一度っきりの人生だから…
皆様、はじめまして。
妻との運命的な出会い、3人の子ども達にも恵まれ、幸せなはずの人生…
思いもしなかった今、現実…
一度っきりの人生だから……
妻が言った、この一言
これまでの人生を振り返り、基本ノンフィクションで書いて行きます。
ゆっくりなペースでの更新になるかと思いますが、よろしくお願いします🙇
私を含めまして、登場人物は、仮名とさせて頂きます。
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今から十数年前の春
期待や希望を胸に、ちょっぴり緊張した朝を迎えた
高校の入学式の朝だった
そこそこの進学校で、1年生から勉強に追われる日々
『思い描いてたのと全然違うっ!?ツマンネェ~』正直な感想だった…
とにかく、遅れをとらない様にと、ただただ勉強に必死だった
夏休みを目前に控えた頃、ある少女と出会うまでは…
少女の名前は、〈まゆみ〉 クラスも違って、教室も階違い、当然接点なんてなかった
ショートカットで色白、ちょっぴり童顔
『おォ~かわいいじゃん!!付き合いてぇ~』
そんな程度の第一印象だった
それから約一週間後、ソッコーで告白していた
返事は、当然の
「ごめんなさい。好きな人がいるもんで…」
『まぁ、ダメ元だったし』実際、そこまで落ち込まなかった
実は、その当時、中学から付き合っている彼女がいた
彼女とは、学校も別々で、連絡も会うのも回数が減ってはいたが、細々とだが続いていた
まゆみ(以下、まゆ)への想いが大きくなるのは、中学時代の彼女と別れてからだった
夏休みももう終わりって時にその彼女とは別れた
新学期が始まり、また勉強に追われる日々、まゆとちょこちょこ顔を合わせることは、当然ある
最初は、『何か気まずいなぁ』くらいだったし、『好きだ』などという気持ちもなかった
だけど、だんだんまゆのことを意識する様になっていた
それも告白する前以上に…
『かわいい』『付き合いたい』そんな、憧れや願望が、『好きだ』って想い、愛情へ変わっていった
それからというもの、日に日にまゆへの想いは大きくなる一方だった
そんな想いを抱いたまま、気持ちを伝えることも出来ないまま1年以上が過ぎていた
2年生の冬、クリスマスイブの日、俺はまゆの家の最寄り駅にいた
プレゼント片手にまゆに電話した
「今から会えないかなぁ?」
「いいよ」
「ホントにっ!?」
電話を切ってソワソワしながら、まゆが来るのを待った
15分位してまゆが来た
「ごめん、急に呼び出して」
「好きです。付き合って下さい」
なんて言おうって考えてたけど、頭の中は真っ白
少し間をおいて
「いいよ」
まゆが照れくさそうに呟いた
「えっ!?ホントに!?付き合ってくれるの?」
ちょっと拍子抜けして聞き返した
「うん、いいよ」
緊張と不安が、一転して歓喜に変わった
『ヤッター、まゆと付き合える!!』素直に嬉しかった
プレゼントを渡して、少し話をしてから、家に帰った
こうやって、まゆと付き合い始めた
バレンタインには、初めてという手作りチョコをもらった
嬉しくて嬉しくて、かなりハイテンション
その反面、凄く緊張もした
一緒にいても、うまく話が出来なかったり…そんなんで沈黙が続くこともあった
今までどっちかっていうと、女の子といても緊張なんてしなかったし、下心ありありだった(丸出しではないよっ!!)
俺自身、いつもと違う?っていう感じはしていた
まゆは、そんな俺を見て、『私と一緒にいてもつまらないのかなぁ』と思っていた
ある日の帰り道、駅まで一緒に歩いた
いつもと違ったのは、まゆが呟いた別れ際の一言だった
「私といるより、友達といる方が、楽しそうだね…」
そのまま駅の中へ…
追いかけることも出来ず、ただ呆然としていた
家に帰ってまゆに電話した
「ごめん…」
その後なんて言っていいのか、何を言ったらいいのかわからなかった
まゆの一言
「もぅ別れよう」
言葉が出なかった…
「ごめんね、じゃあね…」
そうやって、わずか2ヶ月の関係は終わった
涙が溢れ出た
失恋したこと、今までにもあった
でも、泣けたのは初めてだった
今までにない位にへこんだ
そんな俺を見て、しばらくの間、悪友達が、コンパやら女の子紹介するよって色々セッティングしてくれた
それからは、まゆのこと忘れよう、吹っ切ろうと、狂った様に遊んだ
なんとか受験も終わり、卒業を迎えた
まゆと出逢った母校をあとに、俺もまゆも地元の大学に進学した
新しい生活がスタートした
まゆのこと完全に吹っ切れたわけじゃない
大学生になってからというもの、拍車をかけて遊びまくった
まゆのこと忘れたい一心で、コンパ、ナンパ、とにかく女の子と遊びまくった
誰と、何人と関係をもったかもわからなくなるくらいに…
そんなやけくそな生活にも終わりが来た
まゆからの暑中見舞の手紙がきっかけだった
まゆに連絡しようか迷った
そのまま冬になっていた
「久しぶり、暑中見舞くれたよねぇ、……」
凄い軽い感じで電話した
学校のこと、バイトのこと、何でもない様なこと、色々と話した
「彼氏は?いるんだろ~?」
軽いノリで聞いてしまった
あえて聞こうとは思っていなかった、一瞬『しまった』と思った
まゆの口からは、
「彼氏かぁ、今はいないよ~」
『今は!?ってことは、前は彼氏いたんだ』『どんな奴?どれくらいの関係?エッチもしたのかなぁ?』思わずそんなことが、頭をよぎったが、
「そぅなんだ、じゃあ、今度、一緒に飲みに行こうよっ」
思い切って誘ってみた
「いいよ、いつにする?」
ってな感じで、あっさりと飲みに行く約束をした
『ヨッシャ~ッ!!』心の中で叫んでいた
待ちに待った約束の日
前日からなんか落ち着かなかった
遠足の前夜、なかなか眠れない、ちびっこと一緒だ
ちょっと早く着き過ぎた
なんか凄い初々しい感じがした
普段は、こんなに緊張しなかった
向こうから、見覚えのある女の子が、こっちに手を振りながら、歩いて来た…
まゆだった
ほぼ2年ぶりの再会
久しぶりに会ったまゆ
『少しポチャっとしたかなぁ!?』『オッパイ大きくなってるよなぁ!!』
なんて、ちょろっと観察モード入ってた
「もぅっ、オッパイじろじろ見過ぎっ!!」
照れ笑いしながら、まゆが言った
相変わらずかわいかった
高校時代とは違う、女…も感じた
居酒屋で飲みながら色々な話をした
「もうそろそろ終電の時間だし、出よっか」
電車を待つ駅のホームで
「また会おうよっ」
この時にはもう、忘れよう忘れようとしていたまゆへの想いが、完全に甦っていた
『やっぱり今でもまゆが好きだ』
『俺と付き合ってくれっ』
酔った勢いもあって、そんな言葉が、喉元まで出かかっていた
それからは、ちょこちょこと飲みに行ったり、遊びに行ったりした
成人式の日、忘れられない思い出のひとつ
まゆと夕方から会う約束をしていた
軽く食事して、ドライブした
俺とまゆがドライブする時、いつも目的地は決まってない
あっちに行ってみよう、こっちに行ってみようって
そんなんだから、帰りが遅くなることもしばしば
この日も例外じゃなかった
「どうする?ちょっとしんどいなぁ…」
国道沿いに一軒のラブホテルが…
「あそこで寝ていこうか?」
不思議と下心はなかった
「うん…いいよ…」
まゆが呟いた…
「あぁ~疲れた~」
「眠いよぉ~」
そんなことを言いながら、部屋に入った
田舎の国道沿いってなだけに、如何にもって感じの部屋だった
「なんかスゴイねぇ~」
まゆは、物珍しそうにあれこれ見回していた
「シャワー浴びてくるわっ」
風呂場で、イケイケモード全開になった息子を見て、ハッとした
まゆとラブホ入ってるんだ…『どうしよう…』
『まゆも意識しちゃってるよなぁ』
『そういやぁ、まゆって経験あるんかなぁ?』
そんなことで頭が一杯になった
なんとか気持ちを落ち着けて風呂場から出た
「ごめん、お先っ。まゆも入るだろ?サッパリするよぉ~」
「私もシャワー浴びてくるわぁ」
俺はベッドに横になって、気持ちを落ち着かせようと必死だった
『ひょっとして、バスタオルを巻いただけで、出てくるんじゃ…』
『いや、まゆはもっと純真だよ、色仕掛けなんてしないよ』
下心、期待、不安、…なんか自分でも訳がわからなくなるくらいに、色々な気持ちが交錯していた
こんな状況…今までなら、待ってましたと言わんばかり
ヤルことしか考えてなかったし
そら正直なところ、まゆとヤリタイって気持ちはあった
でも、今までの女と同じようには、思えなかった
好きだって気持ち…
大切だって気持ち…
結局、この夜、二人が結ばれることはなかったが、まゆへの想いが抑えきれなくなってきた
『告白しよう!!』そう決心した
その頃、まゆは新しいバイトを始めようとしていた
面接の日、俺が車で送った
車の中でまゆが言った
「メンド~だし、やめよっかなぁ…」
俺はすかさず
「今更、訳わからんこと言うなよ、ほら、もう着くよっ」
採用が決まり、まゆのバイトが始まった
これが、俺にとっては悲劇の始まりだった
まゆのバイトが始まって数日後
まゆに電話した
「新しいバイトはどうだ?今晩、時間あるかなぁ?ご飯一緒にどうだ?」
会って告白…するつもりだった
「…あのさぁ…もう二人で会ったりするの無理だわぁ…」
「えっ?どういうこと…?」
聞き返した俺に
「いい人が出来たんだ…だからもう会えない…」
まゆが言った
『彼氏が出来たから、もう二人で会うことは出来ない』
理解することは出来た
ショックで体がガクガク震えた
返す言葉も思いつかなかった
自分でもどういうやりとりをしたのか、全く覚えてないが、次の日、まゆを学校まで送る約束をした
次の日、まゆを迎えに行った
まゆを乗せて、学校へと車を走らせた
二人とも口数は少なく、BGMとエンジン音が聞こえるだけ
まゆは気まずそうに、ちょこんと小さくなって座っていた
俺はそんなまゆを見てるのが辛くて、ただ車を走らせた
『昨日の話、どういうこと?』
『いつから?』
『どんな奴なんだ?』
声にならない問いかけをしながら
「ここらへんでいいわっ」
気がついたら、学校に着いていた
「あのさぁ…昨日の話なんだけど、どういうこと…」
気力を振り絞って聞いた
「…バイト先で知り合った人と付き合ってるんだ。年上で、スッゴイ大人で…」
まゆの話を聞いてから、俺はまゆへの想いを告白した…手遅れだってわかってたけど…
「ごめんね…」
そう言い残し、まゆは去って行った
涙でまゆの姿が見えなくなった
…もういい加減諦めよう…止まらない涙を必死で堪えながら…自分にそう言い聞かせた…
帰り道、今までのことが、走馬灯の様に…
ホントに涙が止まらなかった
『あの時、面接ドタキャンしとけば…』
そんなことばっかり考えるようになっていた…
この時やっと自分の弱さに気付いた
だけど、結局は弱さを受け入れられず、自分に嘘をつき、変なプライドと虚勢を張って生きていた
まゆのこと忘れられない苦しさ、前向きになれない自分への苛立ち…とにかくおかしくなりそうだった
実際に、悪友連中は、
「おかしくなってたよ(笑)」
って言っていた…
落ち込んで、元気の出ない日々が続いていた
学校には、顔を出してたけど、講義には全くと言っていいほど出ていなかった
俺の近況を知った悪友の一人が、お節介しだした
「お前に純な恋愛は合わないんだよ!?」
『そうなのかなぁ?』『確かにまゆのことスッゴイ好きだったけど…結局は辛い思いばっかりだった…』『本気で好きになったって…』
こんな風に考えてたら、なんかどうでもよくなってきた
『面白ければ、楽しければ、それでいいじゃん!!』
そうやって、また、夜な夜な遊び回る日々が始まった…
とにかく毎晩の様に繁華街に通い、ナンパ、ナンパの日々だった
一応、彼女もいた…肩書きだけで、ヤレる女の中で一番いいってだけのこと…
愛情なんてもちろん、情すらなかった
ただ都合良くヤレればそれで良し
人間として腐ってた…その時は、ただ…忘れたい…一心だった
無茶して、バカなことして、辛い思い出を消し去りたかった
だけど、そんな生活にまたしても終わりはやって来た
まゆに振られて半年ちょっと…夏も終わり、涼しくなってきた頃だった
誰に聞いたか、はっきりと思い出せないが、まゆが、新規オープンを控えた某店舗のスタッフになるらしい…
そんな話を耳にした
少し、いや、かなりためらったが、その日、あれ以来初めてまゆに電話した
冷やかし半分で
「オープニング、顔出すねぇ~、ちょろっと遊びにいくわぁ」
当日、ちょっと迷ったけど、思い切って行ってみた
『えェ~と、食器売り場って言ってたよなぁ』
一人ぶつぶつ言いながら…足取りは軽くなっていた
「えっ!?ウッソ~!!ホントに来たのォ~!!」
聞き覚えのある、明るい声がした
振り返ると、まゆがいた
「久しぶり、来るって言ったじゃん!!」
仕事中なので軽く話して
「じゃぁ、頑張ってっ」
そのまま、家に帰った
家に着く頃には、まゆのことで頭が一杯になっていた
『懲りネェなぁ~俺って』
『まだ、年上の彼氏とよろしくやってんじゃねぇの?』
『なんか、ホッとしたなぁ、まゆの顔見たら…』
ずっと、押し殺そうとしていた気持ちが、一気に溢れてきた
「明日、仕事終わったら、飯でも行かない?」
気付いたら電話して、食事に行く約束をしていた
悪友に連絡した
「ごめん、明日キャンセル、ちょっと用出来た…」
「お前…ひょっとして…またあの女?オープニングの時、会いに行ったらしいじゃん?」
「違うよっそんなんじゃねぇよっ」
やってることは最悪だけど、落ち込んでた俺をいつも気遣ってくれていた
そんな訳もあって、正直に話し辛かった
「この前ナンパした女と会うんだよっ!!ヤレたら連絡するわぁ~」
「ハ~イ、わかったよっ」
電話を切って、急いで用意をした
待ち合わせは、まだまだなのに…
『早く時間にならないかなぁ~』
時計をチラチラ気にしながら、かなり早く家を出た
『食器、食器、食器売り場っ』
まゆの担当するフロアーに来ていた
「あっ!!いたっ!!」
思わず声が出て、
近くにいたお客に笑われた
まゆが俺に気付いた
「早すぎ~まだ終わらんよぉ~」
「お疲れっ!いいよ、ぶらぶらしてるから…」
そう言って、意味もなく余裕を装った
時間になった
少し遅れて、まゆが来た
「ごめん、お待たせ~」
『やっぱ、かわいいよぉ』
完全にまゆへの恋心が復活!?
「お疲れっ、腹減っただろ?」
ちょっと洒落た感じの居酒屋?バー?に入った
「お疲れさま~っ!!」
乾杯してお互いのこと、色々と話した
たかが半年ちょっと…まゆは、変わっていた、人間として成長していた
タバコを吸うようになっていた
『俺って、何やってんだろう…』
劣等感を感じた
明らかに成長し、頑張っているまゆ、それに比べて…俺は…
ちょっと凹んだけど、『まゆに釣り合う男になろう』
そう思った
色んな話しをしたけど、怖くてどうしても聞けないことがあった
そう、恋人の存在…
結局、聞けないまま、店を出た
「そんじゃぁ、おやすみっ」
そう言って、まゆは歩きだした……
……一瞬のことだったと思う…
「まゆっ…」
まゆを呼び止めていた
頭は真っ白、なんの迷いもなかった
「まゆ、俺と付き合ってくれ…まゆのことが好きだ…」
ストレートに、飾らずに想いを伝えた
少し間をおいて…まゆの唇が動いた
心臓の鼓動が一瞬で高まった
「…いいよっ……」
まゆが小さな口で呟いた
「うん、ありがとう…いいよっ」
確めるように…今度はさっきよりもはっきりと……
「ありがとう、ホントに嬉しいよっ」
俺は、そう言って、泣きそうになってるのを、必死で堪えた
まゆは、照れ臭そうに、はにかみ、笑っていた
今までの悲しみ、苦しみ…全部、今日この瞬間のためだったんだ…
心の底からそう思った
無茶して、強がって、素直になろうとしなかった……そんな自分が崩れ去り、温かく、優しい気持ちになった
まゆを見送って家に帰った
布団に横たわり、ボケーっと、天井を眺めていた
スライドショーのように、フラッシュバックしていた
次から次へ
楽しかったこと
悲しかったこと
今までの思い出が
途切れ、途切れ
断片的に
そのまま眠っていた…
目が覚めて、顔を洗おうと鏡の前に立った
目が腫れていた
『泣いたんかなぁ…』
鏡の中の自分をじっと見つめていた
そのまましばらく考え込んだ
とにかく嬉しかった
でも、それだけじゃぁなかった
『まゆは、本当に俺なんかでいいのか?』
『俺にまゆと付き合う資格なんてあるのか?』
『また、傷つくんじゃないか?』
俺がしてきた無茶の数々…まゆは、知らない
まゆのことが大好きで、涙もろくて、ホントは、弱い人間
悲しむのが、傷つくのが怖くて…自分を押し殺してきた…
それを悟られないように無茶して強がって…
『えぇ~ぃっ!アレコレ考えるなっ!!』
曇りかけた顔を、今までのことを洗い流そうと、必要以上に、ゴシゴシ、ゴシゴシと顔を洗っていた
こうやって、まゆと彼氏、彼女としての生活がスタートした
ほぼ毎日のように電話で話した
楽しかった
ちょっとしたこと、些細なことでも、笑いあえた
気持ちを素直に表現出来るようになっていった
デートもした
よく、まゆの仕事が終わってから二人で飲みに行った
日に日にまゆのこと、好きになっていった…
ある日、いつものように食事して、まゆを家の近くまで送った
「楽しかったよっ、またねっ!!」
車を降りた、まゆに
「まゆっ…」
そう言って、車を降りた
「…キス…したい…」
そんなつもりじゃなかったけど、思わず言ってしまった…
『しまった…』
フっと我にかえった
「…うん…」
ちょっと恥ずかしそうに、まゆがうなずいた
一瞬、身体中が火照って、まゆへの想いが津波のように押し寄せた
まゆの肩に手を添えて…
「ちゅっ…」
まゆと、初めてのキス…をした
情熱的な感じじゃない
まるで挨拶のような、短く、なんか、かわいらしい…
ほんの一瞬…時間的には…
でも、全てを満たしてくれる
そんな、キス…だった
「じゃぁ、おやすみ」
そう言って、まゆの顔を見た
「おやすみっ」
笑顔でまゆが言い返す…やさしい笑顔で
そんなまゆの顔を見て、なんかよくわからないけど、とにかくスッゴイ幸せな気持ちになった
帰りの車の中、いつもの如く、泣きそうになりながら
『まゆに会えてよかった』
『好きになってよかった』
嬉しいことがあると、決まって過去の辛い思い出を思い出していた…
ハシャグって感じじゃなく、ゆったりと静かに、今の幸せを噛みしめた
そんな気持ちで眠りについた
次の日、久しぶりに学校へ行った
いつもの顔ぶれが、ニヤニヤしながら待っていた
『ゲッ!!』
そう思いながら
「久しぶり~元気~」
なんて、わざとらしく言ってみた
「どぅだぁ~彼女は?」
『えっ?なんで、まゆのこと知ってるの!?』
『こいつらには言ってないのに…?』
「なんで知ってるんだよぉ?」
「……なんでって…誰のこと言ってんの?」
「誰って…」
言葉に詰まった
「やっぱなぁ~」
まんまとはめられた…
何故か、こういうことには敏感な連中だった
別に隠す気はなかったから、まゆのことを話した
からかわれる覚悟で…
「そっかぁ~惚れてんだなぁ、お前」
思えば、こいつらの前で落ち込んでた時もあったけど、好きだの惚れてるだのって、まゆに対する正直な気持ち、話したことなかった
常にギラギラして、女の子とヤルことばっかり話してた
「まぁ、仲良くやんなよっ!ジャマはしねぇ~よ」
ちょっぴり嬉しかった
家に帰って、まゆに電話した
「今度さぁ久しぶりにドライブ行こうよっ」
「いいよ~」
デートの約束をした
「どこ行こうかなぁ~」
「よしっこっちに行ってみよぉ~」
「オォ~!!」
こんなノリで、相変わらず行き先も決めずに、車を走らせた
夜、もういい時間だった
「帰り遅くなるなぁ、大丈夫か?」
「家に電話しとけば大丈夫だよっ」
「そっかぁ」
そう言って、車を走らせ続けた
『んっ?』
見覚えのある、景色だった
『ひょっとして…あの時の…』
『もう少し走ると…』
呼吸を整えて、気持ちを落ち着かせた
「まゆ、どっか泊まろっか?」
「いいけど…どっかある…?」
正直、パニクった
『それって、シテもいいってこと!?」
『ただ単に、眠くなったから寝ていこうってこと?』
『えぇ~どっち?』
そんなことを凄い勢いで考えてた
そうこうしてるうちに、その≪ どっか ≫が見えてきた
「あそこ、入ろっか?」
「うん…」
まゆが、小さくうなずいた
以前、まゆと泊まったホテル…
車を降りて
「うわっ!いっぱいある、どこにする~?」
ハシャギ気味のまゆ
『状況、わかってんの?』
『ひょっとして、百戦錬磨の達人?』
色々と考えた
『いや、ただの天然だ…』
なんか笑えた
まゆは、明るく、ちょっぴり天然ボケ…
そんなまゆのことが、大好きだった
「よ~しっ!ここにしよう!!」
『まゆ…覚えてるかなぁ…?』
俺が選んだのは、以前、初めてまゆと夜を明かした部屋だった
当然!?その時は、何もなかったが…
ある意味、思い出のある部屋だった
部屋に入った
相変わらず
「スッゲェ~!?」
こんな感じ…
おかげで、あまり意識せずにすんだ
「風呂入ってくるわぁ~一緒にどう?」
「バカッ!!ヘンタイッ!!」
冗談だったのに…
「わかったよぉ~一人で入りま~すっ」
わざとフクレっ面をして、言い返した
まゆは、「ベェ~」っと舌を出して笑っていた
無邪気なまゆを見て
まぁ、いずれは体の関係にもなるだろう
その時が来たら、無理に拒むこともない
でも、今は、まゆと話せて、まゆに会えて、まゆのことが好きで、それで幸せだ
シャワーを浴びながら、そんな思いになった
『まぁ、そういうことは、成り行きに任せよう』
『まゆと一緒にいる時間を大切にしよう』
「私もシャワー浴びてくるわぁ~覗かんでよっ」
「ハイハイ」
軽~くあしらっておいた
まゆは、そう言って、バスルームに
さっきまで、あんな風に思ってたのに、やっぱ、どこか意識してしまう自分もいた
気持ちを落ち着かせようと、タバコに火をつけた
「フゥ~」
大きく、深呼吸するように、煙を吐き出した
…緊張
…期待
よくわからない…
ドキドキが、止まらない…
「サッパリしたぁ~目も覚めたわぁ」
まゆが、戻って来た
二人でソファーに座って、色々と話した
何を話したかは、ほとんど覚えてない…
「寝よっか?」
「オゥ、そうだな…」
二人、並んで、ベッドに横になった
最近はまってること、そんなことを話してたと思う
お互いに…意識…しないように…しないでいいように…
そんな感じ…だったと思う
話が途切れて
「おやすみ…」
まゆが、呟いた
「…おやすみ…」
俺は、そう言って、まゆに…キス…をした
そっと、唇を離し、まゆを見つめた
「まゆ…まゆのこと…愛してる…」
「私も…だよっ」
頬を赤く染め…
ちょっぴり潤んだ目をして……
「まゆっ」
まゆを抱きしめ、今までより、長いキス…をした
離れたくない…
もう…二度と離したくない…
ただ、愛しくて…愛しくて…
そんな思いで…
無我夢中に…
まゆのこと、抱きしめていた
「…いい……?」
「…うん」
聞き取るのが、やっとの…小さな声だった
気持ちとは逆に…まゆを抱く腕に、力が入った
ホントは、もっと、そっと、優しくしたかった…
優しくしよう…
そう思うと、余計に力が入ってしまった
気持ち…を押さえ切れなかった
今まで、感じたことのない、初めて感じる、
満たされた
幸せな
気持ちだった…
恥ずかしそうに、目を閉じて、唇を噛んでいた
シャツのボタンに指を伸ばし、ひとつ…また、ひとつ…
初めて見る、まゆの裸…
初めて触れる、まゆの素肌…
どっちかって言うと、ちょっとポッチャリ、クビレの少ないボディライン…
お世辞にも、スタイルがいいとは言えない
でも、そんなまゆの全てが、愛しく思えてしょうがなかった
少しのスキマもなく、くっついていたかった…
こんな気持ちで、女を抱いたこと、なかった…
だからなのか?どぅか?…わからなかったけど…
思い描くように、今までしてきた…ようには、出来なかった
初恋の人と…初めての…そんな感じかなぁ
スゴクぎこちなく
不器用だった…
「それじゃぁ…」
「うん…」
その時、これまでにない、異変…が、起きた…
『あれっ?どぅしたんだよぉ!?』
俺の方が、ダメになっていた…
『ちょっと、なんで?』
どぅしようもなく、アセッていた
『今まで、こんなことなかったじゃん…』
「…どぅしたの……」
まゆの言葉に、我にかえった
「ごめん、まだ…ちょっと早かったみたい…」
そんな、言い訳をした
「ごめんね…私が、いけないんだよね…」
今にも、泣き出しそうな顔で、まゆが、呟いた…
「まゆのせいじゃないよっ」
「スッゴイ嬉しかった…でも、ちょっと緊張しちゃったんだよ…」
俺は、体をお越し、まゆの隣に寝転んだ
「あのさぁ………」
俺は、嫌われるのを覚悟して、話した…
高校時代から、ずっと好きだったこと
やけくそで、何人もの女と関係を持ったこと
まゆを好きになって、嬉しかったこと、悲しかったこと
そして、今日、まゆを抱こうとしながら、考えてたこと、感じたこと…
まゆに出会ってから、今日までのことを…
俺のしたこと、俺の気持ちを…正直に、素直に…
天井を見上げたまま…感情を押さえ…淡々と話した…
泣き出しそうだったから…
話し終わるまで、まゆの顔、見なかったと思う
見れなかったんだと思う
「………こんなんだよ…」
話し終えて
「キライになったろっ?俺のこと…」
そう言うと
「今までごめんね、リョウのこと…いっぱい傷つけて……ホントにごめんね…」
泣きながら、俺の胸に抱きついた…
「俺が、バカなんだよ…」
まゆをギュッと、抱きしめた
二人で抱き合って、泣いていた……
「笑おうぜっ!!」
涙でグショグショになった顔で、二人とも、声を出して、思いっっ切り笑った
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はじめまして 先日、会社の飲み会の帰りに既婚者の先輩社員から遠回しにホテルに誘われました。 …
17レス 337HIT . -
🍀語りあかそうの里🍀1️⃣0️⃣
アザーズ🫡 ここは楽しくな〜んでも話せる「憩いの場所🍀」となっており〜ま〜す🤗 日頃の事…
400レス 3618HIT 理沙 (50代 女性 ) 名必 年性必 -
店員が水分補給してたら怒りますか?
サービス業で店員です。 水分補給というのは、もちろんお客様の前で堂々と飲むとかではなく、手の空いた…
18レス 289HIT 匿名さん -
これって脈ナシですかね…?
これって脈ナシですか? 私、23歳 公務員 男 お相手26歳 公務員 女 アプリで驚く…
12レス 272HIT 片思い中さん (20代 男性 ) -
彼氏の仕事の忙しさについてです
彼氏とは付き合って3ヶ月ほどす。 付き合って最初の方は定時で帰れたり、残業してもそんなに遅…
6レス 231HIT 恋愛好きさん (20代 女性 ) -
友達ってなんだろう
友達に恋愛相談をしていました。 僕は人間関係が苦手な面があるので脈ナシで相手にされずなところがあり…
28レス 474HIT 匿名さん - もっと見る