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続・彷徨う罪

No.134 13/05/13 22:42
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-

口の中に溜まる血を吐き出して、袖で口元を拭う。

修也から受けた2発目の傷口が痛んだ。

わき腹に手を当てると、シャツから血が滲み出ていた。

どうやら、蹴られた時に傷口が開いてしまったようだ。

「…貴重な血なのに。」

看護士が教えてくれた。今、私の身体に巡る血液は、殆んどが高瀬と岩屋から提供された血なのだと。

それを無駄に流す事など許されない。

さっき見た、拳銃のシリンダーは6個…つまり、装弾数は6発。

こいつは、既に5発を発砲してる…私の予想通りなら、残された弾はあと一発。

もちろん、弾の予備が無ければの話だ。

「どぉした、子猫ちゃん。
そんなに、縮こまっちまって…さっきまでの威勢はどこに行っちゃったの?」

あと一発…!それだけ上手く躱せれば…

「なぜ、修也はアンタらの神様なんだよ…?」

質問を投げかけながら、ゆっくりと壁に寄りかかる。

男は、噛み締めていた唇の力を抜いて、口角を上げながら白い歯を見せた。

「初めてあの人を見たのは、19インチの小さな画面だった。
とあるホームページには、修也さんの勇姿を讃えた行いが記されてた。」

男は、少し興奮気味に饒舌に語り始めた。

「オレは、修也さんこそが正義だと讃えるホームページ上の仲間達と一緒に、リーダーが祭り上げた神輿を担いだだけだ。
本当は、仲間なんて必要ないし、リーダーなんてオレには不要だ。」

「じゃぁ…なぜ、あんたは他の奴と一緒になってこんな事をしているの?」

「修也さんをリスペクトしているのは、本心だから。
あの人を神と掲げる忠誠心は、誰にも負けない。
だから、勝手に彼の右腕と自称して組織のリーダーを名乗るアイツに思い知らせてやりたくて。」

にじり寄る私を、男が持つ銃口が追ってくる。

全身から、冷ややかな汗が吹き出してきた。

その台詞の後が読める。

「修也さんが殺れなかったお前を、リーダーではなく、オレの手で殺ってやる…!」


それは、先程までは感じなかった確かな殺意。











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