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ジャイアントロボ 地球が静止する日 外伝 〜鉄人と少年探偵〜

No.13 16/12/01 09:03
作家
あ+あ-

『鉄人を動かしてはならぬ』

大塚は御前会議での言葉を正太郎に伝えた。
その言葉にさすがの少年探偵は言葉はなかった。もちろん正太郎は御前会議の存在は知らない。しかし法の番人でもあり警察組織を司る大塚署長の言葉の言葉に驚き少年の表情は蒼白していた。
代わりに口を開いたのは敷島博士だ。

「なぜですか!?大塚署長。鉄人を動かしてはならないだというのは」

「いや、それは……」

「大怪球フォーグラーによりヨーロッパやアメリカが壊滅的にやられこの極東アジアひいては日本にも影響ある。あのフォーグラー、戦えるのは北京支部のジャイアントロボ、……そして日本支部の鉄人しかないのでは」

「それはそうなんじゃが……」

国際警察機構本部からは鉄人や正太郎についてはいまのところはなにもない。
が、御前会議には立場上逆らえない。ましてやそれを伝えることは大塚にはできなかった。だから口を濁し歯切れはよくない。
蒼白した正太郎ではあるが、ゆっくり大塚を見て声を震わしているようでもあった。

「大塚署長がそう言うのであればしたがいます……。おそらくシズマドライブの暴走をこの国の人たちは懸念したのでしょう」

正太郎がいま社会の壁にぶつかりながらようやく出した言葉がそれであった。“この国の人たち”、御前会議の存在は知らないだろうが聡明な少年探偵の頭脳や勘はふしぎと察しているのでは、と大塚は感じた。

「しかしこのままでは大怪球フォーグラーに日本やアジアがやられては……」

うむ、と大塚は敷島の言葉にちいさく唸る。
正太郎はしばし青い巨体の鉄人を眺めていた。修理を終えても戦えない。
考えようによってはシズマドライブの暴走もなく戦わなくてすむ。
妥協、少年探偵である正太郎にとってあまりいい言葉ではないが妥協という言葉が浮かんでは消えた。
大塚署長にもひとに言えない事情もあるだろう。
現場における相棒という点では鉄人も大塚署長もおなじかもしれないが、心のどこかになにかに裏切られたという気持ちがあったのも否めない。
それはもしかしたら自分自身にもだ。
この一件を健次がいない竜作率いる村雨一家は耳にしこう吐き捨てた。

「かぁ〜。なにもしないでやられろってか!フォーグラーのぼんぼんに!!」

酒瓶が割れる音がした。

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