関連する話題
姫の日記
お兄ちゃんと結婚しました
狂う女~その先には~幸か不幸か

不純愛

レス 450 HIT数 224423 あ+ あ-

アキ( W1QFh )
13-03-05 23:46(更新日時)

削除投票

―この愛は、純愛ですか?



―それとも、不純ですか?

No.1526080 11/02/16 22:04(作成日時)
レス絞り込み
スレ主のみ

No.1 11-02-16 22:15
アキ ( W1QFh )

削除投票

外の激しい雨が、窓ガラスに無数の雫を流していく。



薄暗い部屋に散らかった衣服を、女は一枚ずつ拾い上げる。

「…帰るの?」



「主人が帰ってくるわ。」


男の問いに、女は妖艶に微笑む。


「あぁ、今日だったっけ?」


男は気だるそうにベッドから起きあがると、そのまま女に抱きついた。

No.2 11-02-16 22:31
アキ ( W1QFh )

削除投票

「そう、今日出張から帰ってくるの。
久しぶりに腕を奮って食事を作るわ。
だから離して…シャワーを借りるわね。」


そう言って、女は男の腕からすり抜ける。


「ふぅん…家では相変わらず良い奥様なんだ。」


「そうよ?
夫に従順で淑やかな美しい妻。」


「ふっ…自分で言うか。

そんなお前の表の顔しか知らない旦那が可哀相だな…泣けてくるよ。」


「そうね、貴方だけ…昔から本当の私を知るのは貴方しかいないのよ…孝之。」



そう言って女は孝之と呼ばれた男に甘い口付けを落とした。

No.3 11-02-16 22:49
アキ ( W1QFh )

削除投票

「ただいま、清美。」


「あなた、お帰りなさい。

ひどい雨だったでしょう?」


清美は、帰宅した夫の背広を脱がし水滴を払いながら、優しい笑みをこぼした。
「あぁ、季節外れの嵐だな。」


やれやれ…とリビングのドアを開ければ、たちまち夕食の良い匂いが立ち込める。

「うわ~スゴいな。 何かのお祝い?」


夫の問いに、清美は「ふふっ」と微笑む。

「出張で、一週間も居なかったでしょう?
そろそろ、私の手料理が恋しくなってくる頃だと思ってね。」

「ああ、ほんとだ。 外食だかりで飽き飽きしてたし、清美の手料理が恋しかった。」


「でしょー?」


端から見たら仲の良い夫婦。


いや、実際に僕はそう思っていた。

その事に、一切疑いを持った事はない。

No.4 11-02-16 23:24
アキ ( W1QFh )

削除投票

清美とは大学の頃に知り合った。

研究生として大学院に残っていた僕。清美は同じ大学の一年生で、僕が公私ともにお世話になっていた坂田教授の一人娘だった。


まだ18歳の彼女は、少女とは言えない程の妖艶な色気を放っていた。

だからと言ってそれが厭らしく見えたとかじゃなくて、なんと言うか…胡蝶蘭の様な凛とした奥ゆかしい美しさがあったのだ。


僕も、他の研究員の連中も清美には儚い憧れを持っていたと思う。


なぜ、儚い憧れなのか…。


―僕らはメガネをかけた、もやしっこだ。

ダサい、面白みもない、そして何より女の子に全く持って免疫がないのだ。


当然、そんな僕らが高嶺の花の清美に話し掛けられるハズもない。


あ……たった、一人を除いて…だ。

No.5 11-02-16 23:56
アキ ( W1QFh )

削除投票

孝之…本上孝之だけは、清美と直ぐに打ち解けて会話を弾ませていた。


まぁ、彼は清美だけじゃない。

多分、校内や他校でも女に人気がある。

放っておいても、女の方からやってくる様なモテ男だった。

内心、僕ら冴えない男連中は孝之に計り知れない程の劣等感を感じていた。

No.6 11-02-17 22:26
アキ ( W1QFh )

削除投票

「どうかしたの?」

昔を思い出して、ボゥっとしている僕を怪訝そうな顔で清美が問いかけた。


「いゃ、何でもないよ。」


「そう?」

いつの間にか雨が止んで月明かりが部屋を薄く照らしている。


その淡い光りで清美の身体が輝いて見えた。


グラマラスなその身体はガウンを纏っても見事な曲線を描いている。

No.7 11-02-17 22:43
アキ ( W1QFh )

削除投票

学生時代、清美は孝之と仲が良かったものの、2人は僕の予想に反して付き合う事は無かった。


それどころか、講義で解らなかった所などを僕に聞きに来るようになった。


教授に直接、聞きに行けば良いなどと野暮な事は言えない。


正直、彼女からの親愛の情を受けられる事が幸せだと感じていたから。


だからと言って僕らが交際へと発展して行く事も無い。



転機が訪れたのは、僕が研究室を出て就職しようとしていた時だ…。

No.8 11-02-17 22:57
アキ ( W1QFh )

削除投票

その日、僕は坂田教授に呼び出された。

普段から教授のお宅に伺う事は多かった。


だから、その日も何気ない気持ちでお宅を訪れた。


「来年、清美が卒業したら一緒になってくれないか?」


坂田教授の、唐突に突き出されたその言葉を理解するのに、一体どの位の時間を裂いたんだろう。


「…え?」


困惑する僕に構わず、坂田教授は話を続けた。


「君がバイオ研究員ではなく、高校の教師になってくれるのなら…だがね。」

No.9 11-02-18 22:21
アキ ( W1QFh )

削除投票

何故、僕なのだろう。

何故、高校教師なのだろうか。


清美の結婚相手になる男の条件として、選ばれた訳やその理由が全く持って理解出来ない…。



いや…そんな事はさておき、僕にとっては結婚よりも大事な将来の夢…つまり仕事が失われる事の不安が頭をよぎる。


バイオ研究所に入ってカビや、微生物の研究をしたい。


その為に大学院にも入って博士号も取得したのに…。


今更、高校教師になんかなってどうするんだ。

No.10 11-02-18 22:32
アキ ( W1QFh )

削除投票

僕は、放心状態のまま色々な事を考えていた。


異様な空気が立ち込む教授の書斎。


先に沈黙を破ったのは教授の方だった。

「理不尽な願いだね…君の目標も、その為の努力も全て、私は側で見て来たというのに。

でもね、清美が私に言って来たんだ。」

「え?」


「結婚するなら、君みたいな相手が良いと…。」

最初
ページ : 1 / 89

お知らせ

3/13 着レス通知の送信不具合(復旧済)

関連する話題

注目の話題

殿堂入り

ニュースピックアップ

携帯小説掲示板のスレ一覧

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

[PR]株式会社ティファレト

掲示板一覧