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続・彷徨う罪

No.19 13/01/22 18:20
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


ーー…

パトカーのサイレンが倉庫の周辺で鳴り響く。

やっと、要請した応援が来たのだ。

高瀬の背中に隠れて見えない澪の姿。

一歩ずつ、重たい足を前に進めてその場に立ち尽くす。

力無く下がった腕と静かに涙を流す高瀬に、俺は「嘘だろ」と首を横に振る。

「はっははっ…これで…僕の…計画は遂行される…」

口から血を吐きながら修也は満足そうに動かない澪を見て笑った。

「修也…!」

ケラケラと笑う修也の頭に銃を突き付けて、グリップを握った。

「よせ、岩屋…」

澪を抱きしめ顔を伏せていた高瀬の低い声が俺を抑制する。

「俺が撃った弾は澤田の肺を貫通している…そいつも次期に死ぬ。
わざわざ、トドメを刺す理由はない。」

「あはははっ…あ〜…やっとだ…。
芽衣…やっと、僕らの約束が果たされたよ…。
僕らの…彷徨う…罪…」

澤田 修也の最後のセリフだった。

その後は、駆け付けた応援がその場にいた組織の人間を総員で確保した。

柳原はなんとか一命を取り戻して、今までの悪事を自供した。
アルファムも、組織も解体…事件は解決された。

ー…しかし、

実際は、何も解決などされてはいない。

事件の全貌は未だ闇の中にある。

澤田 修也の狙いや、彼に加担した首謀者も割れていない。

最初のエクスタシーを使用した殺人事件の容疑者だって、あの検挙した犯人の中にはいなかった。

ー彷徨う罪…

本当に罪を犯した人間は誰だ?

暗闇の中で、今も澤田の笑い声が木霊する。


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