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友達との割り勘について

●カメレオンと恋模様●

レス226 HIT数 12607 あ+ あ-

いくら( yZVonb )
10/11/04 23:57(更新日時)

いっぱい泣いて、いっぱい傷ついて、
たまには雨宿りもいいかもね。
雨上がりに虹が見えるかもしれない。
止まない雨はないからーーー。

※この物語は前田千花子を主人公とした小説です。
初めてということで、誤字脱字や文法の間違い、
読みにくいといった事、不快に思われる表現等があると思いますが
その時はお許し下さい。

マイペースに書きたいと思います。
最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

No.1319966 10/05/12 19:28(スレ作成日時)

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No.151 10/09/29 11:33
いくら ( yZVonb )

>> 150 ●151

携帯の電源を入れると思いも寄らぬ事態が待っていた。



ブーッ・・・

ブーッ・・・

ブーッ・・・

ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ・・・



メールを受信し続けてバイブが止まらない。

学からのメールだった。

No.152 10/09/29 12:12
いくら ( yZVonb )

>> 151 ●152

”ごめん、本当に反省してる”

”許して下さい”

”電話に出てくれるまで、電話もメールもやめない”

”お願い、電話に出て”

”何でもいいから連絡下さい”

”ごめんなさい”

”本当にごめんなさい”

”何でもするから許して”

”何でも言うこときくから”

”どげざします”

”反省してます”

”約束守るから”

”別れないでください”




こんな内容のメールが50件以上も送られてきて、

さらに送られ続けている。



ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ・・・・




携帯の振動が部屋に響く・・・。

No.153 10/09/29 14:31
いくら ( yZVonb )

>> 152 ●153

寒気がした。

一体いつまで受信し続けるの?

鳴り止まない携帯が恐かった。

電源を切っても同じ事になるからバイブにしたままクッションにはさんで

バイブの音が聞こえないようにした。

それでも、かすかに聞こえるバイブの音。



ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ・・・・



まだ受信してる・・・。

30分以上も鳴り止まない。

・・・・恐い・・・・・!!!



携帯がまるで生き物みたいに思えた・・。

No.154 10/09/29 16:06
いくら ( yZVonb )

>> 153 ●154

携帯が鳴り止んだ。

ほっと胸を撫で下ろす。

メールは100件以上も送られていた。



このまま 学を無視し続けたら またこんな状態になるのかなぁ。

やだなぁ・・・恐いなぁ・・・。




携帯を手に持った。

すると、ブーッブーッとバイブが鳴った。

心臓がキュッとするぐらい驚いた。

学からの電話だった。

  • << 157 ●155 無視すればまたメールを死ぬ程送られるかもしれない・・・。 嫌だったけど電話に出た。 「もしもし・・・」 「やっと、連絡がとれた・・・、よかった・・!」 私は返事をする気力がなかった。 「チカ、ごめんなぁ。俺が悪かった。もう、チカを困らせたりしないから・・・」 悪気なく学はそう言った。 今も充分困ってるよ。何で分からないの? 「頼むから別れるなんて言うなよ・・・」 学のすすり泣きが聞こえた。

No.155 10/09/29 18:15
匿名 ( kTminb )

>> 154 いっきに読みました!更新楽しみにしてます!それにしても…学 こわっ!(┳◇┳)

No.156 10/09/29 19:47
いくら ( yZVonb )

>> 155 主の、いくらです。

レスありがとうございます!
読んで下さっている方がいるなんて嬉しいです😃

ハイペースだったり、まったく更新がなかったりムラがありますが、今後もお付き合いよろしくお願いします😍

No.157 10/09/30 09:22
いくら ( yZVonb )

>> 154 ●154 携帯が鳴り止んだ。 ほっと胸を撫で下ろす。 メールは100件以上も送られていた。 このまま 学を無視し続けたら またこ… ●155

無視すればまたメールを死ぬ程送られるかもしれない・・・。

嫌だったけど電話に出た。


「もしもし・・・」

「やっと、連絡がとれた・・・、よかった・・!」


私は返事をする気力がなかった。


「チカ、ごめんなぁ。俺が悪かった。もう、チカを困らせたりしないから・・・」

悪気なく学はそう言った。

今も充分困ってるよ。何で分からないの?

「頼むから別れるなんて言うなよ・・・」

学のすすり泣きが聞こえた。

No.158 10/09/30 09:39
いくら ( yZVonb )

>> 157 ●156

何であんたが泣くの?

私が泣きたいんだけど。


「わかったから。もう いいから。」


早く電話を切りたかった。


「チカコぉ、今から会える?」


え!?

時計を見た。

もう、夜中の0時を過ぎている。



「今っていったって、もう夜遅いよ?」

「実はもうチカの家の近くにいるんだ」


何!?


部屋のカーテンをあけ、窓から家の前の道路を見渡した。

近くに学の車が見えた。







そんな・・・







コイツは別れたらストーカーになる・・・!

No.159 10/09/30 11:01
いくら ( yZVonb )

>> 158 ●157

家族はみんな寝ていて、家の中は静かだった。

私はパジャマの上にジャケットを着て、そっと家を出て学の車に向かった。

車の前まで行くと窓があき、中から「乗って」と学が言った。

助手席に乗ると学が車を発進させた。





「どこいくの?」

「ドライブ」




恐さと寒さで体が震えていた。

No.160 10/09/30 12:23
いくら ( yZVonb )

>> 159 ●158

車を走らせること30分。

湖に着いた。

外は寒いので、車から湖を眺めていた。

車中から続く沈黙を破ったのは学だった。



「チカコぉ、ホントにごめんなぁ・・・」

「・・・もういいよ・・・」
恐い、帰りたい。

「あのままチカと連絡とれなくなったらどうしようって、会えなくなったらどうしようって考えたら頭パニクって」

「そっか・・・」
だからってあんなにメールするなよな。

「メールとか電話とかすげーたくさんしちゃった」

「そだね・・・」
ホントにね。


「俺うざい?」

「・・・・・」

「俺の事、嫌いになった?」
うん、なんて言えるはずないじゃん。

「そんな事ないよ」と少し笑顔を作った。

「俺の事、好き?」


ホントはもう分からなかった。

けど、黙って頷いた。


「よかった・・・。ホント、ごめんな・・・」



学は静かに泣き始めた。

No.161 10/09/30 12:54
いくら ( yZVonb )

>> 160 ●159

時折、鼻をすする音が聞こえる。

大の大人が泣かないでよ。

こっちが悪い気がしてくるじゃないか。

「もう、なんとも思ってないから。泣かないで?」

何だか哀れに思えてきて学の左手に右手を重ねた。

すると、待ってましたと言わんばかりに私の右腕を強く引っ張り、

自分の方へと引き寄せ、唇を重ねてきた。




イヤだった。

気持ち悪かった。





でも、学はやめる事なくそのまま車で最後までした。

No.162 10/09/30 16:18
いくら ( yZVonb )

>> 161 ●160

学の異常なまでの執着心と嫉妬心に困惑したけど、それからしばらくは平穏に過ごせた。

というか、私が学に優しく接すれば学は異常な行動はしなかった。




嫉妬心が強いのも束縛が激しいのも、私を大好きが故。

だからしょーがない。




そう割り切った。

割り切って付き合えば楽しい時間を過ごせ、仲の良いカップルでいられた。

私が我慢さえすれば、学は優しい恋人だった。

No.163 10/09/30 17:36
いくら ( yZVonb )

>> 162 ●161


学は、嫉妬心が強く束縛が激しいものの、人前ではベタベタすることを嫌がった。

友達の前では亭主関白を気取り、二人になると子供のように甘えてくる。

そのギャップが気持ち悪かった。



でも、私が冷たくしたりキツくあたると また異常な行動に走ってしまう。

それが恐くて学が不機嫌にならないように、色んな事を学に合わせ、

学中心の生活になっていった。

学が異常な事をしてしまうのは、私が悪いからって・・・。




付き合うときとは違う関係になっていった・・・。

No.164 10/09/30 19:02
いくら ( yZVonb )

>> 163 ●162

服装も髪型も化粧に関してもも学はアレコレ口出しする。

「子供っぽい服だと一緒に歩くの恥ずかしいからヤメロ」

「髪型は、流行のコレにして」

「○○(芸能人の名前)みたいな化粧して」

なるべく学の言う事をきいた。

どんどん学に忠実な女になっていく。

No.165 10/10/20 18:35
いくら ( yZVonb )

>> 164 ●163


はぁ・・・。



学との付き合いに疲れていく。

当たり前だよね。

全部 学に合わせてるんだもの。

学に合わせて、学の言う事きいて。

こんなの私じゃない。

学に作られた学の為の彼女人形だよ。



こんなんでいーのかなぁ・・・。



そんな風に考える事が増えていく。

No.166 10/10/20 18:39
いくら ( yZVonb )

>> 165 ●164

今は3月。

今月末には春休みに入る。

春休みが明け、専門2年生になったら就職活動が待っている。

その就職活動に向けて新たな作品作りや、今までの作品をまとめなければならない。

専門生活で1番忙しい時期を迎えようとしていた。





学は大学3年生になる。

切羽詰まった私とは違い、まだまだ時間に余裕があり、

将来のビジョンも曖昧だった。

そんな中、学が本気になったのは音楽だった。





進級試験も無事に終え、2年生になり、就職活動が始まった。

私はデザイナー志望だったので、デザイン会社や広告会社・印刷会社などの説明会に参加していた。

時代は不景気まっただ中で、どこも採用人数がごくわずか。

ちゃんと就職できるのか、本当に不安になる・・・。

No.167 10/10/20 18:47
いくら ( yZVonb )

>> 166 ●165

授業と就活と就活用の勉強と作品作りで、多忙な毎日だった。

学と遊ぶ時間はかなり減ってしまった。

だけど、そのことで怒ってきたりしなかった。

以前なら、理由が何であれ自分を最優先させないとおかしくなっていたのに。




学が怒らなかった理由は

音楽という夢中になれるものが見つかったから。

No.168 10/10/20 19:02
いくら ( yZVonb )

>> 167 ●166

学は中学生の頃から、趣味でギターを弾いていた。

でも、それは本当に趣味程度で家で一人で楽しむくらい。



大学生になって、先生の紹介で知り合った翔太くんと二人で軽音サークルに入ったけど、

あんまり栄えていなくって、人もあまり集らずまともな活動はできなかった。

部室で翔太くんと二人で弾き語りをしていた。



でも、この春、新入生が10人近く入部し、それに伴って2年生や、

幽霊部員だった同級生が部室に集るようになった。

念願のバンド活動ができるようになったのだ。

No.169 10/10/30 09:11
いくら ( yZVonb )

>> 168 ●167

淋しいという感情はなかった。

学に夢中になれるものが見つかって嬉しく思った。

おかげで私も自分の事に集中できる。




バランスのとれた付き合い方ができそう。




そんな淡い期待をした。

No.170 10/10/30 09:16
いくら ( yZVonb )

>> 169 ●168

バンドに夢中なものの、連絡は怠らなかった。

バンドについて、どーしたこーしたと

少年のように話す学は微笑ましかった。



私は、企業展や会社見学した中で気になる会社をいくつかピックアップし、

いよいよ試験を受ける段階に進んだ。




不景気な中、幸運な事に一社目で私は内定をもらえた。


従業員9名の小さなデザイン会社。

初任給16万。

他の会社と比べて良いわけじゃないけど、自分の好きな事を仕事にできる。

そう思えば安い給料も気にならない。



5月の話。

No.171 10/10/30 09:22
いくら ( yZVonb )

>> 170 ●169

就職活動にもキリがつき、あとは無事に卒業するだけ。

クラスメイトが不景気で就職難の中、私は最後の学生生活を満喫するつもりでいた。



学はバンドがおもしろいらしく、オリジナル曲を作ったり、

ライブをしたり、積極的に活動していた。

でも、私は騒音と煙草が苦手で、どれだけ学に何度ライブに誘われても

見に行く気にはなかなかなれなかった。




ライブハウスは

うるさい

臭い

汚い

恐い



そう思い込んでいた。

No.172 10/10/30 09:39
いくら ( yZVonb )

>> 171 ●170

ある日、学と携帯で話していた時のこと。

「ねぇーーーー、1回でいいからライブ見に来てよ」

「イヤ。」

そんなやりとりを繰り返していた。

「チカコ、ちょっと待っててな」

そう学は言うと、携帯を誰かに渡したようだった。

「もしもし?チカコちゃん?はじめまして、翔太です。」

「あ、はじめましてー!」

翔太くんの事は学から話を聞かされるだけで、直接話したり会ったりしたことがなかった。

自分じゃ説得させられないから、学は翔太くんを使ってきたわけ。

ずるい奴だ。

「あの、ライブ、よかったら見に来て下さい」

翔太くん 緊張している・・・。かわいそうに・・・。

No.173 10/10/30 09:46
いくら ( yZVonb )

>> 172 ●171

「ん~~~~、イヤです。恐いもん。」

「・・・あ、そうですか・・・。」

翔太くんは、携帯を誰かに渡したようだ。

受話器の向こうでヒソヒソ話が聞こえる。



「あの、はじめまして!!」

次に携帯に出たのは、なんと女の子だった。

No.174 10/10/30 09:50
いくら ( yZVonb )

>> 173 ●172

「は、はじめまして・・・・・」

誰だろう?

「私、翔太の彼女です。」

「あ~~~~!マリコちゃん・・・ですよね!?」

学から何度か話 聞いたことがある!

「そーです、マリコです!あの、一緒にライブ見ませんか?
  私も最初恐かったんですけど、意外に平気ですよ♪」

「そーなんですか・・・」


そうして、学・翔太くん・マリコちゃんの3人に代わる代わる説得され、

ライブを見にいくハメになった。

No.175 10/10/30 10:01
いくら ( yZVonb )

>> 174 ●173

翔太くんが車で迎えに来てくれた。

その車には、学とマリコちゃんと他のメンバー二人がいた。



学はメインギター。

翔太くんはギターボーカル。

ケースケはベース。

しんちゃんはドラム。



これが、学のバンドのメンバー。

みんな大学のサークルの仲間。

No.176 10/10/30 10:12
いくら ( yZVonb )

>> 175 ●174

ライブハウスに着き、機材や荷物を楽屋に運ぶ。

中にはすでに、何人か他のバンドの方がいた。

挨拶をして、荷物を置く。



やっぱり臭い。楽屋は煙草の煙が充満している。

壁やソファに臭いが染み付いている。

頭が痛くなりそーだ。



うちらの後にも、他のバンドが楽屋に続々と入ってきた。


シャツからのぞく腕にはタトゥーがびっしり。

顔面ピアス。

頭の色はカラフルで、みんな髪をツンツンに立てている。

鋲ジャン・革ジャン。



見るからに恐い人達ばっかりだよ。

私の人生に、今まで接点のない人種だ。

No.177 10/10/30 10:42
いくら ( yZVonb )

>> 176 ●175

学は他の恐そうなバンドの人達と話し始めた。

それにケースケも加わった。



しんちゃんはイヤホンをつけて、

何か聞きながら丸いゴム板みたいなのにスティックでリズムを刻んでドラムの練習をしている。



翔太くんはマリコちゃんと二人で楽しそうに話している。

二人だけの世界。そして、仲良く手を繋いで出掛けて行った。




私・・・・・一人じゃん。

No.178 10/10/30 11:25
いくら ( yZVonb )

>> 177 ●176

学とケースケはまだ他のバンドの人と楽しそうにしゃべっていて終わる気配はない。

しんちゃんはもくもくとひたすらドラムの練習。

翔太くんとマリコちゃんは、まだ戻って来ない。



何の為にここに一緒に来たのかな・・・。

必死に説得したくせに、放置って・・・。

私来なくてもよかったんじゃん。




すごく、疎外感。

私の居場所ないし。

やっぱり、来るんじゃなかった。

No.179 10/10/30 11:26
いくら ( yZVonb )

>> 178 ●177

疎外感に耐えきれなくて、楽屋を出た。

ライブハウスを出た。

街をぶらついた。

洋服を見たり、小物を見たり、一人で時間をつぶしていた。



学たちのライブだけ見たら、電車でさっさと帰ろう。

No.180 10/10/30 11:27
いくら ( yZVonb )

>> 179 ●178

そろそろライブが始まる時間かなぁ、と携帯で時間を確認。

すると、着信があった。

学と、翔太くんと、マリコちゃんから。



あ、そっか。

誰にも何も言わずに出てきちゃったからな。

心配させてるかも。

急いで、学に連絡した。

  • << 184 ●179 「今どこ!?」キレ気味に学が言った。 「えっとー・・・・○○ビルのところを歩いてるよ」 「迎えに行くから待ってて!!」 5分くらいして、学が走って迎えにきた。 「あのさー・・・何やってんの?」あからさまに不機嫌な態度。 「何って・・・散策かな」 「何勝手にいなくなってんだよっっ!!」 大きい声で怒鳴られた。すごい形相で。 びっくりして、恐くて、何も言い返せなかった。

No.181 10/10/30 16:31
秋扇公主 ( aVaWh )

主さん、こんにちは。

「自分も相手も駄目にしてしまう」恋愛の描写を興味深く読んでいます。

こちらに書き込むと話の腰を折ってしまう気がするので、
お手数ですが、感想スレを立てていただけませんか?

No.182 10/10/30 17:01
いくら ( yZVonb )

>> 181 秋扇公主さん、こんにちわ😃

読んで頂いてありがとうございます!

感想スレですか・・・。

あんまりアクセス数も増えないので必要ないかな、と思ってました💦

でも、これをキッカケに感想スレ立てますね👍

No.183 10/10/30 17:17
いくら ( yZVonb )

主のいくらです。

感想スレ作ってみました!

こちらです↓
http://mikle.jp/threadres/1453975/

感想やアドバイス等、何かご意見がありましたら感想スレの方にお願いします🌷🌷🌷

※誹謗中傷が酷くなったときはソッコー閉鎖します。その時はごめんなさいm(_ _)m

No.184 10/10/30 17:20
いくら ( yZVonb )

>> 180 ●178 そろそろライブが始まる時間かなぁ、と携帯で時間を確認。 すると、着信があった。 学と、翔太くんと、マリコちゃんから。 … ●179

「今どこ!?」キレ気味に学が言った。

「えっとー・・・・○○ビルのところを歩いてるよ」

「迎えに行くから待ってて!!」



5分くらいして、学が走って迎えにきた。

「あのさー・・・何やってんの?」あからさまに不機嫌な態度。

「何って・・・散策かな」

「何勝手にいなくなってんだよっっ!!」

大きい声で怒鳴られた。すごい形相で。

びっくりして、恐くて、何も言い返せなかった。

No.185 10/10/30 17:31
いくら ( yZVonb )

>> 184 ●180

「行くぞっ!!!」

「あ・・・うん・・・」

「さっさと歩けよな!!!」

学はそう言ってスタスタ歩き始めた。

私は小走りでついてった。


その間、すごく淋しかった。


私が出ていった事にも気付かなかったくせに。

何でそんなに怒るんだよ。

No.186 10/10/30 17:39
いくら ( yZVonb )

>> 185 ●181

ライブハウスに着くと、入り口で翔太くんとマリコちゃんが待っていてくれた。

学が不機嫌なオーラをガンガン発していたので、翔太くんとマリコちゃんは戸惑っていた。

「ごめんね、ちょっとブラブラ買い物してたんだ」二人に言った。

学は翔太くんとマリコちゃんがいるにも関わらず、

怒りオーラをそのままに私の事を無視してスタスタと中に入って行った。

「学くん・・・怒ってるみたいだけど大丈夫?」

マリコちゃんが心配して小声で聞いてくれた。

「うん、大丈夫だと思う。気にしないで。」と笑ってみせた。

No.187 10/10/30 17:51
いくら ( yZVonb )

>> 186 ●182

「あ、そーだ、チカコちゃん!美味しそうなクレープ屋さんがあったから、後で食べに行かない!?」
とマリコちゃんが言った。
「クレープ?」

「うん。さっきマリと二人で歩いてたら見つけてさ」

「いいね!行きたい!」

「うん!じゃあ、ライブが終わって一息ついたら行こうね♪」

翔太くんもマリコちゃんも私に気を遣ってくれたんだよね。

悪い事したなぁ。

No.188 10/10/31 11:05
いくら ( yZVonb )

>> 187 ●183

ライブハウスがオープンして、1つめのバンドの演奏が始まった。

そして、2つめ・・・。

学たちは3番目だった。

それぞれメンバーは準備を始めている。

マリコちゃんは翔太くんの専属スタッフみたいになっていて、あれこれ準備をテキパキと手伝っていた。

私は 何にもできずに ただ見ていた。



煙草の臭いで頭が痛い。

No.189 10/10/31 11:46
いくら ( yZVonb )

>> 188 ●184
また、襲ってくる疎外感。

もうすぐライブが始まるから、あと少しの辛抱だ。

私は楽屋を出て屋上へ続く階段で座って待っていた。

ここからだったら、楽屋の人の出入りも見える。

あんなに、疎外感を感じるくらいだったら 一人でいる方が楽だわ。

頭も痛かったので壁にもたれてしばらく一人でぼーっとしていると、楽屋から学たちが機材を持って出て行く姿を見た。


そろそろかな。

No.190 10/10/31 11:49
いくら ( yZVonb )

>> 189 ●185

階段を下りてみんなの後をついていった。

マリコちゃんの姿もあり、後ろから方をポンと肩を叩いた。

「あ!チカコちゃん!今からだよ!」

「うん、そーみたいだね。」

「私とチカコちゃんは、一般客の入り口から入るんだよ」

「あっちの入り口?」

「そう!」マリコちゃんはくるっと振り向き、

「翔太!頑張ってね!
!」

と舞台袖に続くドアの前で準備している翔太くんに手を振った。

翔太くんも笑顔で手を振った。

仲が良くてうらやましいな・・・。

No.191 10/10/31 17:58
いくら ( yZVonb )

>> 190 ●186

いよいよ ライブが始まった。

スポットライトを浴びギターを弾きながら歌う翔太くんはめちゃくちゃカッコ良かった!

学は、ど素人の私でも分かるようなミスを連発していた。

みんなの足を引っ張っているように見える。

でも得意のトークでライブを盛り上げようと必死になっていた。

若干空回り気味にも見えたが楽しそうな学の姿を見ることができてよかった。

そう思いながら見守っていた。

No.192 10/10/31 22:04
いくら ( yZVonb )

>> 191 ●187

学たちの出番が終わり、いそいそとみんな機材を持って楽屋へ戻った。

メンバ-みんな汗だくで、椅子や床にへばりついていた。

そこに、先に演奏したバンドやこれからの出番のバンドの人たちが入ってきた。

「お疲れ様ーーー!すげぇよかったよ!」

「楽しかったッスよ!!」

などと、また会話が始まっていた。

賑やかな楽屋を私はこっそり抜け出し、ライブハウスを出た。

「チカコちゃん!」

追いかけてきたのは翔太くんとマリコちゃんだった。

No.193 10/10/31 22:08
いくら ( yZVonb )

>> 192 ●188

「どこ行くの?」

「もう、ライブ見たし帰ろうかと思って」

「一緒に帰らないの?」

「うん、頭痛くなってきちゃったから」

「そっかぁ・・・」

マリコちゃんは残念そうな顔をした。

「一応、自分で学にはメールするけど、翔太くんからも私が帰ったこと伝えておいてもらっていいかなぁ?」

「いいよ。気を付けてね」

「ありがと、また今度クレープ食べようね」

私は駅へ向かう。

No.194 10/11/01 00:59
いくら ( yZVonb )

>> 193 ●189

「ただいまー」

家に着き、キッチンへ向かうと母が椅子に座ってテレビを見ていた。

「アレ?チカコ、今日遅くなるんじゃなかった?」

「うん、その予定だったけど頭痛くなってきちゃって、早く切り上げてきた」

「晩ご飯は?」

「食べてない」

「そうなの?食べてくると思ったから、用意してないよ」

「うん、自分でテキトーにするから、気にしないでー」

私はバスルームへ向かった。

No.195 10/11/01 09:58
いくら ( yZVonb )

>> 194 ●190

・・・臭い・・・。


髪の毛にしみついた煙草に臭いがなかなか消えない。

学は、私の前では煙草を吸わない約束だった。

けど、そんなのどこかにいってしまったみたい。

楽屋でプカプカ他の人達と吸っていた。


こうやって最初にした約束がアッサリ破られていくんだな。


私を束縛しない。
わがままを極力きくこと。

私のする事に文句を言わない。

「俺の事好き?」と聞かない。

この4つはもう既に守られていない。

No.196 10/11/01 10:01
いくら ( yZVonb )

>> 195 ●191

付き合うという事は、どちらかが上とか下とかじゃなくて、対等な関係が理想だっていうのは分かってる。

だから、長く付き合うのなら尚更 約束を少しずつ緩和していくことは仕方ないと思っていたし、そうあるべきだとも考えていた。



だけど、こんなにアッサリ、私への配慮もなく約束を破られると情けなくなってくる。


約束を守れない学に対して。

約束を守ってもらえない私に対して。

No.197 10/11/01 10:41
いくら ( yZVonb )

>> 196 ●192

バスルームを出た。

体はスッキリしたけど、気持ちは晴れない。

夜の10時過ぎ。

お茶漬けをささっと食べ自分の部屋に戻る。



携帯には学ぶからの着信とメールが何件かあった。

メールは私が早く帰ったことを責める内容だった。

頭が痛くなったから帰るとメールしたのに、それを心配する言葉はどこにもなかった。



学にとって、私はその程度の存在なのか。

No.198 10/11/01 11:27
いくら ( yZVonb )

>> 197 ●193

電気を消しベッドに入るが、頭が妙に覚めていて寝付けない。


何でかなぁ・・・。


今日の出来事が頭の中をぐるぐる駆け巡る。

頭痛とともに。




ベッドに入ってどれくらい時間がだっただろう。

携帯が鳴った。

学からの着信だった。

No.199 10/11/01 13:44
いくら ( yZVonb )

>> 198 ●194

学からの着信を無視した。

でも、またしばらくすると鳴り始める。

その後も続けて5回電話を掛けてきた。



この人は、本当に私の事が心配ではないんだ。

5回も電話して出なければ、寝てるとか体調が悪いとかって思わないかなぁ。



15回目の着信で電話に出た。

No.200 10/11/01 17:47
いくら ( yZVonb )

>> 199 ●195

学の第一声「もう寝てた?」。

そう思うなら電話してくるなよ。15回も。

「うん・・・」眠たそうな声で答えた。

「あのさ、何で先に帰るの?」不機嫌そうな声で学が続ける。

「俺の面目丸つぶれじゃん。すげー恥かいたんだけど。彼女が彼氏置いて先帰るってどーよ?」



こいつは・・・文句を言うためだけに、夜中に何回も電話してきたのか。

少しずつムカムカしてきた。

  • << 201 ●196 「あのね、メールでも伝えたし翔太くんにもお願いしたから分かってると思うけど、私ね頭がすごく痛かったの」 「だから?そんなの我慢すりゃいーじゃん。」 ・・・え・・・何だって・・・? 「頭痛ぐらい我慢できんだろーよ。そんなんでいちいち先帰るなよ。こっちが恥かくんだよ。彼女だったら彼氏を尊重するのが当たり前だろ。」 怒りを通り越して飽きれてしまった。
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