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一度っきりの人生だから…

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リョウ( ♂ na7fi )
09/11/04 11:05(更新日時)

皆様、はじめまして。
妻との運命的な出会い、3人の子ども達にも恵まれ、幸せなはずの人生…

思いもしなかった今、現実…


一度っきりの人生だから……

妻が言った、この一言

これまでの人生を振り返り、基本ノンフィクションで書いて行きます。

ゆっくりなペースでの更新になるかと思いますが、よろしくお願いします🙇


私を含めまして、登場人物は、仮名とさせて頂きます。

No.1162189 09/09/05 20:19(スレ作成日時)

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No.1 09/09/05 21:00
リョウ ( ♂ na7fi )

今から十数年前の春

期待や希望を胸に、ちょっぴり緊張した朝を迎えた

高校の入学式の朝だった


そこそこの進学校で、1年生から勉強に追われる日々

『思い描いてたのと全然違うっ!?ツマンネェ~』正直な感想だった…

とにかく、遅れをとらない様にと、ただただ勉強に必死だった

夏休みを目前に控えた頃、ある少女と出会うまでは…

少女の名前は、〈まゆみ〉 クラスも違って、教室も階違い、当然接点なんてなかった

ショートカットで色白、ちょっぴり童顔

『おォ~かわいいじゃん!!付き合いてぇ~』

そんな程度の第一印象だった

No.2 09/09/05 21:38
リョウ ( ♂ na7fi )

それから約一週間後、ソッコーで告白していた

返事は、当然の
「ごめんなさい。好きな人がいるもんで…」
『まぁ、ダメ元だったし』実際、そこまで落ち込まなかった

実は、その当時、中学から付き合っている彼女がいた

彼女とは、学校も別々で、連絡も会うのも回数が減ってはいたが、細々とだが続いていた
まゆみ(以下、まゆ)への想いが大きくなるのは、中学時代の彼女と別れてからだった

夏休みももう終わりって時にその彼女とは別れた

新学期が始まり、また勉強に追われる日々、まゆとちょこちょこ顔を合わせることは、当然ある

最初は、『何か気まずいなぁ』くらいだったし、『好きだ』などという気持ちもなかった
だけど、だんだんまゆのことを意識する様になっていた

それも告白する前以上に…

No.3 09/09/05 22:17
リョウ ( ♂ na7fi )

『かわいい』『付き合いたい』そんな、憧れや願望が、『好きだ』って想い、愛情へ変わっていった

それからというもの、日に日にまゆへの想いは大きくなる一方だった

そんな想いを抱いたまま、気持ちを伝えることも出来ないまま1年以上が過ぎていた

2年生の冬、クリスマスイブの日、俺はまゆの家の最寄り駅にいた

プレゼント片手にまゆに電話した

「今から会えないかなぁ?」

「いいよ」

「ホントにっ!?」

電話を切ってソワソワしながら、まゆが来るのを待った


15分位してまゆが来た

No.4 09/09/05 22:47
リョウ ( ♂ na7fi )

「ごめん、急に呼び出して」

「好きです。付き合って下さい」

なんて言おうって考えてたけど、頭の中は真っ白

少し間をおいて

「いいよ」

まゆが照れくさそうに呟いた

「えっ!?ホントに!?付き合ってくれるの?」

ちょっと拍子抜けして聞き返した

「うん、いいよ」

緊張と不安が、一転して歓喜に変わった

『ヤッター、まゆと付き合える!!』素直に嬉しかった

プレゼントを渡して、少し話をしてから、家に帰った

No.5 09/09/05 23:47
リョウ ( ♂ na7fi )

こうやって、まゆと付き合い始めた

バレンタインには、初めてという手作りチョコをもらった

嬉しくて嬉しくて、かなりハイテンション

その反面、凄く緊張もした

一緒にいても、うまく話が出来なかったり…そんなんで沈黙が続くこともあった

今までどっちかっていうと、女の子といても緊張なんてしなかったし、下心ありありだった(丸出しではないよっ!!)

俺自身、いつもと違う?っていう感じはしていた

まゆは、そんな俺を見て、『私と一緒にいてもつまらないのかなぁ』と思っていた


ある日の帰り道、駅まで一緒に歩いた

いつもと違ったのは、まゆが呟いた別れ際の一言だった

「私といるより、友達といる方が、楽しそうだね…」

そのまま駅の中へ…

追いかけることも出来ず、ただ呆然としていた

家に帰ってまゆに電話した

「ごめん…」
その後なんて言っていいのか、何を言ったらいいのかわからなかった

まゆの一言
「もぅ別れよう」

言葉が出なかった…

「ごめんね、じゃあね…」

そうやって、わずか2ヶ月の関係は終わった

No.6 09/09/06 00:11
リョウ ( ♂ na7fi )

涙が溢れ出た

失恋したこと、今までにもあった

でも、泣けたのは初めてだった

今までにない位にへこんだ

そんな俺を見て、しばらくの間、悪友達が、コンパやら女の子紹介するよって色々セッティングしてくれた

それからは、まゆのこと忘れよう、吹っ切ろうと、狂った様に遊んだ

なんとか受験も終わり、卒業を迎えた

まゆと出逢った母校をあとに、俺もまゆも地元の大学に進学した

No.7 09/09/06 00:46
リョウ ( ♂ na7fi )

新しい生活がスタートした

まゆのこと完全に吹っ切れたわけじゃない

大学生になってからというもの、拍車をかけて遊びまくった

まゆのこと忘れたい一心で、コンパ、ナンパ、とにかく女の子と遊びまくった

誰と、何人と関係をもったかもわからなくなるくらいに…


そんなやけくそな生活にも終わりが来た

まゆからの暑中見舞の手紙がきっかけだった

No.8 09/09/06 10:07
リョウ ( ♂ na7fi )

まゆに連絡しようか迷った

そのまま冬になっていた

「久しぶり、暑中見舞くれたよねぇ、……」
凄い軽い感じで電話した

学校のこと、バイトのこと、何でもない様なこと、色々と話した

「彼氏は?いるんだろ~?」

軽いノリで聞いてしまった
あえて聞こうとは思っていなかった、一瞬『しまった』と思った

まゆの口からは、

「彼氏かぁ、今はいないよ~」

『今は!?ってことは、前は彼氏いたんだ』『どんな奴?どれくらいの関係?エッチもしたのかなぁ?』思わずそんなことが、頭をよぎったが、

「そぅなんだ、じゃあ、今度、一緒に飲みに行こうよっ」

思い切って誘ってみた
「いいよ、いつにする?」

ってな感じで、あっさりと飲みに行く約束をした


『ヨッシャ~ッ!!』心の中で叫んでいた

No.9 09/09/06 10:56
リョウ ( ♂ na7fi )

待ちに待った約束の日

前日からなんか落ち着かなかった

遠足の前夜、なかなか眠れない、ちびっこと一緒だ


ちょっと早く着き過ぎた

なんか凄い初々しい感じがした
普段は、こんなに緊張しなかった


向こうから、見覚えのある女の子が、こっちに手を振りながら、歩いて来た…

まゆだった

ほぼ2年ぶりの再会

久しぶりに会ったまゆ
『少しポチャっとしたかなぁ!?』『オッパイ大きくなってるよなぁ!!』
なんて、ちょろっと観察モード入ってた

「もぅっ、オッパイじろじろ見過ぎっ!!」

照れ笑いしながら、まゆが言った

相変わらずかわいかった

高校時代とは違う、女…も感じた

No.10 09/09/06 11:17
リョウ ( ♂ na7fi )

居酒屋で飲みながら色々な話をした

「もうそろそろ終電の時間だし、出よっか」
電車を待つ駅のホームで

「また会おうよっ」

この時にはもう、忘れよう忘れようとしていたまゆへの想いが、完全に甦っていた

『やっぱり今でもまゆが好きだ』
『俺と付き合ってくれっ』

酔った勢いもあって、そんな言葉が、喉元まで出かかっていた

No.11 09/09/06 11:40
リョウ ( ♂ na7fi )

それからは、ちょこちょこと飲みに行ったり、遊びに行ったりした

成人式の日、忘れられない思い出のひとつ

まゆと夕方から会う約束をしていた

軽く食事して、ドライブした


俺とまゆがドライブする時、いつも目的地は決まってない

あっちに行ってみよう、こっちに行ってみようって

そんなんだから、帰りが遅くなることもしばしば


この日も例外じゃなかった

「どうする?ちょっとしんどいなぁ…」

国道沿いに一軒のラブホテルが…

「あそこで寝ていこうか?」

不思議と下心はなかった

「うん…いいよ…」

まゆが呟いた…

No.12 09/09/06 12:13
リョウ ( ♂ na7fi )

「あぁ~疲れた~」
「眠いよぉ~」

そんなことを言いながら、部屋に入った

田舎の国道沿いってなだけに、如何にもって感じの部屋だった


「なんかスゴイねぇ~」

まゆは、物珍しそうにあれこれ見回していた

「シャワー浴びてくるわっ」

風呂場で、イケイケモード全開になった息子を見て、ハッとした

まゆとラブホ入ってるんだ…『どうしよう…』

『まゆも意識しちゃってるよなぁ』
『そういやぁ、まゆって経験あるんかなぁ?』

そんなことで頭が一杯になった

なんとか気持ちを落ち着けて風呂場から出た

「ごめん、お先っ。まゆも入るだろ?サッパリするよぉ~」

「私もシャワー浴びてくるわぁ」

俺はベッドに横になって、気持ちを落ち着かせようと必死だった

No.13 09/09/06 12:45
リョウ ( ♂ na7fi )

『ひょっとして、バスタオルを巻いただけで、出てくるんじゃ…』
『いや、まゆはもっと純真だよ、色仕掛けなんてしないよ』

下心、期待、不安、…なんか自分でも訳がわからなくなるくらいに、色々な気持ちが交錯していた

こんな状況…今までなら、待ってましたと言わんばかり

ヤルことしか考えてなかったし


そら正直なところ、まゆとヤリタイって気持ちはあった

でも、今までの女と同じようには、思えなかった

好きだって気持ち…
大切だって気持ち…


結局、この夜、二人が結ばれることはなかったが、まゆへの想いが抑えきれなくなってきた

No.14 09/09/06 13:04
リョウ ( ♂ na7fi )

『告白しよう!!』そう決心した


その頃、まゆは新しいバイトを始めようとしていた

面接の日、俺が車で送った

車の中でまゆが言った
「メンド~だし、やめよっかなぁ…」

俺はすかさず

「今更、訳わからんこと言うなよ、ほら、もう着くよっ」


採用が決まり、まゆのバイトが始まった


これが、俺にとっては悲劇の始まりだった

No.15 09/09/06 13:49
リョウ ( ♂ na7fi )

まゆのバイトが始まって数日後

まゆに電話した

「新しいバイトはどうだ?今晩、時間あるかなぁ?ご飯一緒にどうだ?」

会って告白…するつもりだった

「…あのさぁ…もう二人で会ったりするの無理だわぁ…」


「えっ?どういうこと…?」

聞き返した俺に

「いい人が出来たんだ…だからもう会えない…」
まゆが言った

『彼氏が出来たから、もう二人で会うことは出来ない』
理解することは出来た
ショックで体がガクガク震えた

返す言葉も思いつかなかった

自分でもどういうやりとりをしたのか、全く覚えてないが、次の日、まゆを学校まで送る約束をした

No.16 09/09/06 14:32
リョウ ( ♂ na7fi )

次の日、まゆを迎えに行った

まゆを乗せて、学校へと車を走らせた

二人とも口数は少なく、BGMとエンジン音が聞こえるだけ

まゆは気まずそうに、ちょこんと小さくなって座っていた

俺はそんなまゆを見てるのが辛くて、ただ車を走らせた
『昨日の話、どういうこと?』
『いつから?』
『どんな奴なんだ?』
声にならない問いかけをしながら


「ここらへんでいいわっ」

気がついたら、学校に着いていた

「あのさぁ…昨日の話なんだけど、どういうこと…」

気力を振り絞って聞いた

「…バイト先で知り合った人と付き合ってるんだ。年上で、スッゴイ大人で…」


まゆの話を聞いてから、俺はまゆへの想いを告白した…手遅れだってわかってたけど…

「ごめんね…」

そう言い残し、まゆは去って行った

涙でまゆの姿が見えなくなった

…もういい加減諦めよう…止まらない涙を必死で堪えながら…自分にそう言い聞かせた…

No.17 09/09/06 15:13
リョウ ( ♂ na7fi )

帰り道、今までのことが、走馬灯の様に…

ホントに涙が止まらなかった

『あの時、面接ドタキャンしとけば…』

そんなことばっかり考えるようになっていた…

この時やっと自分の弱さに気付いた

だけど、結局は弱さを受け入れられず、自分に嘘をつき、変なプライドと虚勢を張って生きていた


まゆのこと忘れられない苦しさ、前向きになれない自分への苛立ち…とにかくおかしくなりそうだった

実際に、悪友連中は、
「おかしくなってたよ(笑)」

って言っていた…

No.18 09/09/06 15:35
リョウ ( ♂ na7fi )

落ち込んで、元気の出ない日々が続いていた
学校には、顔を出してたけど、講義には全くと言っていいほど出ていなかった

俺の近況を知った悪友の一人が、お節介しだした

「お前に純な恋愛は合わないんだよ!?」


『そうなのかなぁ?』『確かにまゆのことスッゴイ好きだったけど…結局は辛い思いばっかりだった…』『本気で好きになったって…』

こんな風に考えてたら、なんかどうでもよくなってきた

『面白ければ、楽しければ、それでいいじゃん!!』

そうやって、また、夜な夜な遊び回る日々が始まった…

No.19 09/09/06 15:58
リョウ ( ♂ na7fi )

とにかく毎晩の様に繁華街に通い、ナンパ、ナンパの日々だった

一応、彼女もいた…肩書きだけで、ヤレる女の中で一番いいってだけのこと…

愛情なんてもちろん、情すらなかった

ただ都合良くヤレればそれで良し

人間として腐ってた…その時は、ただ…忘れたい…一心だった

無茶して、バカなことして、辛い思い出を消し去りたかった

だけど、そんな生活にまたしても終わりはやって来た

No.20 09/09/06 16:38
リョウ ( ♂ na7fi )

まゆに振られて半年ちょっと…夏も終わり、涼しくなってきた頃だった

誰に聞いたか、はっきりと思い出せないが、まゆが、新規オープンを控えた某店舗のスタッフになるらしい…

そんな話を耳にした


少し、いや、かなりためらったが、その日、あれ以来初めてまゆに電話した

冷やかし半分で

「オープニング、顔出すねぇ~、ちょろっと遊びにいくわぁ」


当日、ちょっと迷ったけど、思い切って行ってみた


『えェ~と、食器売り場って言ってたよなぁ』

一人ぶつぶつ言いながら…足取りは軽くなっていた


「えっ!?ウッソ~!!ホントに来たのォ~!!」

聞き覚えのある、明るい声がした

No.21 09/09/06 17:34
リョウ ( ♂ na7fi )

振り返ると、まゆがいた

「久しぶり、来るって言ったじゃん!!」


仕事中なので軽く話して

「じゃぁ、頑張ってっ」

そのまま、家に帰った
家に着く頃には、まゆのことで頭が一杯になっていた

『懲りネェなぁ~俺って』
『まだ、年上の彼氏とよろしくやってんじゃねぇの?』
『なんか、ホッとしたなぁ、まゆの顔見たら…』

ずっと、押し殺そうとしていた気持ちが、一気に溢れてきた


「明日、仕事終わったら、飯でも行かない?」

気付いたら電話して、食事に行く約束をしていた

悪友に連絡した

「ごめん、明日キャンセル、ちょっと用出来た…」

「お前…ひょっとして…またあの女?オープニングの時、会いに行ったらしいじゃん?」

No.22 09/09/06 17:51
リョウ ( ♂ na7fi )

「違うよっそんなんじゃねぇよっ」

やってることは最悪だけど、落ち込んでた俺をいつも気遣ってくれていた

そんな訳もあって、正直に話し辛かった

「この前ナンパした女と会うんだよっ!!ヤレたら連絡するわぁ~」

「ハ~イ、わかったよっ」


電話を切って、急いで用意をした

待ち合わせは、まだまだなのに…

『早く時間にならないかなぁ~』

時計をチラチラ気にしながら、かなり早く家を出た

No.23 09/09/06 18:09
リョウ ( ♂ na7fi )

『食器、食器、食器売り場っ』

まゆの担当するフロアーに来ていた

「あっ!!いたっ!!」

思わず声が出て、
近くにいたお客に笑われた

まゆが俺に気付いた

「早すぎ~まだ終わらんよぉ~」

「お疲れっ!いいよ、ぶらぶらしてるから…」

そう言って、意味もなく余裕を装った


時間になった

少し遅れて、まゆが来た

No.24 09/09/06 18:29
リョウ ( ♂ na7fi )

「ごめん、お待たせ~」

『やっぱ、かわいいよぉ』
完全にまゆへの恋心が復活!?

「お疲れっ、腹減っただろ?」


ちょっと洒落た感じの居酒屋?バー?に入った

「お疲れさま~っ!!」
乾杯してお互いのこと、色々と話した

たかが半年ちょっと…まゆは、変わっていた、人間として成長していた

タバコを吸うようになっていた


『俺って、何やってんだろう…』

劣等感を感じた

明らかに成長し、頑張っているまゆ、それに比べて…俺は…

No.25 09/09/06 18:47
リョウ ( ♂ na7fi )

ちょっと凹んだけど、『まゆに釣り合う男になろう』
そう思った


色んな話しをしたけど、怖くてどうしても聞けないことがあった

そう、恋人の存在…


結局、聞けないまま、店を出た


「そんじゃぁ、おやすみっ」

そう言って、まゆは歩きだした……
……一瞬のことだったと思う…


「まゆっ…」


まゆを呼び止めていた

No.26 09/09/06 20:25
リョウ ( ♂ na7fi )

頭は真っ白、なんの迷いもなかった

「まゆ、俺と付き合ってくれ…まゆのことが好きだ…」

ストレートに、飾らずに想いを伝えた

少し間をおいて…まゆの唇が動いた

心臓の鼓動が一瞬で高まった


「…いいよっ……」

まゆが小さな口で呟いた

「うん、ありがとう…いいよっ」

確めるように…今度はさっきよりもはっきりと……


「ありがとう、ホントに嬉しいよっ」

俺は、そう言って、泣きそうになってるのを、必死で堪えた

まゆは、照れ臭そうに、はにかみ、笑っていた


今までの悲しみ、苦しみ…全部、今日この瞬間のためだったんだ…

心の底からそう思った

無茶して、強がって、素直になろうとしなかった……そんな自分が崩れ去り、温かく、優しい気持ちになった

No.27 09/09/07 06:24
リョウ ( ♂ na7fi )

まゆを見送って家に帰った


布団に横たわり、ボケーっと、天井を眺めていた


スライドショーのように、フラッシュバックしていた

次から次へ

楽しかったこと

悲しかったこと

今までの思い出が

途切れ、途切れ

断片的に


そのまま眠っていた…

目が覚めて、顔を洗おうと鏡の前に立った

目が腫れていた

『泣いたんかなぁ…』

鏡の中の自分をじっと見つめていた

No.28 09/09/07 07:41
リョウ ( ♂ na7fi )

そのまましばらく考え込んだ

とにかく嬉しかった

でも、それだけじゃぁなかった

『まゆは、本当に俺なんかでいいのか?』
『俺にまゆと付き合う資格なんてあるのか?』

『また、傷つくんじゃないか?』

俺がしてきた無茶の数々…まゆは、知らない

まゆのことが大好きで、涙もろくて、ホントは、弱い人間

悲しむのが、傷つくのが怖くて…自分を押し殺してきた…

それを悟られないように無茶して強がって…

『えぇ~ぃっ!アレコレ考えるなっ!!』

曇りかけた顔を、今までのことを洗い流そうと、必要以上に、ゴシゴシ、ゴシゴシと顔を洗っていた

No.29 09/09/07 12:57
リョウ ( ♂ na7fi )

こうやって、まゆと彼氏、彼女としての生活がスタートした


ほぼ毎日のように電話で話した

楽しかった

ちょっとしたこと、些細なことでも、笑いあえた

気持ちを素直に表現出来るようになっていった

デートもした

よく、まゆの仕事が終わってから二人で飲みに行った


日に日にまゆのこと、好きになっていった…

No.30 09/09/07 13:19
リョウ ( ♂ na7fi )

ある日、いつものように食事して、まゆを家の近くまで送った

「楽しかったよっ、またねっ!!」

車を降りた、まゆに

「まゆっ…」

そう言って、車を降りた

「…キス…したい…」

そんなつもりじゃなかったけど、思わず言ってしまった…

『しまった…』
フっと我にかえった

「…うん…」

ちょっと恥ずかしそうに、まゆがうなずいた
一瞬、身体中が火照って、まゆへの想いが津波のように押し寄せた

まゆの肩に手を添えて…

「ちゅっ…」

まゆと、初めてのキス…をした

No.31 09/09/07 16:52
チョコランチ ( 13vRh )

何かありそうな楽しそうなので読ませて頂いてます😄頑張って最後まで書いて下さい✨最後までお付き合いしますので🎶🎶

No.32 09/09/07 21:08
リョウ ( ♂ na7fi )

>> 31 はじめまして😃

ありがとうございます

まだまだ、先は長いです😂

これからもコツコツと頑張って書き上げようっ、って思ってます💪

引き続きよろしくお願い致します🙇

No.33 09/09/07 21:33
リョウ ( ♂ na7fi )

情熱的な感じじゃない

まるで挨拶のような、短く、なんか、かわいらしい…

ほんの一瞬…時間的には…

でも、全てを満たしてくれる

そんな、キス…だった

「じゃぁ、おやすみ」
そう言って、まゆの顔を見た

「おやすみっ」

笑顔でまゆが言い返す…やさしい笑顔で


そんなまゆの顔を見て、なんかよくわからないけど、とにかくスッゴイ幸せな気持ちになった

No.34 09/09/07 21:58
リョウ ( ♂ na7fi )

帰りの車の中、いつもの如く、泣きそうになりながら

『まゆに会えてよかった』
『好きになってよかった』

嬉しいことがあると、決まって過去の辛い思い出を思い出していた…

ハシャグって感じじゃなく、ゆったりと静かに、今の幸せを噛みしめた

そんな気持ちで眠りについた


次の日、久しぶりに学校へ行った

いつもの顔ぶれが、ニヤニヤしながら待っていた

No.35 09/09/07 22:15
リョウ ( ♂ na7fi )

『ゲッ!!』

そう思いながら

「久しぶり~元気~」
なんて、わざとらしく言ってみた

「どぅだぁ~彼女は?」

『えっ?なんで、まゆのこと知ってるの!?』
『こいつらには言ってないのに…?』

「なんで知ってるんだよぉ?」

「……なんでって…誰のこと言ってんの?」

「誰って…」

言葉に詰まった

「やっぱなぁ~」

まんまとはめられた…
何故か、こういうことには敏感な連中だった

No.36 09/09/07 22:30
リョウ ( ♂ na7fi )

別に隠す気はなかったから、まゆのことを話した

からかわれる覚悟で…

「そっかぁ~惚れてんだなぁ、お前」

思えば、こいつらの前で落ち込んでた時もあったけど、好きだの惚れてるだのって、まゆに対する正直な気持ち、話したことなかった

常にギラギラして、女の子とヤルことばっかり話してた

「まぁ、仲良くやんなよっ!ジャマはしねぇ~よ」

ちょっぴり嬉しかった

No.37 09/09/07 22:43
リョウ ( ♂ na7fi )

家に帰って、まゆに電話した

「今度さぁ久しぶりにドライブ行こうよっ」

「いいよ~」

デートの約束をした


「どこ行こうかなぁ~」

「よしっこっちに行ってみよぉ~」

「オォ~!!」

こんなノリで、相変わらず行き先も決めずに、車を走らせた

No.38 09/09/07 23:09
リョウ ( ♂ na7fi )

夜、もういい時間だった

「帰り遅くなるなぁ、大丈夫か?」

「家に電話しとけば大丈夫だよっ」

「そっかぁ」

そう言って、車を走らせ続けた


『んっ?』

見覚えのある、景色だった

『ひょっとして…あの時の…』

『もう少し走ると…』

呼吸を整えて、気持ちを落ち着かせた

「まゆ、どっか泊まろっか?」

「いいけど…どっかある…?」


正直、パニクった

『それって、シテもいいってこと!?」
『ただ単に、眠くなったから寝ていこうってこと?』

『えぇ~どっち?』


そんなことを凄い勢いで考えてた


そうこうしてるうちに、その≪ どっか ≫が見えてきた

No.39 09/09/07 23:27
リョウ ( ♂ na7fi )

「あそこ、入ろっか?」

「うん…」

まゆが、小さくうなずいた


以前、まゆと泊まったホテル…


車を降りて

「うわっ!いっぱいある、どこにする~?」

ハシャギ気味のまゆ

『状況、わかってんの?』

『ひょっとして、百戦錬磨の達人?』

色々と考えた

『いや、ただの天然だ…』

なんか笑えた

まゆは、明るく、ちょっぴり天然ボケ…

そんなまゆのことが、大好きだった


「よ~しっ!ここにしよう!!」

No.40 09/09/07 23:49
リョウ ( ♂ na7fi )

『まゆ…覚えてるかなぁ…?』

俺が選んだのは、以前、初めてまゆと夜を明かした部屋だった

当然!?その時は、何もなかったが…

ある意味、思い出のある部屋だった


部屋に入った

相変わらず

「スッゲェ~!?」

こんな感じ…

おかげで、あまり意識せずにすんだ


「風呂入ってくるわぁ~一緒にどう?」

「バカッ!!ヘンタイッ!!」

冗談だったのに…

「わかったよぉ~一人で入りま~すっ」

わざとフクレっ面をして、言い返した

まゆは、「ベェ~」っと舌を出して笑っていた

No.41 09/09/08 00:20
リョウ ( ♂ na7fi )

無邪気なまゆを見て


まぁ、いずれは体の関係にもなるだろう

その時が来たら、無理に拒むこともない

でも、今は、まゆと話せて、まゆに会えて、まゆのことが好きで、それで幸せだ


シャワーを浴びながら、そんな思いになった

『まぁ、そういうことは、成り行きに任せよう』

『まゆと一緒にいる時間を大切にしよう』


「私もシャワー浴びてくるわぁ~覗かんでよっ」

「ハイハイ」

軽~くあしらっておいた

No.42 09/09/08 06:11
リョウ ( ♂ na7fi )

まゆは、そう言って、バスルームに


さっきまで、あんな風に思ってたのに、やっぱ、どこか意識してしまう自分もいた

気持ちを落ち着かせようと、タバコに火をつけた

「フゥ~」

大きく、深呼吸するように、煙を吐き出した


…緊張

…期待


よくわからない…

ドキドキが、止まらない…


「サッパリしたぁ~目も覚めたわぁ」

まゆが、戻って来た


二人でソファーに座って、色々と話した

何を話したかは、ほとんど覚えてない…


「寝よっか?」

「オゥ、そうだな…」

二人、並んで、ベッドに横になった

No.43 09/09/08 06:51
リョウ ( ♂ na7fi )

最近はまってること、そんなことを話してたと思う

お互いに…意識…しないように…しないでいいように…

そんな感じ…だったと思う


話が途切れて

「おやすみ…」

まゆが、呟いた

「…おやすみ…」

俺は、そう言って、まゆに…キス…をした


そっと、唇を離し、まゆを見つめた

「まゆ…まゆのこと…愛してる…」



「私も…だよっ」

頬を赤く染め…

ちょっぴり潤んだ目をして……



「まゆっ」


まゆを抱きしめ、今までより、長いキス…をした

No.44 09/09/08 09:38
ねこねこ ( ♀ GCEXh )

>> 43 なんて初々しいんでしょ💕ドキドキワクワクです💓

No.45 09/09/08 20:22
リョウ ( ♂ na7fi )

離れたくない…

もう…二度と離したくない…

ただ、愛しくて…愛しくて…

そんな思いで…

無我夢中に…

まゆのこと、抱きしめていた



「…いい……?」

「…うん」

聞き取るのが、やっとの…小さな声だった


気持ちとは逆に…まゆを抱く腕に、力が入った

ホントは、もっと、そっと、優しくしたかった…

優しくしよう…


そう思うと、余計に力が入ってしまった


気持ち…を押さえ切れなかった

今まで、感じたことのない、初めて感じる、
満たされた

幸せな

気持ちだった…

No.46 09/09/08 21:54
リョウ ( ♂ na7fi )

恥ずかしそうに、目を閉じて、唇を噛んでいた


シャツのボタンに指を伸ばし、ひとつ…また、ひとつ…


初めて見る、まゆの裸…

初めて触れる、まゆの素肌…


どっちかって言うと、ちょっとポッチャリ、クビレの少ないボディライン…

お世辞にも、スタイルがいいとは言えない

でも、そんなまゆの全てが、愛しく思えてしょうがなかった

少しのスキマもなく、くっついていたかった…

No.47 09/09/08 22:24
リョウ ( ♂ na7fi )

こんな気持ちで、女を抱いたこと、なかった…


だからなのか?どぅか?…わからなかったけど…

思い描くように、今までしてきた…ようには、出来なかった


初恋の人と…初めての…そんな感じかなぁ


スゴクぎこちなく

不器用だった…


「それじゃぁ…」


「うん…」


その時、これまでにない、異変…が、起きた…

No.48 09/09/08 22:55
リョウ ( ♂ na7fi )

『あれっ?どぅしたんだよぉ!?』

俺の方が、ダメになっていた…

『ちょっと、なんで?』

どぅしようもなく、アセッていた

『今まで、こんなことなかったじゃん…』


「…どぅしたの……」

まゆの言葉に、我にかえった

「ごめん、まだ…ちょっと早かったみたい…」

そんな、言い訳をした

「ごめんね…私が、いけないんだよね…」

今にも、泣き出しそうな顔で、まゆが、呟いた…


「まゆのせいじゃないよっ」

「スッゴイ嬉しかった…でも、ちょっと緊張しちゃったんだよ…」

No.49 09/09/08 23:33
リョウ ( ♂ na7fi )

俺は、体をお越し、まゆの隣に寝転んだ


「あのさぁ………」

俺は、嫌われるのを覚悟して、話した…


高校時代から、ずっと好きだったこと

やけくそで、何人もの女と関係を持ったこと

まゆを好きになって、嬉しかったこと、悲しかったこと

そして、今日、まゆを抱こうとしながら、考えてたこと、感じたこと…


まゆに出会ってから、今日までのことを…

俺のしたこと、俺の気持ちを…正直に、素直に…

No.50 09/09/09 00:21
リョウ ( ♂ na7fi )

天井を見上げたまま…感情を押さえ…淡々と話した…

泣き出しそうだったから…

話し終わるまで、まゆの顔、見なかったと思う

見れなかったんだと思う


「………こんなんだよ…」

話し終えて

「キライになったろっ?俺のこと…」

そう言うと

「今までごめんね、リョウのこと…いっぱい傷つけて……ホントにごめんね…」

泣きながら、俺の胸に抱きついた…

「俺が、バカなんだよ…」

まゆをギュッと、抱きしめた


二人で抱き合って、泣いていた……


「笑おうぜっ!!」

涙でグショグショになった顔で、二人とも、声を出して、思いっっ切り笑った

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