注目の話題
妻の過去について
スカートの丈が床につきます
おばさんイジリされる職場

あっけない最後

レス185 HIT数 65906 あ+ あ-

桜( ♀ HPvPnb )
12/11/28 11:48(更新日時)

この話は私の過去の恋愛話です。
タイトルの通り、最後は呆気ないですが、どうしても忘れられないので、投稿しました。

初めてなので、誤字脱字、支離滅裂な文章になったらすみません(>_<)

タグ

No.1802761 12/06/05 10:21(スレ作成日時)

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.1 12/06/05 10:30
桜 ( ♀ HPvPnb )

秋になると思い出す。
あの頃のこと…

今でも思い出しては、背中に悪寒が走る…
胸がえぐられるような、不安に襲われる。


どんなに泣こうが喚こうが、どうにもならならなかったあの頃 。

No.2 12/06/05 10:44
桜 ( ♀ HPvPnb )

当時私は21歳。
高校卒業後、就職するも、一年で退職。
その後一年フリーを体験。

地元のとある販売店に就職が決まる。

そこにいたのが、バイトできていた松田圭一。
年は私より一つ上。
初印象は、タイプじゃないや。だった(笑)

No.3 12/06/05 11:00
桜 ( ♀ HPvPnb )

その頃私には年の離れた彼氏がいた。
前の職場で出会い、付き合って二年が経っていた。
彼の名前は司郎。
年上だけあって、優しくて頼りがいのある彼。
彼とは喧嘩した記憶がないくらい、仲が良かったのを覚えてる。

No.4 12/06/05 11:10
桜 ( ♀ HPvPnb )

仕事を初めて一週間、慣れない仕事に悪戦苦闘していた。

そんな中、松田さんや、同じくバイトの山本さん←彼は松田さんと友達。同じ学生。


歳が近い為、話があい、色々フォローしてくれた。

バイトは他に二人の女の子がいた。
メグちゃんと、トモちゃん。
この二人とも気が合い、すぐ打ち解けた。

No.5 12/06/05 11:50
桜 ( ♀ HPvPnb )

季節は夏

店外にも売り物があり、外での仕事はキツかった。
汗をかきながら商品を陳列していく。
お客様に頼まれて商品も運ぶこともあった。

品物は軽いものから重いものまで様々だ。
体力には自信があり、重いものも平気で運んでいた。



ある日、お客様の品物を車まで頼まれた。
10キロほどの商品がいくつか台車に積まれていた。

私が行こうとしたとき。
後ろから、声がした。


「桜!いいよ、俺が運ぶ」
松田さんだった。

私「いいですよ!運びます!」


松田「いいから、レジ、フォローしてやって」


そういうと、松田さんは台車を押して行った。

No.6 12/06/05 12:48
桜 ( ♀ HPvPnb )

ちょっと待って?

レジ担当は松田さんだよ!


そう彼は自分がレジ担当にも関わらず、私の代わりに荷物を運んだのだ。


私は松田さんが帰ってくるまで、レジに立っていた。

No.7 12/06/05 12:56
桜 ( ♀ HPvPnb )

松田さんが帰ってきた。

私「すいません、ありがとうございました。でも、わざわざ代わりに行くことないですよ。あれくらい、私にでも…」


松田「そんな細い腕で?(笑)
俺がいるときは、荷物は俺が運ぶから」


彼は笑ってそう言った。



(優しいなぁ~)


この頃から私は彼に引かれていたのかもしれない。

No.8 12/06/05 13:15
桜 ( ♀ HPvPnb )

仕事にも慣れてきた頃、店長が変わった。

次に来た店長は、初めは怖いと思ったが、話してみると、関西弁で面白くて、大好きになった。


他の従業員もイイ人ばかりで、私は仕事に来るのが楽しかった。


中にはキツいオバサンも居たけど、気にならなかった。

No.9 12/06/05 13:20
桜 ( ♀ HPvPnb )

私のシフトは昼前から、閉店時間の8時まで。

夕方になると、パートの人達は帰り、代わりにバイトが入っていた。


松田さん、山本さん、メグちゃん、トモちゃん。
四人がやってきて、また仕事にヤル気がでる。
閉店してからの、みんなとする会話が楽しかった。

No.10 12/06/05 13:30
桜 ( ♀ HPvPnb )

休日。

私は彼(司郎)の家に泊まりに行くのが決まりになっていた。
私の家から彼の家まで一時間以上かかる。
だから、彼の家から仕事場までも、一時間以上かかる。


次の日、朝8時に彼と一緒に家をでる。
私は車を飛ばして一旦自宅に戻り、着替えて出勤していた。

今思えば、よくやったなぁって思う(笑)

No.11 12/06/05 14:09
桜 ( ♀ HPvPnb )

季節は変わり、冬がきた。


私の住んでいるところは、昔より雪が降らなくなっていた。



でも、その日は大雪だった。
珍しく道に5㌢ほど積もっていた。
仕事をしながらワクワクして見ていたら、店長が話しかけてきた。


「お前のところ山やろ?帰れなくなったら困るから今日はもう帰ってええよ。」


確かに、私の自宅は山奥。道も登り下りが半端ない。狭い道で、スリップでもしようものなら、無事では済まない…


私はお言葉に甘えて帰ることにした。


みんなに挨拶して、帰ろうとしたら松田さんが声をかけてきた。



松田「マジ、気をつけて帰りなよ?」

私「車傷つけないように、気をつけます(笑)」




松田「ばっか。車より、桜が大事!本当大丈夫かぁ?」



私「大丈夫ですよ!lowで帰りますから(^-^)」


(やっぱり優しいなぁ)(笑)



そんなやり取りをして、帰路についた。

No.13 12/06/05 14:30
桜 ( ♀ HPvPnb )

県道から、我が家に続く山道を上る。

雪の積もり方が変わっていた。

「うわ、凄いなぁ…
ワクワクするぅ」


なんて、独り言を言いながら更に上る。


その時、タイヤが滑った。

「ヤバイ!上らないかも!!頑張れ!カド!」カド←車に付けてたあだ名です。




ノロノロ運転で、なんとか上りきる。



一安心も束の間、今度は下りが待っている。



更にスピードを落とし、ギアをlowに入れる。



心の中で、滑るな滑るなと、呪文のように唱えながら下る。
ここが一番の難所。
落ちたら無事じゃ済まない。




だが、難なく下りきり、ホッとする。
そして、また上り、家に到着。




あ~、疲れた。
でもちゃんと帰れた。



まだ雪が降っている。



明日仕事行けるかなぁ~

No.14 12/06/05 14:47
桜 ( ♀ HPvPnb )

次の日、外は一面銀世界。

道にも15㌢ほど積もっていた。



この辺りは除雪車などはない。




店長に電話する。


「もしもし、桜です。
すいません、店長。凄い雪です。」


店長「やっぱりかぁ、実は俺もまだ会社着いてないねん。大渋滞や。
ええよ、危ないから今日は休め。
こんな日はお客もけーへんわ。」




私は休むことになった。

窓から見える景色を、ビデオに、撮っていた(笑)



♪~


携帯が鳴る。



あっ!松田さん。

No.15 12/06/05 15:00
桜 ( ♀ HPvPnb )

「生きてますかぁ?(笑)」


松田さんからのメールだ。



「ぷっ、生きてますかぁ?だって(笑)」

思わず笑ってしまった。何故か嬉しかった。


「大丈夫ですよ~(笑)寒くて凍えそうですが(^^)」




返信…っと。





♪~

「良かったぁ、雪に埋もれてなくて(笑)
俺が温めてやろーか?(笑)」


また笑ってしまった。



「結構です。間に合ってます(笑)
私の代わりに仕事頑張って下さいね!」


♪~


「ノッてこいよ(笑)
ま、バイト頑張ります!!」






この頃には、みんなとアドレス交換していた。

こんな、些細なメールが楽しかった。

No.16 12/06/05 15:28
桜 ( ♀ HPvPnb )

司郎のことは好きだった。
初体験も彼。

ただ、一緒に歩くときだけはちょっと嫌だった。
彼は私より背が低かった。私が高過ぎなのである。




恋愛経験が少ない私にとっては、Hも好きになれなかった。
したい気持ちはあるのに、いざとなると身体がこわばる。




そういうこともあり、司郎とは合わないのかもしれない。と思いだした。

No.17 12/06/05 21:56
桜 ( ♀ HPvPnb )

司郎に対する気持ちが冷めていくなか、松田さんに引かれていた。



まだ、好きとかではなく、ただ単に
松田さんに会えるのが楽しみになっていたのである。
彼がバイト休みの日は仕事がつまらない。


そんな風に感じるまでになっていた。






そして、世はクリスマスシーズンを迎える。

No.18 12/06/05 22:07
桜 ( ♀ HPvPnb )

店内にはクリスマスソングが流れ、イルミネーションや、ツリーなどが並んでいた。


それを見ると、心が弾む。
ワクワクして仕方がない。



クリスマスは、イヴのみ休みだった。







司郎は2日とも、仕事だったため、イヴのみ会う約束をした。






そして、当日を迎えた。

No.19 12/06/05 22:31
桜 ( ♀ HPvPnb )

正直、イヴに司郎に会ったことは覚えているが、何をして過ごしたかは全く覚えていない…





今でも鮮明に覚えているのは、クリスマスの日の事…

No.20 12/06/06 10:19
桜 ( ♀ HPvPnb )

クリスマス



休日だった為、バイトの人達が昼から入っていた。




年末ということもあり、店内はお客様で賑わっていた。
忙し過ぎて、あっという間に時間が経つ。





夕方の休憩時間になると、店長からケーキの差し入れがあった。
とても美味しかった。






閉店時間。






お疲れ~
と言ってみんなそれぞれ帰っていった。




でも、私と松田さん、山本さんは駐車場で話をしていた。



三人の中で誰が一番早く走れるかと競争した。


一番は山本さんだった。


二番は私(笑)



最後は松田さん…



運動音痴と判明した。(笑)




松田さんは私より背は高かったが、体格がよかった。
決してデブではないが…





そんな楽しい一時を過ごしていた。

No.21 12/06/06 10:24
桜 ( ♀ HPvPnb )

「そろそろ帰るかぁ~」





山本さんが言った。






私は帰りたくなかった。まだこうして遊んでいたかった。




でも、そんなことは言えず、車に乗り込む。





あ~ぁ…



帰りの車の中で、すごく残念がっていた自分がいる。








いつもの山道に差し掛かったとき、携帯が鳴った…

No.22 12/06/06 10:41
桜 ( ♀ HPvPnb )

松田さんだ!




ドキドキしながら電話にでる。




「もしもし?」



「あ、桜?もう帰った?」




「いえ、もう少しです。どうしたんですか?」





「いや、どっか行かないかなって思って…」





「え?」



「いや、なんか帰りたくなさそうだったから…」







どうやら、もろに顔に出ていたらしい…





「あっ、すいません(恥)


でも、行きたいです。クリスマスだし…遊びたいです!」



「よし、じゃあ行こう!

さっきの駐車場で待ってるから」







「わかりました!着替えてすぐ行きます!







私は急いで着替えて、待ち合わせの場所に向かった。

No.23 12/06/06 11:07
桜 ( ♀ HPvPnb )

私が着いても、松田さんはまだ来ていなかった。




「今着きました」


メールを送る。



♪~



「ごめん、ちょっと待ってて、すぐ行くから!」





10分ほど待っていた。




そして、松田さんがやってきた。




松田さんは、いつもは原チャに乗っていた。
でも、今日は車だ。
初めて運転している彼を見て、カッコよく見えた。




彼の車に乗るように言われた。




「ごめんな、遅くなって…」




「いえ、大丈夫です。何かありました?」







そう聞くと、彼は後ろの座席から箱をとり、私にくれた。




「え?これってケーキですか?!」






「うん、プレゼント。

何もないのもアレかなって思って急いでかってきた(笑)」





「ありがとうございます!嬉しいです!」





「ごめんな、そんなプレゼントで、まさか出掛けるなんて思ってなかったし、
ケーキ屋も、閉店間際だったから、それくらいしかなくて…」




「そんなことないです。ありがとうございます!
ホントすいません…


でも、こんな大きいの一人じゃ食べれないですよぉ(笑)」




「あとで一緒に食べよう!」






そう言うと、松田さんは、車を発進させた。
















No.24 12/06/06 11:15
桜 ( ♀ HPvPnb )

私の住んでいる町には夜遅くまでしている店が少なく、大きな街に出ることにした。





途中、松田さんが言っていた。




「ホントは帰るときに誘いたかったんだけど、山本居たし、言えなかったんだ」






と。





誘ってもらえたことがとても嬉しかった。



ドキドキが、止まらない…







そして、少しお洒落な店に入りカウンターに並んで座る。




何を話したかは緊張していてあまり覚えていない。

でも、私はずっと笑っていた。

No.25 12/06/06 11:44
桜 ( ♀ HPvPnb )

食事が終わる頃には、時計は23時を過ぎていた。





私たちはドライブがてら遠回りしながら帰ることにした。




小さい町とはいえ、夜景を見れる場所がある。



そこに寄ることにした。
クリスマスだと言うのに、さすが田舎だ(笑)
誰もいない(笑)


車の中で、二人でケーキを食べることにした。ちゃんとフォークを用意してくれていた。

小さいケーキとはいえ、ワンホール。
お腹が、はち切れそうだった。







なんとか、二人で間食。しばらくは動けないくらいだった。






タバコを吸いに、松田さんは車を降りる。



私は一人夜景を見ていた。

No.26 12/06/06 12:41
桜 ( ♀ HPvPnb )

突然助手席の戸が開いた。




松田「わっ!!!」



私はびっくりした。




「もう!松田さん!止めてくださいよ!

心臓飛び出るかと思ったじゃないですか!」




「あはは」




松田さんは笑っている。





まるで、恋人同士のようだった。










駐車場に戻ってきた。




ふと、無いものに気付く。








あれ、鞄がない?!








店を出るときにはあった。
どこかで降りたっけ?!




なんで?どこいった?





財布も携帯も鍵も全部入ってる。





私は焦った。




どうしよう…






松田「あの、夜景のところかもしれない。

行ってみよう。

大丈夫、絶対あるって!」






急いで戻る。





私は不安だった。





誰かに盗られていないだろうか、ちゃんと見つかるだろうか…




本当に焦っていた。






駐車場に着くと、外灯はあるが薄暗いなかにポツンと黒い塊を見つけた。






私の鞄だ!




「よかった~あった…」


ホッと胸を撫で下ろす。





「って!松田さんが驚かすから、その時落ちたんですよ!

もう!!焦ったじゃないですか!」










「ごめんて~(笑)
でも。あって良かったね(笑)」





怒った私に彼は笑いながら謝る。






とにかく、あって、ホントに良かった。







そんなことがあっても、楽しい気持ちに変わりはなかった。








No.27 12/06/06 14:59
桜 ( ♀ HPvPnb )

年末、年始。




余りの忙しさに、クリスマスの余韻に浸ることすら出来なかった。






大学が休みだったため、松田さんに毎日のように会えた。
二人きりで話せることはなかったが、休憩時間が一緒だと嬉しかった。




司郎より、松田さんに会いたい。
松田さんのほうが一緒にいて楽しい。



司郎に気持ちがなくなっていた。






私は司郎と別れようと思っていた。

でも、なかなか言い出せずにいた。





なんて言おう?




素直に好きな人が出来たと言おうか…






こういう経験も初めてで、怖かった。

No.28 12/06/06 15:05
桜 ( ♀ HPvPnb )

例え司郎と別れたとしても、松田さんと付き合えるとは限らない。
なぜなら、松田さんにも同時付き合っていた彼女がいたからだ。



松田さんは私のことなんて、なんとも思ってない。
でも、一緒に遊んだり出来るだけで満足だった。








あの日一線を越えるまでは…

No.29 12/06/06 15:27
桜 ( ♀ HPvPnb )

司郎に別れを告げれずにいた。


誰かに相談したかったが、誰にも言うことはなかった。




そんなある日、私は休みで家にいた。



♪~


メールが届く。






バイト中の松田さんからだった。




「休みなのに、メールしてごめん。

今日何してる??」



そんな内容だった。





何もしてないと、返信するとすぐ返事がきた。





「星でも見に行かない?」






私は誘いにのった。






松田さんが終わるのを駐車場で待っていた。





松田さんが来た。車に乗せてもらい、星が有名な町にいく。




昼間に行ったことはあったが夜行くのは初めてだった。



観測をしている天文台に到着した。
辺りは真っ暗だ。

目が暗闇になれてきた。道がなんとなくわかるくらい。

二人で天文台へと向かう。
もちろん中には入れない。私たちはその建物の前にある丘に横になりながら星を眺めた。







散りばめられた宝石のように、キラキラキラキラ輝いている。



なんて、綺麗なんだろう。


しばらく会話がないまま空を見上げていた。

No.30 12/06/06 15:51
桜 ( ♀ HPvPnb )

1月の夜だ、さすがに寒い。



「さむっ。戻ろっか(笑)」



お互い納得して車に戻り、温かい飲み物で冷えた身体を温める。




二人きりで話をするのも、久しぶりだった。


自然とお互いの恋愛の話になる。



松田さんは彼女とは最近会っていない、肩書きだけの状態だと言っていた。



私も、別れようと思ってることを話した。
自分は、エッチが苦手なこと、腕枕してもらうだけで幸せだということも話した。




色々話していると、0時を越えてしまった。
眠いはずだ…


大きなアクビをしてしまった。




「大丈夫??(笑)どうする?帰る?

てか、帰れる?眠いだろ?

危ないよな…



それか…


後ろで寝る??」



ドキっとした。

No.31 12/06/06 16:25
桜 ( ♀ HPvPnb )

夜、車の中、男女二人。




そんな空気のなかで、私も変な気持ちになっていた。





「じゃあ、ちょっとだけ…」





彼の車は後ろをフラットにすれば充分寝れる広さになる。




私たちは後ろに異動し、横になる。



緊張している。鼓動が早くなる。







「腕枕してやろっか?(笑)」

彼が言う。





照れながら私は彼の腕に頭を乗せる。




「落ち着く?」




「はい…(照)」





落ち着くわけない。
ドキドキが止まらない。




「寝ていいよ?

俺も寝るから」





そんなこと言われても寝れるはずかない。

でも、目を閉じてなんとか寝ようとしていた。





寝れない(笑)








彼の匂いがする。
ふと目を開けると顔が近い!


でも、彼も目を閉じている。
寝ているのか?



寝息?

よくわからない。




私は再び目を閉じた。

No.32 12/06/06 16:33
桜 ( ♀ HPvPnb )

しばらくして、彼が体制を変えた。

私を包む体制になった。







「桜?」


彼が囁く。




私は寝たふりをしていた。











彼が格闘しているのがわかった(笑)。

顔を近づけては離すを繰り返していた。






でも…





「はぁ~


…桜、ごめん…」






そう言いながら彼は私にそっとキスした…






私は驚いたが、寝たふりを続けてしまった…

No.33 12/06/06 16:53
桜 ( ♀ HPvPnb )

どうすればいいかわからなかった。



目を開けるタイミングを確実に間違えた。




すると、彼が咳払いと一緒に動いた。





チャンス!!




ここぞとばかりに目を開けた。






「大丈夫ですか?


腕しびれますよね…?


ごめんなさい。」




そのセリフが一杯一杯だった。




「いや、大丈夫だよ。

寝れた?」





「はい、ちょっとだけ寝れました。(嘘)」




外は少し明るくなり初めていた。




「今日仕事だったよな?

大丈夫?」



何事もなかったように、彼が言う。





「大丈夫です。

一旦帰ってもう一度寝ますから。」





私も何事もなかったように話す。

No.34 12/06/06 16:58
桜 ( ♀ HPvPnb )

この日は一日、キスされたことで頭が一杯だった。






なんで、キスしたんだろ?


魔が指したから?




それとも、私のこと…?






頭の中でグルグルしていた。







でも、確実に私は浮気をしたことになる。

もう、司郎に会えない。







いや、もう、会わない。






私の心は決まった。

No.35 12/06/06 17:10
桜 ( ♀ HPvPnb )

どう別れを言おうか考えた。




直接言えるほど私には度胸がない。





最低だが、メールで伝えることにした。



この頃には、電話で話しても素っ気なくしていた。

だから司郎も、薄々気付いていた。






「ごめんなさい。好きな人が出来ました。

だから別れて欲しい。」





こんなあっさりした文章ではなかったが、内容はこんな感じだった。






彼から返事がきた。

正直嫌だけど、仕方ない…と。





気持ちがなくなったとはいえ、涙が流れた。






ごめんなさい…ごめんなさい…




泣きながら…謝っていた。

No.36 12/06/06 21:57
桜 ( ♀ HPvPnb )

あのキスされた日から松田さんとは休みがずれて、会っていなかった。



だから司郎と別れたことも言えずにいた。



私が休みの日、松田さんから話があると言われ会うことになった。




この日は私の車だった。



とある、温泉施設の駐車場に止まって話をした。



「桜…オレ…


この間…

その…



お前にキスした。」




彼が神妙に言った。




私は驚いたふりをして、



「え、

そうなんですか…



でも、なんで?」



「ごめん、可愛かったから…


オレ、桜が好きかもしれない…」








「え?


嬉しいです。ありがとうございます。


私も松田さんが好きですよ。」





「え?でも、彼氏は?」



「あ…この間、別れました。まだ彼の家にある私のものを取りに行かなきゃいけないんですけど…」



「そうなんだ。

なんだ、オレ、悪いことしたと思って、ずっと悩んでたのに…はぁ~


でも、いいの?俺で?

ホントに?」




「松田さんこそ、彼女いいんですか?」






「今度言うつもり。


だからちょっと待っててくれる?

そしたら、また言うから。」






「…はい。



わかりました。待ってます。」




まさか、こんな話になるなんて思ってもみなかった。






後、松田さんは彼女に別れを告げた。

彼女は泣いていたそうだ。



私は申し訳ない気持ちになった。

No.37 12/06/06 22:18
桜 ( ♀ HPvPnb )

とは言え、両想いになれたことで私は幸せだった。





会社のみんなにはしばらく内緒で付き合うことにした。




休みの日は二人で出掛けるようになった。



山本さんと三人で遊んだ日、彼にだけは付き合ってることを話した。



山本さんは驚きもせず、こう言った。




「やっぱり?

だってお前、前に桜が好きかもって言ってたもんな(笑)」


「ばっ!!お前、今言うなよ!」



私は笑った。

嬉しかった。




毎日が幸せで、楽しかった。

No.38 12/06/06 22:26
桜 ( ♀ HPvPnb )

季節は春を迎えようとしていた。



松田さんと、山本さんが大学を卒業する。
その頃には就職先も決まっていた。
二人とも福祉関係の仕事。




バイトを辞めるので、送別会が開かれることになった。





当日、私が二人を迎えに行き、お店へ。
楽しい宴会が幕を開ける。

No.39 12/06/06 22:39
桜 ( ♀ HPvPnb )

お酒が進み、みんな盛り上がっている。


そんな中、私が楽しそうに松田さんと話をしていると、店長が…




「なんや、桜!

お前ら仲ええなぁ?


まさか付き合ってるんちゃうんか?(笑)」




(なっ、なんてこと言うんだ!この人は!)






「何、言ってるんですか?店長!」


テンパる私。


みんなが、ニヤニヤしながら詰め寄る。



すると、突然。



「よしっ、じゃあ付き合うか?桜さん!!(笑)」


ノッた松田さんが私に言った。



場が一気に盛り上がる。


私もやけくそになって、



「はい!付き合います(笑)」






と、まぁこんな感じで会社のみんなに公認になってしまったのである。

No.40 12/06/07 11:01
桜 ( ♀ HPvPnb )

松田さんと付き合うようになって、私は彼のことを「圭ちゃん」と呼ぶようになる。



ここで、圭ちゃんと言う人物について話しておこうと思う。

No.41 12/06/07 13:42
桜 ( ♀ HPvPnb )

彼は誰にでも分け隔てなく接する。
いつも、明るくて面白く、その場を盛り上げる。

ようするに、お調子者。

人を引き付ける何かがあった気がする…





顔はカッコいいとは言えないが、服装は今どき言わないかもしれないが、B-boy系。
黒ぶちの眼鏡に、出掛けるときにはいつもキャップをかぶっていた。


私のタイプではなかったが、中身を知るにつれ、魅了されていった。

No.42 12/06/07 14:16
桜 ( ♀ HPvPnb )

卒業式の日、私は仕事していた。
圭ちゃんと、山本さんは式が終わってから、店に顔を出しにきた。



二人ともスーツを着ていた。





私はスーツを着ている男性をかっこよく思う。
スーツは男をより男にする。と思っている。

知っている人がスーツを着ていると尚更カッコいいと思ってしまう(笑)




スーツ姿の圭ちゃんに惚れ惚れした。

No.43 12/06/07 14:49
桜 ( ♀ HPvPnb )

圭ちゃんの仕事が始まるまで、私たちは毎日のように会っていた。







圭ちゃんと初めてのお泊まりの日。



圭ちゃんは実家暮らし。泊まりに行くには遠慮があった。
圭ちゃん家にはちょっと離れた別宅がある。普段そこには誰もいない。
そこに泊まることにしていた。






夜、二人で買い物をした。
まるで夫婦になったような感覚だ。





(いつか本当にこうなれたらな…)





そんな風に思っていた。







買い物を済ませ、家に向かう。
人里離れた場所で静かだった。





二人で夕飯を作る。
フライパンを持つ彼に見とれていた。


ついでにお風呂の準備もした。






スパゲッティと、サラダ、スープを作り早々に食べ終えた。








しばらく、休んで、先に私がお風呂に入る。



さすがに緊張してきた。
大丈夫かな?
不安になる…


もし、ダメで断ったら嫌われたりしないだろうか…











私は自分に自身がない。
もちろん体にも…



見た目はスレンダー。

回りにスタイルいいよね。って言われてはいたが、本人はこんな体が嫌いだ。←これは今でも…





もちろん胸はない。

No.44 12/06/07 15:27
桜 ( ♀ HPvPnb )

スッピンの私を見て彼が言う。
「可愛いね(笑)」

照れる…




私は化粧をとっても、あまり変わらないくらい薄化粧だ。



次に圭ちゃんがお風呂に入る。





上がってきた彼と、買ってきたお酒を飲む。






私は酒に弱い。直ぐに顔が赤くなるのが嫌でお酒を飲むのも久しぶりだった。






案の定、体が火照ってきた。
頭が回らない。






そんな私を見て、心配する圭ちゃん。
布団に横になった。




薄暗い部屋で二人でイチャイチャする。





彼が私にキスをする…





彼に身を任せる。





「無理だったら止めるから言ってね。」




優しい圭ちゃん。






「大丈夫…


大好き…




圭ちゃん…」








お酒のせいだろうか、全然嫌じゃない。


むしろ、気持ちがいい。







こんなの初めてだった。

No.45 12/06/07 15:42
桜 ( ♀ HPvPnb )

優しく愛してくれた。




こんなエッチは初めてだ。
益々彼が好きになる。







幸せで涙がでた。





こんな日がずっと続きますように…






ずっとずっと圭ちゃんと一緒にいられますように…










私はこれから起こる地獄のような体験を知るよしもなく




彼の腕のなかで、眠った…

No.46 12/06/07 17:25
桜 ( ♀ HPvPnb )

----朝----






目を覚ますと、隣には大好きな彼がまだ寝息をたてている。




昨日のことを思いだし、私は幸せ気分を味わっていた…






「おはよ」


彼が目を覚ます。






「おはよ♪」





おはようのキスをする。







本当に幸せだった。

No.48 12/06/07 17:30
桜 ( ♀ HPvPnb )

外は晴天





どこまでも続く青い空





春真っ盛り

No.49 12/06/07 18:44
桜 ( ♀ HPvPnb )

家の近くに小さな川がある。
そこには桜の木が並んでいる。





満開だった。






手を繋いで散歩した。




桜の花びらがヒラヒラ舞っていた。





歩いているのは二人だけ…





まるで世界に私たち二人だけになったような気持ちになる。






でも、例え二人だけになっても、私はきっと幸せだっただろう…

No.50 12/06/07 18:52
桜 ( ♀ HPvPnb )

この日、私達は1つのピアスを買った。
水色のターコイズ。








それをお互い片方の耳に着ける……









二人で1つの意味を込めて…

投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧