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ブルームーンストーン

No.187 18/09/19 20:11
自由人
あ+あ-

「やった!家賃会社持ちで一人暮らしできる!」

大ちゃんが妙にはしゃぐ。

「はあ、私はギリギリダメだ。
今までよりかなり早く起きなきゃ。」

私はため息をついた。

私の住む場所から本社までの距離は会社の規定する距離に足りないため部屋を借りてもらうことができず、
自腹で借りようにも本社の周辺はとにかく高い。

「じゃあさ!会社に移動願い出して俺のとこ来る?」

「えっ?どういうこと?」

「だから~、本社なんか行くのやめて俺と一緒に来たら?
どうせ大したことするわけでもないんでしょ?」

軽い調子でふざけた様に言う大ちゃんに私はカチンときた。

「何言ってるの、行くわけないでしょ。
通勤は大変だけど、新プロジェクトのメンバーに選ばれたんだもん、こんな名誉ないもん。」

普通に言ったつもりの言葉だったが、イライラが出ていたのだろう、
私の言葉に大ちゃんは少しポカンとした顔をしたがすぐに、

「新プロジェクトと言ったって会社のいつもの気まぐれプロジェクトでしょ?
やってみてダメだったら、はい!おしま~い!ってなるじゃん。
そんなに気合い入れたってガッカリするだけじゃないの?」

と嘲笑うかの様に嫌味な笑いを浮かべながら言い返してきた。

は?
あまりの言い様に返す言葉が出て来なかった。

そのプロジェクトは今までに無い新しい試みで、確かに上手くいくかどうかはやってみないとわからない。

でもだからこそ、それなりに会社に認められたメンバーで構成するのだと聞かされていた。

辞令が出た時には自分が会社に期待されている様な気持ちになって嬉しかった。
コンプレックスの塊だった私が初めて掴んだ名誉。

なのに、なのに…

「わかりました。」
と私は一言答えた。

その声は自分でもゾッとするほど静かで冷たい声だった。

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