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不純愛

レス450 HIT数 227776 あ+ あ-

アキ( W1QFh )
13/03/05 23:46(更新日時)

―この愛は、純愛ですか?



―それとも、不純ですか?

No.1526080 11/02/16 22:04(スレ作成日時)

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No.401 12/05/16 20:59
ゆい ( W1QFh )

>> 395 ありがとうございました😢 感動です😢😢😢😢😢😢😢 海さん✨
最後まで見届けて下さり、本当にありがとうございました🙇✨
私の方こそ、感動をありがとうございました☺

No.402 12/05/16 21:04
ゆい ( W1QFh )

>> 396 ゆいさん✨ お疲れ様でした✨更新が楽しみな毎日でした🙌✨文章の表現力 とかもわかりやすくて良かったです🙌 次回作も読みたいので このままこ… おとおとさん✨
完結まで見届けて下さり、本当にありがとうございました🙇✨

温かいお言葉に、感謝の気持ちでいっぱいです😢✨

次回作も読んで下さるとの事で、もう嬉し過ぎます☺

書き始めて、更新次第お知らせ致します✨

また、次回作で会いましょう‼
楽しみにしております☺

No.403 12/05/16 21:52
シノァ ( INTknb )

終わってしまった😫
毎日楽しみにしていたので残念です😫

でも
二人が幸せになれて良かったです💕💕

次回作も
期待してますっ💕💕

  • << 405 シノァさん✨ 無事、完結する事が出来ました☺ 最後まで見届けて下さり、本当にありがとうございました🙇✨ 毎日、楽しみにして頂いた事…感謝感激です😢✨ ありがとうございました🙇✨ 次回作でお会い出来る事を楽しみにしております☺ また、会いましょう‼

No.404 12/05/16 23:01
ゆい ( W1QFh )

>> 398 お疲れ様でした☺ 最後、思わず泣いちゃったよ😢 父親が出てくるとは💐 終わり方も、とってもとっても良かったです💕 素敵な作品、ありがとうござ… ピエールさん✨
完結まで見届けて下さり、本当にありがとうございました🙇✨

美桜と父親のわだかまりを無くしたかったので、「特別編」を書かせて頂いて良かったです☺

私も最後だと思うと泣け…泣けてきました😭

本当にありがとうございました☺

次回作でお会い出来る事を楽しみにしております✨

No.405 12/05/16 23:04
ゆい ( W1QFh )

>> 403 終わってしまった😫 毎日楽しみにしていたので残念です😫 でも 二人が幸せになれて良かったです💕💕 次回作も 期待してますっ… シノァさん✨
無事、完結する事が出来ました☺
最後まで見届けて下さり、本当にありがとうございました🙇✨

毎日、楽しみにして頂いた事…感謝感激です😢✨

ありがとうございました🙇✨

次回作でお会い出来る事を楽しみにしております☺
また、会いましょう‼

No.406 12/05/17 00:58
ゆい ( W1QFh )

🍀お知らせ🍀


本日より新作の執筆更新をさせて頂きます☺


題名は「彷徨う罪」(さまようつみ)です🙇


ミステリーなので、衝撃的❓な要素もありますが、興味のある方は是非読んでみて下さい🙇✨


また、近く「彷徨う罪」の感想スレもたてますので良かったら遊びに来て下さい☺

心待ちにしています🎵


P.S感想スレにてご要望を頂きましたので、「不純愛」おまけストーリーも書きます✨

引き続きこちらも宜しくお願い致します🙇✨

あきやま ゆい🍀

No.407 12/05/21 16:22
みか ( 40代 ♀ dyUQh )

>> 406 待ってました(/*^^)/ハッロ-!!
不純愛、番外編♪
皆がそれぞれの道に歩む姿。
美桜の父親の今の、真実であろう幸せを感じる時間。
本上先生の、これからの活躍♪
爽太の未来!

素敵なお話ありがとうございました!

次も期待しています♪
無理の無いように頑張って下さい\(^o^)/

No.408 12/05/21 23:05
ゆい ( W1QFh )

>> 407 みかさん✨
ハッロー🎵
お褒めのお言葉ありがとうございました🙇✨

もぅ…本っ当に嬉しいです☺💕

次回作も頑張りますね💪

それから、「不純愛」のオマケストーリーも近いうちに更新します✨

引き続き、宜しくお願い致します🙇✨

No.409 12/05/24 16:48
ゆい ( W1QFh )


不純愛―おまけストーリー



「am・am特別対談」


本誌で抱かれたい男ランキング第1位に輝いた


カリスマ医師・本上 孝之氏


対談のお相手は、本上氏と大学の同級生でノーベル賞も受賞した京都大学教授の西島 吉宗氏を迎えてspecial創刊号で登場!!

No.410 12/05/24 16:50
ゆい ( W1QFh )


その見出しの雑誌が、色々な店頭に並ぶ。


なんだろう…?



妙な悪意を感じるのは、僕だけだろうか…


No.411 12/05/24 17:08
ゆい ( W1QFh )


「西島教授ーっ!
雑誌の取材依頼がきてはりますよ!」


その日、僕は仕事で日本に帰国していた。


山部君は、電話を片手に僕に向かって叫んだ。


「取材はお断りするか、井川名誉教授にお願いして下さーい。」


僕はパソコンにデーターを打ち込みながら、無関心な態度で返した。


「えぇー?!
いいんですか?雑誌社の方が、「教授がお好きでしょ?」ってRADのライヴチケットくれるって言ってますよー!」


RADのチケット…


僕は、RADWIMPSのファンだ。


だから、ちょっとだけ肩がピクリと反応した。


でも、そんな事で僕は釣られない。


「ライヴは自分のお金で行くので、断って下さーい!」


フンっ…僕を舐めるなよ。


「教授ー!」


あぁ…しつこいな。

「何だよ!」


「レッドツェッペリンのライヴならどうですか?って!」


「山部君、2番の内線に繋いで…取材受けるから。」


これが、僕の犯した過ちだった。


甘い罠に嵌って、深い後悔を背負うハメになったのだ…。

No.412 12/05/24 17:34
ゆい ( W1QFh )

なにこれ…?


呼ばれたホテルの一室に座っていたのは、今をときめく人気者の孝之だった。


編集者達は、ニコニコの営業スマイルで僕を招き入れる。


「久しぶりだな、吉宗。」


「これ、何ですか?」


僕は、孝之の挨拶を無視してスタッフに問い掛けた。


「…シカトしてんなよ。」


ぶっちょう面の孝之をチラ見して、嫌な予感を抱く。


「今日は、本上先生の独占インタビューと特別対談の企画取材でして…お調べした所、西島教授とは同級生だとか。
級友でしかも、ノーベル賞を受賞した西島教授なら対談相手としては申し分ないかなと思いまして♪」


そうか、だからam・amなんだ…


…っていうか、(バーター)って言うんだよね?こういうの!


やられた!!


僕は先月、タイムズ紙の中1ページに載ったんだぞ…!

(自慢)


No.413 12/05/24 18:25
ゆい ( W1QFh )

「それでは、始めさせてもらいますね。」


編集者が、ボイスレコーダーをテーブルの上に置いて僕らに質問をし始めた。



―お二人の出会いは大学に入学してからですが、どんな学生時代を過ごしていたのでしょうか?


(本上) 普通ですよ。僕は苦学生だったので、バイトに明け暮れていましたから研究はそこそこでしたね(苦笑)


(西島)僕は、研究に明け暮れた日々でした。


―お二人の理想の女性像を教えて下さい!


(本上)う~ん、基本的に女性なら誰でも…って言うか、僕は全ての女性が可愛らしく見えるんですよ(笑)


(西島)僕は、妻が理想の女性像です。

―休日の過ごし方は?


(本上)本を読んだり、論文を書いたり、あとは寝たり?めちゃくちゃインドアです。


(西島)子ども達と遊びます。


―本上先生は独身ですが、結婚願望はあります?


(本上)ありますよ!なかなか相手が見つからないだけで…(半ベソ)
吉宗とか見てると、やっぱり羨ましいですからね。


―西島教授は、ボストンに奥様とお子様がいらっしゃいますが、結婚生活はいかがですか?


(西島)幸せです♪

―では、お二人の互いに好きな所とか尊敬出来る所を教えて下さい♪


(本上)吉宗は常に何でも一途。
研究も、女性に対しても誠実だから(笑) 僕にはそれが、眩しく見えたりします。

(西島)…ハンサムな所?


―では、思い切って聞きます!
ズバリ互いの嫌いな所は?


(本上)何でもかんでも、欲しいモノは手に入れてしまう所。研究バカ、天然バカ、天才なのに凡人ぶる、ベビーフェイス、自分を可愛いと思ってる所…ですかね(笑)


(西島)人のモノを欲しがる所。僻みっぽい、女ったらし、秀才なのに自分の才能を信じない所、無駄にハンサム、カッコつける所、ナルシスト…な所?


―え~っと…お二人共睨み合ってますが、ズバズバ言えるって事は仲が良い証拠ですね(苦笑)


―最後にお互いに、エールなどあればどうぞ!


(本上)奥さんを大切に、末永く幸せになれ…!


(西島)信念を貫き通せ…!


―ありがとうございました♪


No.414 12/05/24 18:51
ゆい ( W1QFh )


その後…


「吉宗…てめぇ、対談を舐めてんのか? つまらない受け答えばかり返しやがって!」

「お前こそ、何が(僕)だよ!!
嘘っぱちこきやがって!
家で寝てるだぁ~?」


僕達は、互いの胸ぐらを掴み上げる。


「嘘じゃねーし!
ちゃんと、(女の子と)寝てるし!」


「嫌いな所ばかり悪意があるんだよ…ッ!」


「はぁ~?!
お前こそ、その質問だけヤケに長く答えてたよなっ!」



―とまぁ、こんな感じで大ゲンカに突発した訳で…。


やっぱり、僕はもう雑誌の取材はキッパリと断る事に決めた。


例え…もらえるチケットが大好きなロックバンドでもだ…!

でも…

でも、もし…それが 「kiss」のチケットだったとしたら…


多分、二つ返事でOKしてしまうのだろうな…。



だって僕は、「不純」だったりするのだから…―


―おまけ・end―

No.415 12/05/24 18:58
華 ( 30代 do56nb )

>> 414 良かったです😄
私は不純愛が好きです。
ありがとうございました。

No.416 12/05/25 23:12
ゆい ( W1QFh )

>> 415 華さん✨
どうも、ありがとうございました🙇✨
私も不純愛が好きです☺
いつか…また、吉宗に会いたい🎵

No.417 12/05/26 01:42
あみな ( 30代 ♀ L4q7nb )

吉宗のイメージ❤
竹野内豊💕
本上のイメージ💓
及川光博💕

あぁ、二人ともイケメン過ぎる😱💕💓
もう、私の妄想がとまりません😁
ちなみに、竹野内豊は高瀬もいける👍と思ってます💕
ゆいさん、おまけストーリーイロイロみたいです✨

ほんと、文才素晴らしい✨
毎日楽しみにしています💕

No.418 12/05/26 11:06
ゆい ( W1QFh )

>> 417 あみなさん✨

ありがとうございます🙇💕

そして…なんて素晴らしい✨イメージキャスティングなのでしょう☺💕

ちょっと…反則では😍‼

実は私、竹野内さんの大ファン💕なのです☺

だから、思わず「竹野内キター‼✨」と叫んでしまいました😂

いやはや、妄想族には堪らんですよ🎵

おまけストーリー、ちょっと続けてみようかと思います☺

No.419 12/05/26 20:15
あみな ( 30代 ♀ L4q7nb )

>> 418 ゆいさんもですか✨😆
私も竹野内豊が大好きで、ちょっと陰があるところもたまりません💓

ちょっと、吉宗には年齢が高いかなとは思いつつ💕💕

ヒロインが思い浮かばないんだよね⤵はかなく、凜として強いかんじ😆
美桜は誰かな😅


  • << 421 あみなさん✨ ありがとうございます☺ そうなんです😱 私が、吉宗の設定を「異常に若く見える男」にしてしまったので、難しくなってしまったんですよね😂 因みに…これ、言おうかどうか悩んだんですけど、吉宗のモデルが「西島 秀俊さん」だったんです。 だから「西島」なんです☺ 言ってしまった💦 でも、彼の設定上だんだん西島さんじゃないな…と思ってきました😂 裏の裏話‼してしまった💦 因みに、高瀬のモデルはいません😥 竹野内さんだとカッコイイな✨

No.420 12/05/26 22:36
かな ( ♀ pzIdi )

>> 419 横スレすみません💦

ずーっと、楽しく読ませていただいてました✨

プロ⁉と思うほどの文章力と構成力は尊敬です✨✨


続きを書かれるとのことで終わるまでレスしないでおこうと思ったのですが…妄想族として…


竹野内豊さん素敵ですよね💕
私は、学生時代の吉宗は岡田マサキさんを想像してました❤笑

美桜は石原さとみさんかなぁ😆


お邪魔しました💦

  • << 422 かなさん✨ ありがとうございます🙇✨ ずっと読んで頂いていたなんて😢✨光栄ですし、とても嬉しいです☺✨ そして…「岡田 将生くんキターッ‼✨」 うんうん、透明感のある純真無垢なイメージ‼ 学生時代の吉宗にピッタリ✨ でも、吉宗って下手すると大学生にも見えなくないのだから、じゃぁ「岡田くん」でも良いのか…❓ って、それじゃ怖すぎる💦 あぁ…妄想が止まらない☺楽しい🎵

No.421 12/05/27 10:51
ゆい ( W1QFh )

>> 419 ゆいさんもですか✨😆 私も竹野内豊が大好きで、ちょっと陰があるところもたまりません💓 ちょっと、吉宗には年齢が高いかなとは思いつつ💕… あみなさん✨

ありがとうございます☺

そうなんです😱
私が、吉宗の設定を「異常に若く見える男」にしてしまったので、難しくなってしまったんですよね😂

因みに…これ、言おうかどうか悩んだんですけど、吉宗のモデルが「西島 秀俊さん」だったんです。

だから「西島」なんです☺

言ってしまった💦
でも、彼の設定上だんだん西島さんじゃないな…と思ってきました😂

裏の裏話‼してしまった💦

因みに、高瀬のモデルはいません😥

竹野内さんだとカッコイイな✨

  • << 423 ゆいさん、なんとなく分かります😄最初のうちの頼りなさそうなところは「西島秀俊」さんの雰囲気😄。 岡田将生も良い感じですよね💕小説の年齢的には、竹野内豊と岡田将生の間ぐらいですよね~誰か「そうそうピッタリ😆😆」っていう人いないかな💓 美桜は「比嘉愛未」さんなんか良い感じかと😆😆 竹野内豊は高瀬の方が、合いそうですね💕 岩瀬は…オダギリジョーor浅野忠信。 なんてどうですかぁ💓💓 ゆいさん、私の妄想は酷くなる一方です💕

No.422 12/05/27 11:00
ゆい ( W1QFh )

>> 420 横スレすみません💦 ずーっと、楽しく読ませていただいてました✨ プロ⁉と思うほどの文章力と構成力は尊敬です✨✨ 続き… かなさん✨

ありがとうございます🙇✨
ずっと読んで頂いていたなんて😢✨光栄ですし、とても嬉しいです☺✨

そして…「岡田 将生くんキターッ‼✨」
うんうん、透明感のある純真無垢なイメージ‼

学生時代の吉宗にピッタリ✨

でも、吉宗って下手すると大学生にも見えなくないのだから、じゃぁ「岡田くん」でも良いのか…❓
って、それじゃ怖すぎる💦

あぁ…妄想が止まらない☺楽しい🎵

No.423 12/05/28 00:23
あみな ( 30代 ♀ L4q7nb )

>> 421 あみなさん✨ ありがとうございます☺ そうなんです😱 私が、吉宗の設定を「異常に若く見える男」にしてしまったので、難しくなってしま… ゆいさん、なんとなく分かります😄最初のうちの頼りなさそうなところは「西島秀俊」さんの雰囲気😄。
岡田将生も良い感じですよね💕小説の年齢的には、竹野内豊と岡田将生の間ぐらいですよね~誰か「そうそうピッタリ😆😆」っていう人いないかな💓

美桜は「比嘉愛未」さんなんか良い感じかと😆😆

竹野内豊は高瀬の方が、合いそうですね💕
岩瀬は…オダギリジョーor浅野忠信。
なんてどうですかぁ💓💓

ゆいさん、私の妄想は酷くなる一方です💕

No.424 12/05/28 14:26
ゆい ( W1QFh )

>> 423 あみなさん✨

ありがとうございます☺🎵

あみなさんのキャスティング、素晴らしすぎ~✨

美桜は「愛未ちゃん」とか分かります☺
石原さとみちゃんも、美桜っぽい💕と思ってましたが、皆さん良いセンスをお持ちでイメージが湧きます☺

「岩屋」のオダギリジョーさんとかも良い👍✨

妄想族サイッコー‼

No.425 12/06/03 21:19
ゆい ( W1QFh )



🌼不純愛「特別版」 ファンの方と吉宗の座談会🌼


~ご参加希望の方は「不純愛感想スレ」をご覧のうえ、コメントを書き込み願います~

No.426 12/06/03 21:45
ゆい ( W1QFh )

ゆい「あ、どうも司会の「ゆい」です。
吉宗さん、お久しぶりですね♪」


吉宗「うん、完結しちゃったしね。
新しい小説はどう? 皆さん面白いって?」


ゆい「お陰様で、温かい反応を頂いております♪
吉宗さんも読んでよ~!」


吉宗「あぁ…僕は、興味ないかな。
それに、君の書いた小説を僕が読むって複雑だよ?」


ゆい「そうね…この企画も、ちょっと複雑よね。
まぁ、吉宗さんや「不純愛」ファンの方に喜んで頂ければ、幸せね♪」


吉宗「不純愛って何?」


(めんどくせぇ…)

ゆい「まぁまぁ、そうだ!
最初のお客様が来てますよ♪」


まゅさん「吉宗さん、こんにちは♪
さっそく質問です!」


ゆい&吉宗「「まゅさん、ようこそ!」」

まゅさん「では、美桜から沙希ちゃんに宛てられた年賀状に書いてあった、美桜の秘密って何?」


吉宗「これさ…あきやまさんが、書き忘れたエピソードだよね?
ネタ明かしする前に完結しちゃったんだよね?
君は、バカだから。」

ゆい「はい…その通りです。スイマセン…では、吉宗さん代わりに教えてあげて下さい。」


吉宗「まゅさん、これはね…差出人に美桜が自分の名前を「西島 美桜」って書いてたんだよ…(照) あの時の状況で、コレはヤバいでしょ? うわぁ~!ってなったよね。」


ゆい「まゅさん、そういう事です…!」

ゆい&吉宗「「まゅさん、ありがとうございます!
また、待ってます♪」」


ゆい「次は誰が来てくれるかなぁ~?
もしかしたら、女子高生くるかもよ?
どうする?吉宗さん!」


吉宗「元・教え子だったらどうしよう…!」


(あぁ…そういえば、あなた教員でしたよね。)


吉宗「次とか緊張する…。」


ゆい「気長に待ちましょう♪」


まゅさん、ありがとうございます!

他にもあれば何でもどうぞ♪

No.427 12/06/03 22:16
ゆい ( W1QFh )


ゆい「あっ!吉宗さん、女子高生来た来た!!」


*空*さん「こんにちは♪
吉宗さんが大好きで興奮し過ぎて質問を忘れました…」


吉宗「*空*ちゃん、僕は君と同じ位の子どもがいてもおかしくないくらいのオッサンだよ?」


ゆい「別に恋愛感情なんて無いよね?
吉宗さんって、自意識過剰な所があるよね。」


吉宗「君って、可愛げないよね。
それに比べて*空*ちゃんは初々しくて可愛いな♪」


(エロ教師には気を付けて下さい!)


*空*さん「*空*は、将来歌手になるのですが、同じ福岡出身と言う事で、吉宗さんも応援してくれますか?」


吉宗「もちろん、応援しとうよ!
福岡は、バンドだとチェッカーズやスピッツ、女の子だと浜崎あゆみちゃんや、YUIちゃんに、最近だと家入レオちゃんと、大スターを多く輩出している県なんだよね!
僕は音楽が好きだし、ライブにもフェスにも行くのが大好きだから、*空*ちゃんの事も応援しとっと!
夢に向かって頑張りんしゃい!!」


ゆい「私も応援してます♪」


ゆい&吉宗「「*空*ちゃん、ありがとうございます!」」


吉宗「いゃ~…若いって良いなぁ!
青春だね!!」


ゆい「あなたも、かなり青春してましたけどね…」


*空*さん

また何でもどうぞ♪

No.428 12/06/04 23:41
ゆい ( W1QFh )

*空*さん「吉宗さんに質問です!
生年月日・血液型・星座を教えて下さい♪」


吉宗「*空*ちゃん、ご質問ありがとう!
なんか…こんな僕に関心を持ってくれて嬉しいやら照れるやら…良いのかな。
えっと、生年月日ね…1974年12月26日生まれの山羊座です。 血液型は…何だと思う?これは、ちょっと皆さんにも考えてもらいたいな(笑)
さて、僕はなに型でしょう…?」


ゆい「なんだろうね?」


吉宗「あきやまさん、*空*ちゃんのこの質問に焦ったでしょう?
なにやら「本編」まで行って探ってたよね(笑)?」


(ギクリ…!)


ゆい「だってさ、本編では吉宗さん未来まで行ってんのよ! いきなり2012年から3年後(ボストン編)まで飛んでるし、何歳って設定に矛盾がでるじゃん!」


吉宗「それは、僕のせいじゃないし。」

ゆい「はい、そうですね。」


吉宗「*空*ちゃんのお返事待ってます!
あと、感想スレで意見交換して参加して下さる方もお待ちしています!
様子を見て発表しますので、正解発表までしばらくお待ち下さい♪」


ゆい&吉宗
「「*空*ちゃん、ありがとうございます!」」

No.429 12/06/06 19:19
ゆい ( W1QFh )



クミクミさん「吉宗さん、こんばんは♪
遅くなりましたけど、ご結婚おめでとうございます!」


吉宗「クミクミさん、初めまして!
ありがとうございます…照れますね。」

クミクミさん「質問じゃなくて、気持ちを聞きたいと思いまして…。」


吉宗「気持ちですか?
何だろう…緊張しますね‥。」


クミクミさん「美桜と離れて自分の生活があるなかで、美桜が貴方の仕事の手助けをしてくれていた事、貴方の研究を理解して応援してくれた事、愛していてくれた事や、子供に貴方の存在をキチンと与えてくれた事など…それを知った時、どんな気持ちでしたか?」


吉宗「そうですね…。全部ひっくるめて…彼女の事を、ただ「愛おしい」としか思いませんでした。」


ゆい「確かに…それ以外の感情なんてないよね。」


吉宗「うん。
ボストンに行ってからは、研究に没頭する事で美桜を封印してました。
彼女は既に結婚していたと思っていましたし、まさか、僕の仕事をサポートしてくれていたとは思いませんでした。」


クミクミさん「うんうん。」


吉宗「でも、彼女に会って全てを知った時に、もう…何て言うか…こう…嬉しくて…」


ゆい「クミクミさん、吉宗さんが思い出し泣きします!」


クミクミさん「大変!」

吉宗「大丈夫です…すみません。歳のせいで最近、涙もろくて…情けない。

はい。一番感謝しているのは、娘の海の事です。
僕は娘との距離を一番心配していましたし、いきなり現れた父親を彼女が受け入れてくれるか、とても不安でした。

美桜は海に、胸を張って「あなたには、父親はちゃんといる」と伝え教えながら育ててきてくれました。

その事が、僕と海の距離を離さないでいてくれたのだと深く感謝しています。

僕は、最愛の人に守られながら空白だと思っていた3年間を過ごしていたんです。
これ以上の幸せも、深い愛情もないと思ってます。」


ゆい「う~ん…羨ましいな♪」


吉宗「ゆいさんにも、そのうちそんな幸せがやってくるよ。」


ゆい「お♪やっと下の名前で呼んだ♪」

ゆい&吉宗

「「クミクミさん、ありがとうございました!」」

No.430 12/06/06 19:53
ゆい ( W1QFh )

break time~


ゆい「ちょっと、休憩してお茶でも♪」

吉宗「良いね~♪
ゆいさんは、自分の事とか話さないの? なんか、僕ばっかり自分の事話させられてる感が…。」


ゆい「え~?
だって、私は皆さんとよくお話してるし…何を話すの?」


吉宗「例えば、性別や年齢とか出身地?とか…。」


ゆい「皆さん、興味ないと思うけど…。 それに、小説を書いてるから作者はある程度、ミステリアスな方が良いと思って。
作者に変な先入観とか持たない方が、読んでてワクワクしないかな?」


吉宗「ワクワクは作者の素性云々より、作品の質じゃない?」


ゆい「それが簡単に出来ないから困るんです!」


吉宗「あっ、そっか!」


ゆい「うん。
私は、天才肌?じゃなくて搾り出しタイプだから、皆さんとお話したり、こうして息抜きしないと書けないんだよね…。 よく、「勝手に登場人物が出てきて、勝手に物語が進んでスラスラ書けちゃう」って作者さんもいるけど、私にはそんな才能ないのよね。

だから、皆さんから力を貰って書いてるのよ。

私が作品を書けるのは皆さんの御陰だからね。」


吉宗「読んで下さる方が、ゆいさんを動かしてるって感じ?」


ゆい「そう!それ! だから、私の作品は皆さんが書いたも同然なのよ!
一緒に書いてるんだよね~♪」


吉宗「じゃぁ、僕が幸せなのも皆さんの御陰なんだね!」


ゆい「その通りです!」


ゆい&吉宗

「「皆さん、どうもありがとうございます!!」」


ゆい「じゃぁ、ちょと「彷徨う~」の方に行って来る。」


吉宗「ゆいさんの推しキャラ出てるんだっけ?」


ゆい「うん。
私、「岩屋派」になるから。
彼はカッコ良くしなきゃね。」


吉宗「そうやって、特定のキャラをひいき目にするのやめろよ…。」


ゆい「ふっふ~♪
爽太なき今…私を支えるのは岩屋さんなんだよね。」


吉宗「でも君、男の趣味が悪いから賛同者は少ないと思うよ?」


(確かに…高瀬派が募る中、岩屋派がどれだけ現れるか…)

ゆい「まぁ…行って来ます。」


吉宗「行ってらっしゃーい♪」

No.431 12/06/08 22:56
ゆい ( W1QFh )



ゆい「吉宗さん、そろそろ血液型発表する?」


吉宗「いきなり来たね…ビックリした。」


ゆい「あぁ、ごめん。
なんか後ろ姿が寂しそうで声かけづらかったよ…。」


(ぽつーん…としてたから。)


吉宗「だからって、ソロ~…と来ないでよ!」


ゆい「すみません…。
で、吉宗の血液型は?
皆さんはAB型じゃない?って予想してたみたいだよ♪

私も、そうじゃないかなぁ…と思ってるけど。」


(これは、*空*ちゃんから質問を受けた時、既に思いついてました♪)


吉宗「あれ?分かっちゃう?何で?」


ゆい「だって、吉宗さんには二面性があるから。
優しい時と強引な時とあるし、なんとなくAB型って天才気質じゃない?」


吉宗「え~?!二面性なんて無いよ…。」


ゆい「でも、AB型で当たってるでしょ?」


吉宗「はい…僕は、AB型です。
皆さん大正解!!(笑)」


ゆい「ふふっ♪
私の父もAB型。関係ないけど。」


吉宗「ゆいさんは?」


ゆい「秘密♪」


吉宗「お父さんのは教えてるのに?
変なの!」


ゆい「さぁ~、私はなに型でしょう?」

吉宗「もう、いいって!」


ゆい&吉宗

「「*空*ちゃん、まゅさん♪
ありがとうございました!」」

No.432 12/06/11 20:34
ゆい ( W1QFh )



吉宗「*空*ちゃんも僕と同じAB型なんだね♪
二面性があるとか言われない?」


ゆい「うちの父は二面性あるよ!」


吉宗「ゆいさんのお父さんネタはもういいよっ!」


*空*ちゃん「まぁまぁ…所で、吉宗さんは将来海ちゃんにどんな職業に就いて欲しいですか?」


吉宗「海が望む職業なら何でも応援したいと思うけど…出来れば、僕らと同じ研究者にはなって欲しくないかも…。」


ゆい「身を持って苦労が分かるだけにね。」


吉宗「そうそう…! まぁ、でも海の将来は海で決めればそれで良いと思う。」


ゆい「お嫁さんとかね。」


吉宗「君って、友達少ないでしょ?」


ゆい「そんな事ないもん♪」


吉宗「…僕、もうボストンに帰る。」


ゆい「じゃぁ、私も!」


吉宗「君も?携帯、海外でもWeb使えるの?」


ゆい「パソコンでミクルに投稿出来ないかな?
システムが分からないけど…。」


吉宗「僕は余計に分からないよ…。
ってか、君の実家ってボストンなの?」

ゆい「秘密♪」


*空*ちゃん「ねぇねぇ、実はゆいさんもAB型でしょう?」

(そうでありたいが…)


ゆい「私は、大多数派の血液型ッスよ!
天才肌と言われたいが…残念!」


吉宗「でも、君は左利きなんだよね?」

ゆい「Yes!」


吉宗「なら天才肌だよ。」


ゆい「やった!
だけど、右利きに治せなかったんだよね…既に、天才じゃなければ器用でもないって証明されたよ。 スランプだし…」


吉宗「君が育った環境は、左利きを右利きに直す習慣がなかったからね…今、困る事ない?」


ゆい「特にないけど…。」


吉宗「なら、大丈夫! 」


ゆい&吉宗

「*空*ちゃん、ありたいがとう♪」

No.433 12/06/24 23:34
ゆい ( W1QFh )

*空ちゃん*
「ここに来るのは久しぶりだな♪
吉宗さん、私を覚えてますか?」


吉宗「もちろん、覚えてますよ♪
元気にしてた?」


ゆい「私は元気!」

吉宗「君はそうだろうね…」


ゆい「…私にも興味持ってよ…」


吉宗「だって、聞いても真面目に答えないじゃん。」


ゆい「うん。」


吉宗「空ちゃんは、ゆいさんみたいな、ふざけた大人にならないようにしてね♪」


(吉宗め…!)


ゆい「いたいけな女子高生に何て事言うんだろ!
本気にしちゃうでしょ!」


吉宗「僕は本気で、言ってます!」


ゆい「あっそう!
吉宗さんなんか、もう来なくて良いもんねっ!」


吉宗「あぁ、そうだ。
僕さ本当にもう帰るから、ゆいさんも一緒に行く?」


(…流された)


ゆい「私、夏休みに帰るから。」


吉宗「それまでに、小説終わるの?」


ゆい「微妙…でも、頑張るよ。
長い時間、皆さんに待ってもらうのは申し訳ないしね…。」

吉宗「そっか、じゃあね♪
あっちで、たまに会おう!」


という訳で、吉宗氏が帰ってしまったのでイベント終了となります♪


ご参加ありがとうございました!


最後に…


吉宗&ゆい

「「空ちゃん、
Happy Birthday!!」」

No.434 12/09/03 21:54
ゆい ( W1QFh )


~不純愛~

僕のsummer vacation

No.435 12/09/03 22:18
ゆい ( W1QFh )

僕の父親は、結婚していたにも関わらず他に愛人がいたんだそうだ。

その愛人っていうのが僕の母親だ。

僕は、そんな二人の間に産まれた「不純物」なんだろう。


僕は重たい荷物を背負いながら、ジットリと蒸し暑い夏空の下で汗を垂らした。

蝉の鳴き声が耳について喧しい。

「はぁ…暑い。」

日本の夏は嫌いだ。
湿度が高くて肌がベタつく。

僕はボストンで生まれ育った。

ボストンの気候は比較的穏やかで、夏も冬も割と快適だ。

たまに来る日本は、なんとなく気候も街の雰囲気も人も苦手だった。

だから、今回も憂鬱な気持ちで空港に降り立ったのだ。

そして今は、父の母方…つまり、僕の祖母の家を目指している途中だ。

父の実家は日本の福岡県にある。

天神という、福岡の最大都市。

改札を抜けて、僕は祖父母の家を一人で目指す。

No.436 12/09/04 20:08
ゆい ( W1QFh )

数年前まで古かった祖父母の家も、父が建て直して今はピカピカの新築だ。

モダンな日本家屋だが、僕は前の古びた家の方が好きだった。

インターホンを押すと、奥から廊下を小走りに走る音が聞こえた。

引き戸がガラガラと開くと、花を咲かせた様な笑顔の祖母が僕を迎え入れる。

「お帰り!マー君、よう来たね!」

「ただいま、おばぁちゃん。」

僕は微笑みを浮かべて靴を脱いだ。

祖父母の家では、必ず「お帰り」と「ただいま」を言う。

それは、物心がついた時から変わらない。

「マー君、大きくなったとね~!
吉宗の若い頃とソックリで、驚いたわ!」

「ははっ‥嬉しくないな…。」

父に似ている。

正直、複雑だ。

「客間に荷物置よったら、居間にきんしゃいね。」

「うん。」

祖母の言うとおり、客間に荷物を降ろした。

身軽になった解放感を味わうも、汗で背中に張り付いたシャツが気持ち悪かった。

靴下を脱いで、畳を踏みつける。

井草の匂いが鼻にぬけると、ようやく日本に来た実感がした。

僕は靴下を手につまんで、居間へと顔を出した。

ちょうど、盆に氷の入った麦茶と羊羹をのせて、祖母がキッチンから出てきたところだった。

「おばぁちゃん、先にシャワー浴びてくる。
ついでに、靴下洗濯機に入れていい?」

「よかよ。お風呂も沸かしてあるから、ゆっくり入ってくるとよか。」

「うん、そうする。」

僕は踵を返してバスルームへと向かった。

祖母の家は柔らかい雰囲気で心地よい。

バスタブに浸かりながら、僕は自分の左頬をさすってみる。

もう痛みも腫れもないが、心にズキズキと後悔にも似たような痛みが走った。

No.437 12/09/05 10:32
ゆい ( W1QFh )



そして、その後悔を頭から振り払う様に湯船に潜った。

ボゴボゴと水の中では、父の震える右手と、母の悲しげな表情が浮かんだ。

温厚で優しい父を怒らせた…。

僕は、殴られた怒りと悲しみに支配されて、持っていた古い週刊誌を父に投げつけた。

それは見事に父の顔に当たって、父の足元に落ちた。

父は静かにそれを拾うと、溜め息混じりに僕に向かってこう言ったんだ。

「夏休みになったら、しばらく福岡に行きなさい。」

僕も、二つ返事でこう返した。

「そうするよ。
どうせ、もう父さん達とは一緒にいたくないしね!」


夏休みに入る1週間前だった。

ついには、昨日飛行機に乗るまで僕は父とも母とも口をきかなかった。

これから、夏休みの3ヶ月間を僕は日本で過ごす。

No.438 12/09/06 16:34
ゆい ( W1QFh )



こっちに来て1週間も経つと、僕は暇を持て余した。

日本では、夏休みになると大量の宿題が出るらしいのだが、アメリカでは宿題なんて出ない。

僕は今、9年生(高校1年生)で進路もまだ決めていない。

それなりの大学に行くなら、勉強が出来る事の他に夏休みの間にクラブに入って業績を残すか、長期間のサマーキャンプにでも参加しなければならない。

僕は運動も好きじゃないし、虫に刺されるだけのキャンプなんて行きたくもない。

そうなると、ただ毎日をゴロゴロと過ごすだけの日々になる。

「…つまんね。」

畳に寝転がって天井を仰ぐ。

この一週間、両親からの連絡は一切無かった。

たまに、メールが来たかと思えばそれは姉の海からだ。

『そっちは、どう? おばあちゃん達は元気にしてる?』

『政宗がいなくてママも元気がないよ‥』

『課題が終わらなくて、パパに叱られた~!
親が同じ大学にいるとこれだから嫌になる!』

姉からのメールは、両親の近況をさり気なく伝える内容が殆どだった。

No.439 12/11/17 14:07
ゆい ( vYuRnb )

白々しいんだよ…。

イラついて、僕は携帯を畳に滑らせた。

放り投げられたそれは、コツンと壁に当たった。

あんなもん、持ってこなければ良かった。
僕は、姉からではなく両親から何の連絡も無い事に苛立ちを覚えていたのだ。

ゴロゴロと天井を仰いで、ため息を吐いた。

僕は…なんの為に此処へ来たのだろうか…。

両親への反抗心。

それは否定しない。

だけど、それを心配しない父に、僕は落胆していたんだ。

それを知ると、急に虚しくなった。

父にとって、僕は出来損ないの息子。
優秀で、反抗心のない姉だけが父にとって大切な子どもなんだと思えた。

「どうせ、僕は…」

自暴自棄になりそうだ。

両手で顔を覆う。

涙が出そうだった。

♪♪〜

不意に携帯の着信が鳴った。

僕は、重たい身体を這って携帯の元へと手を伸ばす。

液晶には非通知の文字。

誰だ?

恐る恐る通話ボタンを押す。

「はい?」

「政宗くん?」

穏やかで、落ちついた女性の声。

「はい…そうですけど。」

「こんにちわ、清美です。
政宗くん、私を覚えてる?」

清美…って…

「清美おばちゃん⁈」

僕が驚いた声を出すと、クスクスと笑声が返って来た。

「良かった、覚えててくれて。
久しぶりね、元気?」

清美おばちゃんは、父のビジネスパートナーで小さい時から僕らと深い親交があった。

父はさて置き、母とは大の仲良しだった。

清美おばちゃんが東大の准教授になって、研究長に抜擢されてからは、忙しさから僕ら一家とは疎遠になってしまっていた。

「風の噂で、マー君が日本に来てるって聞いたの。
どう?久しぶりの日本は。」

「いや、そろそろ飽きてきたかも…」

本当は、こっちに友達がいる訳でもなく遊ぶ場所も限られているからつまらないだけなんだ。

「大きい声じゃ言えないけど、福岡も長居すれば飽きるわよね…。
どう?マー君、東京に来ない?」

「東京に?」

「そちらの御祖父母には私がお願いしてみるから、マー君はこっちにいらっしゃいよ。
大学の研究所を案内するわよ?」

東大の研究所…。

理科オタクの僕には、繁華街やテーマパークよりも魅力的
な場所のお誘いだ。

「行っても良いんですか?」

「もちろんよ!」

清美さんは喜々として、僕を歓迎してくれた。

祖父母にも頼んで、僕は翌日から東京へと移動した。

No.440 12/11/17 19:17
ゆい ( vYuRnb )



羽田に着いて、ロビーに出ると清美おばちゃんが手を振って満面の笑顔を僕に向けた。

「久しぶりねぇ!
すっかり大きくなってー!!
お父さんの若い頃と瓜二つよ?」

「清美おばちゃんも、相変わらずキレイですね。」

本心だった。
だけど、清美おばちゃんは「もう、いい歳よ?」と照れた様に謙遜した。

清美おばちゃんの車は、真っ赤なポルシェで僕はこの人に良く似合う車だと思った。

「何だか不思議。」

「え?」

僕の横顔に目を細めて、清美おばちゃんは呟いた。

「何だか、若い頃の吉宗とデートしている気分だわ。」

父さんと…?

「僕って、そんなに父さんに似てる?」

「えぇ、よく似てる。
でも、当時の吉宗よりもマー君の方が洗礼された美男子よ?
彼は…ふふっ、なんて言うか…冴えない男の子だったから。」

思い出し笑い。
清美おばちゃんは、昔を思い出して吹き出しながら笑った。

僕は、サイドミラーに写る自分を見た。

父さんと似ている僕…

少し前ならきっと嬉しかった。

だけど、今は嫌で仕方ない。

「ねぇ、マー君。
大学に着いたら、ちょっとお願いがあるの。」

「お願い?」

「そう。良いかしら?」

何だろう。

「僕に出来る事なら…」

「貴方にしか頼めない事よ。」

清美おばちゃんは、何かを企むような含み笑いを浮かべた。

イタズラ好きの彼女のこの顔に、僕は幾度となく泣かされた事がある。

幼稚園の頃には、苦手だったカエルをプレゼントと表して箱に入れて僕に手渡した。

小学生の頃も、大嫌いなセミを僕のシャツに忍ばせた。

清美おばちゃんは、時に僕を困らせ泣かせる悪い女性だった。

だけど、僕はなぜかこの人が大好きだ。

優しいだけじゃない。
僕達家族を、いつも温かい目で見て慈しんでくれていた人だったから。

だから、騙されてしまうかも…?と、半ば思っていても、僕は彼女の願いを断れないのだ。

それが…僕の人生を変えてしまうかもしれない出来事だったとしても…。

No.441 12/11/17 21:17
ゆい ( vYuRnb )


そして、僕の嫌な予感は当たった。

大学の研究室で待ち構えていたのは、あからさまに不機嫌な様子の女の子だった。

「彼女は、優。
私の娘…マー君、仲良くしてあげてね。」

ニコニコと微笑むおばちゃんの横で、その娘は「フンっ!」と、しかめ面で顔を背ける。

何だか感じが悪い子だな。

僕は、軽く挨拶をしたが彼女の印象は良くなかった。

それに、僕は清美おばちゃんはずっと独身だと思ってたから彼女に娘がいたなんて驚いた。

学生服を着ているし、さほど僕と変わらない年齢なんだろう。

「じゃぁ、挨拶も早々で悪いけど優、後は宜しく!」

清美おばちゃんは忙しそうに白衣に身を包んで、彼女に放つ。

「え?おばちゃん?」

「ゴメンね、マー君。
私、仕事で缶詰めなの…夫は出張中だし、優が一人になってしまうのよ。
女の子を一人で家に残すのは心配だから、一緒に家に居てあげて?お願いね。」

おばちゃんのお願いって…!

「そんなっ!僕だって…っ!」

そこまで言って言葉を飲み込んだ。
僕だって何だ?

一応、年頃の男子なんだと自分で言うほど、僕は成熟じゃない。

チラリと、優を見た。

彼女は、僕を冷たい眼差しで見ていた。

その視線すら痛い。

「大丈夫よ。
マー君は、紳士的だから。」

おばちゃんは、呑気に笑って部屋を出た。

残された僕と優の間に、気まずい空気が流れる。

「…あの人、いつも勝手なの。
行くわよ。」

素っ気ない態度で、カバンを肩に掛けて彼女は踵を返す。

戸惑いながら、僕も慌てて彼女を追いかけた。

彼女が住む家は、大学から歩いて10分程度の立派なマンションだった。

都心の一等地でこの広さなら、きっと億ションと言われる物件なんじゃないかな。


キレイ過ぎる生活感のない部屋で、僕は目を丸める。

ここへ来る間、僕らは会話を交わす事はなかった。

「なんだか凄い家だね。
テレビドラマに使われそうな部屋だ。」

「…別に、生活感がないだけよ。」

「確かに、綺麗すぎるね。
おばちゃんは、キレイ好きなんだ。」

ギスギスした空気が嫌で、僕は彼女の機嫌を伺う様に口元を緩めて言った。

「あの人?
さぁ、どうかしらね。
ここの掃除も、食事の用意も全部家政婦さんがしてるのよ。
あの人は、大学が家みたいな仕事女だから。」

「あの人って…そんな言い方はないよ。
君のお母さんだろ?」

少しムキになって言うと、優は鼻をフンっと鳴らした。

そして、僕を睨み付けた。

「あの人は、単なる私の継母よ。
本当の母親じゃない。」

ままはは?

「それって…」

「去年、いきなり父が連れて来たのよ。
今日から私の母親になるって勝手に決めてきて。
いい迷惑よ。」

優のセリフに、僕は言葉を失った。

でも…清美おばちゃんは、良い人だよ。
そんな言葉は、きっと優には響かない。

強く、そう思った。

No.442 12/12/07 00:57
名無し442 

主様、お変わりありませんか?

時間に余裕が出来ましたら更新、宜しくお願いします。

ずうっと楽しみにしてますので(^-^ゞ

No.443 13/01/22 23:37
ゆい ( vYuRnb )


優が部屋に閉じ籠ってしまったから、僕は暇を持て余す。
最初の数十分は、ここから眺める都心の景色を満喫できた。

だが、流石にその美しい景観を眺めるのにも飽きが来た。

何か本でも読みたい。

だけど、断りもなく他人の書斎に踏み入るのもどうかと考えた。

優に許しを貰う事も何だか憂鬱だった。

こんな事なら、福岡にいた方が良かった。

おばちゃんに謝って、明日にでも福岡へ帰る?

でも、東京へ行きたいと懇願して許しをもらった矢先に帰るのもバツが悪い。

「夕食、どうする?」

「わっ⁈」

ブツクサと考え事をしていた背中に、優の声がして僕は肩を跳ねあげた。

「なによ?1人でそわついてバカみたい。」

バカ…だと?

優は愛らしい風貌とは裏腹に性格がキツく、可愛げがない。

「アメリカから来たんでしょ?
もしかして、あまり日本語が分からないの?」

揶揄するように鼻で笑う優に、僕は腹を立てた。

「君は何に怯えているの?
僕か?それとも、清美さんか?」

僕も性格が悪いな…

優の触れて欲しくない確信部分にこうして、半分小馬鹿にしながら触れてしまうのだから。

見ろ…

優の瞳を。

僕を睨み付けて、唇を噛んでる。

それだけで十分だろ…十分、彼女を傷付けたのに…

だけど、僕の口は止まらない。

「君のその横柄な態度は、弱さを隠す為の小芝居にすぎない。
本当の君は、臆病者で小心者なんだろ?
人を傷付ける様な態度で自分が傷付かない様に守ってるだけだ。」

優の真っ赤になった瞳から、涙が溢れた。

生まれて初めて、女の子を泣かしてしまった。

「貴方に、私の何が分かるの?」

優、僕が言った戯言に悔し涙を流す君は…

君も、同じなんだよ。

否定しないんだろ?それなら…

「分かるよ…僕も同じだから。」

君と同じ…天邪鬼な弱虫だから…。

あぁ、知的センスがなさすぎだ。

僕の散々な言葉に流した涙が零れる。

もっと、違う言い方があったかも知れないと、後悔したが遅い。

泣かしてしまった女の子の慰め方が分からない僕は、後悔と自己嫌悪に苛まれて…結果、優に抱き付いてしまった。

そして、何故だか

僕の目からも涙が溢れた。

なんて…カッコ悪いんだ…




No.444 13/01/23 00:34
ゆい ( vYuRnb )


ずいぶんと懐かしい夢を見た。

あれは…いつの頃だったのだろうか…

「吉宗君ば、頑固やけん!
頭がよかからって、何でも理屈で物事を片付けんでよッ!!」

「理屈やなくて、ちいと考えれば分かる事やろ?
西田はもうちいと頭つこうた方がよかよ!
これじゃ、其処らのつまらん女と一緒やけん…」

口論の先に、西田がハラハラと泣き出した。
女の子を泣かしたのはそれが初めてで僕は慌てふためく。

夕暮れの生徒会室で、テンパった僕は咄嗟に西田を抱き締めたんだ。

「女の子を泣かして、慌てた挙句に抱き締めたの?」

僕の思い出話しに、クスクスと美桜が笑う。

「今考えれば、随分と大胆な事をしたと思うよ。
女の子を抱き寄せたのも初めてだったし、離すタイミングとか分からないし…。」

「吉宗さんらしいわ…。
女の子の方はきっとドキドキしたでしょうね。」

「嫌…だったんじゃないかな?
ケンカの途中で泣かされた訳だし…」

バカね、と美桜は続けた。

嫌なら直ぐに離れて平手打ちの一発でも喰らわせたと…

女の子が、
男の人に黙ったまま抱かれるのは…

その瞬間からその人に恋心を抱いたからなのだと…。

美桜曰く、僕は天性の女垂らしでプレイボーイだと随分な難癖を付けた。

出来る事なら、息子の政宗には受け継いで欲しくない血統なんだとか…。

夫婦の寝室で、僕らが想うのは家出した息子の事ばかり。

政宗…僕とよく似たお前は、僕を憎んでいる。
この蟠りを埋めるには、僕はお前に何をしてやるのが一番良いのだろう。

「マー君、今頃なにしてるのかな…」

表情を曇らせる美桜の手を握り、僕は微笑む。

「きっと今頃、女の子を泣かしてテンパって抱き締めてるはずだよ。」

「やめて。」

本気で美桜が怒る。

そんなに、政宗が僕に似るのが嫌なのか…。

ま、そんな心配は要らない。

あいつは、僕よりも遙かに疎くて草食系男子だからね。



No.445 13/03/03 23:32
ゆい ( vYuRnb )


「放してよ…変態。」

「あっ…ごめっ…」

ん?
こいつ今、僕を変態呼ばわりした?

ドスの効いた声に慌てて腕を離したけど…『変態』とは随分だ。

「あんたって、自分の父親そっくりなのね。」

父さん…?

「…何で、君が僕の父さんの事を知ってるんだよ。」

「知ってるわよ。
あの女が聞いてもいないのに、あんたの父親の事ばかり話すんだもん。
『元・旦那』さんなんだってね?」

「え…?」

優の口から放たれた言葉に、僕は体が硬くなった。

今…確かに優は言ったよね?

『元・旦那』って…。

母さんと不倫してた時の結婚相手が清美おばさん?

「嘘だろ…」

自分でも顔が青ざめていくのが分かる。

「まさか…知らなかったの…?」

優が失言だと悟った時には遅かった。

「ごめんなさい…私…」

肩に添えられた彼女の手を振り切って、僕はマンションを飛び出した。

信じられない…
信じられない!
信じらんねーよ!!

何で、清美さんは憎いはずの僕ら家族と仲良くしてられるんだよ!

何で、父さんは平然としてられるんだよ!

何で、母さんは清美さんと笑って話なんか出来てたんだよ!!

訳が分からない…

何なんだよ…普通じゃない。

こんな関係って普通じゃないだろ。

僕は怒りと戸惑いから震える手で、携帯を握った。

コール音が鳴り響く。

「早く出ろよ…!」

8回くらいコールを鳴らしてようやく出た相手に、僕は怒りをぶつけた。


No.446 13/03/04 00:37
ゆい ( vYuRnb )


「It is what kind of thing!」
(どういう事だよ!!)

「政宗か…どうしたんだ?」

父親の落ち着いた声が、腹ただしかった。

「Because my native language is English,
talk in English.」
(僕の母国語は英語なんだ、だから英語で話してよ。)

日本語で、丁寧な表現を使って父と話すのはゴメンだった。
英語なら下手に出て話す必要はないからだ。

電話の向こう側で、父の溜め息が聞こえた。
僕への呆れた様な溜め息だった。

「I did it how?」
(どうしたんだ?)

仕方なく、英語で返す父が益々憎かった。
折れたつもりで僕に合わせようとしているからだ。

「you are worst…!
I do not forgive you.…As for the mother!」
(父さんは最低だよ!
僕は、あんたを許さない…それから、母さんの事も許さないからな!)

「I do not forgive tow people!」
(絶対に、二人を許したりしない!)

英語でそう、喚き散らす僕を通りすがりの人々がジロジロと見ていた。

そんな視線を気にも止められないほどに、僕は怒っていたんだ。

「Calm down…」
(落ち着け…)

そんな僕とは真逆の父の低くて穏やかな声。

「Do not speake ill of a mother.」
(母さんを悪く言うな。)

父さんが庇うのは、いつだって母さんだけ。
父さんは、母さんがいれば僕なんてどうでもいいんだ。

だから、つい最低な言葉が口をついて出てしまった。

「I am ashamed when I think that such a person is mother.」
(あんな人が僕の母親なんて恥かしいよ。)

勢いでも、なんて事を言ってしまったんだと後悔した。

電話の先は、しばらく沈黙が続いた。

なんか…何でも良いから、僕を宥める事を言って欲しい。

でないと、引っ込みがつかないんだ。

「Is it so…」
(そうか…)

僕は、父を完全に怒らせてしまったらしい…

「Then never come back to the house.」

父は、静かだが冷たく重たい口調でこう話すと通話を切った。

『それなら、二度と家には戻って来るな。』

ツーツーと鳴る電話を、僕は耳から離せずに茫然と立ち尽くす。

何で…あんな事を言ってしまったんだろうか…。

母さんの事…恥かしいなんて思った事なんか今の今まで無かったのに…っ。


No.447 13/03/04 16:25
ゆい ( vYuRnb )


とぼとぼと携帯を片手に歩いて、着いた場所は清美おばさんの研究室前だった。

「戻って来ちゃったよ…」

中に入るべきか、帰るべきか…。

おばちゃんに会ったとして、一体何を話すべきなのか分からない。

入口前で迷いながらウロウロとしていると、白衣を着た研究員がゾロゾロと出て来た。

その中には勿論おばちゃんも居て、バッチリと目が合ってしまった。

「マー君?」

もう…逃げられないな。

僕は観念して、おばちゃんに近寄った。

「ちょっと抜けるわね…」

おばちゃんは他の研究員にそう言うと、柔らかな笑みで僕の肩をそっと抱いた。

「テラスでお茶でもしましょ。」

まるで、僕がここに来た理由も言わんとする事も清美さんには全部分かっている様な口振りだった。



No.448 13/03/04 16:34
ゆい ( vYuRnb )


空が茜色に染まる。
その色が、紅茶に溶け込んで揺れる。

「何から話しましょうか…」

おばちゃんは、慎重に考えた様子で一間を置いて紅茶を啜った。

そして、ゆっくりと遠くの景色を見る様に父との思い出を語った。

この大学で、おばちゃんは父と出会い、そして恋に落ちた事…。

今まで、誰にも話しはしなかった秘密を僕に話し出したのだ。

No.449 13/03/04 17:03
ゆい ( vYuRnb )


昼下がりの穏やかな中庭で、初めて貴方を見かけました。

「見てー、あの人…またあんな所で寝てる。」

次の講義を受ける為に、私は友人達数人で校舎の移動をしていた。

「あぁ…あの人、院生の西島先輩でしょ?
なんでも先月アメリカから帰国したらしいわよ。」

その人の名前は以前から知っていた。
父の書斎には、彼が書いた論文が幾つもあったから。

父は、彼を特別可愛がっていた。

何度か家にも上がり込んでいたが、私は父やその周りを取り込む環境には興味が無かった。

だから、実際には彼の顔を見る機会は無かったのだ。

「アメリカって、留学してたの?
あんな人が?」

「MITにいたらしいよ。」

「「MIT?!」」

彼が噂になっていたのは、彼が天才だからでもなく特別ハンサムって訳でもない。

彼の風貌に問題があったからだ。

彼は、いつも襟の伸びたシャツを着ていて襟足まで伸びた髪はボサボサ。

銀縁メガネで、白衣はいつもシワシワだった。

おまけに…よく、庭園のベンチで草履を履いて昼寝をしていた。

本当にダサい。

「あの人って、坂田教授の研究員でしょ?
清美…大丈夫?
なんか変な事されたら直ぐに訴えなよ?」

友人の冗談に笑って、私は適当な相槌を返した。

多分、あの人にそんな勇気はないだろうし、私があの人に興味を持つ事も一生ないだろうと思っていた。

No.450 13/03/05 23:46
ゆい ( vYuRnb )

その日は、午前中の講義が教授の都合で休講になった。

何と無く友人の誘いを断って、私は中庭のベンチで一人本を読んでいた。

「あれ、先客だ。」

手元が暗くなり見上げると、そこには彼が頭を掻いて立っていた。

西島先輩…だ。

白衣のポケットに片手を入れて、気怠そうに私を見ている。

「ここ、先輩の陣地でしたね。
失礼しました。」

私は、本を閉じて教科書の入ったクリアケースを手に立ち上がる。

「あ、大丈夫だよ。
ごめんね、気を使わせて…」

初めて、彼の声をちゃんと聞いた。

とても優しくて穏やかな声に、私は彼をジッと見つめてしまった。

「ん?何?
僕…何か変かな?」

少しはにかんだ顔が可愛いらしいと思った。

「あ、もしかして僕臭う?」

クンクンと自分の腕を嗅ぐ仕草に、私は堪らずクスっと笑った。

「参ったな…この所まともに風呂にも入れてなくて…」

恥かしそうにクシャクシャと髪を掻くから、目元が隠れてしまう。

「ふふっ…先輩、髪の毛クシャクシャですよ?
それじゃぁ、お顔が見えません。」

そう笑いながら、目に掛かった髪をかき分けた。

彼の澄んだ瞳が、私を捉える。

「うわぁ!!
ちっ…近ッ!!」

「え?」

「ご、ごめん…君の平穏な一時をジャマして!ほんと、ごめんな!!」

顔を真っ赤に染めて、慌てて逃げる様に彼は去ってしまった。

あまりにも焦って行くものだから途中で鳩にぶつかり、挙句、その鳩にもぺこりと頭を下げて謝っていた。

遂に、私はお腹を抱えて笑いながら彼の背中を見送った。

何あの人…

「可愛いー!」

吉宗は、私が出会った人の中でも特に純粋で、汚れのない人だった。

あの瞳の様に、心までもが美しい人。

私が恋い焦がれるのも無理は無かった。

腕に抱えた本。

この遺伝子学の本の通り、人はパートナーを選ぶ基準として、自らにはない分子を相手に求めるとある。

私に足りない物…

それは、純粋さ。

吉宗は、私にとって化学的にも運命の人だと言う事。

だから、惹かれるのは仕方ない。

これはきっと、必然なのだと思った。





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