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あいを知らない子供②

レス77 HIT数 19521 あ+ あ-

あい( ♀ HKs7nb )
13/03/05 10:08(更新日時)

親の愛情を感じない。

友人の愛情を感じない。

彼氏といても、いつも心が埋まらない。


寂しくてたまらない気持ちを胸に…

あいを知らない子供、第二段です。


※感想スレあります。応援、叱咤激励、受け付けています。

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No.1817369 12/07/06 12:01(スレ作成日時)

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No.1 12/07/06 12:37
あい ( ♀ HKs7nb )

久しぶりに一緒に暮らす妹は、随分変わっていた。

ジャニーズにどっぷりはまり、以前から多少の人見知りはあったけど、以前より酷くなっていた。

そして、超がつくほど内弁慶。

妹と母はよく取っ組み合いの喧嘩?じゃれあいをしてた。

それが私は羨ましかった。

愛されてるから反抗できる。

私は…愛されてる自信がないから、いつもいい子に、聞き分けのよい子に、反抗しないように、してきた。

素直に喧嘩できることが羨ましかった。

No.2 12/07/07 20:19
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 1 生徒会合宿が妹の学校行事と被った。

うちの高校は、毎年、生徒会の仕事の引き継ぎ会として、前任新任生徒会員全員で、林間合宿みたいなことをする。

おんなじ日におんなじとこにうちの高校と妹の中学が泊まる。

正直びっくりした。

妹は学校ですごくおとなしいらしい。

ちょっと見るのが楽しみだった。

No.3 12/07/08 22:57
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 2 「家で、今日合宿行くって言ったらさ、妹の学校もおんなじ日に泊まるらしくって~。すごい偶然じゃない?!」

合宿当日。同級生の委員長に話した。

「マジで?!すごい偶然やん!あいの妹見てみたい~」

「じゃあ自由時間に探しにいこう!😄」

別に家でいつでも会えるのに。

合宿先で会うというのが新鮮で、

ちょっとわくわくした。

No.4 12/07/08 22:58
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 3 引き継ぎ会は5時間に及んだ。

何をそんなに引き継ぐことがあるねんと思われるかも知れないけど、色々話し合ったらそんなに長くなった。

日もとっぷりくれていて、妹には会えなかった。

No.5 12/07/08 23:15
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 4 次の日の朝、食堂にいくと中学生がいっぱいいた。

「あいの妹んとこちゃうん?」

委員長が呼び掛ける。


「そうかも~あ!!」

見つけた。

向こうも気づいた。

「美奈~!」

担任の先生らしき人が誰?!って顔をする。

「あ、いつもお世話になってます。美奈の姉のあいです。」

「あらぁー!そうなの~!しっかりしたお姉さんね~!今日はどうして?」

委員長がすかさず口を出す。

「高校の生徒会合宿で来たんです。」

「生徒会~?!すごーい、美奈ちゃんのお姉さんは凄いのね!どおりで活発そうな雰囲気だと思ったわぁ!」

「この人、生徒会長ですよ」

「あらあら~まぁまぁ!!」

先生テンションMAX。

委員長そこまで言わなくていいのに、恥ずかしい😅

「委員長しゃべり過ぎ😅元だよ、元💦」

「そっかそっか、今日から元、やったね😁」

先生はすごくフレンドリーな人だった。

No.6 12/07/09 10:18
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 5 「あらぁ~そうなのね~お姉さんは凄いのね~。その活発さを美奈ちゃんにも分けてほしいわぁ~。美奈ちゃんね、私とは恥ずかしがって全然話してくれないのよ~」

「すいません、人見知りが激しくて💦」

「いいのよ~😄あ、お姉さん賢そうだから勉強も見てあげてね。今、美奈ちゃんだいぶ苦労してるから。」

最後だけ美奈に聞こえないようこっそり伝えられた。

…そう。妹は勉強がかなり遅れてる。中学生なのに、公文で学力判定したら、小3レベルと言われていた💧

「それなら大丈夫、この人ほぼ首席ですから。」

「言い過ぎ!そんなことないから!😱」

先生のあらあらーまぁまぁ!がまた始まる(/_\;)

「あ、生徒さんが呼んでますよ」

「あら、そうね、じゃあ、お母様にもよろしくね😄」

嵐のような人だった。

…美奈はその間一言も喋らなかった。

No.7 12/07/09 10:26
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 6 「美奈、邪魔してごめんな。お友達?」

美奈の周りの美術部っぽい子達を指して言った。

「うん、そうー。こっちが○○ちゃんで、…」

「あぁ!話には聞いてます~いつもお世話になってます~!😄」

「キャー!美奈ちゃんのお姉さんですか?!可愛い~!めっちゃ素敵です❤❤こちらこそお世話になってまぁす❤❤❤」

な、なんだこのノリ(-ロ-;)

私も若いはずだけど、若さについていけない💧💧

「あ、ありがとー。😅」

こういうノリの誉め言葉は真に受けてはいけないと本能が言っていた。

ので、苦笑い😅


「それじゃ、またね。」

わざわざ外でする必要ない他愛ない話をして、席をはずした。

「あいと正反対やな~」

委員長が言った。

No.8 12/07/09 10:33
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 7 「なにが?私はアホっぽくて妹はまともっぽい?笑」

「なんでやねん笑 内気とかさ、あいは無縁やん。」

内気が無縁…


なんか胸に響いた。

今の私はみんなの目にはそう映ってるんだ…

過去の私は内気の代名詞のようだったのに。

薄々そうだろうなと思いつつ、人からこうやって言われるのはやっぱり嬉しい。

まぁ、それは、寂しくてかまってほしくて内気な本心を、ガチガチの外面というチョコレートで固くコーティングしたものでもあるのだけど。

固めすぎて、たまにコーティングが本心にすら感じる。

嘘から出た真、なんていうけど、塗り固めた嘘は真実になりつつあるのかもしれない。

ただ、固い固い芯は残して。

No.9 12/07/09 10:41
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 8 「そっかぁ。小さい頃はほんと可愛くてどこいってもアイドルやったんやけどねー。ちやほやされ過ぎて内気になったんかな。」

「そんなことあるー?😅」

「母親が一番ちやほやしてたからね。母親べったりに育てたんがあかん思うんよね~」

「あーなるほどー。」

なんか、妹について誰かと話すの初めてかも。

あんなに嫌いだったのに、そうでもないのかも。

苦手?というか母親の妹に対する愛情への劣等感だけが根強く残ってる。

「それにしても、アイドルかぁー。」

「可愛かったっしょ?」

「うーん、笑ったら可愛いっぽいかな?」

「あ、ほんと?そう…」

私の中で、妹はお姫様。誰しもが認める美女。

…だと思ってたんだけど。

そうでもないのかも。

それこそ、私のガチガチの劣等感が眼鏡を曇らせただけの幻想なのかも知れない。

No.10 12/07/09 10:58
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 9 生徒会合宿も無事終わり、受験一色の季節が来た。

バイトは少し減らして、一生懸命勉強した。

後輩たちはうまく生徒会をまわしていた。文化祭なんかはできる限り協力して、手助けした。

そんなこんなで、三年の一年はあっという間に過ぎ去った。

心の通じる友達がいなくて寂しかったけど、みんな受験で回りはライバル、仲良かった子達も友達同士ピリピリしあっていて、みんな同じようなもんだなと思えたのが救いだった。


勉強に没頭したお陰で、センターではすんなり必要点数を獲得出来た。

大学合格。

別に名門でもない、よくも悪くもない大学。

でも大学生という肩書きを獲得出来たことが嬉しかった。

ここで初めて、美術科の子達に打ち明けた。

…というか、自分で言ったわけではなく、言わされた。

No.11 12/07/09 11:04
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 10 センター結果発表の翌日。

うちの科はみんな賢くて、公立美大を受けた子が多かった。

何人かは受かり、何人かは落ちた。

いや、落ちた子のほうが多かった。

教室内は異様な雰囲気だった。

「合格だった~!」

と浮かれてる子。

何も言わずうつ向いている、明らかに元気のない子。

「まぁあの子なら受かるよね。」

と、なんのフォローか分からないお世辞をいう子。

教室内はすごくギスギスしてた。

そんな中、私に白羽の矢が刺さった。

No.12 12/07/09 11:17
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 11 「てかさ、あいちゃん、もう進路決まってるんやろ?受かったなら受かったって言えば?」

「え、あい進路決めたん?どこ志望なん?美術ちゃうよね、美術専攻クラスにおらんかったもんね。」

「え、どういうこと?受験したん?専門学校?」

「なぁ、どうなん?!」

みんなに問い詰められる。

何を今さら。

みんな、私に関心なんてないくせに。

…でももう逃げられない。

「実はね…センター入試受けたの。一般大学の情報系の学科だよ。うちから一般大学なんて受かりっこないと思うし、、自信なかったから言えなかったんよ。」

「え、受かったの?」

「うん、受かったよ。」

「へ…え、おめでとう。」

「ありがと…」

おめでたくない「おめでとう」。

黙ってたのダメだったかな。でも言えっこなかった。ある意味、黙ってたから回りを気にせず自分に集中出来た気もする。

もういいや。

うわべだけの友達なんて、もういいや。

No.13 12/07/10 08:11
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 12 そんなこんなで卒業式。

洋を招待したけど、式には間に合わなかった。

式が終わって、教室に戻り、先生の挨拶があった。

そして解散。写真タイム。

私はデジカメも使い捨てカメラも持ってなかったから、「一緒に撮ろう~😄」パーティーに参加できなかった。

みんな思い思いの人と写真を撮り、語り合ってる。


私はとりあえず人の多いところをうろうろして、「一緒に撮ろう~😄」と言われるのを待った。

カメラがないために、自発的に誘えず待つしかないって…めっちゃツラい⤵

それでも目論見通り、何人かが声をかけてくれた。

もちろんカメラを持ってる人よりもずっと少ない人数だけど。

No.14 12/07/10 08:20
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 13 そんな時、洋からメールが来た。


『ずっと待ってるんだけど。早く来てくれない?💢』

え、意味不明…

私が来てほしかったのは、式に参加して、私の卒業する姿を見てほしかったからであって、今さら来られても迷惑なんだけど…

てか普通卒業式後って友達との交流を大切にしない?親でも帰るじゃん。

『今無理。何時になるか分からないから帰ってて。』

教室はまだ写真撮れそうな雰囲気。いろいろあったけどまだ友達といたい。

写真撮り終わったら、どこか行こうって誰かが言い出した。

『はぁ?急いで来たのに帰れ?なにそれ?早く来て。』

えぇ…

嫌だ、だって最終日だよ?

友達といたい…

でも…


しぶしぶ、洋のところへ行った。

最悪の卒業式。


友達と語らいも出来ず、洋に呼び出され、意味不明な小言を言われながら幕を閉じた卒業式。

高校の友達ほとんどとは、それ以来会ってない。

No.15 12/07/12 17:01
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 14 大学入学。

初日は部活勧誘が凄かった。

「うちに入部してください!!」

軽そうな兄ちゃんがハイテンションで土下座する。

このノリ、ついていけない…

No.16 12/07/12 17:04
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 15 部活勧誘は華麗にスルーし、科の教室に行った。


うーん、、

想像はしてたけど。

全体的にオタクっぽい😅

そして女子がほとんどいない…

正直、カッコいい男子も可愛い女子も居なかった。

なんていうか…

イメージは小学生?

男らしくない。女らしくない。

…高校が恋しくなった。笑

No.17 12/07/12 17:08
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 16 私は隣の席になった男子と仲良くなった。

でも仲良くしてくれたのはその人だけだった。

背は低くて優しそうな少年のような人。

その人は男友達がいたけど、私といるときは周りの友達は寄って来なかった。

…私は迷惑になってると勘づいた。

この人に甘えてちゃダメだ。女友達を作らないと。

No.18 12/07/12 17:14
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 17 科に女子は私以外に5人。

すでに3人グループ、2人グループが出来てる。

誰も私を誘ってくれなかった。

でも、特定の男子といつも一緒にいるからかも。

「女友達ほしいな~」

男友達に気を使わせないよう頻繁にそう言って、なるべくチャンスを作るようにした。

3人グループはちょっとおかしなグループ。服装は小学生、柴田理恵みたいな見た目でばか笑いのすごい子がリーダー格で、大声で自慢話、何で何点取ったとか、テスト簡単だったとか、ひたすら話してる。グループの残り二人はひたすらおだててる。

点数、私のほうが上だな…なんて思いながら、あそこはパスだなって思ってた。

No.19 12/07/12 17:18
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 18 狙うは2人のグループ。

奇数グループってホントは嫌だ。

私みたいな自分に自信のない人は、あぶれるんじゃないかって不安になる。

実際私ってあぶれやすい。

一人でも平気と思われがちなのもあるけど…。

…でも、他に選択肢はない。

No.20 12/07/12 17:21
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 19 その2人グループ。

一人はヤンキーぽい子。

いや、今時の普通に派手な感じの子かしら?

ちょっとキツイ雰囲気だけど、金髪にブラックやアッシュの服が似合うお洒落な子。

もう一人は少しだけ障害を持ったか弱い子だった。

お洒落な子は、いつもその子を手助けしてた。

あの人たちと友達になりたい。

そう思った。

No.21 12/07/12 19:01
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 20 ついに転機が来た。

「グループレッスンをします。女子はこっち、男子はこっち!」

すかさず2人グループの側にいった。

「あ、どーも😅混ぜてもらってもいいですか?」

「どーぞどーぞ😄」

お洒落な子はるいちゃん。か弱い子はえりちゃん。

女子の席は2人がけだった。

るいちゃんとえりちゃんが前に2人で座る。

私は後ろにちょこんと座る。

この距離感…😅でも、嬉しかった。

No.22 12/07/12 19:04
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 21 るいちゃんは可愛い系でも美人でもなかったけど、長身で細くてお洒落で、カッコ良かった。

休み時間になり、るいちゃんとえりちゃんがどこかへ出かける。

私は一人でトイレにだけ行き、またもとの席に戻った。

仲良くなった男子の側には戻らなかった。

No.23 12/07/14 23:48
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 22 次の次の休み時間。

るいちゃんが誘ってくれた。

「喫煙室行くけどくる?」

「いく!!」


めちゃくちゃ嬉しかった。

正直たばこは苦手、嫌い。でもそんなことどうでもよかった。

友達と一緒にすごせる!

…その子が、大学で最初の友達になった。

No.24 12/07/14 23:55
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 23 喫煙室はすっごく混んでた。

毎年春は混むらしい。

ぎゅうぎゅうの部屋の中、るいちゃんとえりちゃんと3人で隅っこのテーブルに行く。

「灰皿貸して。」

るいちゃんが近くの男子に声かける。

「友達?」

「かな?ここでよく会うん。」

…喫煙室って不思議な空間。

タバコの貸し借り、火の貸し借りでごく自然に友達ができる。

その男の子、林くんとはすぐ仲良くなった。

No.25 12/07/15 19:35
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 24 喫煙室で固まるメンバーが固定されてきた。

林くんの友達の和成、加賀くん、元子、そして私たち3人でよくたまってた。

中でも和成がカッコよかった。

長身で細身で腕に筋肉のラインが見えてて、男らしかった。引っ越し屋でバイトしてるらしい。

Tシャツを着てるだけでこんなに決まるなんてすごい。

でも中身はおとぼけキャラ。いっつも冗談ばっかり言って楽しいやつだった。

No.26 12/07/15 19:39
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 25 大学生になって、バイト先が遠くなった。

大学から家を通り越して、家から大学までの距離くらい行ったとこにバイト先があった。

初めのころは頑張って通っていたけど、知れてる距離だと思っていたけど、家と真反対のとこまで行くのがだんだんしんどくなってきて、週一、二くらいになった。

前は生活費を稼いでいたけど、今は実家暮らし。お小遣い程度稼げれば充分だった。

No.27 12/07/15 19:45
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 26 その分、平日は放課後毎日のようにアミューズメントセンターに行ってファーストフードを食べながら閉店までダベった。

閉店になって追い出されても、近場のベンチなんかにたまった。

毎日、楽しかった。

ただ、私だけ、帰る方向が違うのが寂しかった。

私以外のひとがどんどん仲良くなる。私の知らないことが増えていく。

毎日、「え、それ何のはなし?」って聞いてばかりだった。

夜。

真っ暗になって、

一人家に帰るのがたまらなく寂しかった。。

No.28 12/07/17 18:54
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 27 休み時間にはみんなでトランプをした。ババ抜き、ダウト、大富豪、、

トランプって何年かに一度マイブームが来る。

しばらくやってなかったけど、この年でも楽しめるもんだなぁと思った。

No.29 12/07/17 18:59
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 28 一回生の間になるべく単位を取りたくて、たくさん授業を選択していた。

だから、一応、週5で登校してた。

授業選択は、るいやえりちゃんと一緒にしたから履修科目は大体一緒だったけど、違う科目もあった。

私だけの科目、私とえりちゃんだけの科目。

るいが来てる日は科目が違っても休み時間には喫煙室に集まった。

私とえりちゃんだけの科目の日は、るいはその時間帯履修科目がなかった。

No.30 12/07/17 19:00
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 29 私ら三人の中でタバコを吸うのはるいだけ。

るいがいない日は、喫煙室に行く理由がない。

えりちゃんと、行き場がないね、なんて話してた。

No.31 12/07/20 20:14
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 30 その日も、ルイは居なかった。

休み時間になり、教室を出た。

「えりちゃん、どーする?」
「どーしよね?あいさんはどーしたい?」

「うーん、、、喫煙室、行ってみよっか」

非喫煙者の二人だけで行くのは初めて。

ドキドキ。

喫煙室の扉が、いつもより重く感じた。

No.32 12/07/20 20:20
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 31 「あれ?るいさんは?」

林くんが一番に聞いてきた。

「今日は午後からの日ー」

「そっかぁ。」

林くんはるいのことが好きだ。見ててあからさま。

その横で、元子が微妙な顔をする。

「あい、あい、ちょっと来てぇ。」

「なになに。」

喫煙室のすみっこに連れてかれる。

「あのさぁ、林くんてるいのこと好きよねぇ?」

元子がおもむろに切り出した。

No.33 12/07/21 16:33
あい ( ♀ HKs7nb )

「そうだよねー。多分」

「じゃあさ、るいは林くんのこと好きなんかな?」

「えーまさかぁ。るいのタイプじゃないでしょ😅」

るいはおしゃれさん。

林くんはどちらかというと地味な子。

釣り合わないと思った。


「そっかぁー!そっかぁー!」

元子がすっごい納得してる。

「あのさ、私、林くんのこと好きなの!応援してくれる?!」

No.34 12/07/22 00:30
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 33 応援…?

ってなんだろう😓😓😓

てか元子が林くん…

確かにお似合い。

元子は吉本に出てきそうなネタキャラ。いつも面白い話を持ってきてくれて、チビデブを売りにしてる。

林くんは元子のことを影ではメガネザルとか眼鏡デブとかって呼んでた。

るいみたいなおしゃれさんを好きになる林くん、元子を好きになるかな…?。。

「そぉなんだぁ!頑張ってね!」

それしか言えなかった。

ボキャブラリーの少ない私…

No.35 12/08/18 08:59
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 34 でも正直、るいが林くんを相手にするとは思えなかった。

林くんぱっとしないし、、

るいはいろんな男の人と付き合って来てた。

話を聞くと、みんなイケイケでワイルドな感じ。

男前と付き合って来たんだろうなぁと言うのが伺えた。

No.36 12/08/18 09:03
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 35 それから、元子に林くんのことを相談されることが多くなった。


今日の林くんカッコいい❤から始まり、やっぱりるいが好きなんかなぁ?私に振り向いてくれるかなぁ😫

そんな会話が続いた。

私は特に気の聞いたことも言えず。ただ。

「うーん、林くんも動かないし、動いたとしてもるいがどうこうするとは思えないな。」

私の意見はそれだけだった。

No.37 12/08/22 21:27
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 36 「あい、あい、あのね、私。今日こそ林くんに告白する!!」

元子が真剣な顔で言う。

何回目だろう。これを聞いたのは。

でも、今日こそ本気みたい。

林くんは時間指定で地下ラウンジに呼び出されたと言っていた。

ついに動くか…

「ねぇ、どう思う?どう思う?」

「うーん、、どうだろうねぇ。林くんがるいを諦められるかどうかだと思うけど。。」

「そぉだよねぇ…でも。。うん。頑張る。」

正直叶うと思えない。

でも真剣な元子に冷たい言葉も掛けれない。かといって気休めも言えない。

こういう嘘はつけないんだよね、私。

とにかく。

頑張れ、元子。

No.38 12/08/22 21:29
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 37 時間になって。

わりとすぐ、林くんが喫煙室に戻ってきた。

「元子は?」

「え…多分まだ下にいるけど。。」


なんとなく結果が見えた。。

No.39 12/08/22 21:32
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 38 元子にメールした。

「今地下?そっち行っていい?」

「うん、きて。」

即答だった。

私はすぐに地下に向かった。

No.40 12/08/22 22:42
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 39 地下ラウンジは目隠しスペースがたくさんある。

その中の一角。

一番奥に、元子がいた。


「元子。。」

元子は私の顔を見るなり泣き出した。

「あぃい~!」

「うん。よしよし。うん。聞くよ。」

ポロポロ涙を落とす元子の隣で、私はなにもできず。元子の肩をポンポンと叩きながら、ただ、側にいた。

No.41 12/08/27 09:35
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 40 元子事件から1週間明け。

林くんが動いた。

私はるいに前から何度か聞いていた。

「元子、林くんが好きみたいだけど、林くんは完全にるいが好きだよね。るいはどーなん」

「んー😓別に特に好きとかではないかなー。」

だよねー。

まぁ、ないよね。

…そう思ってた。



昼休みに元子に呼び出された。

「林くんがるいに告ったらしい。林くんから聞いた。」

「そーなの!?」

「るいは迷ってるみたいだけど、、付き合って欲しくないなぁ。」

「そうだよね。。」

ま、迷ってるんだ?

意外だった。

でも。

あんまり釣り合わないと思うし、るいはもっといい人と付き合って欲しい。

それに、特に好きでもない人と付き合うのは反対。しかも友達が好きな人と。

私も、あんまり付き合ってほしくないかな。。

No.42 12/08/27 09:44
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 41 るいはなかなか結論を出さなかった。

林くんはるいに底抜けに優しくした。

元子はそれを見てしんどそうにしてた。

「余計なことかもしれんけどさ。るいどーするつもりなん?林くんのこと好きなん?」

「うーん、正直タイプではないけど。。でも。。わからんねん。。あいならどうする?」

「私は付き合わないかな。元子の気持ち知っちゃってるし、好きでもないなら。」

「うん。。」

るいの気持ちが私には見えなかった。

るいと元子、どっちの味方する?って聞かれたら、私は確実にるいの味方をする。

でも、今回はよく分からなかった。

No.43 12/08/28 11:14
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 42 膠着状態が何日も続いた。

元子の態度や表情はだんだん酷くなってきた。

はぁ、とため息を吸いながら、おっさんみたいに眉間にシワを寄せて肘をついて、タバコの灰を落とす。

「元子、元子、おっさんになってるよ!」

「あはは、あい、ありがとー。気を付ける。」

ここ最近、るいと元子が会話するところは見てない。

仲良しグループは、もう崩壊寸前だった。

えりちゃんも和成も加賀くんも、ギスギスした空気に居場所を失ってる。

林くんだけが、その信念を貫いてた。

「元子がどうなろうと、るいさんを好きな気持ちは変わらない。俺は俺の道をいく。」

…林くんてこんなこと言えたんだね。ちょっと見直した。

No.44 12/08/28 11:30
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 43 そんなころ。

和成に突然告白された。

「あいちゃんめっちゃ可愛い。好きになったんやけど。。付き合わん?」

一応、洋とまだ付き合ってた。

でも、私の気持ちはすぐに決まった。

洋はがっちりむっちり、7、3頭が似合って、誰がどうみても30後半のおじさん、しかも遊びはガンダム一色、人当たりも付き合いも悪い。会うときは基本的2人きり。

かたや和成は同い年の18、年相応で、スラッとしてほどよい筋肉、顔も悪くない。遊びはパチンコと、普通にみんなで遊べるし、2人でも集団でも楽しかった。

私、こんなカッコいい人と付き合ってみたい!


ほとんど自然消滅してたような関係だけど、やっとやっと、精算出来る時が来たのだと思った。

No.45 12/08/28 11:33
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 44 週末。久しぶりのバイトの日。

洋と休憩が被ってるのを知ってた。

週末は店員を増員するので、休憩室が人で溢れかえる。

休憩室の中程に座り、洋が来るのを待った。

No.46 12/08/28 11:35
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 45 洋は店長代理ランクだったので、休憩が同じ時間でも休憩室に帰れる時間が遅い。

30分近く過ぎた頃。

洋が休憩室に戻ってきた。

No.47 12/08/28 13:43
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 46 「あ、高橋さん、お疲れ様ですー。」
後輩が洋に声をかける。

ドキっとする。

でも、今日は何て言うか決めてきた。
言わなきゃ。

勇気を出して、言った。

「高橋さん、これ、返します。」

今まで借りてたいろんなもの。袋にいれて返した。

「え、なんで?」

「もういらないです。」

洋は意味を察した。

人でごった返す休憩室。
ほんとはこんな話をすべき場所じゃない。でも、首を絞められた一件以降、洋と2人の時にこういう話をするのは怖かった。

「…。」

洋は何も言わずに、着替えるために、一旦更衣室に戻った。

No.48 12/08/28 16:19
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 47 洋を見送ってから後輩が声をかけてきた。

「あいさん、なんですか。それあれですか。めっちゃ冷たかったですよ。」

「ごめん。。」

とにかく、もう別れたい。

普通のカップルしたい。

勝手かもしれないけど、もう洋から解放されたい。

夜、メールと電話が来た。

私は、別れを告げた。

「他に好きな人が出来た。洋といると、いつもしんどい。でもその人といると楽しい。だから別れよう。」

得意の論理的反論をしてきたけど、もう聞かなかった。

「ほら、そう言うのが嫌だって言ってるんじゃん。今まで何度も言ったよね?さようなら。」

よく、別れたいけど彼女が、彼氏が何々で別れられないとか言う人がいる。

私はそういうのはよくわからない。

双方向の思い、思いやりがあってこそのカップル。

片方が終わりだと思ったら終わりだ。

電話はそれっきり。何かまだ反論していたけれど、じゃあ切るね、と言って切った。

No.49 12/08/28 16:20
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 48 1週間後。

洋が婚約した。

それがどういう意味か分からなかったけど、もうどうでもよかった。


私は和成と付き合い出した。

No.50 12/08/28 16:27
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 49 和成に聞いた。

「ね、なんでこんなタイミングで付き合おうなんて言い出したの?林くんたちが大変な状況なのに。」

いや、じつは。。

と、和成は言いにくそうに言った。

「加賀がさ、あいを好きらしいんだよね。それで早い者勝ちだと思って。」

まじ?!

そうなんだ、加賀くん。。

うーん、加賀くんはそういう対象ではないかな。

「びっくりした?」

「した。でも。加賀くんがそうでも私は興味ないかな。てか和成とは会った時からいいなって思ってたし😄」

「ほんと?!」


あー、いい。

普通のカップル。


気を使わなくてもいい。一緒に並んで歩くだけで嬉しくなる。

これがきっと、付き合うってことだよね。

No.51 12/08/28 17:39
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 50 次の日の昼休憩。

たまたまみんな講義がある日だった。

そこでみんなに伝えた。

「私たち、付き合うことになりました!!」

加賀くんの反応が気になったけど、ちょっとびっくりしてただけで、祝福してくれた。

「そ、そぉなんやぁ、おめでとう😄」


そして。。

3日後、加賀くんがるいに告白した。

No.52 12/08/28 17:43
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 51 るいはびっくりしてた。

えりちゃんも和成も元子もびっくりだった。もちろん私も。

…林くんは怒ってた。

「あいつ、あいちゃんが好きだって言ってたのに、和成と付き合い出したとたん、るいさんに乗り換えやがった。」

和成も便乗してた。

「ほんまやし。俺は最初からあいちゃん一筋やし!」

「俺も最初からるいさん一筋やし!」

和成と林くんで謎の張り合いをしてる。

元子の件だけでも大変なのに💦

私たち、どうなるんだろう💦💦

No.53 12/08/28 22:16
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 52 るいに相談?された。

「加賀くんに告られたけど、ほんまはあいが好きやってんてな。」

「あー、うん、和成がそう言ってたわぁ。和成から聞いたの?」

「ううん、けどみんな言ってた。あいが和成と付き合い出したからだって。」

「らしいね💦謎だね💦」

「てかさ、見てこれ。」

るいがメールを見せてくれた。差出人は加賀くん。

「これが告白のメールなんだけど。」

め、メール?💦💦

No.54 12/09/10 08:49
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 53 『あのさ、俺たち付き合う?(笑)』

(笑)…?!

「話がある、ってメールが来たからなに?って返したらこんなのが来てん。めっちゃ唐突やしなんなんやろ、これ。。」


うーん、謎だ。


まぁでも、、なんだかモテてるるいが羨ましかった。

「どうするの?」

「うーん、よく分からないんだけど、、」

「加賀くんでいいの?私ならソッコー断るよ?」

「そうやんなぁ。。」

るいの曖昧な返事。
またずるずるするつもりかな。

林くんへの返事はまだだ。

元子のこともあるし、早くはっきりしてほしかった。

No.55 12/09/14 23:16
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 54 翌日。

「ねぇ、あのメールどうしたの?なんか進展あった?」

超気になって聞いてみた。

「う、、ん。悪いけど無理かな、って返事した。」

え!


…そうなんだ、るい、ちゃんと断れるんじゃん。

加賀くんのことは振れるんじゃん。。

ちょっと見直した。

No.56 12/09/14 23:20
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 55 その時。

元子が喫煙所に入ってきた。

「あぁ、元子、オハヨ」

「ハヨー😄」

元子がいつも通り元気に返してくる。

「おはよ」

るいが元子に言う。

「…ハヨ」

明らかに返事のテンションが下がる元子。

るいを見た。

…るいは苦笑いしてた。

でも、大丈夫だろう。

るいは賢いし、強い子だ。

No.57 12/09/23 22:18
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 56 次の講義の時間になり、私は喫煙所を出た。

「じゃあ私、講義行ってくるわ✋」

「いってらっしゃい(゚゚)」

るいが少し元気がない気は、した。

No.58 12/09/24 08:27
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 57 講義から帰ってきて、喫煙所に来た。

るいがいない。

えりちゃんもいない。

「るいたちはー?」

「さぁー知らないー」

元子が冷たく言う。

「るいさん、さっきまでその辺にいたよ。」

林くんが言う。

どこ行ったのかな。

まぁ、今のうちにトイレ行っとこう。

トイレまでの廊下に出た。

講義と講義の合間で、エレベーターだけじゃなく、階段もすごく混んでる。

ふと、見ると、、

その混雑した階段の隅に、えりちゃんとるいがしゃがみこんでいた。

No.59 12/12/19 11:19
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 58 「るい?!どうしたの?!」

「あぃい~😫」

泣きそうな、情けない声でるいが私を呼ぶ。

「なになに?!どうしたん!もー可哀想によしよし😣」

私はるいの顔が他の人から見えないように抱きしめ、頭を撫でた。

No.60 12/12/19 11:29
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 59 るいはぼろぼろと大粒の涙を流した。

「私、もうどうしていいか分からへん。。」

「林くんのこと?そんなに好きなの?」

「好きかどうか分からへんけど、、」

「付き合いたいん?」

「よくわからないけど、、元子はあんなだし、、もぉ限界。。」

…大変な誤算だった。私はてっきり、るいは回りの子に気を持たして楽しんでるんだろうと思ってた。

想われてるのは居心地いいし、手放したくないのも分かる。でも元子のこともあるから、遊びは止めてはっきりして欲しかった。

…でも違った。るいは、こんな細い体で、林くんのこと、元子のことをこんなにも悩んでいたんだ。。

No.61 12/12/19 11:38
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 60 るいは、まだ好きかわからないけど、やっぱり付き合いたいみたいだった。

三角関係だったから、そんな半端な気持ちなら辞めとけって思ったけど。

もし三角関係じゃなくて。

単に男女2人の仲なら、その状態で付き合うこともザラにあるし、おかしいことじゃない。むしろ付き合っていくうちに好きになることだってある。

私は考えを改めた。

「元子のことはあるけど、、そんなに悩んで、それでも林くんと付き合いたいって思うなら、いいと思うよ。元子のことは気にしなくていい。自分のやりたいようにしなよ。」

るいは、誰かに後押しされることをずっと待っていたのだと思った。

「うん、、」

るいは、もう一度、大粒の涙を溢した。

No.62 12/12/25 18:39
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 61 「あいあかんわ~泣かんとこうと頑張ってるのにあいが泣かせてくれるから泣いてしまう~普通泣かんようにするやろ~?」

泣き止んだるいが言った。

それってるいの泣き所になれてるってことかな。安心して泣いてくれたことが嬉しかった。

「辛かったら泣いたらいいんだよ~私がついてるよ😄」

るいの力になりたかった。

No.63 13/01/11 00:56
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 62 元子るいは若干ぎくしゃくしながらも、
私たちグループの付き合いは続いた。

毎日のように駅のフードコートで終電近くまでダベる。

今までと変わったことは、途中でメンバーが消えること。

ある日。

いつものようにみんなでダベっていると、
和成が言った。

「あい、フケる?」

え、元子とるいを置いて?

まあ、林くんもいるし大丈夫か。

ちょっと強引な和成に手を引かれ、
駅の中を探索した。

和成って、、男らしくてカッコいいな。

引っ越し屋でバイトして鍛えたというごつい腕を
まじまじ見ながら、導かれるままに歩いた。

No.64 13/01/11 01:14
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 63 夜の駅は、あちこちの物陰に人がいっぱいだった。

大きくて入り組んだ駅には、人目を避けるようなベンチや物陰がたくさんある。覗き込んでは、あ、人がいた、また覗き込んでは、あ、ここにも先客が、てなことを繰り返してた。

二人きりになれる場所を探すにもひと苦労だ。

そうして、ようやく、あまりひと気のない廊下に出た。

柱が沢山あって、柱の間に入れば、存在には気づかれにくい。

No.65 13/01/11 01:21
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 64 「座れないけど、ここでいんじゃない?」

初めは楽しかったが、もう正直めんどくさかった。

「そうやね、ここいいね! 」

和成が、柱の影に入り、私の腕をぐいと引く。
私の体は簡単に和成の胸の中に飛び込んだ。

ぎゅっと私を抱き締めてくれた。

「あいちゃんをずっと抱き締めたかってん、、」

心臓が、ぎゅうって締め付けられるようだった。

No.66 13/01/11 23:25
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 65 私は抱きしめられるのが好きだ。

小さい頃からスキンシップに飢えていた私。

誰も抱きしめてくれなかった私の体。

ずっとこうしていたいって思った。


和成はすぐに私を引き離した。

??

何で、と思う間もなく、和成が顔を近づけてきた。

洋以外の「彼氏」とキスするのは初めて。

正直、早くない?とも思ったけど、
何となく拒めなくて受け入れた。

洋とは何度も体を重ねてきたのに、、
今更キスくらいもったいぶるのもおかしいか、、

なんて変な理由を頭の中で作ってた。

No.67 13/01/11 23:36
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 66 和成はキスしながら、すぐに胸を触ってきた。

…え?それはさすがに早い!

「ちょっと、それはちょっと早いって、、」

和成は手を止めない。それどころか、、

「…ひゃ、、」

すぐに下着の下に手を入れてきた。

「ちょっと、ほんとやだ、、やめてよ…!」

和成は止めない。それどころか、

「俺のも触って」と要求してきた。

いやだ。こんなとこでいやだ。
必死の抵抗も空しく、強引に手を引かれ、
触らされた。

触らされたそこは、まだ何もしていないのにぬるぬるでびちゃびちゃで、めちゃくちゃ気持ち悪かった。

かっこいいひとと付き合うって、こういうリスクもあるんだな、、

それが、和成と付き合い始めて、最初に感じた違和感だった。

No.68 13/02/18 09:20
あい ( ♀ HKs7nb )

結局、和成は駅で最後までしようとしてきた。
外だし人も通るし絶対嫌だと言った。

すごく粘られたが、最後には渋々了承した。。と思いきや。

「じゃあ口でして。」

転んでもただじゃ起きない奴。

「いやむり!!」

みんなの元に戻ることにした。

No.69 13/02/18 09:27
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 68 戻ると、るいと林君の姿がなかった。

大場先輩、加賀くん、えりちゃん、元子の4人だ。

元子は無言で真顔で、もくもくとたばこを吸ってる。

、、すごい空気の中に帰ってきてしまった。。

「るいは?」

「さぁー消えたきり帰ってきてない。」

えりちゃんが答える。

「もうすぐ終電やしそろそろかえろかー。」

そう言ってるいに電話し、解散した。

No.70 13/03/03 23:23
あい ( ♀ HKs7nb )

私って和也に愛されているんだろうか?

大事にされてない気がした。

でもかっこいい和也。多少は目をつむるべきなんだよね。。

No.71 13/03/03 23:26
あい ( ♀ HKs7nb )

和也がかっこよかったのかは分からない。

ただ、今まで「普通の男子」とは、恐れ多くて付き合えなかったから余計にそう思えたのだと思う。

No.72 13/03/03 23:36
あい ( ♀ HKs7nb )

大学に入って初めてインターネットを使い出した私は、メッセンジャーやネットゲームにハマった。

メッセンジャーやネットゲームを通じて、友達や見ず知らずの人と夜通しチャットする。

楽しかった。

そんな中で、何人かの人と仲良くなった。

いつもゲームの中で親切にしてくれるお姉さんと、ゲームを超えて付き合うようになった。

私のやっていたゲームは、個人で作成された無料ゲームで、ユーザーは小学生が多かった。

マナーも出来てなくていやなことも言われ、もめたときには必ず助けてくれたのが守だった。

今思えば、和成に疲れていたんだと思う。

守の優しさがありがたかった。

No.73 13/03/03 23:40
あい ( ♀ HKs7nb )

ネットゲームで仲良くなったのは三人。
いずれも女の子友達が欲しくて、連絡先を交換し合ったのに、三人ともほんとは男の子だった。

守もその一人。

女性キャラで、ルナって言う名前だった。

カミングアウトされたときはショックだったけど相変わらず優しくて、守とのやりとりは楽しかった。

No.74 13/03/05 09:48
あい ( ♀ HKs7nb )

近所に、ラウンドワンみたいな総合施設で、マンガ喫茶やお風呂がついててオールナイト営業している施設が出来た。

卓球やらボーリングやらカラオケをしに、私たちはよく出かけるようになった。

高校の頃から飲み会でオールしてても夜は寝てしまう私。

徹夜は苦手だった。

No.75 13/03/05 09:57
あい ( ♀ HKs7nb )

>> 74 元子や加賀君とはだんだん合わなくなってきて、林くん、るい、私、和成で行動することが多くなった。

えりちゃんはあまり体調がよくなくて、たまに参加した。

ある日。

「愛ー!今からあっこいくんやけどいかんー?るいちゃんや林もいるし遊ぼーやー!」

時間はすでに22:30。

ネットゲームなら寝たいときに寝れるけど、遊びに行ったらそうは行かない。

「行ってもいいけど私たぶん途中で寝ると思うよ?それでもいい?」

「いい、いい!」

それで、眠いけど行くことにした。

No.76 13/03/05 10:04
あい ( ♀ HKs7nb )

施設に着いたのがだいたい23時。

「じゃあボーリングの予約して、卓球しよー!」

るいが先頭を切って言う。

そこから二時間卓球をして、そのあとボーリングを一時間した。

時刻は2時。

正直もう限界。

「和成、ごめん、もう眠いわ。ちょっとそこのベンチで寝てていい?」

休憩室はいっぱいで、空きのリクライニングベッドはもうなかった。

「えー分かったよー」

和成がいう。

るいがおやすみーと言って、林君と別のゲームにいく。和成はパチンコを始めた。

私は、固めのソファーで、眠りに落ちた。

No.77 13/03/05 10:08
あい ( ♀ HKs7nb )

固いソファに少し寒い室温。
ねごこちはよくなかったが、眠気に負け、私は熟睡していた。

次の瞬間。

ドカッ!!

誰かに腕を横から殴られた。

激痛にびっくりして、目を覚ますと、


そこには、和成がいた。

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