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続・彷徨う罪

No.12 13/01/11 02:34
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-

ーー…

澤田の微笑の背後に映る零。

蒼白の顔…零の肩から流れでる夥しい出血にピントが合わせられて澤田の姿がボヤける。

俺は、零を人質に捕らえた男と澤田を交互に見た。
構えた拳銃の銃口をどちらに向けるか決める為だ。

零を取り押さえているパーカーの男は何者だ?

「亮くん…君のそのカッコいい銃を捨てて、こちら側に渡してよ。」

「澤田…てめぇ…っ!」

澤田の勝ち気で人を小馬鹿にした様な笑みに苛立ちながらも、苦痛に浮かぶ零の姿を見れば奴の言う事を聞くべきなんだと悔しさが溢れた。

俺は唇を噛み締めると銃を手から離し、床に落ちたそれを足で蹴った。

俺の拳銃は床を滑りながら澤田のつま先に当たって止まった。

奴は満足気にそれを拾い上げる。

「君のレガッタは、スマートだし磨き上げられていてとても綺麗だね…」

そう言いながら、ロックを解除して銃口を俺に向ける。

「あれ?手を挙げないの?」

徐にタバコを吸いだした俺に、澤田は拍子抜けした様にあからさまにガッカリとした表情を浮かべている。

「自分の相棒(銃)を向けられた所で、怖くもなんともねーよ。」

それに、俺はこいつにだけは絶対に降伏のポーズはとらない。

「本当に怖くない?
なら、撃ってみようか?」

「修也っ!やめて‼」

零の叫び声…。

ダメだ、零。

暴れると傷に障る。

それ以上出血し続けると、ショック死してしまう。

「撃てよ、澤田。
そして、零を解放しろ。」

「刑事の正義感?
それとも、零が芽衣と同じだから助けたい?
きっと、君は零に惹かれたんだろ?
芽依の代わりが現れて嬉しかった?」

腹を抱えて笑う澤田に、俺は初めて奴を哀れだと思った。


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