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海未の名は?ンミチャ!海未です!

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作家
19/07/03 15:03(更新日時)

あらすじ

東京は音乃木坂に住む高坂穂乃果と園田海未は実は前世からの付き合いらしい。
やがてふたりは夢の中で前世での悲しい出来事を知るが----。
出会ってしまったふたりが前世から動き出すアニメ『ラブライブ!』前史。

本物語はいうまでまなく『君の名は。』の『ラブライブ!』によるパロディである。

18/01/22 09:26 追記
キャストコメンタリーは通常アニメ作品DVDで本来は放送後や製作後におこなわれますが、今作品はあくまでパロディなので息抜きで入れております。ご了承ください(笑)。

海未「単純にレスが埋まらないからではないですか?」

主「💔」グサッ!

穂乃果「主さぁ〜ん!」

☆ちなみに『マクロス』や『ガンダム』など他作品の名前がいくつか出てきますがメタフィクションか伏線かいずれかです。

No.2585380 18/01/07 18:32(スレ作成日時)

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No.1 18/01/07 20:01
作家0 

知らない目覚ましの音。
パンパン!パンパン!パンパン!パパンパパン!
……チャ、……チャ
可愛らしい女の子の声が聞こえる。
海未です。私は海未。
「そうだ!スクールアイドルしよう」
しませんと断る。彼女の声はなぜか遠ざかりながら名前を名乗る。
「なまえはほのか!」
どこか子犬みたいな少女の姿と声が残る。
そこで目が覚める。
なまえは……ほのか?
私の胸はなぜかドキドキとしてます。
パパン!パパン!パンパン!パンパン!
なぜか三三七拍子が耳に聞こえます。私は起きました。
「?」
気づくといつもの私よりも大きな胸の谷間がありました。
じーん。
なぜか深く感動する私がいました。
揉みましょうか。揉んでいいですよね?
「なあ、まだツッコミ来ないん?」
「ツッコミてそんな芸人ではありませんし」
ふと気づくと関西弁で見た目は『ガンダム』のドムみたいなふくよかな女性がいました。
「ウチ!ドムちゃうし」
「いやドムです」
「ウチの名は」
待ってくださいと私は彼女の名前を考える。
「つばさ」
「ジクザクサンバ♪それ『キャプテン翼』や!」
「ひかり」
「ちゃうわ!綺麗な名前やけど!」
「う〜ん、『勇者特急マイトガイン』?」
「銀の翼にあたしを乗せて!ともせ!平和の青信号!勇者特急マイトガイン!定刻通りにただいま参上やん!て違う!」
この女性が三三七拍子で私の前で踊っていたのでしょうか?
「なぜ三三七拍子?」
「いまさらツッコミ!ウチの名前はあんたの姉の希やん!ノ・ゾ・ミ!穂乃果ちゃんアホになったん?」
「ほのか?」
「とにかくあほになるんは催事の時だけやん」
希という女性が襖を閉めようとした時に呼び止めました。
「待ってください!ヒカリアン!」
「希や」
「待ってください!シンカリオン!」
「誰が!シンカリオンや」
呆れて襖を閉められた私は鏡を見るとそこには本当に子犬みたいな少女の可愛らしい姿がありました。
この子が穂乃果でしょうか。
じーん。
また感動してしまったわたし園田海未ですがあることに気づきました。
別人になってます?
なぜ?どうして?
疑問は尽きません。
そしてわたしは叫びました。
すると希がやってきました。
「うるさいねん!アホのかちゃん!」
ひどい言われようです。

No.2 18/01/08 11:38
作家 

「お姉ちゃんおそい」
妹の花陽の声がした。
「明日はあたしが作るよ」
「またパンの日々。パンが二枚でパンツや!」
「希ちゃん!」
あたしの名前は穂乃果。パン好きなどこにでもいる女子高生!ふと見るとおばあちゃんの雪穂が見ていた。
「今日はふつうやな」
「え?なに」
「昨日は穂乃果ちゃんがついに自分でワシワシしょってん!」
え!?ワシワシ!?
ちなみにワシワシとは正しくワシワシMAX。希ちゃんのハレンチにお胸をつかむチカン行為。
「誰がチカンや!」
「チカンでしょう!」
言い合うなかご飯や味噌汁、目玉焼きに箸をつけるなかピンポンパン♪とスピーカーが鳴る。
『皆さまおはようございます。またはハラショー!』
なぜロシア語かというとこの町にいるロシア人のクォーター姉妹絢瀬しすたーずがいるから。
絵里ちゃんはポンコツ、妹の亜里沙ちゃんが可愛い。
『ぶぇっくしょい!誰!?ウワサしたの』
今日の放送は絵里ちゃんだった。ロシア人クォーターのわりにそこそこ町や日本の文化はわかっているよう。
『来月二十日には町長選挙がありわたし絢瀬絵里も立候補します!負けないわよ!高坂ファミリー!』
ぶつりと放送が途切れた。雪穂おばあちゃんはなにかと絢瀬絵里が嫌らしい。代わりにテレビを点ける。
『九千年ぶりに訪れるハイコウ彗星が一ヶ月後に訪れます。肉眼でも観察できるようです』
テレビは『ハイコウ彗星』で待ちきりでNHKの放送を聞きながらわたしたち四人は食事をした。
「なあ穂乃果ちゃん花陽ちゃんワシワシ」
「させない」
とあたしと花陽ちゃんの声が重なる。希ちゃんは悪い子じゃないけど年中よっきゅうふまん。
雪穂おばあちゃんはそんなハレンチな希ちゃんをにらむ。
こわいね。
それにしても昨日何かあったかな?とりあえず明日はあたしが食事当番だよ!
パンの日だよ!
パン!

No.3 18/01/08 16:13
作家 

いってきま〜す!
あたしと花陽ちゃんはここ乃木坂町の学校へ向かい(ちなみに乃木坂46とは無関係)希ちゃんは町唯一の交番で婦警さんをしながらいつか町に新幹線を通したいと願ってるんだよ。警官だけど新幹線が好き。だけど山の中を新幹線が通りすぎたらただの通過地域だよ。
「ぐはっ!?」
「希っ!?」
「ワシワシMAXや」
「きゃああ」
今日も今日とて希は絵里にワシワシMAXする変態警官であった。
学校に向かう途中にあたしに呼びかけたのは南ことりちゃんと亜里沙ちゃん。
「おはよう」
「おはようございます」
ことりちゃんも亜里沙ちゃんも可愛い女の子。
「姉が毎朝重ね重ねすみません」
亜里沙ちゃんは絵里ちゃんとちがってしっかり者のおでこが輝く女の子。むしろ町長に向いてるはずだよ?絵里ちゃんとちがって。
「はぁっくしょい!」
「きゃあ!?えりちと間接くしゃみキスや」
「ちがう」
なんだかんだで希と絵里ちゃんは仲良し。
穂乃果たちが学校に向かうなか絵里と対する候補者が演説していた。穂乃果父である。
『であるから乃木坂地区において……こら穂乃果』
「!?」
『背筋を伸ばせ』
「は、はい」
実は穂乃果たちのお父さんは和菓子屋を営業しながら現在の町長さん。ちょっときびしい。だけど雪穂おばあちゃんとは仲がわるいの。
はあ。
学校での授業。
田舎の乃木坂地区でも学校はあるんだよ。
「誰そ彼、これが黄昏時の語源ね。黄昏時はわかるでしょう?」
ツバサ先生が今日もおでこを輝かせながら授業する。
「夕方、昼でも夜でもない時間……人の輪郭がぼやけて彼が誰かわからなくなる時間」
ツバサ先生はしっかりしている。
「古くは『かれたそ時』とか『かはたれ時』というんだって」
穂乃果はノートをめくるとある文字があった。
“あなたは誰ですか?”ぎょっとした。妙にしっかりした筆跡でことりちゃんたち友人にはないしっかりした文字。
「はい!次は高坂さん」
「は、はい!」
「あら?高坂さん。今日は自分の名前おぼえてるのね」
ツバサ先生をはじめクラスメートたちがどっと笑った。
昨日?
昨日なにかあったの?
きょとんとする穂乃果はノートの筆跡が目に残った。

No.4 18/01/08 18:24
作家 

ええ〜っ!?
ふたりから昨日のことを聞いた穂乃果は驚いた。
「はじめはぽーっとしてたんだけど」
「正座で授業を受けたり給食やお弁当を丁寧に選り分けたり」
「まるでなんというか」
「昭和の出来たお嬢さん!」
お嬢さん!?
そそそそんなことないよ!?
「ほ、穂乃果はふつうの子だよ?あれ……?なんか夢を見てたかな」
「わかりました」
亜里沙ちゃんが手を挙げ彼女はオカルト雑誌『ムー』を見せた。
「穂乃果さん!前世ですよ!前世!」
「亜里沙ちゃんそれはないよ」
「は!もしかしてノートの落書きはことりちゃん!?」
「落書き?穂乃果ちゃんに告白するんなら恋文!ラブレターだよ」
どうやらことりちゃんや亜里沙ちゃんではないらしい。ことりちゃんは穂乃果好き❤。
「ちがうか」
「きっと!いつかは告白するよ!」
してるしてる。
「でも穂乃果さんほんとに変でしたよ。希さん以上に」
再び町役場兼派出所。
「ワシワシMAX!」
「タイホ!」
「しくしく。そんな」
そんなことは置いといて穂乃果は呟く。
「ストレスかな」
「穂乃果ちゃんのストレスはあたしが解消するよ!」
町長選で絵里ちゃんと雪穂おばあちゃんの仲が悪いのはしかたないが実は穂乃果と花陽ちゃんにあの儀式があるのだ!
だけどお父さんは現町長、雪穂おばあちゃんは神社の神主。ああなげく!
「あ〜!東京に行きたいよ!!狭いし濃いよ!希ちゃんに絵里ちゃんが」
たしかにとふたりはうなずく。
「うちのお姉ちゃんはなにかと穂乃果さんに対抗意識まるだし!『町長になれない絵里ちゃんの妹』呼ばわり。ロシア人クォーターでめずらしいし」
「亜里沙ちゃん卒業したら東京に行こう!東京にいってビッグな女になろうビッグだよ」
「こ、ことりも」
こうして三人は狭苦しい乃木坂町からいつか出ていくことを誓うのだった。
だって本屋はない歯医者もない電車は二時間に一本バスは一日に二本あげくには天気予報は対象外グーグルマップはえっちなモザイクみたい。喜ぶのは希ちゃんだけ。
コンビニは九時には閉まるそのわりに希ちゃんだけに需要がえっちな本の自販機。
昭和だよ!
穂乃果の嘆きはまだ続く……。

No.5 18/01/09 05:40
作家 

カフェいかない?
亜里沙ちゃんに誘われあたしたちはいく!と言う。しかし----。
「自販機じゃない」
ことりは嘆くなか亜里沙は言う。
「ロシアの田舎でもこんなものです。豪雪地帯に自販機がぽつんです」
はあとことりは吐息した。その頃穂乃果は家路に着きながら乃木坂湖を見つめていた。
雪穂おばあちゃんが昔語っていた物語。
むかしむかし地球にはぷろとかるちゃーと呼ばれるふるい人類がいてそこにはいまのあたしたちと変わらない人間がいた。そして歌を謳い恋をし相手を愛して宇宙や銀河の果てまで翔んでいった。
その名残りかわからないけど乃木坂湖はむかしまくろすという巨大戦艦がそのまたむかしに落ちてできた湖とか……。
だけどまくろすは見えない。だって湖のふかい深い奥深い底でいまは深い眠りについてる。何千年や何万年の歴史を繰り返し繰り返し繰り返しているのがあたしたち。
「あ〜ん!あたしもそっちがいいよ」
花陽はだだをこねる。
「花陽にはまだ早い」
花陽は言う。糸の声を聞いてみたいと。
そう。糸のようにあたしたちの歴史はつむがれているはずなんだって。
雪穂おばあちゃんは語る。
「組紐にはな、ぷろとかるちゃー様の時代からずっとずっと歌と共に文化が受け継がれてきたんじゃ……」
いまあたしたちの時代ではまくろすいやマクロスがかつて遠いむかしに存在してたことを知る者たちはほとんどいない。
「文化のなかには歌があってわしたちは歌巫女の血をひく数少ない一族じゃ……」
歌巫女、イミュレーターとも言われる伝説に残る存在。だけど乃木坂地区や北米、南米、ロシア、アフリカやオーストラリアなどにしか数少ないところにしかいまは歌巫女はいないという。
「『マクロスの火』じゃよ」
ずっとずっとむかしにマクロス艦は伝説の歌巫女リン・ミンメイの歌声に導かれ地球や銀河を守り一度は別の宇宙へ飛翔したけどなぜか戻ってきた時に乃木坂湖にそのまま不時着。それを『マクロスの火』と呼ぶかあるいはかつて宇宙での戦いゆ呼ぶか穂乃果にも花陽にもわからない。
「まったくそれにしてもあの馬鹿は政治家になりおって」
馬鹿というのは穂乃果と花陽のお父さんのこと。父は家を出た身、だけど和菓子屋は政治家になっても続けており町の数少ない名物。
歌巫女の血をひく穂乃果と花陽……。
ミンメイにはまだなれないよ。

No.6 18/01/10 12:09
作家 

夜の神社から流れる笛の音を聞いたらきっとテレビ局のひとがきてなかまゆきえさんあべひろしさんの『トリック』とかのロケ地になっちゃうよ。
ちなみに穂乃果は貧乳じゃないけど妹の花陽ちゃんの胸の方がなぜかちょっと大きい。
希ちゃん?あれは論外だよ!
私たち姉妹は巫女の舞を高坂神社で踊っている。希ちゃんはちなみにしょじょじゃなくなったんで雪穂おばあちゃんがダメなんだって。
「なんで自分の派出所に留置されんねん」
「黙りなさい!ハレンチ怪獣ワシワシ」
町長を目指している絵里ちゃんがしかたなく希ちゃんをりゅうちしてる毎日。あほだね。
舞を終えた私たちを見に来たのはことりちゃんと亜里沙ちゃんに町の人達。
「亜里沙ちゃんこんばんは」
「ことりちゃんこんばんは」
「またお姉さんが希ちゃんタイホしたんだって?」
「恥ずかしい」
そんな会話をしながらふたりは巫女姿のあたしたちを見つめる。
「きれい穂乃果ちゃん」
「ハラショー、日本分化ですね」
巫女姿を見られるのは悪くないけどこの後がちょっといや。花陽ちゃんは目を輝かす。
…………。
もぐもぐもぐもぐ。
もぐもぐもぐもぐ。ばくばくばくばく。
花陽。
雪穂おばあちゃんの声が静かに花陽ちゃんを叱る。
あたしたちは口をすぼめて噛んだお米を升の中に吐き出す。だえきと混じっちゃう。
ことりちゃんはよだれを垂らして見つめる。見ないで。
亜里沙ちゃんはじーんと毎年感激している。ハラショーじゃないよ?
口噛み酒というんだって。
お米を噛んでだえきと混ざりそのまま発酵しておさけじゃなくてアルコールになるからお酒だね。なんでも歌巫女さんが太古の時代からしてたんだって。
ミンメイさんもミレーヌさんもミュンさんシェリルにランカちゃんたちしたのかな?
だけど二十一世紀になってこれ。巫女姿は秋葉原ならコスプレだよ。
あたしと花陽はお米を掴んではまた口で噛んで升に吐き出す。
ああ……。
するとクラスでイケてるトリオが見てるよ。ことりちゃんたちでも恥ずかしいのに。
思わず思う。
湖のそこにいるまくろす艦よ!よみがえれ!
そもそま湖のそこにまだあるかなぞだけど。
歌巫女の数少ない血を持ってるからだけど毎年だよ毎年。
そつぎょうしたら都会にいくよ!
そして可愛いアイドルになるよ!

No.7 18/01/11 06:06
作家 

雪穂おばあちゃんたち町のお年寄りが社務所に集まりあたしや花陽ちゃんが成長してたことにお年寄りはみな喜んでいた。
町の数少ない巫女だからかな。希ちゃんがしょじょじゃなかったことはいまだに話題らしい。
「希ちゃんあれはいかんかったね」
「しかたあるまい。垢抜けおったからな」
「穂乃果ちゃんや花陽ちゃんだけが頼りじゃよ」
お年寄りたちはあたしたちを撫でたり成長したことに笑みする。
社務所を出た頃には神社のまわりは静かになっていてことりちゃんたちも帰ったらしい。
「ねえ花陽ちゃん」
「もぐもぐ。ん?」
「またお米を取ってきたの」
「だって美味しいんだもん」
神社の口噛み酒のもとになるお米は家のお米より美味しいらしい。花陽ちゃんのお胸が大きくなったのは口噛み酒のお米のせいかな。
ちなみにいま社務所にいる雪穂おばあちゃんたちお年寄りの平均年齢を計算したら九十歳はいってる。あたしたちがいた時でとりあえず七十歳くらいかな。
「あたしたちふたりだけでだよ」
「つまり花陽たちは若い!」
「ちがうよ。もう」
神社の階段を下りて乃木坂湖や町の明かりが見える。だけど田舎だよ。
「そうだ」
「なに?」
「『巫女の口噛み酒、女子高生』を売ったら売れるよ!」
花陽ちゃんの言うことで想像してみたらダメダメ!とあたまのなかで振り払う。
「え〜!売れるよ」
「思春期前のお子ちゃまにしてはヘンタイだよ」
「希ちゃんの血かな」
再び希と絵里。
「留置所でえりちとふたりきり❤」
「誤解を招かないでよ!少しでも手柄をあげたいだけよ!」
絵里ちゃんの手柄はいつも希ちゃんを監視すること。ヒマだね。
はあと吐息つく。
あたしは叫ぶ。
「今度生まれ変わる時は都会の女子高生になりた〜い〜!!」
「お姉ちゃんたら」
「女子高生になってアイドルになってカフェやメイドさんになりたいよ〜!!」
なんて叫びながらそんなことが田舎でかなうわけないよ。
ふと見るとお空にハイコウ彗星の輝きが見えた……。

No.8 18/01/11 14:31
作家 

聞きなれない目覚まし時計の音と誰かの声……。
さん……うみさん……。
うみ?うみてだあれ?
あたしが気づくと知らないおばさんがこわい瞳で見つめていてぼんやり見つめかえす。
「海未さん!」
「ほえ?」
「海未さん今朝はあなたが道場の掃除当番と食事当番なのになに寝坊してるんですか。とりあえず胴着に着替えて道場に来なさい!」
おばさんが去っていくとそこは知らないお部屋。妙に和風かつ堅苦しい雰囲気。ほらほら時代劇とか明治や大正時代いまでも空手や柔道とかしてる武道家のお家みたいな。
ふとお胸を触り気づく。
おムネがない……いやあるにはあるんだけど。
「ひんにゅう……」
うるうると穂乃果は涙を流したよ……。昨日まであったお胸がないよ。
とりあえず布団から立って部屋にある鏡の前に立った。
見慣れないお顔。だれ?
うみ?うみとかいう女の子?
とにかく彼女は胴着を探して着替えて道場とかいうところに向かうとそこにはさっきのおばさんいやたぶんうみ……海未ちゃんとかいう子のお母さんだよ。似てるもん。道場には老若男女の人達がいた。
「海未さんようやく来ましたね」
「……は、はい」
ガチガチにかたまりながらおばさんじゃなくて海未ちゃんとかいうお母さんの隣にならぶ。
「雑巾がけは私や皆さんがしましたから海未。あなたは弓道の精神鍛練を皆さんに指導しなさい」
「しどう?」
すると道場の壁に張られた紙には修行の手順が書かれていた。
まずは準備体操。
これは問題なくできたようだけど町内ランニングをして驚いたよ!
と、とと、東京だよ!?山手線が走ってたりオシャレな女子高生やイケメンな男の子たちがいるよ!!メイドさんもちらっと見かけたよ。
興奮が醒めないなか再び道場に戻って弓道の稽古なんだけど、これはできないよ。
「……ん!」
弓から矢が全然飛ばず海未ちゃんのお母さんやお弟子さんたちは唖然としてたよ。
「どうしたのです?」
「い、いえ調子が悪いような」
「とにかく朝食の準備ができています。ご飯をしてきなさい」
は〜いと返事をしながら胴着から慣れない制服に着替えて音乃学園の生徒と知る。
名前は園田海未だって。
ひんにゅううみちゃん。
朝ごはんをすませて学園に向かったけどちょっと迷ったけど都会的なハイカラな学校にビックリ。
す、スゴい……!!

No.9 18/01/12 07:15
作家 

ねーねーこれどこ買い?
レッスン帰りに麻布の
あいつらOKBの前座
今日は部活サボりしない?
今夜の合コンで声優の
海未となった穂乃果は音乃学園にようやく着いたものの彼女の教室らしい会話に目を飛び出さんばかりに驚いていた。
な、なにどこの国の会話!?ほのかが知ってるのはファミコンスーファミマクドにミスドにぶっくおふ、ナタ・デ・ココとかなのに。昭和だよ!
それにようやく見つけた学園はハイテクか美術館みたいな感じだし絵里ちゃんがいたらいちおう生徒会長くらいになれそうなくらいカッコいいしあたまいい人たちの集まりの学園だよ!!
この貧乳の園田海未とかいう子はあたしより昭和くさいくせにこんな学園に通ってるの!許せないよ!
「う〜み〜!!」

声はするけど姿は見えない。まさか!?これは「白雪姫と七人の小人」!?「ミクロマン」「リカちゃん人形」!?
「ここにゃここにゃ!」
にゃという妙な声のする方を見れば高校生には見えないくらいの幼女ふたりがいた。
迷子かな。しかたなくアメをあげようとしたけどアメはなかった。
「いらないわよ!なに遅刻してんのよ」
「にゃ!そうにゃ探したにゃ」
「とにかくお昼にいくわよ」
ふたりに連れられ都会真っ只中の屋上で穂乃果はふたりの名前を知った。
ちいさいのが矢澤にこ、どう見ても亜里沙ちゃんよりちいさくロリ。東京には本物のロリがいたことに驚いたよ。
もうひとり語尾ににゃをつけているのは星空凛。どことなく花陽ちゃんに似た感じだけど男の子ぽくカッコいい。
希ちゃんにこのふたりを紹介したらワシワシMAXするかな?しないよね。海未ちゃんと同じく貧乳……。
しくしく。
「まったく真面目な海未が遅刻なんて」
「珍しいにゃ」
「ごめんなさい」
ちなみに音乃学園では海未ちゃんにこちゃん凛ちゃんの三人をヒンニューズと呼ばれているらしい。ひどいね。
にこが聞く。
「海未あなたお昼は」
「え、忘れたよ」
「よ?」
「忘れました!」
しかたなくふたりはお弁当や購買部で買ってきたパンを海未になった穂乃果に分けた。
東京のパンの味に穂乃果は涙した。
「お、おいしいよ!!」
「いつも食べないパンを食べてる海未ちゃん」
「病気かしら」
もぐもぐと食べる犬のような姿の海未を見つめるヒンニューズだった。

No.10 18/01/12 15:21
作家 

カフェいかない?
放課後ロリなにこちゃんに誘われたのは可愛いらしい犬を連れた綺麗なオトナがいるカフェ。オトナだけじゃなくて学生やOLなどイケイケな人たちがいっぱいいる正真正銘のカフェ!自販機じゃないよ!!
「わんわん!可愛いね」
「いつまで犬と遊んでるのよ。注文するわよ」
穂乃果はメニュー見て驚くケーキやパンケーキなどテレビやネット越しに見てた憧れのスイーツがいっぱいに目を輝かす。
「おお〜!?」
「うるさい」
「今日の海未ちゃんは子どもっぽいにゃ」
穂乃果は財布を見て確認しパンケーキを頼みばくばくと食べた。
「よく食べるわね」
「あたしね」
「あたし?」
「わ.私……こういうのに憧れてたんだよ」
「いつもしてるにゃ」
パンケーキの味を堪能しているとスマホが鳴りメールを見ると驚く。
「え?今日バイト?」
「バイトなら早くいかないと」
「にゃ」
「え、あたしが」
「シフトに入れたんでしょ」
慌て立ち上がるが考えたらバイト先がよくわからないし道もわかるわけない。
「あの」
「なによ」
「私のバイト先どこだっけ?あはは……」
仕方なくふたりに連れられ向かったバイト先はなんとメイドカフェだった。学園ではヒンニューズの海未なる少女はここではブドーアーチェリーガールズとして人気だった。
しかし……。
「こら園田!注文間違えてる」
「海未ちゃん!今日はケーキは売りきれよ」
「園田!ステージで歌詞を間違えて」
「海未!衣装を間違えているわ」
ひいい!夢なら醒めて!と叫ぶ穂乃果は店内をてんてこまいするなかひとり西木野真姫という美人、たぶん絵里ちゃんより美人は海未になった穂乃果に優しいのだった。
「落ち込まないの」
「小錦さん」
「西木野」
「にしきのさん……」
しかしお店には嫌がらせをするお客もいた。
「ちょっとあんた」
「は、はい?」
「これ。ケーキの中にクラッカーが入ってたんだけど」
「お菓子の?」
「ちがうよ!爆発する方のパーティー用のクラッカー。俺が気づいたからいいようなものの」
「ふつうは入らないはずですが」
「あ!俺が言いがかりつけてるのか」
結局は真姫ちゃんいや真姫さんのお陰で事なきは得たが彼女のスカートがなぜか切られていた。
「ああ!あいつら」
「あ、私にやらせて!不器用だけど」

No.11 18/01/13 06:56
作家 

ヴェェ……!
休憩室からこのメイドカフェの売れっ子真姫の棒読みボイスが響き渡る。
「はい!できた!」
破られたスカートはややいびつながらも可愛らしい組紐をアレンジした形に直された。
しかし真姫は笑みした。
「ありがとう!なんか可愛い!」
なんでもこの真姫ちゃんはツンデレクィーンとして秋葉原に名を馳せているが笑みを見せることは少なくまた海未のライバルという。
なにから何まで海未ちゃんの負け!
「き、今日は助けてもらってありがとう!」
「こちらこそ」
「いつもの園田さんはクールだけど今日は可愛い。ちゃんとへんだけどね」
ずっきゅーん!と海未ちゃんの身体の心臓がドキドキした。今日の東京のなかでハイパー穂むまんMAXだよ!
その様子に嫉妬している者がいた。にこ。
「あたしの真姫ちゃんに〜!!」
「海未ちゃんはたしかにクールだけどあんな一面あったかにゃ」
「がさつな海未らしくない」
どうやらにこは真姫に惚れているらしいが穂乃果は気づかない。
帰りの電車の窓に映る海未の姿に思う。
ひんにゅうでメイドてへん。
ふと気づく。東京はいっぱいいっぱい人がいてコンビニ、ファミレス、人達、公園その他諸々。乃木坂町にいる人達とはちがうみたい。だけど人の数だけ明かりの数だけ人がいる。電車の窓に映る景色のなかにも人が多くいる。
----このうみみちゃんもまたこの街に住むひとり。ひんにゅうだけど。ひんにゅうひんにゅう。しくしく。
「よくできた夢だよね」
帰宅した穂乃果は布団に身を投げ出した。
ねえねえことりちゃんこんな夢を見たんだよ。すごくない?明日はことりちゃんと亜里沙ちゃんに話すよ!しょうせつにしようかな?東京でるーむしぇあかな?
そんなことを考えながら海未のスマホを手に取り覗く。
『9/3 にこたちとすき家に行く』『9/6 日比谷でゴジラのコスプレ』『8/31 ゴジラ歩き巡り横浜』『8/25 バイト代で胸パッド!です』
堅物なわりに意外にヲタクな子と知りクスクスする。友達はにこちゃんと凛ちゃん、あの真姫ちゃんくらいらしいけど都会の子とわかり羨ましい。
「ひんにゅうなのに」
真姫の写真がけっこうある。
真姫ちゃんが羨ましいのかな?憧れなのかな。
するとある文字が映る。
【あなたは誰ですか?】
ぎょっとしたまま動きが止まった。

No.12 18/01/13 14:33
作家 

ふと思う。
ノートにも妙に達筆かつ丁寧な字でおなじように【あなたは誰ですか?】と書かれてたのを思い出す。
ほのか穂乃果だよ。
とりあえず呟きながら【穂乃果】と海未の掌に記した。ちなみにスマホやノートにも……。ありとあらゆるところに【穂乃果】と書いた。ついでに『ひんにゃう』とも……。
ちなみに海未という少女は家では弓道、秋葉原ではメイドなどをやっていていつ眠っているかわからないが睡眠時間が短すぎと思うんだよ。
などと思いながらも穂乃果の意識は深い眠りにつく……。
それをのぞき見して海未母は少し思う。
今日の海未さんは犬みたいな感じでした。メイドカフェでなにかあったのかしら。
そんなことも知らずに深い眠りにつく海未の身体の穂乃果だった。

No.13 18/01/13 16:26
作家 

な、なんですか!?これは……!?
ちなみににこちゃん風に言うと?
「ぬわぁぁんですかぁぁぁ〜っ!!てにこの真似をさせないでください」
つい突っ込みをしてしまいましたが私は海未です。
しかも胸パッドはどういうわけか胸から外され部屋中に散乱、お母様にいたっては「ふつうの女の子になったわね」と涙し感激してる。スマホを開き私は愕然としました。私が書かないような少女的(少しアホっぽい)文章がありました。
【……バイト帰りに駅までの道を真姫ちゃんとふたりきり❤、あたしの女子力!がーるずぱわーだよ!】
「海未、今日もカフェいかない」
にこが睨んでます。
「す、すみません。バイトがありまして」
「行き先わかるにゃ?」
「わかりますよ!にこ!あなたですか!」
つい私は声をにこに荒げます。にこならやりかねませんが。だがにこはむっとしてます。にこはいたずらをするなら汚い手を使っても自分でやりますから。うん彼女はちがいます。
私は立ち上がり渋々言います。
「……いえ、すみません。では」
屋上を出ていく私の背中に凛が今日はいつものようにパッド重ねしてるにゃ!と伝わりました。
よけいなお世話ですよ!と言いたいなかなぜが背筋が寒いです。なにか変なことが私の身に起きてますよね。
それはバイト先のメイドカフェでも明らかになることを私は知りません。まだ……。

No.14 18/01/13 19:41
作家 

「……な、なんでしょうか」
パッド重ね着けしてメイドカフェでメイドのコスプレをして扉を開けると真姫を慕う三人の先輩方が立ってました。社員ひとりにバイトふたりちなみににこが背後霊のようについて(憑いて)います。こわいです。すると先輩方はドスを利かした声で言います。
「園田さん抜け駆けして」「貧乳なのに」「西木野さんはクィーンなのに」
「ええ!?私が!真姫さんと!?」
あれは現実!?リアルですか
「なにしたのよ」
「いえ私はまだ……その覚えてませんが」
「ふざけないでよ貧乳!」
「そうよ貧乳!」
「にこちゃんも貧乳にゃ」
にこに凛が茶々を入れた時に真姫の棒読みな挨拶がホールに響く。
「西木野ハイリマス」
モデルみたいなスタイルとお嬢様らしい服装で真姫がやって来た。海未をはじめ先輩たちについでににこたちも挨拶した。
「おつかれ」
「真姫ちゃんツンデレ!」
「誰がツンデレよ!」
ツンデレな真姫の態度に私たちは皆固まるなかトラブルを忘れかけたが真姫は海未に笑みした。
「今日もよろしくね。海未、いえンミチャ」
ンミチャとはじめて呼ばれ親しげなスマイルをし彼女は扉の向こうに消えた。
ンミチャ?
海未ですけど。私は少女漫画のヒロインみたいな気持ちで日本全国のゴミというゴミを清潔に処分してにこの家に預けたい気持ちで舞い上がりました。
「ぬわんでよ」
「冗談です」
「園田さん……!」
憎しみある先輩方とにこの声に我に返ります。
----にこはともかく先輩方の追及を考える。
どういうことです?からかいにしては度が過ぎてます?まさか。私の知らない内に私はなにをしたのですか?
「ほのか」は何なんのですか?

No.15 18/01/14 05:11
作家 

ちゅんちゅんと小鳥さん(ことりちゃんじゃなくてほんものの鳥さん)と希ちゃんのワシワシMAXするよとえっちなささやきと共に穂乃果は目覚める。
だけど気持ちよくほのかが目覚めようとしたらそれを粉砕しないばかりに腕に見慣れない達筆な筆跡があったよ。
【ほのか???あなたはなんです?あなたは誰ですか???】
マジックでデカデカと手のひらは肘までに書きながらも丁寧だったよ。
「お姉ちゃんなにそれ?」
見ると花陽ちゃんがふすまを開けて立ってた。こっちが聞きたいよ、と言いかけ背後から忍び寄る希ちゃんの手のひらにあんパンを乗せる。
「あんパンにワシワシMAXや!」
あほな希ちゃんをほっとくと花陽はまあどうでもいいけど今朝のごはんはごはんと言う。
「それにしても」
「ん?」
「今日は自分のおっぱいを触らないんだ。希ちゃんみたいにへんたい化してないならいいけど。ご・は・ん・!早く来なさい!」
ふすまを閉めた花陽ちゃんの言葉にほのかは顔を真っ赤にした。
「おっぱい!?ええ」
ほのかは希ちゃんみたいにへんたいじゃないから自分で揉まないよ!
「どういう意味や!あんパン食べてもうた」
「言葉通りの意味だよ!!」
あ、あたしがへんたい化してるの!?
や、やだよ!?
その様子を小鳥にコスプレしていたことりちゃんが庭から見ていた。
よし!

No.16 18/01/14 05:48
作家 

自宅の前で小鳥のコスプレから制服に着替えていることりちゃんをほかくしてあたしたちが学校に向かうなかことりちゃんは昨日のことを言う。
昨日のこと?なにかしたっけ?
「おはよー♪」
教室に入った途端にクラスメイトたちの視線がほのかに集まり息をごくんと呑む。な、なに!?
高坂、昨日カッコよかったな。ちょっと見直したな。でも堅物だったよな。
「な、なんか視線があるよ」
「だからいま言うよ。昨日のアレはことりでもおどろいたよ」
「昨日のアレ?」
生理じゃないよねと突っ込むと希ちゃんが来るよとからかわれた。
----ほら、昨日の美術の時間、静物スケッチで。まだ思い出さない?穂乃果ちゃん大丈夫?あたしと穂乃果ちゃんはいちゃいちゃしながらおなじグループで、花瓶とリンゴの百合というラブラブなモチーフで描いてたのよ。なのに穂乃果ちゃんは書道してたの。それはいいけど。そばでイケメンズがまた陰口してたの。
----だからほら、穂乃果ちゃんのパパの、町長選の話で、町政や助成金云々とかで。それで生活してる子もいるしとかつまんない話。
だけどそれを聞いたほのかちゃんが「あれって私の話だよね?」と聞いてきてオーラがごごごと校舎ごと揺らしたの。凄すぎてみんなビビったのに、さらにほのかちゃんイケメンズに向かって机を蹴ったの!ついでにことりもつま先でいじめて!それは置いといて、ほのかちゃんはニヤリ!とどSな笑みをしたんだよ!
カッコいいよ!
どSなほのかちゃんはとてもよくて身体中からしびれたよ!
「な、なに!?それぇぇ〜っ!?」

No.17 18/01/14 12:58
作家 

「な、なに!?それぇぇ〜っ!!」
放課後慌て帰宅した穂乃果は居間で穂むまんを食べる花陽と雪穂おばあちゃんから穂むまんをくすねようとしたら雪穂おばあちゃんが叱った。
「こら!穂乃果」
「返してよ」
しかたなく返すとなぜか九つも雪穂おばあちゃんは穂むまんをくれた。ちなみに花陽ちゃんは三つ。
「さっき花陽は食べたじゃろう」
「そか!」
九つの穂むまんを抱えながら自分の部屋に戻った穂乃果は古典のノートを開くとそこには。
【あなた、誰ですか?】
丁寧な表現の文字に背筋がぞわぞわした。希ちゃんにワシワシMAXをされたように。
町役場では。
「この変態警官!」
「いや〜ん!」
そんな絵里ちゃんたちの声はほっといてさらにページを開く。
【高坂穂乃果。あだ名は穂むまんもしくは穂むまん娘】
さらにたくさんのハテナと穂乃果の友人関係が記されていた。
【2年3組/南ことり♀・友人以上恋人未満気取り・百合かレズマニア・田舎にも変態はいた/絢瀬亜里沙♀・おでこが可愛くポンコツ絢瀬絵里の出来すぎた妹・アキバ系に受けるタイプ】
【雪穂おばあちゃんと妹と花陽、あと長女のハレンチ婦警希と四人暮らし/超ど田舎です!地図にも載ってない秘境/父は和菓子屋兼町長/巫女してる?歌巫女(『マクロス』シリーズはフィクションです!)/母はなくなってるらしいです/父親とは別居/友だちは少ないけど学校ではアホの子として人気者(らしい)/胸があります。田舎娘なのに!】
そしてひときわ大きく【この人生はなんですか??】の文字。
がくがくぶるぶる震えながら穂むまんが足元に落ちていくなか東京音乃地区の風景がわずかに見えた。メイドカフェにアルバイト、ロリなにこちゃんに凛ちゃん、ツンデレな真姫ちゃん。真姫ちゃんの美しい顔。
穂乃果はふと思いある結論に達した。
まずその前に一言。
アホじゃないよ!
よし!あたしはフツウ!
「これって……もしかして……」

No.18 18/01/14 13:33
作家 

「これは、もしかして……」
理性ある私園田海未は部屋に籠り、信じられない思いでスマホを凝視してました。
その様子を覗き見してる海未母。
怪奇番組でも見たのかしら?
そんなことは露知らず、海未の指先は半分誰かのモノになったみたいに震えが止まらない。指が震えながら私は日記アプリのエントリーを辿る。自分の書いた日記の間に挟み込むようにして、おぼえのない見出しがいくつもあります。
【初❤原宿カフェざんまさい!/お台場に歴代ガンダム集合!にこちゃんはF91、凛ちゃんはがいあガンダム!/展望台巡りしてフリーマーケット❤でお洒落なキャミを購入!/お父様の仕事場訪問!霞が関!厚労省前で仲村トオル似はっけん!】
私の頭の片隅である結論が達します。
だけどその前にある文字が見える。
【だけどこの身体の海未ちゃん、いやンミチャが貧乳……ひんにゅう……】
誰が貧乳ですか!!
その声に海未母と園田家と道場が揺れた。

う「私は夢のなかでこのど田舎穂乃果と----」

ほ「あたしは夢のなかで貧乳すぎる海未ちゃんと-----」

ほのうみ『入れ替わってる!?』

No.19 18/01/14 18:41
作家 

山の端から朝日が昇り絵里と希の卑猥な声が虫の声と共に伝わる。
ワシワシMAX〜!いや〜!!
ビルの谷間から貧乳に悩む凛とにこの重い吐息が伝わる。朝の人波、昼のざわめき、カタワレ時の匂い、夜の街の貧乳少女の吐息……。
はあ……。
私園田海未たちはだんだんと理解する。
そしてあたし高坂穂乃果とひんにゅううみちゃんは理解する。
園田海未----海未ちゃんは東京住む同じ歳の高校生(ひんにゅうがいた)、
超スーパーど田舎暮らしの高坂穂乃果との入れ替わりは不定期で週に二、三度、ふいにおとずれます。きっかけトリガーは眠ること。原因は私園田海未でさえ不明。
入れ替わっていた時の記憶は、目覚めるとすぐに忘れちゃうんだよ。まるで甘くおいしい夢を見てたみたいに。
それでも、私たちは確実に入れ替わっています。なにより周囲の反応が示している。
そして、これは入れ替わりの記憶なんだと意識してからは少しずつだけキープできるようになった。例えばいまでは目覚めている時間でも、海未ちゃんという究極的にひんにゅうな女子高生が東京にいると穂乃果は知っているよ。
どこかの超ど田舎町に穂乃果は暮らしていると、私海未は確信しています。理由や理屈はわかりませんが、実感は妙にあるんです!
そして穂乃果たちは、スマホや日記でコミュニケーションを始めたよ!互いにその日の記録をメモしたり。
メールや電話も試してみたしたが、なぜかどちらも通じません。穂乃果の田舎はケータイやスマホがないのでしょうか?ヒドイ!とにかく日記やスマホであたしたちはコミュニケーションし合い互いの生活を守るのでした!私たちはルールを決めました!

No.20 18/01/14 19:18
作家 

〈ンミチャへ! 禁止事項だよ その1〉
胸パッドいらないよ!
スリーサイズを測らないでよ!希ちゃんにワシワシMAXされちゃう!
座る時は正座や座禅、めいそうしない!
亜里沙ちゃんになつかない!ことりちゃんはいまのままでいいの!
男子にけんか売らない!
ことりちゃん以外の女子にさわらないの!
ひんにゅう!

〈穂乃果へ 禁止事項第5版〉
無駄遣いは禁止です。私のお金です。
学校やバイトに遅刻しないでください!減給です!バイト代が減ります
子ども言葉は駄目
私の身体でお風呂やシャワーばかり……ムネに触りましたよね?破廉恥です!
凛やにこにべたべたしないでください
真姫とは馴れ馴れしくしないこと!
彼女はライバル!越えるべき壁ですから!

----それなのに穂乃果の残した日記を読みながら私海未はあきれ返ります。
あたし穂乃果は海未ちゃんの残した日記を見ながら希ちゃんと花陽ちゃんの胸をしかたなくワシワシMAXするよ。こうでもしないとストレスだよ
いや〜!!

あの堅物ひんにゅうは
あのふるふるゆわゆわ変態パン好きは……!

No.21 18/01/14 19:37
作家 

ほ【体育の授業で活躍した!?ほのかそんなキャラじゃないのに!しかも男子の前で跳んだり跳ねたりしたの!?ことりちゃんの方がいいのに!男子の視線、座禅て堅物でしょう!ひんにゅう】

う【穂乃果!なに高いケーキとか食べてるんですか!太ります!私のお金ですよ】

ほ【食べたのはンミチャのからだ!ほのかだってメイドしてるよ!バイト入れすぎで東京で遊びにいけない!上野どうぶつ公園のパンダに西郷さん!】

う【無駄遣いするからです!組紐を私はマスターしました!ドヤッ】

ほ【帰り道、真姫ちゃんとふたりきりとデート❤おごろうとしたのに真姫ちゃんたら「高校卒業したらご馳走してね❤」だよ!「約束するよ」と明るく答えたよ!いやいやツンデレとの仲は順調だよ!ほのかのおかげ❤】

う【あなたという人はなにしてるんですか!私の人間関係を変えない!アホのか】

ほ【海未ちゃん!ラブレターてなに?ほのかはことりちゃんひとすじ!なんでイケメンな男の子に告白されて!?いいけど……「考えとく」てナマイキ!】

う【ふん!穂乃果は自分の可愛さがわからないのですね。私に人生預けませんか?】

ほ【うぬぼれないでよ!ゴジラ好きのひんにゅう!彼女いないくせに】

【あなただっていないですよね!】

【私は
あたしは
いないんじゃなくてつくらないの!】

ほ【P.S ほのかにはことりちゃんがいたよ❤❤】

う【ムカッ!💢】

ほ【かった!】

う【負けてません】

No.22 18/01/14 20:35
作家 

穂乃果の目覚ましの音です。
ついでに希がどこからかワシワシMAXを仕掛けてくるはず-----用心です。よし!ことりとの百合カフェを作る続きです。それにそれから----。
私海未は身体を起こし身体を見下ろします。
最近穂乃果はやたら厳重かつ警戒。以前はブラをつけなかったのに今朝はブラジャーをしっかり着けてます。いつ起きるかわからない入れ替わりに警戒してます。アホのかのくせに。まあ仕方ありません。
「なにが仕方ないん?ワシワシMAX〜っ!!」
天井から覗き見していた希のワシワシMAXに対抗するために私は素早く布団の下に隠したアーチェリーブレードで倒します!
「アーチェリーブレード!!」
かのメタルヒーロー『宇宙刑事ギャバン』なみに私は希を倒しました!身体を痙攣させる希がいました。
やられた……!
すると襖が開いて花陽が出てきました。
「あれ?希ちゃんがやられてる」
「花陽、希は今日は出勤できません。希の代わりに絵里に交番勤務を頼んでください」
うんと頷く花陽は後ろを振り向く。
「お姉ちゃん、またムネをいじってたな?大きいよ」
花陽が希をずるずると引きずりながら彼女たちは消えていきました。
たしかに穂乃果の胸は大きくなってます。
成長期?同い年なはずなのに!?
その頃希が出勤しないことで絵里は婦警になっていた。
「私絢瀬絵里が町の治安を守ります!」
穂乃果たちの父と絵里の妹亜里沙は同じことを思った。
治安が悪化する。
なんだかんだで希の方が警官として優秀だったりする。
「え?」

No.23 18/01/15 21:06
作家 

「お祖母ちゃぁん、なんでうちのご神体はこんなに遠くにあるのぉ?」
米俵を担ぎながら花陽は声を上げる。私たちの前を歩くお婆さんは背中で答える。
「マクロスのせいかもな。わからんことよ」
マクロス?あれはフィクションでは??
「マクロス?」
「マクロス、あれは太古の地球にむかしあったことらしいよ」
いやいや『マクロス』シリーズはアニメですよ。
高坂家の希をのぞく女性三人、私と雪穂お婆様、花陽は小一時間歩いている。なんでも今日は山の上のご神体へ捧げ物を持っていくんだそうです。う〜ん、都会の真ん中より穂乃果は健全な生活ですね。うらやし……。
太陽が楓の群れを照らし赤いです。空気は乾いていますが気持ちいい風が身体にあたり空気が気持ちいい。十月、すでに乃木坂は秋です。
雪穂お婆様はおいくつでしょう?
私は目の前のちいさな可愛らしい背中を眺め考えますがわかりません。しかし希は別にして穂乃果や花陽がまっすぐ育ったのはこのお婆様の影響ですね。ご立派です。
「あのお祖母ちゃん」
私は前にいきお婆様の前で膝をついて背中に彼女をおぶった。花陽もおぶり復活した希をおぶり見事につぶれました。
「希ぃぃ!!」
「堪忍や穂乃果ちゃん!」
逃げる希をほっとき再び雪穂お婆様をおんぶする。彼女が作るお弁当は私のお母様にも劣らないです。
雪穂お婆様は軽いです。花陽も軽いですがお米太りしないか心配です。
「お祖母ちゃん軽いです」
「です?」
笑って誤魔化しながらなぜ希だけはドムみたいになったのでしょう?すると一陣の風が私たちの前に現れました!
「ジェットストリームアタック!」
「またですか!」
「穂乃果覚悟!」
なんと絵里が味方についています!絵里だけでなく亜里沙まで!
「穂乃果さんかくご!やりたくないけど」
やらなくていいです!私は雪穂お婆様と花陽を守りながらアーチェリーブレードを構えます!ジェットストリームアタックが来ました!
「ジェットストリームアタックや!!!」
「ふん!」
「なんの!あたしがいるわ!?バカな」
私は絵里を撃破し亜里沙には峰打ちをしました!
「つ、強い……」
最後に残った希は土下座し平謝りしふたりをおんぶして逃げました!
「なんでウチは山に登れんのや」
「処女でなくなったからじゃ」
雪穂お婆様の声が語っていました。

No.24 18/01/16 16:14
作家 

希たちを撃退した私たちは高い山のカルデラに辿り着きました。
ここはコロニー落としがあったのでしょうか?
「お祖母ちゃんが言うにはむかし隕石が落ちたらしいよ」
「ええ!?」
つまりアムロとシャアの最後の戦いが乃木坂町の上空で……と驚いていると雪穂お婆様は先を歩く。
マクロスじゃよマクロスと呟き先をを進む。途中カルデラ湖から出た水が川のように内側と外側をわけておりまるで向こう側とこちら側が別世界のよう。私は雪穂お婆様の手を引いて川を渡る。
「ここから先は隠り世じゃ」
「カクリヨ?」
「つまりは死者のいる世界じゃ」
地獄少女ですか……。少し私海未は穂乃果の身体で放心しました。
「あの世でもおこめは大切にしましょう!」
花陽は放心してる私を無視しお米の話ではしゃぐ。
「此岸(しがん)に戻るには」
ふいにお婆様は神妙な調子で語る。
「あんたたちの一等大切なもんを引き換えにせにゃいかんよ」
「ええっ!?」
「お祖母ちゃん!お米を落としそうになるし渡り終えてから言わないでよ」
私と花陽は抗議するなか彼女はクスクス笑みした。
「口噛み酒のことじゃよ。怖がることではないさ」
リュックに背負った小瓶を出す私と花陽。瓶子(へいし)、神田明神にも行事や催しの際に何度か目にしました。
「あのご神体の下に」
巨木を見るお婆様が言う。
「小さな社がある。そこにお供えしてきなさい。その酒はあんたらの半分」
----穂乃果の半分。
私は手の中の瓶を見つめ、彼女が歌巫女の血を引く一族と理解します。穂乃果の処女の身体や唇から作られた口噛み酒。それを私が奉納する。時に協力し時にいがみあいコミュニケーションはスマホやノート越しの相手。彼女が本来なすべきことを私がしてしまう恥ずかしさと変な誇らしさ、私は大樹に歩みをしました。

No.25 18/01/17 14:54
作家 

ひぐらしの声と希のワシワシMAXする卑猥な声が山に響きます。
ひぐらしはともかく希には殺虫剤を撒きました。
うわ〜ん!?と希は山を下りていきました。感動が台無しです。
だけど秋の山の景色は映画より映画らしいです。
不意にスズメの群れが飛び立ちその数は一羽、二羽……九羽でしょうか。花陽は供えた米俵からの米粒をスズメにあげてはしゃいでいます。ただの食いしん坊ではないです。
「もうカタワレ時だね」
花陽はスズメに手を振りながら夕陽が山を照らし絵画に残したい気分です。
「……わぁぁ。凄い」
山の下にある自然や町の景色さらに遠くにある山々に私は息を漏らします。町はすでに影に飲み込まれますが湖には空を映している。人家から夕げの煙があがり町の上空を九羽のスズメがどこかを目指し飛翔する。
「そろそろ彗星見えるかな」
「彗星?」
花陽の言葉に彗星を空を探す。
そういえば穂乃果になるたびになぜかハイコウ彗星なる話題をテレビやことりたちとしていた。
「彗星……」
声に出しているとなにか肝心なことが忘れている思いがあります。西の空に彗星の輝きがありました。ひときわ明るい金星のそばに尾を引く彗星……。
『ウルトラセブン』。
モロボシ・ダンはかつてこの星の女性に恋をし別れ地球を愛したM78星雲人、ウルトラセブン。いまも彼は地球を愛してますか……。
ふと私は、
彗星
「穂乃果」
雪穂おばあ様は私を見つめる。彼女の瞳の底に私の姿があった。
「-----あんたいま夢をみてないかい?」

No.26 18/01/18 12:55
作家 



不意に
海未は目を覚ました。
はねあげたシーツが身体に触れる。しかし心臓がどの程度か、止まったかのような無の瞬間か永遠か……。無駄に鍛え上げられた彼女の肉体は心音が身体に伝わらないことにある何かを意識した。まさか----と思った時に少しずつ身体に力が入り呼吸が小さな胸を動かし指が動く。窓の外の鳥のさえずり、クルマやバスの走る音、都会の嗅ぎなれた匂い。
「涙……」
泣いていた?穂乃果が?
入れ替わった時かあるいはわからない何かがあったのか頬に涙のかけらがあった。
起き上がり指で涙を拭い水滴が指で乾く。さっきまで山にいた感動さえも醒めたように現実が目の前にありさらなる現実があることを知らない。まだ……。
CHARA!ヘッチャラ!

穂乃果の時はなぜかアニソンが着メロになり慌てスマホを手に本気で驚いた!
【もうすぐ駅前に着くわ。今日はあなたの真姫よ❤】
真姫からのlineが入り中身を確認した。
「また穂乃果が!?」
メモには穂乃果からありとあらゆる内容があり目に映る。
「でぇぇぇとぉぉぉ!?」
この叫びにも似た悲鳴に彼女の母や道場にいた弟子たちは彼女の部屋の側まで駆けつけた!
海未さんがデート!?
師範代が百合!?同性愛!?
そんなことに気づかず鈍感すぎる海未はメモを見つけた。
【明日は真姫ちゃんとデートだよ❤秋葉原駅前で待ち合わせ❤、え〜と時間は十時か十時半かな。ツンデレな真姫ちゃんとデートにいきたい穂乃果だけど海未ちゃんにゆずるよ!まあ穂乃果になったら許してちょんまげ!】
「なにが許してちょんまげですか!!」
慌て着替えようとするとタンスやクローゼットにもデート用の下着や洋服までしっかりタグをつけていた。しかたなく穂乃果のコーディネートで海未は向かう。
純白のワンピースに黒いハイソックスに下着はもちろん清潔な純白、完全に初デートに浮かれる婦女子です。
腐女子ではないですよ!
などと叫びながら母や弟子たちが見守るなか彼女は駅前に駆けていく!
真姫みたいなツンデレクィーンを相手にデートなんてはなはだしくも恥ずかしいですが。
穂乃果のアホのか!

No.27 18/01/18 20:33
作家 

そうか、今日は海未ちゃんデートか……。
ふと目覚めた穂乃果は寝癖のついた髪をいじり制服に着替え顔を洗おうてした時に瞳から水滴が落ちた。
ポロリ……。
涙?あたし泣いてる?なんで?と思った時に希ちゃんのえっちな声がした。
「ぐふふ。ついに穂乃果ちゃんは処女やないなったんやな」
!?
「え〜っ!?穂乃果ちゃんが」
「そんなお姉ちゃんに限って!!」
「まさか穂乃果に限ってそんな」
「穂乃果さん信頼してたのに」
「これで次の町長は私絢瀬絵里よ!アッハッハ!!」
希ちゃんをはじめことりちゃん、亜里沙ちゃん、花陽ちゃんに雪穂おばあちゃんそして絵里ちゃんまでが囲むようにあらわれた!
花陽ちゃんや雪穂おばあちゃんはともかくことりちゃんたちはどこから沸いてきたの!?
「きゃ!?」
「あたし南ことりが穂乃果ちゃんがしょじょかどうかたしかめます」
確かめなくていいよ!?スカートの内に入らないで!頭や鼻をつけない!ぱんつ下ろさない!
……クンカクンカ。
「……穂乃果ちゃん」
「においかがない」
ぱんつを戻しスカートから出てきたことりちゃんの一言をみな一様に待った。あたしも。
「しょじょだよ!」
ことりちゃんの声が家屋を突き抜け乃木坂の町内にソプラノボイスでかけめぐった!!
がっかりしたのは希と絵里だけ。
「なんでや!」
「そうよ!」
「なんでふたりは穂乃果が処女のままでいさせたくないの!」
叫ぶ穂乃果に希と絵里は言い返す。
「ウチの仲間がえりちだけやからや」
「そうよ!ついでに言うと穂乃果が処女でなければ間違いなく穂乃果のお父さんは落選するわよ!認められないわ」
認める認めない以前に絵里ちゃんが町長になる可能性はないから。
とにかくぶじにしょじょを守った穂乃果は今日も髪をサイドテールにして登校だよ!
いってきます!
ついでに真姫ちゃんとのデートをがんばるんだよ!
海未ちゃん!
しょじょでよかった。

No.28 18/01/19 19:44
作家 

「う〜み〜!!」
「ひいややぁぁ!?」
背後からの棒読みツンデレボイスに海未は情けない声を出した。
「ウーミンにした方がよかった?それともウミトラマンレオ?」
「誰がウーミンやウミトラマンレオですか」
「待った?」
「待ってません!いやいま来たところというか何て言うか」
からかう真姫の表情に海未は戸惑いを隠せない。待ってない待ったどちらが正解ですか!
みのもんたでも呼ぶ?
ファイナルアンサー?
「呼びませんよ!!」
「びくっ!?」
「あ、いえ真姫について言ったわけではありませんから」
慌て取り繕いながらも目の前にはツンデレクィーンが微笑み立ってる。
「!」
可愛い!ミュールにフレアミニ、オフショルダー、大人びた服装です!モデルとして通用します!お嬢様らしいアクセサリーが真姫の魅力を際立てる。まさにお嬢様!
なぜ私は貧乳に生まれたのでしょうか。
ひんにゅう BY ほのか
「うるさいです!穂乃果!!」
「ど、どうかした?」
「いえ。いまきたとこです」
「よかった」
「いきましょうか」
腕組みする真姫とは別に背後にある気配を感じます……。
その正体はふたつのちいさなちいさな影。
「どぅわれがちいさいのよ!!」
「にこちゃんと凛にゃんにゃ」
「やばっ」
海未が振り向いたらしいがすぐさま海未の姿が消えたがコンビニからなぜか爪楊枝を買ってきた。
「海未?」
「少々待ってください」
すると海未は人混み溢れる秋葉原駅の影に隠れるにこと凛めがけて爪楊枝を二本投げた!爪楊枝はふたりが隠れてる建物の壁に深く刺さり青ざめた。
「ひっ!?」
「にゃあ……」
「風車の弥七か!!」
にこはツッコミを入れながらも凛を引きずりすたこらといったん逃げるのだった。
海未は言う。
「じゃま者は逃げたようですね」
真姫は思う。
にこちゃんと凛よね?

No.29 18/01/20 05:12
作家 

「会話が、ぜんぜん続きません……」
海未はトイレで鏡に自分の姿が映り可愛らしい姿なのに、頭をがんがんぶつけたい気分で、がっくりしていた。
デートスタートして三時間、海未の気持ちは真姫から少し『逃走中』になっていた。別に真姫が追跡してるわけではないですがただでさえ初デート……同性が相手なのにスキルがなさすぎです。いいえ違います!違います。私がちょっと硬派なだけです。なんの準備もないのに穂乃果がデートさせるから悪いのです。何より真姫はお嬢様すぎます……およよ。
しかもです。すれ違う秋葉原の人達全員がほぼ真姫を見てます。綺麗ですからね。その後に私を見て「なんだ貧乳か。一応可愛いけど」と露骨に目でヲタクや腐女子がケンカを売ってきます。私が気合いを入れたら彼らのスマホが煙をあげましたが。サイヤ人ですか。だけど言い訳させてほしいですね。真姫はお嬢様育ち、私は道場育ち。共通点はメイドカフェで顔を合わしてるだけ。空気を読んで真姫は優しく接してくれます。だけどつらいですよ。こんな優しい真姫をライバル視してたなんておよよ……。
おのれ穂乃果、これは穂乃果の方が女子力高いんですかね。
スマホを開いて日記を見つめた。
【ヤッホー!ンミチャ、たのしくデートしてる?どうせデートしたことない海未ちゃんのために穂乃果が助けてあげるよ】
「なんかさらりとムカつきますが」
しかたなく先にあるリンク先をたどる。
【リンク1:腐女子な私が可愛いあの娘に恋をした】
【リンク2:人生でウケるお笑いギャグ全集。ギャグを口にしたことがない堅物でも安心】
【リンク3:ツンデレにはウケる愛の言葉!矢澤にこ大特集】
……いえにこはいりませんが。却下です。
ちなみにまだリンク先はあった。
【リンク4:『Gガンダム』に学ぶウザいウィスパーになる方法!】
誰がウザいですか。
【リンク5:『シティハンター』に学ぶ冴羽遼と槇村香のラブコメハンマー愛❤】
ちょっとドキッとしましたが……却下ですかね。
穂乃果がただのアホでないことが再びわかりました。かなりのアホすぎる子だったと……。
はあ……。

No.30 18/01/20 06:31
作家 

美術館、ようやく私は気持ちを無心にできます。
ん?
『考えるロリコン像 ニコ・ニーゴ作』
にこに似た像が考える姿勢ですね。ロリコンというのは古代から考えられる素材だったんですね。
次は……?
『ラーメン中国四千年、コシ、麺、スープ、出汁、ネギや具などみな大事にゃ! リン・ホシ・ソラン作』
絵画ですが妙に立体的です。まるでラーメンを本当に調理してる?
まあいいでしょう。
海未が去っていくとにこと凛は息をし動き出した。
「どんだけ見るのよ」
「真姫ちゃんはスルーしたのに」
ただ関わりないだけだったりする……。
本来は写真展なので海未は真姫の背中をゆっくり追いかけ写真を眺めた。
富良野、『キャプテン翼』です。津軽、『新仮面ライダーSpirits』の青森スーパー1です。三陸、陸前、会津、信州いろいろ語りたいですが美術館は静かにです。田舎の風景はたいして変わりませんが郷愁ですかね。強襲はケンプファーやガーベラ・テトラです。
田舎の町はどれも似てますが東京ほどに個性はないですかね……。
飛彈、には『仮面の忍者 赤影』ですがなぜか足が止まります。
ん?んん〜ぅ。
何かあたまにひっかかります。なぜか見覚えあるようなないような?既視感?行ったことないはずですが。
「う〜み?」
気づくと真姫が声優Pileみたいな美人ですが棒読みボイスで側にいました。
海未てさと親しげに言う。
「今日はなんだか別人みたい」
モデルみたいな綺麗にまわりまるでバレエをしてるみたいです。そのまま真姫はくるくる回っていきました。

No.31 18/01/20 15:48
作家 

失敗です。
パーフェクトスキルウーマンと思い込みしてた私は穂乃果の立てたデートをただたどるだけ。タドルクエストですか。完璧でもなければデートスキルがないことを露にししました。私だって本当は真姫と過ごし切磋琢磨するはずなのに。奇跡みたいな日を願ったのになぜ?
歩道橋からは『009:RE』で爆破された六本木ヒルズが見えます。あれは映画の話です。無数の窓が真姫を輝かせ003フランソワーズのよう。
003はあたしよ BY 絵里
……ポンコツは無視しましょう。
真姫はおしゃれです。私が星飛雄馬や伊達直人でも襲わないです。しかし何もしないと女が廃ります。ちいさな胸が痛いどす。息が苦しく手を伸ばし言葉を。
「ままま真姫」
振り向く真姫。
「……お腹空きません?」
「今日は解散かな」
「はい……」
これでは百合アニメでフラれたヒロインです。ロザリオ買っていれば。
「海未、ちがったらゴメンね」
「はい」
「海未は私と出会った当初はライバル視しこのツンデレに負けないわよ!だけどちょっと好きだったかなでしょう?いま」
「ヴェェ!?」
「それあたしの真似!」
海未のヴェェに六本木ヒルズの窓がすべて砕けた。
「だけどいまは好きな子がいる?」
「ヴェェ!!」
「だからあたしの真似」
ヴェェに東京タワーとスカイツリーが左右に揺れたらしい。
「いません」
「ほんと?」
「いませんよ!」
「ほんとにほんと?」
他に好きな子?なぜ私が。にこや凛は論外ですし。一瞬だけ穂乃果の犬みたいなサイドテールがふと感じた。
「ま、いいわ」
「え?」
「今日はありがとう。またバイトではライバル同士ね。だけど百合もありかな」
三歩進んで二歩下がりまた一歩下がり関係は元通り?だけど百合?
私は真姫を見送りながら体力作りな毎日の何倍も何倍も疲れました。
「真姫ちゃ〜ん!!待って」
「待つにゃ!!」
「ラブアローシュート!!」
にこと凛が横切ったので爪楊枝でふたりに気を失わせました。ぐっ……と呻きふたりは倒れました。
「?」
真姫に手を振りにこと凛を自宅に送り届けさらに疲れました。

No.32 18/01/20 18:49
作家 

再び家路についた私海未は夏の端っこ隅っこに取り残された気分で夕陽に叫びます。
フラれました!
「叫びませんよ!」
叫んでる叫んでる……。もう一度穂乃果になりたかった。穂乃果と話したい。私たちは入れ替わりながら、特別につながっていた。体験を交換し互いにむすびついていた。穂乃果にならば、真姫とのデートはパーフェクト!と思います。あの子のアホなところにみな救われていたのです。だから海未ちゃんひんにゅうだからとか海未ちゃんは七十年代なんだからと軽口を叩きふれあいたい。
スマホを開くと、穂乃果からのメモがある。
【デートが終わる頃には、彗星が見えるね。きゃ〜♪もうロマンチック♪止めて♪胸が〜♪胸が〜♪ひんにゅう海未ちゃん♪あたしでも海未ちゃんになってもデートはガンバルガーだよ!ガンバルオーかな?】
なんでC-C-Bに元気爆発や炎神戦隊ですか。
彗星?
そんなものは見えません。星がいくつかとジェット機が遠い空を飛んでいます。赤い彗星もいません。
「相変わらず穂乃果はアホですか?」
小さく口にし彗星が目で見えるならニュースや報道がしてるはず。穂乃果がニュースや報道を見るならばですが。
なぜか不安のようなものがうずく。
何かが頭から問いかけます。
スマホを操作し穂乃果の番号を出し発信します。しかし入れ替わりのたびに互いに番号を問い直し発信してもつながらないふしぎな番号。声がした。
『お客さまのおかけになった電話番号は現在使われていないか、電源が入ってないか、電波のない範囲にいるため……電話に誰も出んわ』
スマホを危うく握り潰さんとしかけダジャレを聞かされ呆れた。
やはり穂乃果と連絡は取れない。う〜ん。便秘ではありません。今日の結果はいつか伝えましょう。彗星のことも聞いてみましょう。歩道橋を渡り終え頭の上には半月が浮いていた。

だけどこの日から私と穂乃果の入れ替わりは二度と起きませんでした。
なぜ……。

No.33 18/01/21 05:14
作家 

その日、乃木坂の町は祭りだった。祭りの囃しが町に流れ浴衣姿の親子連れ家族連れ男女の恋人などが見えるなかことりと亜里沙も浴衣姿で待ち合わせをしていた。
「穂乃果さん遅いですね」
「きっと可愛くおしゃれしてるんだよね。それをホムペに上げて全国の穂乃果ちゃんファンを増やして乃木坂町を有名に。ウフフフ」
微笑みがやらしいですと言うに言えない亜里沙だったがそこへ声がした。
「ことりちゃん亜里沙ちゃんお待たせ♪」
「ほ……!?」
ふたりは驚いた。
穂乃果の頭には毛がひとつなくまるで坊さんか尼さんみたい。
「ほ、穂乃果ちゃんあたま……!?」
「あ、尼さんになるの?ハラショー」
穂乃果はてへへと笑いながらあたまを取るとなんとハゲ頭のカツラだったことにまた驚いた。
「これね、東京で買ったお土産なんだよ。これはことりちゃんに亜里沙。花陽ちゃんに希ちゃんに絵里ちゃん、あと雪穂おばあちゃん」
何しに東京行ったの?
一同がそう思うなかことりはあらためて気づく。
「さ、サイドテールが……穂乃果ちゃんのトレードマークがない」
「てへ」
「イメチェン?ハラショー」
祭りのある神社の高台に上りながらことりと亜里沙は穂乃果の背中を見つめる。
「なにがあったのかな」
「失恋かな」
神社に着いた穂乃果は町を照らすかのようなハイコウ彗星を見つめる。
すると彗星から……!
瞬間、穂乃果の意識は……!!

No.34 18/01/21 05:55
作家 

キャストコメンタリーだよ1!

u’s「どうも〜♪スクールアイドルu’sでぇ〜す〜♪」

穂乃果「『ラブライブ!』による『君の名は。』ここまで読んだ読者はいかがかな?ほのかかわいいよね?かわいい。はいかわいい」

ことり「うん♪かわいい、ことりもかわいい」

海未「なんの話をしてるんですか!?」

ほのこと「ヲタクな海未ちゃん……」

海未「役でしかたなくやってるだけです」

花陽「あたしは穂乃果さんの妹はいいですが希ちゃんの妹は……はあ」

希「どういう意味や」

にこ「処女じゃないからよ」

真姫「それは絵里も同じだから」

絵里「どういう意味?」

凛「よりによってにこちゃんとじっぱひとからげな扱いにゃんて。かよちんと一緒に『海未の名は?』に出たかったにゃ」

花陽「離ればなれでも気持ちは一緒だよ」

絵里「それにしてもまだレスが33程度なのにキャストコメンタリーとはどういうことかしら?」

ことり「もともとの『君の名は。』の物語展開とキャラの描き方がみじか……」

ことり「スレ主の描写があほだからです」

主「💔」グサッ!

花陽「主を傷つけてどうするんですか」

ことり「いつかはあたしたちの中の人が新海誠監督作品に出るかもしれないし」

にこ「よっしゃああ〜!!🔥🔥」

真姫「にこちゃんが熱いわ」

希「ウチを処女にして」

ほのことうみまきりんぱなにこえり「」

希「なんで誰もフォローせえへんの?」

絵里「の、希は可愛いから……」

雪穂「あたしは一葉おばあちゃんの役に比べたら」

亜里沙「あたしはサヤちんさんの役」

ツバサ「冒頭一回きりに比べたらマシだろう」

u’s「ツバサさん!?」

穂乃果「だって『君の名は。』はもとがメインキャラ少ないから」

海未「だからといって私をヲタク設定にしないでください」ゴゴゴ

主「タイトルについては」

海未「だじゃれですよね?だじゃれですか。だじゃれでよく物語作れますね」

主「いちおう『君の名は。』には沿ってるんだし」

海未「穂乃果なみにあほですか」

ほの主「どういう意味?」

ことり「まだまだキャストコメンタリー続くよ!!たぶん❤」

No.35 18/01/21 10:21
作家 

キャストコメンタリー2だよ!

主「まずレス1にある穂乃果ちゃんと入れ替わった海未ちゃんの場面ですが」

希「ウチが三三七拍子やね」

海未「あの私からでは?」

穂乃果「これ苦労したんだよね。貧乳……おムネのちいさい海未ちゃんの役作りに苦労して」

うみりんにこ「」

希「ウチが三三七拍子で起こしてるんやけど」

主「本来ならふつうにオリジナル同様に三葉ちゃんになった瀧くんの流れですがアドリブで入れました」

希「アドリブかい!」

穂乃果「希ちゃんにツッコミするには勇気がいったよ」

海未「同感ですね」

希「どういう意味や」

凛「新幹線ネタは『シンカリオン』にタイムリーにゃ」

亜里沙「」ドキドキ

絵里「亜里沙?」

真姫「亜里沙ちゃんは『シンカリオン』に主演してるのよ。ね?」

亜里沙「はい……」

穂乃果「新幹線か」

ことり「亜里沙ちゃんおめでとう」

亜里沙「土曜朝七時『シンカリオン』見てください!」

にこ「番宣か!!」

花陽「まあまあ落ち着いて」

希「新幹線ネタを放り込まれるウチていったい」

海未「話が横道です!むしろ話題は貧乳に!」

りんにこ「やる?」

海未「穂乃果の身体になった私が冒頭貧乳で一瞬とはいえ悩むんですよ」

希「一瞬とはいえお笑いポジションやん」

にこ「『ラブライブ!』本編と変わらない」

希「どういう意味や」

穂乃果「とにかく入れ替わった海未ちゃんの演技はほんとたいへん。はあ……」

海未「アフレコしてる私の身にもなってください」

希「三三七拍子で踊ったりツッコミされるウチの身にもなってや」

ほのことまきりんぱなにこのぞ「笑い取ってるし」

希「芸人ちゃうし」

穂乃果「とにかく話題は貧乳に悩む海未ちゃんに 」

海未「そうそう。てちがいますよ!!」

海未「穂乃果になった私のたいへんさですよ」

希「ウチ……」

ツバサ「出番があるだけよいではないか」

穂乃果「ツバサさん!」

海未「でもおムネですよ?」

ツバサ「」

ことり「おムネは皆の悩みだね♪」

海未「変なまとめかたしないでください」

主「」

No.36 18/01/21 11:44
作家 

キャストコメンタリー3だよ!

ことり「続いてはレス3の場面だね」

花陽「やっと台詞だよ。しかも穂乃果ちゃんの妹役」

雪穂「あたしは一葉おばあちゃん」

希「だからなんでウチがギャグ要員」

ほのことうみまきりんぱなにこえり「違和感なし」

希「なんで」

穂乃果「ちなみにここの場面の穂乃果はほのかだよ」

主「わかってます」

海未「どうでもいいですがハイコウ彗星が九千年ぶりて原人しか見てませんよ。たぶん」

主「」

ことり「せめて九百年ぶりにすべきだったかな」

絵里「原人?」

にこ「希みたいにえっちなことしか考えられないのが原人よ」

希「ワシワシMAX!」ワシワシ ワシワシ!!

にこ「👼」チーン

真姫「口は災いのもと」

雪穂「おばあちゃんなんだけど」

穂乃果「可愛いおばあちゃんだよ?」

亜里沙「むしろあたしとしてはお姉ちゃんの扱いが」

絵里「ん?」

真姫「ただのアホ……こほん。イカれたロシア人クォーター化してる絵里」

穂乃果「アホじゃないよほのか」

ことり「うんうん」

絵里「誰がイカれたロシア人クォーターよ」

亜里沙「お姉ちゃん。気持ちを寛容にして」

主「基本的に亜里沙さんと絵里さんはデフォルメしてないはずですが」

絵里「してるじゃない!」

亜里沙「まあまあ」

希「パンが二枚でパンツなんて!関西のギャグやし」

にこ「だから違和感がないから」

希「なんでや」

真姫「希て他人のことはわかってるのに自分は見えてないのかしら」

凛「かよちん可愛いにゃ」

花陽「ありがとう」

ことり「やはり穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんが演じるのがいいね」

穂乃果「ありがとう♪」

海未「どういう意味ですか」

希「ワシワシMAXする変人やん。ウチ」

ほのことうみまきりんぱなにこえり「他になにがある?」

主「ですよね」

希「👼」チーン

にこ「こんどは希が気を失ったわ」

真姫「気の毒」

No.37 18/01/21 17:13
作家 

キャストコメンタリー4だよ!

主「続いては穂乃果ちゃんになった海未さんの姿を見ていたことりちゃんと亜里沙さんが話題を出すところ」

ことり「正座とかふつうの女の子はしないよね」

亜里沙「中身は海未さん設定ですからあたし的にはアリです!」

海未「ありがとうございます!」

穂乃果「かたぶつだよ」

海未「誰が堅物ですか」

希「ウチはえりちにちょっかい出しとるだけやし」

絵里「逮捕しちゃうぞ!決まった!」

にこ「『逮捕しちゃうぞ』より『こち亀』なふたり」

凛「にゃははは!」

花陽「笑っちゃダメだよ」

真姫「『こち亀』?」

主「真姫さんは知らないようなので穂乃果ちゃんたちから教わってください」

穂乃果「は〜い♪」

ことり「でもu’sが九人いるからうまい具合に分かれたね」

海未「私が瀧くん役ですが」

穂乃果「東京で撮影したからラクでしょう?」

海未「ラクとかそういうことではなく」

凛「かよちんと一緒にいたかったにゃ」

花陽「心はいつも一緒だよ❤❤」

海未「はあ」

ことり「つまり海未ちゃんはあたしたちと離れて撮影するのが」

海未「はい」

ことり「面倒くさくておならをプーッ♪と出したかったと」

一同爆笑

穂乃果「撮影中は便秘だった?」

海未「ちがいますよ!なんでおならや便秘ですか!この流れでわからないなんてアホにもほどがあります!!」

真姫「まあまあ」

海未「穂乃果たちとわかれて撮影するのがつらかったと言いたかったのです!」

ほのこと「海未ちゃん」

海未「わかってくれましたか」

穂乃果「はい!次のシーンに行こうか」

ことり「えとね……」

海未「スルーしないでください!!」

No.38 18/01/22 12:40
作家 

キャストコメンタリー5だよ!

ことり「亜里沙ちゃんにカフェにいくとだまされたあたし」

亜里沙「脚本がそうなってますので。ちなみにロシアは豪雪地帯に自販機がポツンとあります」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ「ええ!?」

この時八人は思った豪雪地帯で自販機に向かったはずの絵里が遭難するイメージが……

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ「アハハっ!!」

絵里「?」

主「皆さんは絵里さんがロシアの豪雪地帯で自販機を求め遭難したと想像したそうです」

絵里「ちょっと!?なんで私がお祖母さまの故郷で遭難するわけ」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ「だって」

絵里「亜里沙も適当なこと言わない」

亜里沙「はい」

海未「ここで組紐のお話ですね」

穂乃果「歌巫女やまくろすがどうつながるのやら」

花陽「アイドルつながり?」

真姫「それはあるのかな」

にこ「う〜ん」

凛「巫女さん。『ラブライブ!』では希ちゃん定番のコスプレにゃ」

希「よし!」

凛「二期ではついでに美しい絵里ちゃん巫女と……なんで巫女コスプレしたのにこちゃん?」

絵里「ありがとう」

にこ「こら」

ことり「きっと伏線だよ」

ほのうみ「伏線?」

主「」

にこ「なんかしゃべれ主」

希「しゃあないな。にこっちをワシワシMAXさせたるさかい」

にこ主「いらない」

にこ「どういう意味よ!!」

主「」

海未「ノーコメントですか」

主「はい」

凛「答えたにゃ」

ことり「これは伏線の色が濃い」

穂乃果「ちなみに海未ちゃんのおムネは平たい」

海未「どういう意味ですか」

真姫は思う。
ロシアの豪雪地帯にそもそも自販機あったかしら?

真姫「う〜ん」

凛「真姫ちゃんは奥寺先輩だから役得だにゃ」

絵里「本来なら私だったんじゃないかしら」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ「」

絵里「なんで黙るの」

亜里沙「うちの姉がすみません」

雪穂「亜里沙が謝ることじゃないし」

絵里「どういうこと」

雪穂「」

穂乃果「しっかりした妹がいるとありがたいね」

海未「しっかりしてください穂乃果」

No.39 18/01/22 16:15
作家 

キャストコメンタリー6だよ!

ことり「レス6で巫女姿を披露する穂乃果ちゃんに花陽ちゃん」

亜里沙「花陽さんつまみ食い」

花陽「だってもったいないし」

雪穂「あたし睨んでるだけ。『君の名は。』で一葉さんこの場面いないのに」

主「ツッコミ担当」

希「芸人か」

主「希さんほどでは」

絵里「あたしは希をタイホしてハレンチ怪獣呼ばわり」

亜里沙「恥ずかしい」

真姫「またマクロスネタね」

にこ「乃木坂湖に何かあるの?」

主「」

海未「しゃべってください」

主「穂乃果ちゃんどうぞ」

穂乃果「まくろすてなに?」

海未「アホですか」

穂乃果「あほじゃないよ」

海未「いいえアホです」

主「ふう……」

希「他人に飛び火させない!」

絵里「マクロスΔ以外のキャラばかりね」

主「Δはまだ知りませんので」

ほのうみ「ぎゃあぎゃあ」

ことり「ふたりのケンカ止めなくていい?」

主「たまにはほっておくのもいいのでは」

穂乃果「アホじゃないもん!」

海未「いいえアホです」

主「まさに先人たるプロトカルチャーのように穂乃果ちゃんと海未さんは争いながら愛を育む」

ことり「そのココロは?」

こころ「呼びましたか?」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞえり「こころちゃん!?」

主「ケンカするほどに仲がいい」

ほのうみ「」ポッ

ことり「みとめません」

にこ「なんでいるの?」

こころ「呼ばれた気がしまして」

主は出番がないこころちゃんに悪い気がしてこそこそ逃げ出した……

絵里「あれ?主は」

希「逃げた」

こころ「お姉さま!『海未の名は。』後半がんばってください!」

にこ「う、うん」

真姫「脇役だからがんばって言われるのがつらいにこちゃん」

にこ「言わないで!」

花陽「もぐもぐ」

凛「なに食べてるにゃ」

花陽「お米」

No.40 18/01/22 18:36
作家 

キャストコメンタリー7だよ

ツバサ「主に代わり私が司会をしてやろう」

穂乃果「まさに天から降りた綺羅ツバサだよ!ふりーだむだよ!」

ツバサ「誰がキラ・ヤマトだ。よくネタにされて困る」

花陽「それはともかくロケした乃木坂町は『TRICK』みたいな町でした」

ツバサ「レス7だぞ。小泉花陽」

凛「ここは穂乃果ちゃんと花陽ちゃんが町を嫌がる場面にゃ」

絵里「嫌がってるのは穂乃果よ」

真姫「まあ不便よね」

穂乃果「でもでも食べ物は美味しかったよね!」

ことぱなありツバ「うん!」

海未「コメンタリー収録後に体重を図りましょうか」

ほのぱな「」

ツバサ「なぜふたりは黙るのだ?」

ことり「ごにょごにょ……(二期ダイエット回)」

ツバサ「うむ」

穂乃果「とにかくここは穂乃果が都会に憧れる場面だよ!」

花陽「ちなみにあたしはそんな穂乃果ちゃんに呆れる場面」

にこ「両極端」

真姫「『君の名は。』でもだいたい同じだから」

穂乃果「まあ海未ちゃんと入れ替わるのはいやだけど」

海未「どういう意味ですか!!」

ツバサ「このふたりは仲がいいのか悪いのか」

凛「ううん仲いいよ」

花陽「凛ちゃんにデジャブが……」

穂乃果「堅物の海未ちゃんになるなんて」

海未「なんです」

穂乃果「おムネが育たないよ。しくしく……」

うみりんにこ「どういう意味!!!」

ツバサ「うむ」

絵里「どうかした」

ツバサ「我々A-RIZEがu’sに勝てなかったのはお笑い要素が少なかったからかと実感だな」

u’s「スクールアイドル!!」

穂乃果「まったくお笑い要素なんてにこちゃんに希ちゃんに海未ちゃんに絵里ちゃんでじゅうぶんだよ」

うみにこのぞえり「え」

凛「せーふにゃ」

絵里「希やにこはともかく私はちがうわよ」

穂乃果「そう?」

絵里「そうよ」

海未「ほ・の・か」

穂乃果「ほのかもスタジオから逃げたいきぶん」

No.41 18/01/22 19:14
作家 

キャストコメンタリー8です!

海未「私の身体になった穂乃果です」

穂乃果「海未ちゃんの身体になったほのかだよ」

海未「重ねて言わないでください」

真姫「貧乳呼ばわりが格段に凄いわ」

穂乃果「脚本にしたがうのがアイドルだよ」

海未「少しは反発してください。これでは私が毎日悩んでるみたいです」

りんぱな「みたいじゃなくて悩むんだよ」

海未「あなた方はどちらの味方ですか」

穂乃果「ほんとに早起きして海未ちゃんのお母さんに叱られてお弟子さんたち指導しながら見慣れた東京の街を走ったよ」

海未「走ったのは私です。穂乃果は声をあてただけ。演技とはいえこんなだらしない生活を見せるなんて」

海未母「たしかに穂乃果さんはだらしないところがあります」

海未「お母様」

ほのこと「海未ちゃんのお母さん!」

穂乃果「海未ちゃんのお母さんごめんね。ほのかだらしなくダメな子で」

海未母「いえ……海未さんがふつうの娘になったみたいで嬉しかったです」

海未「ふつうですが」

凛「自覚がないにゃ」

花陽「いまは21世紀でこんなスポ根はごくごく一部の作品のキャラだけ」

真姫「生まれてくる時代合ってた?」

海未「どういう意味ですか」

穂乃果「そんなこんなで海未ちゃんになった穂乃果は学校に向かうのでした」

ことり「よく行けたよ」

海未「だから演技したのは私、穂乃果は声だけです」

希「海未ちゃんは『ラブライブ!』本編に劣らないツッコミ」

絵里「海未は芸人なの」

海未「スクールアイドルです」

海未母「育て方間違えたのかしら」

ほのことまきりんぱなにこのぞえり「……いえいえ」

海未「遠慮がちに本音が見えます」

No.42 18/01/22 20:02
作家 

キャストコメンタリー9です!

海未「一言いいですか?」

ほのことまきりんぱなにこのぞえり「……どうぞ?」

海未「誰が昭和ですか!平成生まれですよ!21世紀生まれですよ!」

穂乃果「しょうわ」

海未「穂乃果」

穂乃果「ショウワノートと言ったの!」

にこ「ここでようやくあたしたちの登場ね」

凛「しかし海未ちゃんより背が低いのが強調されてるにゃ」

にこ「小人とかミクロマンとかリカちゃん人形とか」

凛「そこまでちいさくないにゃ」

海未「芝居には苦労しました。はあ」

りんぱな「ため息つきたいのはこっちよ!!」

海未「いいえ私です。ただでさえちいさい凛とにこが見えてるのに穂乃果みたいにお笑いみたいな芝居をさせられて」

希「海未ちゃんは『わろてんか』に出ないん?」

海未「出ませんよ!」

絵里「『わろてんか』?」

亜里沙「大阪にある関西のお笑い拠点の吉本興業を創業した夫婦の笑いと人情の物語です」

雪穂「亜里沙が日本文化に染まってる」

絵里「ハラショーね」

凛「とにかく海未ちゃんのむだにムネはないのに」

にこ「身体を引きずるなんてまさにガリバー旅行記だわ」

穂乃果「じかくてるねふたりとも」

りんぱな「あ」

海未「しかし都会の学校に驚くこの演技も大変でした」

穂乃果「海未ちゃんが驚くのは炭酸どっきり仕掛けた時だけだよ」

ことり「炭酸を口から吹く海未ちゃん」

海未「む」

希「まあまあ」

海未「穂乃果をよく穂乃果のご両親と雪穂は育てましたね」

穂乃果「どういう意味」

雪穂「育成ゲームのヒロインとしたら我が姉は疲れるかも……」

亜里沙「あたしも共感するかな」

絵里「え」

No.43 18/01/23 06:28
作家 

キャストコメンタリー9と10です

穂乃果「パンを食べる海未ちゃん」

ほのこと「違和感」

海未「どういう意味ですか」

ツバサ「ちなみに音乃学園のロケ地はUTX学園だぞ」

主「という設定です」

にこ「憧れのUTX学園」

凛「ハイテクかつおいしいものがいっぱいあったにゃ」

主「続いてはカフェにいく三人」

海未「穂乃果の気持ちで犬と戯れるなんて」

凛「穂乃果ちゃんを見てるだけあって完璧だったにゃ」

にこ「違和感なし」

海未「どういう意味ですか」

穂乃果「う、海未ちゃん?」

海未「なんです」

穂乃果「ほのかをすとーかーしてない?」

海未「しませんよ!なんで幼馴染みをストーカーするんです」

ことり「もしもし」

海未「ことり」

ことり「じょうだんだよ」

ツバサ「幼馴染みというのは大変だな」

りんぱな「ううんなんともないよ」

真姫「このふたりは特別だから」

海未「はあ」

主「どうしました」

海未「しっかり者の私が穂乃果になるとアホの子になるんですね。つくづく……はあ」

穂乃果「あくいあるね」

ことり「あくいだね」

海未「違います!穂乃果の演技が大変なんです」

希「まあ穂乃果ちゃんやし」

絵里「誰かが世話を見ないと」

穂乃果「犬?」

ことり「人間だよ」

真姫「とにかく奥寺先輩役のあたしの登場ね」

りんぱな「いいな」

絵里「いいわ」

亜里沙「うちの姉がすみません」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ「いえいえ」

絵里「なんでよ」

真姫「まあキャスティンゲ段階では主は迷ったと思うけど」

主「」

穂乃果「また黙った」

No.44 18/01/23 14:58
作家 

キャストコメンタリー11です

真姫「奥寺先輩の役はむずかしいわね。大人びてなおかつ海未になった穂乃果と親しくなるなんて」

りんにこえり「嫌み?」

真姫「ちがうわよ!」

海未「むしろ穂乃果のせいですみません」

穂乃果「悪いのは海未ちゃん」

ことり「うん」

海未「どういう意味」

穂乃果「なんだかんだ東京の生活に慌てながらもみつめる海未ちゃんのなかのあたし」

花陽「シリアスでした」

海未「演技したのは私ですが」

穂乃果「まあ海未ちゃんがいないと『海未の名は?』はできないし」

主「必要不可欠です」

海未「さらっと馬鹿にしてません?」

ことり「そういうこと言うとクライマックスに何かあるよ。たぶん」

海未「はい?」

穂乃果「ここから先は素の海未ちゃんだから『ラブライブ!』とかわりないね」

海未「どういう意味ですか」

りんにこ「たしかに」

ツバサ「どうでもいいが英玲奈やあんじゅは出てくるんだろうな。私だけでは悪いぞ」

主「考えてます」

凛「海未ちゃんが穂乃果ちゃんを探しに行く時は真姫ちゃんは確定としてあたしたちはどっちにゃ?」

りんにこ「あたし!!」

じゃんけんを続ける凛とにこだった……

絵里「平和ね」

希「ウチお笑いポジションのままかな」

ゆきあり「」

希「なんか言うてや」

真姫「コメントしづらい後輩に聞かない」

No.45 18/01/23 20:18
作家 

キャストコメンタリー13です!

海未「いきなり私がにこ化されました」

にこ「私は怪獣かなにかか」

主「アドリブで入れました」

うみにこ「入れないで!」

穂乃果「ほのかの残したメモを見て驚く海未ちゃん」

海未「しかもにこに睨まれる始末」

希「まあいつものにこっちやし」

凛「ちょっと海未ちゃんからかっておもしろかったにゃ」

海未「後輩ふたりにからかわれ睨まれるなんて」

にこ「あたしは先輩よ!」

真姫「落ち着いて」

ことり「入れ替わりの演技するのがたいへんだね。穂乃果ちゃん」

穂乃果「堅物の海未ちゃんだから。強いんだ〜♪大きいんだ〜♪」

海未「『ゴールドライタン』を替え歌にしない」

絵里「『ゴールドライタン』?」

花陽「いつもはライター状の小さなロボットさんが変形してトンネルを抜けて巨大なロボットになり戦うむかしのアニメです」

凛「にゃ!凛もいつかは大きく……ん?壁が目の前にあるにゃ」

希「ウチの胸や!逆セクハラやん!」

真姫「やれやれ」

No.46 18/01/24 08:19
作家 

キャストコメンタリー14です!

海未「先輩方に睨まれるなかにこに背中に憑かれる私。にこは子泣きじじいだったのですね」

にこ「ち・が・う」

真姫「棒読み演技させられたし」

主「Pileさんを参考にしました」

真姫「イミワカンナイ」

希「落ち着いて」

凛「餅ついて?」

花陽「正月は終わったよ」

真姫「ふざけないで」

穂乃果「とりあえずお互いの入れ替わりが真実味を帯びてくるね」

ことり「あたしはほのかちゃんになりたいよ」

うみまきえりのぞにこ「え」

ことり「なにかへん」

穂乃果「ふつうだよ」

うみまきにこのぞえり「(入れ替わっても中身はたいして変わらない)」

ことり「ん?」

主「穂乃果ちゃんとことりちゃんは中身が入れ替わってもたいして変わらないらしいと海未さんたちは」

海未「思ってません」

真姫「とにかく一応ここから私と海未の仲は近づくのね」

にこ「認めないわよ」

絵里「認めるも認めないも物語の流れ」

希「東京メンバーは人数は少ないからラクや思うたけど」

海未「穂乃果の真似いえ演技は苦手です」

穂乃果「かたぶつの演技は苦手だよ」

海未「どういう意味ですか」

ことり「この場面の先輩たちはヒフミトリオでもよかったのに」

主「すっかり忘れましたが彼女たちもいずれ出します」

ヒデコ「ほんと」

フミコ「やった」

ミカ「出番あるんだ」

ツバサ「1シーンだけかもな」

ヒフミ「え」

No.47 18/01/26 10:42
作家 

キャストコメンタリー15だよ!

穂乃果「ようやくふつうのかわいく美しく可憐なほのかだよ」

海未「どういう意味ですか」

希「あんパンにワシワシMAXするあたし」

まきりんぱなにこ「へいわ」

希「どういう意味や」

花陽「穂乃果ちゃんと海未ちゃんが入れ替わってることは知らないけど変だと思うあたし」

凛「名演技にゃ」

絵里「迷演技よ!希」

希「字がちがう!」

絵里「え?」

穂乃果「とりあえず海未ちゃんがほのかの身体にはれんちなこと書かなくてよかった」

海未「書きませんよ」

ことり「ちなみにこの場面に小鳥に化けたことりがいるよ♪」

穂乃果「え」

真姫「とりあえず入れ替わりが確信に近づく」

穂乃果「にこちゃんの身長はさらに縮まる」

にこ「なるか!」

凛「まあまあいつか大きくなるにゃ」

にこ「あんたに言われたくない!」

穂乃果「ほんとに入れ替わったらたいへん」

海未「はい」

No.48 18/01/26 19:43
作家 

キャストコメンタリー16だよ!

ことり「穂乃果ちゃんに捕獲される・こ・と・り❤」

穂乃果「ただつかまえただけだよ」

海未「学校に着いた穂乃果はことりから事情を聞くんですね」

穂乃果「海未ちゃんと入れ替わったほのかはスケバンと化した海未ちゃんに乗っ取られ学校を破壊……」

海未「してませんよ!」

穂乃果「まあやったのは穂乃果だけど。海未ちゃんの演技の参考にしたのは二期ダイエット回のウソ笑顔とにこちゃんにバックダンサーと言われ睨みつける海未ちゃんだよ」

海未「どこを参考にしてるんですか!!」

穂乃果「こわいよ」

ことり「よしよし」

主「ちなみに穂乃果さんが思うにu’sのなかで女王様と奴隷の関係カップルは?」

穂乃果「ん……とね。海未ちゃんとにこちゃんのどえすうみちゃんとツンデレにこちゃんかな」

うみにこ「え?」

穂乃果「あとは美しい絵里ちゃんが女王様、希ちゃんはどえむないんらんさん」

のぞえり「え」

回想

海未『女王様とお呼びなさ〜い!!』

にこ『ぎゃああ〜!?』

絵里『オッホッホ!女王様と呼ぶのですよ』

希『あ〜ん♪もっといじめてぇなぁ〜♪』

うみにこのぞえり「なに考えてるんですか!!」

穂乃果「ほえ?」

ことり「ことりもいじめて❤」

りんぱな「じょおうさまやどれいよりラブラブがいちばんだよ❤」

真姫「へいわね」

うみにこのぞえり「どこがですか」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「はい?」

穂乃果「ひんにゅうのじょおうさまになるの?」

海未「なりませんよ!!」

ことり「貧乳の女王様……需要あるの?」

海未「むか」

絵里「女王様か」

亜里沙「お姉さんバレエで女王様はいいけどえすえむは……」

希「クレーム来るで」

絵里「あ」

真姫「絵里に変なことを教えない」

ほのこと「はい」

No.49 18/01/26 20:18
作家 

キャストコメンタリー17だよ!

穂乃果「ほのかのぷらいばしーを侵害する海未ちゃん」

海未「お互いさまです!」

穂乃果「だね」

花陽「ここで『ラブライブ!』に欠かせない穂むまんの登場。美味♪」

雪穂「ここで穂むまんが登場すると誰が予測したでしょう」

希「えりちにいじめられるウチ❤」

絵里「ハートマークはいらないし」

真姫「海未の字で綴られたノートを見て穂むまんを落とす穂乃果」

にこ「どうでもいいけど海未は丁寧に書きすぎ」

凛「よく事細かに書けたにゃ」

海未「当然です」

穂乃果「うみちゃん。すとーかーしてない?」

海未「してませんよ!!」

穂乃果「海未が綴ったノートでしだいに夢が現実と知る穂乃果」

ことり「そう。園田海未はそのむかし初代ゴジラと戦った伝説の一族だと……」キリッ

海未「戦ってません」

ほのこと「いやいや戦ったはずだよ」

穂乃果「はあ。とにかくひんにゅうな海未ちゃんと入れ替わったほのか」

海未「ため息の意味がいまいちわかりません」

穂乃果「ほのかは危機感を覚え戦慄していく!」

ことり「ナレーション風な穂乃果ちゃんカッコいい」

穂乃果「そんな……」

りんぱな「照れてる」

穂乃果「あたりまえだよ!( ̄^ ̄)」

海未「なに威張ってるんですか!!」

穂乃果「こわいね」

No.50 18/01/27 08:12
作家 

キャストコメンタリー18です!

海未「次は私の番ですね」

ほのこと「トイレならどうぞどうぞ」

海未「ちがいます。穂乃果と入れ替わったのがようやくわかり戦慄する私です」

ほのこと「ノートの字や絵がかわいいね♪♪」

海未「ガンダムを見に行ったりキャミソールを買いに行ったり」

にこ「誰がF91」

希「こころちゃんたちが分身」

にこ「ちがうから」

凛「凛はガイアがんだむにゃ」

花陽「しーどの時はバクゥだったし。ちなみにあたしは小泉純一郎氏が総理大臣のときはあだなは総理」

絵里「小泉総理……うふ」

亜里沙「ちなみにお姉ちゃんはエリツィン」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ「エロちゃん?ひわいだよ」

えりあり「エリツィンよ」

海未「わなわなと震える私」

穂乃果「いつもと変わりないよ」

海未「だからどういう意味ですか」

海未母「家屋や道場を揺らさんばかりの我が娘。どこでどう育て方を間違えたのかしら」

海未「お母様」

穂乃果「うちゅうせんから小さい赤ちゃんが出てきてしっぽがあったとか」

海未「孫悟空ですか」

ことり「実は北斗神拳の使い手とか」

海未「無関係です」

花陽「中国の廬山の大瀑布で修行とか」

海未「してません」

凛「……にゃ。実はウルトラマンが憑依してたり人間に姿を変えてたり」

海未「人間のはずですが」

真姫「え……DNAを遺伝子改良されたスーパーコーディネーターとか」

海未「ふつうに父と母から生まれたはずですが」

海未母「」

にこ「……ドクターゲロに改造された?」

海未「されてません」

希「……ブラックゴーストに改造されて対005に対抗するために作られたとか?」

海未「希は張々湖ですか」

希「誰がや!炒飯は海未ちゃんの方が美味しいし」

絵里「……」

亜里沙「お姉さんなにかボケを」

絵里「え…とえ…と……きかんしゃトーマス?」

海未「なんで私が機関車になるんですか!!」

ほのことまきりんぱなにこのぞ「絵里ちゃんえらい」

絵里「うれしい」

海未「よろこぶところがちがいます」

No.51 18/01/27 12:10
作家 

キャストコメンタリー19だよ(です)!!

穂乃果「ここから互いの入れ替わりが現実味を帯び……はあ」

海未「その吐息はなんですか」

ほのこと「ひんにゅうはちょっと……」

うみりんにこ「穂乃果!ことり!」

真姫「この辺からふたりが互いにてんやわんや」

希「みてるぶんには楽しいけど」

絵里「けっこう撮影は大変だった?」

穂乃果「なんといっても海未ちゃんになったりもとにもどったり」

海未「お互いさまです」

花陽「胸を掴む穂乃果ちゃん。ちょっと可愛い❤」

凛「穂乃果ちゃんはいいけど海未ちゃんはうわきあいてはいかないにゃ」

海未「はい?」

雪穂「ことのしだいを知らないまま」

亜里沙「物語は加速度的に第三者のあたしたちにも伝わる」

ほのこと「雪穂と亜里沙ちゃん格好いい」

海未「ほ・の・か」

穂乃果「ほへ?」

海未「私をどう思いますか」

穂乃果「」

ことり「固まっちゃった」

No.52 18/01/27 12:31
作家 

キャストコメンタリー20だよ(です)!!

穂乃果「入れ替わりがうみだすさらなるトラブル」

海未「互いに協力していくはずが互いの歯車が噛み合わない」

凛「にゃあ(`□´)」

花陽「よしよし」

真姫「花陽が飼い主、凛は犬か猫?」

りんぱな「人間です」

ことり「互いにさながら本音のような掛け合い。負けるな穂乃果ちゃん!」

穂乃果「おーっ」

海未「私には?」

ことり「負けるかもしれないよ!ンミチャ」

海未「お……おーっ?」

希「まあ本当の勝負は次の21やな」

絵里「ええ」

穂乃果「変態パン娘呼ばわり」

海未「貧乳ばかり繰り返してにこや凛が惨めとかかわいそうとか思いませんか!!

りんにこ「海未ちゃんの方がひどい!!」

海未「すみません」

穂乃果「しょうぶは次のステージへ」

海未「明らかに穂乃果はアドリブを入れましたよね?」

穂乃果「さあ」

ことり「勝て!穂乃果ちゃん!」

希「ことりちゃんは穂乃果ちゃん派」

絵里「海未」

海未「はい」

絵里「応援しようか」

海未「なぜ疑問形ですか」

亜里沙「あ、あたしが海未さんを応援します!」」

海未「絵里とちがってよくできた子です」

絵里「なぜかしら。海未が遠いわ」

希「とりあえず東京湾を目指すんやったら」

絵里「その海じゃないわよ」

真姫「なぜウチの学校はこんな先輩ばかり」

ツバサ「たのしそうだ」

No.53 18/01/27 15:28
作家 

キャストコメンタリー21だよ(です)!!

海未「貧乳呼ばわりしないでください」

穂乃果「ほのかのおかげで栄養が与えられたのに怒りっぽい海未ちゃん」

海未「だいたい上野動物公園や西郷さんと何が見たいのですか」

穂乃果「パンダと西郷さんのお犬だよ!」

海未「こほん。穂乃果我がu’sにはどうぶつがいっぱいいるではありませんか。気づきませんか?」

ほのことまきりんぱなにこのぞえり「ん?」

海未「ことりは小鳥、凛は猫、真姫と花陽は置いといて。にこは怪獣ツインテール、希はクジラ、絵里はロシア辺りにいるクマ」

穂乃果「おお〜!?」

ことり「小鳥」

りんにこのぞえり「動物や怪獣じゃないし!!」

海未「それに犬なら。はい鏡です」

穂乃果「ほのか」

海未「犬です」

穂乃果「なるほど……じゃないよ!!」

ツバサ「いい仲間だ」

雪穂「海未さんだけですね」

亜里沙「穂乃果さん」

海未「しかしこの後に互いの人間関係相関図が変わっていきます。真姫と親しくなる私」

穂乃果「男の子に告白されても……てへ♪」

ことり「うるうる」

海未「さらに過激になるスマホのメモ同士のやりとり」

穂乃果「いやいや」

海未「本来なら三葉ちゃん役の穂乃果には相手がいないはずなのに」

穂乃果「ことりちゃんがいたよ!ぶいっ!」

海未「かったてなんですか!!アドリブすぎますよ」

穂乃果「かった!」

ことり「やった!」

にこ「ムカッとする海未がこわい」

真姫「うん」

凛「にゃあにゃあ」

花陽「はい、今日はサンマの塩焼きだよ」

凛「しくしくにゃ」

ツバサ「u’sは動物園だったのか」

のぞえり「ちがいます」

ほのこと「かった!」

海未「負けてません」

No.54 18/01/27 18:25
作家 

キャストコメンタリー22です!

海未「再び穂乃果になる私。希がこわいですね」

穂乃果「はあ。むしろ海未ちゃんみたいに強くなるほのかがこわいよ」

ことり「じゃぱん・あくしょん・えんたーぷらいず。かの『仮面ライダー』や『すーぱー戦隊』シリーズのアクションを担当したスーツアクタープロダクションで穂乃果ちゃん三ヶ月前から特訓したらしいて」

穂乃果「おかげで身体中がきんにくつう」

まきりんぱなにこのぞえり「かわいそう」

海未「あの私は幼い頃からお母様に鍛練をされてきましたが」

希「ほんとに平成生まれ?」

海未「平成ですよ!!」

希「最近穂乃果ちゃんたちの気持ちがわかってきたかんじやな」

ほのこと「なかまだよ❤❤」

花陽「穂乃果ちゃんになった海未ちゃんに倒された希ちゃんを目撃するあたし」

海未「穂乃果はなぜムネが大きくなりました?」

穂乃果「せいちょうき!」

うみりんにこ「成長期は同じなはずですが」

絵里「そうよね」

海未「黙りなさいポンコツ警官!」

絵里「しくしく」

凛「天は二物を与えにゃいにゃ」

絵里「凛に言われたくないわ」

花陽「凛ちゃんはむかしムネの抵抗がなくて小中と水泳大会で優勝に導いたの!」

凛「にゃ!ほめてるにゃ?けなしてるにゃ?」

花陽「希ちゃんをとりあえず病院に」

希「うちどこも悪くない」

花陽「ハレンチなことしたがるそのせいしんを診にいきましょう」

希「え」

No.55 18/01/28 08:00
作家 

キャストコメンタリー23です!

真姫「米俵を担ぐ花陽」

にこ「『ラブライブ!』ファンが驚愕のビジュアルインパクト」

花陽「米俵や凛ちゃんなら持てるよ!えい」

凛「にゃ」

海未「しかし乃木坂は自然に溢れています」

穂乃果「海未ちゃんはひんにゅうで平たいです」

海未「誰が関東平野ですか」

ことり「言ってない言ってない」

穂乃果「ここの場面で雪穂と花陽ちゃんを担ぐんだけど」

希「うち登場!」

穂乃果「重かった」

希「どういう意味や」

雪穂「まあまあ」

穂乃果「だけど山を登ってなぜか『マクロス』?」

雪穂「これあたしが言ってるけど伏線なのかただのメタフィクションなのか。いまだにわからないのよ」

亜里沙「まくろす?」

真姫「主さんがいつの頃からか姿が見えないけど……いた!」

主「φ(..)」

海未「なにを?」

主「後半の脚本の手直しを少々」

海未「なにか後半に私になにかさせようとしてません」

主「( ̄□||||!!」

主「なななななにを……!?」

希「そんなことよりウチがまた現れてジェットストリームアタック」

絵里「出番があると思ったら」

亜里沙「中身が海未さんの穂乃果さんを相手に恥ずかしい」

ほのうみ「考えてやめてもよかったのに」

亜里沙「いえいえ中のひと含めあたし絢瀬亜里沙はがんばります!」

穂乃果「えらいな」

ことり「可愛いな」

凛「にゃ」

花陽「それに比べて海未ちゃんは」

海未「はい?」

穂乃果「希ちゃんと絵里ちゃんを倒すあたし。きんにくつうだよ」

海未「日頃から鍛練してたら筋肉痛になりませんが」

絵里「ま、まあバレエも似たり寄ったり」

希「えりちも少し間違ったら海未ちゃんみたいに」

絵里「え」

穂乃果「しょじょでない希ちゃんを倒してようやく」

希「処女や」

海未「口噛み酒を奉納していくみな」

穂乃果「どきどき」

ことり「なにげに希ちゃんたちの方が出番多い乃木坂編」

No.56 18/01/28 09:30
作家 

キャストコメンタリー24です!

海未「山の頂きに辿り着いた穂乃果になった私に花陽に雪穂」

花陽「米俵でもだいじょうぶ!」

雪穂「なぜ『逆襲のシャア』?」

海未「台本にありましたが……あれ?ない」

穂乃果「うみちゃんのアドリブ?」

ことり「うみちゃんの『アド街っく天国』?」

海未「アドリブではないです!これでは腐女子みたいです」

にこ「みたいじゃなくてまんま」

真姫「いいじゃない」カミノケ クルクル

絵里「ふじょし?」

亜里沙「アニメや漫画好きな女の子です」

希「さらに上をいくのが腐女子」

海未「主さんは?」

穂乃果「あれいない」

ことり「後編の撮影に打ち合わせにいくとか」

海未「逃げましたねぇぇ〜っ!!」

穂乃果「『ドラゴンボール超』最終回で悟空たちの前に立ちはだかるラブライブ!宇宙の園田海未!」

ことり「破壊神さえ超える!そのパワー!」

凛「カップ麺が一瞬で出来上がる戦闘力!」

花陽「チャーハンさえ材料ごと炊き上がる気力!」

真姫「……えと……ウルトラダイナマイト?」

にこ「カイザーベリアル……」

希「トランザム!」

絵里「またあたし?」

亜里沙「ネタが滑りそう」

絵里「ちからまかせのドラえもん?」

海未「誰が力任せのドラえもんですか」

ほのことまきりんぱなにこのぞ「にあぴん!」

絵里「ほめられた」

海未「こほん。口噛み酒を奉納するなか雪穂の一言」

穂乃果「大切なモノ」

ことり「穂乃果ちゃんに海未ちゃん」

凛「かよちん」

花陽「凛ちゃん」

真姫「凛に花陽」

にこ「兄弟に家族に仲間たち」

希「えりちに仲間に」

絵里「またあたし?」

亜里沙「どきどき」

絵里「そんなの決まってるわ!u’sに学校におばあさまに亜里沙よ!」

希「焼き肉」

穂乃果「穂むまん」

海未「食べ物ばかりですかぁぁ〜っ!!」

ほののぞ「ひいい!?」

ことり「ちなみに海未ちゃんの大事なモノは「」

海未「穂乃果にことりに仲間たちですが」

ほのこと「つまり地球はどうでもいいと。地球がなくても生きれる海未ちゃん」

海未「」

No.57 18/01/28 10:51
作家 

キャストコメンタリー25です!

希「殺虫剤で撃退されるウチ」

花陽「スズメの数が九羽」

凛「u’sだにゃ」

真姫「たぶんね」

海未「なぜ『ウルトラセブン』ですか」

穂乃果「希ちゃんをウルトラかいじゅうに喩えよう!」

穂乃果「レッドキング!」

ことり「キングジョー!」

花陽「宇宙大かいじゅうベムスター!」

希「ウチなんでも吸い込まへん!」

凛「ジャンボキングにゃ」

希「デカくないし」

真姫「え……アストロモンス」

ほのことりんぱな「おお!?」

にこ「タイラント?」

希「ウチはウチや!」

絵里「またあたし?」

亜里沙「これじゃないかな」ユビサシ コレコレ

絵里「邪神がたのぞーあ?」

ほのことまきりんぱなにこ「ぴったり!」

絵里「やった!」

希「誰が邪神や」

海未「ある意味はずれてないはず」

穂乃果「最後は海未ちゃんだよ!」

海未「根源的破滅招来体?」

ほのことまきりんぱなにこえり「言い過ぎ」

海未「え」

希「ウチは滅ぼさへんわ」

穂乃果「とりあえずべむすたーでいい?」

希「みんなを両の手でワシワシMAXするで」

ほのことまきりんぱなにこえり「とりあえず海未ちゃんからどうぞ」

海未「え」

希「お断りします」

海未「なんか納得しませんが」

穂乃果「とにかく穂乃果の身体から海未ちゃんはもとのひんにゅうなからだに」

海未「感動的な場面が台無しですが」

真姫「次から私とのデートね」

にこ「尾行するあたしと凛」

凛「希ちゃんなみなお笑いぽじしょん」

希「ウチらは仲間や」

りんにこ「いやいや」

No.58 18/01/28 13:24
作家 

キャストコメンタリー26です!

穂乃果「ゾフィーに命をもらったウミトラマン」

海未「ただ目覚めただけですが着メロがなぜか『ドラゴンボール』」

ことり「海未ちゃんにふさわしいアニソンは?」

凛「『巨人の星』」

花陽「『アタックNo.1』」

真姫「『マシンロボ クロノスの逆襲』?」

にこ「マニアックね。『機動武闘伝Gガンダム』かしら」

海未「ロボット格闘モノ?」

希「う〜ん、『トランスフォーマー スーパーリンク』」

ほのこと「おお!?だけど海未ちゃんとリンク合体はえんりょだよ」

海未「どういう意味ですか」

ことり「『セーラームーン』『ウェディングピーチ』『レイアース』『ナースエンジェル』『赤ずきんチャチャ』……」

海未「ことり……」

ほのまきりんぱなにこのぞえり「え〜っ」

ことり「これらの作品はなしとして……『疾風!アイアンリーガー』!」

ほのまきりんぱなにこのぞえり「ロボットスポ根もの!!」

海未「だれがロボスポ根ですか」

絵里「……また」

亜里沙「これこれ」

絵里「『ウルトラマンレオ』?真夏竜」

穂乃果「ぴったりだよ」

海未「だれがレオですか!」

穂乃果「海未ちゃん熱い……『侍ジャイアンツ』かな」

海未「こほん。それより穂乃果のスマホに残した内容がすさまじい。許してちょんまげとか」

穂乃果「あとのハゲカツラつながり」

ことり「ネタバレ」

海未母「娘のデートで揺れる園田家と道場」

穂乃果「『寺内貫太郎一家』や『時間ですよ』みたい」

ことり「昭和だね」

花陽「穂乃果ちゃんコーディネートの海未ちゃん」

穂乃果「これ実はことりちゃんだよ」

にこ「え」

真姫「納得」

海未「どういう意味でしょう」

穂乃果「アホのか呼ばわりしながら家を出る海未ちゃん」

海未母「ごめんなさい。失礼な娘で」

ほのこと「いえいえ」

海未「なぜか私が悪いみたいに」

真姫「みたいじゃなくて」

海未「」ギロリ

真姫「ここからあたしとのデート……」

花陽「デート憧れちゃう」

No.59 18/01/28 15:45
作家 

キャストコメンタリー27だよ!

穂乃果「海未ちゃんのデートにポロリとするほのか」

ことり「迫真の演技だよ。海未ちゃんのことで泣くのは一期でンミチャ平手打ちで叩かれた時以来?」

穂乃果「あれを思い出して涙を出しました。あなたは海未ちゃんで泣くことができますか?あなたは海未ちゃんの平手打ちで泣けますか。ほのかはこれで泣きました」

にこ「禁煙パイポか!」

真姫「泣いた穂乃果の前に現れることりに花陽、雪穂ちゃんはともかく希、絵里、亜里沙ちゃん」

ことり「出番だよ」

花陽「ここは『君の名は。』では三葉ちゃんが恋してると無意識に知る瞬間なのに」

凛「かよちん好きにゃ」

希「処女でないと断定するウチ」

絵里「町長になるためになりふり構わないみたいな私」

亜里沙「なぜ『ラブライブ!』一期でここまで弾けなかったのか」

絵里「弾ける必要ないでしょう!」

凛「二期なってから合宿に叫んだり凛に優しくしたり変わったにゃ」

花陽「絵里ちゃんは頭にねじがついてたり外れてたりの笑いの安定」

絵里「にこじゃないし」

にこ「どういう意味」

ことり「ほのかちゃんが処女かどうかたしかめるあたし!」

穂乃果「はずかしい」

雪穂「お姉ちゃん、ことりちゃんが親友でいいの?」

穂乃果「海未ちゃんよりましかな」

海未「なぜですか」

ことり「処女だったことを安心したあたし❤」

のぞえり「悔しがるあたしたち」

亜里沙「にこ先輩はしょじょ?」

にこ「のーこめんと」

真姫「にこちゃんはあたしがたしかめるから」

穂乃果「とにかく海未ちゃんを忘れて外に出るあたし!」

海未「なんで忘れるんですか!!」

穂乃果「海未ちゃんよりしょじょかどうかの方がたいせつだよ」

ことり「やったね」

真姫「ひどいわ」

にこ「うわ」

No.60 18/01/28 19:59
作家 

キャストコメンタリー28です!

海未「ついに始まったうみまきデート!」

この時穂乃果とことりにはあるCMが頭の中に流れた!

海未『ここが鳴門の渦潮ですか』

真姫『ほんとクルクル回ってるわ!!』

しかし船から落ちて渦潮にクルクルと飲まれる二人!!

うみまき『きゃああ〜っ!?』グルグル グルグル

現れる石原良純!手には鳴門ラーメン!

良純「u’sのみんなも食べてる鳴門のうずしおラーメン!ナルトのうずしお美味だね!うまい!」

うみまき「なに考えてるんですか!!」

ほのこと「つい」

凛「ラーメンつくってくるにゃ!」

海未「大人ぽい真姫と」

真姫「可愛くなった海未」

にこ「認めないわよ」

絵里「それ私の台詞」

希「デートにあたふたする海未ちゃん」

海未「慣れてません」

真姫「海未をからかうのは新鮮だったわ」

ほのこと「だよね♪」

海未「む」

ほのこと「風車の弥七と化す海未ちゃん」

花陽「爪楊枝でさえ武器になるんだ」

海未「演出です!」

りんにこ「いやいや」

凛「たとえばここにラーメンの麺があります。湯に入れないと当然だけど固いにゃ」

ほのこと「ツンデレのツンだね」

真姫「どういうたとえ」

凛「だけど沸かしたら湯に入れると柔らかく味が通るにゃ」

にこ「たしかに。ツンデレがデレ化したみたいに」

真姫「」

凛「海未ちゃんに麺を四、五本あげてあそこの的に当ててみるにゃ!」

海未「なにをバカなことを」

固いままの麺を投げた先には的には石原良純がいた!!

良純「まて待て!俺が何したんだよ!…!?…!…!?…!…!!!」

凛「このように海未ちゃんには演出が不要にゃ」

にこ「良純さんが箸でナルトを持ちながら気絶してるわ」

海未「捏造です!」

穂乃果「始まるデート」

ことり「これで海未ちゃんが真姫ちゃんとくっつけば……」

海未「『君の名は。』ではなくなりますよ」

穂乃果「どうする!?どうなるほのかの恋物語!」

No.61 18/01/29 06:19
作家 

キャストコメンタリー29です……!

穂乃果「デートで力をなくしていく海未ちゃん」

ことり「デートについてはノースキル!ノープランな女」

海未「ノースキルやノープランなわけでは」

にこ「およよと嘆くのがおかしいやらかわいそうやら」

希「まあファーストデートがうまくいくことはまずあらへん」

穂乃果「そこで穂乃果がメモを残しました」

海未「ギャグとかにことはアホですか」

穂乃果「にこちゃんの持ちギャグといえば?」

にこ「持ちネタなんかないわよ」

穂乃果「あれあれ♪……ぬわぁぁぁ〜んなのよぉぉ〜!だよ❤

にこ「ギャグじゃないでしょ!」

真姫「クスッ」

花陽「真姫ちゃんが笑ったにゃ」

真姫「だ、だって」クスッ

うみにこ「ギャグだったの」

穂乃果「じゃあ海未ちゃんやってみよう」

海未「な、……ぬ。ぬわぁぁぁんなのよぉぉぉぉ!!」

真姫「何なの?ちゃんと発音しなさい」

ほのこと「あれ?」

凛「にこちゃんじゃないとダメみたいにゃ」

にこ「ぬわぁぁぁんなのよぉぉぉぉ!!……どう?」

真姫「可愛い」

にこ「」カアッ

絵里「つまりにこの持ちネタはにこしか使えず」

希「ウケるのは真姫ちゃん限定」

海未「私がやっても損ではないですか」

ほのこと「やり損な女園田海未、イッテQはみやぞん」

海未「む」

すると彼女たちの前に現れるファーストフードのポテト🍟

穂乃果「続いてはポテト早食い競争だよ!」

ことり「にこちゃんといえばポテトを早く盗み食いをするのが特技」

にこ「特技じゃないわよ」

ほのこと「海未ちゃんと競ってもらうよ。よ〜い!ドン!!」

にこ「ばくばく」

海未「ふ、太りますが。負けられません」

にこ「ポテトばかりで舌がおかしくなりそう」

海未「カロリーが……」

ほのこと「はい!ストップ!」

にこ Mサイズ 10

海未 Mサイズ 15

穂乃果「まさかの海未ちゃん優勝!」

ことり「ファーストフードのポテト一年分無料券だよ」

海未「い、いりません」

真姫「にこちゃん大丈夫?」

にこ「た、食べられない」

りんぱな「ばくばく」

No.62 18/01/29 07:35
作家 

キャストコメンタリー30です

穂乃果「むしん?」

ことり「無心。いわば海未ちゃんや絵里ちゃんみたいなお堅い人が精神を集中したり無念夢想になることかな」

うみえり「バカにしてません?」

にこ「どんだけこの時はつらかったか」

凛「ぴくりとも動けなかったにゃ」

亜里沙「ロリコンはむかしからあったのですか」

にこ「ないわよ!絵里の妹だからて」

真姫「あたしはロリコン?ロリコンなのかしら」

穂乃果「とにかくデートがめでたく失敗した海未ちゃん」

ことり「おめでとう」

海未「なんでおめでとうなんですか」

花陽「『キャプテン翼』『仮面ライダーSpirits』『仮面の忍者 赤影』」

凛「にゃ。男の世界にゃ」

海未「女ですが」

穂乃果「とにかく真姫ちゃんにフラれておめでとう」

ことり「おめでとう」

海未「なぜか腹立ちますね」

真姫「あたしは関係ないわよね」

絵里「海未を振るなんて」

希「そやで。ひんにゅうはレアやで」

うみりんにこ「レアキャラではありません」

真姫「なんか胸がいたい」

穂乃果「真姫ちゃん!ガラスの心臓でも唄うんだよ!」

真姫「『キャプテン翼」か!」

No.63 18/01/29 08:22
作家 

キャストコメンタリー31です……はあ

海未「デートとはうまくいかないものです」

穂乃果「おめでとう」

ことり「おめでとう」

凛「おめでとうにゃ」

花陽「おめでとうです」

絵里「おめでとうなの?」

希「おめでとうや」

ほのことりんぱなのぞえり「真姫ちゃんにフラれておめでとう」

にこ「よし!」

海未「なんでそうなるんですか!」

真姫「なんか胸がいたいわ。役で演じただけなのに」

穂乃果「そもそも海未ちゃんはぱーふぇくとなすきるはないんだよ」

ことり「ちいさい頃から見てるけど○○あたっく!であたしたちを引っ張りまわし」

穂乃果「たまには考えて行動しようよ?」

海未「それは穂乃果ですけど」

穂乃果「考えてるよ?毎朝ごはんを食べたらどこでパンを買おうとか」

海未「だから太るんですね」

穂乃果「太ってないよ」

真姫「とにかく海未とのデートを終えたあたし」

りんにこ「追跡するあたしたち」

花陽「爪楊枝で気を失う凛ちゃんとにこちゃん」

穂乃果「『必殺!仕事人』だよ」

海未「演出です!」

穂乃果「演出で爪楊枝を使って気絶させる?」

海未「」

No.64 18/01/29 20:38
作家 

キャストコメンタリー32です

海未「にこと凛を家に帰し家路に着く私」

ほのこと「切れ痔?」

海未「い・え・じ」

ほのこと「き・れ・ぢ?」

海未「とりあえずu’sから穂乃果とことりを卒業させますか」

ほのこと「ごめんなさい。はんせいします」

海未「わかりました。許します」

絵里「たいへんね」

海未「穂乃果の方が女子力あるとは思いませんが『海未の名は?』でもここまで振り回されるとは思いも寄りません」

穂乃果「まるで考えのない子みたいな言い方」

希「ちゃんと穂乃果ちゃん考えとるんやんな」

ほのこと「ねぇ♪」

海未「しかしこの場面で穂乃果を懐かしがる私」

穂乃果「そんなに思われてもほのかこまるな」

海未「しかし私を貧乳呼ばわり」

穂乃果「ほえ」

海未「しかもどこの誰がC-C-Bやガンバルガー、ゴーオンジャーをおぼえてるんですか」

穂乃果「胸が〜♪」

ことり「胸が〜♪」

ほのこと「ひんにゅうになる〜♪♪」

うみりんにこ「やはり卒業しますか」

ほのこと「もう二度と言いませんから。ごめんして」

海未「はあ」

にこ「『海未の名は?』製作中断かしら」

海未「い、いいえ!やります!」

穂乃果「ほのかもがんばるよ!」

ことり「このままではほのうみ確定」

主「ことりちゃん脚本にしたがってね」

ことり「は〜い♪」

花陽「ほのうみ」

希「どうなるんやろうな後半」

絵里「わくわくどきどきだわ」

亜里沙「むしろ不安」

雪穂「同感」

穂乃果「ほのかを信じてよ」

ことうみまきりんぱなにこのぞえり「信じていい?」

穂乃果「うん」

海未「私を信じてください」

ほのこと「」

まきりんぱなにこのぞえり「なんか言いなさいよ」

ほのこと「……はい」

主「不安だ」

ほのこと「海未ちゃんをいちおう信じるよ!」

海未「一言多いです!」

No.65 18/01/30 07:37
作家 

キャストコメンタリー34だよ!

穂乃果「ついにキャストコメンタリー前半はおしまいだよ」

ことり「ほぼのーすきる海未ちゃんの独壇場だったよ」

海未「意味がわかりません」

花陽「東京に行っていたらしい穂乃果ちゃんのお土産はまさかの」

りんにこのぞえり「ハゲヅラ」

亜里沙「ハラショーなセンスです」

絵里「さすがの私でも引くわね」

穂乃果「うるうる。だってかなしかったもん」

ことり「よしよし」

にこ「東京にいってハゲヅラを買うのは穂乃果だけね。ドン・キホーテ行ったでしょう」

穂乃果「うん!」

花陽「しかしなぜか髪を切っていた穂乃果ちゃん」

凛「髪を切ると凛やかよちんとまぎらわしいにゃ」

穂乃果「我ら三食いトリオ!!」

穂乃果「パン!」

花陽「ごはん」

凛「ラーメン!」

海未「クランクアップ後にダイエットしますね」

ほのぱなりん「なんと」

穂乃果「しかし髪を切った穂乃果は祭りに参加しハイコウ彗星を眺める……。その時!!」

ことり「『海未の名は?ンミチャ!海未です!』後半更なる展開があなたの前にやってくる」

海未「ふつうに『海未の名は?』でもよかったです」

主「はい!後半撮影スタートします!」

にこ「よし!」

凛「にゃ!」

真姫「ふふん」

海未「はあ」

穂乃果「ため息つかないでよ!しあわせ逃げちゃう!」

海未「わかりました!私園田海未……!」

主「スタート!」

海未「最後まで言わせてください!」

希「いじられ海未ちゃんやな」

No.66 18/01/30 11:47
作家 

鉛筆を動かす私。
そう穂乃果と入れ替わりの日々を繰り返した海未です。
「ピカソかにゃ」
「ダウンタウンハマちゃんなみにど下手ね」
鉛筆の先だけをにこと凛に放ち二人に気を失わせました。
「凛!にこちゃん!」
真姫の声を無視しながら記憶の中の風景は捉えきれない私。
絵は下手です。およよ。

通勤ラッシュの中、毎朝にこは子ども料金で乗り私は鉄道警察に引き渡します。
「はなせ!」
「今日もまたにこが子ども料金で乗ってました」
「にゃ。子ども料金は乗るのはいけないにゃ。ずるずる」
「ついでに乗車食いの凛も」
「にゃ」
二人を鉄道警察に渡した私は学校に向かいます。

夜の部屋で絵心はありませんが絵を描きます。図書館に通うとにこはなぜか絵本ばかり借り凛はラーメン本ばかりに涎を垂らしています。無視して私は記憶の中の風景とあの山頂アタックしたい稜線を重ねます。
「山ガールにゃ?」
「山バカね」
「うるさいです!」
静かにと注意されました。

都会のアスファルト、青い空。黄砂が混じる空気。毎朝私は電車に乗り学校にいきますがたまに電車に乗らずに走っていきます。バイトもします。真姫とは親しくなり私はできる限りふつうに接します。笑顔です。誰に対してもフェアでありたいです。
「『8マン』みたいにゃ海未ちゃん」
「ほぼ人間ではない」
「人間人間」

真夏のように蒸し暑い夜もあれば肌寒い時もあります。だけど絵を描いていればなぜか脳が熱く沸騰します。スケッチブックに汗が落ちます。描線を滲ませる。穂乃果として見てきたあの風景が少しずつ形になります。

学校帰り、部活帰り、バイト帰りに私は電車と競うように走ります。風景は日に日に変わります。新宿にはゴジラが、四谷には『めぞん一刻』の四谷さんが、いませんね。気づけば作業用レイバーと戦う98式イングラムが戦ってます!
「にゃ!いけイングラム」
「2号機撃て!」
にこをとりあえずテロ容疑で警察公安に引き渡しました。
「こら!」
「公正してください」

そして私はようやく、乃木坂の町を風景画にしました。
にこは公正するまで出ないでしょうが真姫に世話をまかせました。
私が弓道以外でここまで身体を使ったの初めてです。そのまま机で眠ります。
穂乃果になれますように。
だけど無理でした。

No.67 18/01/30 19:03
作家 

とりあえず一週間分の着替えや下着そしてスケッチブックをリュックに詰めました。そして飛騨の山に登るために山頂アタックです!
普段の通学より早く朝一番の電車に乗り東京駅から新幹線に乗り換えです。まずは名古屋までの切符を買います。
だが私は目を疑いました。
「な、なぜ!?真姫はともかく警察公安に引き渡し次の特車二課第三の太田功候補の矢澤にこまで!?」
目の前に美しい真姫そしてグリコのオマケと化したにこ!!
「うふ」
「誰がオマケよ!」
……うふて笑みする真姫、なぜかオマケと化してまでもついてくる子泣きじじいのにこ!?
「誰が子泣きじじいよ!!にこよ!」
私はにこを睨みつけ迷子センターにつれていきましょうとすると真姫に止められました。
やめてあげて!
しかたありません。にこに特車二課という最適な職場を紹介してあげたのに。
「あたしは太田功か!」
せいぜいよくてもボスボロットに乗るとか。
「ボスじゃないし」
見た目が仮面ライダーエグゼイドのLv.1みたいですがそれ以上身長は伸びないみたいだし。
「誰がエグゼイド」
せめて70年代ならISO国際科学技術庁でG4号くらいです。
「甚平か。いまどきの世代が知らないことを」
「なぜ私の心が読めるんですか!」
「口に出して言ってたわ」
真姫のツッコミがあるなか新幹線に三人で乗りました。ちなみににこが幼児でない証明のために駅員さんにはくどくど言い聞かせました。
「ひとをなんだと思ってるの」
「まあまあ」
新幹線は走ります。

No.68 18/01/31 06:53
作家 

「にこ私が頼んだのは親へのお泊まりという嘘とバイトのシフト変更のはずでずが」
にこを睨みなが私は伝えました。怯えるにこは返事しました。
「ああ……海未のお母さんを見にいったらこれ」
スマホには『園田海未!山頂アタック制覇!第三のイモトアヤコ誕生!』と彼女の母や弟子たちが横断垂れ幕をもって密かに見送りしていた。ついでににこはさらにムービーな凛が動く。
『にゃ!バイトは凛にまかせるにゃよ!ただし海未ちゃんラーメン二郎に関東のラーメンは食べにいくにゃ!あ!三分経ったにゃ』
「あ、アホですか」
我が母や弟子たちもですがにこは凛にバイトをまかすという愚行。私は凛とラーメンめぐりをするのは確定ですか。学校には事情がありちゃんと休むと伝え飛騨に向かうはずでした。どうしても知り合いに会いたいからなにも聞かずに留守はまかせましたとするはずでした。せっかくプライドを踏んでにこごときに頭を下げたのに。
「こら」
「なにか」
「……とにかく真姫ちゃんも心配だから一緒に来たのよ」
「よけいなお世話です」
「だけどもし美人局とかなら」
「つつもたせ?」
目を丸くする私に真姫は見つめる。
「海未、メル友に会いにいくんでしょ」
「はあ、まあ……ええ」
なんとなく答えましたがそれは方便。にこは言う。
「あたしは真姫ちゃんといられたらいいけど。真姫ちゃんが心配だって言うから」
「なら帰りなさい」
「ひどっ」
まあまあとなだめる真姫。
「出会い系ならどうするの」
「ちがいますよ」
「真姫ちゃんといるからいちゃいちゃしながら見とくから」
「邪魔ですね」
にこを新幹線の窓から放り出したいのを堪えはあと吐息した。凛とはラーメンめぐり、真姫とにこのツンデレ凸凹コンビ。厄介です。まもなく名古屋に着くと車内放送があった。

No.69 18/01/31 18:21
作家 

穂乃果との入れ替わりは、ある日突然に起き、突然に終わった。ある意味ラッキーですが。理由はよくわかりません。そうやって何週間か経つうちに、あれは単にリアルな夢なだったかと疑念はあり膨らみます。ちなみに私の胸は変わりません。
ですが証拠はあるのです。スマホに残された穂乃果の日記やメモは、あんなかわいい表現は私にはできません。真姫とのデートだってノースキルノープランな私にはできないのですから。穂乃果はたしかに実在する少女なのだ。あの子の体温や鼓動、息づかいや声、サイドテールや犬みたいな表情はたしかに私は感じていました。あれは生きている穂乃果です。そう思いたいくらいにあれは可愛いらしい命。穂乃果はアホの子ですが現実です。
だからなぜその体験が突然途絶えたのか。工藤新一や金田一一などに相談したかったがやめました。穂乃果がただの風邪かあるいは病か。だとしても不安です。だから私は穂乃果に会いにいくのです!だけど----。
特急『あかがけ』の四人ボックス席で駅弁を食べまくるにこが言います。
「場所がわからない。バカなの?あんたバカ」
「『エヴァ』か」
真姫がにこに呆れます。
「はあ…」
「手がかりは町の風景?連絡はむり、イミワカンナイ!」
出ました!イミワカンナイ!真姫はこれがもとでアキバのツンデレクィーンになり声優Pileと共演しました。にこは味噌カツや他の弁当を食べながら言います。
「あんたバカ?いえウーミンね。ウーミン」
「にこ太りますよ」
私の一言ににこはうるうる泣きながら真姫に甘えます。にこの駅弁から身長だけ上に伸びるようによけいなおかずは取りました。結果、
「ごはんや梅干しに野菜ばかり」
「まあまあ」
真姫はなだめながら「仕方ないわ」と呟く。なぜかちょい上から目線。
「安心なさい海未!私たちが一緒になって探すわ!」
頼りになるのは真姫だけですが実はこの時すでににある尾行者が側にいたことに私は気づきませんでした。
ずるずるずるずる、にゃ!
どこかの座席から麺類を啜る音がやたら伝わります。

No.70 18/01/31 20:13
作家 

「きゃ〜可愛い〜!ねえ海未ににこちゃん見て!見て見て!」
昼過ぎにようやくローカル線の駅で、真姫はゆるキャラに黄色い声をあげてます。
ハイ、可愛い❤
するとにこは何を思ったのかにこはゆるキャラにケンカを売りはじめは優勢でしたが地元のゆるキャラは救援信号を送るとふなっしーから全国のゆるキャラ47都道府県すべてのゆるキャラがにこをフルボッコにしました!!
「きゃああ〜!?ち、ちょっとタンマ!?」
47都道府県すべてのゆるキャラにフルボッコされるにこを記念にインスタ映えするとイイネ!が全国から送られました。フルボッコされたにこは真姫に応急処置されました。
「よく生きてましたね……」
とりあえず駅舎にある町の地図を睨み、真姫は役に立ちますがにこは……はあ。
にゃ!駅前にラーメン屋いただくにゃ!
瞬間聞き慣れたような声に振り向きましたがちいさな影しか見えません。ごしごし?気のせいですよね。
とりあえずプランはこうです!
穂乃果の町の具体的な場所はわかりません!記憶にある景色から「私に間違いありません。この辺ですよね」と行き当たりばったりで電車で行く。そこからピカソも顔負けのスケッチの出番です。スケッチを手がかりに地元の人達に見覚えないか聞いて回ります。ローカル線の山々にそって北に向かいます!記憶の中の風景には踏切がありましたね。鉄道があったはずですから間違いない。計画的なやり方ですね。これが私の完璧穂乃果探しますプロジェクト。
『プロジェクトX』のテーマが欲しいです。
湖のほとりの町、レオゴンやビオランテはいないでしょう。いた場合はにこを生け贄に捧げたら私たちふたりの安全は確実です。夜までにヒントどころかゴールの町にはきっとたぶんおそらくあいまいに辿り着く自信あります。私は気合いを入れてタクシーの運転手さんに声をかけました。ちいさな一歩は大きな一歩です。
「ちょっと!にこ押さないでください」
「あたしじゃないわよ」
三人しかいないはずですがおかしいのでしょうか。

No.71 18/02/01 06:40
作家 

「やはり無理ですか……」
バス停にぐったりとなった私は気力がなくなりうなだれました。
聞き込みをはじめた時はスーパーサイヤ人ブルーなみに自信にみなぎっていましたがいまはヤムチャなみです。
最初のタクシーには「知らん。すまんな」と言われてから、コンビニ、土産物屋、民宿、定食屋に農家、地元のランジェリーショッブ。私やにこ、凛用がすこしでも大人びた下着を探しながら二時間に一本のローカル列車。バスに乗るものの乗客は私たちだけ。
待つにゃ!あ!追い越したにゃ!?ま、いいにゃ。
ん?気のせいですよね。
終点のバス停は見渡してもなにもない僻地。この間ににこと真姫はしりとり、トランプ、じゃんけんやおやつタイム、しまいにはツンデレ談義、ツンデレがふたりいると扱いづらいです。
「どういう意味」
「まあまあ」
あげくには私の両肩に寄りかかり真姫はいいですが、にこはバスの上に括りつけました。
「ぎゃああ〜!?」
途中地方ロケしていたダチョウ倶楽部に彼女はスカウトされてました。
私のため息をよそにバス停の前で互いにツンデレラブトークをふたりが声をそろえました。
「ええ!?真姫ちゃんとの既成事実は!」
「イミワカンナイ!こんな田舎まで連れてきて」
とりあえず私は気力を振り絞りスーパーサイヤ人ブルーから“明鏡止水”“園田の極意”のふたつを手に入れてふたりを黙らせました。対照的に犬を連れたことりに似た声が日高のり子ぽい人がいました。
「真姫はともかくにこは何しに来てるんですか」
フフン、と真姫はカミノケクルクルとしにこは真姫ちゃんと既成事実と拳を握ってました。
にこを田んぼに投げようとしたらダチョウ倶楽部がまたやってきて彼女にリアクションをレクチャーしてました。
はあ……。

No.72 18/02/01 11:01
作家 

私高山ラーメンね
俺高山ラーメンひとつ
あ、ハイ。私も高山ラーメンひとつ願います
じゃあ凛は高山ラーメンとメニューにあるラーメン一人前ずつにゃ!
頼んで三秒ほどで出来たラーメンが私の前に置かれた途端に聞き慣れた可愛い声に私はラーメンが入った丼に頭から突っ込みラーメンを台無しにしてしまいました!?
「凛っ!?なぜあなたがなぜここにいるんですか」
私たち三人は不毛な道のりのなか、奇跡的に営業してるラーメン屋さんをみつけとにもかくにも駆け込んだのになぜ凛がいるの疑問があるなかにこは淡々と説明しました。
「東京からずっとあちこちにいたんじゃない」
「そうなの」
「待ちなさい!バイトのシフトはにこがあなたに頼んだはずですが、あなたの代わりは誰です」
凛はラーメンを啜りながらにゃにゃと語る。
「にゃあ、ラーメンあるところに星空凛あるにゃ!三人からラーメンを食べる匂いがしたので尾行し続けていたにゃ。ちなみにバイトはヒフミトリオとかの加藤一二三さんに頼んだにゃ」
スマホを見せる凛。
『う〜み〜!!ヒデコだよ!フミコだよ!ミカ。か、加藤一二三です。バイトは私たちにまかせて!ま…まかせてください』
「アホですかぁぁ!!」
「海未ちゃんよりマシにゃ」
ちなみにヒフミトリオというのはメイドカフェで私たちがメインで出られない時に立てる代役もしくはスタッフです。
「あ、海未ちゃん」
「なんですか凛」
「あのね。りん旅費がここで尽きたから宿泊代と食事代、帰りの旅費をお願いするにゃ」
「……」
さすがに私は固まりました。その中ラーメン屋の奥さんは凛が頼んだラーメンを並べていきます。
「歩いて帰りなさい……」
「ずるずる……ひどいにゃ…」
「ひどいと思うならテーブル中のラーメンを下げてください」
「ひどいにゃ……ずるずる」
しかたなく私は丼からこぼしたラーメンを注文し直し話し合いの末凛の旅費は三人で折半ですがなぜか私の負担が大きいです。
ラーメンは美味しいですが、最後に凛が現れるとは誰が予想したでしょう。
「わからなかったのね」
「海未だし」
「にゃにゃ」
どうやりにこと真姫は東京を出る時にすでにわかっていたようです。テーブルに並べられたラーメンが大食い番組のようでし。旅費どころかここの食事代も払うのですね。
「にゃん」

No.73 18/02/01 15:29
作家 

ラーメンは美味でした。凛ほどにラーメンは詳しくはありませんが最後まで汁を飲むほどに美味でした。
ずるずる……まだ凛は食べるつもりでしょうか。
「東京に戻れますか」
「ギリギリじゃない。この子もいるんだし」
にこはなんだかんだで手際がよくスマホで調べています。ありがとうと礼を言います。
「海未それでいいの?」
色っぽく食べる真姫が私に問います。どう答えていいのかわかりません。太陽は山の端にひっかかりのどかな風景です。
「なんていうか全然見当ちがいでしょうか」
自信をなくしながら東京に戻りもう一度調べ直した方がいいかもしれません。写真ならともかくスケッチからでは町を探しのは無理でしょう。丸い湖や側に民家はどこにでもある町な風景。ピカソばりの画がいけないのでしょうか。普通に描いたのもありますが。
「それ、むかしのノギサカじゃないの?」
振り向くとあんじゅと呼ばれる奥さんがコップに水を入れながら呟きありました。
「お姉さんが描いたの?見せてくれない」
そう言いあんじゅさんは美しい顔に懐かしさを見せる。
「よく描けてるわ。英玲奈見てよ」
厨房にいたのは主人の英玲奈さんがナンダと棒読みした。真姫の親戚でしょうか。
ちがうわよと真姫。
「ああむかしのノギサカだ」
「このひとノギサカ出身よ❤」
英玲奈の瞳は懐かしみながら私の下手な絵からスキャンするように見ています。
ノギサカ……?
ふと突然に私は思い出しました。
「ノギサカ……、乃木坂町!なんで思い出せなかったんですか!この辺りですよね!?」
英玲奈とあんじゅは互いにふしぎな顔をした。
「あんた知ってるはずでしょう。乃木坂町は」
にこが顔を上げる。
「乃木坂……て海未。あんたまさか」
「それはたしか例の彗星の……」
「ラーメン一丁にゃ」
「食べない」
真姫でさえ驚きがあるなか私は凛を掴む。
「にゃ……乃木坂町は」
「え……?」
ラーメンにしか興味ない凛でさえ呟き私は皆を見つめる。皆が貧乳以上に私を見返す。この時に私は不安というものを忘れ不吉な予感がありました。

No.74 18/02/01 16:26
作家 

ぞっとするほどに寂しげななかに、トンビの鳴く声がします。
進入禁止のバリゲードが無数にならび割れたアスファルトに長い影。
災害対策基本法により立入禁止、keep out。復興庁。そんな字面が、看板が無数にあります。
そして私の眼下には、まるで月のクレーターのように巨大な力で引き裂かれ湖に飲まれた乃木坂町がありました。
「……ねえ、ほんとにここなの?」
真姫が不安げな声で訊きます。私の返事より先ににこが明るく答えます。
「まさか!海未の見間違えだって」
「いいえここです……」
私は断言します。
「町だけじゃない。校庭に山に、高校、間違いないです」
私は大声で叫び伝えました。私たちの背後には窓ガラスが割れ廃墟に近い校舎。湖を一望できた乃木坂高校に私たちはいました。
「なんなの?ここが。海未が探してた町?」
にこはさらに私に言います。
「そんなわけないでしょう。三年前にみんな死んだのよ。海未ならおぼえてるはずよ」
にこの言葉ににこの胸ぐらをつかみます。
「死んだですって」
私はにこを見て真姫を見て凛を見て学校を、そして遠い向こうを見つめます。
「……三年前に----死んだ?ありえません」
三年前にたしかに東京の音乃町からもみえました。西の空に落ちる無数の流星。
あの時にまさか。
---そんな。
絶望の二文字が襲います。
私はスマホを見ます。
「まさか……だけど」
スマホから文字が変な形になり消えていきます。バカな!
「え……」
一文字一文字。
穂乃果の書いた文字がろうそくのように消えまた消えさらに消えていきます。まるで目に見えない力で削除されるように。
「なぜ?どうして……」
ちいさく私は口に出します。トンビの鳴き声と凛のラーメンの咀嚼音がします。

念のために場を去る前に凛とにこをレオゴンとビオランテに生け贄に捧げようとしたら真姫に止められました。
「『帰ってきたウルトラマン』か」
「『ゴジラvsビオランテ』にゃ」
「原案は同じ人ね」
「せめてにこと凛を生け贄にしたら何かわかるかと思いまして」
こら、とふたりに叱られました。

No.75 18/02/01 19:30
作家 

九千年と長い周期で太陽のまわりをまわるハイコウ彗星、それが地球に最接近したのが三年前の十月、ちょうど今頃の季節。七十六年ごとに来るハレー彗星ほどにメジャーではなく超長周期であり軌道半径は九百九十九億万キロメートル壮大なスケールから『銀河鉄道999』の原点とされるらしい。彗星の来訪。、しかも予測される近地点は役九百九十九万キロメートル、月よりも近い。九千年ぶりの来訪。一説には乃木坂町にある山に住んでいた名称不明の原人たちは見たという。ハイコウ彗星を見てハイコウ……と言ったかどうかは不明である。
しかしその核が地球の最接近の際に砕けた。しかも氷の塊はかのウルトラマンレオの弟アストラがババルウ星人に閉じ込められた氷より巨大だった。その氷の塊は隕石になり乃木坂町に落下し秒速三十キロメートル以上の破壊的スピードに落下した。落下地点は日本----そこは乃木坂町。
町はお祭りだった。落下時刻はニ十一時九分九秒、衝突地点は高坂神社付近。
隕石落下により、神社を中心とした町は広範囲に壊滅。家屋、森林を薙ぎ倒し破壊し地表がえぐられた。直径一キロにおよぶクレーターが形成。さらに五キロ離れた地点でもマグニチュード4.8の揺れが確認。十五秒後には爆風が広がった。町の広範囲は甚大だった。最終的な犠牲者は五百人以上、町の人口の1/3。乃木坂町は人類史上最悪の舞台となった。
ある者は“セカンドインパクト”またある者は“神の試し”またある者は“マクロスがいたから”“プロトカルチャーの仕業では?”と憶測は無数にあった。
町の南側は比較的被害は少なかったが、被害を免れた千人は町から転出者が相次いだ。一年を待たずして自治体としての維持は困難となり、隕石落下からおよそ一年あまり、乃木坂町は名と共に消えた。
これが歴史である。

No.76 18/02/02 05:37
作家 

----これはすでに教科書的事実だから、文武両道な私もだいたい知ってました。三年前私は中学生です。近所の高台で母や弟子たちとハイコウ彗星を眺めました。
だけどおかしいです。
つじつまが合いません。
私はつい先月まで何回も、穂乃果として乃木坂町で暮らしてました。
だから私が見たのは、穂乃果の住まいは、乃木坂町ではない。
彗星と穂乃果との入れ替わりは無関係。
そう考えるのが自然。
だが乃木坂町近隣にある図書館でいくつか本をめくり混乱が襲います。先ほど頭の内では、お前は穂乃果としてすごしたと誰かが囁きます。
『消えた乃木坂町・全記録』
『一夜にして沈んだ郷・乃木坂町』
『ハイコウ彗星の悲劇』
『花陽のお米全記録』
私はありとあらゆる本をめくる。やはり私がすごした場所。小学校は花陽が通う建物、高坂神社は雪穂おばあさまが神主をしている神社。無駄に広い駐車場、二軒のスナック、申し訳程度のコンビニ、小さな踏切、乃木坂高校、すべて見覚えありました。
息が苦しい。心音が不規則に伝えます。
鮮やかな写真の数々に現実と空虚な気持ちが吸い込まれます。
「胸がちいさいから」
「にゃ!」
ふたりを窓から放り出そうとしたら真姫が止めました。
「乃木坂高校・最後の体育祭」
記された写真を見ると見覚えがある気がします。サイドテールなふたり組。
私はいったい。

No.77 18/02/02 12:14
作家 

空気がさらに薄い。
首の後ろから熱い血が垂れ、手でぬぐうと汗です。
「----海未」
背後をみると真姫、にこいまだラーメンを食べている凛。凛を英玲奈夫妻のもとまで連れていき食べたラーメン代分は働いてもらいましょう。図書館に戻ると真姫は私に一冊の本を渡す。分厚い表紙、ちょうどあの希のように。表紙には重々しい書体で、
『乃木坂町彗星被害 犠牲者名簿類』
とありました。頁をめくる私。指で頁をめぐり辿りやがて見覚えある名前で指が止まる。

高坂 希(18)ワシワシMAX中に死亡

絢瀬 絵理(18)ワシワシMAXされた途中に死亡

なにしてるんですか。祭りの最中に。哀しみより怒りが沸々とします。さらに頁をめくる。

絢瀬 亜里沙(15)おでこが輝きロシア美少女大賞を受賞中に死亡

南 ことり(17)失恋のショックで焼き鳥屋やフライドチキン店を開業した途端に死亡

「亜里沙に、ことり……」

私の呟きにふたりは息を呑む。
そして私は決定的な名前を目にしました。

高坂 雪穂(年齢不詳)

高坂 穂乃果(17)パンを頬張り隕石落下中にもトーストをかじり死亡

高坂 花陽(9)九歳とは思えない隠れ巨乳。亜里沙に続き美少女コンテスト優勝。賞品の米俵を担いでいた模様。

真姫とにこが私の後ろから名簿を覗く。
「この子なの?なにかの間違いよ。だって」
真姫が泣きそうな表情で訴えます。
「三年前よ。亡くなったの」
私は必死に声を出します。
「----ついニ、三週間前に!」
息が苦しい、呼吸し続け囁く。
「彗星がみえるね、てこの穂乃果が……」
目をなんとか『穂乃果』の文字から離して言いました。
「だから……!」
顔を上げると暗い窓に私の顔が映ります。お前は誰です、とっさに思う。ふと頭の内から遠く懐かしくしわがれた声が聞こえた。おや、あんた---

あんたいま、夢を見とるな?

夢?私は激しく混乱しました。
私は、
いったい、
なにをしてるのです?

ハゲでもアホでもないよ……!

どこか懐かしいアホっぽい声がしました。

No.78 18/02/02 17:27
作家 

隣の部屋から宴会の音が聞こえます。
ニ十年ほど前の「思ひ出のベイブリッジ」が流れた途端にこが「あたしに歌わせなさいよ!」と乱入したまたま飛騨付近に来ていた特車二課第二小隊がにこひとりに乱闘!しかし後藤田隊長によりにこは四代目のイングラム操縦者候補になったようです。めでたしめでたしです。凛は英玲奈さんたちのラーメン屋でラーメンを売りまくったようです。しかし凛の食費がかかるので明日には帰らせるようです。
「まだ食べたいにゃ」
「なんで特車二課第二小隊がスカウトすんのよ」
なんだかんだで隣の宴会部屋でうまくやってるようですがゴン!と私は机にうつ伏せになります。額を打ち痛みが遅い。くたくたです。
当時の新聞や週刊誌のバックナンバーをいくら見たり読んでも頭に内容が入りません。スマホも何度確かめましたがあの子の日記は消えてました。痕跡はない。
うつ伏せのまま目を開き机を睨みますが数時間の結論を出す。
「夢、夢なんですか」
信じたい。いえ信じたくない。
「景色に見覚えあったのは、三年前のニュースをおぼえていたから。あれからあの子の存在を」
「……幽霊?いえ……そんな」
私の。
「……妄想?二次創作?」
はっとして顔を上げました。
なにかを忘れています。
----あの子の。
「……あの子の名前は、なんでだろう?なんでだろうはテツandトモ」
そこへノックがしました。
「にこちゃん、特車二課の面々さんとお風呂だって」
ふと気づくと真姫がリアルな浴衣姿で入ってきました。美少女は何を着ても似合います。私が男なら……!襲いませんよ。
「あの真姫。恵方巻き」
「誰が恵方巻き」
冗談です、と頭を下げ声をかけます。
「私、なんかへんですね。今日一日すみません」
なにかを封印しリュックには登山道具があるなか、山を登れない登山者みたいに私はざんねんな表情をしてるのでしょう。
「ううん……」
真姫はちいさく微かにオードリー春日の持ちネタ鬼瓦!をしました。
「してないわよ!」
「ちがうんですね」

No.79 18/02/03 06:14
作家 

「一部屋しか取れなくてすみません」
「下でにこちゃんにも言われたわ」
きっとここがオトナの入る卑猥なホテルなら真姫はあのシェリル・ノームのように女王様になりにこや凛はムチで叩かれるでしょう。
「しないわよ」
「はい?」
真姫は睨みながらも笑みした。私たちは窓際に座り凛はラーメンを外で啜っています。
「私は平気。海未のおかげでみんなとお泊まりするなんて初めて。教員組合さんの懇親会らしくにこちゃんは生きた教材みたいなテキストね」
「誰が生きた教材よ!」
隣からにこの声が聞こえます。真姫は美人らしく旅館で歩くたびに何かをもらってきます。
「へえ、乃木坂町て組紐やリボンの産地なのね。きれい」
真姫は感心したように呟く。私が図書館から借りた一冊。
「私の母も着物を着るから、何本かうちにあったわ」
私は湯飲みを持つ手が止まる。私の右手首を真姫が見る。手首フェチ?
「フェチじゃないわよ!それ組紐?」
「え……?」
気づくといつものお守りでした。鮮やかな色の紐やリボンが手にいつもありことに気づく。
……あれ?
これは、たしか----。
「たしか、誰かに、ずっと前に……お守り代わりに…つけて」
なにかが頭の内にあります。
「誰に」
私は誰かを……思い出せない。
でもこの紐かリボンを辿れば……なにかありそう。
「……海未」
真姫は私に言います。「お風呂入ってきたら?」
「お風呂……はい……」
きっとお決まりの豊胸効果もあるはずですが、私はいつもならときめくはずなのに気持ちは沈んだまま。

No.80 18/02/03 06:47
作家 

豊胸効果のある温泉に向かいたいですが、私は組紐やリボンを見つめる。ここで手を離せば届かない。私は記憶を探る。宴会が終わったにこや凛は教員さんたちが運んできました。
「にゃ」
「真姫ちゃん……」
酔いつぶれたみたいですが雰囲気に酔ったようです。
「……私、組紐を作る人に聞いたと思います」
あれは、誰?やさしい声。昔話。
「紐は時間の流れ、ねじれに絡まり、戻りつながりそれが時間。それが……」
秋の山。沢の音。甘いお茶。
「それがムスビ……」
おにぎりやおむすびではないです。
ふとなにかが景色が頭に広がり-----。
山の上のご神体。奉納した、あの酒。
「……あの場所なら……」
私は地図を出し山頂アタックとはちがう気持ちが胸の内からなにかに突き動かされました。三年前の乃木坂町の地図。たしか場所は、隕石の被害範囲の外。
私は鉛筆を持ち、あの場所を探す。神社より北側つまりは山の方!カルデラ状で。私は……私は……。
真姫がにこや凛を寝かしつける声がしますが私は地図から目を離すことができません。
「にこちゃんは将来ウチの病院で診るわ。凛は誰かいい人を見つけてね」
なにするつもりでしょうね。にこの将来が不安です。

No.81 18/02/03 13:43
作家 

……ちゃん。……うみちゃん。
呼び方を変えて。
……ンミチャ。
「うみちゃ、海未ちゃん」
まるで犬が飼い主にすりよるような声。遠い瞬きあるような、寂しい震える声。
「覚えて、ない?ないよね」

そこで目が覚めた。
……!
ふと天井や襖から四方八方から枕が投げられました!かわす私!手には枕を持ち相手の位置を確認!照準わかりました!
背後に三人!枕をひとつまたひとつと投げ撃破!
すぐさま左右の手で枕をゲットしました!
「いまにゃ!」
「いまよ!」
サッと身をかわし凛と花陽は互いに同士討ちです!!
「にゃ!?やられた」
「しまった」
ふたりは倒れましたがすぐさまふたりがお世話になった教員組合や特車二課が枕を投げました!
「早い」
「ぐふふ」
特車二課の太田原さんという方が不気味に笑います。二課第二小隊の面々は七人。
教員組合たちは瞬時に倒しましたが手に枕がありません。
やれ、後藤田隊長が私を狙います。
しかし倒れたにこたちを盾にします!!
「!?」
「ひどいにゃ」
そのまま枕を回収し第二小隊の面々を三人ほど倒しました。三人いや四人。
「気づいたわね」
「カーシャさんですね」
枕が互いの間を行き交いました!倒れたのはカーシャさん!
私はにこを盾にしました。
「!?」
「すみませんにこ」
「ならするな」
「泉野いまだ!」
襖から太田原さんの声がしまずは彼を撃破!惜しい!と後藤田隊長の声がします。
泉野さん。背は低くにこたちとどっこいです。
余計なお世話よ。
枕をすかさず投げて身を隠します!
「きゃ」
泉野さんを倒し残りは後藤田隊長に女将、……真姫!
後藤田隊長と女将を撃破しました!
「なんて奴だ」
「きゃ」
真姫はどこに?
気配がします!
「ここよ!」
彼女は押し入れに隠れ枕を投げて身を隠しました!避ける私!
互いに凛とにこを盾にします!
「真姫ちゃんのためなら」
「いやにゃ」
勝負は一瞬で決まりました!
「勝った、いえ」
「いえ……真姫の勝ちです」
「え」
私は真姫に敗れました。
秋葉原枕投げ大会で勝っただけあります。
ちなみにこの旅館では枕投げ大会は女将たちスタッフや泊まり客まで総出で行うようです。
普通の旅館に泊まりましょう……。気を失いました。

No.82 18/02/03 14:04
作家 

気を失い少し寝た私は早く目覚め着替えました。身なりを整え山頂アタック装備になり真姫たちが見てないか気になりました。
いつの間にか真姫の隣で寝ていたにこを教員組合と特車二課第二小隊の間に布団を入れました。凛は真姫のそばでいいでしょう。
私は手首の組紐を見ます。可愛らしい少女の声。その声が鼓膜にあります。
----あなたは誰です。
名も知らない少女に問います。返事はない。まあかまいません。

真姫・にこ・凛へ
私はどうしても行ってみたい場所があります。先に東京へ帰ってください。身勝手な私をお許しください。後から必ず戻ります。
ありがとう 海未

P.S 枕投げ大会の準優勝賞品を横取りしたら凛やにこは許しませんから

と可愛らしいメモを置いて少し考えと財布から真姫には五千円、にこと凛には五円置いて湯飲みとメモを置きました。
これから山頂アタックも兼ねて、私はまだ会ったことのないあなたに会いに行きます!
目指せ!カルデラ山の山頂アタックです!

No.83 18/02/03 16:10
作家 

最近は棒読みなひとが増えたのでしょうか。真姫や隣でハンドルを握る英玲奈というご主人。しかし美人です。
ここで一句
《英玲奈さん えれぇ〜なあ〜と思うくらい 感謝します》
一瞬トラック内がシーンと静まり私は英玲奈さんに睨まれました。
ごめんなさいと頭を下げました。
しかしなんだかんだいっても親切なひとです。早朝の私の電話を聞いてくれ車を出してくれました。昨日も乃木坂高校や市民図書館まで送ってくれたのも英玲奈さん。いくら私が体力あるといっても山のふもとまでは体力あるとは限りません。だめならヒッチハイクをしてでもと思いましたが。
助手席からは、新乃木坂湖の緑が見えます。まさにセカンドインパクトのようです。半壊した民家や電柱、アスファルトが割れ、まるで第三新東京市です。だがネルフはいません。見慣れていると気のせいなのか、最初からこんな場所と認識してしまいます。だから私はなにを思えばいいのか----怒り、悲しみ、いずれもわかりません。一つの町が消えるのは理解を越えています。私は風景に意味を見いだすのはあきらめました。空を見ると『エヴァ』の使徒が降臨しそうです。渚カヲルくんより名も知らぬ少女に逢いたいです。

No.84 18/02/03 19:22
作家 

湖に沿うように英玲奈さんの運転するトラックは北上しこれ以上は登れないという辺りでサイドブレーキをかけました。そしてあるスイッチを押しました凸ポチッ。
「チェンジ!エレナロボ!」
場が静まりました。
「とロボットに変形すると思った?」
「あはは……」
無理して笑いました。
「ロボットに変形するわけないじゃない。ひと雨くるかもな」
空を見上げ彼女は言います。
「ここは険しい山ではないけどすごい登山装備ね。だけどあなたみたいなひとでも危ないかも。なにかあったら電話か特車二課に電話しなさい」
「はい」
「それからこれとこれとこれ……これこれも」
そう言い彼女は大きな弁当箱に明らかに炭酸飲料水のペットボトルに五百円以内ほどのお菓子、炭酸飲料水は苦手ですが。「上で食べなさい」
両手で持つと重たくリュックに入れさらに重くなりました。
「あ、ありがとうございます……」
炭酸飲料水はどうしようかと思いながら園田家の娘として頭を下げました。こんな私のために親切に。あ、ラーメン美味しかったですとにこ、凛、真姫の代わりになんとか伝えました。なんとかいくつか礼を重ねながら頭を下げました。英玲奈さんは頭を撫で私のスリーサイズを測るように見て、
「事情は知らないけど」ちいさくムネがないとよけいな一言が耳に入りましたが。
「あなたの描いたピカソみたいな乃木坂。うん絵心はなかったけどたぶん画家として絶対向かないけどたぶんおそらくまず無理ね。……だけどよかった」
ムネに止めを刺されながら画家になることはよしましょう。どこかからマグマ星人が降りてくるような雷が鳴りました。
私は静かに山を登りました!山頂アタックです!
すると私が背を向けた途端にトラックはエレナロボに変形しました!
しかしそれを知らない私でした……。
英玲奈さんはつぶやく。
「なんで見ないのよ!」

No.85 18/02/04 05:49
作家 

獣道を歩き時には伐採し舗装するほどに丁寧に私は山を登ります。
時おり立ち止まりながら、地図に書き込んだ目的地と、スマホのGPSを突き合わせます。大丈夫です、私は伊達に人間レーダーソナーの海未ちゃんではありません。周囲の風景はどこか見覚えあると思います。だけど、夢のなかで一回登っただけの山。たぶんですよね。しかしこんな山を登れなくては山頂アタックウミチャンの名が廃ります!
車から降りるとあれ?英玲奈さんのトラックがロボットに!?ごしごし……あれ。またトラックに。気のせいでしょうか。とりあえず何度も頭を下げました。そうしていると真姫、にこ、凛の顔が浮かびました。私みたいな者のために英玲奈さんも三人も心配で付き合ったのでしょう。たぶん私は泣き出しそうな顔なのでしょう。音乃町では藤子不二雄の漫画に出てくるガキ大将といわれた海未チャンです。放っておきたくてもできないくらいジャイ○ンなのでしょう。
----いつまでも、そんな顔をしてはいけません。誰かの差し出す手には甘えては山頂アタックはできません。
木々の隙間には新乃木坂湖が見え、さすがに渚カヲルくんはいません。第三新東京市ではないですから。ふいに、雨が降り顔に当たりました。風や木々の音が耳にあたります。私はレインコートを着て完全防御です!
レインコートという名のATふぃーるどです!
途端に雨が私を狙い撃つように降ってきました!
きゃああ〜!!

No.86 18/02/04 15:47
作家 

読者の皆さまに伝えます。
山の天気は変わりやすく舐めると痛い目に遭います。
どしゃ降りの雨が土を削りきっとゴジラ怪獣やウルトラ怪獣の睡眠を妨げようとしてます。
気温が雨に吸いとられ体温は下がっていきます。肌が冷たい。
私はちいさな洞窟を見つけキツネやタヌキ程度ならいいですが熊は勘弁してほしくおそるおそる入ります。英玲奈さんにいただいたお弁当を開けましょう。お握りが三つほどにおかず、おかずはチャーシューやごま油で炒めたモヤシなどいかにもラーメン屋さんですね。おいしいです。
きょろきょろ?凛はいませんね……。いませんよ。よし!凛が来る前にガッツリ食べます!いじきたないですが昨日みたいに凛がいたら面倒です。
にゃあにゃあ。
ん?
気づくと子猫でしょうか。あの隕石のなか生き延びた子猫です。お握りからお米、チャーシューの切れ端、モヤシなど少々あげました。あとお茶を薄くしたお水。
にゃあにゃあ。
うふふ、元気になりました。
すると私と子猫はお腹一杯になりふと食道や胃のつながりを感じました。
ムスビです。
お握りではないムスビ。
水、お米、酒、食物はなんでも身体に入ります。ムスビは魂と身体が結びます。
あの日私は、このことは目が覚めていても覚えていたいと思いました。ムスビ、それが手首にある紐かリボン状を見つめる。
まだつながってますよね。まだきっと……。
子猫は私をやさしく見つめていました。

No.87 18/02/05 15:20
作家 

いつの間にか木々の姿はなくなり、周囲はヒマラヤの山地ほどではないですが苔に岩場です。眼下には、雲の隙間にひょうたん状の湖が見えました。ここで一言。
山頂アタック!達成です!!
うん。誰も聞いてませんね。ついに山頂です。
「……ありました」
先にはカルデラ状の窪地、ご神体の巨木の姿。
「……本当にありました!……夢では、ない……!」
小降りに降った雨が、涙のように頬を濡らし私は袖で顔を拭います。
記憶や夢のなかで小川だったはずが、池のよう。『逆シャア』のシャアの隕石?フィフス・ルナ。まさかのマクロス艦。いえいえ……。
ん……?
湖のずっとずっと先に二本の柱らしいものが。
マクロス艦はたしか人型になると主砲が柱のように……。
私の気のせいです。
だけど二本の柱、気になりますが私はプロトカルチャー学者ではありませんから。
地形を見つめ池を挟んだ数十メーター先が目的です!
ここから先はあの世。
『ゲゲゲの鬼太郎』『どろろんえん魔くん』『デビルマン』『地獄少女』……閻魔あいはいませんよね?最近は『妖怪ウォッチ』ですかね。
確か、誰かがそう言いました。
では、三途の川。
ここで私は何とコートを脱いで登山道具は水に落ちないように置きました。
うっふっふ。
ここで私が木ノ実ナナ、じゃなくて着の身着のまま水に入ると思ったあなた。海未ちゃんは先を見通してました。
私服を一枚一枚脱いだ私の身体は……。
ひんにゅうだよ! BY 穂□果
ん?誰かの声が聞こえましたが。
服の下には水着を着ていたのです!スクール水着です!胸にリボンがある水着?知りません。
とりあえず必要なものだけまとめ頭の上にくくりつけ冷たい水に入りました。
冷たい。歓迎はされてない。ここは領域。
炭酸飲料水にお菓子ですが一晩くらいは過ごせるはずでしょう。
私は水を渡りきりました。

No.88 18/02/05 20:26
作家 

その巨木は、大きな一枚岩に根を絡ませてました。
樹がご神体か、岩がご神体か、あるいはは両者の姿が信仰の対象なのか、私にはわかりません。勉強をしておけばよかったです。根と岩の間に小さい階段があり、そこを降りると四畳程度の空間があります。
ところで読者の皆様、私園田海未がいまだスクール水着と思っていらっしゃるようですが陸に上がりしばらく体調を整えてから着替えました。
残念ですね。
中に入ると、そこは沈黙が支配してます。
私は凍える手でスマホを取り出しました。濡れてない電源を入れます。暗闇でタッチパネルの操作音でさえ、フォッフォッと……バルタン星人です。それは。フォンという音でさえ響くようです。懐中電灯代わりにスマホのライトで照らします。
色や温度がない世界。
ライトに照らされて浮かぶ社、GLAYいえグレイ、色のグレイ。宇宙人のグレイではありません。石造りの小さい祭壇に、瓶子(へいし)がふたつありました。
「私たちが、運んだ酒……です」
私はそっと触れると身体は冷たくありません。
「こっちが米好きな妹……」
形を確かめ左の瓶子を掴み持ち上げるとかすかに抵抗がありベリ、と乾いた音。苔が根を張ってました。
「こっちが私が持ってきたものです。はい」
私は座り、目に近づけライトを照らす。輝きを放ってた瓶子はすでに何年も過ぎたようです。ずっと疑問に思いある考えを口にしました。
「……三年前のあの子と、私は入れ替わってたのでしょうか?」
蓋を封印してる組紐をほどき、蓋の下にはコルク栓。
「三年、時間がずれていて、入れ替わりが途切れたのは三年前の隕石が落ちてあの子が……」
言葉に出すと涙腺がゆるみそうになりコルク栓を抜いて、アルコールの匂いが、蓋に酒を注ぐ。
「あの子の、半分……」
思い出せないあの子の半分と思うと私ははしたなくふしだらな思いを感じながら見つめていました。

No.89 18/02/06 12:06
作家 

ピチョーンピチョーン、と洞窟から滴る水が私の頭を打ちながら丸一日ほど過ぎました。
私はあの子の口噛み酒を口につけるのに丸一日ほど固まったまま考えていました。
しかしようやく決意しました。
「……本当に時間が戻るなら。もう一度だけ----」
あの子の身体に!そう願いながら、一気に飲み干しました。人生初の間接キス!喉が鳴り、驚くくらいに身体中から響きます。身体のなかに熱い塊が通ります。それは胃の底から弾ける感じです。
「……」
あれ?何も起きません。
その間にリュックに入れた炭酸飲料やお菓子を御供えして起きます。
ふと慣れない酒に、少し体温が上がった感じがします。ぼんやりとなにか頭が浮遊し身体まで。あれ?う〜ん。
……ダメなのですか?
私はお参りをし掌を合わし祈り終え立ち上がりかけた時でした。ふいに足がもつれました。視界がぐるぐるし転ぶ、という感覚があります。
----え。
私は仰向けに転んだはずですが、背中が地面にあたりません。視界はゆっくり天井が見えました。私の手はスマホを持ちライトが天井を照らす。
「……彗星……」
声に出ました。
巨大な彗星が描かれてました。
岩に刻まれ、古い絵。天に長く尾を引く巨大な彗星。赤や青の色が、ライトを受け輝きます。飛行石とはちがいます。そしてゆっくり天井から浮き上がります。
わずかに「A H O N O K …」と描いた原人らしい文字が隅に見えた感じ。。
目を見張る。
絵の彗星が、私に向かってきます。
ゆっくり、ゆっくりと巨大に目前まで。大気との摩擦で燃え、岩塊がガラスのように輝き、宝石のようです。そんな細かくよく見える細部まで、見えました。
仰向けに倒れた私の頭が石にあたり、彗星が私の身体にぶつかるのは同時でした。

No.90 18/02/07 14:40
作家 

どこまでも落ちていきます。
あるいは昇っていきます。
そんなよくわからない浮游感の中で、夜空には彗星が輝きます。
彗星にふいに割れ、片方が落ちます。
その隕石は、山あいの集落に落ちて人がたくさん亡くなりました。湖ができて、集落は消えました。
時が過ぎ、湖の周囲にはやがて集落ができます。湖は魚をもたらし、隕鉄は富をもたらします。集落は再び繁栄します。それから永い時が経ち、また彗星が来ました。再び星は落ち、再び人が亡くなりました。
この列島に人が棲みついてから二度繰り返された。原人でしたが。
原人はなんとか記憶に留めてあの洞窟に描いたようです。言葉はまだほんのわずかながら後の世に伝えようとしました。文字はなくても長く残る形、彗星を龍や怪物、彗星をまた紐やリボンとして、割れる彗星を、舞いのしぐさに。

また、永い時が経ちました。
赤ん坊の鳴き声がします。
「あなたの名前は、穂乃果」
優しい母の声。
そして残酷な手応えのなか、へその尾が切られました。
最初はふたつでひとつでしたが、つながっていたのに、ひとはこうやって、糸から切り離され現世に落ちました。

No.91 18/02/07 17:47
作家 

「ふたりは父さんの宝物だ」「穂乃果、お姉ちゃんになったんよ」
若い夫婦の会話。やがて穂乃果に妹が生まれる。
「ぱなよちゃん」
「花陽よ」
しあわせと引き替えに母が倒れました。
「お母さん、いつ病院から帰ってくるん?」
妹の花陽が問うが、穂乃果はぎゅっとちいさな手を握り母が戻らないことを彼女は知っている。ひとは必ず死にます。でも受け入れることはかんたんではない。
「救えなかった……」
父は深く嘆き、彼にとって妻ほど愛した存在はなく、先もいない。長ずるにつれ妻に似ていく穂乃果の姿は、祝福そして残酷なことでした。
「神社など続けたところで」「婿養子が何を言う!」
父と祖母のいさかいは日に日に増しました。
「僕が愛したのは穂乃果や花陽の母です。高坂神社ではない」「出ていきなさい」
父も祖母も、大切なものの順序を入れ替えてたことに気づきながら歳や年月には逆らえない。父は耐えきれず、家を出ます。
「穂乃果、花陽。これからはお祖母ちゃんが一緒やで」
重り玉の音が響く家、女三人だけの生活。
それなりに穏やか、だけど父に捨てられた、この感情は穂乃果の無垢な心に染みとなりいまも残る。

---これは、
穂乃果の記憶?
私はなすすべもなく濁流に流されるように、穂乃果という時の流れに流されてました。

No.92 18/02/07 18:16
作家 

そして私も知っている、入れ替わりの日々。
穂乃果の目で見る東京は、まるで外国のように輝いてます。私たちは同じ器官で女の子ですが、彼女は違う世界を見ています。
「いいなあ……」
穂乃果の呟き。
「いまごろ海未ちゃんと真姫ちゃんはデート」
私と真姫の、デートの日。
「あたし、ちょっと東京にいくね」と花陽に言う。
東京?
その夜、穂乃果は雪穂お祖母さまをたずねます。
「お祖母ちゃん、頼みあるけどいい……」
穂乃果のサイドテールが、切られました。私はこの穂乃果を知りません。
「今日がいちばん彗星が明るくみえるんだよ!」
彗星を見にいこう、とことりたちに誘われはしゃぐ。
駄目です!穂乃果!
私は叫びました!
鏡の後ろ、風鈴の音色、そよ風として。
穂乃果、いけません!
彗星が落ちる前に、町から逃げてください!
だけど私の声は、彼女には届きません。気づいてください。
祭りの日、穂乃果は友だちと、月よりも近い彗星を見上げました。
彗星がなぜか割れ、欠片は流星に、オペレーション・メテオ以上に無数の流星になり輝く。大きな岩塊が、フィフス・ルナのように、シャアの隕石のように落下しました。
その眺めを美しいと感じてしまいます。
穂乃果、逃げてください!
私は叫びます!
穂乃果、逃げて!逃げてください!穂乃果、穂乃果、穂乃果!
そして星は落ちていきます。

No.93 18/02/08 10:03
作家 

私は目を覚ましました。
その瞬間になにか確信がありました。
私は上半身を跳ね上げて、自分の身体を見る。可愛らしい指、ぺちぺち、犬みたいな頬。可愛いパジャマ。私より大きい胸。
「ほ、穂乃果です……」
可愛いあまい声が漏れます。細い喉も。血も肉も骨や皮膚も。穂乃果にすべてが体温を、熱を持っています。
「……生きてます…飛ん…!」
両手で穂乃果となった自分の腕を抱く。蛇口が壊れた水道管みたいに、穂乃果の瞳から大粒の涙が溢れます。その熱さや流れが嬉しくて、私は感激以上に感激してました。肋骨のなかでどくんどくんと心臓が脈を打ちます。私は膝を曲げました。つるりとした膝に頬がぷにぷにします。穂乃果の身体を包み、ぎゅーっと丸めます。
穂乃果。
ほのか。ほのか。
それは、もしかしたら出逢うことのなかったかもしれない、あらゆる可能性をくぐり抜けていまここにある、奇跡。
ニュータイプ、アニマスピリチア、ありとあらゆる適合者のミラクルウミチャンです!
恥ずかしいですね。こんなネーミング。

No.94 18/02/08 13:40
作家 

「……お姉ちゃん、なにしてるの?」
声に顔を上げる、襖を開けて花陽が立っていた。
「あ……ぱ、ば…ぱぱぱぱぱぱばなよ!」
私は涙な声で呟き叫びました。花陽が生きています。涙や鼻水でずびずびしながら穂乃果の胸を揉む私を、唖然呆然と見つめている。
「ぱぱぱぱぱぱばなよぉぉぉ!!」
「『イッパツマン』ではないよ!!ぴぃやああ」
抱き締めようとしる私から逃げるために花陽はひっ、と息を詰め逃げ出しました。
すると側で声がしました。
「ワシワシMAXに穂乃果ちゃんも目覚めたんやな」
「目覚めてません」
えい!と希を叩きのめしましたがふと気づく。こんなのでもいまは役に立つ時です。
「ちょっとちょっと、おばあちゃん」
叫びながら花陽は階段を下りていきました。
「お姉ちゃん、いよいよあほのかだよ!こわれちゃったよ」
おばあさまに泣きつく声がやけにリアルです。
……私は知ってます。乃木坂町の小学校では実は巨乳であり親しい男子や女子がいること。
こほん、そんなことよりミラクルウミチャンの出番です。時空を越えた私の力をいまこそ見せる時です!

No.95 18/02/09 08:07
作家 

ニュースのお姉さんがしゃべっています。林原めぐみさんではないです。私は制服に着替え一階に希を引っ張りながら下りました。穂乃果の身体は燃費がいいです。
『肉眼でハイコウ彗星は見られるほど間近に接近し、今夜九時九分九秒前後に再接近し、明るく見られると……』
「……まだ間に合います!」
穂乃果を助けられる。私は彼女の身体に力を入れます。怖いですが。
「おはよう穂乃果。花陽は先に行ったよ」
振り向くと雪穂おばあさま。
「おばあさま!」私の声に彼女は目を丸くした。
「……あなた、穂乃果ではない?」
「あ……はい」つい頷いた私に彼女は感心したようでもあった。
「知ってらしたのですか……なぜ?」
雪穂おばあさまはお茶を淹れながらそっと座る。
「う〜ん。あのな最近の穂乃果を見てたら、思い出したの。私もむかしふしぎな夢を見てたことあるのかなて」
え?どういうこと。ですが生きる日本昔話、市原悦子さんみたいです。私が腰を下ろすとお茶を淹れ口につけます。
「あれは、ふしぎなものでな。いいえ、夢というよりは別の人生。私は知らない町で知らない女の子だったかな」
私と穂乃果にそっくりです。
「でもな、ある日それは突然に終わった。いまではふしぎな夢だったというだけ。私は誰になってたかは古い記憶のなかだけ。消えたの」
「消えた……」
唖然としながら私はどきりとし穂乃果の名を忘れてました。夢や妄想と本気にしていました。雪穂おばあさまの表情は寂しい感じ。
「だからいまのあなたを見てるものは大切にしなさい。夢は夢。いつかは消えてしまう。私のお母さん、そのまたお母さん……にもあったとか」
「え、それは……」
ふと思います。高坂家に代々受け継がれた巫女の血。まあ横で気絶してる希は論外として。たぶん高坂家の女性たちは代々巫女の血を持ち世代を越えた緊急システム。
「も、もしかしたら、高坂のひとたちの夢は、ぜんぶ今日のためにあったかもしれません!」
私は雪穂おばあさまを見つめました。
「おばあさま聞いてください」
雪穂おばあさまは見つめ返します。私の言葉をどう聞くかはわかりません。
「今夜、乃木坂町に、隕石が落ちます。みんなが死んでしまいます!」
雪穂おばあさまはまっすぐ見つめ返し怪訝な顔になりました。
風速40メートルより大変な事態に。

No.96 18/02/09 21:01
作家 

----そんなこと誰も信じないと、意外に雪穂おばあさまは現実的でした。ある意味ふつうですが。
「なんてことですか!」
『トップをねらえ!』のタシロ艦長や『キュウレンジャー』の鳳ツルギさんなら「なんてこった!」、吉本興業の芸人さんなら「なんてこった!パンナコッタ」などとふざける場合ではないと思い高校までの道を駆け下り、希を引きずり途中まだ町長になろうとしている絵里も掴んでいきます。
「いたいいたい穂乃果ちゃん!いつまでウチを引きずるんや!」
「ち、ちょっと穂乃果!私を引っ張るなんて認めないわよ」
どうやら希が気づいたらしく引きずるのをやめようと思いましたがふたりともやはり引っ張ることにしました。
「いたいて」
「認めないわよ」
まったく雪穂おばあさまは入れ替わりは信じて隕石落下は信じないなんて乃木坂高校が廃校になるより大変なのに。
とりあえず遅刻したのはしかたありません。小鳥のさえずりのなか……やはりいました。高坂穂乃果をほぼストーカーしている可愛い南ことり。チュンチュンと鳥の着ぐるみを着て可愛いアピールです。せめて秋葉原でやった方がいいです。
それは置いといて私は決意します。
「絶対に誰も死なせません!」
「え?ことりを焼き鳥にしちゃう!?してして」
とりあえずことりを掴み私は学校に入り物わかりのいい亜里沙から説得しましょう。ことり以下三人がいかに役に立つかいささか疑問ですが。隕石落下まで半日もありません。
「ひどい言われようやで」
「町長候補のあたしを馬鹿にして認められないわ」
「今日の穂乃果ちゃんなんか格好いい……」

No.97 18/02/10 06:20
作家 

「ほ、穂乃果ちゃん、その……!」
「花陽ちゃんにそっくり!?」
「花陽ではありません!穂乃果です」
ことりと亜里沙他二名が私の顔を見つめます。
「失恋やな」
「穂乃果が?まさか」
なんかさらっとムカつくことを希と絵里が言いますが、髪を切ると花陽と区別がつかないです。真姫のようにつり目かにこみたいに典型的なロリ日本人……ともかくサイドテールは私の好み。まあことりもでしょうか?それよりもです!
「それよりも!聞いてください!」
ことり、亜里沙、警官の希、町長候補落選続きの絵里が唖然とするような声で私は言います。
「このままだと今夜、みなさんは死んでしまいます!」
教室どころか学校中が静まりました。クラスメートはみな口があんぐりです。
「ほ、穂乃果さん!?なに、どうしたの」
理性的な亜里沙が立ち、ことりは恋の逃避行とばかりに私の腕を引っ張る。映画『卒業』ですか。教室から出されことりは少し真剣な表情。信じたのか信じないのか。久しぶりに入れ替われた興奮が身体を包みます。うまくいくかいかないか。
外見は穂乃果ですから。希や絵里の視線がいたいです。

No.98 18/02/10 06:51
作家 

ことりは穂乃果に心酔してることで余計な心配はいらなかったみたいです。
「……穂乃果ちゃん、それ、ほんと!?よし、今日中に婚姻届を出してさっさと逃げよう」
「コホン、逃げるかどうかではありません。アホのかですか!今夜、ハイコウ彗星が割れて隕石がなるのです。それが高い確率で落ちる!この町に!情報ソースは言えませんが、確かなのです!」
「役所に出しても婚姻届は木っ端微塵!無効だよ」
「無効かどうかではほんとなのです!だからことり協力してください」
「穂乃果ちゃんがケッコンしてくれるなら?」
わ、わかりました!と私は苦渋の決断をしながら亜里沙は考えています。
「だいたい情報ソースはどこです?CIA?NASA?中村サツマイモ店?スパイの真似?穂乃果さん頭大丈夫ですか?」
軽く傷つくことを亜里沙は可愛い表情でさらりと言います。しかたなく私は穂乃果の財布からありったけのお金を……ないです。
「亜里沙お願いです!これでなんでも好きなものを買ってください!足りないぶんは希のお給料から!」
「こら、ウチのお給料やし」
あまりに真剣な表情の私に、亜里沙はじっと見つめ返します。
「穂乃果さんと一度デートしたいです。秋葉原にいる堅物メイドさんの代わりに」
亜里沙が取り出した雑誌には私や真姫らしいメイドが取材された雑誌です。
「わ、わかりました」
「わ〜い!とりあえずあの彗星から隕石が落ちるんですね。お姉さん!ロシアの宇宙研究所に確認を!ドクターアリサの名前を出せばおばあ様や研究所の方々は協力してくれます!」
「り、了解!」
国際電話よね?通話代かかるけどと絵里はどこまでもポンコツです。しかし役場に向かい国際電話をかけに行ったようです。
「ウチは?」
「希はとにかく町の人に呼びかけなさい」
「了解や!」
希も両津勘吉ばりにダッシュで自転車で町の人たちに呼びかけにいきました。
「わかりました。穂乃果さんの言うことを聞きます!ことりさん自転車貸してください」
なんだかんだで三人の結束は固く私はじ〜んと感激し穂乃果が慕われてることを肌に感じます。
「コンビニで食料調達。ことりさん、穂乃果さんをちゃんと見張っててください。私は姉と共にロシアの宇宙研究所に確認の電話をします」

No.99 18/02/10 08:08
作家 

ぐぐぐ……。
誰もいない部室棟で私はことりに襲われかけています。隕石が落ちるかもしれないのに彼女の頭には穂乃果と一緒になることしかありません。
ようやく互いに話し合いの末に隕石落下から無事に皆を救えたら考えますと保留にしました。見た目は可愛らしいのにおそろしい子です。
ゴールは被害範囲内のニ百世帯の約五百人ほどを、隕石落下までに範囲外に避難移動させりこと。真っ先に思いついたのは放送による避難指示。
官邸や国会議事堂、NHK乗っ取り、地球防衛軍基地乗っ取り、喫茶アミーゴ乗っ取りなど的なおバカなトークをしながら、町民がテレビやラジオを見たり聞いたりはあり得ない。喫茶店にだっておじいちゃんおばあちゃんたちが全員で井戸端会議はしてないわけでし、今夜は秋祭りで外出してる人たちはたくさんいますという話題になり、ちゅ〜んとことりと私は考えます。
「痴漢防止!じゃなくて防災無線だよ!!」
ことりが変な言い間違いをしながら声に出しました。
「痴漢はあなたです。ことり」
「防災無線だよ!町中にスピーカーあるよね!」
「あ〜……、朝晩に喋ったり時間を伝えたり。冠婚葬祭ですね」
「うん!穂乃果ちゃんとの結婚式は大大的に放送……じゃなくて!あれなら町中に伝わり指示を出せば!」
「ですが、勝手に喋ったりはむりじゃないですか?手続きとか」
「手続きはいらないよ!」
「どうするのですか?役場を乗っ取るのですか。絵里でさえ不可能なのに」
絵里はしっかりしてるようですが町長になれないのは無策なようです。本人はいまだ気づいてないのがかわいそうですが。
その頃の絵里は役場で訴えていた。
「町に隕石が落ちるの!たいへんなの!」
あたふたしほんとに無策だった。そんななか亜里沙はロシアの宇宙研究所に連絡していた。
「ドクターアリサです。ハイコウ彗星の分析を至急願います。なんでも彗星が分裂するという情報が」
『アリサくんかい。その情報がほんとだとしたら日本は大変だよ』
「分析を至急お願いします!」
ロシアの宇宙研究所は彼女の意見で慌ただしく動いた。
絵里はあたふたしていた。
「だから隕石が落ちるの!誰か聞いて」

No.100 18/02/10 10:20
作家 

ふっふっふ、とことりは可愛らしい顔に不気味な影が重なりスマホに何かを入力しました。可愛いわりに変態の要素があるのでしょうか。
「この手があるよ!」
ワシワシMAXより変な手なら軽蔑しますが、スマホを見ました。
重畳周波数の解説を読む私。
「……できるんですか、これ、ほんとに?」
ことりは胸元に手を掴みうんうん頷く。
「できるよ!寝る前に穂乃果ちゃんとえっちする妄想小説をあたしの可愛らしいボイスで流せたら……。ああ!たまらない年頃の少女なら誰もが思うよ!」
『カードキャプターさくら』の知世ちゃんに優ると劣らない変態です。
「はい……?」かなり私は引きました。しかし無線を乗っ取る。イケます!
「いや、しかし、凄いですよことり!コッティー!」
私はつい浮き足立ち襲われかけたことりに抱きつきます。
「も、もっと!抱きついて!カモン!」
「あ……」
鼻血を出されては敵いません。
「既成事実はなしです」
「ち」
舌打ちをすることりから再び離れます。穂乃果の可愛いらしさにこの子は幼い頃から魅了されたのでしょう。しかしこのふたりがならぶと大抵の萌え好きは「惚れてまうやろ〜!」になります。だけどことりは変態です。むしろ私や穂乃果の身体が危ないですね。
「いやん♪穂乃果ちゃんやめて♪」
「言ってることとやってることが違います」
いやいや言いながら私を襲い始めることり。エロボケですか!ことりは胸元の制服を脱ごうとしています。
「やめなさい!嫁入り前ですよ」
「穂乃果ちゃんにはありだよ!」
ただの色情狂でしたか!私の方が恥ずかしいです。
「いやん……穂乃果ちゃんたら」
一発気を失わせたいですが、亜里沙に次ぐ頼りなる相手です。
よくこんなのを相手に穂乃果は貞操を守ってます。だけど悪気はなくいい子のはず。私はいつか園田海未として彼女たちと接したい。真姫やにこ、凛たちとも仲良くやれますよね。変態要素さえなければ。
「と、とにかく町を隕石から救ってからです!」
「そうだね!よし!穂乃果ちゃんとの結婚のため!」
目的が歪んでますが田舎育ちはとんでもない変態がいることがわかりました。
「避難計画の続きを考えますよ」
「その後では穂乃果ちゃんとの結婚式を……」
邪すぎます。
彼女が高坂神社の巫女でなかったのはある意味救いです。

No.101 18/02/10 11:19
作家 

「ば、ば、ば、……爆弾!?ちゅどーん!」
亜里沙は可愛らしい声でケーキを口にし変な声を上げます。
「正しくは含水爆薬。わかりやすくいえばタイナマイトみたいなもの」
ポテチを口にしことりはあっけらかんと言います。私はチョコを食べます。机には亜里沙が買ってきてくれたコンビニの食料が山ほどあります。パーティーみたいです。地図を広げ考えついた避難計画を亜里沙に伝えます。ワンダバのBGMがいります。ワンダバワンダバ……♪
500ミリリットルの紅茶をがぶ飲みすることり。
「ぷは!爆薬はお父さんの会社の保管庫にいくらでもあるよ!地方での特撮番組撮影やちょっとえっちなAVの時とかに使ったり……いやん♪バレる心配はあったりなかったりかなとか」
得意気に言いながら本来は乃木坂町の建設会社のはずなのに地方ロケの特撮やえっちな撮影に協力してたんですね。だからことりがこんな変態に……。
「それから次は。こほん」私は気を取り直しメロンパンを食べ口にします。穂乃果の身体で食べるパンは一味ちがいます。
「で、で、で……電波少年!?松村邦洋?松本明子!?土屋Pじゃなくて……電波ジャック!?」
亜里沙、意外に古い番組を知ってますね。ちょっといやかなり意外。ことりが言う。
「田舎の防災無線は、伝送周波数と重畳周波数さえわかれば穂乃果ちゃんと愛し合うえっちな小説を朗読……じゃなくて乗っ取るよ!音声に特定周波数を重ねたら、スピーカーが動くはずだよ!」
メロンパンを片手に、私は言います。
「だから、学校の放送室からでも、町中に避難指示を出せるんです」
「つまりは学校からでも穂乃果ちゃんとことりの愛し合うえっちな小説を朗読……なぜいままで実行しなかったの!?あたし」
ことりの妄想を横に置いとき私は話を続けます。

No.102 18/02/10 14:10
作家 

ことりの妄想はさておき乃木坂町の地図を指差します。高坂神社を中心に直径1.2キロほどの円を書き指でなぞりました。
「これが隕石の予想被害範囲。セカンドインパクトほどではないですが、乃木坂高校は、外側にあります」高校の場所を指で示す。
「だから、町民をみんなここの校庭に誘導します」
「それは…」
亜里沙がわなわなと言います。
「か、かんぺきな犯罪!まさにルパン三世!快盗キッド!?」
ゴクリとケーキについたイチゴを飲み込む亜里沙に「犯罪……ですがみんなを助けるためなのです!」と私は穂乃果の身体で拳を握ります。地図の上に散らばる丸いチョコをどかします。犯罪かもしれませんが、円のなかの町民をみな外に出すだけ。それだけ。
「なんか穂乃果ちゃん、別な人……どS?」
亜里沙にニコッとする私。この身体にいる時は優しい女子になりますが、私はもう、穂乃果として振る舞うことはいまはどうでもいい。すべて終わった時に彼女たちが無事なら後先は考えません。生きてほしいのです。
「で放送は亜里沙、あなたに頼みます」と肩に触れます。
「ええ!?あたし」
「放送部で佐倉綾音ボイスでいまはシンカリオンですよね?なにより絵里は町長候補、無線の周波数を聞くなんて簡単です」
「シンカリオン!?亜里沙ちゃんが?きょだいロボなんだ……」と変に感心することり。
「ええ……?勝手に」
決められてと抗議する亜里沙ですが、ことりはVサインをします。
「あたしが爆薬担当」
「そして私は町長に会いに行きます!」この方法は完璧です。
「さっき言った手順で、避難のきっかけは私たちで作れます!最後は役場や消防が動かないとニ百世帯の皆さんは動きません」
「だから町長に会いに行く穂乃果ちゃん」
「娘の私から話せば、わかってくれます。たぶん」
ことりは愛らしくも不気味に笑みし「完璧な作戦だよ……。だけど放送を使えば愛の朗読ができたのに」と自画自賛と少しの後悔があるようでつぶやく。愛の放送はいつか勝手にしてください。だけどこの方法しかないのです。たぶん、きっと。

No.103 18/02/10 15:56
作家 

「……何を言ってるんだ?穂乃果?」
厳しさと微妙な娘に対し優しさと複雑が混じる声。
私は焦りました。押し切られてはダメです、と声を張ります。
「だから!念のために町の人達を避難させないと----」
「黙りなさい」
もとは和菓子職人であり職人の秘めた厳しさある声に、さすがの私も声が出ません。
穂乃果の父親は町長らしくも目を閉じ、そっと椅子に腰を預けました。椅子を軋ませ目の前の皿に載せられた煎餅を食べなさいと指が動く。ですが食べる意思はありません。その様子に穂乃果の父は窓の外を見て吐息します。明るい日差しに、葉が揺れます。
「……彗星が二つに割れこの町に落ちる?五百人が亡くなる?」
煎餅をばりっと口にし、厳しさを秘めた瞳が、私を見つめます。私は母と同じいえそれ以上に汗が感じます。穂乃果はお父さんの前ではいつも以上にいい子だから彼は会い、穂乃果は緊張しながら親しみを込めてたと伝わる。
「信じられない話わかります。だけど、根拠が……」
「戯れ言にも程かあるぞ」
煎餅が口許からこぼれ怒っていました。職人でありかつては神主であり眉間の皺は深くし「妄言は高坂家の血筋か」と呟きその言葉に穂乃果の胸が痛みます。職人の魂が残った瞳で私を見つめ、穂乃果と低く呼びました。
「本気で言っているなら、お前は病気だ」
「……なっ」
違いますの言葉が出ません。学校を出た時の自信が、音もなく崩れます。ミラクルウミちゃんですのに。見当違いなのか、不安が胸の内を覆い……いえ、違います。妄想ではないし、私は病気では……私は----。

No.104 18/02/11 07:24
作家 

「車を出してやるから」穂乃果父はふいに心配そうな表情で、受話器を取る。ボタンを押して電話をかける様子です。
「市内の病院に行きなさい。その後でならもう一度話を聞いてやる」
ムッとその態度に、私の体を不快になってます。アホのかではないです。私を、自分の娘を、病人扱いしています。全身が冷たくなり、頭にやかんを乗せたら沸騰しそうな怒りがありました。
怒りです。
「----バカにしないでください!アホのかでありませんよ!」
叫び、町長の目が開き、気づけば、私は穂乃果父のネクタイをねじり中尾彬にしてやる寸前でした。受話器が手から落ち、ツーツー……という音がありました。
「……あ」
手をゆるめ離れる私。町長の顔が離れ、驚き、困惑、穂乃果父は口から煎餅をこぼれさせ震える口元、私たちは互いの視線から外せません。私の全身の毛細血管が開いて、汗が漫画のようです。
「……穂乃果」
彼はゆっくりゆっくりと口を開きます。
「……いや……お前は、誰なんだ?」
震えて発した声には『ウルトラセブン』の「あなたは誰?」のニュアンスが込められ、嫌な感覚が耳に残りました。

No.105 18/02/11 15:47
作家 

金槌を打つ音が、どこからかかすかに聞こえます。
真昼と夕方のなか、町は静か、ずっと遠くの音までが風に乗り耳に伝わります。カンカン、カンカン。なんの役にも立ってない絵里、当初の目的を忘れるハレンチ警官希、町役場を出た私は湖を見下ろす坂道をとぼとぼと進み、音に合わせて堅い木に刺さる釘のリズムが落ち込みます。暗い狭い木に押し込まれ、錆び付く釘。神社では秋祭りの準備。道沿いに並べられた木造りの灯籠をぼんやり眺めました。
じゃ、あとでー、と子どもたちの声に私は顔を上げます。
坂の上では子どもたちが手を振りあってる。
「じゃああとでお祭りで」
「神社の下でな」
友だちと別れ、男の子と女の子が私の方に駆け下りる。小学校半ばで花陽くらいだ。
----落下地点は、神社。
「行ってはいけません!」
思わず男の子の方を掴み叫びました。
「町から逃げてください!友だちに伝えなさい」
私の腕のなかで子どもは恐怖の顔に変わりました。
「わ、ワシワシMAX!?ついに男の俺にも」
きゃあ!?と黄色い声に逃げる男の子。男の娘(こ)?
「お姉ちゃんー!」
振り向きランドセルが微妙な花陽が私に駆け下りてきました。子どもたちは逃げていきます。----これでは希と同じです。いえそれ以下。
「どういう意味や」
「認められないわ」
「お姉ちゃん!あの子たちに何したの!あの子たちは花陽のボーイフレンドじゃなくて!?」花陽は飛びつくように見上げます。
----私では、私はなにをしたらいいのです?
花陽の顔を見つめる。不安そうに私の言葉を待っています。穂乃果なら、と私は思いました。
「穂乃果なら……説得できたのですか?私では」
目を丸くする花陽に、私は言葉を伝えます。
「花陽、雪穂おばあさまと町から出てください」
「え」
「ここにいたら死ぬんです!」
「えええ、お姉ちゃんどうしたの!?」
私の言葉さえ押し戻すくらいな勢いで、花陽は必死で真剣です。
「お姉ちゃんどうしたの!しっかりして」
うるうるとし花陽は訴える。怖がりながらも。私の目を覗き込む、花陽は言います。
「昨日は東京に行っちゃうし、お姉ちゃん、いつも変だけどさらに変だよ!」
「え……?」
違和感を感じました。……東京?なぜ?

No.106 18/02/11 18:04
作家 

「花陽、東京って」
「穂乃果さ〜ん!!」
亜里沙の声です。ことりの自転車の後ろで、亜里沙が手を振ってます。アスファルトにことりは自転車を止めます。
「お父さんとの話はどうだったの!?」
前のめりにことりが聞き私は返事ができません。混乱です。なにから考えればよいのか、わからなくなってます。私では、町長は取り合ってくれません。それどころか「お前は誰だ」と、穂乃果父は聞いた。私がそう聞かせました。私が穂乃果の中に入っているからダメなのでしょうか?では、穂乃果はどこにいます?穂乃果は昨日、東京に行ったと花陽は言います。なぜ?昨日とは、いつです?
穂乃果ちゃん?とことりは私の前で手を振り、お姉ちゃんどうしたの?と亜里沙が花陽に聞いてます。
穂乃果は、どこに?私はいま、どこににいます?
----もしかして?
私は視線を上げ、民家の向こうにまるい山の輪郭を重ね、そのさらに向こうにある山の稜線。私が登った山、山頂アタック。いえ山の上のご神体。口噛み酒を飲んだ場。湖からの冷たい風が吹いて、穂乃果の短い毛先を揺らし、誰かの指先のように、髪が頬を撫でます。ことりが撫でようとするのを指で払います。
「そこに……いる?」私は呟く。
「ことりはここにいるよ」
ことりたちは揃って私の視線を追います。穂乃果、彼女がそこにいるのなら----。
「ことり、自転車を借ります!」
ハンドルを奪い自転車に乗り歴代仮面ライダー1号からビルドまでの変身ポーズをします。さっさと行ってと冷たい花陽。
「え!?穂乃果ちゃんが仮面ライダー!?TOKIOの城島が好みでしょう?」
よけいなな茶々をいうふたりを無視し私は坂道を登ります!
「穂乃果ちゃん、作戦は?」
背を向ける私に、ことりは必死に伝えます。
「計画通りにお願いします!頼みました!」
静まった町に、私のウミちゃんボイスが響きます。身体から切り離された穂乃果の声が、山と湖に反射し声は大気に溶けます。私はその声より先に先にと向かい、自転車をドレミサイクロンのように走らせました!

No.107 18/02/11 18:30
作家 

頬を、誰かが叩いている。
ことりちゃんならちょっとやらしく、亜里沙ちゃんならかわいく、絵里ちゃんならここぞとばかりに頬をくしゃくしゃにして、希ちゃんについては----却下。
あたしの頬を痛がらないようにそっと触れる。指先は冷たいよ。くすぐったくひんやりだよ。そんな風に起こすのは、だ〜れ?
あたしは目を開く。
あれ?
そこはとても暗く、まだ夜?
また頬を撫でられた。ちがうよ。これは水だよ。水滴が、さっきからあたしの頬に落ちてるんだ。身体を起こして、あたしは気づいたよ!
「……あたし、ンミチャ、海未ちゃんになってるよ!」と声が出たよ。
ぐう〜、とお腹が鳴ったね……。
おなか空いた……。
ふとお供えものがあったよ。

ばくばくごくごく!ぷはぁ〜♪
とりあえず海未の身体になった穂乃果はお供えものに残す以外は炭酸飲料水とスナック菓子を頬張り腹八分目くらいに抑えようと我慢する。
とりあえず神様には掌を合わし穂乃果は呟く。
食べたのは海未ちゃんの身体だよ、ほのかは悪くないよ。
後にこの祈りが海未をとんでもない目に遭わせるのだが彼女は知らない。
げぷっ、と炭酸飲料水を飲み干し穂乃果は神様に頭を下げてようやく登っていくのだった……。

No.108 18/02/11 20:02
作家 

狭い石段を登ると、夕陽がまぶしいよ!
長い間暗いところにいたので、海未ちゃんの目にはひりひり光が差す。登りきったそこは、もしかしたと思ったら、ご神体の山の上。
この前きたのはいつ?
海未ちゃんがどうしてこんなところに?
とりあえず巨木の下を出て窪地を歩くよ。海未ちゃん厚めのパーカーだけどおムネは……。ゴムのシューズはなんだか濡れてたね。雨が降ったのか、あちこちの草は水滴だらけ。だけど、お空は晴れている。薄い雲が、金色だよ!
だけどほのかの記憶は、なんだろ?ぼんやり。
なにも思い出せないまま、窪地の端をいき、斜面の下に辿り着く。斜面を見上げると初代ゴジラがぬっと出てきそうなカルデラ。カステラじゃないよ。山の頂上、海未ちゃんは体力あるしいまはお腹いっぱい。登りながらなにか頭のなかをたどる。ここに来る前になにをしてたか。思い出そう。すると、やがて、端っこに指が触れた。
祭りばやし、浴衣、髪を切ったあたしの顔。
----そうだ!
昨日は秋祭り、あたしはことりちゃんたちに誘われて浴衣を着て出かけ、彗星がいちばん近くで明るく見える日、三人で見に行こう、て。そう。なんだか、とても遠い記憶な感じ。ずっとむかしみたいな……。

No.109 18/02/12 07:09
作家 

髪を切ったあたしに、ことりちゃんと亜里沙ちゃんはかなり驚いていたよ。ことりちゃんは出店に仕込むフライドチキンを頬張りそうになるくらい。気の毒なほどにふたりは動揺して、高台まで来た時にはタレントの高田純次さんが取材に来てたのに相手にされなく、「失恋?穂乃果ちゃんが」「まさか。だけど」と背中で言い合ってたよ。
細い道を登り、カーブミラーを曲がり、視線の先には、巨大な彗星。長い尾をエメラルドグリーンに輝いていて、その先は月より明るい。目を凝らすと、細やかな塵が舞っていた。ことりちゃんは出店を出し、亜里沙ちゃんは村の美少女コンテストで優勝し、絵里ちゃんは希ちゃんにワシワシされ、希ちゃんは絵里ちゃんをワシワシしバカみたい……前言撤回だよ。バカそのものに希ちゃんと絵里ちゃんははしゃいでいた。
気づくといつの間にか、彗星の先っぽがふたつに分かれているんだよ。あれ?なんで?疑問に思う間もなく先っぽがぐんぐん近づいてくる。やがてそのまわりに、細い細い流れ星が無数に輝いていたんだよ。星が降ってくるようだったよ。ううん、星が本当に降ってきていたんだよ!まるで夢のように、嘘みたいに綺麗な夜……。
ほのか詩人だよ。

No.110 18/02/12 13:44
作家 

あたしは、斜面を登ったよ。海未ちゃんの身体はおムネはないけど体力があるよ。風が冷たいよ。眼下には、じゅうたんみたいな雲ばかりが広がる。そしてその下には乃木坂湖がある。
あれれ?とあたしは思う。
おかしいよ。
あたしはさっきから、足が凍ったみたいに震えが止まらない。
おかしいよ。
こわいよこわいよ、不安ばかりが胸を覆い心細い。頭がおバカよりたいへんだよ。額や髪には汗が流れて、止まらない止まらない。
もしかして。
あたしはおかしくなったのかな。おかしくなって壊れたの。
こわいよこわいよ。いますぐになにか叫びたいのに、喉は粘り声にならないしか出ないよ。意思とは無関係に、まぶたは大きくなる。眼球にある表面がじっとじっと湖を見つめて離せない。あたしは知っている。あたしはは気づくよ。
乃木坂町が、ない。
乃木坂湖に被さるようにして、もっと大きい湖があった。
----ひょうたん型じゃないよ、もっと大きいのがひとつ、と穂乃果の心の声が呟く。
あんなものが落ちてきたんだよ。
あんなに熱く重い塊、頭の上に落ちたんだよ。
そうだ。
あの時、あたしは。

ゆっくり膝を崩して無音のまま、あたしは膝を地面につけた。
あたしは、あの時。
ゆっくりゆっくり声に出し空気に触れる。
「……あたし、あの時……」
涙がうるうる流れ止まらない。誰か止めてよ。海未ちゃんの記憶。ひとつの町を滅ぼした彗星災害。ほんとは三年未来の東京音乃町に暮らしていた、海未ちゃん。その時、あたしははいなかったんだ。星が降ったあの夜、あの時、あたしは----。
「死んじゃった……?」
涙が止まらないよ……。

No.111 18/02/12 15:29
作家 

人の記憶はどこに宿るのでしょう。
脳のシナプスでしょうか。瞳や指先でしょうか。もしくは、霧のように不定形な精神の塊があって、記憶を宿すのでしょうか。心や精神、魂と呼ばれるもの。OSやUSBメモリみたいなもの。
アスファルトがなくなり、私は未舗装の道を自転車で必死に走ります!根性海未ちゃん!太陽が低くなり、木々の間をチラチラ瞬きます。穂乃果の身体はいつになく汗を流し、前髪が揺れています。私は自転車で走りながら、汗と一緒に、髪を拭います。
穂乃果の魂。きっといま、私の身体のなかにあるはずです。私の心がここに、穂乃果の身体のなかにあるのですから。でも----と、さっきから私は思います。
私たちはいまも、一緒です。
穂乃果は、すくなくても彼女の心のかけら、いまもあります。たとえば、穂乃果の制服の形、制服を着る時、ファスナーや襟の長さも、知ってます。穂乃果は、親しい相手にはとても優しい犬みたいな瞳をします。嬉しくなつきます。穂乃果は相手が絵里や希でも優しいです。聞かなくても誰が苦手がわかります。おばあさまを目にすると、私が知らない思い出までが映写機みたいに、ぼんやり頭に浮かぶのです。身体や記憶、感情は分かちたくさんむすびます。
---うみちゃん。
穂乃果の声が、内から聞こえます。
うみちゃん、海未ちゃん。
泣き出しそうな声。遠い星から瞬くような、寂しく伝える声。
ぼやけながら、結ばれていく。海未ちゃん、と穂乃果が呼びます。
「おぼえて、ない?」
あの日の穂乃果の記憶を、私は思い出します。

No.112 18/02/13 07:02
作家 

その日、穂乃果は学校には行かずに、電車に乗った。
東京への新幹線がつながる、大きいターミナル駅。そこへ向かうローカル線には、通学時間なのに空いていた。沿線に学校はなく、このあたりの人達はみなクルマか通勤ロボを使う。
「あたしちょっと、東京に行ってくるね」
朝家を出て、学校に向かう途中で突然、穂乃果は妹花陽に言った。
「ええ!?いまから?なんで!?」花陽は驚き聞きながらあれこれ頼む。
「なんで!?よしお姉ちゃん。吉野家にすき家、ガスト、餃子の大将に、他はメニューはこれとこれとこれ……」
「むりむり!穂乃果そんなに貯金ないよ!」
「よし!あたしの預金通帳持っていって買いに行ってください」
「むり!!」
なだめられた花陽は聞く。
「デート?まさか」
「ええ……、まあ。そんな」
「え!お姉ちゃんが東京ぬ彼氏いたの!?」
「う、う〜んと、あたしのデート……じゃなくて……」
うぶな穂乃果は困り走り出した。走りながら花陽に伝えた。
「夜には帰るよ、心配しないでね!」

No.113 18/02/14 16:02
作家 

いつもなら新幹線の窓を流れる景色を穂乃果ははしゃぐのだが、穂むまんを口にし考える。
西木野先輩と海未ちゃんのデートを見て、あたしはどうしたいのかな。さすがに遊ぶってわけにはいかないし。初めていく東京で、あたしはちゃんと人に会えるのかな。もし会えたとして----急にたずねたら、悪いよね。驚くよね海未ちゃんは、嫌がるかな。
あっさりと新幹線は、東京に着いちゃった。希ちゃんが欲しがるのわからなくもない。あまりの人混みに息を詰まらせながら、穂乃果は私に電話をしてみる。電波の通じない場所にいるのか、電源が入ってないのか……。電話を切る。やはり通じない。
誰も出んわ、としゃれさえない穂乃果。
会えないのかな、と穂乃果は思う。
でも、駅の案内板をテストの時みたいに熱心に見つめる。あいまいな記憶のまま街に出てみる。
ドン・キホーテは帰りかな。
とりあえず会えたら……。
山手線に乗り、都バスに乗り、歩き、また電車に乗っては歩く。
やっぱりあたしなんが迷惑かな。気まずいかな。それとも----。
街頭テレビには、『ハイコウ彗星・明日最接近』が映る。
それとも、もし会えたら、もしかしたら、すこし----。
歩き疲れ、歩道橋から東京の見知らない街を眺めて、穂乃果は祈るように思います。
もし会えたら、海未ちゃんは、喜ぶかな----。
再び穂乃果は歩き、考える。
こんなふうにやみくもに歩いて見つかるわけない。会えないよね。だけど、たしかなのは、ひとつあるよ。あたしたちは、会えば、わかる。あたしに入っていたのは、ンミチャ!海未ちゃんに入っていたのは、あたしだよ。
100パーセント、だれだってまちがえない1+1=2みたいに、そのことだけは、穂乃果は確信していた。

No.114 18/02/15 19:27
作家 

駅のホームの屋根裏に、夕陽が沈む。
歩き続けてはあちこちのコンビニやファーストフードでパン食を購入しははむはむ食べる穂乃果は座り息をつく。乃木坂町の夕陽に比べたら都会の夕陽は頼りなく淡い、ぼけ〜と穂乃果は瞳に映している。音楽のようなチャイムが鳴り、まもなく・○番線に・各駅停車云々と……アナウンスが流れる。中川家かな?と思っていると電車がホームに入る。車体の巻き起こす柔らかい風がサイドテールを揺らす。穂乃果はパンを飲み込み電車の窓を見つめる。
ごく、息と共にパンを飲み込んだ。
弾かれるように、犬のよえに走った。
今、目の前を通りすぎた窓に、彼女がいた。
穂乃果は走る。電車は停車し、窓に追いつく。夕方の電車の混雑のなか、彼女の姿はなかなか見えない。巨人が息を吐くような感じで、ドアが開く。流れるような人混みで、回転ドアみたいに回る穂乃果は叫ぶ。でも、すみませんすみませんと言い、犬が飼い主を求めるみたいに、人々の間を縫うように進む。巨人の息が漏れ、ドアが閉まる。電車が動き穂乃果はよたよたする。すみませんをまた繰り返し穂乃果は進む。そしてひとりの少女の前で、止まる。ハアハアと犬みたいな息を止めると、まわりの音は消えていく。そんな感じに、穂乃果はなる。
目の前には、三年前の、中学生の私園田海未が立っていました。

No.115 18/02/21 17:07
作家 

海未ちゃん海未ちゃん。
呼び方を変えて。
ンミチャ。
穂乃果はさっきから、口のなかで私の名前をころがしている。目の前にいるのに一向に気づかない鈍感な私に、ンミチャと呼ぶのさえ恥ずかしいのか照れなのか、はにかみながら真剣な表情。そして笑顔で思いきり声を出す。
「ンミチャ!じゃなくて……うう海未ちゃん」
名を呼ばれた私は顔を上げました。私たちの身長は同じ、ただし穂乃果の方がさりげなく胸があります。
「はい?」
「あのあたし」
はにかむ彼女は指を差して見せる。私は戸惑います。
「はい?」
「……覚えて、ないの?」上目遣いな穂乃果は犬のように見つめて、吐息が荒くなります。まるで甘える犬のよう。
「……誰です?あなた」
ちいさく穂乃果はきゃんと声を上げた。赤くなり迷子の子犬のように。やがてちいさく答えた。
「……ご、ごめんなさい」
電車が揺れ、乗客がバランスを取るなか穂乃果は慣れずに私にぶつかる。サイドテールが触れ、甘いシャンプーの匂いがしました。ごめん、とちいさく謝る穂乃果。へんなひとと私は思いました。
でも穂乃果はンミチャと思いました。どちらにしても気まずい時が流れた。
次は秋葉原、とアナウンスと聞こえた。海未ちゃんの手には『ツンデレに勝つ方法!』『ツンデレを落とすこの一言!』『にこちゃんにとどめをさす必殺技!』と打倒!真姫への無駄なスポ根熱があり複雑だった。でももう帰らないと。扉が開いて何人かの乗客に揉まれながらくるくる回る。穂乃果は降りようとした。ちいさな背中を見て、海未は思う。この可愛い犬みたいな女の子はいつか知るべき相手ではと思う。なぜなら海未は『アキバの赤胴鈴之助』だから、いやニュータイプに始まる人類の進化の先駆けだから……!思わずあのです!と声をかけました。
「名前は……!」
振り向く穂乃果。だけど降りる人達の波に揉まれ離れる。穂乃果はサイドテールにしているリボンと組紐をほどき手を伸ばす。私に向かい叫びました!
「ほのかだよ!」
私は手を伸ばし可愛らしい色のリボンと組紐を掴む。
「名前は、穂乃果!」

しかしこの時にアナウンスがハノケチェン!と重なりンミチャ、ほのか、穂乃果、ハノケチェンと名前がわからなくなり忘れてました。

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