?!・あ・・亜紀』
『健人さんのお父さんを引き殺したの、私のお父さんなの?ねえ!どうなの?』
『あ.....亜紀......』
『ねえ!どうなの?本当なの?』
四角という姓を変えずに二人生きてきた。
いつかは話さなくては......
そう思っていた。
そのきっかけがこんな形で訪れるとは予想もしていなかった。
『あの日も、お得意先との接待中に、お父さんが売った機械の故障の電話が入ってね。謝りに向かう途中の事故だった。......当時、日本はバブル絶頂期だったからね。タクシーがなかなか捕まらなかったらしく......一刻でも早くと思って自分で運転しちゃったんだよ......バカな父さん......少しのアルコールなら大丈夫とでも思ったねかねぇ.......傲りが招いた悲劇だったよ。
..........浦田さんが亡くなって、自分が生きてるのが辛かったんだろうね.......大事な亜紀を置いて.....父さんは......』
これ以上聞きたくなかった亜紀は話を遮る様に立ち上がった。
『亜紀!?』
『もういい....』
自分の部屋に向かった。
亜紀もまた、ショックだった。
こんなきっかけで父の事を知るなんて.......
父を恨んだ
母を恨んだ
生まれてきた自分を恨んだ
でも、もう、どうでもいい。
健人さんから別れを告げられた。
終わった。仕事も恋も.....
ベッドに潜り声を圧し殺し泣いた。
その頃の瑠宇久は・・・・
馴染みの客を相手に上の空だった。
『ねぇ~♪』
『・・・・』
『ねぇ~瑠宇久~♪今日なんか変だよ?いつもの瑠宇久じゃないよぉ~』
『ん?.....そうかぁ?んなことねぇぞ?久しぶりに会えてドキドキしてんだよ。ほらっ!』
女の子の手を握り、その手を自分の胸に押し当てた。
『な?感じるだろ?(笑)』
『あ~ん♪瑠宇久ぅぅぅぅ~
大好きッッ』
『俺もだよッッ♪』
女の子の体を引き寄せ、耳元で(愛してるよ)と囁き、綺麗にセットされた髪を撫でながら......
目線は遠くを見つめる。
今日はこんなやりとりを何度もしていた。
どの女の子の顔も亜紀に見えてくる。
泣いている亜紀。
(言わなきゃ良かった)
あれから亜紀はどうなっているのか気になっていた。
瑠宇久は後悔していた。
ホストという仕事に集中出来ず
『ちょっとごめん....』
客を残しトイレに駆け込んだ。
プライベート用の電話を見る為である。
もう何度目だろうか......
亜紀から連絡がないか気になって仕方がない。
こっちからかけてみようか考えたが、時間は深夜を回ろうとしている。
躊躇した.....
サブについていたホストがトイレにやって来た。
『瑠宇久さん、彼女帰るって騒いでますけど』
『えッ?!やばッッ』
『今日の瑠宇久さん、やっぱ変ッすよ?大丈夫ッすか?』
瑠宇久は息を吐き
『わりぃ.....調子出ねぇ.....
はぁ~、やっぱ今日はこのまま帰るわ』
『お・お疲れッッす!』
『後は宜しくな』
そう言い残し店を出た。
(俺としたことが.......
後で謝りのメールしなきゃな......)
No.4の瑠宇久.....
微妙な立ち位置。
それでも無意識に亜紀の事を思い出す瑠宇久だった。
亜紀が起きたのは正午の少し前だった。
泣き疲れて眠ったのだろう。
瞼が腫れぼったく、スッキリと目を開けられない。
顔を洗い鏡に映る自分の顔を見た。
酷い顔.....
こんな顔じゃ今日は出掛けられないな......
居間に行くと朝食に手紙が添えられていた。母からだった。
『亜紀。おはよう。
昨日はごめんね。
元気になるまで
ゆっくり休んでね。
まだ聞きたい事あったら
何でも聞いてね』
今の私には素直な気持ちで読めない手紙。もぅどうでもいいのに...
プルプルッ♪
正人から着信。
『もしもし,....』
『亜紀ちゃん?』
『はい....』
『おはよう!良く眠れた?』
『....ぃぇ....あまり良くは.....』
『そっか,....大丈夫か?』
『昨日はありがとうござ....い....』
亜紀の目から涙が零れ落ち言葉に詰まった。
(駄目だ....
一度にいろんな事が有りすぎた)
心の整理も出来てないのに
正人の優しい問いかけは
今は辛い......
『亜紀ちゃん、ごめんね。俺、』
『正人さんは何も悪くないです。お願いしたのは私の方で......』
『俺も昨日は眠れなかった。泣いている亜紀ちゃんが頭から離れられなくてさ,......』
涙が止まらない亜紀は話せずにいた。
『俺の口から言った事、後悔してる』
『そんな....そんな風に思わないで下さい。正人さんは悪くないです』
『でしゃばり過ぎた。ごめん』
『.........そんなこと.....』
『本当にごめん。こんな俺でも力になれる事あったらまた連絡して』
『はい』
『じゃ......』
『......ありがとうございます....』
亜紀の携帯は涙で濡れていた。
正人が悪い訳ではない。
聞いたのは私の方だ。
正人を巻き込んでしまった。
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
その日の夜。
健人から電話がかかってきた。
何の用?
また何を言われるの?
6回目のコールで切れた。
だが、再び健人から電話。
出たくない......,
出たくない.......
ぃゃだ........
でも聞きたい.......
健人さんの気持ちを.......
この耳で........
『.........はい,.....』
『もしもし亜紀ちゃん?』
『,........はい........』
健人さんの声だ。
私の好きなトーンで.......話す彼。
思わず目を閉じた。
『昨日はごめん。俺、
どうかしてた』
『・・・・』
『母さんがあんな風になった事情、聞いた?』
『......うん..,...』
『.......そっかぁ........』
お互い何も言えない。
言える言葉が見つからない。
数分の沈黙の後、意を決した様に
『亜紀ちゃん。俺、母さんを説得するよ。こんな形で亜紀ちゃんを失いたくない。亜紀ちゃんが居ない花屋は花の無い花屋に感じた。失って初めて分かったよ。だから・・・・だから、俺を信じて待っていて欲しい。必ず迎えに行くから、だから・・・・』
『わた・し・・・』
(逢いたいな....側に居たい.....
健人さんの側に........)
今の私の正直な気持ち。
素直になろう。
『待ってる。うん、私も頑張る』
『あ、ありがとう』
彼の笑顔が見えた気がした。
私も自然と笑顔になった。
『俺も頑張るから。』
『はい♪』
『また明日電話するよ』
『うん。待ってる』
『おやすみ』
『おやすみなさい』
健人は決心が鈍る前に母を説得しようと思い、店を締め2階に上がった。
『母さん、今いい?話があるんだけど』
『なあに?あの娘の事なら聞く耳持たないわよ?』
『母さん、もう終わった事じゃないか。それに、俺と亜紀ちゃんの事と、父さんが亡くなった事は関係ないよ。お願いだから許してくれないかな?』
『嫌ですよ!なんでよりによってあの家の娘なの?
あなたは家の大事な跡取りですからね。父さんが亡くなって、今頼れるのは貴方だけ。
そんな母さんの言う事が聞けないって言うの?
そんなに付き合いたいって言うなら母さんを捨ててからにして頂戴!!』
『母さん!
誰もそんな事言ってないって!
彼女は関係無い!それだけだよ』
『嗚呼~、もう止めて頂戴。
また具合が悪くなりそうだわ。
女の人なんて沢山居るじゃない。なんで あの父親の娘なの?
嗚呼~汚らわしい...,.,..』
『母さん!.......』
亜紀は健人からの電話を切った後、居間でテレビを観ている母の所へ行った。
やり直そうと二人で決めた。
父の事をもっと知りたいと思った。
『お母さん。何故、四角という姓を変えなかったの?』
母はテレビを消し、姿勢を正した。
『お母さんはね、お父さんが大好きだった。
お父さんと結婚して、亜紀も産まれて本当に幸せだった。
それが一変したあの日の夜。
.........今でも覚えているよ。
深夜に鳴り響いた電話.......
警察からだった....お父さんが事故を起こしたってね...,....』
昨日の様子からは想像も出来ない程、落ち着いている亜紀を見て、話を続けた。
『寝てる亜紀を抱いて署に行った。お父さん、震えてて....
.....震えてるお父さんを見て、今度はお母さんが亜紀とお父さんの為に頑張らなくちゃと思ったの。刑務所にも毎月亜紀を連れて面会に行ったよ。覚えてないかい?』
『.........ぅん.........』
『まだ小さかったしね。
3年の刑期を終え出所してきた父さんは20歳位老けて見えたよ
。覇気がないというか......生きる気力も無い感じでね......
出所したあの日、亜紀も連れて浦田さん宅に行ってるんだよ。仏壇に参らせて下さい、ってね』
『私も一緒に?』
『そうだよ、亜紀も一緒に浦田さんちに行ってるんだよ.......
でもね、駄目だった。仏壇参りは出来なかった.......』
(人殺し!!!)
健人の母に浴びせられた言葉。
今も脳裏に焼きついて離れない。
亜紀には言えなかった。
(私達は....人殺し......)
亜紀の母はハッと意識を戻した。
『....浦田さん宅から戻った日の夜だったよ。お父さんは......,
おとう....さんは.......』
母は口を一文字につむった。
『お母さん、無理なら後でもいいよ』
『........大丈夫。今、言わなきゃね。
あの日の夜、目を離さなきゃ良かった。
そしたらお父さんの自殺を止められたと思うとね.,....
悔やんでも悔やみ切れないよ。
四角という姓、珍しいでしょ?
お父さんの姓だよ........
お父さんがこの世に生きていた証を遺したかったんだよ。
出来れば亜紀にも継いで欲しくてね......それで変えなかったんだよ』
『・・・うん・・・』
『結局、亜紀を苦しめる事になったんだけどね......』
父が自らの命を絶った事で
罪を償ったとはいえない。
結局、健人さんも私も
遺された者達が悲しい思いを
しているだけ。
(何故出会ってしまったの?
遺された私達に何をして欲しいの?
ねぇ、お父さん.......?)
『 お母さんの気持ち、分かったから。もう大丈夫だよ。
健人さんもね、私と一緒に頑張るって言ってた。今は信じて健人さんを待ってみるつもり。だから、お母さんはもう何も心配しないでいいよ』
『,........やっぱり反対されてたんだね。ごめんね。
お母さん、亜紀も居なくなったらもう、生きて行けないよ.
今まで黙ってて悪かったと思うよ。
でも許してね。誰も悪くないんだ。
みんなそれぞれに十分苦しんだ。不運な事故だったんだよ。
それだけだよ......』
健人と出会い、健人を好きになり、そして父の秘密を知った。
過去がどうであれ健人と二人頑張ると決めた。
(健人さん、どうしてるかなぁ…
逢いたいな......)
翌日。
正人は出勤前に花屋に寄った。
『よぉ、健人。今忙しいか?』
『おぉ~、正人。いいよ』
健人は入り口にcloseの札を掛け奥へ正人を誘った。
コーヒーを2つ入れ、正人はいつも亜紀が座っていた椅子に腰掛けた。
『なぁ、健人。俺さ.......』
『なんだよ、改まって』
『実はさ、俺の口から喋っちまった』
『....,....そうか........別にいいんだよ。
どのみち誰かが亜紀ちゃんに言わなきゃならなかったし。
あんま気にするなって!』
『悪りぃな......どうしても泣いてる亜紀ちゃんをほっとけなくてさ。
健人。頑張れよ!頑張って二人幸せになれよな!』
『.......ぅ......ぅん......』
『なんだよ、歯切れわりぃな。
健人のかーちゃん、なんて言ってんだ?』
『憎しみの言葉しか出てこないよあの家の女なんか...,.とか、母さんを捨てろ.....とか、さ。
彼女の話をすると母さん具合悪くなるんだ........
もう本当に駄目な気がする.....』
『お前さ、そんな気弱でどうすんの?(笑)好きなんだろ?』
『俺には母さんを説得する力は
無い。話始めると......本当に具合が悪くなるんだよ』
健人は頭をかかえた。
『まあ、かーちゃんの反対理由も分からいでもないが........
でもよ、何年かかっても説得すりゃいいじゃん!
初めて結婚を意識した女だろ?
離したくないんだろ?』
健人は昨夜の母の様子を思い出していた。
(正人は見てないから簡単に言えるんだよ.......)
『無理なんだって!
いちいちうるせーんだよ!
俺だって考えてんだ!
このまま母さんの言う事を
聞いてりゃいいんだ!
お前の指図なんかいらねぇ』
どうする事も出来ない自分が歯痒くて、そのイライラを正人にぶつけた。
『はッ?....あぁ、そうかい..,..
分かったよ。俺も少なからずお前等の過去に首突っ込んじまったからよ、応援もしたかったけどよ。
分かった。
もう言わねー!邪魔したな.....』
椅子を乱暴に引き正人は出て行った。
(いちいちうるせぇんだよ.....
俺と亜紀ちゃんの問題なんだ...,
ほっといてくれ.....)
母をとるか,.,....
亜紀をとるか.....
時間をかけ説得する方法は
諦めてしまっていた。
亜紀は健人からの電話を待っていた。
(また明日....)
その言葉を信じて,.....
亜紀は鳴らないケータイを握りしめていた。
(また反対されたのかな?
許してもらえなかったのかな?)
多分、駄目なんだろぅ....な....
母親思いの森の熊さん
優しい健人さんがお母様を
説得なんて出来ないと感じていた
突然左手が震えた。
正人から着信だった。
『もしもし?正人さん?』
『亜紀ちゃん!』
『はい......』
『あいつは....健人はやめとけ
.......あいつは亜紀ちゃんより母親をとったぞ!きっぱり忘れろ!』
(.....やっぱり....ね)
もう電話はかかってこない
予感が当たってしまった
もういいや.......
本当に、もう.....
『亜紀ちゃん、俺で良かったら話聞くから......1人で抱え込むなよ.......』
『......うん....ありがとう』
『そうだ!今度、水族館でも
行こうよ!俺さ、行った事ないんだよね......俺を連れてってよ(笑)』
『えーッ?女の子と行けばいいじゃないですか....』
『なんだよ(笑)俺と一緒じゃ
嫌だっての?(笑)
友達でも一緒に行ったって別に
いいだろ?』
『本当に水族館行った事無いんですか?信じられないんですけど』
『本当なんだってば(笑)
だから、俺を連れてって(笑)』
考え込まないように
私を元気付けてくれているのだろうか
『そうですね♪
じゃ、一緒に行きましょう!』
『やりぃ♪ヒャッホー!!
ほんじゃ、また連絡する』
『はい。お願いします』
淡い期待感と、この苦しみから解放される安堵感が入り交じる。
泣きたいのに泣けない
正人のせいなのか......
今は何も考えたくない
健人さんの事は特に
何も.....
これ以上......
正人が女の子とアフターに出かけていた時の事だった。
『ねぇ留宇久~、お寿司でも食べない?』
『いいねぇ~、お前となら何処でもいいぜ♪』
『や~ん( 〃▽〃) ンじぁねぇ~、お寿司屋さんの後は~、何処にしようかな~♪』
『そうだな~、カラオケはどうよ?
狭い部屋で....2人きりになれるよ?』
女の子の腰に手を回した。
『ぁ~ン(///ω///)♪留宇久のエッチ♪....何考えてンのぉ?』
『何って.,.,カラオケに決まってンだろ?(笑)ちょっと!!
何期待してんのさ(笑)あはははは.,....』
『ち・違ーうー(笑)
ンもぅ、留宇久ったら~』
2人いちゃつきながら歩いていた。
前方に健人がフラフラと歩いているのが見えた。
正人はあれから健人の店には行っていない。
(なんでぇ、あいつ......
最近よく見掛けるな......
しかも、酔っ払ってる,.....
,....あっ!!)
健人は通行人とぶつかり、そのまま倒れた。
倒れたまま、訳の分からない事をブツブツ喋っている。
(そぅぃや、いつも酔っ払ってんな......
どうせ思い通りにいかねぇんだろ....,.
自分の気持ちなんて無視しやがってよ.....,
ばっかじゃねぇの?
いい加減、腹くくれよ!)
うじうじと酔っ払う事しか出来ない健人に腹が立ってきた。
『いい加減自分の気持ちに素直になれよッ!』
ヘラヘラ笑っていた健人の表情は次第に無表情になり
『.......俺、もう会わない
......決めたんだ。お前にやるよ』
『ハァッ?!お前今なんて言った?』
『正人が亜紀ちゃんを幸せにしてやってくれ........
俺、知ってんだからな(笑)
お前、亜紀の事好きだろ?(笑)』
『ハァッ?....何言ってんだ?
てめえこそ諦め切れて無いくせによッ!!
呑めない酒ばっか呑みやがって.....お前に落ちぶれる資格すらねぇんだよッ!死にてえのか?』
『..........それもいいかな(笑)
.......俺はもう駄目だ......
なぁ、正人........』
亜紀もあれから電話がない事で気持ちが変化していた。
出会って、好きになって.....
そして父の事を知って......
別れた理由がどうであれ、健人を好きになった事は後悔はしていない。
(今は仕事探さなきゃ......)
求人雑誌をパラパラと捲っていた時だった。
亜紀のケータイが鳴った。
『亜紀ちゃん、おはよう♪元気?』
『あ~、正人さん。お久しぶりです。元気ですよ♪なんだか、ご機嫌ですね(笑)』
『そぅなんスょ(笑)
元気過ぎて亜紀ちゃんと水族館へ行く事を思い出しまして....ハハッ!』
『あぁ~、そうでしたね(笑)
いつにしましょうか.....』
『ん~、そうだなあ........
俺ね、元気過ぎて今日なんかどうかなッて(笑)』
『はい?今から用意したら仕事に間に合いませんよ?』
『そう! 俺ね、今日休み貰った』
『えー?!』
『んで?....どう?』
『分かりました。大丈夫です』
『よっしゃ!!
じゃあさ、俺今からシャワー浴びるから2時に◎◎前で』
『はい♪では、後で.....』
正人はほぼ毎日繁華街で酔っ払ってる健人の話をしようと思っていた。
亜紀ちゃんから連絡してやってくれないか、と。
(また大きなお世話かな......)
それでも健人のあの姿を見てしまうと、どうにかしてやりたくなっていた。
亜紀は約束の10分前に着いた。
その5分後に正人が来た。
待ち合わせ場所から歩いて10分の所にある水族館に2人で向かった。
正人をチラチラ見る亜紀。
『ん?なんか変か?』
『ごめんなさい(笑)
私服見るのは初めてだなぁッて』
『あぁそうね(笑)いつもホストの
黒服だもんな♪今日は新鮮だろ?ハハッ!』
『そうですね~、何故か幼く見えますね。健人さんと同い年なのに......あッ!....』
胸の奥がチクリと痛んだ。
『ご.ごめんなさい.....』
『何謝ってんの(笑)俺、関係ねぇし......気にすんなって....』
亜紀の頭をポンポンと叩いた。
正人も身長は高い方であるが、体の線が細い。体重は健人の半分に近いだろう。
チャラそうな金髪はニット帽がプラスされて更に若く見えた。
仕事柄、気配り上手な正人はトークも上手かった。
尽きる事のないネタは時には自虐だったりでしかも面白い。
久しぶりに笑った気がした亜紀だった。
『この前なんかね、久しぶりに来た女の子の名前間違えてさ、もぅ激安おこよ!(笑)』
『え~、間違えるなんて酷いですね、私も怒りますよ(笑)』
『やっぱり?(笑)そん時は、30分前に居た女の子の名前を連呼しちゃってさ、俺もサブに付いてたヤスも気がつかなくて(笑)10分位して女の子が突然帰るッて騒ぎ出してさ.....』
『そ...それで? 』
『じゃあ帰れよ!お前もさ、言えよ。違うって.......まー、悪かったな.....そう言って立ち上がったらよ、慌てててしがみついてきて......ごめんなさ~い.....怒んないでぇぇぇぇ~、ッて........それからはこっちのモンよ(笑)ドンペリ3本いれさせた』
『惚れた方の負けね♪』
体をクネクネさせながらモノマネをする瑠宇久。その女の子には悪いが笑ってしまった。
『けどよ、仕事分はキッチリこの体で払ってっから.....。
言いたくもねぇ歯の浮いたお世辞言わなきゃなんねぇし。
酔ってても呑まなきゃなんねぇし。
ォッ?髪型変えた?似合うよ♪....
とかよ。覚えてねぇッつの.....』
『そうだね。大変だね』
『おー!着いた着いた』
チケット売り場は平日なのに、それなりに人が居た。
『大人2枚』
窓口で正人はチケットを買ってくれた。
払うと言ったが、誘ったのは俺だからと受け取ってはくれなかった。
『よーし!入ろう。初体験だーッ!』
金髪で長身の男が、無邪気にはしゃぐ姿を見てまた笑ってしまった。
いきなり巨大な水槽が目に飛び込んだ。
『うわぁぁぁぁ........』
2人で口をポカンと開けた。
何万匹という鰯の回遊......
その隙間を右へ左へと気持ち良さそうに泳ぐ魚達に目を奪われる。
水槽から目を離す事が出来ない亜紀に
『ぉぃ!よだれ出てんぞ(笑)』
『ぇッ?....ううううそ.....』
慌ててて口を拭く亜紀。
『あははははは♪腹痛い』
釣られて亜紀も笑った。
『出てないし!!』
グーパンチをお見舞いした。
一瞬、ドキッとした。
『....ななななんですか?』
ここは皆良いムード。
『健人に会いに行ってやってくれないかな?』
『ぇッ?』
『あいつ、やけくそになっててさ。ほぼ毎日呑み歩いてるんだ』
『そんな....』
『逢いたいんだろうなって......
向日葵みたいな女の子だって、いつも俺に言ってたよ。
このままでは、あいつ、駄目になっちまう......
だからさ、亜紀ちゃんから会いに行ってやってくれないか?
私と一緒に頑張ってと言ってくれないか?』
正人から突然の水族館の誘い....
この話を伝えたかったのね..,...
『ごめんなさい。
昔の様な気持ちは私にはもう無いです』
正人はため息をつき
『.....そっか.....わかった。
俺の方こそ、ごめんな』
『.........ぇッ?.....』
涙で滲む私の目の前にいる正人
さっきは健人に会いに行って欲しいと言ってた。
そして今は付き合って欲しいと言っている。
クラゲは浮かんで...いる。
私は・・・・
私は・・・・
『ずるい......ずるいです。
こんな時に....正人さん、ずるい』
『ごめんな。でも、多分、俺の本心だと思う』
『そりゃ、正人さんには色々頼ってばかりで悪かったと思います。今日だって......。でも、好きとかそんな感情は今は........』
『俺もさっき気がついた。それにさ、もう健人の事は何も思って無いって言ったじゃん。
とにかく考えてみてよ。俺と付き合う事をさ』
『考えるって....そんな.....』
本当はまだ気持ちの整理が出来ていない。
(....また明日.....)
健人から最後に聞いた言葉。
その言葉を信じて待っていた私。
今も待っている......?
確かに、健人さんは私が辛い時にはいつも助けてくれた。
私も頼ってしまっていた。
でも、それは健人さんの友達だからだよね?
『それより残りの水族館を楽しもうぜ!行こッ!!』
何事も無かったかの様に振る舞う正人。
いつもの様に正人の軽妙なトークに引き込まれていく。
どこまでが嘘でどこまでが本心なのか、全く読めない正人。
少なくとも私の前では素の正人であって欲しい。
『おッ!!アイスクリームだぁ♪食べようぜ!!亜紀ちゃん何にする?
俺は、バニラね♪』
(少し考えさせて)
と、正人に返事をし、この日は待ち合わせた場所で別れた。
『健人さんもよ!慣れないお酒なんて止めてね。お母様の為にも体には気をつけてね』
『ぅん....』
『ところで、私に何か用なの?』
『.....ぅ....ぅん.....』
歯切れが悪い健人。
アパート前の暗がりで向き合う事さえしない二人......
亜紀は思わず夜空を見上げた。
東の方角で北斗七星が輝いて見えた。
『寒いね....
もうすぐ冬がやって来るね.....』
吐く息で手を暖めた。
『亜紀ちゃん!
俺、もう1回頑張るよ。
亜紀ちゃんの居ない毎日が辛くて仕方ないんだ。
だから....だか...ら.....,』
『......ぇッ?』
『もう一度チャンスをくれないか?』
『.....?!』
『弱い人間なんだよ、俺。
自分でも嫌になるよ。いい加減だし、優柔不断だし.....でも、でももう一度チャンスが欲しい...,.
お願いします!』
亜紀の方を向き頭を下げた。
『ごめんなさい、健人さん。
私......正人さんと付き合う事にしたの』
『,........ぇッ?!!』
『今日、告白されたの。
はいって、返事をしてきたとこなの。だから、ごめんなさい.....』
『........そっ...か.....
ごめん。分かった。悪かった。
もう....遅いよ、ね。うん、ごめん』
『健人さん。お母様の為にもお酒は止めてね。体に気をつけてね』
『うん!ありがとう。
みっともない所を見せちゃったね。あはっ!
あ!正人と幸せにな!
あいつ良い奴だよ!
俺が保証するよ!
じゃあ..........おやすみ....』
『おやすみなさい』
両手をポケットに突っ込み背中を丸くして帰っていく健人の後ろ姿を
見えなくなるまで見送った。
そのままアパートの前でうずくまり
、ひとり泣いた。
水族館デートから数日が過ぎたある日、正人から電話がかかった。
喫茶店でバイトしないか?という内容だった。
『この前一緒に行った店、覚えてない?』
『あ~、あのお店ですか?指名入って私を独り残して帰った...
』
『亜紀ちゃん、勘弁してよ(笑)
仕事だったんだから(笑)』
『あははは♪ごめんなさい。それで?』
『あぁ、1人辞めちゃってね。探してんだわ。亜紀ちゃんどうかな?』
『ん~、ウエイトレスはした事無いからな~、どうしよう.....』
『大丈夫!マスターもママも優しいんだ。俺が保証する!』
『返事、急ぐんですか?』
『まぁ、本音を言うとさ、毎日店で亜紀ちゃんに会いたいなーッて(笑)そんだけ.......で?どうかな?』
『わかりました。宜しくお願いします』
『いいの?やりぃ~♪ほんじゃ、マスターに連絡しとく』
『はい♪お願いします』
正人との電話を切った後
(そういえば、告白の返事をまだしていない.....)
正人から聞かれたら
なんて返事をしよう.....
健人には付き合うと言ってしまった手前、どうしようか悩んだ。
翌日。
亜紀は喫茶店のマスターと面接をし、明日から始める事になった。
面接が終わった後、正人に電話をした。
『もしもし正人さん?』
『ふぁ~、おはよお~』
『ごめんなさい。まだ寝ていたんですね。後でかけ直します』
『あぁ~、大丈夫大丈夫。そろそろ起きる時間だから。それより、面接はどーだった?』
『はい。明日から出勤する事になりました』
『良かった♪俺、あの店でコーヒーを飲んでから仕事に行くのが日課なんだよね!これで毎日亜紀ちゃんに会えるぞ♪♪』
『ははッッ!最初はお見苦しい所をお見せするかも(笑)』
『それは仕方ないさ。でも、マスターもママも優しいから大丈夫だよ!』
『色々とありがとう、正人さん』
『楽しみが増えたぞー♪気をつけて帰るんだよ!じゃ、明日ね!』
『はい♪』
(明日....かぁ~
健人の明日より確実な正人の明日.....)
それより、電話を切った後、亜紀は考えた。
マスターが言った一言.....
(ここで働いても大丈夫?)
どういう意味なんだろう.....?
幸いなことに、健人の花屋とは業務提携もしていなければ健人が来る事もない場所にある。
救いといえば救いだった。
バイトを始めて2週間後、日課になっている朝の電話で正人に言った。
『前に私に付き合ってと言ったよね?』
『ん?あ~、まだ返事は貰ってないけど?』
『私の何処が好きなの?』
『ん~、そうだなあ......
俺の回りにいないタイプ?
ん~、守ってあげたくなるッつーか、擦れてない君に興味がある.....
ん~、俺 、告白した事ねぇから上手く言えねぇけど.....
それじゃ駄目?(笑)』
ホストが仕事の正人。
意外な発言に笑ってしまった。
本当は気持ちの伝えかたは不器用なのかも,......
喫茶店のマスターと話す姿の中に素の正人を垣間見た。
その姿を見て付き合おうと決めた亜紀だった。
『ホストなんでしょ?(笑)
他に言い様があるでしょうに(笑)』
『ヘヘッッ(笑)んで?どう?俺......』
『うん♪付き合おっか....』
『え?本当に?やったーッッ♪♪
俺、めちゃくちゃ嬉しい♪』
『うん♪私もよ♪毎日お店で見る正人さんに魅かれていったもの』
ここに務めて良かったと思った。
ただ、正人の常連の女の子達と、同伴出勤する時もここへ来る事以外は........。
正人が知らない女の子の髪を撫でている.....
正人が女の子の耳元に顔を近づけている......
見つめあい...クスクス笑っている.....
無意識にふたりを目で追ってしまう......
胸の辺りがモヤモヤする.....
面接をした時にマスターに言われた言葉をふと思い出した。
(ここで働いても大丈夫?)
酷い顔をしていたのだろう....
カウンター越しにいたマスターに
『大丈夫かい?瑠宇久が好きならここでの仕事は向かないよ?』
再び言われてしまった。
マスターの一言で溜め息をついた。
(正人は瑠宇久というホスト。これが仕事なんだって.....好きとかそんな感情は無いんだって......)
分かっていたつもり。
でも、いざ目の当たりにしたら
辛かった........。
日課になっている朝の電話で正人に相談した。
『女の子連れの時は他の店じゃ駄目なのかな?仕事だと分かっていても辛いんだけど.........』
『えー?!俺、ずっとあの店なんだよね.....
今更変えろっ言われても無理だよ!嫌なら見なきゃいいじゃん!!』
『そ・それは、そうなんだけど』
『亜紀さぁ、俺の仕事を知っているよね?』
『う・うん......』
『女の子を楽しませるのが俺の仕事!』
『うん....理解している...』
『だったら......
俺が好きなのは亜紀だけなんだって!毎日亜紀の顔を見て仕事に行きたいんだって!
信じてよう~亜紀ちゃ~ん』
『....うん......分かった....,』
納得出来ない.....
でも
自分に言い聞かせた。
亜紀は亜紀で、聞き分けの良い子を演じる事で正人に気に入られ様とした。
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